JP2002066274A - 半透性中空糸膜、その製造方法及びその製造装置 - Google Patents

半透性中空糸膜、その製造方法及びその製造装置

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JP2002066274A JP2001115794A JP2001115794A JP2002066274A JP 2002066274 A JP2002066274 A JP 2002066274A JP 2001115794 A JP2001115794 A JP 2001115794A JP 2001115794 A JP2001115794 A JP 2001115794A JP 2002066274 A JP2002066274 A JP 2002066274A
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fiber membrane
semipermeable
crimp
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Jitsuzo Takada
実三 高田
Takashi Hayashi
貴史 林
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D69/00Semi-permeable membranes for separation processes or apparatus characterised by their form, structure or properties; Manufacturing processes specially adapted therefor
    • B01D69/08Hollow fibre membranes
    • B01D69/084Undulated fibres

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  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 水を含む各種液体透過用または血液処理用に
用いる半透性中空糸膜において、50℃以下の温度によ
る処理で、中空糸膜の偏平化、異形化、閉塞等を招くこ
となく、固定化されたクリンプが付与された中空糸半透
膜を提供する。 【解決手段】中空糸膜を湿潤状態または実質的に乾燥し
た状態でクリンプを付与するにあたり中空糸膜の円周上
の一部に長さ方向に断続的に、50℃以下の温度におい
て降伏伸度を越える変形を与えることにより、熱処理す
ることなく得られる偏平化、異形化、閉塞等の少ない、
クリンプが固定化された中空糸膜、該中空糸膜を得る方
法及び中空糸膜にクリンプを付与するための装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水その他各種液体ろ
過または血液透析、血液濾過に用いるための半透性中空
糸膜及びその製造方方法、製造装置に関するものであ
る。さらに詳しくは、固定化されたクリンプを有しかつ
中空糸断面の偏平化、異形化、中空部の閉塞などが少な
い半透性中空糸膜、該中空糸膜を製造する方法および該
中空糸膜を製造するための装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】中空糸膜型モジュールは、単位容積当たり
の膜面積がスパイラル型及びチューブ膜タイプに比べて
より多くとれる、液体処理または血液処理のための装置
であり、膜型分離装置、特には血液浄化のための膜分離
装置の主流を占めている。このような中空糸膜型モジュ
ールのモジュール容器内の中空糸膜本数を増加すること
で更なる高性能化、小型化が図られている。しかるに、
モジュール容器内への中空糸膜の集束本数を増大させる
と、中空糸膜同士の密着による有効膜面積の低下や偏流
の発生により、膜性能の低下を引き起こす。
【0003】そのため、中空糸膜同士の密着及び偏流の
防止を目的として、種々の嵩高加工が行われている。そ
の中で、中空糸に直接嵩高加工を行う方法が膜の有効面
積の低下が最も少ないという点で好ましい。
【0004】中空糸膜に直接嵩高加工を行う方法とし
て、紡糸・凝固・水洗・グリセリン処理・乾燥後の3本
以上かつ10本以下の中空糸を合糸した上、綾角5度以
上でボビンに巻き取り、これを60℃〜200℃の温度
で熱処理することによってクリンプを付与する方法(特
公平4−42022)。中空糸膜に非乾燥状態でクリン
プ付与を行った後、クリンプを付与した中空糸膜を非乾
燥状態で熱処理することによりクリンプを固定化する方
法( 特開平08−010322) 等が提案されている
が、そのいずれもがクリンプを付与するためにボビンそ
の他に巻き取った後に、50℃以上の温度で熱処理を施
してクリンプを固定化するものであり中空糸条を走行さ
せながらクリンプを固定化することは出来ないと同時
に、クリンプの波長及びに振幅は糸の熱特性に強く相関
し、ほとんど制御することはできず、振幅は0.15m
m以下、波長は10mm以下と極めて微小である。本発
明で言うクリンプの波長及び振幅は次のようにして決め
た。すなわちクリンプの波長は図1に示す山の頂上から
次の山の頂上までの長さを表し、実際の測定では100
ミリの長さに幾つの周期が存在するかをカウントし、そ
の数で100ミリを除した値で表示した。また振幅は山
の頂上から谷の底部までの波高を測定しその1/2の値
とした。
【0005】クリンプを付与する別の方法として、連続
糸条を一定間隔の歯付きタイミングベルトの間を蛇行走
行させながら加熱してクリンプを固定化させる方法(特
開平6−212520、特開平07−026431)が
提案されているが、本方法においては走行させながらク
リンプを付与することは可能だが、加熱によりクリンプ
を固定化していることには変わりはない。
【0006】常温にてクリンプを付与する手段としてギ
アを用いた方法(特開平09−021024)が提案さ
れているが、膜厚が厚く、糸強力の高い膜に対するクリ
ンプ付与方法としては有効であるが、膜厚が低く糸強力
の低い膜に対して適用すると、糸がつぶれてしまい、中
空糸膜の性能を発現できない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらの従
来技術に鑑み、クリンプ付与に際し、加熱によるクリン
プの固定化を必要とせず、かつ糸強力の低い膜において
も偏平化、異形化、閉塞などの発生の少ない、固定化さ
れたクリンプを有する液体透過用および血液用半透性中
空糸膜を連続的に製造する方法を提供することを目的と
するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために鋭意研究を行った結果、中空糸膜に
クリンプを付与するにあたり、50℃以下の温度で中空
糸の円周方向の一部に、かつ長さ方向に対して断続的
に、降伏伸度を超える変形を加えることにより部分的な
延伸を与え、実質的にクリンプ状態が固定化され、偏
平、異形、閉塞などの部分の極めての少ない良好な捲縮
中空糸膜が得られることを見いだし、本発明を完成し
た。ここで言う扁平とは、中空糸断面内径の長径と短径
の比が1/2以下のものを言い、閉塞とは長径と短径の
比が1/5以下の扁平の極端なもの或いは実質的に中空
が潰れたもの、また異形とは長径と短径の比が不明確な
非円形または非長円形のものである。
【0009】すなわち、本発明は、以下のものである。 (1)膜厚が60μm以下、単糸の破断強力が50g以
下、降伏強力が30g以下の中空糸膜であり、波長10
mm以上、振幅0.2mm以上のクリンプが付与されて
おり、かつモジュールに組み立てた場合に断面に含まれ
る扁平糸、異形糸及び閉塞糸をあわせた変形中空糸の割
合が中空糸断面総数の1% 以下であることを特徴とする
半透性中空糸膜。 (2)中空糸半透膜を湿潤状態または乾燥した状態で、
中空糸膜の円周上の一部に長さ方向に断続的に、50℃
以下の温度において降伏伸度の2倍以上9倍以下の延伸
を与えることによりクリンプを固定化した上記(1)に
記載の半透性中空糸膜。 (3)該延伸が降伏伸度の3倍以上8倍以下である上記
(2)に記載の半透性中空糸膜。 (4)クリンプを付与する時点では中空糸内部に芯液を
有し、その後脱液、洗浄、乾燥またはそれらの組み合わ
せの方法で芯液を除去した上記(2)又は上記(3)に
記載の半透性中空糸膜。 (5)中空糸膜を構成する物質の50%以上がセルロー
スあるいはセルロース誘導体である上記(2)、上記
(3)又は上記(4)に記載の半透性中空糸膜。 (6)中空糸膜を構成する物質の50%以上がポリスル
ホン系ポリマーである上記(2)、上記(3)又は上記
(4)に記載の半透性中空糸膜。 (7)水を含む各種液体透過、血液透析または血液濾過
に用いる上記(1)乃至(6)のいずれかに記載の半透
性中空糸膜。 (8)中空糸半透膜を湿潤状態または乾燥した状態で、
中空糸膜の円周上の一部に長さ方向に断続的に、50℃
以下の温度において降伏伸度の2倍以上9倍以下の延伸
を与えることによりクリンプを固定化することを特徴と
する半透性中空糸膜の製造方法。 (9)該延伸が降伏伸度の3倍以上8倍以下である上記
(8)に記載の半透性中空糸膜の製造方法。 (10)クリンプを付与する時点では中空糸内部に芯液
を有し、その後脱液、洗浄、乾燥またはそれらの組み合
わせの方法で芯液を除去する上記(8)又は上記(9)
に記載の半透性中空糸膜の製造方法。 (11)中空糸膜を構成する物質の50%以上がセルロ
ースあるいはセルロース誘導体である上記(8)、上記
(9)又は上記(10)に記載の半透性中空糸膜の製造
方法。 (12)中空糸膜を構成する物質の50%以上がポリス
ルホン系ポリマーである上記(8)、上記(9)又は上
記(10)に記載の半透性中空糸膜の製造方法。(1
3)半透性中空糸膜に湿潤状態または乾燥した状態にお
いて常温で連続的に固定化されたクリンプを付与するた
めに、その中空糸の接触する面が、曲率半径R1、曲率半
径に中空糸の外形をプラスした値R2、中空糸膜の降伏伸
度S が式(1)の関係で表される曲率R1を持つ、ローラ
ー、円柱体または中空糸が接触する側が半円形または放
物形の凸部のいずれかが付いたプーリー、タイミングベ
ルト、ベルトまたはチェーン等のいずれかを有し、相対
する1組或いはそれ以上のプーリー、タイミングベル
ト、ベルトまたはチェーン等の間を中空糸膜糸条を蛇行
搬送するための機構を有する中空糸半透膜のクリンプ固
定化装置。 2×S ≦ R2 / R 1 − 1 ≦ 9×S ・・・ (1)
【0010】本発明において、偏平、異形、閉塞部分な
どの少ない、固定化したクリンプを有する液体透過用お
よび血液処理用半透性中空糸膜を得るためには、非乾燥
状態であるか乾燥状態であるかを問わず、クリンプを付
与する時の状態における中空糸膜の降伏伸度以上の変形
を部分的に与える工程を通過させるだけでよく、クリン
プを固定化させるための熱セット処理する事も必要とし
ない。本発明における降伏伸度の決定方法を以下に示
す。糸引っ張り試験における伸度と強力の関係(S−S
カーブ)から降伏点を決定する。引っ張り試験は水中に
て濡れた状態で実施し、全長15cmの単糸を水中に沈
めた状態のチャック(チャック間10cm)に固定し、
20mm/分の速度でチャックに連結したフルスケール
100gのセルを上昇させた。チャート紙から伸度と強
力を読み取り、S−Sカーブとした。図1のように極大
点を持たない場合は、初期勾配を延長させた補助線を設
ける。さらに傾きが変化し傾きが一定となった部分を伸
ばした補助線を設ける。二つの補助線が交差した点を降
伏点と定義し、その点における強力を降伏強力、伸度を
降伏伸度とする。また、図2のように極大点を持つ場
合、初期勾配を延長させた補助線と、極大点における傾
きゼロの補助線が交わる点を降伏点と定義し、その点に
おける強力を降伏強力、伸度を降伏伸度とする。
【0011】中空糸膜にクリンプを付与する方法として
は、(1)一定のクリアランスを有する複数個の円柱体
又はローラー付きプーリーの間を通過させる方法、
(2)一定のクリアランスを有する複数個の円柱体又は
ローラー付きのタイミングベルト又はチェーンの間を通
過させる方法、(3)一定のクリアランスを有する複数
個の凸部付きタイミングベルトの間を通過させる方法、
(4)一定のクリアランスを有する複数個の表面が凹凸
状のベルトの間を通過させる方法、などがある。本発明
による方法はいずれの場合も、中空糸膜の円周上方向の
片側の一部に、かつ長さ方向に対し断続的に部分延伸に
よる変形を与え得るものでなくてはならない。
【0012】本発明により得られる中空糸膜のクリンプ
の大きさや単位長さあたりのクリンプ数は、用いるクリ
ンプ付与のための円柱体、ローラーまたは凸部付きタイ
ミングベルト等の円柱体又はローラーの径とその間隔又
は凸部の形状、円柱体、ローラー又は凸部のかみ合わせ
の深さを変えることにより自由に変更可能である。
【0013】上記(1)〜(4)の方法によるクリンプ
付与において、部分的な変形を与えるための具体的な一
例は、タイミングベルト上に固定化された凸部を有する
2 組のベルトの間を、糸条をベルトの走行とともに通過
させることにより得られる。このとき凸部の形状は、糸
条の接触する部分は半円状または放物円状等が望まし
く、方形では中空糸に異形化、閉塞等のダメージを与え
ることが多い。凸部を持つ代わりに円柱状のローラーま
たはピンを保持したものでもよく、フリーに回転するロ
ーラーであれば入り口部分での糸条の不必要な延伸が防
げるためにより好ましい。回転しない歯等を用いる場合
は、歯等の表面と糸条との摩擦の少ない材質の使用、あ
るいは表面処理等により摩擦抵抗を下げることが望まし
い。
【0014】本発明による方法で中空糸膜にクリンプを
与えるのは、上下2組の凸部または円柱体の間に挟まれ
た糸条が、その円形または放物円状の凸部または円柱体
の表面に沿って押し付けられることにより、凸部または
円柱に接触する側の中空糸表面に対し円周上の外側部分
の中空糸膜がより長い距離を必要とするため延伸される
ことによる。したがって半円状の凸部または円柱体の半
径は、中空糸膜が凸部または円柱に沿って押し付けられ
た時に、その接触する側とは反対側が降伏伸度を超える
変形を与えるのに十分なほど小さいことが望ましく、ま
た必要以上に小さい場合は中空糸が扁平化、異形化また
は閉塞等のダメージをうけるため、降伏伸度に対し2倍
以上9倍以下の変形を与え得る径が望ましい。さらには
降伏伸度の3倍以上8倍以下の変形を与え得る径である
のが扁平化、異形化または閉塞等をより少なくし且つ十
分なクリンプの固定化を得るのにより望ましい。
【0015】本発明においてクリンプを付与するに際
し、中空糸の扁平、異形化、閉塞を防ぐためには、中空
内部に中空形成材が実質的に封入された状態での存在下
で処理するのが望ましく、さらには中空形成材がクリン
プ処理の温度において液状であるのがより望ましい。こ
のような状態は通常の中空糸紡糸の工程で連続的に供給
される糸条においてごく普通に得られる。
【0016】本発明が適用される中空糸膜としては、液
体透過用、血液透析、血液濾過に使用される内径100
〜1000ミクロン、膜厚10〜60ミクロンの中空糸
膜が好ましい。
【0017】また、本発明方法が適用される中空糸膜の
膜素材としては、セルロース、セルロースアセテート、
ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリロニ
トリル等あるいはこれらを主体とするブレンドポリマー
があるが、なかでもセルロース誘導体、ポリスルホン、
ポリエーテルスルホンを主体とするものが好適である。
【0018】本発明は疎水性ポリマー、親水性ポリマー
を問わず半透性を有する膜で、且つ降伏点を有する全て
の中空糸膜に適用可能である。
【0019】
【実施例】以下に、実施例により本発明を具体的に説明
するが、本発明は、この範囲に限定されるものではな
い。
【0020】[実施例1]通常の半乾半湿式紡糸により
紡糸後、凝固、水洗を経て得たセルローストリアセテー
ト中空糸膜を、乾燥工程を経た後ピッチ10mm、ロー
ラー径5mmで糸条の上下蛇行の巾が10mmになるよ
うにセットされた、自由に回転するローラー付きチェー
ンの間をチェーンの走行とともに糸条を室温にて走行さ
せ、カセ枠に巻き取ることにより10000本の中空糸
膜束を得た。得られた中空糸束を所定の長さにカットし
た後遠心にて中空部の液体を取除きモジュールケースに
入れ、ポリウレタン樹脂で中空糸膜束の両端を固定し、
該ポリウレタン樹脂端部を切断し、中空糸膜モジュール
を得た。このモジュールの中空糸膜の内径は202ミク
ロン、膜厚は15ミクロンであった。なおこの時の中空
糸膜の降伏伸度を測定したところ2.9%であった。ま
た中空糸膜の外形は232ミクロンであり、ローラー径
から計算される中空糸膜のローラーに当たる側と反対側
の最外部の延伸は、中空糸膜の扁平化を無視すると9.
3%であった。また延伸されクリンプとして固定化され
る部分は長さ約15mm毎の周期になった。得られたモ
ジュールから取り出した中空糸膜の無緊張状態でのクリ
ンプを測定した結果、振幅が2.8mm、波長が平均で
約28mmのクリンプが固定化されていた。このモジュ
ール断面における変形中空糸の数を測定したところ、扁
平糸の数は47個と1%以下であった。また異形糸及び
閉塞糸の数は0個であった。
【0021】ここで、モジュール断面における変形中空
糸の数とは、50倍の顕微鏡で、モジュールの上断面、
下断面各々10000本の中空糸膜断面を観察し、観察
された偏平、異形、閉塞の各中空糸膜の数を2で割った
値のことをいう。
【0022】[実施例2]通常の半乾半湿式紡糸により
紡糸後、凝固、水洗を経たポリエーテルスルホン中空糸
膜を、乾燥工程を経ずにローラー間のピッチ10mm、
ローラー径5mmで糸条の上下蛇行の巾が5mmになる
ようにセットされた、自由に回転するローラー付きチェ
ーンの間をチェーンの走行とともに糸条を室温にて走行
させ、カセ枠に巻き取ることにより10000本の中空
糸膜束を得た。得られた中空糸束を所定の長さにカット
した後遠心にて中空部の液体を取除き、次いで乾燥した
後モジュールケースに入れ、ポリウレタン樹脂で中空糸
膜束の両端を固定し、該ポリウレタン樹脂端部を切断
し、中空糸膜モジュールを得た。このモジュールの中空
糸膜の内径は198ミクロン、膜厚は31ミクロンであ
った。なおこの時の中空糸膜の降伏伸度を測定したとこ
ろ2.7%であった。また中空糸膜の外形は260ミク
ロンであり、ローラー径から計算される中空糸膜のロー
ラーに当たる側と反対側の最外部の延伸は、中空糸膜の
扁平化を無視すると10.4%であった。また延伸され
クリンプとして固定化される部分は長さ約11mm毎の
周期になった。得られたモジュールから取り出した中空
糸膜の無緊張状態でのクリンプを測定した結果、振幅が
1.4mm、波長が平均で23mmのクリンプが固定化
されていた。このモジュール断面における変形中空糸の
数を測定したところ、10000本の中空糸に対し扁平
中空糸の数は13個と少なかった。また異形糸及び閉塞
糸の数は0個であった。
【0023】[実施例3]実施例2と同様の紡糸方法で
紡糸後、凝固、水洗を経たポリエーテルスルホン中空糸
膜を、乾燥工程を経ずに円柱形ピンの間のピッチ10m
m、ピン径3mmで糸条の上下蛇行の巾が5mmになる
ようにセットされた、表面を梨地加工した円柱形ピン付
きチェーンの間をチェーンの走行とともに糸条を室温に
て走行させ、カセ枠に巻き取ることにより8400本の
中空糸膜束を得た。得られた中空糸束を所定の長さにカ
ットした後遠心にて中空部の液体を取除き、次いで乾燥
した後モジュールケースに入れ、ポリウレタン樹脂で中
空糸膜束の両端を固定し、該ポリウレタン樹脂端部を切
断し、中空糸膜モジュールを得た。このモジュールの中
空糸膜の内径は202ミクロン、膜厚は45ミクロンで
あった。なおこの時の中空糸膜の降伏伸度を測定したと
ころ2.5%であった。また中空糸膜の外形は292ミ
クロンであり、ピンの径から計算される中空糸膜の円柱
ピンに当たる側と反対側の最外部の延伸は、中空糸膜の
扁平化を無視すると19.5%であった。また延伸され
クリンプとして固定化される部分は長さ約11mm毎の
周期になった。得られたモジュールから取り出した中空
糸膜の無緊張状態でのクリンプを測定した結果、振幅が
2.9mm、波長が平均で19mmのクリンプが固定化
されていた。このモジュール断面における変形中空糸の
数を測定したところ、8400本の中空糸に対し扁平中
空糸の数は54個と1%以下であった。また異形糸及び
閉塞糸の数は0個であった。
【0024】[比較例1]実施例1と同様の方法で紡糸
したセルロースアセテート中空糸膜を、乾燥工程を経た
後、ローラー間のピッチ15mm、ローラー径10mm
で糸条の上下蛇行の巾が10mmになるようにセットさ
れた、自由に回転するローラー付きプーリーの間をプー
リーの回転とともに糸条を室温にて走行させ、カセ枠に
巻き取ることにより10000本の中空糸膜束を得た。
得られた中空糸束を実施例1と同様の処理を行い中空糸
膜モジュールを得た。このモジュールの中空糸膜の内径
は200ミクロン、膜厚は15ミクロンであった。なお
この時の中空糸膜の降伏伸度を測定したところ3%であ
った。また中空糸膜の外形は230ミクロンであり、ロ
ーラー径から計算される中空糸膜のローラーに当たる側
と反対側の最外部の延伸は、中空糸膜の扁平化を無視す
ると4.6%であった。また部分延伸されクリンプとし
て固定化される部位は長さ約19mm毎の周期になっ
た。実施例1と同様にしてこのモジュール断面における
変形糸の数を測定したところ、扁平糸の数は18個で異
形糸、閉塞糸は0個であった。しかしモジュールから取
り出した中空糸膜は無緊張状態でもクリンプは明確でな
く、糸条の蛇行は見られるもののクリンプの振幅及び周
期の測定が実質上不可能であった。
【0025】[比較例2]実施例2と同様の紡糸方法に
より紡糸したポリエーテルスルホン中空糸膜を、乾燥工
程を経ずにピッチ15mm、ローラー径10mmで糸条
の上下蛇行の巾が10mmになるようにセットされた、
自由に回転するローラー付きプーリーの間をプーリーの
回転とともに糸条を室温にて走行させ、カセ枠に巻き取
ることにより10000本の中空糸膜束を得た。得られ
た中空糸束を実施例2と同様の処理を行い中空糸膜モジ
ュールを得た。このモジュールの中空糸膜の内径は19
3ミクロン、膜厚は32ミクロンであった。なおこの時
の中空糸膜の降伏伸度を測定したところ2.8%であっ
た。また中空糸膜の外形は257ミクロンであり、ロー
ラー径から計算される中空糸膜のローラーに当たる側と
反対側の最外部の延伸は、中空糸膜の扁平化を無視する
と5.1%であった。また部分延伸されクリンプとして
固定化される部位は長さ約19mm毎の周期になった。
実施例1と同様にしてこのモジュール断面における変形
糸の数を測定したところ、扁平糸の数は4個で異形糸、
閉塞糸は0個であった。しかしモジュールから取り出し
た中空糸膜は無緊張状態でもクリンプは明確でなく、糸
条の蛇行は見られるもののクリンプの振幅及び周期の測
定が実質上不可能であった。
【0026】[比較例3]実施例2と同様の紡糸方法に
より紡糸したポリエーテルスルホン中空糸膜を、乾燥工
程を経ずに円柱形ピンの間のピッチ10mm、ピンの直
径2mmで糸条の上下蛇行の巾が10mmになるように
セットされた、表面を梨地加工した円柱形ピン付きチェ
ーンの間をチェーンの走行とともに糸条を室温にて走行
させ、カセ枠に巻き取ることにより9000本の中空糸
膜束を得た。得られた中空糸束を実施例2と同様の処理
を行い中空糸膜モジュールを得た。このモジュールの中
空糸膜の内径は190ミクロン、膜厚は41ミクロンで
あった。なおこの時の中空糸膜の降伏伸度を測定したと
ころ2.7%であった。また中空糸膜の外形は272ミ
クロンであり、ピン直径から計算される中空糸膜のピン
に当たる側と反対側の最外部の延伸は、中空糸膜の扁平
化を無視すると27%であった。また部分延伸されクリ
ンプとして固定化される部位は長さ約15mm毎の周期
になった。モジュールから取り出した中空糸膜を無緊張
状態でクリンプを測定した結果、振幅は3mmあり、波
長は26mmであった。実施例1と同様にしてこのモジ
ュール断面における変形糸の数を測定したところ、44
0個と扁平中空糸の数が5%近いものとなった。その中
には中空糸膜断面の長径÷短径の値が3を超えるものも
73個含まれていた。異形糸、閉塞糸は0個であった。
【0027】実施例及び比較例のデータを次の表に示
す。
【表1】
【0028】
【発明の効果】以上の如き本発明によれば、偏平化、異
形化、閉塞などの発生の少ない、かつ所望の数と深さの
クリンプを有する、液体透過用及び血液用中空糸膜を熱
処理の工程を経ることなしに容易に製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】極大点を持たない場合の降伏点の求め方を示す
図である。
【図2】極大点を持つ場合の降伏点の求め方を示す図で
ある。
【図3】本発明におけるクリンプの波長と振幅の模式図
である。
【図4】本発明の装置の、クリンプ付与のための主要部
分を示す図である。
【図5】図4の拡大図である。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 膜厚が60μm以下、単糸の破断強力が
    50g以下、降伏強力が30g以下の中空糸膜であり、
    波長10mm以上、振幅0.2mm以上のクリンプが付
    与されており、かつモジュールに組み立てた場合に断面
    に含まれる扁平糸、異形糸及び閉塞糸をあわせた変形中
    空糸の割合が中空糸断面総数の1% 以下であることを特
    徴とする半透性中空糸膜。
  2. 【請求項2】 中空糸半透膜を湿潤状態または乾燥した
    状態で、中空糸膜の円周上の一部に長さ方向に断続的
    に、50℃以下の温度において降伏伸度の2倍以上9倍
    以下の延伸を与えることによりクリンプを固定化した請
    求項1に記載の半透性中空糸膜。
  3. 【請求項3】 該延伸が降伏伸度の3倍以上8倍以下で
    ある請求項2に記載の半透性中空糸膜。
  4. 【請求項4】 クリンプを付与する時点では中空糸内部
    に芯液を有し、その後脱液、洗浄、乾燥またはそれらの
    組み合わせの方法で芯液を除去した請求項2又は請求項
    3に記載の半透性中空糸膜。
  5. 【請求項5】 中空糸膜を構成する物質の50%以上が
    セルロースあるいはセルロース誘導体である請求項2、
    請求項3又は請求項4に記載の半透性中空糸膜。
  6. 【請求項6】 中空糸膜を構成する物質の50%以上が
    ポリスルホン系ポリマーである請求項2、請求項3又は
    請求項4に記載の半透性中空糸膜。
  7. 【請求項7】 水を含む各種液体透過、血液透析または
    血液濾過に用いる請求項1乃至6のいずれかに記載の半
    透性中空糸膜。
  8. 【請求項8】 中空糸半透膜を湿潤状態または乾燥した
    状態で、中空糸膜の円周上の一部に長さ方向に断続的
    に、50℃以下の温度において降伏伸度の2倍以上9倍
    以下の延伸を与えることによりクリンプを固定化するこ
    とを特徴とする半透性中空糸膜の製造方法。
  9. 【請求項9】 該延伸が降伏伸度の3倍以上8倍以下で
    ある請求項8に記載の半透性中空糸膜の製造方法。
  10. 【請求項10】 クリンプを付与する時点では中空糸内
    部に芯液を有し、その後脱液、洗浄、乾燥またはそれら
    の組み合わせの方法で芯液を除去する請求項8又は請求
    項9に記載の半透性中空糸膜の製造方法。
  11. 【請求項11】 中空糸膜を構成する物質の50%以上
    がセルロースあるいはセルロース誘導体である請求項
    8、請求項9又は請求項10に記載の半透性中空糸膜の
    製造方法。
  12. 【請求項12】 中空糸膜を構成する物質の50%以上
    がポリスルホン系ポリマーである請求項8、請求項9又
    は請求項10に記載の半透性中空糸膜の製造方法。
  13. 【請求項13】 半透性中空糸膜に湿潤状態または乾燥
    した状態において常温で連続的に固定化されたクリンプ
    を付与するために、その中空糸の接触する面が、曲率半
    径R1、曲率半径に中空糸の外形をプラスした値R2、中空
    糸膜の降伏伸度S が式(1)の関係で表される曲率R1を
    持つ、ローラー、円柱体または中空糸が接触する側が半
    円形または放物形の凸部のいずれかが付いたプーリー、
    タイミングベルト、ベルトまたはチェーン等のいずれか
    を有し、相対する1組或いはそれ以上のプーリー、タイ
    ミングベルト、ベルトまたはチェーン等の間を中空糸膜
    糸条を蛇行搬送するための機構を有する中空糸半透膜の
    クリンプ固定化装置。 2×S ≦ R2 / R 1 − 1 ≦ 9×S ・・・ (1)
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