JP2002066933A - 溝切り用砥石およびその製造方法、並びにワ−クの研削加工方法 - Google Patents

溝切り用砥石およびその製造方法、並びにワ−クの研削加工方法

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JP2002066933A
JP2002066933A JP2000256616A JP2000256616A JP2002066933A JP 2002066933 A JP2002066933 A JP 2002066933A JP 2000256616 A JP2000256616 A JP 2000256616A JP 2000256616 A JP2000256616 A JP 2000256616A JP 2002066933 A JP2002066933 A JP 2002066933A
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grindstone
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composite plating
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JP2000256616A
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Takashi Misawa
喬 三澤
Tomio Kubo
富美夫 久保
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Okamoto Machine Tool Works Ltd
Original Assignee
Okamoto Machine Tool Works Ltd
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  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)
  • Polishing Bodies And Polishing Tools (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 幅が0.10mm以下の真直ぐな
スリット溝を研削加工可能な砥石の提供。および該砥石
を用いて幅が0.10mm以下の真直ぐなスリット溝を
金型素材に加工する。 【解決手段】 中央部に砥石軸に装着するための
空所2を有し、直径が30〜150mmの円環状砥石1
であって、砥石厚みが0.01〜0.10mm、素材が
ダイヤモンド含有金属複合メッキ物である、溝切り用砥
石。砥石1を3,000〜10,000rpmの回転速
度で回転させ、金型素材の表面に1〜3mmの連続した
研削液膜が形成される量の研削液をワ−ク表面に供給し
つつ、砥石を下降させて金型素材表面に対して溝切り用
砥石の外周が垂直となるように切り込みをかけ、研削を
行い、金型素材に幅0.12mm以下で深さ1〜5mm
の溝を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パ−ソナル コン
ピュ−タ(PC)用のピンコネクタの成形金型作成時に
金型に幅0.12mm以下で深さ1〜5mmの溝を形成
する方法および、その加工に用いるダイヤモンド・金属
複合メッキ砥石ならびに該砥石の製造方法に関する。該
砥石は、セラミックチャック表面に溝を形成したり、半
導体チップ製造の際にデバイスウエハを切断用ラインに
沿って回転切断させるダイサ−の回転刃としても使用可
能である。
【0002】
【従来の技術】パ−ソナル コンピュ−タ(PC)用の
ピンコネクタの成形金型作成時に押出成型金型に、厚み
150μm以下の円環状薄刃砥石を用い、狭い幅のスリ
ット溝を研削加工することは知られている(特開平11
−58407号)。上記円環状薄刃砥石としては、ダイ
ヤモンドやCBN砥粒を結合剤でボンディングしたボン
ド砥石が例示されている。実際には、厚み0.15mm
のダイヤモンドボンド砥石が使用された。
【0003】パ−ソナル コンピュ−タの小型化、高集
積化に伴い、ピンコネクタの溝も0.05〜0.10m
m、深さ1〜5mmの溝を形成する金型が要求され、該
要求性能を満たす円環状薄刃砥石の出現が望まれてい
る。かかる要求性能を満たすには、厚みが0.10mm
以下の円環状薄刃砥石が要求されるが、該厚みのダイヤ
モンドボンド砥石では砥石強度が低く、研削中に破損し
たり、研削中の砥石の回転振れ幅が1〜2mmあり、真
直な溝を研削することは困難である。
【0004】また、アルミニウム基台面にダイヤモンド
砥粒を含む第1ニッケルメッキ層(厚み20μm)を設
ける工程と、該第1メッキ層の上に砥粒を含まない銅メ
ッキ層(厚み200μm)を設ける工程と、この2層メ
ッキ層の上面にダイヤモンド砥粒を含む第2ニッケルメ
ッキ層(厚み20μm)を設ける工程と、第1メッキ層
と第2メッキ層とに挟持されているメッキ層の外周部を
エッチングする工程を含む、基台一体型マルチメッキブ
レ−ド(円板状薄刃砥石)を製造すること、およびこの
ブレ−ドを回転軸に取り付けたダイサ−でデバイスウエ
ハのダイシングする切断ライン(間隔0.2mm)を同
時に2箇所切削(切断)する方法を特開平8−2579
19号公報は提案する。
【0005】この基台一体型マルチメッキブレ−ドは、
硬いニッケルメッキブレ−ドのチッピングが大きい欠点
を柔らかい銅メッキ層で補うものでそれ自体はブレ−ド
として優れているが、第1メッキ層と第2メッキ層とに
挟持されているメッキ層の外周部をエッチングして第1
ニッケルメッキ層外周刃と第2ニッケルメッキ層外周刃
の厚みを均一とすることが困難である。また、基台の厚
みをも含めると砥石の厚みは2〜3mmと厚い。さら
に、ダイヤモンド砥粒を含むニッケルメッキ層(厚み2
0μm)と、砥粒を含まない銅メッキ層(厚み200μ
m)間の層間強度に信頼性が乏しく、砥石軸にフランジ
を用いて装着する部分が占める面積部分を大きくし、刃
幅を数mm程度しか取ることができず、砥石寿命が短
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の1は、0.1
mm幅以下、深さ1〜5mmのスリット溝を金型に形成
することができる円環状薄刃砥石の提供を目的とする。
本発明の2は、研削(切削)加工時に破損がなく、か
つ、チッピングもない円環状薄刃砥石の製造方法の提供
を目的とする。本発明の3は、該円環状薄刃砥石を用
い、研削(切削)加工時に円環状薄刃砥石の横幅揺れが
なく、真直ぐなスリット溝を金型やセラミックスチャッ
クに形成する方法、または、デバイスウエハの切断ライ
ンを真直ぐに切断する方法の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1は、中
央部に砥石軸に装着するための空所を有し、直径が30
〜150mmの円環状砥石であって、砥石厚みが0.0
1〜0.10mm、素材がダイヤモンド含有金属複合メ
ッキ物である、溝切り用砥石を提供するものである。
【0008】砥石厚みが0.01〜0.10mmのダイ
ヤモンド含有金属複合メッキ砥石とすることにより強度
が高く、幅が0.1mm以下のスリット溝を形成するこ
とが可能となった。
【0009】本発明の請求項2は、前記溝切り用砥石を
形成するメッキ金属が、ニッケルまたはクロムを主成分
とし、銅を従成分とするものであることを特徴とする。
【0010】主成分のニッケルまたはクロムで砥石の硬
さを維持し、破損を防止し、従成分の銅で柔らかさを付
与し、砥石のチッピングを防ぐ。
【0011】本発明の請求項3は、下記の工程を経て砥
石厚みが0.01〜0.10mm、ダイヤモンド含有金
属複合メッキ物を素材とする溝切り用砥石を製造する方
法を提供するものである。 (1)アルミニウム、ステンレス、鉛より選ばれた金属
製円板の表面が剥離性樹脂フィルムで被覆されている円
板状金属電極を鉛直方向に回転させながら、かつ、該電
極の1/2の高さ以上を(a)ニッケル塩またはクロム
塩、(b)カチオン性またはノニオン性界面活性剤、
(c)平均粒子径が3〜50μmのダイヤモンド粒子、
(d)有機酸または無機酸、及び(e)銅塩を含有する
メッキ浴中に浸漬させながら電流を流して前記円板状電
極表面にダイヤモンド含有金属複合メッキ膜を析出させ
る。 (2)ダイヤモンド砥石を用いて該電極のダイヤモンド
含有金属複合メッキ膜面をラップ加工し、表面を平坦化
する。 (3)円板状金属電極よりダイヤモンド含有金属複合メ
ッキ膜を剥離させる。 (4)剥離したダイヤモンド含有金属複合メッキ膜をプ
レス機でリング状に打ち抜いて、中央部に砥石軸に装着
するための空所を有し、直径が30〜150mm、砥石
厚みが0.01〜0.10mm、素材がダイヤモンド含
有金属複合メッキ物である溝切り用砥石を製造する。
【0012】ダイヤモンド含有金属複合メッキ膜を基台
の金属電極より剥離することにより厚みが0.01〜
0.10mmの砥石の製造が可能となった。また、ダイ
ヤモンド含有金属複合メッキ膜が形成される金属電極
は、メッキ中、鉛直方向に回転されるので、メッキ浴が
攪拌され、ダイヤモンド粒子の凝集が防止され、厚みが
均一なダイヤモンド含有金属複合メッキ膜が形成され
る。さらに、メッキ終了時は、ダイヤモンド含有金属複
合メッキ膜は金属電極側から剥離された面は平滑で、そ
の反対面はダイヤモンド粒子の金属メッキ膜面からの突
出で平滑性が乏しいのをラップ加工で平坦とすることに
より、砥石両面とも平坦性を示し、砥石を回転軸にフラ
ンジ等で回転自在に装着し、研削する際の砥石の横振れ
が小さくなる。
【0013】本発明の請求項4は、前記円環状砥石の製
造方法において、用いたメッキ浴は、水を分散体とし、 (a)ニッケル塩またはクロム塩 200〜850g/リットル、 (b)界面活性剤 0.1〜10g/リットル、 (c)ダイヤモンド粒子 20〜150g/リットル、 (d)有機酸または無機酸 0.1〜50g/リットル、 (e)銅塩 5〜60g/リットル、 を含有する組成であることを特徴とする。
【0014】界面活性剤によりダイヤモンド砥粒の凝集
を防ぐ。有機酸または無機酸の添加によりメッキ時の水
素発生によるメッキ膜中へピンホ−ルが形成されるのを
防ぐ。メッキ膜形成金属の主成分をニッケルまたはクロ
ムとすることにより砥石の硬さを維持し、破損を防止す
る。従成分の銅で柔らかさを付与し、砥石のチッピング
を防ぐ。
【0015】本発明の請求項5は、ワ−クの表面に1〜
3mmの連続した研削液膜が形成される量の研削液をワ
−ク表面に供給しつつ、砥石軸に回転自在に装着された
直径が30〜150mm、砥石厚みが0.01〜0.1
0mm、素材がダイヤモンド含有金属複合メッキ物であ
る溝切り用砥石を3,000〜10,000rpmの回
転速度で回転させ、該溝切り用砥石を下降させてワ−ク
表面に対して該溝切り用砥石の外周が垂直となるように
ワ−クに切り込みをかけ、研削を行い、ワ−ク表面に幅
0.12mm以下で深さ1〜5mmの溝を形成するか、
ワ−クの厚みが0.03〜3mmであるときはワ−クを
切断することを特徴とする、ワ−クを研削加工する方法
を提供するものである。
【0016】従来の研削加工では、ワ−クに多量の研削
液が供給されて、ワ−ク面上で研削液滴が跳ね返った
り、落下してワ−ク面上では不連続の研削液膜となって
いた。砥石の厚みが0.10mm以下と薄いと、研削液
滴の跳ね返りが砥石の横振れを助長したり、ワ−ク面上
の不連続な研削液膜が砥石のワ−ク切込み時に砥石の横
振れを助長し、振れ幅のため、スリット溝幅も所望幅よ
り広くなってしまう傾向がある。本発明の研削加工方法
では、砥石の回転数を3,000〜10,000rpm
と高速回転させて砥石の自律真直性(横揺れを無くす)
を発揮させ、かつ、ワ−クの表面に1〜3mmの連続し
た研削液膜が形成される量の研削液をワ−ク表面に供給
することにより、研削液の液滴が跳ね返らないようにし
て高速で回転している砥石に横振れが生じるのを防ぎ、
真直ぐなスリット溝がワ−クである金型に研削加工でき
るようにした。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図を用いて本発明をさらに
詳細に説明する。図1は、本発明の円環状薄型砥石の斜
視図、図2は本発明の円環状薄型砥石を製造する工程を
示すフロ−図、図3は本発明の円環状薄型砥石を用いて
ワ−クである金型にスリット溝を研削加工している状態
を示すスリット溝と平行な断面から見た説明図である。
【0018】図1に示すように、本発明の円環状薄型砥
石は、中央部に砥石軸に装着するための空所2を有し、
直径が30〜150mmの円環状砥石1であって、砥石
厚みが0.01〜0.10mmで素材3がダイヤモンド
含有金属複合メッキ物である。空所2の直径は、砥石の
直径により依存するが、通常は砥石直径の1/5〜2/
3、具体的には5mm〜65mmである。ダイヤモンド
含有金属複合メッキ物を素材とする砥石1の外周4面に
はダイヤモンド粒子7が突出しており、ワ−クへの切り
込み、切削に寄与する。勿論、表裏面5,6にもダイヤ
モンド粒子7が突出している。
【0019】メッキ金属としては、ニッケル、クロム、
銅、等が使用される。好ましくは、硬さと柔らかさのバ
ランスからニッケルまたはクロムを主成分(金属成分中
の75〜95重量%)とし、銅を従成分(金属成分中の
25〜5重量%)とした混合物がよい。必要により、コ
バルト、タングステン、モリブテン等が含有されてもよ
い。
【0020】図2は本発明の円環状薄型砥石を製造する
工程を示すフロ−図で、下記の工程を経て砥石厚みが
0.01〜0.10mm、ダイヤモンド含有金属複合メ
ッキ物を素材とする溝切り用砥石を製造する。
【0021】図2aに示すように、メッキ槽8中に
(a)ニッケル塩またはクロム塩、(b)カチオン性ま
たはノニオン性界面活性剤、(c)平均粒子径が5〜5
0μmのダイヤモンド粒子、(d)有機酸または無機
酸、及び(e)銅塩を含有するメッキ浴9を容れ、つい
で、表面が剥離性樹脂フィルム10bで被覆されている
円板状アルミニウム、ステンレス、または鉛(負電極に
接続される。以下、「負電極」と表現する。)10aを
円板の径方向が鉛直方向となるように、かつ、該負電極
の1/2の高さ以上がメッキ浴中に浸漬させ、モ−タ−
11aの回転力をプ−リ−11b、ベルト11c、プ−
リ−11dに伝達して該負電極10aを鉛直方向に回転
させながら、メッキ浴に正電極を入れ、負電極と正電極
間に電流を流し、メッキを行い、負電極の剥離性樹脂フ
ィルム10b上にダイヤモンド含有金属複合メッキ膜を
形成させる。
【0022】用いる負電極10aは、その表面を予め脱
脂処理、酸洗浄し、乾燥後、スピナ上に載置し、紫外線
硬化型シリコン樹脂を負電極表面に2〜20μmの厚み
スピンコ−トし、ついで紫外線を照射して剥離性樹脂フ
ィルム10bを形成させたものを用いる。紫外線硬化型
シリコン樹脂に代えて、溶剤型ポリシリコンを塗布し、
乾燥させて剥離性樹脂フィルムを負電極の表面に形成さ
せてもよい。負電極の回転数は、10〜100rpm、
電流密度は0.5〜20A/dm2が好ましい。負電極
の回転によりメッキ皮膜にピンホ−ルが発生するのが防
止される。メッキ時間は電流密度の大きさに正比例す
る。
【0023】メッキ浴は、水を分散体とし、 (a)ニッケル塩またはクロム塩 200〜850g/リットル、 (b)界面活性剤 0.1〜10g/リットル、 (c)ダイヤモンド粒子 20〜150g/リットル、 (d)有機酸または無機酸 0.1〜50g/リットル、 (e)銅塩 5〜60g/リットル、 を含有する組成が好ましい。必要により、グリセリン、
グリセリン脂肪酸エステル、ソルビト−ル脂肪酸エステ
ル等の粘稠剤を10g/リットル以下配合してもよい。
【0024】メッキ浴成分の(a)ニッケル塩として
は、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、スルファミン酸ニッ
ケル等が、クロム塩としては、重クロム酸カリウム等が
使用される。
【0025】(b)成分のカチオン性界面活性剤として
は、ラウリン硫酸ソ−ダ、サッカリンソ−ダ等の脂肪酸
アルカリ金属塩、アミン型、第4アンモニウム塩型、ポ
リビニルピリジン型のものが、ノニオン性界面活性剤と
してはポリオキシエチレンアルキルエ−テル、ポリオキ
シエチレンアルキルフェニルエ−テル、プルオニック、
脂肪酸ポリオキシエチレンエステル、脂肪酸ポリオキシ
エチレンソルビタンエステル、脂肪酸蔗糖エステル、ポ
リグリセリンステアリン酸エステル、ポリグリセリンカ
プリノ−ル酸エステル等が使用できる。
【0026】(c)成分のダイヤモンド粒子は、平均粒
子径が3〜50μm、好ましくは8〜40μmの単結晶
ダイヤモンド、合成ダイヤモンド、多結晶ダイヤモンド
が用いられる。
【0027】(d)成分の有機酸としては、乳酸、クエ
ン酸、プロピオン酸、リンゴ酸、マロン酸、アスコルビ
ン酸等が、無機酸としては硫酸、亜リン酸、硝酸、塩
酸、硼酸、ピロリン酸等が使用される。 (e)銅塩としては、硫酸銅、シアン化銅、ピロリン酸
銅等が使用される。
【0028】前記円板状負電極10aの剥離性樹脂フィ
ルム10b表面にダイヤモンド含有金属複合メッキ膜1
0cが形成された負電極は、水洗された後、図2bに示
すラップ工程に廻される。ラップ装置を用い、チャック
された円板状負電極のダイヤモンド含有金属複合メッキ
膜10c面に研磨液12を供給しつつ、スピンドルに軸
承されて回転しているダイヤモンド砥石13を押圧して
該電極のダイヤモンド含有金属複合メッキ膜面をラップ
加工し、表面を平坦化し、ついで、水洗し、乾燥させ
る。ラップ加工により、ダイヤモンド含有金属複合メッ
キ膜表面が1〜3μm程除かれ、ダイヤモンド含有金属
複合メッキ膜表面がより平滑となる。
【0029】ついで、図2cに示すように円板状負電極
10aよりダイヤモンド含有金属複合メッキ膜10cを
剥離させる。剥離性樹脂フィルムが積層されている円板
状負電極10aは砥石の製造に再利用される。
【0030】図2dに示すように剥離された厚みが0.
01〜0.10mmのダイヤモンド含有金属複合メッキ
膜10cは、プレス機の打ち抜き刃で円環状に打ち抜か
れ、中央部に砥石軸に装着するための空所2が形成され
た円環状薄刃砥石1が得られる。
【0031】実施例1 下記組成のメッキ液を調製した。なお、溶液はイオン交
換水である。 硫酸ニッケル 300g/リットル 塩化ニッケル 400g/リットル ラウリン硫酸ソ−ダ 2g/リットル 平均粒径20μmの単結晶ダイヤモンド粒子 60g/リットル 硼酸 70g/リットル 硫酸銅 65g/リットル
【0032】別に、厚み2mm、直径112mmの円板
状アルミニウムを脱脂処理、酸洗浄、水洗し、乾燥させ
た後、スピナ上に置き、回転させつつ紫外線照射型硬化
性エポキシポ変性シリコン樹脂組成物をスピンコ−ト
し、ついで紫外線照射して硬化させ、厚み8μmの剥離
性樹脂膜を備えたアルミニウム負電極を得た。
【0033】前記メッキ液をメッキ槽に収容し、アルミ
ニウム負電極を鉛直方向にして負極に接続し、かつ、そ
の1/2がメッキ液に浸漬するように装備し、アルミニ
ウム負電極を10rpmで回転させつつ、電流密度5A
/dm2でメッキ(メッキ液の温度は60℃)を280
分行い、厚みが約82μmのダイヤモンド・ニッケル・
銅複合メッキ膜をアルミニウム円板上の剥離性樹脂膜表
面に析出させた。
【0034】ついで、メッキ槽よりメッキが終了したア
ルミニウム負電極を取り出し、水洗した後、ラップ装置
を用い、メッキ面が上向きとなるようにチャックにアル
ミニウム円板を保持し、チャックを回転させつつ、ダイ
ヤモンド・ニッケル・銅複合メッキ膜面に研磨液を供給
しつつ、スピンドルに軸承されて回転しているダイヤモ
ンド砥石を押圧してダイヤモンド・ニッケル・銅複合メ
ッキ膜面をラップ加工し、表面を3μm取除いて平坦化
した後、水洗し、乾燥させた。
【0035】ついで、円板状アルミニウム負電極よりダ
イヤモンド・ニッケル・銅複合メッキ膜を剥離させ、こ
のメッキ膜をプレス機の打ち抜き刃で円環状に打ち抜
き、中央部に砥石軸に装着するための2.5インチ径の
円が刳り貫かれた外形110mm、厚み79μmのダイ
ヤモンド・ニッケル・銅複合メッキ膜を素材とした円環
状薄刃砥石を製造した。
【0036】実施例2 下記組成のメッキ液を調製した。なお、溶液はイオン交
換水である。 重クロム酸カリウム 800g/リットル ノニルフェノ−ルポリエチレンエ−テル 3g/リットル 平均粒径12μmの単結晶ダイヤモンド粒子 45g/リットル クエン酸 50g/リットル スルファミン酸銅 80g/リットル ポリグリセリンステアリン酸エステル 5g/リットル
【0037】別に、厚み2mm、直径92mmの円板状
アルミニウムを脱脂処理、酸洗浄、水洗し、乾燥させた
後、スピナ上に置き、回転させつつ紫外線照射型硬化性
エポキシポ変性シリコン樹脂組成物をスピンコ−トし、
ついで紫外線照射して硬化させ、厚み10μmの剥離性
樹脂膜を備えたアルミニウム負電極を得た。
【0038】前記メッキ液をメッキ槽に収容し、アルミ
ニウム負電極を鉛直方向にして負極に接続し、かつ、そ
の1/2がメッキ液に浸漬するように装備し、アルミニ
ウム負電極を10rpmで回転させつつ、電流密度15
A/dm2でメッキ(メッキ液の温度は55℃)を40
分行い、厚みが約76μmのダイヤモンド・クロム・銅
複合メッキ膜を円板状アルミニウム負電極の剥離性樹脂
膜表面に析出させた。
【0039】ついで、メッキ槽よりメッキが終了したア
ルミニウム負電極を取り出し、水洗した後、ラップ装置
を用い、メッキ面が上向きとなるようにチャックにアル
ミニウム円板を保持し、チャックを回転させつつ、ダイ
ヤモンド・クロム・銅複合メッキ膜面に研磨液を供給し
つつ、スピンドルに軸承されて回転しているダイヤモン
ド砥石を押圧してダイヤモンド・クロム・銅複合メッキ
膜面をラップ加工し、表面を3μm取除いて平坦化した
後、水洗し、乾燥させた。
【0040】ついで、円板状アルミニウム負電極よりダ
イヤモンド・クロム・銅複合メッキ膜を剥離させ、この
メッキ膜をプレス機の打ち抜き刃で円環状に打ち抜き、
中央部に砥石軸に装着するための2インチ径の円が刳り
貫かれた外形90mm、厚み73μmのダイヤモンド・
クロム・銅複合メッキ膜を素材とした円環状薄刃砥石を
製造した。
【0041】応用例1 図3に示す研削装置の左右方向に往復移動可能なワ−ク
テ−ブル14上に減圧室15を形成する電磁性枠体16
を載置し、この枠体の上に下部に供給孔17を有するP
Cピンコネクタ成型用金型素材18をさらに載せ、枠体
に接続された吸引管19を減圧して減圧室を減圧した状
態で砥石軸にフランジ21を用いて回転自在に装着され
た実施例1で得た円環状薄刃砥石1を4,500rpm
で回転させながら下降させて金型素材18の表面に切り
込みをかけ、ワ−クテ−ブル14を左右方向に往復移動
させて研削加工してスリット溝20を0.6cmピッチ
毎に8本形成させ、円環状薄刃砥石1の刃先が各供給孔
17,17、17に到達し、スリット溝20と各供給孔
が連通状態となったスリット溝深さ3mmとなった状態
で砥石軸を上昇させ、研削を終了させた。
【0042】なお、研削中は、防錆剤を少量含有するイ
オン交換水よりなる研削液を供給ノズル22より金型素
材18の溝形成面23上に厚み2mmの連続した水膜が
形成される量連続して供給した。
【0043】スリット溝20はいずれも深さ3mm、幅
83μmの真直ぐな溝であった。また、研削中、砥石の
破損は見受けられなかった。
【0044】応用例2 応用例1において、実施例2で得た円環状薄刃砥石1を
用い、その回転数を3,600rpmと変更する外は同
様にして金型素材18に深さ3mm、幅74μmの真直
ぐな溝を形成させた。研削中、砥石の破損は見受けられ
なかった。
【0045】以上、スリット溝の形成の応用例を示した
が、本発明の円環状薄刃砥石はダイサ−のブレ−ド刃と
しても使用できる。
【0046】
【発明の効果】本発明の円環状薄刃砥石は、幅0.10
mm以下の真直ぐなスリット溝を形成することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の円環状薄刃砥石の斜視図である。
【図2】 本発明の円環状薄型砥石を製造する工程を示
すフロ−図である。
【図3】 金型素材にスリット溝を形成する状態を示す
断面図である。
【符号の説明】
1 円環状薄刃砥石 2 空所 8 メッキ槽 9 メッキ浴 10a 円板状金属 10b 剥離性樹脂フィルム 10c ダイヤモンド・金属複合メッキ膜 13 ダイヤモンド砥石

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中央部に砥石軸に装着するための空所を
    有し、直径が30〜150mmの円環状砥石であって、
    砥石厚みが0.01〜0.10mm、素材がダイヤモン
    ド含有金属複合メッキ物である、溝切り用砥石。
  2. 【請求項2】 金属が、ニッケルまたはクロムを主成分
    とし、銅を従成分とするものである、請求項1に記載の
    溝切り用砥石。
  3. 【請求項3】 下記の工程を経て砥石厚みが0.01〜
    0.10mm、ダイヤモンド含有金属複合メッキ物を素
    材とする溝切り用砥石を製造する方法。 (1)アルミニウム、ステンレス、鉛より選ばれた金属
    製円板の表面が剥離性樹脂フィルムで被覆されている円
    板状金属電極を鉛直方向に回転させながら、かつ、該電
    極の1/2の高さ以上を(a)ニッケル塩またはクロム
    塩、(b)カチオン性またはノニオン性界面活性剤、
    (c)平均粒子径が3〜50μmのダイヤモンド粒子、
    (d)有機酸または無機酸、及び(e)銅塩を含有する
    メッキ浴中に浸漬させながら電流を流して前記円板状電
    極表面にダイヤモンド含有金属複合メッキ膜を析出させ
    る。 (2)ダイヤモンド砥石を用いて該電極のダイヤモンド
    含有金属複合メッキ膜面をラップ加工し、表面を平坦化
    する。 (3)円板状金属電極よりダイヤモンド含有金属複合メ
    ッキ膜を剥離させる。 (4)剥離したダイヤモンド含有金属複合メッキ膜をプ
    レス機で円環状に打ち抜いて、中央部に砥石軸に装着す
    るための空所を有し、直径が30〜150mm、砥石厚
    みが0.01〜0.10mm、素材がダイヤモンド含有
    金属複合メッキ物である溝切り用砥石を製造する。
  4. 【請求項4】 メッキ浴は、水を分散体とし、 (a)ニッケル塩またはクロム塩 200〜850g/リットル、 (b)界面活性剤 0.1〜10g/リットル、 (c)ダイヤモンド粒子 20〜150g/リットル、 (d)有機酸または無機酸 0.1〜50g/リットル、 (e)銅塩 5〜60g/リットル、 を含有する組成であることを特徴とする、請求項3に記
    載の溝切り用砥石の製造方法。
  5. 【請求項5】 ワ−クの表面に1〜3mmの連続した研
    削液膜が形成される量の研削液をワ−ク表面に供給しつ
    つ、砥石軸に回転自在に装着された直径が30〜150
    mm、砥石厚みが0.01〜0.10mm、素材がダイ
    ヤモンド含有金属複合メッキ物である溝切り用砥石を
    3,000〜10,000rpmの回転速度で回転さ
    せ、該溝切り用砥石を下降させてワ−ク表面に対して該
    溝切り用砥石の外周が垂直となるようにワ−クに切り込
    みをかけ、研削を行い、ワ−ク表面に幅0.12mm以
    下で深さ1〜5mmの溝を形成するか、ワ−クの厚みが
    0.03〜3mmであるときはワ−クを切断することを
    特徴とする、ワ−クを研削加工する方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009203536A (ja) * 2008-02-28 2009-09-10 Univ Kanagawa めっき液及び該めっき液を用いての切削ブレードの製造方法
KR20170000770A (ko) 2015-06-24 2017-01-03 가부시기가이샤 디스코 절삭 블레이드 및 절삭 블레이드의 장착 구조
CN114161328A (zh) * 2021-11-15 2022-03-11 哈尔滨工业大学 一种cvd金刚石微细磨削工具及其制备方法

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