JP2002064688A - 画像読取装置及び画像読取方法 - Google Patents

画像読取装置及び画像読取方法

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JP2002064688A
JP2002064688A JP2001152503A JP2001152503A JP2002064688A JP 2002064688 A JP2002064688 A JP 2002064688A JP 2001152503 A JP2001152503 A JP 2001152503A JP 2001152503 A JP2001152503 A JP 2001152503A JP 2002064688 A JP2002064688 A JP 2002064688A
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infrared light
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JP2001152503A
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English (en)
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Kazuhiko Katakura
和彦 片倉
Yasunobu Sakaguchi
恭伸 阪口
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストかつ小スペースに構成することがで
きると共に、簡易な制御で高品質な画像読み取りを行う
ことができる画像読取装置及び画像読取方法を得る。 【解決手段】 フィルムキャリア90にセットされた写
真フィルムFのコマ画像を読み取るエリアCCDスキャ
ナ部14に、レンズユニット92及びエリアCCD30
を含んで構成されると共に矢印B方向にスライド移動可
能に設けられた読取部94と、可視光及び赤外光を選択
的に射出可能な光源部80とを備え、可視光によるコマ
画像の読み取り時と、赤外光によるコマ画像の読み取り
時との各々において合焦制御を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像読取装置及び
画像読取方法に係り、特に、可視光及び赤外光を用いて
原稿の画像を読み取る画像読取装置及び画像読取方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、写真プリント等の反射原稿や写真
フィルム等の透過原稿に照明光を照射し、原稿に記録さ
れている画像情報を担持した原稿からの反射光又は透過
光をCCD(Charge Coupled Device)等の画像センサ
で受光することにより原稿に記録されている画像を読み
取り、この読み取りによって得られた画像データに対し
て各種の補正等の処理を行った後に、印画紙等の記録材
料への画像記録やディスプレイへの画像表示等を行う画
像読取装置が実用化されている。このような画像読取装
置では、原稿に記録された画像の読み取りから、プリン
トやCDといった異なる記録媒体への画像記録やディス
プレイへの画像表示や画像合成による付加価値が高いプ
リントを生産する機能に加えて、プリント画質の向上と
自動化により作業が容易になるという利点を有してい
る。
【0003】この種の画像読取装置では、原稿を照明す
る光源として、従来よりハロゲンランプ等の白色光源が
用いられてきたが、近年、白色光源に代えて、R
(赤)、G(緑)、及びB(青)に発色する多数のLE
D(発光ダイオード)素子をプリント基板上にアレイ状
に配列して構成されたLED光源を用いた装置も実用化
されている。
【0004】LED光源を適用することにより、白色光
源を色分解するためのフィルタが不要となり、装置構成
を簡単にできる。また各色バランス等の条件設定も簡略
化することができる。
【0005】ところで、このような画像読取装置では、
読み取り対象とする原稿上に引掻き傷等の傷があった
り、指紋や塵埃等の異物が付着している場合、画像読み
取りによって得られた画像データ及び最終的に得られた
画像に前記の画質阻害要因が現れる、という問題があっ
た。
【0006】そこで、従来より、読み取り対象とする原
稿に赤外光を照射し、原稿からの透過光に基づいて上述
の画質劣化の原因となる傷や異物の位置を検出し、該検
出結果に基づいて可視光による画像読み取りによって得
られた画像データを修復して自動的に傷や異物による影
を除去する技術があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この技
術では、上述のように赤外光及び可視光の双方について
各々原稿の画像データを取得する必要があるが、原稿か
らの透過光又は反射光を画像センサに結像する結像レン
ズの赤外光での合焦位置(フォーカス位置)は、可視光
のそれとは著しく異なっているので、赤外光による画像
読み取り時と可視光による画像読み取り時とで、原稿、
結像レンズ及び画像センサの位置関係を同一にした場
合、赤外光による画像読み取りによって得られた画像デ
ータ及び可視光による画像読み取りによって得られた画
像データの少なくとも一方において鮮鋭な画像を得るこ
とができないため、上述のような傷や異物による影の除
去を高精度に行うことができず、この結果として高品質
な画像データを得ることができない、という問題点があ
った。この問題はレンズ設計の課題であるが、環境保護
の観点から、今後は鉛を含む硝材が使えなくなるので、
レンズ設計だけで課題を解決することが困難な状況であ
る。
【0008】本発明は上記問題点を解消するために成さ
れたものであり、低コストかつ小スペースに構成するこ
とができると共に、簡易な制御で高品質な画像読み取り
を行うことができる画像読取装置及び画像読取方法を提
供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の画像読取装置は、可視光及び赤外光
を射出して原稿に照射する照明手段と、前記原稿からの
透過光又は反射光を結像させる結像手段と、前記結像手
段により結像された画像を複数画素に分解して読み取っ
て画像データとして出力する画像センサと、前記結像手
段の少なくとも一部、前記画像センサ、及び前記原稿の
少なくとも1つを前記結像手段の光軸方向に移動させる
移動手段と、前記可視光による前記画像の読み取り時と
前記赤外光による前記画像の読み取り時との各々におい
て、前記結像手段による結像位置と前記画像センサの読
み取り位置とを一致させる合焦制御が行われるように前
記移動手段を制御する制御手段と、を備えている。
【0010】請求項1に記載の画像読取装置によれば、
照明手段によって可視光及び赤外光が射出されて原稿に
照射され、結像手段によって原稿からの透過光又は反射
光が結像され、更に、画像センサによって結像手段によ
り結像された画像が複数画素に分解されて読み取られて
画像データとして出力される。なお、上記原稿には写真
フィルム等の透過原稿及び写真プリント等の反射原稿が
含まれ、上記可視光には赤色光、緑色光、及び青色光が
含まれる。また、上記照明手段としては、前述したハロ
ゲンランプ等の白色光源と該白色光源を色分解するため
のフィルタとを備えた光源や、LED光源等を適用する
ことができる。
【0011】一方、請求項1記載の発明では、上記可視
光による画像の読み取り時と上記赤外光による画像の読
み取り時との各々において、結像手段による結像位置と
画像センサの読み取り位置とを一致させる合焦制御が行
われるように結像手段の少なくとも一部、画像センサ、
及び原稿の少なくとも1つを結像手段の光軸方向に移動
させる移動手段が制御される。
【0012】このように、請求項1に記載の画像読取装
置によれば、可視光による画像の読み取り時と赤外光に
よる画像の読み取り時との各々において、結像手段によ
る結像位置と画像センサの読み取り位置とを一致させる
合焦制御が行われるように制御しているので、従来から
画像読取装置に備えられている結像手段、移動手段等の
制御のみによって可視光による画像読み取りにより得ら
れる画像データと赤外光による画像読み取りにより得ら
れる画像データの双方について鮮鋭な画像を得ることが
でき、低コストかつ小スペースに構成することができる
と共に、簡易な制御で高品質な画像読み取りを行うこと
ができる。
【0013】また、請求項2記載の画像読取装置は、請
求項1記載の発明において、前記制御手段は、前記赤外
光による画像の読み取りによって得られた画像データに
基づいて前記原稿上の傷又は異物の位置を検出し、該検
出結果に基づいて前記可視光による画像の読み取りによ
って得られた画像データを補正することを特徴としたも
のである。
【0014】請求項2に記載の画像読取装置によれば、
制御手段により、赤外光による画像の読み取りによって
得られた画像データに基づいて原稿上の傷又は異物の位
置が検出され、該検出結果に基づいて可視光による画像
の読み取りによって得られた画像データが補正される。
なお、上記画像データの補正の方法としては、傷又は異
物の位置に対応する画素の濃度値を周辺画素の濃度値の
補間演算によって得る方法等が例示される。
【0015】このように、請求項2に記載の画像読取装
置によれば、請求項1記載の発明と同様の効果を奏する
ことができると共に、赤外光による画像の読み取りによ
って得られた画像データに基づいて原稿上の傷又は異物
の位置を検出し、該検出結果に基づいて可視光による画
像の読み取りによって得られた画像データを補正してい
るので、原稿上の傷又は異物の画像が除去された高品質
な画像データを得ることができる。
【0016】ところで、結像手段の種類によっては、赤
外光に対する倍率色収差ないし歪曲収差が大きなものが
あり、このような結像手段を用いて得られた赤外光によ
る画像データからは、原稿上の傷又は異物の正確な位置
を検出することができない。
【0017】そこで、請求項3記載の画像読取装置は、
請求項2記載の発明において、前記制御手段は、前記画
像データの補正に先立って、前記赤外光による画像の読
み取りによって得られた画像データに対して倍率色収差
補正及び歪曲収差補正の少なくとも一方の収差補正を行
うことを特徴としたものである。
【0018】請求項3に記載の画像読取装置によれば、
制御手段により、画像データの補正に先立って、赤外光
による画像の読み取りによって得られた画像データに対
して倍率色収差補正及び歪曲収差補正の少なくとも一方
の収差補正が行われる。
【0019】このように、請求項3に記載の画像読取装
置によれば、請求項2記載の発明と同様の効果を奏する
ことができると共に、画像データの補正に先立って、赤
外光による画像の読み取りによって得られた画像データ
に対して倍率色収差補正及び歪曲収差補正の少なくとも
一方の収差補正を行っているので、結像手段の光学性能
の良否にかかわらず、原稿上の傷又は異物の正確な位置
を検出することができ、この結果として高品質な画像デ
ータを得ることができる。
【0020】ところで、結像手段の種類によっては、赤
外光による画像の読み取りによって得られた画像データ
と、可視光による画像の読み取りによって得られた画像
データとの間で画像の位置がずれる場合があり、このよ
うな結像手段を用いて得られた赤外光による画像データ
に基づき検出された原稿上の傷又は異物の位置は、可視
光による画像データが示す画像上の位置と対応が取れな
いため、可視光による画像データの補正を的確に行うこ
とができない。
【0021】そこで、請求項4記載の画像読取装置は、
請求項2又は請求項3記載の発明において、前記制御手
段は、前記画像データの補正に先立って、前記赤外光に
よる画像の読み取りによって得られた画像データと、前
記可視光による画像の読み取りによって得られた画像デ
ータとの間の画像の位置ずれ量を検出し、前記赤外光に
よる画像の読み取りによって得られた画像データ又は前
記可視光による画像の読み取りによって得られた画像デ
ータを前記位置ずれ量に基づいて当該位置ずれ量が最小
になるように補正することを特徴としたものである。
【0022】請求項4に記載の画像読取装置によれば、
制御手段により、画像データの補正に先立って、赤外光
による画像の読み取りによって得られた画像データと、
可視光による画像の読み取りによって得られた画像デー
タとの間の画像の位置ずれ量が検出され、赤外光による
画像の読み取りによって得られた画像データ又は可視光
による画像の読み取りによって得られた画像データが上
記位置ずれ量に基づいて当該位置ずれ量が最小になるよ
うに補正される。
【0023】このように、請求項4に記載の画像読取装
置によれば、請求項2又は請求項3記載の発明と同様の
効果を奏することができると共に、画像データの補正に
先立って、赤外光による画像の読み取りによって得られ
た画像データと、可視光による画像の読み取りによって
得られた画像データとの間の画像の位置ずれ量を検出
し、赤外光による画像の読み取りによって得られた画像
データ又は可視光による画像の読み取りによって得られ
た画像データを上記位置ずれ量に基づいて当該位置ずれ
量が最小になるように補正しているので、赤外光による
画像データに基づき検出された原稿上の傷又は異物の位
置が、可視光による画像データが示す画像上の位置と対
応が取れるようになり、この結果として可視光による画
像データに対する、傷又は異物の位置の検出結果に基づ
く補正を的確に行うことができる。
【0024】また、請求項5に記載の画像読取装置は、
請求項4記載の発明において、前記制御手段は、前記位
置ずれ量を予め検出しておき画像の読み取り毎に前記赤
外光による画像の読み取りによって得られた画像データ
又は前記可視光による画像の読み取りによって得られた
画像データを前記位置ずれ量に基づいて当該位置ずれ量
が最小になるように補正するか、又は、画像の読み取り
毎に前記位置ずれ量を検出して前記赤外光による画像の
読み取りによって得られた画像データ又は前記可視光に
よる画像の読み取りによって得られた画像データを前記
位置ずれ量に基づいて当該位置ずれ量が最小になるよう
に補正することを特徴としたものである。
【0025】請求項5に記載の発明によれば、制御手段
により、上記位置ずれ量が予め検出されて画像の読み取
り毎に赤外光による画像の読み取りによって得られた画
像データ又は可視光による画像の読み取りによって得ら
れた画像データが上記位置ずれ量に基づいて当該位置ず
れ量が最小になるように補正されるか、又は、画像の読
み取り毎に上記位置ずれ量が検出されて赤外光による画
像の読み取りによって得られた画像データ又は可視光に
よる画像の読み取りによって得られた画像データが上記
位置ずれ量に基づいて当該位置ずれ量が最小になるよう
に補正される。
【0026】このように、請求項5に記載の画像読取装
置によれば、請求項4記載の発明と同様の効果を奏する
ことができると共に、本発明に係る位置ずれ量を予め検
出しておき画像の読み取り毎に赤外光による画像の読み
取りによって得られた画像データ又は可視光による画像
の読み取りによって得られた画像データを上記位置ずれ
量に基づいて当該位置ずれ量が最小になるように補正す
るか、又は、画像の読み取り毎に上記位置ずれ量を検出
して赤外光による画像の読み取りによって得られた画像
データ又は可視光による画像の読み取りによって得られ
た画像データを上記位置ずれ量に基づいて当該位置ずれ
量が最小になるように補正しているので、上記位置ずれ
量を予め検出しておく場合は、画像の読み取り毎に位置
ずれ量を検出する場合に比較して処理を高速化すること
ができ、上記位置ずれ量を画像の読み取り毎に検出する
場合には、当該位置ずれ量によって示される位置ずれに
画像の読み取り毎にばらつきがある系においても可視光
による画像データの補正を高精度に行うことができる。
【0027】また、請求項6記載の画像読取装置は、請
求項1乃至請求項5の何れか1項記載の発明において、
前記制御手段は、前記可視光及び前記赤外光の各々を用
いた場合の合焦制御が行われるように前記照明手段及び
前記移動手段を制御することによって前記可視光による
画像読み取り時の合焦位置と前記赤外光による画像読み
取り時の合焦位置とを予め取得しておき、前記原稿に記
録された画像を読み取る際には前記予め取得しておいた
合焦位置に基づく位置に前記結像手段の少なくとも一
部、前記画像センサ、及び前記原稿の少なくとも1つが
移動するように前記移動手段を制御することを特徴とし
たものである。
【0028】請求項6に記載の画像読取装置によれば、
請求項1乃至請求項5の何れか1項記載の発明の制御手
段によって、可視光及び赤外光の各々を用いた場合の合
焦制御が行われるように照明手段及び移動手段が制御さ
れることによって可視光による画像読み取り時の合焦位
置と赤外光による画像読み取り時の合焦位置とが予め取
得され、原稿に記録された画像を読み取る際には予め取
得しておいた合焦位置に基づく位置に結像手段の少なく
とも一部、画像センサ、及び原稿の少なくとも1つが移
動されるように移動手段が制御される。
【0029】このように、請求項6に記載の画像読取装
置によれば、請求項1乃至請求項5の何れか1項記載の
発明と同様の効果を奏することができると共に、可視光
及び赤外光の各々を用いた場合の合焦制御が行われるよ
うに照明手段及び移動手段を制御することによって可視
光による画像読み取り時の合焦位置と赤外光による画像
読み取り時の合焦位置とを予め取得しておき、原稿に記
録された画像を読み取る際には予め取得しておいた合焦
位置に基づく位置に結像手段の少なくとも一部、画像セ
ンサ、及び原稿の少なくとも1つが移動するように制御
しているので、画像の読み取り毎に合焦制御を行う場合
に比較して制御を簡易化することができる。
【0030】更に、請求項7記載の画像読取装置は、請
求項1乃至請求項5の何れか1項記載の発明において、
前記制御手段は、前記可視光及び前記赤外光の一方の光
を用いた場合の合焦制御が行われるように前記照明手段
及び前記移動手段を制御することによって前記一方の光
による画像読み取り時の合焦位置を予め取得しておき、
前記一方の光によって前記画像を読み取る際には前記予
め取得しておいた合焦位置に基づく位置に前記結像手段
の少なくとも一部、前記画像センサ、及び前記原稿の少
なくとも1つが移動するように前記移動手段を制御し、
前記可視光及び前記赤外光の他方の光によって前記画像
を読み取る際には前記予め取得しておいた合焦位置に基
づく位置に対して前記結像手段の設計値に基づく所定の
ずらし量だけずらした位置に前記結像手段の少なくとも
一部、前記画像センサ、及び前記原稿の少なくとも1つ
が移動するように前記移動手段を制御することを特徴と
したものである。
【0031】請求項7に記載の画像読取装置によれば、
請求項1乃至請求項5の何れか1項記載の発明の制御手
段によって、可視光及び赤外光の一方の光を用いた場合
の合焦制御が行われるように照明手段及び移動手段が制
御されることによって上記一方の光による画像読み取り
時の合焦位置が予め取得され、上記一方の光によって画
像を読み取る際には予め取得しておいた合焦位置に基づ
く位置に結像手段の少なくとも一部、画像センサ、及び
原稿の少なくとも1つが移動されるように移動手段が制
御され、可視光及び赤外光の他方の光によって画像を読
み取る際には予め取得しておいた合焦位置に基づく位置
に対して結像手段の設計値に基づく所定のずらし量だけ
ずらした位置に結像手段の少なくとも一部、画像セン
サ、及び原稿の少なくとも1つが移動されるように移動
手段が制御される。
【0032】このように、請求項7に記載の画像読取装
置によれば、請求項1乃至請求項5の何れか1項記載の
発明と同様の効果を奏することができると共に、可視光
及び赤外光の一方の光を用いた場合の合焦制御が行われ
るように照明手段及び移動手段を制御することによって
上記一方の光による画像読み取り時の合焦位置を予め取
得しておき、上記一方の光によって画像を読み取る際に
は予め取得しておいた合焦位置に基づく位置に結像手段
の少なくとも一部、画像センサ、及び原稿の少なくとも
1つが移動するように制御し、可視光及び赤外光の他方
の光によって画像を読み取る際には予め取得しておいた
合焦位置に基づく位置に対して結像手段の設計値に基づ
く所定のずらし量だけずらした位置に結像手段の少なく
とも一部、画像センサ、及び原稿の少なくとも1つが移
動するように制御しているので、画像の読み取り毎に合
焦制御を行う場合に比較して制御を簡易化することがで
きると共に、可視光及び赤外光の双方について合焦制御
を予め行う場合に比較して制御を簡易化することができ
る。
【0033】なお、請求項8記載の画像読取装置のよう
に、請求項1乃至請求項7の何れか1項記載の発明にお
ける前記結像手段の少なくとも一部を、前記結像手段が
単焦点レンズを含んで構成された場合の当該単焦点レン
ズ自身、又は前記結像手段がズームレンズを含んで構成
された場合の当該ズームレンズの少なくとも一部とする
ことができる。
【0034】また、請求項9記載の画像読取装置のよう
に、請求項1乃至請求項7の何れか1項記載の発明にお
いて、前記結像手段に、当該結像手段の光軸位置に挿抜
することによって当該結像手段による結像位置を変更で
きる透明平行板を設け、前記移動手段を、前記透明平行
板を前記光軸位置に挿抜させるものとすることもでき
る。
【0035】請求項9に記載の画像読取装置では、結像
手段に設けられ、かつ当該結像手段の光軸位置に挿抜す
ることによって当該結像手段による結像位置を変更でき
る透明平行板が移動手段によって上記光軸位置に挿抜さ
れるものとされている。従って、本発明の制御手段によ
り、可視光による画像の読み取り時と赤外光による画像
の読み取り時との各々において合焦制御が行われる際に
は、透明平行板が上記光軸位置に挿抜されるように移動
手段が制御される。
【0036】このように、請求項9に記載の画像読取装
置によれば、請求項1乃至請求項7の何れか1項記載の
発明と同様の効果を奏することができると共に、結像手
段に、当該結像手段の光軸位置に挿抜することによって
当該結像手段による結像位置を変更できる透明平行板を
設け、移動手段を、上記透明平行板を上記光軸位置に挿
抜させるものとしているので、単焦点レンズやズームレ
ンズ等の高価なレンズを備えることなく合焦制御を行う
ことができ、装置を低コスト化することができる。
【0037】更に、請求項10記載の発明のように、本
発明に係る前記照明手段は、前記可視光及び前記赤外光
を選択的に射出して前記原稿に照射するか、又は前記可
視光及び前記赤外光を同時に射出して前記原稿に照射す
るものとすることができる。なお、このときの、可視光
及び赤外光を選択的に射出する照明手段としては前述の
LED光源が例示でき、可視光及び赤外光を同時に射出
する照明手段としては前述のハロゲンランプ等の白色光
源と該白色光源から射出された光を色分解するためのフ
ィルタとを備えた光源が例示できる。
【0038】また、請求項11記載の画像読取装置は、
可視光及び赤外光を射出して原稿に照射する照明手段
と、光軸位置に挿抜することによって結像位置を変更で
きる透明平行板を有すると共に前記原稿からの透過光又
は反射光を結像させる結像手段と、前記結像手段により
結像された画像を複数画素に分解して読み取って画像デ
ータとして出力する画像センサと、前記透明平行板を前
記光軸位置に挿抜させる移動手段と、前記可視光による
前記画像の読み取り時と前記赤外光による前記画像の読
み取り時との各々において、前記結像手段による結像位
置と前記画像センサの読み取り位置とを一致させる合焦
制御が行われるように前記移動手段を制御する制御手段
と、を備えている。
【0039】請求項11に記載の画像読取装置によれ
ば、照明手段によって可視光及び赤外光が射出されて原
稿に照射され、光軸位置に挿抜することによって結像位
置を変更できる透明平行板を有した結像手段によって原
稿からの透過光又は反射光が結像され、更に、画像セン
サによって結像手段により結像された画像が複数画素に
分解されて読み取られて画像データとして出力される。
なお、上記原稿には写真フィルム等の透過原稿及び写真
プリント等の反射原稿が含まれ、上記可視光には赤色
光、緑色光、及び青色光が含まれる。また、上記照明手
段としては、前述したハロゲンランプ等の白色光源と該
白色光源を色分解するためのフィルタとを備えた光源
や、LED光源等を適用することができる。
【0040】一方、請求項11記載の発明では、上記可
視光による画像の読み取り時と上記赤外光による画像の
読み取り時との各々において、結像手段による結像位置
と画像センサの読み取り位置とを一致させる合焦制御が
行われるように、結像手段に備えられた透明平行板を光
軸位置に挿抜させる移動手段が制御される。
【0041】このように、請求項11に記載の画像読取
装置によれば、可視光による画像の読み取り時と赤外光
による画像の読み取り時との各々において、結像手段に
よる結像位置と画像センサの読み取り位置とを一致させ
る合焦制御が行われるように制御しているので、従来か
ら画像読取装置に備えられている結像手段、移動手段等
の制御のみによって可視光による画像読み取りにより得
られる画像データと赤外光による画像読み取りにより得
られる画像データの双方について鮮鋭な画像を得ること
ができ、低コストかつ小スペースに構成することができ
ると共に、簡易な制御で高品質な画像読み取りを行うこ
とができ、かつ、結像手段に、当該結像手段の光軸位置
に挿抜することによって当該結像手段による結像位置を
変更できる透明平行板を設け、移動手段を、上記透明平
行板を上記光軸位置に挿抜させるものとしているので、
単焦点レンズやズームレンズ等の高価なレンズを備える
ことなく合焦制御を行うことができ、装置を低コスト化
することができる。
【0042】一方、請求項12記載の画像読取方法は、
可視光及び赤外光を原稿に照射して、前記原稿からの透
過光又は反射光に基づいて原稿に記録された画像を読み
取る画像読取方法であって、可視光による前記画像の読
み取り時と赤外光による前記画像の読み取り時との各々
において、前記原稿からの透過光又は反射光を結像させ
る結像手段による結像位置と、前記結像手段により結像
された画像を複数画素に分解して読み取って画像データ
として出力する画像センサの読み取り位置と、を一致さ
せる合焦制御が行われるように前記結像手段の少なくと
も一部、前記画像センサ、及び前記原稿の少なくとも1
つを前記結像手段の光軸方向に移動させるように制御す
るものである。
【0043】従って、請求項12に記載の画像読取方法
によれば、請求項1記載の発明と同様に作用するので、
請求項1記載の発明と同様に、従来から画像読取装置に
備えられている結像手段、移動手段等の制御のみによっ
て可視光による画像読み取りにより得られる画像データ
と赤外光による画像読み取りにより得られる画像データ
の双方について鮮鋭な画像を得ることができ、低コスト
かつ小スペースに構成することができると共に、簡易な
制御で高品質な画像読み取りを行うことができる。
【0044】また、請求項13記載の画像読取方法は、
請求項12記載の発明において、前記赤外光による画像
の読み取りによって得られた画像データに基づいて前記
原稿上の傷又は異物の位置を検出し、該検出結果に基づ
いて前記可視光による画像の読み取りによって得られた
画像データを補正することを特徴とするものである。
【0045】従って、請求項13に記載の画像読取方法
によれば、請求項2記載の発明と同様に作用するので、
請求項2記載の発明と同様に、原稿上の傷又は異物の画
像が除去された高品質な画像データを得ることができ
る。
【0046】また、請求項14記載の画像読取方法は、
請求項13記載の発明において、前記画像データの補正
に先立って、前記赤外光による画像の読み取りによって
得られた画像データに対して倍率色収差補正及び歪曲収
差補正の少なくとも一方の収差補正を行うことを特徴と
するものである。
【0047】従って、請求項14に記載の画像読取方法
によれば、請求項3記載の発明と同様に作用するので、
請求項3記載の発明と同様に、結像手段の光学性能の良
否にかかわらず、原稿上の傷又は異物の正確な位置を検
出することができ、この結果として高品質な画像データ
を得ることができる。
【0048】更に、請求項15記載の画像読取方法は、
請求項13又は請求項14記載の発明において、前記画
像データの補正に先立って、前記赤外光による画像の読
み取りによって得られた画像データと、前記可視光によ
る画像の読み取りによって得られた画像データとの間の
画像の位置ずれ量を検出し、前記赤外光による画像の読
み取りによって得られた画像データ又は前記可視光によ
る画像の読み取りによって得られた画像データを前記位
置ずれ量に基づいて当該位置ずれ量が最小になるように
補正することを特徴とするものである。
【0049】従って、請求項15に記載の画像読取方法
によれば、請求項4記載の発明と同様に作用するので、
請求項4記載の発明と同様に、赤外光による画像データ
に基づき検出された原稿上の傷又は異物の位置が、可視
光による画像データが示す画像上の位置と対応が取れる
ようになり、この結果として可視光による画像データに
対する傷又は異物の位置の検出結果に基づく補正を的確
に行うことができる。
【0050】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態について詳細に説明する。なお、以下では、
本発明をディジタルラボシステムに適用した場合につい
て説明する。
【0051】〔第1実施形態〕 (システム全体の概略構成)図1及び図2には、本実施
の形態に係るディジタルラボシステム10の概略構成が
示されている。
【0052】図1に示すように、このディジタルラボシ
ステム10は、エリアCCDスキャナ部14、画像処理
部16、レーザプリンタ部18、及びプロセッサ部20
を含んで構成されており、エリアCCDスキャナ部14
と画像処理部16は、図2に示す入力部26として一体
化されており、レーザプリンタ部18及びプロセッサ部
20は、図2に示す出力部28として一体化されてい
る。
【0053】エリアCCDスキャナ部14は、ネガフィ
ルムやリバーサルフィルム等の写真フィルムに記録され
ているコマ画像を読み取るためのものであり、例えば1
35サイズの写真フィルム、110サイズの写真フィル
ム、及び透明な磁気層が形成された写真フィルム(24
0サイズの写真フィルム:所謂APSフィルム)、12
0サイズ及び220サイズ(ブローニサイズ)の写真フ
ィルムのコマ画像を読み取り対象とすることができる。
エリアCCDスキャナ部14は、上記の読み取り対象の
コマ画像をエリアCCD30で読み取り、増幅器122
により増幅し、A/D(アナログ/ディジタル)変換器
120においてA/D変換した後、当該コマ画像が形成
されている領域における引掻き傷等の傷や、塵埃や指紋
等の異物による画質劣化部分を補正する処理(以下、
「傷消し処理」という)を施した画像データを画像処理
部16へ出力する。
【0054】画像処理部16は、エリアCCDスキャナ
部14から出力された画像データ(スキャン画像デー
タ)が入力されると共に、デジタルカメラ34等での撮
影によって得られた画像データ、原稿(例えば反射原稿
等)をスキャナ36(フラットベット型)で読み取るこ
とで得られた画像データ、他のコンピュータで生成され
てFD(フロッピディスク)、MO(光磁気ディス
ク)、CD(コンパクトディスク)等に記録され、フロ
ッピディスクドライブ38、MOドライブ又はCDドラ
イブ40等を介して入力される画像データ、及びモデム
42を介して受信する通信画像データ等(以下、これら
を「ファイル画像データ」と総称する)を外部から入力
することも可能なように構成されている。
【0055】画像処理部16は、入力された画像データ
を画像メモリ44に記憶し、色階調処理部46、ハイパ
ートーン処理部48、ハイパーシャープネス処理部50
等により各種の補正等の画像処理を行って、記録用画像
データとしてレーザプリンタ部18へ出力する。また、
画像処理部16は、画像処理を行った画像データを画像
ファイルとして外部へ出力する(例えばFD、MO、C
D等の記憶媒体に出力したり、通信回線を介して他の情
報処理機器へ送信する等)ことも可能とされている。
【0056】レーザプリンタ部18はR(赤)、G
(緑)、B(青)のレーザ光源52を備えており、レー
ザドライバ54を制御して、画像処理部16から入力さ
れた記録用画像データ(一旦、画像メモリ56に記憶さ
れる)に応じて変調したレーザ光を印画紙62に照射し
て、走査露光(本実施の形態では、主としてポリゴンミ
ラー58、fθレンズ60を用いた光学系)によって印
画紙62に画像(潜像)を記録する。
【0057】また、プロセッサ部20は、レーザプリン
タ部18で走査露光によって画像が記録された印画紙6
2に対し、発色現像、漂白定着、水洗、乾燥の各処理を
施す。これにより、印画紙62上に画像が形成される。
【0058】(エリアCCDスキャナ部の構成)次にエ
リアCCDスキャナ部14の構成について説明する。図
3にはエリアCCDスキャナ部14の光学系の概略構成
が示されている。この光学系は、写真フィルムFに光を
照射する光源部80を備えており、光源部80の光射出
側には、コマ画像の画面が光軸(結像光学系である後述
するレンズユニットの光軸)L1と垂直になるようにセ
ットされた写真フィルムFを所定方向(矢印Sの示す方
向及び該方向の逆方向)に搬送するフィルムキャリア9
0が配置されている。
【0059】光源部80には、図4に示されるように、
下方から順にLED光源82、拡散ボックス84、透過
拡散板86及び導波管88が光軸L1に沿って設けられ
ている。
【0060】LED光源82は基板100上に多数のL
ED素子102を2次元に配列して構成されており、光
軸L1に沿った方向へ光を出射するように配置されてい
る。なお、基板100には、アルミナ基板、ガラスエポ
キシ基板、セラミックス基板等が用いられる。
【0061】基板100のLED素子配置側表面では、
多数のLED素子102の各々の端子とコネクタ104
の端子とが銅等の電気伝導率の高い材料の配線パターン
(図示せず)により接続されており、該配線パターンの
酸化等による腐食を防ぐために、腐食保護膜(以下、
「レジスト膜」という)によって被覆されている。この
レジスト膜は、白色等の反射率の高い材料によって形成
されている。LED光源82では、各LED素子102
から射出された光の一部は直接光として光軸L1に沿っ
た方向へ出射され、また他の一部は基板100方向へ出
射され、上記レジスト膜によって反射されて反射光とし
て光軸L1に沿った方向へ出射されるようになってい
る。
【0062】また、コネクタ104はエリアCCDスキ
ャナ部14全体の動作を司る制御部に接続されており、
該制御部によって各LED素子102はオン/オフ制御
可能となっている。
【0063】本実施の形態に係るLED素子102は、
図4矢印Sが示す方向の下流側から順に、B(青)色に
発光するLED素子102B、赤外光を射出するLED
素子102IR、R(赤)色に発光するLED素子10
2R、G(緑)色に発光するLED素子102Gと繰り
返し配列されており、上記制御部による制御によって
R、G、B及びIRの射出する光の色毎にオン/オフ制
御可能となっている。
【0064】一方、拡散ボックス84は、上端部、下端
部が開口とされた筒状に形成されて、基板100の周縁
に基板100を囲むように立設されている。LED光源
82から出射された光は、光量を損失することなく拡散
ボックス84に入射するようになっている。
【0065】拡散ボックス84の内周面には、光の全反
射率及び拡散反射率が高く、かつほぼ均一の分光反射特
性及び分光拡散反射特性を持つ反射拡散面84Aが形成
されている。
【0066】反射拡散面84Aは、光の反射率及び拡散
反射率が高く、かつほぼ均一の分光反射特性及び分光拡
散反射特性を持つ材料を拡散ボックス84の内周面へコ
ーティングする、又は反射率及び拡散反射率が高く、か
つほぼ均一の分光反射特性及び分光拡散反射特性を持つ
材料を用いて拡散ボックス84の内周面を形成する等に
より形成されている。
【0067】拡散ボックス84は、LED光源82から
出射された光を上方へと案内し、透過拡散板86へ向け
て出射する。このとき、反射拡散面84Aによって不規
則な方向へ拡散反射させることによって、LED光源8
2からの光の光量ムラが低減(不均一な光量分布が是
正)されている。また、反射拡散面84Aでは、LED
光源82から出射されるR光、G光、B光の相対的な光
量バランス(所謂カラーバランス)は変化させずに光を
拡散反射させるので、入射光(LED光源82から出射
された光)の光量バランスをほぼ保ったまま出射する。
【0068】透過拡散板86は、拡散ボックス84の上
端部と接するように設けられ、拡散ボックス84の上端
部の開口を閉止している。拡散ボックス84から出射さ
れた光は、光量を損失することなく透過拡散板86に入
射する。
【0069】透過拡散板86は、例えば乳白色板、オパ
ールガラス、LSD(ライトシェービングディフュー
ザ)等により構成されており、光学的中心軸が光軸L1
と一致するように配置されている。
【0070】透過拡散板86は、拡散ボックス84から
出射された光を拡散透過することにより、不規則な方向
へ拡がる拡散光とすると共に、その光量分布をある程度
均一化して、導波管88方向へ光軸L1に沿った光を出
射する。
【0071】導波管88は、上端部、下端部が開口とさ
れた筒状に形成されており、下端から上端へ向かって長
さ方向及び幅方向の幅が狭くなって、上端開口が写真フ
ィルムFのコマ画像にほぼ対応する矩形となるような形
状とされている。導波管88は、その光学的中心軸が光
軸L1と一致し、かつ下端部が透過拡散板86により閉
止されるように配置されており、透過拡散板86を透過
した光は、光量を損失することなく導波管88に入射す
る。
【0072】導波管88の内周面には、光の反射率が高
い反射面88Aが形成されており、透過拡散板86を透
過して導波管88に入射した光を、フィルムキャリア9
0近傍まで案内し、読み取り対象とするコマ画像に対応
する光(照明光)として、フィルムキャリア90内の読
取位置Rへ支持された写真フィルムFへ向けて出射す
る。
【0073】フィルムキャリア90には、写真フィルム
Fの搬送路近傍の、後述するエリアCCD30で読み取
り可能な位置で、かつ読取位置Rに支持された写真フィ
ルムFの光軸L1方向位置と略同一の位置に所定画像
(以下、「チャート」という)が設けられており、該フ
ィルムキャリア90を使用した場合の合焦制御(オート
フォーカス制御)は、該チャートを被写体として用いて
行われる。
【0074】なお、本実施の形態に係るエリアCCDス
キャナ部14では、コマ画像の読み取りを行う際に、フ
ィルムキャリア90を用いて、比較的高速でかつ低精細
にコマ画像を読み取る予備読み取り(以下、「プレスキ
ャン」という)を行い、該プレスキャンにより得られた
画像データに基づいて、比較的低速でかつ高精細にコマ
画像を読み取る本読み取り(以下、「ファインスキャ
ン」という)を行う際の読み取り条件及びファインスキ
ャンにより得られる画像データに対する各種画像処理の
処理条件を決定し、決定された読み取り条件でファイン
スキャンを行うと共に、ファインスキャンによって得ら
れた画像データに対して上記決定された処理条件による
画像処理を行っている。
【0075】従って、フィルムキャリア90は、プレス
キャン時やファインスキャン時におけるこれからファイ
ンスキャンするコマ画像の濃度等に応じた複数の速度で
写真フィルムFを搬送可能なように構成されている。
【0076】フィルムキャリア90の上面及び下面に
は、光源部80からの光が通過するための読取位置Rに
セットされたコマ画像に対応する開口が設けられてい
る。光源部80(詳しくは拡散ボックス84)から出射
された光は、フィルムキャリア90の下面に設けられた
開口を通して写真フィルムFへ照射され、読取位置Rに
支持されたコマ画像の濃度に応じた光量の光が透過す
る。この写真フィルムFを透過した光は、フィルムキャ
リア90の上面に設けられた開口を通って出射する。
【0077】写真フィルムFを挟んで光源部80と反対
側には、光軸L1に沿って、コマ画像を透過した光を結
像させるレンズユニット92、エリアCCD30が順に
配置されている。なお、レンズユニット92として単一
のレンズのみを示しているが、レンズユニット92は、
実際には複数枚のレンズから構成されたズームレンズで
ある。また、レンズユニット92として、セルフォック
レンズを用いてもよい。この場合、セルフォックレンズ
の両端面をそれぞれ、可能な限り写真フィルムF及びエ
リアCCD30に接近させることが好ましい。
【0078】レンズユニット92は、縮小・拡大等の変
倍のためにフィルムキャリア90と接近離間する方向A
にスライド移動可能に支持されている。また、レンズユ
ニット92とエリアCCD30とにより構成される読取
部94は、上記変倍や合焦制御時に共役長を確保するた
めにフィルムキャリア90と接近離間する方向Bにスラ
イド移動可能に支持されている。
【0079】エリアCCD30には、光入射側に、複数
のCCDセルが2次元に配列され、かつ電子シャッタ機
構が設けられたセンシング部が設けられている。また、
図示は省略するが、エリアCCD30とレンズユニット
92との間にはシャッタが設けられている。
【0080】エリアCCD30は、フィルムキャリア9
0の読取位置Rに位置決めされたコマ画像の濃度情報を
検出し、画像信号として増幅器122を介してA/D変
換器120(図1参照)へ出力する。A/D変換器12
0は、エリアCCD30からの画像信号をデジタル変換
する。エリアCCDスキャナ部14は、このデジタル信
号に対して傷消し処理を施した後に画像データとして画
像処理部16へ送信する。
【0081】次に、図5を参照して、エリアCCDスキ
ャナ部14の電気系の概略構成について説明する。同図
に示すように、本実施の形態に係るエリアCCDスキャ
ナ部14には、該エリアCCDスキャナ部14全体の動
作を司る制御部110が備えられている。
【0082】制御部110には、CPU(中央処理装
置)112、CPU112によって実行される各種プロ
グラムや各種パラメータ等を記憶したROM114、C
PU112によって各種プログラムが実行される際のワ
ークエリア等として用いられるRAM116、及び制御
部110と外部との間の各種信号の入出力を行うI/O
ポート118が備えられており、CPU112、ROM
114、RAM116及びI/Oポート118はバスに
よって相互に接続されている。
【0083】一方、I/Oポート118には、A/D変
換器120、増幅器122を順に介してエリアCCD3
0が接続されている。エリアCCD30から出力された
アナログ信号である画像信号は増幅器122によって増
幅され、A/D変換器120によってディジタルデータ
に変換された後にI/Oポート118を介してCPU1
12に入力される。
【0084】また、I/Oポート118にはLED駆動
部124を介してLED光源82に備えられた多数のL
ED素子102に接続されており、CPU112はLE
D素子102のLED駆動部124による駆動を制御す
ることができる。
【0085】更に、I/Oポート118にはモータドラ
イバ126を介して、読取部94(即ち、エリアCCD
30及びレンズユニット92)の位置を検出する読取部
位置センサ128、読取部94を図3矢印B方向に沿っ
てスライド移動させる読取部駆動モータ130、レンズ
ユニット92の位置を検出するレンズ位置センサ132
及びレンズユニット92を図3矢印A方向に沿ってスラ
イド移動させるレンズ駆動モータ134が接続されてい
る。
【0086】CPU112は、読み取り対象とするコマ
画像のサイズやトリミングを行うか否か等に応じて光学
倍率を決定し、コマ画像が前記決定した光学倍率でエリ
アCCD30によって読み取られるように、読取部位置
センサ128によって検出される読取部94の位置に基
づき読取部駆動モータ130によって読取部94をスラ
イド移動させると共に、レンズ位置センサ132によっ
て検出されるレンズユニット92の位置に基づきレンズ
駆動モータ134によってレンズユニット92をスライ
ド移動させる。
【0087】なお、エリアCCD30の受光面をレンズ
ユニット92によるコマ画像の結像位置に一致させる合
焦制御を行う場合、CPU112は、読取部駆動モータ
130により読取部94のみをスライド移動させる。
【0088】すなわち、本実施の形態のエリアCCDス
キャナ部14における結像関係は、エリアCCD30、
レンズユニット92、及び光軸L1上に位置された写真
フィルムFの各々の光軸L1方向の相対的な位置で決定
されるが、本実施の形態では上述したように、光学倍率
を設定する場合には読取部駆動モータ130によって読
取部94をスライド移動させると共にレンズ駆動モータ
134によってレンズユニット92をスライド移動させ
ており、このようにして光学倍率が設定された状態で上
記結像関係を保つために、エリアCCD30とレンズユ
ニット92との間の距離を固定したまま、レンズユニッ
ト92と写真フィルムFとの間の距離を変化させること
によって合焦制御を行っている。
【0089】このように合焦制御を行うことによって、
写真フィルムFに記録されたコマ画像を連続して複数読
み取る場合の各コマ画像に対する光学倍率の変動を抑制
することができる。
【0090】本実施の形態では、この合焦制御をTTL
(Through The Lens)方式により、エリアCCD30に
よって読み取られた画像のコントラストが最大となるよ
うに行う。
【0091】一方、I/Oポート118にはフィルムキ
ャリア90及び画像処理部16が接続されており、CP
U112によってフィルムキャリア90の駆動が制御さ
れると共に、CPU112によって傷消し処理等の各種
処理が施された画像データが画像処理部16に出力され
る。
【0092】エリアCCDスキャナ部14が本発明の画
像読取装置に、エリアCCD30が本発明の画像センサ
に、光源部80が本発明の照明手段に、レンズユニット
92が本発明の結像手段に、制御部110が本発明の制
御手段に、読取部駆動モータ130及びレンズ駆動モー
タ134が本発明の移動手段に、写真フィルムFが本発
明の原稿に、各々相当する。
【0093】(作用)次に、上記のように構成されたデ
ィジタルラボシステム10の作用について説明する。本
実施の形態に係るディジタルラボシステム10のエリア
CCDスキャナ部14では、電源投入時(即ち、エリア
CCDスキャナ部14の立ち上げ時)に、制御部110
によって合焦位置検出処理が実行される。そこで、ま
ず、図6を参照して、制御部110において実行される
合焦位置検出処理について説明する。なお、図6は制御
部110によって合焦位置検出処理を行う際にCPU1
12により実行される合焦位置検出処理プログラムの流
れを示すフローチャートであり、該プログラムは予めR
OM114に記憶されている。
【0094】まず、ステップ200ではフィルムキャリ
ア90のエリアCCDスキャナ部14の所定位置への装
填待ちを行い、次のステップ202ではLED光源82
に設けられているLED素子102のうち、G色に発光
するLED素子102Gのみが発光されるようにLED
駆動部124を制御する。
【0095】次のステップ204では合焦位置サーチ処
理を行う。次に、図7を参照して、合焦位置サーチ処理
について説明する。
【0096】ステップ250ではレンズユニット92に
よる光学倍率が所定の光学倍率(本実施の形態では1.
0倍)となるように読取部駆動モータ130及びレンズ
駆動モータ134によって読取部94及びレンズユニッ
ト92をスライド移動させる。
【0097】次のステップ252では読取部駆動モータ
130によって読取部94の位置を、フィルムキャリア
90に設けられた図示しないチャートの合焦位置の検索
領域(サーチエリア)におけるサーチ開始位置にスライ
ド移動させる。なお、上記チャートの合焦位置のサーチ
エリアは、各種光学倍率毎に予め実験等によって求めて
ROM114に記憶しておく。CPU112は、ROM
114から現在の光学倍率(=1.0倍)におけるサー
チエリアを読み出して、例えば該サーチエリアのうちで
最も焦点距離が短くなるように読取部94をスライド移
動させることにより読取部94をサーチ開始位置へ移動
させる。この場合、サーチ終了位置は、上記サーチエリ
アのうちで最も焦点距離が長くなる位置となる。
【0098】次のステップ254では読取部駆動モータ
130による読取部94のサーチ終了位置に向けた所定
速度のスライド移動を開始させることによりサーチ動作
を開始し、次のステップ256では所定時間の経過待ち
を行う。なお、この所定時間は、サーチ開始位置からサ
ーチ終了位置に至るまでの読取部94の上記所定速度に
よるスライド移動期間を複数(本実施の形態では6)に
分割した時間とされている。
【0099】所定時間が経過するとステップ256の判
定が肯定されてステップ258へ移行し、この時点でエ
リアCCD30により読み取られた上記チャートの画像
コントラスト値を算出してRAM116の所定領域に記
憶する。なお、本実施の形態における画像コントラスト
値は、読み取った画像における所定の空間周波数領域の
MTF(Modulation Transfer Function)の積分値とし
ている。
【0100】次のステップ260では読取部位置センサ
128による読取部94の位置情報に基づいて、読取部
94がサーチ終了位置に到達したか否かを判定し、到達
していない場合はステップ256へ戻り、到達するまで
ステップ256〜260の処理を繰り返して行う。この
繰り返し処理によって、上記サーチエリアにおける複数
箇所(本実施の形態では6箇所)の画像コントラスト値
が算出されてRAM116に記憶される。
【0101】読取部94がサーチ終了位置に到達すると
ステップ260の判定が肯定されてステップ262へ移
行し、読取部94のスライド移動を停止させることによ
ってサーチ動作を終了し、本合焦位置サーチ処理を終了
する。
【0102】本合焦位置サーチ処理のステップ256〜
260の繰り返し処理によって、図8に示すように、サ
ーチ開始位置からサーチ終了位置の間の6箇所の位置に
おける画像コントラスト値が得られることになる。
【0103】合焦位置サーチ処理を終了すると図6のス
テップ206へ移行し、上記合焦位置サーチ処理によっ
てRAM116に画像コントラスト値が記憶されたサー
チエリア内の6箇所の位置のうち、画像コントラスト値
が最も大きい位置をG光による画像読み取り時の合焦位
置(図8も参照)として決定する。なお、この合焦位置
は、読取部駆動モータ130がパルスモータである場合
は、読取部94の機械的な原点(以下、「原点H.
P.」という)からの移動に対する読取部駆動モータ1
30の駆動パルス数(以下、「合焦パルス数」という)
で表わすことができる。以下の説明では、合焦位置等の
読取部94の各種位置を駆動パルス数で表わした場合に
ついて説明する。
【0104】次のステップ208では上記G光の合焦位
置を示す値に所定のオフセット値を加算した後に可視光
による画像読み取り時の平均的な合焦位置としてRAM
116の所定領域に記憶する。なお、上記オフセット値
は、上記G光の合焦位置を示す値に加算されることによ
って、3つの可視光(R光、G光、B光)の各色毎に画
像読み取りを行う際の合焦位置の平均的な位置を示すも
のとすることができる値として実験により予め得て、R
OM114に記憶してあるものである。従って、本ステ
ップ208でRAM116に記憶された合焦位置は、上
記3つの可視光による画像読み取り時の合焦位置として
共通に適用することができる。
【0105】次のステップ210ではLED素子102
Gが消灯されるようにLED駆動部124を制御し、次
のステップ212では赤外光を射出するLED素子10
2IRのみが発光されるようにLED駆動部124を制
御し、更に次のステップ214では図7に示した合焦位
置サーチ処理を再び行う。ここでの合焦位置サーチ処理
では、上述した処理に従って光学倍率が1.0であり、
かつ上記図示しないチャートの画像を担持する光として
赤外光を用いた場合の、上記チャートに対するサーチ開
始位置からサーチ終了位置の間の6箇所の位置(図8も
参照)における画像コントラスト値が得られることにな
る。
【0106】赤外光を用いた場合の合焦位置サーチ処理
を終了するとステップ216へ移行し、上記合焦位置サ
ーチ処理によってRAM116に画像コントラスト値が
記憶されたサーチエリア内の6箇所の位置のうち、画像
コントラスト値が最も大きい位置を赤外光による画像読
み取り時の合焦位置として決定してRAM116の所定
領域に記憶し、次のステップ218でLED素子102
IRが消灯されるようにLED駆動部124を制御した
後に本合焦位置検出処理を終了する。
【0107】この合焦位置検出処理によって、各可視光
による画像読み取り時に共通に適用することができる合
焦位置及び赤外光による画像読み取り時に適用すること
ができる合焦位置が得られて、RAM116の所定領域
に記憶される。なお、本合焦位置検出処理において可視
光の合焦位置を決定する際にG色に発光するLED素子
102Gを用いたのは、視感度特性のピークがGの波長
領域に位置するためである。
【0108】次に、エリアCCDスキャナ部14の画像
読取処理について、図9のフローチャートを参照して説
明する。なお、図9はエリアCCDスキャナ部14によ
って画像読取処理を行う際に制御部110のCPU11
2により実行される画像読取処理プログラムの流れを示
すフローチャートであり、該プログラムは予めROM1
14に記憶されている。また、エリアCCDスキャナ部
14は、写真フィルム読み取り時のモードとして、「プ
レスキャンモード」、及び「ファインスキャンモード」
の各モードが予め定められていると共に、各モードにお
けるエリアCCDスキャナ部14の各部の状態も予め定
められている。更に、本実施の形態では、読み取り対象
とする写真フィルムFが1本の135サイズのネガフィ
ルムである場合について説明する。
【0109】図9のステップ300では「プレスキャン
モード」に移行し、写真フィルムFに対するプレスキャ
ンが所定の読み取り条件で行われるように、「プレスキ
ャンモード」として予め定められている各部の状態に従
って各部の作動を制御する。
【0110】すなわち、レンズユニット92による光学
倍率が1.0倍となるように読取部駆動モータ130、
レンズ駆動モータ134によって読取部94及びレンズ
ユニット92をスライド移動させる。また、エリアCC
D30の電子シャッタの作動時間(エリアCCD30に
よる読取周期(電荷蓄積時間))として最短値であるt
を設定する。従って、写真フィルムFに対するプレスキ
ャンは比較的粗い解像度で高速に行われ、短時間で処理
が完了する。
【0111】次のステップ302では前述した合焦位置
検出処理のステップ208においてRAM116の所定
領域に記憶しておいた可視光による画像読み取り時の平
均的な合焦位置を読み出し、該合焦位置が示す位置に読
取部94が位置するように、読取部位置センサ128に
よって検出される読取部94の位置に基づき読取部駆動
モータ130によって読取部94をスライド移動させ
る。これによって、3つの可視光(R光、G光、B光)
に共通の合焦位置に読取部94が位置されることにな
る。
【0112】次のステップ304ではフィルムキャリア
90に対し、所定方向(図3の矢印Sで示される方向)
への写真フィルムFの搬送を指示することによって写真
フィルムFの搬送を開始し、次のステップ306では写
真フィルムFのコマ画像の読取位置Rへの到達待ちを行
い、次のステップ308ではフィルムキャリア90に対
して写真フィルムFの搬送停止を指示することによって
写真フィルムFの搬送を停止する。
【0113】次のステップ310では読取位置Rに位置
されたコマ画像の3つの可視光によるプレスキャンを行
う。
【0114】具体的には、LED光源82に備えられて
いるLED素子102のうち、R色に発光するLED素
子102Rのみを発光させた状態でRの画像データを取
得し、次にG色に発光するLED素子102Gのみを発
光させた状態でGの画像データを取得した後、B色に発
光するLED素子102Bのみを発光させた状態でBの
画像データを取得する。これにより、上記ステップ30
0で設定したプレスキャンモードの読み取り条件で当該
コマ画像のプレスキャンが行われることになる。
【0115】次のステップ312では上記ステップ31
0のプレスキャンによって得た画像データをプレスキャ
ン画像データとして画像処理部16に出力し、次のステ
ップ314では全てのコマ画像について上記ステップ3
04〜ステップ312による画像読み取り(プレスキャ
ン)が終了したか否かを判定し、終了していない場合
(否定判定の場合)は上記ステップ304へ戻り、終了
した時点(肯定判定となった時点)でステップ316ヘ
移行する。このプレスキャンの間、画像処理部16で
は、エリアCCDスキャナ部14から入力されるプレス
キャン画像データを図示しない記憶部に順次記憶する。
【0116】ステップ316ではプレスキャン時に画像
処理部16によって上記図示しない記憶部に記憶された
プレスキャン画像データからコマ画像の所定の画像特徴
量を演算する。
【0117】また、ステップ316では、演算した画像
特徴量に基づいて、コマ画像の濃度種別及びファインス
キャン画像データに対する画像処理の処理条件を演算に
より設定する。
【0118】なお、上記コマ画像の濃度種別は、例えば
平均濃度、最大濃度、最小濃度等を予め定められた所定
値と比較することで、低濃度/通常濃度/高濃度/超高
濃度等に分類することができる。また、画像処理の処理
条件としては、ハイパートーンやハイパーシャープネス
等の画像処理の処理条件(具体的には、画像の超低周波
輝度成分に対する階調の圧縮度、画像の高周波成分や中
周波成分に対するゲイン(強調度))等が演算される。
【0119】上記のようにして全てのコマ画像につい
て、濃度種別及び画像処理の処理条件の設定が終了する
と、次のステップ318では写真フィルムFの搬送方向
の逆転をフィルムキャリア90に指示し、次のステップ
320ではフィルムキャリア90に対して写真フィルム
Fの搬送を指示する。これによって、写真フィルムFの
図3矢印Sで示される方向の逆方向への移動が開始され
る。
【0120】次のステップ322では写真フィルムFの
コマ画像の読取位置Rへの到達待ちを行い、次のステッ
プ324ではフィルムキャリア90に対して写真フィル
ムFの搬送停止を指示することによって写真フィルムF
の搬送を停止する。
【0121】次のステップ326ではRAM116の所
定領域に記憶しておいた可視光による画像読み取り時の
平均的な合焦位置を読み出し、該合焦位置が示す位置に
読取部94が位置するように、読取部位置センサ128
によって検出される読取部94の位置に基づき読取部駆
動モータ130によって読取部94をスライド移動させ
る。これによって、3つの可視光(R光、G光、B光)
に共通の合焦位置に読取部94が位置されることにな
る。
【0122】次のステップ328では読取位置Rに位置
されたコマ画像の3つの可視光によるファインスキャン
を行う。
【0123】具体的には、まず、コマ画像の濃度種別に
適した読み取り条件でコマ画像に対するファインスキャ
ンが行われるように、エリアCCDスキャナ部14の各
部の作動を制御する。すなわち、まず、当該コマ画像の
濃度種別に応じたファインスキャンモードの設定を行
い、次に、読取位置Rに位置するコマ画像のエリアCC
D30による読み取りを行う。本実施の形態では、LE
D光源82に備えられているLED素子102のうち、
R色に発光するLED素子102Rのみを発光させた状
態でRの画像データを取得し、次にG色に発光するLE
D素子102Gのみを発光させた状態でGの画像データ
を取得した後、B色に発光するLED素子102Bのみ
を発光させた状態でBの画像データを取得する。これに
より、コマ画像の濃度種別毎に最適な読み取り条件で当
該コマ画像のファインスキャンが行われることになる。
【0124】次のステップ330では前述した合焦位置
検出処理のステップ216においてRAM116の所定
領域に記憶しておいた赤外光による画像読み取り時の合
焦位置を読み出し、該合焦位置が示す位置に読取部94
が位置するように、読取部位置センサ128によって検
出される読取部94の位置に基づき読取部駆動モータ1
30によって読取部94をスライド移動させる。これに
よって、赤外光による画像読み取り時に好適な合焦位置
に読取部94が位置されることになる。
【0125】次のステップ332では読取位置Rに位置
されたコマ画像の赤外光によるファインスキャンを行
う。この場合は、LED光源82に備えらているLED
素子102のうち、赤外光を射出するLED素子102
IRのみを発光させた状態で画像データを取得する。
【0126】次のステップ334では上記ステップ33
2で取得した赤外光による画像データに対して倍率色収
差補正及び歪曲収差補正を施す。
【0127】本実施の形態における倍率色収差補正は、
コマ画像上の各位置において、レンズユニット92の倍
率色収差に起因する基準色(例えばG)に対する非基準
色(例えばR、B)の色ずれの方向及び色ずれ量を表す
倍率色収差補正データを予め測定・記憶しておき、処理
対象の画像データに対し、予め記憶しておいた倍率色収
差補正データに基づいて倍率色収差がない場合の各画素
のデータが表す各画素の位置を非基準色毎に判断し、本
来の位置(基準色の画素の位置と同一の位置)における
非基準色の濃度値を補間演算によって求めることにより
成される。
【0128】また、本実施の形態における歪曲収差補正
は、コマ画像を構成する各画素の本来の位置を基準とし
たときの、レンズユニット92の歪曲収差に起因する各
画素の位置の移動方向及び移動量を表す歪曲収差補正デ
ータを予め測定・記憶しておき、処理対象の画像データ
に対し、予め記憶しておいた歪曲収差補正データに基づ
いて歪曲収差がない場合の各画素のデータが表す各画素
の位置を判断し、本来の位置における濃度値を補間演算
によって求めることにより成される。
【0129】次のステップ336では上記ステップ33
4による収差補正後の赤外光による画像データに基づい
て上記ステップ328で得られた可視光による画像デー
タに対する傷消し処理が行われる。本実施の形態におけ
る傷消し処理は、赤外光によって得られた収差補正後の
画像データに基づいて、引掻き傷等の傷や、指紋、塵埃
等の異物の付着されている位置を検出し、検出された位
置に対応する可視光による画像データ内の画素の濃度値
を周辺画素の濃度値による補間演算によって求めること
により成される。
【0130】次のステップ338では上記ステップ33
6によって傷消し処理が施された画像データをファイン
スキャン画像データとして画像処理部16に出力する。
【0131】なお、エリアCCDスキャナ部14から画
像処理部16に出力されたファインスキャン画像データ
は、先に記憶された処理条件で画像処理部16において
画像処理が行われ、レーザプリンタ部18へ出力されて
プリントされる。
【0132】次のステップ340では、全てのコマ画像
について上記ステップ320〜ステップ338による画
像読み取り(ファインスキャン)が終了したか否かを判
定し、終了していない場合(否定判定の場合)は上記ス
テップ320へ戻り、終了した時点(肯定判定となった
時点)で本画像読取処理を終了する。
【0133】以上詳細に説明したように、本第1実施形
態に係る画像読取装置としてのエリアCCDスキャナ部
では、可視光による画像の読み取り時と赤外光による画
像の読み取り時との各々において合焦制御が行われるよ
うに制御しているので、従来から画像読取装置に備えら
れているレンズユニット等の制御のみによって可視光に
よる画像読み取りにより得られる画像データと赤外光に
よる画像読み取りにより得られる画像データの双方につ
いて鮮鋭な画像を得ることができ、低コストかつ小スペ
ースに構成することができると共に、簡易な制御で高品
質な画像読み取りを行うことができる。
【0134】また、本第1実施形態に係るエリアCCD
スキャナ部では、赤外光による画像の読み取りによって
得られた画像データに基づいて写真フィルム上の傷又は
異物の位置を検出し、該検出結果に基づいて可視光によ
る画像の読み取りによって得られた画像データを補正
(傷消し処理)しているので、写真フィルム上の傷又は
異物の画像が除去された高品質な画像データを得ること
ができる。
【0135】また、本第1実施形態に係るエリアCCD
スキャナ部では、傷消し処理に先立って、赤外光による
画像の読み取りによって得られた画像データに対して倍
率色収差補正及び歪曲収差補正の双方を行っているの
で、レンズユニットの光学性能の良否にかかわらず、写
真フィルム上の傷又は異物の正確な位置を検出すること
ができ、この結果として高品質な画像データを得ること
ができる。
【0136】また、本第1実施形態に係るエリアCCD
スキャナ部では、可視光及び赤外光の各々を用いた場合
の合焦制御が行われるように制御することによって可視
光による画像読み取り時の合焦位置と赤外光による画像
読み取り時の合焦位置とを予め取得しておき、写真フィ
ルムに記録された画像を読み取る際には予め取得してお
いた合焦位置に基づく位置に読取部が移動するように制
御しているので、画像の読み取り毎に合焦制御を行う場
合に比較して制御を簡易化することができる。
【0137】〔第2実施形態〕上記第1実施形態では、
赤外光による画像読み取り時の合焦位置を予め得てお
き、赤外光による画像読み取り時に読取部94を上記合
焦位置に位置させる場合の一形態について説明したが、
本第2実施形態では、赤外光による画像読み取り時の合
焦位置を予め得ることなく、赤外光による画像読み取り
時に読取部94を上記合焦位置に位置させる場合の一形
態について説明する。なお、本第2実施形態に係るディ
ジタルラボシステムの構成は、上記第1実施形態に係る
ディジタルラボシステム10と同様であるので、ここで
の説明は省略する。
【0138】まず、図10を参照して、第2実施形態に
係る制御部110において実行される合焦位置検出処理
について説明する。なお、図10における図6と同様の
処理を行うステップについては図6と同一のステップ番
号を付する。
【0139】同図に示すように、本第2実施形態におけ
る合焦位置検出処理は、上記第1実施形態に比較して、
ステップ212以降の処理、すなわち、赤外光による画
像読み取り時の合焦位置の取得を行わない点のみが相違
している。従って、本第2実施形態における合焦位置検
出処理では、可視光による画像読み取り時の合焦位置の
みが取得される。
【0140】次に、第2実施形態に係るエリアCCDス
キャナ部14の画像読取処理について、図11のフロー
チャートを参照して説明する。なお、図11における図
9と同様の処理を行うステップについては図9と同一の
ステップ番号を付して、ここでの説明を省略する。
【0141】同図に示すように、本第2実施形態におけ
る画像読取処理は、上記第1実施形態に比較して、ステ
ップ330の処理が、読取部駆動モータ130によって
読取部94を所定のずらし量だけ所定方向にスライド移
動することにより赤外光用の合焦位置に設定するステッ
プ330’とされている点のみが相違している。なお、
本第2実施形態における上記所定のずらし量は、可視光
による画像読み取り時の合焦位置に位置している読取部
94を当該所定のずらし量だけ上記所定方向にスライド
移動することにより、読取部94を赤外光による画像読
み取り時の合焦位置に位置させることができる値とし
て、レンズユニット92の設計値に基づいて得られる値
を適用している。
【0142】以上詳細に説明したように、本第2実施形
態に係る画像読取装置としてのエリアCCDスキャナ部
では、上記第1実施形態と同様の効果を奏することがで
きると共に、可視光を用いた場合の合焦制御が行われる
ように制御することによって可視光による画像読み取り
時の合焦位置を予め取得しておき、可視光によって画像
を読み取る際には予め取得しておいた合焦位置に基づく
位置に読取部が移動するように制御し、赤外光によって
画像を読み取る際には予め取得しておいた合焦位置に基
づく位置に対してレンズユニットの設計値に基づく所定
のずらし量だけずらした位置に読取部が移動するように
制御しているので、画像の読み取り毎に合焦制御を行う
場合に比較して制御を簡易化することができると共に、
可視光及び赤外光の双方について合焦制御を予め行う場
合に比較して制御を簡易化することができる。
【0143】〔第3実施形態〕本第3実施形態では、傷
消し処理の実行に先立って、赤外光による画像の読み取
りによって得られた画像データと、可視光による画像の
読み取りによって得られた画像データとの間の画像の位
置ずれ量を検出し、赤外光による画像の読み取りによっ
て得られた画像データ又は可視光による画像の読み取り
によって得られた画像データを上記位置ずれ量に基づい
て当該位置ずれ量が最小になるように補正する場合の形
態例について説明する。なお、本第3実施形態に係るデ
ィジタルラボシステムの構成は、上記第1実施形態に係
るディジタルラボシステム10と同様であるので、ここ
での説明は省略する。
【0144】以下、本第3実施形態に係るディジタルラ
ボシステム10の作用について説明する。本第3実施形
態に係るディジタルラボシステム10では、前述の第1
実施形態と同様に合焦位置検出処理(図6参照)が実行
される。
【0145】次に、第3実施形態に係るエリアCCDス
キャナ部14の画像読取処理について、図12のフロー
チャートを参照して説明する。なお、図12における図
9と同様の処理を行うステップについては図9と同一の
ステップ番号を付して、ここでの説明を省略する。
【0146】同図に示すように、本第3実施形態におけ
る画像読取処理は、上記第1実施形態に比較して、ステ
ップ334による収差補正処理とステップ336による
傷消し処理との間に、ステップ335として画像位置ず
れ補正処理が実行される点のみが相違している。
【0147】以下、図13を参照して、本実施の形態に
係る画像位置ずれ補正処理について説明する。なお、図
13はエリアCCDスキャナ部14によって画像位置ず
れ補正処理を行う際に制御部110のCPU112によ
り実行される画像位置ずれ補正処理プログラムの流れを
示すフローチャートであり、該プログラムは予めROM
114に記憶されている。
【0148】同図のステップ400では上記ステップ3
34による収差補正後の赤外光による画像データに基づ
いて、引掻き傷等の傷や、指紋、塵埃等の異物の付着さ
れている所定サイズの領域(以下、「傷領域」とい
う。)を1領域分だけ検出し、次のステップ402では
検出した傷領域に対応する画像データ(以下、「傷領域
画像データ」という。)を赤外光による画像データから
抽出する。
【0149】次のステップ404では、上記ステップ4
02において抽出された傷領域画像データをテンプレー
トとして、上記ステップ328によるファインスキャン
によって取得された何れかの可視光(本実施の形態では
G)の画像データに対するテンプレートマッチングを次
のように行う。
【0150】すなわち、上記テンプレートを上記Gの画
像データによって示される画像上で1画素ずつ動かしな
がらラスター走査し、その都度、上記テンプレートと上
記Gの画像データとの間の残差Rを次の(1)式によっ
て演算する。
【0151】
【数1】
【0152】但し、Mはテンプレートの行方向の画素数
を、Nはテンプレートの列方向の画素数を、I(i,
j)はGの画像データを、T(i,j)はテンプレート
を、各々表わす。
【0153】なお、以上のようなテンプレートマッチン
グは従来より広く行われている手法であるので、ここで
の詳細な説明は省略する。
【0154】次のステップ406では、以上のようなテ
ンプレートマッチングによって得られた複数の残差Rの
うち、最も小さな値となった残差Rに対応するラスター
走査位置に位置する、Gの画像データによって示される
画像の画像領域を、上記テンプレート(傷領域画像デー
タ)によって示される画像に対応する画像領域(傷領
域)であるものとして検出する。
【0155】以上の処理によって検出されたGの画像デ
ータによって示される画像の画像領域は、上記ステップ
402において赤外光による画像データから抽出された
傷領域画像データに含まれる傷や異物が同様の位置に位
置された画像領域である。
【0156】そこで、次のステップ408では、上記ス
テップ402において抽出された傷領域画像データの赤
外光による画像データ上の位置と、上記ステップ406
において検出された画像領域のGの画像データ上の位置
との差分(本発明の「位置ずれ量」に相当。)を算出
し、当該差分に基づき、赤外光による画像データを上記
差分が最小になるように補正し、その後に本画像位置ず
れ補正処理を終了する。
【0157】本画像位置ずれ補正処理によって、赤外光
による画像データによって示される画像と、可視光によ
る画像データによって示される画像との間の位置ずれを
補正することができる。
【0158】以上詳細に説明したように、本第3実施形
態に係る画像読取装置としてのエリアCCDスキャナ部
では、上記第1実施形態と同様の効果を奏することがで
きると共に、傷消し処理に先立って、赤外光による画像
の読み取りによって得られた画像データと、可視光によ
る画像の読み取りによって得られた画像データとの間の
画像の位置ずれ量を検出し、赤外光による画像の読み取
りによって得られた画像データを上記位置ずれ量に基づ
いて当該位置ずれ量が最小になるように補正しているの
で、赤外光による画像データに基づき検出された写真フ
ィルム上の傷又は異物の位置が、可視光による画像デー
タが示す画像上の位置と対応が取れるようになり、この
結果として可視光による画像データに対する傷消し処理
を的確に行うことができる。
【0159】また、本第3実施形態に係るエリアCCD
スキャナ部では、画像の読み取り毎に上記位置ずれ量を
検出して赤外光による画像の読み取りによって得られた
画像データを上記位置ずれ量に基づいて当該位置ずれ量
が最小になるように補正しているので、上記位置ずれ量
によって示される位置ずれに画像の読み取り毎にばらつ
きがある系においても可視光による画像データに対する
傷消し処理を高精度に行うことができる。
【0160】〔第4実施形態〕上記第3実施形態では、
可視光による画像の読み取りによって得られた画像デー
タと赤外光による画像の読み取りによって得られた画像
データとの間の画像の位置ずれ量を画像の読み取り毎に
検出して赤外光による画像の読み取りによって得られた
画像データを上記位置ずれ量に基づいて当該位置ずれ量
が最小になるように補正する場合の形態例について説明
したが、本第4実施形態では、上記位置ずれ量を予め検
出しておき画像の読み取り毎に赤外光による画像の読み
取りによって得られた画像データを上記位置ずれ量に基
づいて当該位置ずれ量が最小になるように補正する場合
の形態例について説明する。なお、本第4実施形態に係
るディジタルラボシステムの構成は、上記第1実施形態
に係るディジタルラボシステム10と同様であるので、
ここでの説明は省略する。
【0161】以下、本第4実施形態に係るディジタルラ
ボシステム10の作用について説明する。本第4実施形
態に係るディジタルラボシステム10では、電源投入時
に前述の第1実施形態と同様に合焦位置検出処理(図6
参照)が実行される。
【0162】本第4実施形態に係るディジタルラボシス
テム10では、合焦位置検出処理が終了すると画像位置
ずれ量検出処理が実行される。次に、当該画像位置ずれ
量検出処理について、図14のフローチャートを参照し
て説明する。なお、図14はエリアCCDスキャナ部1
4によって画像位置ずれ量検出処理を行う際に制御部1
10のCPU112により実行される画像位置ずれ量検
出処理プログラムの流れを示すフローチャートであり、
該プログラムは予めROM114に記憶されている。ま
た、ここでは、フィルムキャリア90のエリアCCDス
キャナ部14の所定位置への装填が為されており、かつ
所定の写真フィルムが、故意に傷が設けられたコマ画像
が読取位置Rに位置されている状態でフィルムキャリア
90にセットされていることを前提に説明する。
【0163】同図のステップ450では「プレスキャン
モード」に移行し、写真フィルムに対するプレスキャン
が所定の読み取り条件で行われるように、「プレスキャ
ンモード」として予め定められている各部の状態に従っ
て各部の作動を制御する。
【0164】すなわち、レンズユニット92による光学
倍率が1.0倍となるように読取部駆動モータ130、
レンズ駆動モータ134によって読取部94及びレンズ
ユニット92をスライド移動させる。また、エリアCC
D30の電子シャッタの作動時間として最短値であるt
を設定する。
【0165】次のステップ452では前述した合焦位置
検出処理のステップ208においてRAM116の所定
領域に記憶しておいた可視光による画像読み取り時の平
均的な合焦位置を読み出し、該合焦位置が示す位置に読
取部94が位置するように、読取部位置センサ128に
よって検出される読取部94の位置に基づき読取部駆動
モータ130によって読取部94をスライド移動させ
る。これによって、3つの可視光(R光、G光、B光)
に共通の合焦位置に読取部94が位置されることにな
る。
【0166】次のステップ454ではLED光源82に
設けられているLED素子102のうち、G色に発光す
るLED素子102Gのみが発光されるようにLED駆
動部124を制御し、次のステップ456では読取位置
Rに位置されたコマ画像の画像データを取得するプレス
キャンを行う。
【0167】次のステップ458ではLED素子102
Gが消灯されるようにLED駆動部124を制御し、次
のステップ460では前述した合焦位置検出処理のステ
ップ216においてRAM116の所定領域に記憶して
おいた赤外光による画像読み取り時の合焦位置を読み出
し、該合焦位置が示す位置に読取部94が位置するよう
に、読取部位置センサ128によって検出される読取部
94の位置に基づき読取部駆動モータ130によって読
取部94をスライド移動させる。これによって、赤外光
による画像読み取り時に好適な合焦位置に読取部94が
位置されることになる。
【0168】次のステップ462ではLED光源82に
設けられているLED素子102のうち、赤外光を射出
するLED素子102IRのみが発光されるようにLE
D駆動部124を制御し、次のステップ464では読取
位置Rに位置されたコマ画像の画像データを取得するプ
レスキャンを行い、次のステップ466ではLED素子
102IRが消灯されるようにLED駆動部124を制
御する。
【0169】次のステップ468では上記ステップ46
4で取得した赤外光による画像データに対して倍率色収
差補正及び歪曲収差補正を、前述の画像読取処理におけ
るステップ334の処理と同様に施す。
【0170】次のステップ470では上記ステップ46
8による収差補正後の赤外光による画像データに基づい
て、予め故意に設けられた傷が存在する所定サイズの傷
領域を検出し、次のステップ472では検出した傷領域
に対応する傷領域画像データを赤外光による画像データ
から抽出する。
【0171】次のステップ474では、上記ステップ4
72において抽出された傷領域画像データをテンプレー
トとして、上記ステップ456によるプレスキャンによ
って取得されたGの画像データに対するテンプレートマ
ッチングを前述の画像位置ずれ補正処理(図13も参
照)のステップ404と同様に行う。
【0172】次のステップ476では、以上のようなテ
ンプレートマッチングによって得られた複数の残差Rの
うち、最も小さな値となった残差Rに対応するラスター
走査位置に位置する、Gの画像データによって示される
画像の画像領域を、上記テンプレート(傷領域画像デー
タ)によって示される画像に対応する画像領域(傷領
域)であるものとして検出する。
【0173】以上の処理によって検出されたGの画像デ
ータによって示される画像の画像領域は、上記ステップ
472において赤外光による画像データから抽出された
傷領域画像データに含まれる傷が同様の位置に位置され
た画像領域である。
【0174】次のステップ478では上記ステップ47
2において抽出された傷領域画像データの赤外光による
画像データ上の位置と、上記ステップ476において検
出された画像領域のGの画像データ上の位置との差分
(本発明の「位置ずれ量」に相当。)を算出し、当該差
分を示すデータをRAM116の所定領域に記憶した後
に、本画像位置ずれ量検出処理を終了する。
【0175】次に、第4実施形態に係るエリアCCDス
キャナ部14の画像読取処理について、図15のフロー
チャートを参照して説明する。なお、図15における図
9と同様の処理を行うステップについては図9と同一の
ステップ番号を付して、ここでの説明を省略する。
【0176】同図に示すように、本第4実施形態におけ
る画像読取処理は、上記第1実施形態に比較して、ステ
ップ334による収差補正処理とステップ336による
傷消し処理との間に、ステップ335’として赤外光に
よる画像データに対する画像位置ずれ補正が実行される
点のみが相違している。
【0177】すなわち、本第4実施形態における画像読
取処理のステップ335’では前述の画像位置ずれ量検
出処理(図14も参照)のステップ478においてRA
M116の所定領域に記憶された差分を示すデータを読
み出し、当該データによって示される差分に基づき、赤
外光による画像データを上記差分が最小になるように補
正する。
【0178】以上詳細に説明したように、本第4実施形
態に係る画像読取装置としてのエリアCCDスキャナ部
では、上記第1実施形態と同様の効果を奏することがで
きると共に、傷消し処理に先立って、赤外光による画像
の読み取りによって得られた画像データと、可視光によ
る画像の読み取りによって得られた画像データとの間の
画像の位置ずれ量を検出し、赤外光による画像の読み取
りによって得られた画像データを上記位置ずれ量に基づ
いて当該位置ずれ量が最小になるように補正しているの
で、赤外光による画像データに基づき検出された写真フ
ィルム上の傷又は異物の位置が、可視光による画像デー
タが示す画像上の位置と対応が取れるようになり、この
結果として可視光による画像データに対する傷消し処理
を的確に行うことができる。
【0179】また、本第4実施形態に係るエリアCCD
スキャナ部では、上記位置ずれ量を予め検出しておき画
像の読み取り毎に赤外光による画像の読み取りによって
得られた画像データを上記位置ずれ量に基づいて当該位
置ずれ量が最小になるように補正しているので、画像の
読み取り毎に位置ずれ量を検出する場合に比較して処理
を高速化することができる。
【0180】なお、上記第3、第4実施形態では、図1
3のステップ408や図15のステップ335’に示さ
れるように、赤外光による画像データに対して画像位置
ずれ補正を行う場合について説明したが、本発明はこれ
に限定されるものではなく、可視光による画像データに
対して画像位置ずれ補正を行う形態とすることもでき
る。この場合は、R、G、Bの全ての画像データに対し
て画像位置ずれ補正を施すことになる。この場合も、上
記第3、第4実施形態と同様の効果を奏することができ
る。
【0181】また、上記第3、第4実施形態では、テン
プレートマッチングを行う際に、上記(1)式によりテ
ンプレートとG(可視光)の画像データとの間の残差R
を算出する場合について説明したが、本発明はこれに限
定されるものではなく、次の(2)式で示される相互相
関係数Cや、その他の、テンプレートとG(可視光)の
画像データとの間の距離を示す値を算出する形態とする
こともできる。
【0182】
【数2】
【0183】相互相関係数Cを算出する場合は、相互相
関係数Cの値が大きいほど画像間の相関が大きいので、
最も大きな値となった相互相関係数Cに対応するラスタ
ー走査位置に位置する、Gの画像データによって示され
る画像の画像領域を、上記テンプレート(傷領域画像デ
ータ)によって示される画像に対応する画像領域(傷領
域)であるものとして検出することになる。この場合
も、上記第3、第4実施形態と同様の効果を奏すること
ができる。
【0184】また、上記各実施形態では、本発明の結像
手段としてレンズユニット92を適用し、エリアCCD
30とレンズユニット92との間の距離を固定したま
ま、レンズユニット92と写真フィルムFとの間の距離
を変化させることによって合焦制御を行う場合について
説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、
図16に示すような各種形態を適用することができる。
【0185】すなわち、図16(A)に示す形態は、本
発明の結像手段として単焦点レンズ92Aを適用し、写
真フィルムFと単焦点レンズ92Aとの間の距離を固定
したまま、エリアCCD30を光軸方向(同図の矢印C
によって示される方向)に移動させることによって合焦
制御を行う形態である。
【0186】また、図16(B)に示す形態は、本発明
の結像手段としてズームレンズ92Bを適用し、ズーム
レンズ92Bの一部を当該ズームレンズ92Bの光軸方
向(同図の矢印Dによって示される方向)に移動させる
ことによって合焦制御を行う形態である。
【0187】更に、図16(C)に示す形態は、本発明
の結像手段として単焦点レンズ92A及び当該単焦点レ
ンズ92Aの光軸位置に挿抜することによって当該単焦
点レンズ92Aによる結像位置を変更できる透明平行板
72を適用すると共に、本発明の移動手段として、透明
平行板72の同図矢印E方向への移動により透明平行板
72を光軸位置に挿抜させることができる透明平行板駆
動モータ72Aを適用し、当該透明平行板駆動モータ7
2Aにより透明平行板72を光軸位置に挿抜させること
によって合焦制御を行う形態である。
【0188】これらの場合も、上記各実施形態と同様の
効果を奏することができる。
【0189】また、上記各実施形態では、合焦位置検出
処理において3つの可視光(R光、G光、B光)に共通
に適用可能な合焦位置を取得する場合について説明した
が、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、
3つの可視光の各々について合焦位置サーチ処理(図7
参照)を行うことによって各色毎に合焦位置を取得し、
画像読み取り時には各色毎に合焦位置を設定する形態と
することもできる。この場合は、上記各実施形態に比較
して合焦位置検出処理に時間がかかるものの、各色毎に
最適な合焦位置を設定することができるので、画像読取
処理によって得られる画像データを高品質なものとする
ことができる。
【0190】また、上記各実施形態では、傷消し処理
を、赤外光による画像データに基づいて得られた傷等の
位置に対応する画素の濃度値を周辺画素の濃度値による
補間演算によって求めることにより行う場合について説
明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例
えば、赤外光による画像データに基づいて得られた傷等
の位置に対応する画素の増幅器122による増幅率を他
の画素に比較して大きくすることにより行う(以下、
「ゲイン調整法」という)形態とすることもできる。こ
の場合は、処理対象とする画素の濃度値が僅かでも得ら
れている場合には該濃度値に応じた値が処理対象とする
画素の濃度値として得られるので、上記各実施形態にお
ける傷消し処理に比較して高品質な画像データを得るこ
とができる。すなわち、上記各実施形態による傷消し処
理では、周辺画素の濃度値による補間演算によって濃度
値を得ているため、解像度が低下して擬似輪郭が発生し
てしまう場合があるが、ゲイン調整法では擬似輪郭の発
生を抑制することができ、この結果として高品質な画像
データが得られる。
【0191】また、上記各実施形態では、エリアCCD
スキャナ部14の立ち上げ時に合焦位置検出処理を実行
する場合について説明したが、本発明はこれに限定され
るものではなく、例えば、フィルムキャリアを他のもの
と交換した際に実行する形態とすることもでき、読み取
り対象とする写真フィルムを交換した際に実行する形態
とすることもできる。この場合も、上記各実施形態と同
様の効果を奏することができる。
【0192】また、上記各実施形態では、収差補正とし
て倍率色収差補正及び歪曲収差補正の双方を実施する場
合について説明したが、本発明はこれに限定されるもの
ではなく、倍率色収差補正及び歪曲収差補正の何れか一
方のみを実施する形態とすることもできる。この場合
は、傷や異物の位置検出の精度は低下するものの、画像
読取処理の実行時間を短縮することができる。
【0193】また、上記各実施形態では、図17(A)
に示すように、本発明の照明手段として多数のLED素
子102を2次元配列して構成されたLED光源82を
備えた光源部80を適用すると共に、本発明の画像セン
サとしてエリアCCD30を適用した場合について説明
したが、本発明はこれに限定されるものではなく、図1
7(B)〜図17(C)に示す各種形態を適用する形態
とすることもできる。
【0194】すなわち、図17(B)に示す形態は、本
発明の照明手段としてハロゲンランプやメタルハライド
ランプ等の白色光源82’と、当該白色光源82’と写
真フィルムFとの間に設けられ、かつ白色光源82’か
ら射出された光を色分解してR、G、B、及びIRの各
色毎の光を射出することができる複数のフィルタを備え
たフィルタ部70と、を適用する形態である。なお、同
図では、円形に構成されたフィルタ部70を同図矢印H
方向に回転することによって、対応するフィルタの中心
が光軸L1に略一致するように位置させることにより、
R、G、B、及びIRの各色毎の光を射出するように構
成されている。
【0195】また、図17(C)に示す形態は、図17
(B)に示す形態におけるフィルタ部70をレンズユニ
ット92とエリアCCD30との間に位置させた形態で
ある。
【0196】更に、図17(D)に示す形態は、本発明
の照明手段としてハロゲンランプやメタルハライドラン
プ等の白色光源82’(又はLED光源82)を適用す
ると共に、本発明の画像センサとして入射光を色分解し
てR、G、B、及びIRの各色毎の光を射出することが
できるフィルタを内蔵したラインCCD(「リニアCC
D」とも呼ばれる。)30’を適用する形態である。
【0197】これらの場合も、上記各実施形態と同様の
効果を奏することができる。
【0198】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係
る画像読取装置及び画像読取方法によれば、可視光によ
る画像の読み取り時と赤外光による画像の読み取り時と
の各々において、結像手段による結像位置と画像センサ
の読み取り位置とを一致させる合焦制御が行われるよう
に制御しているので、従来から画像読取装置に備えられ
ている結像手段、移動手段等の制御のみによって可視光
による画像読み取りにより得られる画像データと赤外光
による画像読み取りにより得られる画像データの双方に
ついて鮮鋭な画像を得ることができ、低コストかつ小ス
ペースに構成することができると共に、簡易な制御で高
品質な画像読み取りを行うことができる、という効果が
得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るディジタルラボシス
テムの概略構成図である。
【図2】ディジタルラボシステムの外観図である。
【図3】エリアCCDスキャナ部の概略構成図である。
【図4】光源部の詳細構成を示す分解斜視図である。
【図5】エリアCCDスキャナ部の電気系の概略構成を
示すブロック図である。
【図6】第1実施形態に係る合焦位置検出処理の流れを
示すフローチャートである。
【図7】合焦位置検出処理の実行途中で実行される合焦
位置サーチ処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】合焦位置サーチ処理及び合焦位置検出処理の説
明に供するグラフである。
【図9】第1実施形態に係る画像読取処理の流れを示す
フローチャートである。
【図10】第2実施形態に係る合焦位置検出処理の流れ
を示すフローチャートである。
【図11】第2実施形態に係る画像読取処理の流れを示
すフローチャートである。
【図12】第3実施形態に係る画像読取処理の流れを示
すフローチャートである。
【図13】第3実施形態に係る画像位置ずれ補正処理の
流れを示すフローチャートである。
【図14】第4実施形態に係る画像位置ずれ量検出処理
の流れを示すフローチャートである。
【図15】第4実施形態に係る画像読取処理の流れを示
すフローチャートである。
【図16】本発明の結像手段や移動手段の他の形態例を
示す概略構成図である。
【図17】本発明の照明手段の各種形態例を示す概略構
成図である。
【符号の説明】 10 ディジタルラボシステム 14 エリアCCDスキャナ部(画像読取装置) 30 エリアCCD(画像センサ) 72 透明平行板(結像手段) 72A 透明平行板駆動モータ(移動手段) 80 光源部(照明手段) 82 LED光源 92 レンズユニット(結像手段) 92A 単焦点レンズ(結像手段) 92B ズームレンズ(結像手段) 110 制御部(制御手段) 130 読取部駆動モータ(移動手段) 134 レンズ駆動モータ(移動手段) F 写真フィルム(原稿)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04N 1/40 H04N 1/40 101Z 1/48 1/46 A 1/04 103E Fターム(参考) 5B047 AA05 AB04 BA02 BB04 BC05 BC14 BC23 DC02 DC06 5B057 BA02 BA19 CA01 CA08 CA12 CA16 CB01 CB08 CB12 CB16 CC01 CD12 CE16 DA08 DB02 DB06 DB09 DC22 DC25 5C072 AA01 BA01 CA05 DA02 DA23 EA05 EA08 FB18 QA12 QA17 RA11 UA01 UA18 VA03 WA04 5C077 LL02 MM03 MM20 MM27 MP08 PP32 PP39 PP52 SS01 5C079 HB01 JA04 JA23 JA27 LA20 LA24 NA25 PA08

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可視光及び赤外光を射出して原稿に照射
    する照明手段と、 前記原稿からの透過光又は反射光を結像させる結像手段
    と、 前記結像手段により結像された画像を複数画素に分解し
    て読み取って画像データとして出力する画像センサと、 前記結像手段の少なくとも一部、前記画像センサ、及び
    前記原稿の少なくとも1つを前記結像手段の光軸方向に
    移動させる移動手段と、 前記可視光による前記画像の読み取り時と前記赤外光に
    よる前記画像の読み取り時との各々において、前記結像
    手段による結像位置と前記画像センサの読み取り位置と
    を一致させる合焦制御が行われるように前記移動手段を
    制御する制御手段と、 を備えた画像読取装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、前記赤外光による画像
    の読み取りによって得られた画像データに基づいて前記
    原稿上の傷又は異物の位置を検出し、該検出結果に基づ
    いて前記可視光による画像の読み取りによって得られた
    画像データを補正することを特徴とする請求項1記載の
    画像読取装置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は、前記画像データの補正
    に先立って、前記赤外光による画像の読み取りによって
    得られた画像データに対して倍率色収差補正及び歪曲収
    差補正の少なくとも一方の収差補正を行うことを特徴と
    する請求項2記載の画像読取装置。
  4. 【請求項4】 前記制御手段は、前記画像データの補正
    に先立って、前記赤外光による画像の読み取りによって
    得られた画像データと、前記可視光による画像の読み取
    りによって得られた画像データとの間の画像の位置ずれ
    量を検出し、前記赤外光による画像の読み取りによって
    得られた画像データ又は前記可視光による画像の読み取
    りによって得られた画像データを前記位置ずれ量に基づ
    いて当該位置ずれ量が最小になるように補正することを
    特徴とする請求項2又は請求項3記載の画像読取装置。
  5. 【請求項5】 前記制御手段は、前記位置ずれ量を予め
    検出しておき画像の読み取り毎に前記赤外光による画像
    の読み取りによって得られた画像データ又は前記可視光
    による画像の読み取りによって得られた画像データを前
    記位置ずれ量に基づいて当該位置ずれ量が最小になるよ
    うに補正するか、又は、画像の読み取り毎に前記位置ず
    れ量を検出して前記赤外光による画像の読み取りによっ
    て得られた画像データ又は前記可視光による画像の読み
    取りによって得られた画像データを前記位置ずれ量に基
    づいて当該位置ずれ量が最小になるように補正すること
    を特徴とする請求項4記載の画像読取装置。
  6. 【請求項6】 前記制御手段は、前記可視光及び前記赤
    外光の各々を用いた場合の合焦制御が行われるように前
    記照明手段及び前記移動手段を制御することによって前
    記可視光による画像読み取り時の合焦位置と前記赤外光
    による画像読み取り時の合焦位置とを予め取得してお
    き、 前記原稿に記録された画像を読み取る際には前記予め取
    得しておいた合焦位置に基づく位置に前記結像手段の少
    なくとも一部、前記画像センサ、及び前記原稿の少なく
    とも1つが移動するように前記移動手段を制御すること
    を特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項記載の
    画像読取装置。
  7. 【請求項7】 前記制御手段は、前記可視光及び前記赤
    外光の一方の光を用いた場合の合焦制御が行われるよう
    に前記照明手段及び前記移動手段を制御することによっ
    て前記一方の光による画像読み取り時の合焦位置を予め
    取得しておき、 前記一方の光によって前記画像を読み取る際には前記予
    め取得しておいた合焦位置に基づく位置に前記結像手段
    の少なくとも一部、前記画像センサ、及び前記原稿の少
    なくとも1つが移動するように前記移動手段を制御し、
    前記可視光及び前記赤外光の他方の光によって前記画像
    を読み取る際には前記予め取得しておいた合焦位置に基
    づく位置に対して前記結像手段の設計値に基づく所定の
    ずらし量だけずらした位置に前記結像手段の少なくとも
    一部、前記画像センサ、及び前記原稿の少なくとも1つ
    が移動するように前記移動手段を制御することを特徴と
    する請求項1乃至請求項5の何れか1項記載の画像読取
    装置。
  8. 【請求項8】 前記結像手段の少なくとも一部を、前記
    結像手段が単焦点レンズを含んで構成された場合の当該
    単焦点レンズ自身、又は前記結像手段がズームレンズを
    含んで構成された場合の当該ズームレンズの少なくとも
    一部としたことを特徴とする請求項1乃至請求項7の何
    れか1項記載の画像読取装置。
  9. 【請求項9】 前記結像手段に、当該結像手段の光軸位
    置に挿抜することによって当該結像手段による結像位置
    を変更できる透明平行板を設け、 前記移動手段を、前記透明平行板を前記光軸位置に挿抜
    させるものとしたことを特徴とする請求項1乃至請求項
    7の何れか1項記載の画像読取装置。
  10. 【請求項10】 前記照明手段は、前記可視光及び前記
    赤外光を選択的に射出して前記原稿に照射するか、又は
    前記可視光及び前記赤外光を同時に射出して前記原稿に
    照射する請求項1乃至請求項9の何れか1項記載の画像
    読取装置。
  11. 【請求項11】 可視光及び赤外光を射出して原稿に照
    射する照明手段と、 光軸位置に挿抜することによって結像位置を変更できる
    透明平行板を有すると共に前記原稿からの透過光又は反
    射光を結像させる結像手段と、 前記結像手段により結像された画像を複数画素に分解し
    て読み取って画像データとして出力する画像センサと、 前記透明平行板を前記光軸位置に挿抜させる移動手段
    と、 前記可視光による前記画像の読み取り時と前記赤外光に
    よる前記画像の読み取り時との各々において、前記結像
    手段による結像位置と前記画像センサの読み取り位置と
    を一致させる合焦制御が行われるように前記移動手段を
    制御する制御手段と、 を備えた画像読取装置。
  12. 【請求項12】 可視光及び赤外光を原稿に照射して、
    前記原稿からの透過光又は反射光に基づいて原稿に記録
    された画像を読み取る画像読取方法であって、 可視光による前記画像の読み取り時と赤外光による前記
    画像の読み取り時との各々において、前記原稿からの透
    過光又は反射光を結像させる結像手段による結像位置
    と、前記結像手段により結像された画像を複数画素に分
    解して読み取って画像データとして出力する画像センサ
    の読み取り位置と、を一致させる合焦制御が行われるよ
    うに前記結像手段の少なくとも一部、前記画像センサ、
    及び前記原稿の少なくとも1つを前記結像手段の光軸方
    向に移動させるように制御する画像読取方法。
  13. 【請求項13】 前記赤外光による画像の読み取りによ
    って得られた画像データに基づいて前記原稿上の傷又は
    異物の位置を検出し、該検出結果に基づいて前記可視光
    による画像の読み取りによって得られた画像データを補
    正することを特徴とする請求項12記載の画像読取方
    法。
  14. 【請求項14】 前記画像データの補正に先立って、前
    記赤外光による画像の読み取りによって得られた画像デ
    ータに対して倍率色収差補正及び歪曲収差補正の少なく
    とも一方の収差補正を行うことを特徴とする請求項13
    記載の画像読取方法。
  15. 【請求項15】 前記画像データの補正に先立って、前
    記赤外光による画像の読み取りによって得られた画像デ
    ータと、前記可視光による画像の読み取りによって得ら
    れた画像データとの間の画像の位置ずれ量を検出し、前
    記赤外光による画像の読み取りによって得られた画像デ
    ータ又は前記可視光による画像の読み取りによって得ら
    れた画像データを前記位置ずれ量に基づいて当該位置ず
    れ量が最小になるように補正することを特徴とする請求
    項13又は請求項14記載の画像読取方法。
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