JP2002065171A - 冷菓製造装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ミックス供給器の上端に取手部を設け、引き
抜き作業時に滑りにくくした冷菓製造装置を提供する。 【解決手段】 冷菓製造装置はミックスを貯蔵するホッ
パー２と、ミックスを撹拌しながら冷菓を製造する冷却
シリンダ８、前記ホッパー内に立設されて前記ホッパー
内のミックスを前記冷却シリンダに供給する開閉自在な
ミックス供給器７と、前記ホッパー及び冷却シリンダ内
のミックスを冷却する冷却装置と、前記ホッパー及び冷
却シリンダ内のミックスを加熱殺菌する加熱装置とを備
えている。ミックス供給器７はホッパー２内に立設され
て導入孔を形成する外管と、この外管内に上方から着
脱、かつ、回転可能に挿入されて前記外管の導入孔に合
致して導入路の構成される連通孔を形成する内管とを有
している。ミックス供給器７の外管にはホッパー内に貯
蔵されたミックスより上方に取手部を設けている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はソフトアイスクリー
ム等の冷菓を製造する冷菓製造装置に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来よりソフトクリーム等の冷菓を製造
するこの種冷菓製造装置は、コンプレッサ、凝縮器、減
圧装置及び冷却シリンダとホッパー（ミックスタンク）
に装備した冷却器からなる冷却装置を備え、この冷却装
置の冷凍サイクルを四方弁により可逆させ、冷菓製造時
には冷却器に液化冷媒を流して冷却シリンダ、ホッパー
を冷却し、一方ミックスの殺菌運転時にはコンプレッサ
からの高温冷媒ガス（ホットガス）をシリンダ冷却器に
導いて放熱させ、冷却器を放熱器として作用させて、冷
却シリンダを加熱させてミックスの殺菌を行っていた。

【０００３】そして、前記ミックス供給器はホッパー内
に垂直に立設されており、このミックス供給器によって
冷却シリンダ内に適宜、ホッパー内のミックスの供給を
行なっている。このミックス供給器は上端が大気に開放
されたパイプ状の外管及び内管によって構成されてお
り、外管下部に形成された導入孔と内管下部に形成され
た連通孔を合致させ、導入路を形成することにより、内
管下端が接続された冷却シリンダへのミックスの供給を
調整している。冷菓製造時は適宜ホッパーから冷却シリ
ンダへの供給を行い、加熱殺菌時やホッパー内や冷却シ
リンダ内の洗浄時には導入路を閉鎖している。また、分
解洗浄時にはホッパー内からミックス供給器を抜き出
し、冷却シリンダ内のビータを取り外すようにしてい
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ミック
ス供給器はステンレスで管状に形成されているため、外
管が円筒状に形成され外周面が平坦状になっており、上
端を持って引き抜くときに持ちにくく、しかもホッパー
内のミックス面から上端をかなり露出させておかないと
付着したミックスで滑って引く抜き作業が難しくなる等
の問題があった。

【０００５】そこで本発明は、係る従来の技術的課題を
解決するために成されたものであり、ミックス供給器の
上端に取手部を設け、引き抜き作業時に滑りにくくした
冷菓製造装置を提供するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の請求項１は、ミ
ックスを貯蔵するホッパーと、ミックスを撹拌しながら
冷菓を製造する冷却シリンダと、前記ホッパー内に立設
されて前記ホッパー内のミックスを前記冷却シリンダに
供給する開閉自在なミックス供給器と、前記ホッパー及
び冷却シリンダ内のミックスを冷却する冷却装置と、前
記ホッパー及び冷却シリンダ内のミックスを加熱殺菌す
る加熱装置とを備え、前記ミックス供給器を、前記ホッ
パー内に立設されて導入孔を形成する外管と、この外管
内に上方から着脱、かつ、回転可能に挿入されて前記外
管の導入孔に合致して導入路の構成される連通孔を形成
する内管とで構成し、前記ミックス供給器の外管にホッ
パー内に貯蔵されたミックスより上方に取手部を設け、
この取手部にミックスが付着しにくくすると共に、ミッ
クスが付着しても滑りにくくして引き抜きやすくしてい
る。

【０００７】本発明の請求項２は、外管の取手部の指掛
け部を段差で形成し、引き抜き作業時に指が掛かるよう
にして引き抜きやすくしている。

【０００８】本発明の請求項３は、ミックス供給器の外
管と内管とを透明な樹脂材料で形成し、汚れの確認を目
視で行えるようにしている。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図１は本発明の冷菓製造装置の実施
例としてのソフトクリーム製造装置ＳＭの内部構成を示
す斜視図、図２はソフトクリーム製造装置ＳＭの上部縦
断側面図である。実施例の冷菓製造装置ＳＭは、バニラ
やチョコレートのソフトクリームやシェーク等の冷菓を
製造販売するための装置であり、図１において本体１の
上部には、例えば前記ソフトクリームの原料となるミッ
クス（冷菓ミックス）を貯蔵するホッパー２、２が設け
られている。このホッパーは上面に開口しており、この
上面開口はそこに着脱自在に載置される蓋部材３にて開
閉自在に閉塞され、ミックスの補充時等にはこの蓋部材
が取り外される。

【００１０】一方、ホッパー２の周囲にはホッパー冷却
器４が捲回されており、このホッパー冷却器によりホッ
パー２内のミックスは保冷される。また、ホッパー２の
内底部にはインペラと称されるホッパー撹拌器（撹拌装
置）５が設けられており、下方に設けた誘導電動機から
成る撹拌モータ（図示せず）にて回転駆動される。

【００１１】更に、ホッパー２の側壁における所定高さ
の位置には、一対の導電極から成るミックスレベルセン
サ６が取り付けられており、このミックスレベルセンサ
の電極が導通してホッパー２内の所定量（ミックスレベ
ルセンサ６が設けられている高さ）以上のミックスを検
出している状態、即ち、Ｈｉｇｈであるか、所定量以下
の状態、即ち、Ｌｏｗであるか否かが検知される。

【００１２】７はホッパー２からミックスを冷却シリン
ダ８に適宜供給するためのミックス供給器で、このミッ
クス供給器は上端が大気に開放したパイプ状の硬質合成
樹脂で、開閉自在に形成され、開放時にホッパー２内の
ミックスを冷却シリンダ８内に供給すると共に、閉塞時
にホッパー２内のミックスを冷却シリンダ８内に供給し
ないようにしている。

【００１３】他方、冷却シリンダ８内には、ミックス供
給器７から適宜供給されるミックスを回転撹拌するため
のビーター９が設けられており、冷却シリンダ８の周囲
にはシリンダ冷却器１０が取り付けられている。ビータ
ー９はビーターモータ１１、駆動伝達ベルト１２、減速
機１３及び回転軸１４を介して回転される。製造された
冷菓は、前面のフリーザードア１５に配設された取出レ
バー１６を操作することにより、プランジャー１７が上
下動し、抽出路（図示せず）を開放させると共に、ビー
タ９が回転駆動されることにより、取り出される。ここ
で、実施例では上述した装置が二系統搭載されており、
それぞれが例えばバニラ用、チョコレート用とされてい
る。また、取出レバーは当該バニラ、チョコレート及び
それらのミックス用に３つが設けられている。

【００１４】次ぎに、ホッパー２からミックスを冷却シ
リンダ８に適宜供給するためのミックス供給器７につい
て図３乃至図５に基づいて説明する。ミックス供給器７
は上端が大気に開放したパイプ状の透明な硬質合成樹脂
にて外管１８と内管１９とで形成されている。この外管
は内面が上方に向けて徐々に拡開する形状とされてい
る。そのため、外管１８を成形するにあたって、係る外
管１８の内面形状は合成樹脂の成形型の抜き勾配となる
ため、成形が容易となり、成形型の簡素化を図ることが
できるようにされている。

【００１５】また、外管１８の下部には、ホッパー２内
のミックスをミックス供給器７内に流入させるための導
入孔２０が形成されている。そして、内管１９の下部に
は、外管１８の内面と密接するためのシール材２１が例
えば２段にわたって設けられている。そしてこのシール
材の上方には、外管１８の導入孔２０と合致することで
ミックスの導入路を構成する連通孔２２、２３が形成さ
れている。この連通孔は、ホッパー２内から冷却シリン
ダ８内へ流入するミックス量と空気の混合割合、即ち、
ミックスが空気と混合されてミックスの容積を増加させ
て冷菓の食感を向上させる、所謂オーバーランを調整す
るための孔であり、本実施例では連通孔２２は、連通孔
２３より大きくしている。

【００１６】外管１８の上端には、内管１９の上端に形
成された係合部２４を係合するための係合溝２５、２６
が形成されている。

【００１７】外管１８の係合溝２５に冷菓製造中におい
て内管１９の係合部２４を係合させた場合、内管１９が
外管１８内に挿入されてこの外管の導入孔２０は連通孔
２２に合致され、ホッパー２内から冷却シリンダ８内へ
ミックスが流入する導入路が形成される。これによっ
て、内管１９の下部内にてこの内管の上端から流入する
空気と導入孔２０及び連通孔２２から流入したミックス
とが混合され、オーバーランが生じ、冷菓の硬度を調整
することができるようになる。尚、係合溝２５は、係合
溝２６と識別するため、二段階の溝によって構成されて
いる。

【００１８】また、係合溝２６は、同じく冷菓製造中に
おいて内管１９の係合部２４を係合させた場合、内管１
９が外管１８内に挿入されてこの外管の導入孔２０は連
通孔２３に合致され、ホッパー２内から冷却シリンダ８
内へミックスが流入する導入路が形成される。この場
合、連通孔２３は連通孔２２よりも内径が小さい孔であ
るため、ミックスに対する空気の混合割合が増加し、連
通孔２２と合致した場合に比べてオーバーランがより一
層生じ、出来上がりの冷菓の硬度が柔らかくなるように
している。

【００１９】ミックス供給器７の外管１８は係合溝２
５、２６の形成されている上端の外径を大きくして段差
２７を有する取手部２８を形成されている。この取手部
の段差２７は指の掛かる程度で、上方に向かって傾斜し
ている。また、外管１８の取手部２８には導入孔２０と
同じ向きに位置決め用の突起２９が形成されている。

【００２０】以上の構成により、ミックス供給器７の内
管１９を外管１８に装着する際には、内管１９の下端を
外管１８内に挿入する。このとき、外管１８の内面は、
上述の如く上方に向けて徐々に拡開する形状とされてい
るため、内管１９の先端が外管１８の内面に当接するま
で挿入することによって内管１９を外管１８に装着する
ことができる。これにより、外管１８の内面と内管１９
に形成されたシール材２１が密着され、ミックスの導入
路を閉塞することができるようにしている。

【００２１】また、外管１８及び内管１９によってミッ
クスの導入路を形成する場合には、内管１９を更に外管
１８内に挿入し、外管１８の係合溝２５又は２６に内管
１９の係合部２４を係合することによって、外管１９に
形成された導入孔２０と内管１９に形成された連通孔２
２又は２３を合致させることができ、冷却シリンダ８に
ミックスを供給することができるようにしている。

【００２２】ミックス供給器７は上端に段差２７を有す
る取手部２８を設けることにより、ホッパー２内から引
き抜くときにミックスが付着していても滑りにくくさ
れ、引く抜き作業を簡単に行えるようにしている。ま
た、取手部２８の段差２７は上方に向かって傾斜してい
るため、指を掛けた時に鋭角な角が当たらないようで
き、指への負担を軽減できるようにしている。

【００２３】ミックス供給器７は透明な硬質合成樹脂で
形成することにより、内部にミックスが付着しても汚れ
を目視で確認することができ、ミックス供給器７の洗浄
時の洗浄不良の恐れを無くすことができるようにされて
いる。

【００２４】また、ミックス供給器７は透明な硬質合成
樹脂で形成しているめた、外管１８に形成された導入孔
２０は内管１９を挿入している状態ではこの内管の連通
孔２２、２３と見分けが付かず係合部２４の嵌め合わさ
れる係合溝２５、２６との間違いを防止できるようにさ
れている。

【００２５】

【発明の効果】以上のように本発明の請求項１によれ
ば、ミックスを貯蔵するホッパーと、ミックスを撹拌し
ながら冷菓を製造する冷却シリンダと、前記ホッパー内
に立設されて前記ホッパー内のミックスを前記冷却シリ
ンダに供給する開閉自在なミックス供給器と、前記ホッ
パー及び冷却シリンダ内のミックスを冷却する冷却装置
と、前記ホッパー及び冷却シリンダ内のミックスを加熱
殺菌する加熱装置とを備え、前記ミックス供給器を、前
記ホッパー内に立設されて導入孔を形成する外管と、こ
の外管内に上方から着脱、かつ、回転可能に挿入されて
前記外管の導入孔に合致して導入路の構成される連通孔
を形成する内管とで構成し、前記ミックス供給器の外管
にホッパー内に貯蔵されたミックスより上方に取手部を
設けたので、この取手部にミックスが付着しにくくする
と共に、ミックスが付着しても滑りにくくして引き抜き
やすくできる。

【００２６】本発明の請求項２によれば、外管の取手部
の指掛け部を段差で形成したので、引き抜き作業時に指
が掛かるようにして引き抜きやすくできる。

【００２７】本発明の請求項３によれば、ミックス供給
器の外管と内管とを透明な樹脂材料で形成したので、引
き抜いたミックス供給器の汚れの確認を目視で行えるよ
うにできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の冷菓製造装置の実施例としてのソフト
クリーム製造装置ＳＭの内部構成を示す斜視図である。

【図２】本発明のソフトクリーム製造装置ＳＭの上部縦
断側面図である。

【図３】本発明のミックス供給器の外管を示す一部切欠
断面図である。

【図４】本発明のミックス供給器の内管を示す断面図で
ある。

【図５】本発明のミックス供給器を示す断面図である。

【符号の説明】

ＳＭ ソフトクリーム製造装置（冷菓製造装置） ２ ホッパー ７ ミックス供給器 ８ 冷却シリンダ １８ 外管 １９ 内管

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池本 宏一郎 大阪府守口市京阪本通２丁目５番５号 三 洋電機株式会社内 Ｆターム(参考） 4B014 GB22 GP06 GT04 GT11

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ミックスを貯蔵するホッパーと、ミック
   スを撹拌しながら冷菓を製造する冷却シリンダと、前記
   ホッパー内に立設されて前記ホッパー内のミックスを前
   記冷却シリンダに供給する開閉自在なミックス供給器
   と、前記ホッパー及び冷却シリンダ内のミックスを冷却
   する冷却装置と、前記ホッパー及び冷却シリンダ内のミ
   ックスを加熱殺菌する加熱装置とを備えた冷菓製造装置
   において、前記ミックス供給器は前記ホッパー内に立設
   されて導入孔を形成する外管と、この外管内に上方から
   着脱、かつ、回転可能に挿入されて前記外管の導入孔に
   合致して導入路の構成される連通孔を形成する内管とを
   有し、前記ミックス供給器の外管にはホッパー内に貯蔵
   されたミックスより上方に取手部を設けたことを特徴と
   する冷菓製造装置。
2. 【請求項２】 前記外管の取手部は段差で指掛け部を形
   成したことを特徴とする請求項１記載の冷菓製造装置。
3. 【請求項３】 前記ミックス供給器の外管と内管とは透
   明な樹脂材料で形成したことを特徴とする請求項１記載
   の冷菓製造装置。