JP2002065265A - 複合タグ - Google Patents

複合タグ

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JP2002065265A
JP2002065265A JP2000255588A JP2000255588A JP2002065265A JP 2002065265 A JP2002065265 A JP 2002065265A JP 2000255588 A JP2000255588 A JP 2000255588A JP 2000255588 A JP2000255588 A JP 2000255588A JP 2002065265 A JP2002065265 A JP 2002065265A
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Japan
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protein
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leu
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Application number
JP2000255588A
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English (en)
Inventor
Toshihiko Kishimoto
利彦 岸本
Yuko Mori
祐子 森
Sachiyo Mimaki
幸代 三牧
Rei Soma
麗 相馬
Fumiko Nemoto
文子 根本
Shinichiro Niwa
真一郎 丹羽
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 転写制御因子とそれに会合した蛋白質からな
る蛋白質複合体を、それが少量であっても、複合体構造
を維持したまま分離精製できるタグを提供する。 【解決手段】 ヒスチジン2とフラッグペプチド3とを
組み合わせてなる複合タグ4。転写制御因子1に他の蛋
白質が会合した蛋白質複合体8を複合タグ4を使用して
分離精製する。ヒスチジン2がニッケルアガロースビー
ズ5に結合し、フラッグペプチド3が抗フラッグ抗体担
体6に会合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蛋白質を精製する
ためのタグに関する。
【0002】
【従来の技術】複数の蛋白質が混在する溶液中から所望
の蛋白質のみを分離精製するためにタグとよばれるオリ
ゴペプチドが使用されている。例えば或る組み換え蛋白
質を大腸菌に作らせる場合、その組み換え蛋白質をコー
ドする遺伝子にタグをコードする遺伝子を連結し、得ら
れた遺伝子を大腸菌に導入する。するとタグ付きの組み
換え蛋白質が大腸菌中で作られる。大腸菌では他の蛋白
質も作られるので、そのタグを利用して複数の蛋白質か
ら前記組み換え蛋白質を分離精製する。例えば、ヒスチ
ジンタグを使用する場合は、ニッケルアガロースカラム
に蛋白質が混在する溶液をかける。前記カラムにヒスチ
ジンタグが結合するので、組み換え蛋白質がヒスチジン
タグを介してカラムに付着する。そこで適宜の条件で他
の蛋白質をカラムから洗い流して組み換え蛋白質のみを
分離する。フラッグペプチドをタグとして使用する場合
は、抗フラッグ抗体を結合させたカラムに蛋白質が混在
する溶液をかける。フラッグペプチドと抗フラッグ抗体
とが会合することを利用して、他はヒスチジンタグの場
合と同様に組み換え蛋白質のみを分離する。
【0003】
【発明が解決使用とする課題】組み換え蛋白質技術を使
用して転写制御因子に分類される蛋白質を細胞の核内で
作製すると、該転写制御因子に他の蛋白質が会合した蛋
白質複合体が得られる。従来のタグではその蛋白質複合
体を分離精製することが困難であった。当該蛋白質複合
が少量であるので、従来のタグでは分離精度が十分でな
いことがその原因と考えられる。また、分離抽出過程で
会合していた蛋白質が離れてしまって蛋白質複合体が壊
れてしまうこともその原因と考えられる。
【0004】ヒスチジンタグを蛋白質に付けることによ
り、当該蛋白質を高い率で回収することが可能である。
したがって、分離精製しようとする蛋白質が少量しか存
在しないときにヒスチジンタグを使用すると、カラムか
ら洗い流される当該蛋白質が少なくてすむ。しかし、ヒ
スチジンタグを使用した場合、非特異的にカラムに吸着
する蛋白質の量が多いので所望する蛋白質の精製度は低
く、分離精製が十分にはなされない。
【0005】フラッグタグを蛋白質に付けることによ
り、当該蛋白質を高い純度で回収することが可能であ
る。しかし、フラッグタグを使用した場合の収率は高く
ないので、所望する蛋白質が少量でありかつ不純物が多
いときにフラッグタグを使用すると、回収される当該蛋
白質があまりにも少なくなり実用的でない。
【0006】ヒスチジンタグ、フラッグタグとも単独で
使用しては、転写制御因子とそれに会合した蛋白質から
なる蛋白質複合体を分離精製することはできない。本発
明は、転写制御因子とそれに会合した蛋白質からなる蛋
白質複合体を、それが少量であっても、複合体構造を維
持したまま分離精製できるタグを提供することを課題と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、ヒスチジンタ
グとフラッグタグとを組み合わせてなる複合タグを提供
する。この複合タグにより、従来困難であった転写制御
因子とそれに会合した蛋白質からなる蛋白質複合体の分
離精製が可能となる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は使用するヒスチジンタグ
にはヒスチジンが6個ないし10個連結されたタグが好
ましい。本発明で使用するフラッグタグは配列表の配列
番号1に記載のアミノ酸配列からなるオリゴペプチドが
好ましい。配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列の
C末端に任意のアミノ酸を付加してもよい。本発明の複
合タグでは、フラッグタグのC末端にヒスチジンタグを
付加し、転写制御因子とヒスチジンタグとを結合させる
のが好ましい。転写制御因子とヒスチジンタグとの間、
またはヒスチジンタグとフラッグタグとの間にはスペー
サペプチドを入れてもよい。該スペーサペプチドはニッ
ケルおよび抗フラッグ抗体のいずれにも結合または会合
しないものであり、かつヒスチジンとニッケルとの結合
およびフラッグペプチドと抗フラッグ抗体との会合のい
ずれの障害にならない立体構造のものであればよい。
【0009】本発明の複合タグは分離精製したい蛋白質
に予め付けておく。それには組み換え遺伝子技術を使用
する。以下にその概略を説明する。フラッグペプチドを
コードするDNAと所望する数だけ連結されたヒスチジ
ンをコードするDNAとを連結したDNAをDNA合成
機で作製する。このDNAの塩基配列は、遺伝暗号の縮
重により数多くの種類がありうるが、配列表の配列番号
1に記載の各アミノ酸をコードするコドンとヒスチジン
をコードするコドンとを機械的に組み合わせれば得られ
る。ヒスチジンをコードするDNAとフラッグペプチド
をコードするDNAとの間に適宜のスペーサペプチドを
コードするDNAを入れたDNAもDNA合成機で作製
できる。いくつかの部分に分けてDNAを合成した後、
それらを連結してもよい。
【0010】このDNAの3’末端に所望する転写制御
因子をコードするDNAを連結し、得られたDNAを適
宜の発現ベクターに挿入する。こうして得られた発現ベ
クターを酵母や動物細胞等の適宜の宿主細胞に導入す
る。こうして得られた組み換え細胞を適宜の培地で培養
し、その中で組み換え蛋白質を作製させる。このとき、
組み換え蛋白質があまりに多く作製されると複合体を形
成しない転写制御因子があまりに多くなってしまい、蛋
白質複合体を分離精製する目的な達成されない。したが
って、組み換え蛋白質の量が多すぎないように、組み換
え細胞を培養するときに組み換え蛋白質の発現を調整す
るとよい。あるいはあらかじめ細胞の蛋白質発現量を調
べ、所望の量だけ蛋白質を発現する細胞を選択して使用
してもよい。
【0011】細胞中にある所望する蛋白質を分離精製す
る方法を以下に説明する。前記のようにして培養した組
み換え細胞を溶解して細胞溶解液を得る。酵母の場合は
セルミルを使用して細胞膜を破砕する等の方法が用いら
れる。細胞溶解液を超遠心分離して20%ショ糖緩衝液
等で核液を得る。
【0012】こうして得られた核液にカリウム溶液を加
え核抽出液を得る。カリウム溶液には塩化カリウム溶
液、酢酸カリウム溶液等がある。動物細胞等の核には塩
化カリウム溶液が好ましく、酵母の核には酢酸カリウム
溶液が好ましい。濃度は4M程度が好ましい。核抽出液
を濾過して透析する。得られた透析液をニッケルアガロ
ースビーズと混合して透析液中の蛋白質をヒスチジンタ
グを介して前記ニッケルアガロースビーズに結合させ
る。このビーズをカラムに詰める。ニッケルアガロース
ビーズはキアゲン社等から発売されている。本明細書で
は、ニッケルアガロースビーズを詰めたカラムをニッケ
ルアガロースカラムといい、抗フラッグ抗体が結合され
た担体(抗フラッグ抗体担体)を詰めたカラムを抗フラ
ッグ抗体カラムという。フラッグタグを付加した蛋白質
を分離精製するための抗フラッグ抗体カラムには、市販
されているM2アガロースビーズを詰めたカラム(シグ
マ社製)を使用すればよい。
【0013】核液から蛋白質複合体を分離精製するに
は、まず、ヒスチジンタグを利用した分離精製を行い、
次にフラッグタグを利用した分離精製を行う。この精製
の概念図を図1に示す。図1の上段は細胞の核内に本発
明の複合タグの付いた転写制御因子が他の蛋白質と会合
して存在し、その周囲には別の蛋白質が存在している状
態を示す。図1の中段は、ヒスチジンタグがニッケルア
ガロースカラムに結合している状態を示す。図1の下段
はフラッグタグが抗フラッグタグ抗体カラムに会合して
いる状態を示す。転写制御因子1にヒスチジン2とフラ
ッグペプチド3からなる複合タグ4が付けられている。
核7の中で、転写制御因子1には他の蛋白質が会合して
蛋白質複合体8を構成する。ヒスチジン2はニッケルア
ガロースビーズ5に結合し、フラッグペプチド3は抗フ
ラッグ抗体担体6に会合する。
【0014】
【実施例】転写制御因子SB1をコードするDNA(配
列表の配列番号3に記載の塩基配列からなる)にフラッ
グペプチドとヒスチジンとを含むフラッグ−ヒスチジン
タグをコードするDNAを付加したDNAをPCRによ
り作製した。以下にその作製方法の概略を記す。配列表
の配列番号4に記載の塩基配列からなるDNAをDNA
合成機(パーキンエルマー社製)により作製した。この
塩基配列はフラッグ−ヒスチジンタグをコードする部分
と転写制御因子SB1をコードするDNA(以降SB1
DNAという)のN末端部分(配列表の配列番号3に記
載の塩基配列の1番目のAから24番目Aまでの24個
の塩基からなるDNA)からなる。また、配列表の配列
番号3に記載の塩基配列の1393番目のGから141
6番目Aまでの24個の塩基からなるDNAの相補DN
AをDNA合成機で作製した。
【0015】これら二つのDNAをプライマーとして、
酵母ゲノム(国立遺伝学研究所から入手)を鋳型として
用いて、KODポリメラーゼ(東洋紡社製)を使用し
て、以下の条件でPCRを行った。二つのプライマーは
センス鎖をY1と呼び、相補鎖をY2と呼ぶ。95℃に
5分間おいた。次いで「94℃で30秒間、続いて55
℃で30秒間、続いて72℃で1分間」のサイクルを4
5回繰り返した。その後、72℃に5分間おいた後、4
℃においてPCR操作を完了した。PCRの反応液の組
成は下記の通りとした。 酵母ゲノム 500ng プライマーY1 10pmol プライマーY2 10pmol KOD pol(東洋紡社製) 2μl 10倍濃度PCR緩衝液(東洋紡社製) 5μl 2mM dNTP mix(東洋紡社製) 5μl 25mM MgCl2 2μl 滅菌蒸留水で50μlに調製した。
【0016】こうした得られたタグ付きSB1DNAを
J.Biol.Chem.,269,23135−23
140に記載の方法にしたがって、酵母に導入し、得ら
れた組み換え酵母を培養した。
【0017】酵母の培養液の吸光度がDO600=0.
5となるまで培養した。この酵母を回収し、酵母1gあ
たり0.5mlの3倍溶解液(0.45Mトリスアセテ
ート(pH7.8)、0.15M酢酸カリウム溶液(p
H7.8)、60%グリセロール、3mM DTT、3
倍阻害剤混合液)を加えて懸濁した。前記阻害剤混合液
は1mMPMSF、10μg/mlペプスタチンA、1
0μg/mlロイペプチンからなる。200mlの懸濁
液中の酵母をセルミル(バイオラッド社製)を使用して
破砕した。酵母が破砕された液をセルミルのガラスビー
ズから回収し、300mlの氷冷1倍溶解液で洗浄し
た。酵母破砕液と洗浄液とを合わせ、9000rpm、
4℃で20分間遠心分離した。上清を回収し、その約1
/7の体積の4M酢酸カリウム溶液(pH7.8)を加
え、30分間冷所で攪拌した。この液を42000rp
m、2℃で90分間超遠心分離した。沈殿を含まないよ
うにピペットでこの上清を回収した。
【0018】緩衝液1(20mM Hepes−KOH
(pH7.6)、20%グリセロール、0.01%NP
40、0.2%Tween20、10mMイミダゾー
ル、5mM 2−ME、1倍阻害剤混合液、500mM
酢酸カリウム溶液)で前記で回収した液を透析した。透
析した液を氷冷した清潔な250mlチューブに移し、
3ml(ベッドボリューム)のニッケルアガロースビー
ズ(キアゲン社製)を加えチューブを冷所で2時間10
rpmで回転させた。この液を1000rpmで3分間
遠心分離することを2回繰り返した。アスピレータで上
清を吸引して捨て、ビーズを50mlチューブに移し
た。このチューブに20mlのNi洗浄液(20mM
Hepes−KOH(pH7.6)、20%グリセロー
ル、0.01%NP40、0.2%Tween20、2
0mMイミダゾール、5mM 2−ME、1倍阻害剤混
合液、500mM酢酸カリウム溶液)を加え、1000
rpmで3分間遠心分離をすることを2回繰り返した。
上清を捨てて、ビーズをカラム(バイオラッド社製)に
移した。このカラムに20mlのNi洗浄液を流した。
その後、10mlのNi溶出液(20mM Hepes
−KOH(pH7.6)、20%グリセロール、0.0
1%NP40、0.2%Tween20、100mMイ
ミダゾール、5mM 2−ME、1倍阻害剤混合液、5
00mM酢酸カリウム溶液)をカラムに流し、カラムを
通過した液を回収した。
【0019】この液を15mlチューブに移し、2ml
のM2アガロース(シグマ社製)(50%容量)を加え
た。このチューブを冷所で2時間10rpmで回転させ
た。その後、1000rpmで3分間遠心分離し、上清
を捨てた。10mlのM2洗浄液(20mM Hepe
s−KOH(pH7.6)、20%グルセロール、0.
01%NP40、0.2%Tween20、5mM 2
−ME、1倍阻害剤混合液、500mM酢酸カリウム溶
液)でビーズを2回洗浄した。このビーズをアシストミ
ニカラムに移した。20mlのM2洗浄液をこのカラム
に流した。このカラムに2mlのM2溶出液(20mM
Hepes−KOH(pH7.6)、20%グリセロ
ール、0.01%NP40、0.2%Tween20、
5mM 2−ME、1倍阻害剤混合液、500mM酢酸
カリウム溶液、0.5mg/mlフラッグペプチド)を
載せ、カラムの上部をパラフィンでシールした。このカ
ラムを10rpmで30分間回転させた。溶出液を清潔
なチューブに回収した。
【0020】ニッケルアガロースカラムから回収した液
と、M2アガロ−スカラムから回収した液を10%SD
S−PAGE電気泳動した。比較対照として、ヒスチジ
ン−フラッグタグを付加しないSB1を作製し、前記し
たヒスチジン−フラッグタグ付きSB1の分離精製と同
じ操作で、ニッケルアガロースカラム、M2アガロース
カラムにかけて回収し、10%SDS−PAGE電気泳
動した。また、核抽出液をそのまま、同条件でSDS−
PAGE電気泳動した。
【0021】それぞれの電気泳動の結果を、合わせて図
2に示す。図2で左端のレーンはマーカ蛋白質を電気泳
動したレーンである。 その右隣のレーンはタグを導入しなかった酵母の核抽出
液を電気泳動したレーンである。(レーン1) その右隣のレーンは本発明の複合タグを導入した酵母の
核抽出液を電気泳動したレーンである。(レーン2) その右隣のレーンはタグを導入しなかった場合の、ニッ
ケルアガロースカラムのみから回収した液を電気泳動し
たレーンである。(レーン3) その右隣のレーンは本発明の複合タグを導入した場合
の、ニッケルアガロースカラムのみから回収した液を電
気泳動したレーンである。(レーン4) その右隣のレーンはタグを導入しなかった場合の、ニッ
ケルアガロースカラムおよびM2アガロースカラムを通
過した液を電気泳動したレーンである。(レーン5) その右隣のレーンは本発明の複合タグを導入した場合
の、ニッケルアガロースカラムおよびM2アガロースカ
ラムを通過した液を電気泳動したレーンである。(レー
ン6) 図2中、左の数字は分子量を示し、矢印で示したバンド
はヒスチジン−フラッグタグ付きSB1のバンドであ
る。
【0022】図2より、ヒスチジンタグのみによる分離
精製(レーン3およびレーン4)は、タグの有無に拘わ
らず同様のパターンを示し、SB1とそれに会合した蛋
白質からなる蛋白質複合体(以下、SB1複合体とい
う)のみが分離されているとは言えない。本発明では、
レーン6に示したように、ヒスチジン−フラッグタグを
使用することにより、SB1複合体を特異的に十分な量
回収することができた。また、本発明のレーンでは、S
B1以外の蛋白質のバンドが見られるが、これらがSB
1と会合していた蛋白質である。したがって、本発明の
複合タグを使用することにより、蛋白質複合体を、それ
を構成する転写制御因子と該転写制御因子に会合する蛋
白質とが会合した状態を維持したまま分離精製すること
ができる。ウェスタンブロットにより、回収率を求めた
ところ、本発明の複合タグを使用した場合は40%であ
った。
【0023】<比較例>前記と同様にして、ヒスチジン
タグのみまたはフラッグタグのみをそれぞれ付加したS
B1を導入した酵母の核抽出液をニッケルアガロースカ
ラム通過させて得られた液を電気泳動した。この結果を
図3に示す。図3で左端のレーンはマーカであり、その
右のレーンはフラッグタグのみにより精製した結果であ
り、その右のレーンはヒスチジンタグのみにより精製し
た結果である。図3で、左の数字は分子量を示す。いず
れのタグを使用した場合も、非特異的にカラムに付着す
る蛋白質が多く、SB1複合体を分離精製できなかっ
た。ウェスタンブロットにより、回収率を求めたとこ
ろ、フラッグタグのみを使用した場合は10%であっ
た。
【0024】本発明の複合タグは、転写制御因子が他の
蛋白質と会合した蛋白質複合体を十分な特異性で十分な
量回収できるので、転写制御因子を始め種々の蛋白質を
分離精製するための実験ツールとして利用可能である。
例えば、本発明の複合タグをコードするDNAを組み込
み、その3’末端に所望の蛋白質をコードする遺伝子を
挿入できるように作られた発現ベクターは、発現した蛋
白質を十分分離精製することができる高付加価値のベク
ターである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合タグによる蛋白質複合体の分離精
製の概念を示す図である。
【図2】本発明の複合タグを使用して分離精製したSB
1複合体を電気泳動した結果を、比較例と合わせて示す
電気泳動写真である。
【図3】ヒスチジンタグのみまたはフラッグタグのみを
使用した比較例の結果を示す電気泳動写真である。
【符号の説明】
1:転写制御因子 2:ヒスチジン 3:フラッグペプチド 4:複合タグ 5:ニッケルアガロースビーズ 6:抗フラッグ抗体担体 7:核 8:蛋白質複合体
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Sumitomo Electric Industries,Ltd. <120> Complex tag <130> 100Y0227 <160> 4 <210> 1 <211> 7 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Peptide <400> Asp Tyr Lys Asp Asp Asp Asp Lys 5 <210> 2 <211> 463 <212> PRT <213> Yeast <400> Met Val Ala Ile Ser Glu Val Lys Glu Asn Pro Gly Val Asn Ser Ser 1 5 10 15 Asn Ser Gly Ala Val Thr Arg Thr Ala Ala His Thr His Ile Lys Gly 20 25 30 Leu Gly Leu Asp Glu Ser Gly Val Ala Lys Arg Val Glu Gly Gly Phe 35 40 45 Val Gly Gln Ile Glu Ala Arg Glu Ala Cys Gly Val Ile Val Asp Leu 50 55 60 Ile Lys Ala Lys Lys Met Ser Gly Arg Ala Ile Leu Leu Ala Gly Gly 65 70 75 80 Pro Ser Thr Gly Lys Thr Ala Leu Ala Leu Ala Ile Ser Gln Glu Leu 85 90 95 Gly Pro Lys Val Pro Phe Cys Pro Leu Val Gly Ser Glu Leu Tyr Ser 100 105 110 Val Glu Val Lys Lys Thr Glu Thr Leu Met Glu Asn Phe Arg Arg Ala 115 120 125 Ile Gly Leu Arg Ile Lys Glu Thr Lys Glu Val Tyr Glu Gly Glu Val 130 135 140 Thr Glu Leu Thr Pro Glu Asp Ala Glu Asn Pro Leu Gly Gly Tyr Gly 145 150 155 160 Lys Thr Ile Ser His Val Ile Val Gly Leu Lys Ser Ala Lys Gly Thr 165 170 175 Lys Thr Leu Arg Leu Asp Pro Thr Ile Tyr Glu Ser Ile Gln Arg Glu 180 185 190 Lys Val Ser Ile Gly Asp Val Ile Tyr Ile Glu Ala Asn Thr Gly Ala 195 200 205 Val Lys Arg Val Gly Arg Ser Asp Ala Tyr Ala Thr Glu Phe Asp Leu 210 215 220 Glu Thr Glu Glu Tyr Val Pro Leu Pro Lys Gly Glu Val His Lys Lys 225 230 235 240 Lys Glu Ile Val Gln Asp Val Thr Leu His Asp Leu Asp Val Ala Asn 245 250 255 Ala Arg Pro Gln Gly Gly Gln Asp Val Ile Ser Met Met Gly Gln Leu 260 265 270 Leu Lys Pro Lys Lys Thr Glu Ile Thr Glu Lys Leu Arg Gln Glu Val 275 280 285 Asn Lys Val Val Ala Lys Tyr Ile Asp Gln Gly Val Ala Glu Leu Ile 290 295 300 Pro Gly Val Leu Phe Ile Asp Glu Val Asn Met Leu Asp Ile Glu Ile 305 310 315 320 Phe Thr Tyr Leu Asn Lys Ala Leu Glu Ser Asn Ile Ala Pro Val Val 325 330 335 Val Leu Ala Ser Asn Arg Gly Met Thr Thr Val Arg Gly Thr Glu Asp 340 345 350 Val Ile Ser Pro His Gly Val Pro Pro Asp Leu Ile Asp Arg Leu Leu 355 360 365 Ile Val Arg Thr Leu Pro Tyr Asp Lys Asp Glu Ile Arg Thr Ile Ile 370 375 380 Glu Arg Arg Ala Thr Val Glu Arg Leu Gln Val Glu Ser Ser Ala Leu 385 390 395 400 Asp Leu Leu Ala Thr Met Gly Thr Glu Thr Ser Leu Arg Tyr Ala Leu 405 410 415 Gln Leu Leu Ala Pro Cys Gly Ile Leu Ala Gln Thr Ser Asn Arg Lys 420 425 430 Glu Ile Val Val Asn Asp Val Asn Glu Ala Lys Leu Leu Phe Leu Asp 435 440 445 Ala Lys Arg Ser Thr Lys Ile Leu Glu Thr Ser Ala Asn Tyr Leu 450 455 460 <210> 3 <211> 1392 <212> DNA <213> Yeast <220> <221> CDS <222> (1)...(1389) <400> ATG GTC GCT ATC AGT GAA GTC AAA GAA AAT CCT GGC GTA AAC AGC AGT 48 AAT TCT GGT GCA GTT ACG AGA ACT GCG GCA CAT ACA CAT ATT AAA GGT 96 TTA GGT CTG GAT GAA AGT GGT GTG GCC AAG AGG GTT GAA GGA GGG TTT 144 GTT GGA CAA ATA GAA GCT CGT GAA GCG TGC GGT GTA ATT GTA GAT TTA 192 ATC AAG GCT AAA AAA ATG TCA GGT AGA GCT ATC CTA TTA GCT GGT GGT 240 CCT TCT ACA GGT AAG ACA GCA TTG GCT CTC GCC ATT TCA CAA GAG TTA 288 GGC CCA AAA GTT CCA TTC TGT CCT CTT GTT GGT AGC GAA TTA TAT TCC 336 GTG GAG GTC AAA AAA ACA GAA ACC CTA ATG GAA AAT TTT AGA AGA GCA 384 ATT GGG TTA AGA ATC AAA GAA ACT AAG GAA GTT TAT GAG GGT GAA GTG 432 ACA GAA CTA ACC CCT GAA GAC GCA GAG AAT CCG TTG GGC GGA TAT GGT 480 AAA ACT ATC TCA CAT GTA ATT GTC GGG CTC AAG TCT GCC AAG GGT ACC 528 AAG ACA CTA AGA TTA GAC CCA ACG ATA TAT GAA AGT ATT CAA AGA GAA 576 AAG GTT AGT ATT GGT GAT GTC ATT TAT ATA GAG GCC AAC ACC GGT GCA 624 GTT AAG CGA GTT GGC AGA TCT GAT GCA TAC GCT ACT GAA TTT GAT TTG 672 GAA ACT GAG GAA TAC GTA CCA TTG CCA AAA GGC GAA GTG CAT AAG AAA 720 AAG GAA ATT GTA CAA GAT GTT ACC TTG CAC GAT TTG GAT GTT GCA AAC 768 GCA AGA CCA CAA GGT GGT CAA GAT GTC ATA TCA ATG ATG GGC CAG TTG 816 CTC AAA CCT AAG AAG ACT GAA ATA ACC GAG AAA TTA AGA CAA GAG GTG 864 AAT AAA GTT GTT GCT AAA TAT ATT GAT CAA GGT GTC GCA GAA CTT ATT 912 CCA GGT GTT TTG TTC ATT GAT GAA GTT AAT ATG CTA GAC ATT GAA ATA 960 TTC ACG TAT TTG AAC AAA GCG CTT GAA TCT AAT ATC GCC CCC GTT GTT 1008 GTA TTG GCT TCT AAT AGG GGC ATG ACT ACA GTC CGT GGC ACT GAG GAT 1056 GTG ATA TCA CCA CAT GGT GTG CCA CCT GAT TTG ATC GAT AGA TTG TTA 1104 ATT GTT CGT ACA TTA CCA TAT GAC AAG GAC GAG ATC CGT ACC ATT ATA 1152 GAG AGA AGA GCT ACC GTT GAA AGA TTG CAA GTA GAA AGT AGC GCA TTG 1200 GAC CTT TTA GCC ACG ATG GGT ACA GAA ACT TCG TTA CGT TAC GCT TTA 1248 CAA TTA TTG GCA CCA TGT GGT ATC CTA GCA CAA ACA AGC AAT CGT AAG 1296 GAA ATT GTT GTT AAT GAC GTT AAT GAA GCC AAA TTG CTG TTT TTG GAT 1344 GCC AAA AGG TCA ACA AAG ATT TTA GAA ACT TCC GCA AAT TAT TTG TAA 1392 <210> 4 <211> 69 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Oligo DNA <400> atggactaca aggacgacga tgacaagcat caccatcacc atcacatgtc gattcaaact 60 agtgatcca 69
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 30/88 G01N 33/566 33/566 C12P 21/02 C // C12P 21/02 (C12P 21/02 C (C12P 21/02 C12R 1:645) C12R 1:645) C12N 15/00 ZNAA (72)発明者 三牧 幸代 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友電 気工業株式会社横浜製作所内 (72)発明者 相馬 麗 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友電 気工業株式会社横浜製作所内 (72)発明者 根本 文子 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友電 気工業株式会社横浜製作所内 (72)発明者 丹羽 真一郎 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友電 気工業株式会社横浜製作所内 Fターム(参考) 4B024 AA03 BA80 CA01 DA12 EA04 GA11 GA19 HA03 4B064 AG01 CA06 CA19 CC24 CE02 CE06 CE12 CE14 DA16 4H045 AA10 AA20 BA41 CA15 FA74 GA01 GA10 GA15 GA26

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蛋白質を分離精製するためのタグであっ
    て、ヒスチジンタグとフラッグタグとを組み合わせてな
    る複合タグ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の複合タグをコードする
    DNAを含む発現ベクター。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の複合タグを使用して、
    転写制御因子とそれに会合した蛋白質とからなる蛋白質
    複合体を分離精製する方法。
JP2000255588A 2000-08-25 2000-08-25 複合タグ Pending JP2002065265A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007520228A (ja) * 2004-02-05 2007-07-26 ユニベルシダド パブリカ デ ナバラ 組換型スクロースシンターゼを作製する方法、スクロース測定キットの作製におけるその使用、adpグルコースを作製する方法、並びに、高濃度のadpグルコース及びデンプンを蓄積する葉及び貯蔵器官を有するトランスジェニック植物を得る方法
JP2012062276A (ja) * 2010-09-16 2012-03-29 Univ Of Tokyo 二種類以上のタグと親和性物質を利用した精製方法

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