JP2002067182A - 空気入りタイヤ及びその製造方法 - Google Patents

空気入りタイヤ及びその製造方法

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JP2002067182A
JP2002067182A JP2000261429A JP2000261429A JP2002067182A JP 2002067182 A JP2002067182 A JP 2002067182A JP 2000261429 A JP2000261429 A JP 2000261429A JP 2000261429 A JP2000261429 A JP 2000261429A JP 2002067182 A JP2002067182 A JP 2002067182A
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cord
tire
ribbon
wound
circumferential
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Takashi Tanaka
尚 田中
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ユニフォミティーの低下や耐久性の低下など
を大巾に抑制しうる。 【解決手段】 成形ドラム上のタイヤ軸方向内外側の周
囲線L2、L1間の補強領域12に、補強コード20の
リボン21を、正弦波状等の繰返し凹凸状に、周方向に
複数回巻回してなるコード巻回体を形成する巻回体形成
工程を含む。加硫成形により、前記コード巻回体によっ
てコード補強層を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タイヤ側部域をコ
ード補強層によって補強した空気入りタイヤにおいて、
このコード補強層に起因するユニフォミティーの低下や
耐久性の低下などを抑制しうる空気入りタイヤ及びその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術、及び発明が解決しようとする課題】空気
入りタイヤでは、サイドウォール部やビード部、或いは
双方にコード補強層を設け、各部位を補強することが広
く行われている。
【0003】そして、このようなコード補強層Aは、一
般に、図12(A)、(B)に示すように、コードBを
平行配列した例えばファブリック材からなる帯状シート
Cを用い、生タイヤ形成時、カーカスと同様、成形ドラ
ム上でいったん円筒状に巻回した後、トロイド状へのタ
イヤシェーピングに伴って、略円板状に展開される。
【0004】従って、コード補強層Aの半径方向外縁A
a及び内縁Abには、ゴムとの接着性に劣るコード端が
集中して配され、その結果、この外縁Aa及び内縁Ab
に剥離損傷を誘発しやすくなるなど耐久性の低下傾向と
なっている。
【0005】また前記コード補強層Aでは、巻回の始端
部Acと他端部Adとを貼合わせたジョイント部Jに剛
性段差が発生するため、ユニフォミティーに悪影響を与
えている。
【0006】そこで本発明は、コード補強層を、その半
径方向外縁及び内縁にコード端を集中させることなくか
つジョイント部を設けることなく、容易に形成すること
ができ、このコード補強層に起因する前記ユニフォミテ
ィーの低下や耐久性の低下などを大巾に抑制しうる空気
入りタイヤ及びその製造方法の提供を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明のうち請求項1の発明は、トレッド部からサ
イドウォール部をへてビード部のビードコアに至るカー
カス、前記トレッド部の内部かつカーカスの半径方向外
側に配されるベルト層、及び前記サイドウォール部とビ
ード部とを含むタイヤ側部域に配されるコード補強層を
具える空気入りタイヤの製造方法であって、円筒状の成
形ドラム上かつタイヤ軸方向内側の周囲線と外側の周囲
線との間の補強領域に、1本以上の補強コードを引き揃
えたリボンを、前記内側、外側の周囲間で、正弦波状、
矩形波状、三角波状を包含する繰返し凹凸状に、周方向
に複数回巻回してなるコード巻回体を形成する巻回体形
成工程と、このコード巻回体を有するタイヤ生構造体を
シェーピングして生タイヤを形成するシェーピング工程
とを含み、前記生タイヤを加硫成形することにより、前
記コード巻回体によってコード補強層を形成したことを
特徴としている。
【0008】また請求項2の発明では、前記コード巻回
体は、前記リボンを、前記成形ドラム上で、一定の周方
向の凹凸ピッチで、かつ先行して巻回された隣合うリボ
ンとは凹凸位置を周方向に一定の位置ずれ長さを位置ず
れさせて巻回することによってこの先行するリボンを順
次横切りつつ巻回することにより形成されたことを特徴
としている。
【0009】また請求項3の発明では、前記成形ドラム
において、ドラム中心線からの半径線が1つの前記周方
向の凹凸ピッチ両端を挟む角度αを30゜より大かつ1
80゜より小、かつ先行して巻回された隣合うリボンと
位置ずれする周方向のずれ長さの両端を挟む角度βは0
゜より大かつ90゜より小であることを特徴としてい
る。
【0010】また請求項4の発明では、前記コード補強
層は、前記シェーピング工程において、成形ドラムのタ
イヤ軸方向の前記内側の周囲線での半径距離が、外側の
周囲線での半径距離に比して大に拡大し、しかもコード
巻回体がリボンを、前記内側、外側の周囲間で繰返し凹
凸状とすることにより、前記内側の周囲線側の補強コー
ドの周方向線に対する傾き角度のシェーピングに伴う角
度変化δ2が、外側の周囲線側の補強コードの周方向線
に対する傾き角度の角度変化δ1よりも小とした変形凹
凸状をなすことを特徴としている。
【0011】また請求項5の空気入りタイヤの発明は、
前記請求項1乃至4に記載の製造方法によって形成され
たことを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態を、
図示例とともに説明する。図1は、本発明に係わるコー
ド補強層を有する空気入りタイヤの子午断面図、図2は
コード補強層を概念的に示す側面図である。
【0013】図1において、空気入りタイヤ1は、トレ
ッド部2と、このトレッド部2の両端からタイヤ半径方
向内方にのびる一対のサイドウォール部3と、各サイド
ウォール部3の内方端に位置するビード部4とを具え
る。又タイヤ1には、前記ビード部4、4間に跨っての
びるカーカス6と、トレッド部2の内方かつ前記カーカ
ス6の半径方向外側に配されるブレーカ層7とが設けら
れるとともに、前記サイドウォール部3とビード部4と
を含むタイヤ側部域Yには、コード補強層9を形成して
いる。
【0014】なお本例では、前記コード補強層9がサイ
ドウォール部3に設けられ、その耐カット性の向上効果
によってサイドウォールゴム3Gのゲージ厚を逆に低減
せしめ、タイヤの軽量化を達成するとともに、タイヤ横
剛性を高め、乗り心地性を損ねることなく操縦安定性の
向上を図った好ましい場合を例示している。また本例で
は、空気入りタイヤ1がラジアルタイヤである場合を例
示するが、バイアスタイヤとして形成することもでき
る。
【0015】前記カーカス6は、本例では、カーカスコ
ードをタイヤ周方向に対して70〜90゜の角度でラジ
アル配列した1枚以上、本例では、1枚のカーカスプラ
イ6Aによって形成される。カーカスコードとしては、
ナイロン、ポリエステル、レーヨンなどの有機繊維コー
ド、或いはスチールコードが好適に採用される。
【0016】又前記カーカスプライ6Aは、トレッド部
2からサイドウォール部3をへてビード部4のビードコ
ア5に至るプライ本体部6aの両端に、前記ビードコア
5の周りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返されるプ
ライ折返し部6bを具える。そして、このプライ本体部
6aとプライ折返し部6bとの間には、前記ビードコア
5から半径方向外方に向かって先細状にのびるビードエ
ーペックスゴム8が配されている。
【0017】又前記ブレーカ層7は、例えば芳香族ポリ
アミド繊維コード及びスチールコード等の高弾性のブレ
ーカコードをタイヤ周方向に対して15〜30度の角度
で配列した2枚以上、本例では、2枚のブレーカプライ
7A、7Bによって形成される。なおブレーカコード
は、プライ間で交差するように配列の向きを違えて配さ
れており、これによってトレッド部2の略全巾を強いタ
ガ効果を有して補強し、かつトレッド剛性を高めてい
る。
【0018】なおブレーカ層7のさらに外側には、ナイ
ロン等の有機繊維コードをタイヤ周方向に対して5度以
下の角度で例えば螺旋巻きしたバンドプライからなるバ
ンド層(図示しない)を設けることができる。このバン
ド層は、前記ブレーカ層7の少なくとも両端部を覆うこ
とにより、そのリフティング(遠心力によるせり上が
り)を抑え、高速耐久性を向上させる。なおバンドプラ
イとしては、前記両端部のみを覆う左右一対のエッジバ
ンドプライ、或いはブレーカ層7の略全巾を覆うフルバ
ンドプライが適宜使用できる。
【0019】次に、前記コード補強層9は、本例では、
タイヤ最大巾位置Mより半径方向内方の内縁E1から、
タイヤ最大巾位置Mより外方の外縁E2まで、前記カー
カス6の外面に沿って延在する場合を例示している。す
なわち、コード補強層9は、最もカット損傷しやすくか
つタイヤ変形しやすいタイヤ最大巾位置Mを含んで補強
しているため、横剛性を効果的に高めることができ、操
縦安定性を向上しうるとともに、耐カット性を高めるこ
とによってタイヤ外皮をなすサイドウォールゴム3Gの
薄肉化、すなわち軽量化を可能としている。
【0020】このコード補強層9の前記内縁E1、外縁
E2間の半径方向の距離、すなわちコード補強層9の巾
W1は、本例では、タイヤの断面高さTHの0.1〜
0.9倍の範囲が好ましく、0.9倍をこえると軽量化
が達成できず、逆に0.1倍未満では、横剛性及び耐カ
ット性の向上効果を期待することができなくなる。従っ
て好ましくは、前記巾W1は0.2×TH〜0.7×T
Hである。
【0021】またコード補強層9は、1本以上の補強コ
ード20を引き揃えた巾狭のリボン21(図3に示す)
を用い、図2に概念的に示すように、前記内縁E1と外
縁E2との間で、前記リボン21を、凹凸を繰返した波
状等の繰返し凹凸状で周方向に複数回巻回することによ
って形成される。この繰返し凹凸状としては、正弦波
状、矩形波状、三角波状等が使用できる。
【0022】このコード補強層9を詳しく説明すると、
便宜上、前記リボン21の半径方向外側の頂部を凸部V
2、及び半径方向内側の頂部を凹部V1と呼ぶとき、凸
部V2は前記外縁E2上に配列し、かつ凹部V1は内縁
E1上に配列する。しかも前記リボン21は、タイヤ軸
心Tiを中心とした略等角度ピッチで凹部V1、凸部V
2を繰り返し、略星状の軌跡を描きながら周方向にn回
(図2では4回)巻回する。
【0023】または、前記リボン21は、先行して巻回
された隣合うリボン21とは、凹凸位置を周方向に一定
の位置ズレを有して変位している。すなわち先行して巻
回されたリボン21と順次交差部Kを形成するなど、ト
ラス構造を構成できる。従って、従来の如きコードを平
行配列した補強層A(前記図12に示す)に比べ、より
少ないコード材料で大きな補強効果を達成することがで
きる。
【0024】また前記リボン21が波状(繰返し凹凸
状)に連続的に巻回するため、圧縮、引張に対して柔軟
性を有し、しかも前記内縁E1、外縁E2におけるコー
ド端の発生を著減或いは阻止しうるため、内縁E1、外
縁E2での剥離損傷を効果的に抑制できる。また従来の
ジョイント部J(前記図12に示す)が存在しないた
め、それによる剛性段差に起因するユニフォミティーの
低下を防止しうる。
【0025】さらにまた、前記凸部V2においては、補
強コード20が周方向に向くなど、補強コード20の周
方向に対する角度は、コード補強層9の中央側から外縁
E2に向かって漸減する。すなわち縦剛性が外縁E2に
向かって漸減するため、この外縁E2における剛性変化
を大幅に軽減でき、乗り心地性の悪化を抑制できる。し
かも、路面からの入力や、逆にハンドル操作によるタイ
ヤ変形において、非定常状態のタイヤ変形が非線形的に
ならず、車両の挙動を安定化しうる。特に正弦波状のも
のは、剛性変化が緩やかな点で好ましい。
【0026】ここで、前記リボン21の一つの巻回にお
ける凸部V2、V2間(或いは凹部V1、V1間)のタ
イヤ軸心Ti廻りの角度ピッチTαは、30゜より大か
つ180゜より小とするのが好ましい。また隣合うリボ
ン21との前記位置ズレに相当するタイヤ軸心Ti廻り
の変位角度Tβは、5より大かつ90゜より小とするの
が好ましい。なお、本例では、前記角度ピッチTαと巻
回数nと変位角度Tβとの間に、 Tα≒n×Tβ
の関係があり、従って、補強コード20は周方向に略均
一に配されることになる。
【0027】前記角度ピッチTαが180゜以上だと巻
回が困難となり、また30゜以下では、補強コード20
の半径方向に対する角度が小、すなわちカーカスコード
との交差角度が小となるため横剛性が充分に確保できな
くなる。従って、角度ピッチTαは、40〜120゜の
範囲がさらに好ましい。また、前記変位角度Tβが90
゜以上だと、コード密度が疎となって充分な補強効果が
確保できない。従って、変位角度Tβは、0°より大か
つ45°より小の範囲がさらに好ましい。
【0028】次に、このような空気入りタイヤの製造方
法の一実施態様を説明する。この製造方法は、前記コー
ド補強層9を形成するためのコード巻回体10を形成す
る巻回体形成工程S1と、このコード巻回体10を有す
る円筒状のタイヤ生構造体11をシェーピングして生タ
イヤTを形成するシェーピング工程S2とを含む。
【0029】詳しくは、前記巻回体形成工程S1では、
図4に示すように、円筒状の成形ドラムD上かつタイヤ
軸方向内側の周囲線L2と外側の周囲線L1との間の補
強領域12に、前記リボン20を繰返し凹凸状に周方向
に複数回巻回し、これによってコード巻回体10を形成
する。当然ではあるが、前記周囲線L1、L2及び補強
領域12は、完成タイヤにおける前記コード補強層9の
内縁E1、外縁E2及び形成位置に相当する。
【0030】また本例の空気入りタイヤ1では、コード
補強層9がカーカス6の外側に形成されているため、巻
回体形成工程S1に先駆け、成形ドラムD上には、イン
ナーライナゴム(図示しない)及びカーカスプライ6A
が円筒状に巻回される場合を例示している。なお本願で
は、少なくともカーカスプライ6Aとコード巻回体10
とを含んで成形ドラムD上で形成された円筒状体を、前
記「タイヤ生構造体11」とよび、要求によりサイドウ
ォールゴム、ビードゴム等を付設することができる。
【0031】前記コード巻回体10は、前記リボン20
を、一定の周方向の凹凸ピッチPαで、かつ先行して巻
回された隣合うリボン20とは凹凸位置を周方向に一定
の位置ずれ長さLβを位置ずれさせて巻回する。これに
よって、先行するリボン20を順次横切り、交差部Kを
形成しつつ巻回する。
【0032】このとき、成形ドラムDにおいて、そのド
ラム中心線I(タイヤ軸心Tiに相当)の半径線が1つ
の前記凹凸ピッチPα両端を挟む角度αを30゜より大
かつ180゜より小、かつ前記周方向の位置ずれ長さL
βの両端を挟む角度βは5゜より大かつ90゜より小と
するのが好ましい。この角度α、βは、完成タイヤにお
ける前記角度ピッチTα、前記変位角度Tβに相当する
ものであり、角度α、βの角度範囲及びその理由も、前
記角度ピッチTα、変位角度Tβに準じている。
【0033】ここで、前記「繰返し凹凸状」として、図
5(A)、(C)に展開して示すように、正弦波状、矩
形波状、三角波状等が使用でき、特に、図2、4に例示
する如くき正弦波状は、コード補強層9の剛性変化が緩
やかな点で好ましい。
【0034】また、この巻回体形成工程S1以外は、従
来の製造方法と実質的に同一であり、本例では図6
(A)、(B)に示すように、タイヤ生構造体11の両
端部側にビードエーペックスゴム8付きのビードコア5
がセットされた後、シェーピング工程S2が行われる。
【0035】このシェーピング工程S2では、ビードコ
ア5、5間をブラダー(図示せず)等を用いて膨張せし
め、トロイド状に脹らむタイヤ生構造体11の中央部
に、ブレーカ層7及びトレッドゴム2Gを含む環状のト
レッドリング13が圧接、接着される。またタイヤ生構
造体11の側部には、前記ビードコア5の廻りで折り返
された折返し部が圧接、接着される。これによってシェ
ーピングされた生タイヤTが形成される。
【0036】ここで、該シェーピング工程S2では、図
7に概念的に略示するように、前記内側の周囲線L2で
の半径距離r2が、外側の周囲線L1での半径距離r1
に比して大に拡大するなど、凸部V2、V2の距離が凹
部V1、V1間の距離に比して大巾に増大する。
【0037】すなわち、部位V1、V2、V1間で挟ま
れる凸角度θ2がシェーピング前後でθ2a→θ2bと
あまり増加しないのに対して、部位V2、V1、V2間
で挟まれる凹部角度θ1がシェーピング前後でθ1a→
θ1bと大きく増大する。言い換えると、図8(A)、
(B)に示す如く、内側の周囲線L2側の補強コード2
0の周方向線Nに対する傾き角度のシェーピングに伴う
角度変化δ2が、外側の周囲線L1側の補強コード20
の周方向線Nに対する傾き角度のシェーピングに伴う角
度変化δ1よりも小とした変形凹凸状をなす。
【0038】このことは、補強コード20の内部応力
が、外側の周囲線L1側から内側の周囲線L2側に向か
って減少する、すなわち、コード補強層9の曲げ剛性が
半径方向内側から外側に向かって減少することを意味
し、その結果、乗り心地性の悪化を招くことなく剛性を
向上させることができる。
【0039】なおコード補強層9としては、図9(A)
に略示する如く、その外縁E2側をブレーカ7下まで延
在させることができ、また図9(B)、(C)に略示す
る如く、その内縁E1側をビード部4内に延在させるこ
ともできる。この場合には、外縁E2又は内縁E1の一
方、或いは双方がブレーカ7、ビード部4で保持される
ため、さらに高い補強効果をうることができる。
【0040】なお図9(B)、(C)の如く、コード補
強層9がカーカスプライ6Aの折返し部6bを覆う構造
の場合には、図10(A)、(B)の如く、ビードコア
5の廻りでカーカスプライ6Aを折り返した後、巻回体
形成工程S1によってプライ折返し部6bの半径方向外
側にコード巻回体10を形成する、或いは、予め形成し
たコード巻回体10の半径方向外側にカーカスプライ6
Aを敷設し、シェーピングの際、このカーカスプライ6
Aとともにコード巻回体10を折り返すこともできる。
【0041】なおコード補強層9としては、ビード部4
のみを補強するビード補強層として形成することもで
き、係る場合には、図11(A)〜(B)の如く、プラ
イ折返し部6bの内側に形成しても良い。
【0042】以上、本発明の特に好ましい実施形態につ
いて詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定される
ことなく、種々の態様に変形して実施しうる。
【0043】
【実施例】図1に示す構造をなすタイヤサイズが195
/65R15の乗用車用タイヤを表1の仕様に基づき試
作するとともに、試供タイヤの縦剛性、横剛性、操縦安
定性、乗り心地性、及びタイヤ重量を測定し、その結果
を表1に記載した。
【0044】(1)縦剛性 試供タイヤにリム(6J×15)、内圧(200kP
a)の下で、400kgfの縦荷重を負荷したときの縦
剛性を測定し、従来例を100とした指数により評価し
た。値が大なほど剛性が高い。
【0045】(2)横剛性 前記タイヤを、リム(6J×15)、内圧(200kP
a)、縦荷重(400kgf)の下で、200kgfの
横荷重を負荷したときの横剛性を測定し、従来例を10
0とした指数により評価した。値が大なほど剛性が高
い。
【0046】(3)操縦安定性および乗り心地性 試供タイヤを、リム(6J×15)、内圧(200kP
a)のもとで乗用車(1800cc)の全輪に装着し、
ドライアスファルトのテストコースを走行したときの操
縦安定性および乗り心地性をドライバーの官能評価によ
り従来例を100とする指数により評価した。指数の大
きい方が良好である。
【0047】(4)タイヤ重量 タイヤ1本当たりの重量を、従来例を100とする指数
により評価した。数値が小さいほど軽量である。
【0048】
【表1】
【0049】表の如く、実施例のタイヤは、コード補強
層をサイドウォール部に設けているため、縦剛性の増加
を抑えつつ横剛性を向上でき、優れた乗り心地性を発揮
しながら操縦安定性を高めることができる。又サイドウ
ォールゴムを薄肉化しうるため軽量化を大幅に促進しう
る。又コード補強層を、その半径方向外縁及び内縁にコ
ード端を集中させることなくかつジョイント部を設ける
ことなく、容易に形成することができるため、ユニフォ
ミティーの低下や耐久性の低下などを大巾に抑制しうる
ことが推測される。
【0050】
【発明の効果】本発明は叙上の如く構成しているため、
コード補強層を、その半径方向外縁及び内縁にコード端
を集中させることなくかつジョイント部を設けることな
く、容易に形成することができ、このコード補強層に起
因する前記ユニフォミティーの低下や耐久性の低下など
を大巾に抑制しうる。さらに、このコード補強層を、サ
イドウォール部かつカーカス外側に設けた場合には、耐
カット性の向上効果によってサイドウォールゴムのゲー
ジ厚を逆に低減せしめ、タイヤの軽量化を達成するとと
もに、タイヤ横剛性を高め、乗り心地性を損ねることな
く操縦安定性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のタイヤの断面図である。
【図2】コード補強層を概念的に示す側面図である。
【図3】リボンを示す斜視図である。
【図4】巻回体形成工程を説明する斜視図である。
【図5】(A)〜(C)は、繰返し凹凸状を説明する展
開図である。
【図6】(A)、(B)は、巻回体形成工程及びシェー
ピング工程を例示する線図である。
【図7】シェーピングによるコード巻回体の変形を概念
的に説明する説明図である。
【図8】(A)、(B)は、シェーピングに伴う補強コ
ードの角度変化を説明する線図である。
【図9】(A)、(C)は、コード補強層の他の例を示
す線図である。
【図10】(A)、(C)は、コード巻回体の形成の他
の例を示す線図である。
【図11】(A)、(B)は、コード補強層のさらに他
の例を示す線図である。
【図12】(A)、(B)は、従来のコード補強層を説
明する線図である。
【符号の説明】
2 トレッド部 3 サイドウォール部 4 ビード部 5 ビードコア 6 カーカス 7 ブレーカ層 9 コード補強層 10 コード巻回体 11 タイヤ生構造体 12 補強領域 20 補強コード 21 リボン D 成形ドラム L1、L2 周囲線 S1 巻回体形成工程 S2 シェーピング工程 T 生タイヤ Y タイヤ側部域

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トレッド部からサイドウォール部をへてビ
    ード部のビードコアに至るカーカス、前記トレッド部の
    内部かつカーカスの半径方向外側に配されるブレーカ
    層、及び前記サイドウォール部とビード部とを含むタイ
    ヤ側部域に配されるコード補強層を具える空気入りタイ
    ヤの製造方法であって、 円筒状の成形ドラム上かつタイヤ軸方向内側の周囲線と
    外側の周囲線との間の補強領域に、1本以上の補強コー
    ドを引き揃えたリボンを、前記内側、外側の周囲間で、
    正弦波状、矩形波状、三角波状を包含する繰返し凹凸状
    に、周方向に複数回巻回してなるコード巻回体を形成す
    る巻回体形成工程と、 このコード巻回体を有するタイヤ生構造体をシェーピン
    グして生タイヤを形成するシェーピング工程とを含み、 前記生タイヤを加硫成形することにより、前記コード巻
    回体によってコード補強層を形成したことを特徴とする
    空気入りタイヤの製造方法。
  2. 【請求項2】前記コード巻回体は、前記リボンを、前記
    成形ドラム上で、一定の周方向の凹凸ピッチで、かつ先
    行して巻回された隣合うリボンとは凹凸位置を周方向に
    一定の位置ずれ長さを位置ずれさせて巻回することによ
    ってこの先行するリボンを順次横切りつつ巻回すること
    により形成されたことを特徴とする請求項1記載の空気
    入りタイヤの製造方法。
  3. 【請求項3】前記成形ドラムにおいて、ドラム中心線か
    らの半径線が1つの前記周方向の凹凸ピッチ両端を挟む
    角度αを30゜より大かつ180゜より小、かつ先行し
    て巻回された隣合うリボンと位置ずれする周方向のずれ
    長さの両端を挟む角度βは0゜より大かつ90゜より小
    であることを特徴とする請求項1又は2記載の空気入り
    タイヤの製造方法。
  4. 【請求項4】前記コード補強層は、前記シェーピング工
    程において、成形ドラムのタイヤ軸方向の前記内側の周
    囲線での半径距離が、外側の周囲線での半径距離に比し
    て大に拡大し、しかもコード巻回体がリボンを、前記内
    側、外側の周囲間で繰返し凹凸状とすることにより、前
    記内側の周囲線側の補強コードの周方向線に対する傾き
    角度のシェーピングに伴う角度変化δ2が、外側の周囲
    線側の補強コードの周方向線に対する傾き角度の角度変
    化δ1よりも小とした変形凹凸状をなすことを特徴とす
    る請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤの製
    造方法。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4に記載の空気入りタイヤの
    製造方法によって形成されたことを特徴とする空気入り
    タイヤ。
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