JP2002064065A - 化合物半導体膜の製造方法および太陽電池 - Google Patents
化合物半導体膜の製造方法および太陽電池Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 基板上に有機金属化合物の熱分解によって薄
膜を形成する化合物半導体膜の製造方法において、均一
な膜厚の薄膜を基板表面の必要な部分のみに高速で形成
する方法を提供する。 【解決手段】 基板を炭素繊維を主体とする成型体から
なる被覆治具上に固定して有機金属化合物の熱分解雰囲
気に導入することにより、化合物半導体膜を製造する。
さらに、この方法により得られた化合物半導体膜を透明
導電膜、n型半導体層あるいはp型半導体層として用い
て太陽電池を構成する。
膜を形成する化合物半導体膜の製造方法において、均一
な膜厚の薄膜を基板表面の必要な部分のみに高速で形成
する方法を提供する。 【解決手段】 基板を炭素繊維を主体とする成型体から
なる被覆治具上に固定して有機金属化合物の熱分解雰囲
気に導入することにより、化合物半導体膜を製造する。
さらに、この方法により得られた化合物半導体膜を透明
導電膜、n型半導体層あるいはp型半導体層として用い
て太陽電池を構成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化合物半導体膜の
製造方法、およびそれを用いた太陽電池に関するもので
ある。
製造方法、およびそれを用いた太陽電池に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】化合物半導体膜の形成方法として、ソー
ス材料である有機金属化合物の熱分解により生成した化
合物半導体を基板上に析出させる方法が提案されてい
る。この化合物半導体膜の形成方法には下記の方法があ
る。 1)ソース材料の溶液を霧化して微粒子化し、この溶液
微粒子を反応炉内に供給し、反応炉内の基板上で前記溶
液微粒子中のソース材料を熱分解させる方法。 2)加熱して気化させたソース材料を反応炉内に供給
し、反応炉内の基板上で前記ソース材料を熱分解させる
方法。 これらの場合には、図14に示すように、化合物半導体
膜7を形成する基板2をベルトコンベアなどの搬送機構
5の上に直接に乗せてヒータ10で加熱された反応炉6
内を搬送すると共に、気化されたソース材料あるいは溶
液微粒子を、ソース材料供給管9から反応炉6内に供給
し、基板2上に化合物半導体膜7を形成させる方法が一
般的であった。尚、図中11は排ガスを排出させる排気
口である。
ス材料である有機金属化合物の熱分解により生成した化
合物半導体を基板上に析出させる方法が提案されてい
る。この化合物半導体膜の形成方法には下記の方法があ
る。 1)ソース材料の溶液を霧化して微粒子化し、この溶液
微粒子を反応炉内に供給し、反応炉内の基板上で前記溶
液微粒子中のソース材料を熱分解させる方法。 2)加熱して気化させたソース材料を反応炉内に供給
し、反応炉内の基板上で前記ソース材料を熱分解させる
方法。 これらの場合には、図14に示すように、化合物半導体
膜7を形成する基板2をベルトコンベアなどの搬送機構
5の上に直接に乗せてヒータ10で加熱された反応炉6
内を搬送すると共に、気化されたソース材料あるいは溶
液微粒子を、ソース材料供給管9から反応炉6内に供給
し、基板2上に化合物半導体膜7を形成させる方法が一
般的であった。尚、図中11は排ガスを排出させる排気
口である。
【0003】基板2には、通常ガラス板が用いられ、搬
送中に化合物半導体膜7を形成するに必要な温度にまで
加熱されるので反りを生じる。これによって搬送機構5
と基板2との間に隙間が生じ、その隙間を通して溶液微
粒子や気化されたソース材料が基板2の裏面に回り込ん
で化合物半導体が析出し易い。このように化合物半導体
膜7を形成してはならない基板の裏面に膜が形成される
問題があった。
送中に化合物半導体膜7を形成するに必要な温度にまで
加熱されるので反りを生じる。これによって搬送機構5
と基板2との間に隙間が生じ、その隙間を通して溶液微
粒子や気化されたソース材料が基板2の裏面に回り込ん
で化合物半導体が析出し易い。このように化合物半導体
膜7を形成してはならない基板の裏面に膜が形成される
問題があった。
【0004】また、膜形成中に基板2の温度よりも低温
度の溶液微粒子が基板2に吹き付けられるので気化熱が
奪われ、さらにソース材料の熱分解反応による反応熱を
奪われるので、基板2の表面温度が低下し易い。このよ
うな温度低下により基板2の表裏に熱膨張差が生じ、基
板2に反りが発生する。このため基板上に均一な化合物
半導体膜7を形成することが困難であった。
度の溶液微粒子が基板2に吹き付けられるので気化熱が
奪われ、さらにソース材料の熱分解反応による反応熱を
奪われるので、基板2の表面温度が低下し易い。このよ
うな温度低下により基板2の表裏に熱膨張差が生じ、基
板2に反りが発生する。このため基板上に均一な化合物
半導体膜7を形成することが困難であった。
【0005】これらの問題を解決するため、図15に示
すように、ステンレス鋼、アルミニウムなどの金属もし
くはセラミックスなどからなる皿8の上に基板2を乗せ
て反応炉6内を搬送する方法が提案されている。しか
し、金属やセラミックスは熱伝導性は良いが、赤外線を
吸収しにくく、熱容量も大きいので、ソース材料の熱分
解に必要な温度にまで、皿8の温度を短時間に昇温させ
ることが困難であり、このため製膜速度が遅くなる問題
があった。また、上記の皿8は基板2に固定されていな
いので、膜形成時に反りが生じた基板2と皿8との間の
隙間を塞ぐことができなかった。さらに、皿8に用いる
金属板が薄い場合には変形しやすく、皿自体に歪が生じ
る問題もあった。
すように、ステンレス鋼、アルミニウムなどの金属もし
くはセラミックスなどからなる皿8の上に基板2を乗せ
て反応炉6内を搬送する方法が提案されている。しか
し、金属やセラミックスは熱伝導性は良いが、赤外線を
吸収しにくく、熱容量も大きいので、ソース材料の熱分
解に必要な温度にまで、皿8の温度を短時間に昇温させ
ることが困難であり、このため製膜速度が遅くなる問題
があった。また、上記の皿8は基板2に固定されていな
いので、膜形成時に反りが生じた基板2と皿8との間の
隙間を塞ぐことができなかった。さらに、皿8に用いる
金属板が薄い場合には変形しやすく、皿自体に歪が生じ
る問題もあった。
【0006】このような基板2の反りや基板2と皿8と
の間に隙間は、溶液微粒子や気化したソース材料の供給
の流れを乱したり、基板2への吹きつけ状態を不均一に
したりする。さらに、基板2の反りにより、反応炉6の
内底面に接触している部分と接触していない部分とに温
度差が生じて熱分解速度が不均一になり、均一な膜厚の
化合物半導体膜7を形成できない。また、ガラス製の基
板2と金属製の皿8とは熱膨張係数が大きく異なるの
で、反応炉6外で皿8に基板2を固定した状態を、反応
炉6内の高温下でそのまま維持できない。そのため、溶
液微粒子や気化したソース材料が基板2の裏面に回り込
み、不必要な部分に膜が形成されるという問題もあっ
た。
の間に隙間は、溶液微粒子や気化したソース材料の供給
の流れを乱したり、基板2への吹きつけ状態を不均一に
したりする。さらに、基板2の反りにより、反応炉6の
内底面に接触している部分と接触していない部分とに温
度差が生じて熱分解速度が不均一になり、均一な膜厚の
化合物半導体膜7を形成できない。また、ガラス製の基
板2と金属製の皿8とは熱膨張係数が大きく異なるの
で、反応炉6外で皿8に基板2を固定した状態を、反応
炉6内の高温下でそのまま維持できない。そのため、溶
液微粒子や気化したソース材料が基板2の裏面に回り込
み、不必要な部分に膜が形成されるという問題もあっ
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は有機金属化合
物の熱分解による化合物半導体膜の形成方法における上
記問題点を解決することにより、基板の表側の必要な部
分のみに均一な膜厚の化合物半導体膜を高速で形成する
方法を提供し、さらに、その方法を用いて高性能太陽電
池を提供することを目的とする。
物の熱分解による化合物半導体膜の形成方法における上
記問題点を解決することにより、基板の表側の必要な部
分のみに均一な膜厚の化合物半導体膜を高速で形成する
方法を提供し、さらに、その方法を用いて高性能太陽電
池を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の化合物半導体膜
の製造方法は、加熱された基板上に有機金属化合物の熱
分解によって薄膜を形成する化合物半導体膜の製造方法
であって、前記基板を炭素繊維を主体とする成型体から
なる被覆治具上に固定して、前記有機金属化合物の熱分
解雰囲気に導入することを特徴とするものである。これ
により、膜形成時のガラス基板の反りが抑制され、基板
の表側の面のみに均一な化合物半導体膜を高速度で形成
することができる。
の製造方法は、加熱された基板上に有機金属化合物の熱
分解によって薄膜を形成する化合物半導体膜の製造方法
であって、前記基板を炭素繊維を主体とする成型体から
なる被覆治具上に固定して、前記有機金属化合物の熱分
解雰囲気に導入することを特徴とするものである。これ
により、膜形成時のガラス基板の反りが抑制され、基板
の表側の面のみに均一な化合物半導体膜を高速度で形成
することができる。
【0009】本発明の太陽電池は、透光性基板上に透明
導電膜、n型半導体層およびp型半導体層を順次形成し
てなり、前記透明導電膜、n型半導体層およびp型半導
体層のうちの少なくとも一つが、上記の製造方法で形成
された化合物半導体膜である。本発明によれば、太陽電
池を構成する半導体膜の膜厚が最適な厚さに均一化さ
れ、しかも不必要な部分の半導体膜形成が無くなるの
で、変換効率などの出力特性が優れた太陽電池を提供す
ることができる。
導電膜、n型半導体層およびp型半導体層を順次形成し
てなり、前記透明導電膜、n型半導体層およびp型半導
体層のうちの少なくとも一つが、上記の製造方法で形成
された化合物半導体膜である。本発明によれば、太陽電
池を構成する半導体膜の膜厚が最適な厚さに均一化さ
れ、しかも不必要な部分の半導体膜形成が無くなるの
で、変換効率などの出力特性が優れた太陽電池を提供す
ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、ソース材料である有機
金属化合物を溶解した溶液を霧化して微粒子化した溶液
微粒子、あるいは前記ソース材料を加熱して気化させた
蒸気を反応炉内に送り込み、前記反応炉内に導入され加
熱された基板上でソース材料を熱分解することにより、
基板上に化合物半導体膜を形成する化合物半導体膜の製
造方法において、前記基板を炭素繊維を主体とする成型
体からなる耐熱性の被覆治具上に固定して反応炉内に導
入する工程を有する化合物半導体膜の製造方法である。
金属化合物を溶解した溶液を霧化して微粒子化した溶液
微粒子、あるいは前記ソース材料を加熱して気化させた
蒸気を反応炉内に送り込み、前記反応炉内に導入され加
熱された基板上でソース材料を熱分解することにより、
基板上に化合物半導体膜を形成する化合物半導体膜の製
造方法において、前記基板を炭素繊維を主体とする成型
体からなる耐熱性の被覆治具上に固定して反応炉内に導
入する工程を有する化合物半導体膜の製造方法である。
【0011】本発明において被覆治具の材料に用いる炭
素繊維を主体とする成型体は、吸熱性が高く、耐熱性に
優れている。この成型体からなる被覆治具に基板を固定
して反応炉内に搬送することにより、基板の加熱効率が
良くなり、製膜速度を高めることができる。また、被覆
治具の吸熱効果により基板全体の熱分布が均一になるた
め、均質で均一な膜厚の化合物半導体膜を形成すること
ができる。さらに、被覆治具は高温に曝された場合でも
変形することがなく、これに固定された基板の反りが抑
制され、裏面の膜形成が防止できる。
素繊維を主体とする成型体は、吸熱性が高く、耐熱性に
優れている。この成型体からなる被覆治具に基板を固定
して反応炉内に搬送することにより、基板の加熱効率が
良くなり、製膜速度を高めることができる。また、被覆
治具の吸熱効果により基板全体の熱分布が均一になるた
め、均質で均一な膜厚の化合物半導体膜を形成すること
ができる。さらに、被覆治具は高温に曝された場合でも
変形することがなく、これに固定された基板の反りが抑
制され、裏面の膜形成が防止できる。
【0012】炭素繊維を主体とする成型体の代表的なも
のとして、炭素繊維を布状に織った織布に樹脂を含浸さ
せ、これを焼結することにより成型したものがある。そ
の中でも、例えばカーボンコンポジットと呼ばれるもの
を被覆治具の材料として用いるのが好ましい。カーボン
コンポジットは高熱で焼結されているため、高温環境下
での使用時に変形が無く、不活性雰囲気中で約1000
℃まで耐える。さらに、カーボンコンポジットは他の成
型体に較べて、高い曲げ強度と曲げ弾性率を有するの
で、取扱い時に破損し難い。
のとして、炭素繊維を布状に織った織布に樹脂を含浸さ
せ、これを焼結することにより成型したものがある。そ
の中でも、例えばカーボンコンポジットと呼ばれるもの
を被覆治具の材料として用いるのが好ましい。カーボン
コンポジットは高熱で焼結されているため、高温環境下
での使用時に変形が無く、不活性雰囲気中で約1000
℃まで耐える。さらに、カーボンコンポジットは他の成
型体に較べて、高い曲げ強度と曲げ弾性率を有するの
で、取扱い時に破損し難い。
【0013】上記被覆治具用材料の好ましい物性は、室
温〜800℃での熱膨張係数が6×10-6/℃以下、曲
げ強度が100MPa以上、曲げ弾性率が30GPa以
上、耐熱温度が1000℃以上、面方向の熱伝導率が1
0W/m・K以上であり、カーボンコンポジットはこれ
らの条件を満たす好適な材料である。尚、上記のカーボ
ンコンポジット製被覆治具の表面に、例えば高配向性の
カーボングラファイト、炭化珪素、窒化硼素、酸化珪
素、酸化錫、酸化アルミニウムなどの物質をコーティン
グして用いることもできる。これらのコーティングによ
り、加熱時の被覆治具表面の酸化や、被覆治具表面への
酸素および水などの吸着を防ぐことができる。
温〜800℃での熱膨張係数が6×10-6/℃以下、曲
げ強度が100MPa以上、曲げ弾性率が30GPa以
上、耐熱温度が1000℃以上、面方向の熱伝導率が1
0W/m・K以上であり、カーボンコンポジットはこれ
らの条件を満たす好適な材料である。尚、上記のカーボ
ンコンポジット製被覆治具の表面に、例えば高配向性の
カーボングラファイト、炭化珪素、窒化硼素、酸化珪
素、酸化錫、酸化アルミニウムなどの物質をコーティン
グして用いることもできる。これらのコーティングによ
り、加熱時の被覆治具表面の酸化や、被覆治具表面への
酸素および水などの吸着を防ぐことができる。
【0014】本発明における被覆治具は平板状で、少な
くとも一対の対向する周縁端部に前記基板の周縁部を抱
持する立ち上がり部を設けたものであることが好まし
い。図1および図2に被覆治具の形状例と、それら被覆
治具で基板を抱持して固定した状態を例示する。図1は
被覆治具1の対向する一対の周縁端部全体に断面がコ字
状の立ち上がり部3aを設け、基板2の周縁部を前記立
ち上がり部3aで抱持したものである。図2は被覆治具
1の四隅部に断面がコ字状の独立した立ち上がり部3b
を設け、これら立ち上がり部3bにより基板2の周縁部
を抱持したものである。これらの例のように基板2を立
ち上がり部3aあるいは3bで抱持することにより基板
2が被覆治具1に強固に固定される。
くとも一対の対向する周縁端部に前記基板の周縁部を抱
持する立ち上がり部を設けたものであることが好まし
い。図1および図2に被覆治具の形状例と、それら被覆
治具で基板を抱持して固定した状態を例示する。図1は
被覆治具1の対向する一対の周縁端部全体に断面がコ字
状の立ち上がり部3aを設け、基板2の周縁部を前記立
ち上がり部3aで抱持したものである。図2は被覆治具
1の四隅部に断面がコ字状の独立した立ち上がり部3b
を設け、これら立ち上がり部3bにより基板2の周縁部
を抱持したものである。これらの例のように基板2を立
ち上がり部3aあるいは3bで抱持することにより基板
2が被覆治具1に強固に固定される。
【0015】図3は基板2を被覆治具1に一層強固に固
定するために、さらに固定片4を使用したものである。
まず、図2と類似の立ち上がり部3cにより基板2の周
縁部を抱持した後、さらに、基板2と被覆治具1が重な
った状態でその四隅を断面コ字状の固定片4により挟ん
だものである。以上の図1〜3に例示した方法により、
基板と被覆治具を接合させて固定でき、気化したソース
材料あるいは溶液微粒子が基板の裏面に回り込む隙間を
無くすことができる。
定するために、さらに固定片4を使用したものである。
まず、図2と類似の立ち上がり部3cにより基板2の周
縁部を抱持した後、さらに、基板2と被覆治具1が重な
った状態でその四隅を断面コ字状の固定片4により挟ん
だものである。以上の図1〜3に例示した方法により、
基板と被覆治具を接合させて固定でき、気化したソース
材料あるいは溶液微粒子が基板の裏面に回り込む隙間を
無くすことができる。
【0016】本発明の太陽電池は、透光性基板上に順次
形成された透明導電膜、n型半導体層およびp型半導体
層のうちの少なくとも一つが、前記本発明の化合物半導
体膜の製造方法で形成されたものである。一般に、n型
半導体層、p型半導体層が積層された太陽電池では、光
の入射側のn型半導体層(窓層)の膜厚が薄いほど光電
流が増大するが、薄すぎると電圧が低下する。また、p
型半導体膜(光吸収層)の膜厚が薄すぎると光を完全に
吸収できないために光電流が低下し、さらは電圧が低下
する可能性もある。一方、光吸収層の膜厚が厚すぎると
抵抗が増大し、曲線因子が悪化する可能性がある。さら
に、透明導電膜の膜厚が薄すぎると導電性を確保でき
ず、厚すぎると光透過率が低下する。
形成された透明導電膜、n型半導体層およびp型半導体
層のうちの少なくとも一つが、前記本発明の化合物半導
体膜の製造方法で形成されたものである。一般に、n型
半導体層、p型半導体層が積層された太陽電池では、光
の入射側のn型半導体層(窓層)の膜厚が薄いほど光電
流が増大するが、薄すぎると電圧が低下する。また、p
型半導体膜(光吸収層)の膜厚が薄すぎると光を完全に
吸収できないために光電流が低下し、さらは電圧が低下
する可能性もある。一方、光吸収層の膜厚が厚すぎると
抵抗が増大し、曲線因子が悪化する可能性がある。さら
に、透明導電膜の膜厚が薄すぎると導電性を確保でき
ず、厚すぎると光透過率が低下する。
【0017】本発明による化合物半導体膜の製造方法に
より、上記の条件を満足する最適かつ均一な膜厚の透明
導電膜、n型半導体層あるいはp型半導体層を基板の表
側の面のみに形成することができる。従って、この製造
方法を用いることにより、電流特性および電圧特性が優
れた高変換効率の太陽電池を作製することができる。
より、上記の条件を満足する最適かつ均一な膜厚の透明
導電膜、n型半導体層あるいはp型半導体層を基板の表
側の面のみに形成することができる。従って、この製造
方法を用いることにより、電流特性および電圧特性が優
れた高変換効率の太陽電池を作製することができる。
【0018】太陽電池に用いられる化合物半導体膜とし
ては、酸化錫(SnO2)、酸化インジウム錫、硫化カ
ドミウム(CdS)、テルル化カドミウム(CdT
e)、砒化アルミニウムガリウム、砒化ガリウム、セレ
ン化ガリウムインジウム銅、セレン化インジウム銅、硫
化ガリウムインジウム銅、硫化インジウム銅などがあ
り、これらを本発明の化合物半導体膜の製造方法により
製造することができる。
ては、酸化錫(SnO2)、酸化インジウム錫、硫化カ
ドミウム(CdS)、テルル化カドミウム(CdT
e)、砒化アルミニウムガリウム、砒化ガリウム、セレ
ン化ガリウムインジウム銅、セレン化インジウム銅、硫
化ガリウムインジウム銅、硫化インジウム銅などがあ
り、これらを本発明の化合物半導体膜の製造方法により
製造することができる。
【0019】上記の化合物半導体膜のうち、例えば、n
型半導体層としてCdS膜、p型半導体膜としてCdT
e膜、透明導電膜としてSnO2をそれぞれ用いること
によりCdS/CdTe太陽電池を構成することができ
る。また、これらの化合物半導体膜のソース材料として
用いる有機金属化合物としては、例えば、CdS膜では
ジメチルジチオカルバミン酸カドミウム、CdTe膜で
はジエチルカドミウムとジメチルテルルの併用、SnO
2では二塩化ジメチル錫、錫のハロゲン化アルキル化合
物などを用いることができる。
型半導体層としてCdS膜、p型半導体膜としてCdT
e膜、透明導電膜としてSnO2をそれぞれ用いること
によりCdS/CdTe太陽電池を構成することができ
る。また、これらの化合物半導体膜のソース材料として
用いる有機金属化合物としては、例えば、CdS膜では
ジメチルジチオカルバミン酸カドミウム、CdTe膜で
はジエチルカドミウムとジメチルテルルの併用、SnO
2では二塩化ジメチル錫、錫のハロゲン化アルキル化合
物などを用いることができる。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。
る。
【0021】《実施例1》図1に示す形状のカーボンコ
ンポジット板製の被覆治具1に基板2を固定したもの
を、図14の基板2に代えて反応炉6内に搬送した以外
は、図14に示す製膜方法によりSnO2膜を作製し
た。基板2として2000mm×900mm×4mmの
大きさのアルミナ硼珪酸ガラスを用いた。二塩化ジメチ
ル錫100gとフッ化アンモニウム4gを水360cc
に溶解した溶液に超音波振動を加えて霧化した。霧化さ
れた溶液微粒子を約600℃に加熱された反応炉6内に
噴霧しつつ、被覆治具1に固定された基板2を搬送機構
5に乗せて反応炉6内に搬送することにより、SnO2
膜を形成した。被覆治具1には、厚さ1mmおよび厚さ
3mmのカーボンコンポジット板を図1に示した形状に
それぞれ加工し、その表面を高配向性のカーボングラフ
ァイトで被覆したものを用いた。
ンポジット板製の被覆治具1に基板2を固定したもの
を、図14の基板2に代えて反応炉6内に搬送した以外
は、図14に示す製膜方法によりSnO2膜を作製し
た。基板2として2000mm×900mm×4mmの
大きさのアルミナ硼珪酸ガラスを用いた。二塩化ジメチ
ル錫100gとフッ化アンモニウム4gを水360cc
に溶解した溶液に超音波振動を加えて霧化した。霧化さ
れた溶液微粒子を約600℃に加熱された反応炉6内に
噴霧しつつ、被覆治具1に固定された基板2を搬送機構
5に乗せて反応炉6内に搬送することにより、SnO2
膜を形成した。被覆治具1には、厚さ1mmおよび厚さ
3mmのカーボンコンポジット板を図1に示した形状に
それぞれ加工し、その表面を高配向性のカーボングラフ
ァイトで被覆したものを用いた。
【0022】図4および図5は、厚さ1mmおよび3m
mのカーボンコンポジット板製の被覆治具をそれぞれ用
いた場合の、基板の表側の面に形成されたSnO2膜の
膜厚分布図である。尚、SnO2膜の抵抗と膜厚の間に
は図6のような関係があることから、ここではSnO2
膜の抵抗分布の測定結果から膜厚分布を求めた。
mのカーボンコンポジット板製の被覆治具をそれぞれ用
いた場合の、基板の表側の面に形成されたSnO2膜の
膜厚分布図である。尚、SnO2膜の抵抗と膜厚の間に
は図6のような関係があることから、ここではSnO2
膜の抵抗分布の測定結果から膜厚分布を求めた。
【0023】《実施例2》実施例1と同じ二種類のカー
ボンコンポジット製被覆治具を用い、図1のように被覆
治具1に基板2を固定したものを、図14の基板2に代
えて反応炉6内に搬送した以外は、図14に示す製膜方
法によりCdS膜を作製した。基板2として2000m
m×900mm×4mmの大きさのアルミナ硼珪酸ガラ
スを用いた。トルエンにジエチルジチオカルバミン酸カ
ドミウム錯体を重量比で4:1の割合で溶解した溶液に
超音波振動を加えて霧化し、霧化された溶液微粒子を約
450℃の反応炉内に噴霧しつつ、被覆治具1に固定さ
れた基板2を搬送機構5に乗せて反応炉6内に搬送する
ことにより、CdS膜を形成した。
ボンコンポジット製被覆治具を用い、図1のように被覆
治具1に基板2を固定したものを、図14の基板2に代
えて反応炉6内に搬送した以外は、図14に示す製膜方
法によりCdS膜を作製した。基板2として2000m
m×900mm×4mmの大きさのアルミナ硼珪酸ガラ
スを用いた。トルエンにジエチルジチオカルバミン酸カ
ドミウム錯体を重量比で4:1の割合で溶解した溶液に
超音波振動を加えて霧化し、霧化された溶液微粒子を約
450℃の反応炉内に噴霧しつつ、被覆治具1に固定さ
れた基板2を搬送機構5に乗せて反応炉6内に搬送する
ことにより、CdS膜を形成した。
【0024】図7および図8は、厚さ1mmおよび3m
mのカーボンコンポジット板製の被覆治具をそれぞれ用
いた場合の、基板の表側の面に形成されたCdS膜の膜
厚分布図である。尚、CdS膜の光学的透過率と膜厚の
間には図9に示す相関性があることから、ここではCd
S膜の光学的透過率分布の測定結果から膜厚分布を求め
た。
mのカーボンコンポジット板製の被覆治具をそれぞれ用
いた場合の、基板の表側の面に形成されたCdS膜の膜
厚分布図である。尚、CdS膜の光学的透過率と膜厚の
間には図9に示す相関性があることから、ここではCd
S膜の光学的透過率分布の測定結果から膜厚分布を求め
た。
【0025】《実施例3》実施例1と同じ二種類のカー
ボンコンポジット製被覆治具を用い、図1のように被覆
治具1に基板2を固定したものを、図14の基板2に代
えて反応炉6内に搬送した以外は、図14に示す製膜方
法によりCdTe膜を作製した。基板2として2000
mm×900mm×4mmの大きさのアルミナ硼珪酸ガ
ラスを用いた。ジメチルカドミウムおよびジエチルテル
ルを含有する有機金属錯体溶液に超音波振動を加えて霧
化し、霧化された溶液微粒子を約450℃の反応炉内に
噴霧しつつ、被覆治具1に固定された基板2を前記反応
炉内に搬送することによりCdTe膜を形成した。
ボンコンポジット製被覆治具を用い、図1のように被覆
治具1に基板2を固定したものを、図14の基板2に代
えて反応炉6内に搬送した以外は、図14に示す製膜方
法によりCdTe膜を作製した。基板2として2000
mm×900mm×4mmの大きさのアルミナ硼珪酸ガ
ラスを用いた。ジメチルカドミウムおよびジエチルテル
ルを含有する有機金属錯体溶液に超音波振動を加えて霧
化し、霧化された溶液微粒子を約450℃の反応炉内に
噴霧しつつ、被覆治具1に固定された基板2を前記反応
炉内に搬送することによりCdTe膜を形成した。
【0026】図10および図11は、厚さ1mmおよび
3mmのカーボンコンポジット板製被覆治具をそれぞれ
用いた場合の、基板の表側に形成されたCdTe膜の膜
厚分布図である。CdTeの膜厚分布は、被測定部のC
dTe膜を削り取り、露出させた基板面と削り取られて
いないCdTe膜の上面との段差を接触式表面粗さ計で
測定して求めた。
3mmのカーボンコンポジット板製被覆治具をそれぞれ
用いた場合の、基板の表側に形成されたCdTe膜の膜
厚分布図である。CdTeの膜厚分布は、被測定部のC
dTe膜を削り取り、露出させた基板面と削り取られて
いないCdTe膜の上面との段差を接触式表面粗さ計で
測定して求めた。
【0027】《比較例1》基板を搬送機構上に直接乗せ
て反応炉内を搬送した以外は実施例1と同様の方法でS
nO2膜を形成した。
て反応炉内を搬送した以外は実施例1と同様の方法でS
nO2膜を形成した。
【0028】《比較例2》厚さ0.5mmのSUS30
4の板を図1の形状に加工した金属製の被覆治具を用い
た以外は、実施例1と同様の方法でSnO2膜を作製し
た。
4の板を図1の形状に加工した金属製の被覆治具を用い
た以外は、実施例1と同様の方法でSnO2膜を作製し
た。
【0029】図12は比較例1、図13は比較例2の、
基板の表側に形成されたSnO2膜のそれぞれの膜厚分
布図である。これらの比較例の膜厚分布をカーボンコン
ポジット製の被覆治具を用いた実施例1のSnO2膜の
膜厚分布(図4および図5)と比較して分かるように、
実施例1では比較例よりも膜厚の均一性が良好で、さら
に膜厚が厚い。その傾向は厚さ3mmのカーボンコンポ
ジット板を用いた図5の場合に特に顕著である。また、
図7と図8の比較、図10と図11の比較からも、カー
ボンコンポジット板の厚さが1mmの場合よりも3mm
の場合に、より膜厚の厚い均一な半導体膜が得られるこ
とがわかる。尚、基板を被覆治具で覆わなかった比較例
1の場合には基板の裏面の周縁部に特に多くのSnO2
膜が形成されていた。
基板の表側に形成されたSnO2膜のそれぞれの膜厚分
布図である。これらの比較例の膜厚分布をカーボンコン
ポジット製の被覆治具を用いた実施例1のSnO2膜の
膜厚分布(図4および図5)と比較して分かるように、
実施例1では比較例よりも膜厚の均一性が良好で、さら
に膜厚が厚い。その傾向は厚さ3mmのカーボンコンポ
ジット板を用いた図5の場合に特に顕著である。また、
図7と図8の比較、図10と図11の比較からも、カー
ボンコンポジット板の厚さが1mmの場合よりも3mm
の場合に、より膜厚の厚い均一な半導体膜が得られるこ
とがわかる。尚、基板を被覆治具で覆わなかった比較例
1の場合には基板の裏面の周縁部に特に多くのSnO2
膜が形成されていた。
【0030】上記の各実施例においてはソース材料の反
応炉内への供給方法として超音波振動により霧化された
溶液微粒子を反応炉内に噴射する方法を用いたが、加熱
して気化させた有機金属化合物の蒸気を反応炉内に導入
する方法に本発明を適用した場合にも同様の効果が得ら
れることが確認された。
応炉内への供給方法として超音波振動により霧化された
溶液微粒子を反応炉内に噴射する方法を用いたが、加熱
して気化させた有機金属化合物の蒸気を反応炉内に導入
する方法に本発明を適用した場合にも同様の効果が得ら
れることが確認された。
【0031】《実施例4》本発明の製造方法によりSn
O2膜を形成し、これを透明導電膜として用いた太陽電
池を作製した。基板として2000mm×900mm×
4mmのアルミナ硼珪酸ガラスを用いた。この基板上
に、厚さ3mmのカーボンコンポジット板製被覆治具を
用いて実施例1と同様の方法で透明導電膜としてのSn
O2膜を形成した。次いでSnO2膜上に溶液成長法でn
型半導体層としてCdS膜を形成した。さらにCdS膜
上に蒸着法でCdTe層を形成し、この上に印刷乾燥燒
結法でカーボン電極を形成した。カーボン電極とCdS
膜の露出部に印刷乾燥法により銀インジウム電極をそれ
ぞれ形成し、太陽電池を作製した。
O2膜を形成し、これを透明導電膜として用いた太陽電
池を作製した。基板として2000mm×900mm×
4mmのアルミナ硼珪酸ガラスを用いた。この基板上
に、厚さ3mmのカーボンコンポジット板製被覆治具を
用いて実施例1と同様の方法で透明導電膜としてのSn
O2膜を形成した。次いでSnO2膜上に溶液成長法でn
型半導体層としてCdS膜を形成した。さらにCdS膜
上に蒸着法でCdTe層を形成し、この上に印刷乾燥燒
結法でカーボン電極を形成した。カーボン電極とCdS
膜の露出部に印刷乾燥法により銀インジウム電極をそれ
ぞれ形成し、太陽電池を作製した。
【0032】《比較例3》比較例1と同様の方法で透明
導電膜としてのSnO2膜を形成した以外は、実施例4
と同様の方法により太陽電池を作製した。
導電膜としてのSnO2膜を形成した以外は、実施例4
と同様の方法により太陽電池を作製した。
【0033】《比較例4》比較例2と同様の方法で透明
導電膜としてのSnO2膜を形成した以外は、実施例4
と同様の方法により太陽電池を作製した。
導電膜としてのSnO2膜を形成した以外は、実施例4
と同様の方法により太陽電池を作製した。
【0034】実施例4、比較例3および比較例4のそれ
ぞれの太陽電池について、ソーラシミュレータを用い、
25℃、AM1.5,100mW/cm2の条件下で出
力特性を測定した。その結果を表1に示す。
ぞれの太陽電池について、ソーラシミュレータを用い、
25℃、AM1.5,100mW/cm2の条件下で出
力特性を測定した。その結果を表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】表1から、カーボンコンポジット製の被覆
治具を用いてSnO2膜を形成した実施例4の太陽電池
の出力特性が最も優れており、金属製の被覆治具を用い
た比較例4、被覆治具を用いなかった比較例3の順に太
陽電池の出力特性が低下していることが分かる。これは
実施例4の場合に透明導電膜が最も膜厚が均一であるこ
とに起因する。また比較例3および比較例4の場合には
基板周縁部での半導体層の膜質低下と変色が認められ
た。これは周縁部の裏面側に付着したSnO2膜がCd
S膜の製造工程およびCdTe膜の製造工程で赤外線を
他の部分に比べて多く吸収するために、周縁部が異常な
高温になったことによるものと思われる。
治具を用いてSnO2膜を形成した実施例4の太陽電池
の出力特性が最も優れており、金属製の被覆治具を用い
た比較例4、被覆治具を用いなかった比較例3の順に太
陽電池の出力特性が低下していることが分かる。これは
実施例4の場合に透明導電膜が最も膜厚が均一であるこ
とに起因する。また比較例3および比較例4の場合には
基板周縁部での半導体層の膜質低下と変色が認められ
た。これは周縁部の裏面側に付着したSnO2膜がCd
S膜の製造工程およびCdTe膜の製造工程で赤外線を
他の部分に比べて多く吸収するために、周縁部が異常な
高温になったことによるものと思われる。
【0037】《実施例5》透明導電膜を形成した基板上
に本発明の製造方法によりCdS層を形成し、これをn
型半導体層として用いた太陽電池を作製した。基板とし
て2000mm×900mm×4mmのアルミナ硼珪酸
ガラスを用いた。この基板上にスパッタ法で透明導電膜
としてSnO2膜を形成し、この上に厚さ3mmのカー
ボンコンポジット板製被覆治具を用いて実施例2と同様
の方法でCdS膜を形成した。次いで、CdS膜上に蒸
着法でCdTe層を形成し、この上に印刷乾燥燒結法で
カーボン電極を形成した。カーボン電極上およびCdS
膜の露出部には印刷乾燥法により、それぞれ銀インジウ
ム電極を形成して太陽電池を作製した。
に本発明の製造方法によりCdS層を形成し、これをn
型半導体層として用いた太陽電池を作製した。基板とし
て2000mm×900mm×4mmのアルミナ硼珪酸
ガラスを用いた。この基板上にスパッタ法で透明導電膜
としてSnO2膜を形成し、この上に厚さ3mmのカー
ボンコンポジット板製被覆治具を用いて実施例2と同様
の方法でCdS膜を形成した。次いで、CdS膜上に蒸
着法でCdTe層を形成し、この上に印刷乾燥燒結法で
カーボン電極を形成した。カーボン電極上およびCdS
膜の露出部には印刷乾燥法により、それぞれ銀インジウ
ム電極を形成して太陽電池を作製した。
【0038】《比較例5》被覆治具を用いずにCdS層
を形成した以外は、実施例5と同様の方法により太陽電
池を作製した。
を形成した以外は、実施例5と同様の方法により太陽電
池を作製した。
【0039】《比較例6》厚さ0.5mmのSUS30
4の板を図1の形状に加工した被覆治具を用いてCdS
層を形成した以外は実施例5と同様の方法で太陽電池を
作製した。
4の板を図1の形状に加工した被覆治具を用いてCdS
層を形成した以外は実施例5と同様の方法で太陽電池を
作製した。
【0040】実施例5、比較例5および比較例6の各太
陽電池について、実施例4の太陽電池と同様の方法で出
力特性を測定した。その結果を表2に示す。
陽電池について、実施例4の太陽電池と同様の方法で出
力特性を測定した。その結果を表2に示す。
【0041】
【表2】
【0042】表2から、カーボンコンポジット製被覆治
具を用いてCdS膜を形成した実施例5の太陽電池の性
能が最も優れており、金属製の被覆治具を用いた比較例
6、被覆治具を用いなかった比較例5の順に出力特性が
低下していることが分かる。これはカーボンコンポジッ
ト製の被覆治具を用いて作製したCdS薄膜が最も膜厚
が均一であることに起因する。また、特に比較例5の場
合には基板裏面の周縁部に析出したCdSが光電変換層
への入射光を遮り、電流が著しく低下したものと考えら
れる。
具を用いてCdS膜を形成した実施例5の太陽電池の性
能が最も優れており、金属製の被覆治具を用いた比較例
6、被覆治具を用いなかった比較例5の順に出力特性が
低下していることが分かる。これはカーボンコンポジッ
ト製の被覆治具を用いて作製したCdS薄膜が最も膜厚
が均一であることに起因する。また、特に比較例5の場
合には基板裏面の周縁部に析出したCdSが光電変換層
への入射光を遮り、電流が著しく低下したものと考えら
れる。
【0043】《実施例6》透明導電膜およびCdS膜を
形成した基板上に本発明の製造方法によりCdTe層を
形成し、これをp型半導体層として用いた太陽電池を作
製した。基板として2000mm×900mm×4mm
のアルミナ硼珪酸ガラスを用いた。この基板上にスパッ
タ法で透明導電膜として酸化錫膜を形成し、この上に溶
液成長法でn型半導体層としてCdS膜を形成した。次
いで、厚さ3mmのカーボンコンポジット製の被覆治具
を用いて実施例3と同様の方法でCdTe膜を形成し
た。この上に印刷乾燥燒結法でカーボン電極を形成し
た。カーボン電極上およびCdS膜の露出部に、印刷乾
燥によりそれぞれ銀インジウム電極を形成して太陽電池
を作製した。
形成した基板上に本発明の製造方法によりCdTe層を
形成し、これをp型半導体層として用いた太陽電池を作
製した。基板として2000mm×900mm×4mm
のアルミナ硼珪酸ガラスを用いた。この基板上にスパッ
タ法で透明導電膜として酸化錫膜を形成し、この上に溶
液成長法でn型半導体層としてCdS膜を形成した。次
いで、厚さ3mmのカーボンコンポジット製の被覆治具
を用いて実施例3と同様の方法でCdTe膜を形成し
た。この上に印刷乾燥燒結法でカーボン電極を形成し
た。カーボン電極上およびCdS膜の露出部に、印刷乾
燥によりそれぞれ銀インジウム電極を形成して太陽電池
を作製した。
【0044】《比較例7》被覆治具を用いずにCdTe
膜を形成した以外は、実施例6と同様の方法により太陽
電池を作製した。
膜を形成した以外は、実施例6と同様の方法により太陽
電池を作製した。
【0045】《比較例8》比較例6と同様の金属製被覆
治具を用いてCdTe膜を形成した以外は実施例6と同
様の方法で太陽電池を作製した。
治具を用いてCdTe膜を形成した以外は実施例6と同
様の方法で太陽電池を作製した。
【0046】実施例6、比較例7および比較例8の各太
陽電池について、実施例4の太陽電池と同様の方法で出
力特性を測定した。その結果を表3に示す。
陽電池について、実施例4の太陽電池と同様の方法で出
力特性を測定した。その結果を表3に示す。
【0047】
【表3】
【0048】表3から、カーボンコンポジット製の被覆
治具を用いてCdS膜を形成した実施例6の太陽電池の
性能が最も優れており、金属製の被覆治具を用いた比較
例8、被覆治具を用いなかった比較例7の順に太陽電池
の出力特性が低下していることが分かる。これはカーボ
ンコンポジット製の被覆治具を用いて作製したCdTe
膜が最も膜厚の均一性が高いことに起因する。また、比
較例7の場合には基板裏面側の周縁部にCdTeが付着
して、逆に表面側には十分な製膜が行われず、性能が著
しく低下したものと考えられる。また、比較例8の場合
にも周縁部のCdTe膜の膜厚が著しくが薄いことが太
陽電池の性能低下の原因であることが分かった。
治具を用いてCdS膜を形成した実施例6の太陽電池の
性能が最も優れており、金属製の被覆治具を用いた比較
例8、被覆治具を用いなかった比較例7の順に太陽電池
の出力特性が低下していることが分かる。これはカーボ
ンコンポジット製の被覆治具を用いて作製したCdTe
膜が最も膜厚の均一性が高いことに起因する。また、比
較例7の場合には基板裏面側の周縁部にCdTeが付着
して、逆に表面側には十分な製膜が行われず、性能が著
しく低下したものと考えられる。また、比較例8の場合
にも周縁部のCdTe膜の膜厚が著しくが薄いことが太
陽電池の性能低下の原因であることが分かった。
【0049】なお、透明導電膜、n型半導体層、p型半
導体層を全て本発明の製造方法により形成する場合に
は、基板に同一の被覆治具を装着したそのままの状態で
前記全ての膜形成を行うことも可能である。
導体層を全て本発明の製造方法により形成する場合に
は、基板に同一の被覆治具を装着したそのままの状態で
前記全ての膜形成を行うことも可能である。
【0050】
【発明の効果】本発明の化合物半導体膜の製造方法によ
り、必要な部分のみに均一な膜厚の化合物半導体膜を高
速で形成することができる。また、これにより得られた
化合物半導体膜を透明導電膜、n型半導体層あるいはp
型半導体層として用いることにより、変換効率などの出
力特性に優れた高性能太陽電池を提供できる。
り、必要な部分のみに均一な膜厚の化合物半導体膜を高
速で形成することができる。また、これにより得られた
化合物半導体膜を透明導電膜、n型半導体層あるいはp
型半導体層として用いることにより、変換効率などの出
力特性に優れた高性能太陽電池を提供できる。
【図1】本発明の一実施例における被覆治具の基板への
固定状態を示す見取り図である。
固定状態を示す見取り図である。
【図2】本発明の他の実施例における被覆治具の基板へ
の固定状態を示す見取り図である。
の固定状態を示す見取り図である。
【図3】本発明のさらに他の実施例における被覆治具の
基板への固定状態を示す見取り図である。
基板への固定状態を示す見取り図である。
【図4】本発明による板厚1mmの被覆治具を用いた場
合のSnO2膜の膜厚分布を示す図である。
合のSnO2膜の膜厚分布を示す図である。
【図5】本発明による板厚3mmの被覆治具を用いた場
合のSnO2膜の膜厚分布を示す図である。
合のSnO2膜の膜厚分布を示す図である。
【図6】酸化錫膜のシート抵抗と膜厚の関係を示す図で
ある。
ある。
【図7】本発明による板厚1mmの被覆治具を用いた場
合のCdS膜の膜厚分布を示す図である。
合のCdS膜の膜厚分布を示す図である。
【図8】本発明による板厚3mmの被覆治具を用いた場
合のCdS膜の膜厚分布を示す図である。
合のCdS膜の膜厚分布を示す図である。
【図9】CdS膜の光透過率と膜厚の関係を示す図であ
る。
る。
【図10】本発明による板厚1mmの被覆治具を用いた
場合のCdTe膜の膜厚分布を示す図である。
場合のCdTe膜の膜厚分布を示す図である。
【図11】本発明による板厚3mmの被覆治具を用いた
場合のCdTe膜の膜厚分布を示す図である。
場合のCdTe膜の膜厚分布を示す図である。
【図12】比較例のCdS膜の膜厚分布を示す図であ
る。
る。
【図13】他の比較例のCdS膜の膜厚分布を示す図で
ある。
ある。
【図14】化合物半導体膜の従来の製膜方法を示す模式
図である。
図である。
【図15】化合物半導体膜の従来の他の製膜方法を示す
模式図である。
模式図である。
1 被覆治具 2 基板 3a、3b、3c 立ち上がり部 4 固定片 5 搬送機構 6 反応炉 7 化合物半導体膜 8 皿 9 ソース材料供給管 10 ヒータ 11 排気口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 辻 美輪 大阪府守口市松下町1番1号 松下電池工 業株式会社内 (72)発明者 大山 秀明 大阪府守口市松下町1番1号 松下電池工 業株式会社内 Fターム(参考) 5F045 AA04 AB10 AB23 AB40 AD10 AF07 BB01 BB09 CA13 EE02 EM01 EM03 EM09 5F051 AA09 BA14 CB12 CB27 FA03 GA03
Claims (3)
- 【請求項1】 加熱された基板上に有機金属化合物の熱
分解によって薄膜を形成する化合物半導体膜の製造方法
であって、前記基板を炭素繊維を主体とする成型体から
なる被覆治具上に固定して、前記有機金属化合物の熱分
解雰囲気に導入することを特徴とする化合物半導体膜の
製造方法。 - 【請求項2】 前記被覆治具が平板状で、少なくとも一
対の対向する周縁端部に前記基板の周縁部を抱持する立
ち上がり部を設けたものである請求項1に記載の化合物
半導体膜の製造方法。 - 【請求項3】 透光性基板上に透明導電膜、n型半導体
層およびp型半導体層を順次形成してなり、前記透明導
電膜、n型半導体層およびp型半導体層のうちの少なく
とも一つが、請求項1〜3のいずれかの製造方法で形成
された化合物半導体膜である太陽電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000250116A JP2002064065A (ja) | 2000-08-21 | 2000-08-21 | 化合物半導体膜の製造方法および太陽電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000250116A JP2002064065A (ja) | 2000-08-21 | 2000-08-21 | 化合物半導体膜の製造方法および太陽電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002064065A true JP2002064065A (ja) | 2002-02-28 |
Family
ID=18739750
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000250116A Pending JP2002064065A (ja) | 2000-08-21 | 2000-08-21 | 化合物半導体膜の製造方法および太陽電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002064065A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007077728A1 (ja) * | 2006-01-06 | 2007-07-12 | Nisshinbo Industries, Inc. | 太陽電池セルへのタブリードのハンダ付け方法 |
KR101792898B1 (ko) * | 2013-11-27 | 2017-11-20 | 엘지이노텍 주식회사 | 태양광 발전장치 및 이의 제조방법 |
-
2000
- 2000-08-21 JP JP2000250116A patent/JP2002064065A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007077728A1 (ja) * | 2006-01-06 | 2007-07-12 | Nisshinbo Industries, Inc. | 太陽電池セルへのタブリードのハンダ付け方法 |
KR101792898B1 (ko) * | 2013-11-27 | 2017-11-20 | 엘지이노텍 주식회사 | 태양광 발전장치 및 이의 제조방법 |
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