JP2002061519A - ガスタービン - Google Patents

ガスタービン

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JP2002061519A
JP2002061519A JP2000250275A JP2000250275A JP2002061519A JP 2002061519 A JP2002061519 A JP 2002061519A JP 2000250275 A JP2000250275 A JP 2000250275A JP 2000250275 A JP2000250275 A JP 2000250275A JP 2002061519 A JP2002061519 A JP 2002061519A
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gas turbine
stage
disk
path
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JP2000250275A
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English (en)
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Shinichi Higuchi
眞一 樋口
Shinya Marushima
信也 圓島
Manabu Matsumoto
学 松本
Ryo Akiyama
陵 秋山
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】冷却媒体経路からスタッキング面間へのリーク
を抑制した信頼性の高いガスタービンを提供することに
ある。 【解決手段】動翼44bを有するロータディスク44W
と、このディスク44Wに接触するスペースディスク4
3Sとの接触面を横切る冷却媒体経路51bを有する。
冷却媒体経路51bを流れる冷却媒体が、接触面間にリ
ークするのを抑制するシール部材61が、ロータディス
ク44Wとスペースディスク43Sの接触面に設けられ
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被冷却部品を有す
るガスタービンに係り、特に、複数のタービンロータデ
ィスク或いはスペースディスクの接触面を冷却媒体経路
が横切るように形成されているものに適用するに好適な
ガスタービンに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ガスタービンの熱効率向上のた
め、作動ガスの高温化及び高圧化が進められている。こ
のような高温ガスタービンにおいては、システム全体の
信頼性を確保するために、タービン翼や作動ガス流路壁
など高温部の冷却が不可欠である。タービン翼及び作動
ガス流路壁の冷却媒体として、一般的には、ガスタービ
ン設備を構成している圧縮機から抽出した空気が使用さ
れている。しかしながら、作動ガス温度を上昇させる
と、信頼性を確保するために冷却空気量も増加させる必
要がある。冷却空気量の増加は圧縮機から抽気する空気
量の増加であり、すなわち燃焼器出口における主流ガス
流量の減少を意味する。また、より多くの冷却空気が作
動ガス中に放出されることになり、作動ガス温度の低下
や混合損失の増大を招くことになる。近年の高温ガスタ
ービン設備に見られるように作動ガス温度が1500℃
に近い場合には、冷却空気量増大に関連するデメリット
が作動ガスの高温化による熱サイクル上のメリットより
も大きくなる傾向にある。
【0003】総合的な熱効率を向上させる方式として
は、例えば、「エイ・エス・エム・イー/アイ・イー・
イー・イー パワー ゼネレーション カンファレンス(J
t. ASME/IEEE Power Generation Conference)の論文集
87―JPGC−GT−1(1987)」に記載されている
ように、冷却後の蒸気を作動ガス中に放出することなく
回収し、その冷却用蒸気が冷却によって得た熱量も利用
するものが知られている。このような冷却後の蒸気を回
収する冷却媒体回収型蒸気冷却ガスタービンとしては、
例えば、特開平11−132006号公報に記載されて
いるように、蒸気タービン設備及びガスタービン設備か
ら排気される排ガスを熱源として、蒸気タービンの作動
蒸気を生成する排熱回収ボイラ設備とを組み合わせたガ
スタービン/蒸気タービンコンバインドサイクル発電プ
ラントが知られている。すなわち、ガスタービン翼の冷
却に使用された蒸気は蒸気タービンの作動蒸気として回
収され、ガスタービン翼の冷却によって得た熱量が有効
に利用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ガスタービンでは、例えば、第3段動翼ロータディスク
と第3段―第4段間スペースディスクの接触面,すなわ
ち、スタッキング面に着目すると、冷却媒体供給経路及
び冷却媒体回収経路がスタッキング面を横切っている。
それぞれのスタッキング面は隙間なく全面完全に接触す
ることが設計上理想であるが、スタッキング面は製作精
度上完璧な平面とはなり得ないこと、冷却媒体供給経路
及び冷却媒体回収経路を流れる冷却媒体の温度差により
ディスクの温度分布が不均一となり、これに起因する不
均一な熱膨張が起こることを考慮すると全面完全には接
触しないものである。このことは、スタッキング面間に
隙間が生じることを意味しており、スタッキング面を横
切る冷却媒体経路から冷却媒体がリークすることを意味
している。
【0005】特に、冷却媒体供給経路を通過する冷却媒
体の圧力が、冷却媒体回収経路を通過する冷却媒体の圧
力よりも高い場合には、冷却媒体供給経路からのリーク
が、冷却媒体回収経路に混入する短絡経路が形成される
ことになる。リークにより各動翼に所定流量或いは所定
温度の冷却媒体が供給されず、計画した冷却が十分に行
われない可能性がある。また、短絡経路自体もリークに
より冷却され、ロータディスク及びスペースディスクの
温度分布の不均一性が助長され、これにより不均一な熱
膨張が誘起される。そしてまた、スタッキング面間の隙
間が拡大する。すなわち、スタッキング面間隙間の発
生、リーク増大、不均一な温度分布による不均一な熱膨
張、スタッキング面間隙間の拡大という悪循環が生じ
る。最終的には、回転体としてのアンバランスが大きく
なり、試算によるとアンバランス量は日本工業規格が定
める許容値を超過し、もはや回転体として成立しなくな
ることが判明している。
【0006】以上のように、従来のガスタービンにおい
ては、冷却媒体経路からスタッキング面間へのリークに
ついて配慮がされておらず、リークにより所定流量の冷
却媒体が確保できなくなったり、ディスクの温度分布の
不均一性が助長され、不均一な熱膨張を誘起し、回転体
としてのアンバランスが増大する問題があった。
【0007】本発明の目的は、冷却媒体経路からスタッ
キング面間へのリークを抑制した信頼性の高いガスター
ビンを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】(1)上記目的を達成す
るために、本発明は、動翼を有するロータディスクとこ
のディスクに接触する他のディスクとの接触面を横切る
冷却媒体経路を有するガスタービンにおいて、上記ロー
タディスクと他のディスクの接触面に設けられ、上記冷
却媒体経路を流れる冷却媒体が上記接触面間にリークす
るのを抑制するシール部材を備えるようにしたものであ
る。かかる構成により、冷却媒体経路からスタッキング
面間への冷却媒体のリークを抑制し、信頼性を向上し得
るものとなる。
【0009】(2)上記(1)において、好ましくは、
上記冷却媒体経路は、少なくともガスタービンを構成す
る被冷却部品用の冷却媒体を供給する供給経路と、上記
冷却媒体を回収する回収経路の2種類の経路を備えるよ
うにしたものである。かかる構成により、供給経路から
回収経路への冷却媒体のリークを抑制し、信頼性を向上
し得るものとなる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図6を用いて、本発
明の一実施形態によるガスタービンの構成について説明
する。最初に、図1を用いて、本実施形態によるガスタ
ービンを用いるガスタービン/蒸気タービンコンバイン
ド発電プラントの構成について説明する。図1は、本発
明の一実施形態によるガスタービンを用いるガスタービ
ン/蒸気タービンコンバインド発電プラントの構成を示
す回路図である。
【0011】ガスタービン/蒸気タービンコンバインド
発電プラントは、大別してガスタービン設備11,蒸気
タービン設備21,排熱回収ボイラ設備31及び発電機
1により構成され、ガスタービン設備11,蒸気タービ
ン設備21及び発電機1は共通軸で連結されている。ガ
スタービン設備11は、本実施形態によるガスタービン
に相当するものであり、図2以降を用いて詳述する。な
お、排熱回収ボイラ設備31は、ガスタービン設備11
の下流側に配置されて、ガスタービン排ガスを熱源とし
蒸気を生成する。
【0012】ガスタービン設備11は、主として圧縮機
12,燃焼器13及びガスタービン14により構成され
ている。圧縮機12は、大気15を吸い込み、所定の圧
縮比20まで圧縮する。圧縮された空気は、燃焼器13
に導かれ、燃料16とともに燃焼せしめられる。生成さ
れた1400℃を超える高温・高圧の燃焼ガス19は、
ガスタービン14に導かれ、静翼と動翼とを具備する4
つの段落構造の翼列を通過する際に膨張し、軸動力を発
生させる。発生した軸動力は、発電機1により電力に変
換される。仕事をして圧力と温度が低下した燃焼ガス
は、排ガス17としてガスタービン14より排出され、
後置された排熱回収ボイラ設備31に導かれる。
【0013】排熱回収ボイラ設備31は、前記した排ガ
ス17の持つ熱エネルギーを利用して蒸気を生成する。
排ガス17の温度は約600℃であり、熱回収により約
100℃まで温度を低下せしめられた後、排熱回収ボイ
ラより排ガス18として排出される。排熱回収ボイラ設
備31は複圧力式のボイラ設備であり、排ガス17の流
れに沿って上流から第1蒸気ドラム32a,第2蒸気ド
ラム32b及び第3蒸気ドラム32cを有しており、各
蒸気ドラム内に圧力がそれぞれ11.0MPa,3.5MPa
及び1.0MPa 程度の蒸気を生成する。ここでは、圧力
が9.8MPa以上14.7MPa未満の蒸気を高圧蒸気、
2.0以上3.9MPa未満の蒸気を中圧蒸気及び0.5
以上1.5MPa 未満の蒸気を低圧蒸気と定義し、第1蒸
気ドラム32a,第2蒸気ドラム32b及び第3蒸気ド
ラム32cをそれぞれ高圧蒸気ドラム32a,中圧蒸気
ドラム32b及び低圧蒸気ドラム32cと呼ぶことにす
る。生成された高圧蒸気及び低圧蒸気は、蒸気の圧力に
対応してそれぞれ第1蒸気タービン22a及び第3蒸気
タービン22cを駆動するのに利用される。ここでも、
作動蒸気の圧力に対応させて第1蒸気タービン22a,
第2蒸気タービン22b及び第3蒸気タービン22c
を、それぞれ、高圧蒸気タービン22a,中圧蒸気ター
ビン22b及び低圧蒸気タービン22cと呼ぶことにす
る。なお、中圧蒸気は、ガスタービン設備11のタービ
ン翼を冷却するのに使用される。
【0014】蒸気タービン設備21は、高圧蒸気タービ
ン22a,中圧蒸気タービン22b及び低圧蒸気タービ
ン22cにより構成されており、蒸気タービンとガスタ
ービン設備11は、共通の回転軸で連結されている。排
熱回収ボイラ31で生成された高圧蒸気及び低圧蒸気
は、それぞれ、高圧蒸気タービン22a及び低圧蒸気タ
ービン22cに導かれ、各蒸気タービンを駆動し、軸動
力を発生させる。発生した軸動力は、発電機1により電
力に変換される。また、高圧蒸気タービン22aに導か
れた高圧蒸気は、ここで膨張仕事をして圧力が低下する
が、この圧力は中圧蒸気タービン22bを駆動するのに
十分な圧力であるために、中圧蒸気タービン22bに導
かれる。中圧蒸気タービン22bに導かれた中圧蒸気
は、ここで膨張仕事をして圧力が低下するが、この圧力
は低圧蒸気タービン22cを駆動するのに十分な圧力で
あるために、低圧蒸気タービン22cに導かれる。低圧
蒸気タービン22cに導かれた低圧蒸気は、ここで膨張
仕事をした後、復水器33に導かれ水にされた後、水ポ
ンプ34で排熱回収ボイラ31に戻される。高圧蒸気タ
ービン22aの作動蒸気は、中圧蒸気タービン22b及
び低圧蒸気タービン22cにおいても仕事をする。
【0015】次に、ガスタービン設備11のタービン翼
を冷却するのに使用される蒸気の経路について説明す
る。前記したようにガスタービン翼の冷却には、排熱回
収ボイラ31で生成された蒸気が使用される。中圧蒸気
ドラム32bに生成した中圧蒸気は、中圧過熱器を経て
ガスタービン14の第1段静翼41n,第2段静翼42
n,第1段動翼41b及び第2段動翼42bに冷却媒体
として供給される。冷却媒体供給経路51n及び冷却媒
体供給経路52nを経て静翼に導かれた冷却媒体は、静
翼内部に形成された冷却媒体経路を通過し、冷却媒体回
収経路53n及び冷却媒体回収経路54nにより蒸気タ
ービンに回収される。冷却媒体は静翼内部を流れる際に
翼を冷却する。
【0016】次に、図2を用いて、本実施形態によるガ
スタービンの動翼に供給される冷却媒体の経路について
説明する。図2は、本発明の一実施形態によるガスター
ビンの回転体の部分断面図である。図2は、タービン回
転軸50b及び冷却媒体供給経路51bを含む平面で切
断した断面図である。なお、図1と同一符号は、同一部
分を示している。
【0017】第1段動翼41bを具備するロータディス
ク41W,第2段動翼42bを具備するロータディスク
42W,第3段動翼43bを具備するロータディスク4
3W,第4段動翼44bを具備するロータディスク44
W,第1段―第2段間スペースディスク41S,第2段
―第3段間スペースディスク42S,第3段―第4段間
スペースディスク43S,圧縮機12と連結しているデ
ィスタントピース40S及びタービン軸端であるスタブ
シャフト44Sは、周方向均等に配置された合計8本の
スタッキングボルト45で締め付けられている。
【0018】冷却媒体供給経路51bは、スタブシャフ
ト44S,第4段動翼ロータディス ク44W,第3段―第4段間スペースディスク43S,
第3段動翼ロータディス ク43W,第2段―第3段間スペースディスク42S,
第2段動翼ロータディス ク42W,第1段―第2段間スペースディスク41S,
第1段動翼ロータディス ク41Wを貫通するように周方向均等に合計8本形成さ
れている。
【0019】また、貫通路と周方向に連通した第1段動
翼前方キャビティ41CFは、ディスタントピース40
Sに形成されたスリットにより繋がっている。同様に、
周方向に連通した第2段動翼前方キャビティ42CF
も、第1段―第2段間スペースディスク41Sに形成さ
れたスリットにより繋がっている。
【0020】第1段―第2段間スペースディスク41
S,第2段―第3段間スペースディスク42S及び第3
段―第4段間スペースディスク43Sの両スタッキング
面及びスタブシャフト45Wのスタッキング面を横切る
冷却媒体供給経路51b及び冷却媒体回収経路52bの
周囲にスタッキング面間へのリークを抑制するシール部
材61が設けられている。
【0021】タービンロータ軸端より流入した冷却媒体
は、冷却媒体供給経路51bを経て第1段動翼前方キャ
ビティ41CF及び第2段動翼前方キャビティ42CF
に導かれる。第1段動翼41b及び第2段動翼42bの
内部には、冷却媒体経路が形成されており、一端が前記
キャビティに接続しており、もう一端がそれぞれ同じく
周方向に連通した第1段動翼後方キャビティ41CB及
び第2段動翼後方キャビティ42CBに接続している。
すなわち、第1段動翼前方キャビティ41CF及び第2
段動翼前方キャビティ42CFに導かれた冷却媒体は、
それぞれ第1段動翼41b及び第2段動翼42b内部に
形成された冷却媒体経路を通過して、第1段動翼後方キ
ャビティ41CB及び第2段動翼後方キャビティ42C
Bに導かれる。その際、冷却媒体は第1段動翼41b及
び第2段動翼42bを冷却する。
【0022】次に、図3を用いて、本実施形態によるガ
スタービンの第1段動翼後方キャビティ41CB及び第
2段動翼後方キャビティ42CBに導かれた動翼冷却後
の冷却媒体の経路について説明する。図3は、本発明の
一実施形態によるガスタービンの回転体の部分断面図で
ある。図3は、図2と異なる位相の断面を示しており、
タービン回転軸50b及び冷却媒体回収経路52bを含
む平面で切断した断面図である。なお、図1及び図2と
同一符号は、同一部分を示している。
【0023】冷却媒体回収経路52bは、第1段―第2
段間スペースディスク41S,第2段動翼ロータディス
ク42W,第2段―第3段間スペースディスク42S,
第3段動翼ロータディスク43W,第3段―第4段間ス
ペースディスク43S,第4段動翼ロータディスク44
Wを貫通するように周方向均等に合計8本形成されてお
り、スタブシャフト44Sを貫通するように中心に1本
形成されている。
【0024】また、貫通路と周方向に連通した第1段動
翼後方キャビティ41CBは、第1段―第2段間スペー
スディスク41Sに形成されたスリットにより繋がって
いる。同様に、周方向に連通した第2段動翼後方キャビ
ティ42CBも、第2段―第3段間スペースディスク4
2Sに形成されたスリットにより繋がっている。また、
スタブシャフト44Sに形成されたスリットにより、ス
タブシャフト内の冷却媒体回収経路と繋がっている。
【0025】第1段―第2段間スペースディスク41
S,第2段―第3段間スペースディスク42S及び第3
段―第4段間スペースディスク43Sの両スタッキング
面及びスタブシャフト45Wのスタッキング面を横切る
冷却媒体供給経路51b及び冷却媒体回収経路52bの
周囲にスタッキング面間へのリークを抑制するシール部
材61が設けられている。
【0026】第1段動翼後方キャビティ41CB及び第
2段動翼後方キャビティ42CBに導かれた冷却媒体
は、冷却媒体回収経路52bを経てタービンロータ軸端
より流出して中圧蒸気タービン22bへ回収される。
【0027】次に、図4を用いて、本実施形態によるガ
スタービンの第3段―第4段間スペースディスク43S
の構成について説明する。図4は、本発明の一実施形態
によるガスタービンの第3段―第4段間スペースディス
クをタービン回転軸と平行な方向から見た側面図であ
る。なお、図1,図2及び図3と同一符号は、同一部分
を示している。
【0028】本実施形態のガスタービンには、上述した
ように、第1段―第2段間スペースディスク41S,第
2段―第3段間スペースディスク42S及び第3段―第
4段間スペースディスク43Sの両スタッキング面及び
スタブシャフト45Wのスタッキング面を横切る冷却媒
体供給経路51b及び冷却媒体回収経路52bの周囲
に、スタッキング面間へのリークを抑制するシール部材
61を設けられている。シールのために、各部材にはO
リング用の溝を形成し、シール部材61として、弾性を
有する中実円形であるOリングを設けている。
【0029】従来の装置のように、シール部材61がな
い場合には、冷却媒体供給経路51bからリークした冷
却媒体が冷却媒体回収経路52bに混入する短絡した流
れがあった。それに対して、シール部材61を設けるこ
とにより、リークを限りなく零に近づけることができ
る。これにより、短絡した流れにより被冷却部品である
動翼に所定流量の冷却媒体が流れなくなり、動翼が損傷
を受けるという問題を回避することができる。更に、ガ
スタービン設備11自体が損傷するという問題を回避で
きる。また、従来のガスタービンでは、所定流量の冷却
媒体を確保するために短絡流れの流量分をさらに上乗せ
して冷却媒体として供給する必要があったが、短絡流れ
がほとんどなくなったことにより、冷却媒体流量を少な
くすることができ、コンバインド発電プラント全体の熱
効率を向上させることができる。更に、リーク量が低減
されたことにより、ロータディスク及びスペースディス
クの温度分布の不均一性が緩和された。不均一な温度分
布は不均一な熱膨張を誘起し、それは回転体としてのア
ンバランスの増大に繋がる。特に、起動時や停止時など
急激に冷却媒体の温度,流量及び圧力が変化したり、主
流ガスの温度,流量及び圧力が変化する場合には、アン
バランス量が許容値を超過し、運転が不可能となる可能
性があるが、本実施形態によりかかる障害を回避するこ
とができる。
【0030】次に、図5を用いて、本実施形態によるガ
スタービンに用いる他の例のシール部材61Aの構成に
ついて説明する。図5は、本発明の一実施形態によるガ
スタービンに他の例のシール部材を用いた場合の要部断
面図である。
【0031】第3段―第4段間スペースディスク43S
のスタッキング面を横切る冷却媒体供給経路51b(及
び冷却媒体回収経路52b)の周囲に、スタッキング面
間へのリークを抑制するシール部材61Aを設けられて
いる。シール部材61Aは、同様に、第1段―第2段間
スペースディスク41S,第2段―第3段間スペースデ
ィスク42S及びスタブシャフト45Wのスタッキング
面を横切る冷却媒体供給経路51b及び冷却媒体回収経
路52bの周囲にも設けられている。
【0032】シール部材61Aは、C形断面形状を有す
るリングである。リングは、図2や図3に示した中実円
形断面Oリング61よりも大きな弾性変形量を有してい
る。すなわち、より大きなスタッキング面間間隙に対応
することが可能である。
【0033】次に、図6を用いて、本実施形態によるガ
スタービンに用いるその他の例のシール部材61Bの構
成について説明する。図6は、本発明の一実施形態によ
るガスタービンにその他の例のシール部材を用いた場合
の要部断面図である。
【0034】第3段―第4段間スペースディスク43S
のスタッキング面を横切る冷却媒体供給経路51b(及
び冷却媒体回収経路52b)の周囲に、スタッキング面
間へのリークを抑制するシール部材61Bを設けられて
いる。シール部材61Bは、同様に、第1段―第2段間
スペースディスク41S,第2段―第3段間スペースデ
ィスク42S及びスタブシャフト45Wのスタッキング
面を横切る冷却媒体供給経路51b及び冷却媒体回収経
路52bの周囲にも設けられている。
【0035】シール部材61Bは、E形断面形状を有す
るリングである。E形断面形状リング61Bを使用した
ところ、冷却媒体供給経路51b及び冷却媒体回収経路
52bからスタッキング面間へのリークは、起動時,定
格運転時及び停止時、全ての運転状態において限りなく
零となった。
【0036】以上説明したように、本実施形態のガスタ
ービンにおいては、全ての運転状態において冷却媒体経
路からスタッキング面間へのリークが抑制されており、
そのことがガスタービンを構成しているディスクの温度
分布の過度な不均一化を抑制し不均一な熱膨張を抑制し
ている。よって、従来のガスタービンに比べて回転体と
してのアンバランスが生じにくく、安全にガスタービン
設備11を運転することが可能である。また、リーク量
低減により発電プラント全体の熱効率が向上する。した
がって、スタッキング面を横切る冷却媒体経路からのリ
ークを抑制することが可能となり、信頼性の高いガスタ
ービンを得ることができる。
【0037】なお、本実施形態において、冷却媒体は蒸
気としているが、他の如何なる気体或いは液体にも適用
できるものである。シール材の適用箇所に関しても、流
体の経路がスタッキング面を横切る箇所であれば適用で
きるものである。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、冷却媒体経路からスタ
ッキング面間へのリークを抑制して、ガスタービンの信
頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるガスタービンを用い
るガスタービン/蒸気タービンコンバインド発電プラン
トの構成を示す回路図である。
【図2】本発明の一実施形態によるガスタービンの回転
体の部分断面図である。
【図3】本発明の一実施形態によるガスタービンの回転
体の部分断面図である。
【図4】本発明の一実施形態によるガスタービンの第3
段―第4段間スペースディスクをタービン回転軸と平行
な方向から見た側面図である。
【図5】本発明の一実施形態によるガスタービンに他の
例のシール部材を用いた場合の要部断面図である。
【図6】本発明の一実施形態によるガスタービンにその
他の例のシール部材を用いた場合の要部断面図である。
【符号の説明】 41b…第1段動翼 42b…第2段動翼 43b…第3段動翼 44b…第4段動翼 41W…第1段動翼を具備するロータディスク 42W…第2段動翼を具備するロータディスク 43W…第3段動翼を具備するロータディスク 44W…第4段動翼を具備するロータディスク 41S…第1段―第2段間スペースディスク 42S…第2段―第3段間スペースディスク 43S…第3段―第4段間スペースディスク 51b…冷却媒体供給経路 52b…冷却媒体回収経路 61,61A,61B…シール部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 学 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発研究所内 (72)発明者 秋山 陵 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発研究所内 Fターム(参考) 3G002 HA08

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】動翼を有するロータディスクとこのディス
    クに接触する他のディスクとの接触面を横切る冷却媒体
    経路を有するガスタービンにおいて、 上記ロータディスクと他のディスクの接触面に設けら
    れ、上記冷却媒体経路を流れる冷却媒体が上記接触面間
    にリークするのを抑制するシール部材を備えることを特
    徴とするガスタービン。
  2. 【請求項2】請求項1記載のガスタービンにおいて、 上記冷却媒体経路は、少なくともガスタービンを構成す
    る被冷却部品用の冷却媒体を供給する供給経路と、上記
    冷却媒体を回収する回収経路の2種類の経路を備えるこ
    とを特徴とするガスタービン。
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