JP2002060762A - ガソリン、灯油および軽油合成用合成ガスの製造方法 - Google Patents

ガソリン、灯油および軽油合成用合成ガスの製造方法

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JP2002060762A JP2000251158A JP2000251158A JP2002060762A JP 2002060762 A JP2002060762 A JP 2002060762A JP 2000251158 A JP2000251158 A JP 2000251158A JP 2000251158 A JP2000251158 A JP 2000251158A JP 2002060762 A JP2002060762 A JP 2002060762A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 FT反応系でガソリン、灯油および軽油を合
成するのに適したH2/COのモル比を有する合成ガス
を製造する際、部分酸化炉への酸素供給量を低減するこ
とが可能な合成ガスの製造方法を提供する。 【解決手段】 フィッシャ・トロプシュ反応系でガソリ
ン、灯油および軽油を合成するために用いられるCOと
2を含む合成ガスを製造するにあたり、燃料を燃焼さ
せる燃焼輻射部により加熱される改質器に蒸気が添加さ
れた天然ガスを供給するとともに、前記燃焼輻射部で発
生した燃焼排ガスから二酸化炭素を回収し、この二酸化
炭素を前記改質器の上流側に供給して天然ガスの改質反
応を行い、さらにこの改質器からの改質ガスを部分酸化
炉に導入するとともに酸素を前記部分酸化炉に供給し、
前記改質ガスと前記酸素とを反応させてCOとH2を含
み、かつH2/COのモル比が1〜2.5の合成ガスを
製造することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フィッシャ・トロ
プシュ反応系でガソリン、灯油および軽油を合成する時
に用いられる合成ガスの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】特開平6−184559号公報には、天
然ガスから水素(H2)と一酸化炭素(CO)を含む合
成ガスを製造し、この合成ガスからフィッシャ・トロプ
シュ(FT)反応系でのGTL(Gas to Liquid)プロ
セスによりガソリン等を合成する方法が開示されてい
る。この公開公報の図3および図4には、対流式リホー
マー、自熱式リホーマー(部分酸化炉)および対流式リ
ホーマー加熱からなるリホーマーと、このリホーマーの
下流側に順次配置された二酸化炭素除去装置、FT反応
器とを備えた反応系で合成ガスを製造することが記載さ
れている。
【0003】すなわち、前記対流式リホーマーを前記対
流式リホーマー加熱からの熱を利用して加熱し、この対
流式リホーマーにスチームが添加された天然ガスと後述
する合成ガスから分離、回収した二酸化炭素を供給して
天然ガス中の主にメタンの一部および二酸化炭素と水蒸
気とを反応させる改質反応を行う。つづいて、この改質
ガス、天然ガスおよび酸素を前記自熱式リホーマーに供
給し、ここで改質ガス中の水素を主に燃焼させて天然ガ
ス中の主にメタンと水蒸気との反応に適した温度まで高
めて合成ガスを生成する。この合成ガスの熱は、前記対
流式リホーマー加熱で回収されて前記対流式リホーマー
の熱源として利用される。熱回収後の合成ガスは、二酸
化炭素除去装置で二酸化炭素が分離除去され、所定のC
O/H2のモル比を持つガスとし、前記FT反応器に供
給される。回収された二酸化炭素の一部は、前記対流式
リホーマーの上流で天然ガスと混合され、残りの二酸化
炭素は外部に排気される。
【0004】しかしながら、前記公開公報の発明は対流
式リホーマーを対流式リホーマー加熱からの熱を利用し
て加熱するため、前記スチーム添加天然ガスを前記対流
式リホーマーで改質するのに必要な熱量が不足し、天然
ガス中の主にメタンの一部しか改質されない。このた
め、前記対流式リホーマーからの改質ガスを自熱式リホ
ーマー(部分酸化炉)に供給し、ここで供給した酸素と
前記改質ガス中の水素とを燃焼させて所定の合成ガスを
生成するに必要な温度まで加熱している。その結果、多
量の酸素を前記自熱式リホーマーに供給する必要があ
る。酸素は、通常、低温処理により空気から酸素を分離
する酸素プラントにより製造されるため、多量の酸素の
使用は多大なエネルギーを消費するばかりかプラントの
大型化により高価になるという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、水蒸気、二
酸化炭素が添加された天然ガスを改質器に供給し、この
改質器からの改質ガスを部分酸化炉に導入し、ここに酸
素を供給して改質ガス中の水素を燃焼させてフィッシャ
・トロプシュ反応系でガソリン、灯油および軽油を合成
するのに適したH2/COのモル比を有する合成ガスを
製造する際、前記部分酸化炉への酸素供給量を低減し
て、酸素を生産するための酸素プラントを小型化するこ
とが可能なガソリン、灯油および軽油合成用合成ガスの
製造方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係るガソリン、
灯油および軽油合成用合成ガスの製造方法は、フィッシ
ャ・トロプシュ反応系でガソリン、灯油および軽油を合
成するために用いられるCOとH2を含む合成ガスを製
造するにあたり、燃料を燃焼させる燃焼輻射部を有し、
この燃焼輻射部により加熱される改質器に蒸気が添加さ
れた天然ガスを供給するとともに、前記燃焼輻射部で発
生した燃焼排ガスから二酸化炭素を回収し、この二酸化
炭素を前記改質器の上流側に供給して天然ガスの改質反
応を行い、さらにこの改質器からの改質ガスを部分酸化
炉に導入するとともに酸素を前記部分酸化炉に供給し、
前記改質ガスと前記酸素とを反応させてCOとH2を含
み、かつH2/COのモル比が1〜2.5の合成ガスを
製造することを特徴とするものである。
【0007】本発明に係る合成ガスの製造方法におい
て、前記部分酸化炉で製造した合成ガス中の二酸化炭素
を回収し、前記改質器の上流側に循環させることを許容
する。
【0008】本発明に係る合成ガスの製造方法におい
て、前記改質器の燃焼輻射部から排出された燃焼排ガス
中の二酸化炭素の回収プロセスと、前記合成ガス中の二
酸化炭素の回収プロセスとを同一の吸収液を用いて行う
ことが好ましい。合成ガス中の二酸化炭素を回収するプ
ロセスは、アミン系吸収液や炭酸カリウム系吸収液が用
いられており、燃焼排ガスからの二酸化炭素の回収プロ
セスについては従来、用いられていたモノエタノールア
ミン吸収液以外に、劣化の少ない新しいアルカノールア
ミンが用いられる。
【0009】本発明に係る合成ガスの製造方法におい
て、前記部分酸化炉で製造した合成ガスをフィッシャ・
トロプシュ反応系でガソリン、灯油および軽油を合成す
る際、前記フィッシャ・トロプシュ反応系中で生成され
た二酸化炭素を含むパージガスを前記改質器の上流側に
循環させることを許容する。
【0010】本発明に係る合成ガスの製造方法におい
て、前記改質器の上流側に予備改質器を配置し、蒸気が
添加された前記天然ガスを前記予備改質器を経由して前
記改質器に供給するとともに、前記燃焼排ガスから回収
した二酸化炭素を前記改質器と前記予備改質器の間の流
路に供給することが好ましい。
【0011】本発明に係る合成ガスの製造方法におい
て、前記天然ガスへの蒸気の添加工程としては前記改質
器の後段に加湿器を配置し、前記改質器からの合成ガス
を前記加湿器に導入してその廃熱により加湿器を加熱す
るとともに、前記天然ガスおよび水を加熱された前記加
湿器に供給する方法を採用することが好ましい。
【0012】本発明に係る合成ガスの製造方法におい
て、前記部分酸化炉に二酸化炭素が添加された酸素を供
給することが好ましい。また、前記部分酸化炉に水蒸気
を供給することが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るガソリン、灯
油および軽油合成用合成ガスの製造方法を図面を参照し
て詳細に説明する。
【0014】(第1実施形態)図1は、この第1実施形
態に係る合成ガスの製造に用いられるガソリン、灯油お
よび軽油の合成プラントの要部を示す概略図である。
【0015】改質器10は、水蒸気改質用反応管11
と、この反応管11の周囲に配置された燃焼輻射部12
と、この燃焼輻射部12に対流部(廃熱回収部)13を
介して連通された煙突14とを備えている。前記反応管
11内には、例えばニッケル系触媒が充填されている。
【0016】原料ガス導入用流路201は、前記改質器
10の対流部13を経由して前記反応管11の上端に接
続されている。この流路201には、脱硫器(図示せ
ず)を介装してもよい。水蒸気(スチーム)導入用流路
202は、前記対流部13の上流側に位置する原料ガス
導入用流路201に接続されている。燃料導入用流路2
3は、前記改質器10の燃焼輻射部12に接続されて
いる。
【0017】第1の二酸化炭素回収装置311は、前記
改質器10の対流部13に設けられ、前記対流部13の
燃焼排ガス中の二酸化炭素を回収する。この第1の二酸
化炭素回収装置311は、流路204を経由して圧縮機3
2に接続されている。この圧縮機32は、流路205
経由して前記改質器10の上流側である前記原料ガス導
入用流路201に接続されている。
【0018】前記改質器10の反応管11は、その下端
が流路206を通して部分酸化炉33に接続されてい
る。酸素導入用流路207は前記部分酸化炉33に接続
されている。前記部分酸化炉33は、流路208を通し
て第2の二酸化炭素回収装置312に接続されている。
なお、前記流路208には熱交換器34が介装されてい
る。前記熱交換器34には、流路209が交差され、こ
の流路209を流通する例えばボイラ水を加熱して高圧
の水蒸気(スチーム)を発生する。前記第2の二酸化炭
素回収装置312は、前記圧縮機32に流路2010を経
由して接続されている。また、前記第2の二酸化炭素回
収装置312は流路2011を通して例えばコバルト系触
媒が充填されたフィッシャ・トロプシュ(FT)反応系
35に接続されている。なお、このFT反応系35に充
填される触媒はコバルト系触媒に限らず、例えば鉄系触
媒を用いることができる。
【0019】例えばボイラ水が流通される流路20
12は、前記改質器10の対流部13に交差してその対流
部13の燃焼排ガスと前記ボイラ水とが熱交換され、燃
焼排ガスを冷却するとともにボイラ水自身が加熱されて
高圧の水蒸気(スチーム)が生成される。
【0020】次に、前述した図1に示す合成プラントを
参照して合成ガスの製造方法を説明する。
【0021】まず、燃焼用燃料は燃料導入用流路203
を通して改質器10の燃焼輻射部12に供給され、ここ
で空気とともに燃焼されて反応管11内を十分に高い温
度(例えば850〜900℃)に加熱する。この燃焼輻
射部12で発生した二酸化炭素を含む燃焼排ガスは、対
流部13を経由して煙突14に至る。前記燃焼排ガス
は、前記対流部13を通過する間に原料ガス導入用流路
201内を流通する天然ガス等や流路2012内を流通す
るボイラ水と熱交換されて冷却される。冷却された燃焼
排ガス中の二酸化炭素は、第1の二酸化炭素回収装置3
1で回収され、流路204を経由して圧縮機32に供給
される。二酸化炭素が除去された冷却燃焼排ガスは、前
記煙突14から大気に放出される。
【0022】メタンを主成分とする天然ガスは、原料ガ
ス導入用流路201に供給される。この時、前記圧縮機
32で昇圧された二酸化炭素は流路205を経由して前
記天然ガスに所定量添加される。また、水蒸気(スチー
ム)は水蒸気導入用流路20 2を通して前記天然ガスに
所定量添加される。前記天然ガスに水蒸気および二酸化
炭素を添加する際、モル比で前記天然ガス中のメタン
(CH4):水蒸気(H2O)=1:1.5〜1:3、メ
タン(CH4):二酸化炭素(CO2)=1:0.5〜
1:2に設定することが好ましい。なお、この水蒸気は
熱交換器34でボイラ水を合成ガスと熱交換することに
より生成された水蒸気、および改質器10の対流部13
でボイラ水を燃焼排ガスと熱交換することにより生成さ
れ水蒸気が利用される。
【0023】二酸化炭素および水蒸気が添加された天然
ガスは、前記原料ガス導入用流路201内を流通し、前
記改質器10の対流部13を通過する間に加熱(予備加
熱)され、その後十分な温度まで加熱された前記反応管
11に供給される。前記改質器10の反応管11に供給
されたメタン(CH4)を主成分とする天然ガス、水蒸
気および二酸化炭素は、その反応管11内の触媒の存在
下でメタンが主に水蒸気改質され、下記数1に示す式
(1)、(2)に従って水素、一酸化炭素および二酸化
炭素を含む改質ガスに転換される。
【0024】
【数1】
【0025】前記改質反応の式(1),(2)におい
て、メタン1モルと水蒸気2モルの反応で水素4モル、
二酸化炭素1モルが生成される。ただし、実際の反応系
では反応管11出口の温度、圧力から決まる化学反応平
衡組成に近い組成が得られる。
【0026】なお、前記改質反応は吸熱反応であるた
め、前述したように改質器10の燃焼輻射部12で燃料
ガスと空気を燃焼させて前記反応管11内を加熱する。
【0027】得られた改質ガスは、流路206を経由し
て部分酸化炉33に導入され、ここで前記改質ガス中の
水素が酸素導入用流路207から導入された酸素により
燃焼される。この時、改質ガスがより高い温度に加熱さ
れるため、残留メタンが前記反応式(1)に従ってCO
とH2が生成される。また、前記部分酸化炉33におい
て改質ガス中の水素量が減少されるため、この部分酸化
炉33によりモル比でH2/COが1〜2.5の組成を
有する合成ガスが製造される。
【0028】前記部分酸化炉33で生成された合成ガス
は、流路208を通して熱交換器34に供給され、ここ
で流路209を流通するボイラ水を加熱し、高圧の水蒸
気を発生させるとともに、それ自体が冷却された後、第
2の二酸化炭素回収装置31 2に供給される。ここで、
前記合成ガス中の二酸化炭素が回収され、かつ同時に生
成された水は流路2013を通して系外に排出される。回
収された二酸化炭素は、流路2010を経由して前記圧縮
機32に送られ、前記第1の二酸化炭素回収装置311
で回収された二酸化炭素とともに昇圧され、前記流路2
5を経由して前記原料ガス導入用流路201内の天然ガ
スに添加される。
【0029】二酸化炭素が除去された合成ガスは、前記
流路2011を経由して例えばコバルト触媒が充填された
フィッシャ・トロプシュ(FT)反応系35に供給さ
れ、ここで前記合成ガス中の水素と一酸化炭素が反応し
てガソリン、灯油および軽油が合成される。
【0030】以上、第1実施形態によれば改質器10を
反応器11と燃料を空気で燃焼して前記反応管11を加
熱する燃焼輻射部12とを備えた構造にし、水蒸気が添
加された天然ガスを原料ガス導入用流路201を通して
前記反応管11に供給する際、前記燃焼輻射部12によ
り前記反応管11内を十分に高い温度(例えば850〜
900℃)に加熱することによって、天然ガス中の主に
メタンと水蒸気とを効率よく反応させてCOとH2を含
む改質ガスを得ることができる。この際、前記燃焼輻射
部12から排出される燃焼排ガスを冷却し、この燃焼排
ガス中の二酸化炭素を第1の二酸化炭素回収装置311
で回収し、圧縮機32に供給するとともに、得られた合
成ガス中の二酸化炭素を第2の二酸化炭素回収装置31
2で回収し、流路2010を経由して前記圧縮機32に送
り、前記第1の二酸化炭素回収装置311で回収された
二酸化炭素とともに昇圧して、流路205を経由して前
記原料ガス導入用流路201内の天然ガスに添加するこ
とによって、前記反応管11において二酸化炭素と水蒸
気の反応によりCOとH2を生成できるとともに、酸素
源を改質ガスに導入することができる。その結果、生成
した改質ガスを部分酸化炉33に導入し、ここで前記改
質ガス中の水素を外部から供給した酸素で燃焼させる
際、少ない酸素供給量で改質ガス中の水素量を低減でき
るため、H2/COのモル比が1〜2.5の合成ガスを
製造することができる。また、前記部分酸化炉33によ
り残留メタンをCOとH2とに効率よく改質できる。こ
のようなH2/COのモル比を有する合成ガスは、例え
ばコバルト触媒が充填されたフィッシャ・トロプシュ
(FT)反応系35に供給し、前記合成ガス中の水素と
一酸化炭素を反応させることによって、ガソリン、灯油
および軽油を合成できる。
【0031】したがって、水蒸気、二酸化炭素が添加さ
れた天然ガスを改質器に供給し、この改質器からの改質
ガスを部分酸化炉に導入し、ここに酸素を供給して改質
ガス中の水素を燃焼させてフィッシャ・トロプシュ反応
系でガソリン、灯油および軽油を合成するのに適したH
2/COのモル比を有する合成ガスを製造する際、前記
部分酸化炉への酸素供給量を低減して、酸素を生産する
ための酸素プラントを小型化できるとともに、酸素生産
に伴うコスト上昇を抑制することができる。
【0032】また、フィッシャ・トロプシュ反応系を含
む合成ガスの製造プラント(改質器)で発生した二酸化
炭素を回収し、かつ合成ガス中の二酸化炭素を回収し、
これらの二酸化炭素を前記改質器上流側の天然ガスに供
給することによって、改質ガスの原料ガスとして利用で
きるとともに、地球の温暖化の原因になる二酸化炭素を
製造プラント外部に排出するのを低減ないし防止するこ
とができる。
【0033】(実施例1)この実施例1では、前述した
第1実施形態の合成ガスの製造を図1に示す合成プラン
トを参照してより具体的に説明する。
【0034】燃料(天然ガス)を改質器10の燃焼輻射
部12に519kgmol/hrの条件で供給して前記
燃焼輻射部12で空気とともに燃焼させた。また、天然
ガス、水蒸気(スチーム)および二酸化炭素(前記改質
器10の燃焼排ガスおよび合成ガスから回収)を下記表
1に示す条件で原料ガス導入用流路201に供給し、改
質器10の反応管11で水蒸気改質し、さらにこの改質
ガスを部分酸化炉33に導入し、この部分酸化炉33に
酸素導入用流路207を通して酸素を下記表1に示す条
件で供給することによって合成ガスを製造した。得られ
た合成ガスの組成を同表1に示す。
【0035】なお、表1の項目(A)は原料ガス導入用
流路201に供給される天然ガス、項目(B)は原料ガ
ス導入用流路201に供給される水蒸気(スチーム)、
項目(C)は改質器10の燃焼輻射部12で発生した燃
焼排ガス中から第1の二酸化炭素回収装置311で回収
した二酸化炭素、項目(D)は合成ガス中から第2の二
酸化炭素回収装置312で回収した二酸化炭素、項目
(E)は原料ガス導入用流路201に圧縮機32で昇圧
して供給される第1、第2の二酸化炭素回収装置3
1,312で回収した二酸化炭素、項目(F)は部分酸
化炉33に供給される酸素、項目(G)は部分酸化炉3
3で製造され、熱交換器34を通して第2の二酸化炭素
回収装置312に供給される合成ガス、項目(H)は第
2の二酸化炭素回収装置312から排出される水、項目
(I)は、FT反応系35に供給され、第2の二酸化炭
素回収装置312で二酸化炭素が除去された合成ガス、
を表す。なお、これらの項目(A)〜(I)は図1に付
記する。
【0036】
【表1】
【0037】前記表1から明らかなように水蒸気が添加
された天然ガスに第1、第2の二酸化炭素回収装置31
1,312で回収した二酸化炭素を供給し、これらのガス
を所定の温度に加熱された改質器10の反応管11で改
質させ、さらに改質ガスを部分酸化炉33に導入する
際、部分酸化炉33への酸素供給量を174kgmol
/hrとした条件に設定することによって、H2/CO
のモル比が約2の合成ガスを製造できることがわかる。
このような酸素供給量は、従来技術の特開平6−184
559号公報に記載された図3,図4に示す合成ガスの
製造方法の約半分に相当し、部分酸化炉への酸素供給量
を著しく低減できる。
【0038】(第2実施形態)図2は、この第2実施形
態に係る合成ガスの製造に用いられるガソリン、灯油お
よび軽油の合成プラントの要部を示す概略図である。な
お、図2において前述した図1と同様な部材は同符号を
付して説明を省略する。
【0039】この合成プラントは、前記改質器10の対
流部13に設けられ、前記対流部13の燃焼排ガス中の
二酸化炭素を吸収するための吸収液が収容された第1の
二酸化炭素吸収塔361を有する。この第1の二酸化炭
素吸収塔361内の吸収液と同一の吸収液が収容された
第2の二酸化炭素吸収塔362は、部分酸化炉33に流
路208を通して接続されている。これら第1,2の二
酸化炭素吸収塔361,362は、流路2014,2015
通して吸収液再生装置37に接続されている。この吸収
液再生装置37で二酸化炭素が分離、回収された後の吸
収液は、流路20 16を通して前記第1の二酸化炭素吸収
塔361に返送され、かつこの流路2016から分岐され
た流路2017を通して前記第2の二酸化炭素吸収塔36
2に返送される。前記吸収液再生装置37は、流路20
18を通して圧縮機32に接続されている。
【0040】次に、前述した図2に示す合成プラントを
参照して合成ガスの製造方法を説明する。
【0041】まず、燃焼用燃料は燃料導入用流路203
を通して改質器10の燃焼輻射部12に供給され、ここ
で空気とともに燃焼されて反応管11内を十分に高い温
度(例えば850〜900℃)に加熱する。この燃焼輻
射部12で発生した二酸化炭素を含む燃焼排ガスは、対
流部13を経由して煙突14に至る。前記燃焼排ガス
は、前記対流部13を通過する間に原料ガス導入用流路
201内を流通する天然ガス等や流路2012内を流通す
るボイラ水と熱交換されて冷却される。冷却された燃焼
排ガス中の二酸化炭素は、第1の二酸化炭素吸収塔36
1内の二酸化炭素吸収液により吸収される。二酸化炭素
を吸収した吸収液は、流路2014を通して吸収液再生装
置37に供給され、二酸化炭素が回収される。回収され
た二酸化炭素は、流路2018を経由して圧縮機32に供
給される。前記吸収液再生装置37で二酸化炭素が分離
された吸収液は、流路2016を通して前記第1の二酸化
炭素吸収塔361に返送される。二酸化炭素が除去され
た冷却燃焼排ガスは、前記煙突14から大気に放出され
る。
【0042】メタンを主成分とする天然ガスは、原料ガ
ス導入用流路201に供給される。この時、前記圧縮機
32で昇圧された二酸化炭素は流路205を経由して前
記天然ガスに所定量添加される。また、水蒸気(スチー
ム)は水蒸気導入用流路20 2を通して前記天然ガスに
所定量添加される。前記天然ガスに水蒸気および二酸化
炭素を添加する際、モル比で前記天然ガス中のメタン
(CH4):水蒸気(H2O)=1:1.5〜1:3、メ
タン(CH4):二酸化炭素(CO2)=1:0.5〜
1:2に設定することが好ましい。なお、この水蒸気は
熱交換器34でボイラ水を合成ガスと熱交換することに
より生成された水蒸気、および改質器10の対流部13
でボイラ水を燃焼排ガスと熱交換することにより生成さ
れた水蒸気が利用される。
【0043】二酸化炭素および水蒸気が添加された天然
ガスは、前記原料ガス導入用流路201内を流通し、前
記改質器10の対流部13を通過する間に加熱(予備加
熱)され、その後前記反応管11に供給される。前記改
質器10の反応管11に供給されたメタン(CH4)を
主成分とする天然ガス、水蒸気および二酸化炭素は、そ
の反応管11内の触媒の存在下でメタンが主に水蒸気改
質され、前記式(1)、(2)に従って水素、一酸化炭
素および二酸化炭素を含む改質ガスに転換される。
【0044】なお、前記改質反応は吸熱反応であるた
め、前述したように改質器10の燃焼輻射部12で燃料
ガスと空気を燃焼させて前記反応管11内を加熱する。
【0045】得られた合成ガスは、流路206を経由し
て部分酸化炉33に導入され、ここで前記改質ガス中の
水素が酸素導入用流路207から導入された酸素により
燃焼される。この時、改質ガスがより高い温度に加熱さ
れるため、残留メタンが前記反応式(1)に従ってCO
とH2が生成される。また、前記部分酸化炉33におい
て改質ガス中の水素量が減少されるため、この部分酸化
炉33によりモル比でH2/COが1〜2.5の組成を
有する合成ガスが製造される。
【0046】前記部分酸化炉33で生成された合成ガス
は、流路208を通して熱交換器34に供給され、ここ
で流路209を流通するボイラ水を加熱し、高圧の水蒸
気を発生させるとともに、それ自体が冷却される。冷却
後の合成ガスは、前記第1の二酸化炭素吸収塔361
の吸収液と同一の吸収液が収容された第2の二酸化炭素
吸収塔362に供給され、その合成ガス中の二酸化炭素
がその吸収液により吸収され、かつ同時に生成された水
は流路2019を通して系外に排出される。二酸化炭素を
吸収した吸収液は、流路2015を通して前記吸収液再生
装置37に供給され、前記第1の二酸化炭素吸収塔36
1から送られた吸収液と一緒にその吸収液中の二酸化炭
素が分離、回収される。回収された二酸化炭素は、流路
2018を経由して圧縮機32に送られ、ここで昇圧さ
れ、さらに前記流路205を経由して前記原料ガス導入
用流路201内の天然ガスに添加される。前記吸収液再
生装置37で二酸化炭素が分離された吸収液は、流路2
17を通して前記第2の二酸化炭素吸収塔362に返送
される。
【0047】二酸化炭素が除去された合成ガスは、流路
2011を経由して例えばコバルト触媒が充填されたフィ
ッシャ・トロプシュ(FT)反応系35に供給され、こ
こで前記合成ガス中の水素と一酸化炭素が反応してガソ
リン、灯油および軽油が合成される。
【0048】以上、第2実施形態によれば前述した第1
実施形態と同様、H2/COのモル比が1〜2.5の合
成ガスを製造することができ、この合成ガスを例えばコ
バルト触媒が充填されたフィッシャ・トロプシュ(F
T)反応系35に供給し、前記合成ガス中の水素と一酸
化炭素を反応させることによって、ガソリン、灯油およ
び軽油を合成できる。
【0049】また、第1,第2の二酸化炭素吸収塔36
1,362では、同一の吸収液を用いて前記改質器10の
燃焼輻射部12から排気された燃焼排ガス中の二酸化炭
素、前記合成ガス中の二酸化炭素の吸収を行ない、これ
ら吸収液中の二酸化炭素を1つの吸収液再生装置37で
回収できるため、合成プラントを簡略化できる。
【0050】(実施例2)この実施例2では、前述した
第2実施形態の合成ガスの製造を図2に示す合成プラン
トを参照してより具体的に説明する。
【0051】燃料(天然ガス)を改質器10の燃焼輻射
部12に519kgmol/hrの条件で供給して前記
燃焼輻射部12で空気とともに燃焼させた。また、天然
ガス、水蒸気(スチーム)および二酸化炭素(前記改質
器10の燃焼排ガスおよび合成ガスから回収)を下記表
2に示す条件で原料ガス導入用流路201に供給し、改
質器10の反応管11で水蒸気改質、さらにこの改質ガ
スを部分酸化炉33に導入し、この部分酸化炉33に酸
素導入用流路207を通して酸素を下記表2に示す条件
で供給することによって合成ガスを製造した。得られた
合成ガスの組成を同表2に示す。
【0052】なお、表2の項目(A)は原料ガス導入用
流路201に供給される天然ガス、項目(B)は原料ガ
ス導入用流路201に供給される水蒸気(スチーム)、
項目(C)は原料ガス導入用流路201に圧縮機32で
昇圧して供給される同一の吸収液で吸収し吸収液再生装
置37で回収した二酸化炭素、項目(D)は部分酸化炉
33に供給される酸素、項目(E)は改質器10で製造
され、熱交換器34を通して第2の二酸化炭素吸収塔3
2に供給される合成ガス、項目(F)は第2の二酸化
炭素吸収塔362から排出される水、項目(G)はFT
反応系35に供給され、第2の二酸化炭素吸収塔362
で二酸化炭素が除去された合成ガスを表す。なお、これ
らの項目(A)〜(G)は図2に付記する。
【0053】
【表2】
【0054】前記表2から明らかなように水蒸気が添加
された天然ガスに同一の吸収液で吸収し吸収液再生装置
37で回収した二酸化炭素を供給し、この天然ガスを所
定の温度に加熱された改質器10の反応管11で改質さ
せ、さらに改質ガスを部分酸化炉33に導入する際、部
分酸化炉33への酸素供給量を174kgmol/hr
とした条件でH2/COのモル比が約2の合成ガスを製
造できることがわかる。
【0055】(第3実施形態)図3は、この第3実施形
態に係る合成ガスの製造に用いられるガソリン、灯油お
よび軽油の合成プラントの要部を示す概略図である。な
お、図3において前述した図1と同様な部材は同符号を
付して説明を省略する。
【0056】この合成プラントは、改質器10の上流側
に予備改質器38が配置されている。原料ガス導入用流
路201は、前記予備改質器38の頂部に接続されてい
る。この予備改質器38は、流路2020を通して前記改
質器10の反応管11の上端に接続されている。前記流
路2020は、前記改質器10の対流部13を経由して前
記反応管11に接続されている。圧縮機32は、流路2
5を経由して前記予備改質器38と前記改質器10と
を接続する前記流路2020に接続されている。
【0057】次に、前述した図3に示す合成プラントを
参照して合成ガスの製造方法を説明する。
【0058】まず、前述した実施形態1と同様に燃焼用
燃料を改質器10の燃焼輻射部12に供給して反応管1
1内を十分に高い温度(例えば850〜900℃)に加
熱する。この燃焼輻射部12で発生し、冷却された燃焼
排ガス中の二酸化炭素を第1の二酸化炭素回収装置31
1で回収し、圧縮機32に供給する。
【0059】メタンを主成分とする天然ガスは、原料ガ
ス導入用流路201に供給される。この時、水蒸気(ス
チーム)は水蒸気導入用流路202を通して前記天然ガ
スに所定量添加される。前記天然ガスに水蒸気および二
酸化炭素を添加する際、モル比で前記天然ガス中のメタ
ン(CH4):水蒸気(H2O)=1:1.5〜1:3に
設定することが好ましい。水蒸気が添加された天然ガス
は、前記原料ガス導入用流路201内を流通し、前記改
質器10の対流部13を通過する間に加熱(予備加熱)
され、その後予備改質器38に供給される。この予備改
質器38において、天然ガス中の主にエタンのようなC
2以上の炭化水素がC1のメタンやCO,H2に改質さ
れる。
【0060】予備改質された水蒸気添加天然ガスは、流
路2020を通して前記改質器10の反応管11に供給さ
れる。この時、前記圧縮機32で昇圧された二酸化炭素
は流路205を経由して前記流路2020内を流通する予
備改質された水蒸気添加天然ガスに所定量添加される。
予備改質された前記天然ガスに二酸化炭素を添加する
際、モル比で前記天然ガス中のメタン(CH4):二酸
化炭素(CO2)=1:0.5〜1:2に設定すること
が好ましい。前記改質器10の反応管11に供給された
メタン(CH4)を主成分とする天然ガス、水蒸気およ
び二酸化炭素は、その反応管11内の触媒の存在下でメ
タンが主に水蒸気改質され、前記式(1)、(2)に従
って水素、一酸化炭素および二酸化炭素を含む改質ガス
に転換される。
【0061】なお、前記改質反応は吸熱反応であるた
め、前述したように改質器10の燃焼輻射部12で燃料
ガスと空気を燃焼させて前記反応管11内を加熱する。
【0062】流路206を経由して部分酸化炉33に導
入され、ここで前記改質ガス中の水素が酸素導入用流路
207から導入された酸素により燃焼される。この時、
改質ガスがより高い温度に加熱されるため、残留メタン
が前記反応式(1)に従ってCOとH2が生成される。
また、前記部分酸化炉33において改質ガス中の水素量
が減少されるため、この部分酸化炉33によりモル比で
2/COが1〜2.5の組成を有する合成ガスが製造
される。
【0063】前記部分酸化炉33で生成された合成ガス
は、流路208を通して熱交換器34に供給され、ここ
で流路209を流通するボイラ水を加熱し、高圧の水蒸
気を発生させるとともに、それ自体が冷却された後、第
2の二酸化炭素回収装置31 2に供給される。ここで、
前記合成ガス中の二酸化炭素が回収され、かつ同時に生
成された水は流路2013を通して系外に排出される。回
収された二酸化炭素は、流路2010を経由して前記圧縮
機32に送られ、前記第1の二酸化炭素回収装置311
で回収された二酸化炭素とともに昇圧され、前記流路2
5を経由して前記流路2020内の天然ガスに添加され
る。
【0064】二酸化炭素が除去された合成ガスは、前記
流路2011を経由して例えばコバルト触媒が充填された
フィッシャ・トロプシュ(FT)反応系35に供給さ
れ、ここで前記合成ガス中の水素と一酸化炭素が反応し
てガソリン、灯油および軽油が合成される。
【0065】以上、第3実施形態によれば前述した第1
実施形態と同様、H2/COのモル比が1〜2.5の合
成ガスを製造することができ、この合成ガスを例えばコ
バルト触媒が充填されたフィッシャ・トロプシュ(F
T)反応系35に供給し、前記合成ガス中の水素と一酸
化炭素を反応させることによって、ガソリン、灯油およ
び軽油を合成できる。
【0066】また、改質器10の上流側に予備改質器3
8を設け、ここで天然ガス中の主にエタンのようなC2
以上の炭化水素をC1(メタン)やCO,H2に予め改
質することによって、改質器10での熱負荷を軽減でき
る。その結果、前記改質器10の燃焼輻射部12への燃
料供給量を低減できるため、少ない燃料で合成ガスを製
造することが可能になる。
【0067】(実施例3)この実施例3では、前述した
第3実施形態の合成ガスの製造を図3に示す合成プラン
トを参照してより具体的に説明する。
【0068】燃料(天然ガス)を改質器10の燃焼輻射
部12に443kgmol/hrの条件で供給して前記
燃焼輻射部12で空気とともに燃焼させた。また、天然
ガス、水蒸気(スチーム)を下記表3に示す条件で原料
ガス導入用流路201に供給し、二酸化炭素(前記改質
器10の燃焼排ガスおよび合成ガスから回収)を下記表
3に示す条件で予備改質器38と前記改質器10とを接
続する流路2020内を流通する予備改質水蒸気添加天然
ガスに供給し、この天然ガスを改質器10の反応管11
で水蒸気改質し、さらにこの改質ガスを部分酸化炉33
に導入し、この部分酸化炉33に酸素導入用流路207
を通して酸素を下記表3に示す条件で供給することによ
って合成ガスを製造した。得られた合成ガスの組成を同
表3に示す。
【0069】なお、表3の項目(A)は原料ガス導入用
流路201に供給される天然ガス、項目(B)は原料ガ
ス導入用流路201に供給される水蒸気(スチーム)、
項目(C)は改質器10の燃焼輻射部12で発生した燃
焼排ガス中から第1の二酸化炭素回収装置311で回収
した二酸化炭素、項目(D)は合成ガス中から第2の二
酸化炭素回収装置312で回収した二酸化炭素、項目
(E)は予備改質器38と前記改質器10とを接続する
流路2020に圧縮機32で昇圧して供給される第1、第
2の二酸化炭素回収装置311,312で回収した二酸化
炭素、項目(F)は部分酸化炉33に供給される酸素、
項目(G)は改質器10で製造され、熱交換器34を通
して第2の二酸化炭素回収装置312に供給される合成
ガス、項目(H)は第2の二酸化炭素回収装置312
ら排出される水、項目(I)は、FT反応系35に供給
され、第2の二酸化炭素回収装置312で二酸化炭素が
除去された合成ガスを、表す。なお、これらの項目
(A)〜(I)は図3に付記する。
【0070】
【表3】
【0071】前記表3から明らかなように予備改質され
た水蒸気添加天然ガスに第1、第2の二酸化炭素回収装
置311,312で回収した二酸化炭素を供給し、これら
のガスを所定の温度に加熱された改質器10の反応管1
1で改質させ、さらに改質ガスを部分酸化炉33に導入
する際、部分酸化炉33への酸素供給量を174kgm
ol/hrとした条件に設定することによって、前述し
た第1実施形態に比べて改質器10の燃焼輻射部12へ
の燃料供給量を20%程度削減しても同等量でH2/C
Oのモル比が約2の合成ガスを製造できることがわか
る。
【0072】(第4実施形態)図4は、この第4実施形
態に係る合成ガスの製造に用いられるガソリン、灯油お
よび軽油の合成プラントの要部を示す概略図である。な
お、図4において前述した図1と同様な部材は同符号を
付して説明を省略する。
【0073】この合成プラントは、改質器10の下流側
の熱交換器34と第2の二酸化炭素回収装置312の間
に位置する流路208に熱交換型加湿器39が介装され
ている。原料ガス導入用流路201は、前記加湿器39
の頂部に接続されている。前記加湿器39は、流路20
21を通して前記改質器10の反応管11の上端に接続さ
れている。前記流路2021は、前記改質器10の対流部
13を経由して前記反応管11に接続されている。
【0074】次に、前述した図4に示す合成プラントを
参照して合成ガスの製造方法を説明する。
【0075】まず、前述した実施形態1と同様に燃焼用
燃料を改質器10の燃焼輻射部12に供給して反応管1
1内を十分に高い温度(例えば850〜900℃)に加
熱する。この燃焼輻射部12で発生し、冷却された燃焼
排ガス中の二酸化炭素を第1の二酸化炭素回収装置31
1で回収し、圧縮機32に供給する。
【0076】メタンを主成分とする天然ガスは、原料ガ
ス導入用流路201に供給される。この時、前記圧縮機
32で昇圧された二酸化炭素は流路205を経由して前
記天然ガスに所定量添加される。前記天然ガスに二酸化
炭素を添加する際、モル比で前記天然ガス中のメタン
(CH4):二酸化炭素(CO2)=1:0.5〜1:2
に設定することが好ましい。二酸化炭素が添加された天
然ガス(二酸化炭素添加天然ガス)は、前記原料ガス導
入用流路201内を流通し、加湿器39の頂部に供給さ
れる。この加湿器39の頂部に水を流路2022を通して
供給することにより、前記二酸化炭素添加天然ガスを加
湿する。すなわち、前記二酸化炭素添加天然ガスは前記
加湿器39で流路2022から供給される水と接触し、加
湿された後、部分酸化炉33から流路208を通して供
給された高温の合成ガスと熱交換されて加熱され、更に
加湿される。
【0077】加湿された二酸化炭素添加天然ガスは、流
路2021を通して前記改質器10の反応管11に供給さ
れる。この時、水蒸気(スチーム)は流路2023を通し
て前記流路2021内を流通する混合ガスに供給され、不
足した水蒸気量が補給される。前記二酸化炭素添加天然
ガスに加湿による水蒸気および流路2023からの水蒸気
を添加する際、モル比で前記天然ガス中のメタン(CH
4):水蒸気(H2O)=1:1.5〜1:3に設定する
ことが好ましい。前記改質器10の反応管11に供給さ
れたメタン(CH4)を主成分とする天然ガス、水蒸気
および二酸化炭素は、その反応管11内の触媒の存在下
でメタンが主に水蒸気改質され、前記式(1)、(2)
に従って水素、一酸化炭素および二酸化炭素を含む改質
ガスに転換される。
【0078】なお、前記改質反応は吸熱反応であるた
め、前述したように改質器10の燃焼輻射部12で燃料
ガスと空気を燃焼させて前記反応管11内を加熱する。
【0079】得られた改質ガスは、流路206を経由し
て部分酸化炉33に導入され、ここで前記改質ガス中の
水素が酸素導入用流路207から導入された酸素により
燃焼される。この時、改質ガスがより高い温度に加熱さ
れるため、残留メタンが前記反応式(1)に従ってCO
とH2が生成される。また、前記部分酸化炉33におい
て改質ガス中の水素量が減少されるため、この部分酸化
炉33によりモル比でH2/COが1〜2.5の組成を
有する合成ガスが製造される。
【0080】前記部分酸化炉33で生成された合成ガス
は、流路208を通して熱交換器34に供給され、ここ
で流路209を流通するボイラ水を加熱し、高圧の水蒸
気を発生させるとともに、それ自体が冷却された後、前
記加湿器39に供給され前記二酸化炭素添加天然ガスの
加湿のための熱源として利用される。加湿器39から排
出された合成ガスは、第2の二酸化炭素回収装置312
に供給される。ここで、前記合成ガス中の二酸化炭素が
回収され、かつ同時に生成された水は流路20 13を通し
て系外に排出される。回収された二酸化炭素は、流路2
10を経由して前記圧縮機32に送られ、前記第1の二
酸化炭素回収装置311で回収された二酸化炭素ととも
に昇圧され、前記流路205を経由して前記原料ガス導
入用流路201内の天然ガスに添加される。
【0081】二酸化炭素が除去された合成ガスは、前記
流路2011を経由して例えばコバルト触媒が充填された
フィッシャ・トロプシュ(FT)反応系35に供給さ
れ、ここで前記合成ガス中の水素と一酸化炭素が反応し
てガソリン、灯油および軽油が合成される。
【0082】以上、第4実施形態によれば前述した第1
実施形態と同様、H2/COのモル比が1〜2.5の合
成ガスを製造することができ、この合成ガスを例えばコ
バルト触媒が充填されたフィッシャ・トロプシュ(F
T)反応系35に供給し、前記合成ガス中の水素と一酸
化炭素を反応させることによって、ガソリン、灯油およ
び軽油を合成できる。
【0083】また、改質器10の下流側に加湿器39を
設け、ここで二酸化炭素添加天然ガスを加湿することに
よって、流路2023を通して前記二酸化炭素添加天然ガ
スに供給する水蒸気量を軽減できる。その結果、前記改
質器10の反応管11に天然ガス等とともに供給する水
蒸気量を低減できるため、低コストで合成ガスを製造す
ることが可能になる。
【0084】(実施例4)この実施例4では、前述した
第4実施形態の合成ガスの製造を図4に示す合成プラン
トを参照してより具体的に説明する。
【0085】燃料(天然ガス)を改質器10の燃焼輻射
部12に519kgmol/hrの条件で供給して前記
燃焼輻射部12で空気とともに燃焼させた。また、天然
ガス、二酸化炭素(前記改質器10の燃焼排ガスおよび
合成ガスから回収)を下記表4に示す条件で原料ガス導
入用流路201を通して加湿器39に供給し、水蒸気
(スチーム)を下記表4に示す条件で流路2021内を流
通する加湿後の二酸化炭素添加天然ガスに供給し、この
天然ガス、水蒸気および二酸化炭素を改質器10の反応
管11で水蒸気改質し、さらにこの改質ガスを部分酸化
炉33に導入し、この部分酸化炉33に酸素導入用流路
207を通して酸素を下記表4に示す条件で供給するこ
とによって合成ガスを製造した。得られた合成ガスの組
成を同表4に示す。
【0086】なお、表4の項目(A)は原料ガス導入用
流路201に供給される天然ガス、項目(B)は加湿後
の二酸化炭素添加天然ガスが流通される流路2021に供
給される水蒸気(スチーム)、項目(C)は改質器10
の燃焼輻射部12で発生した燃焼排ガス中から第1の二
酸化炭素回収装置311で回収した二酸化炭素、項目
(D)は合成ガス中から第2の二酸化炭素回収装置31
2で回収した二酸化炭素、項目(E)は原料ガス導入用
流路201に圧縮機32で昇圧して供給される第1、第
2の二酸化炭素回収装置311,312で回収した二酸化
炭素、項目(F)は部分酸化炉33に供給される酸素、
項目(G)は改質器10で製造され、熱交換器34およ
び加湿器39を通して第2の二酸化炭素回収装置312
に供給される合成ガス、項目(H)は加湿器39に供給
される水、項目(I)は第2の二酸化炭素回収装置31
2から排出される水、項目(J)は、FT反応系35に
供給され、第2の二酸化炭素回収装置312で二酸化炭
素が除去された合成ガスを表す。なお、これらの項目
(A)〜(J)は図4に付記する。
【0087】
【表4】
【0088】前記表4から明らかなように天然ガスに第
1、第2の二酸化炭素回収装置31 1,312で回収した
二酸化炭素を供給し、この混合ガスを加湿器39を通し
て所定の温度に加熱された改質器10の反応管11で改
質させ、さらに改質ガスを部分酸化炉33に導入する
際、部分酸化炉33への酸素供給量を174kgmol
/hrとした条件に設定することによって、前述した第
1実施形態に比べて供給する水蒸気量を約1/3程度ま
で削減しても同等量でH2/COのモル比が約2の合成
ガスを製造できることがわかる。
【0089】(第5実施形態)図5は、この第5実施形
態に係る合成ガスの製造に用いられるガソリン、灯油お
よび軽油の合成プラントの要部を示す概略図である。な
お、図5において前述した図1と同様な部材は同符号を
付して説明を省略する。
【0090】この合成プラントは、改質器10の下流側
の熱交換器34と第2の二酸化炭素回収装置312の間
に位置する流路208に熱交換型加湿器39が介装され
ている。原料ガス導入用流路201は、前記加湿器39
の頂部に接続されている。前記加湿器39は、流路20
21を通して前記改質器10の上流側に位置する予備改質
器38の頂部に接続されている。この予備改質器38
は、流路2020を通して前記改質器10の反応管11の
上端に接続されている。前記流路2020は、前記改質器
10の対流部13を経由して前記反応管11に接続され
ている。圧縮機32は、流路205を経由して前記予備
改質器38と前記改質器10とを接続する前記流路20
20に接続されている。
【0091】次に、前述した図5に示す合成プラントを
参照して合成ガスの製造方法を説明する。
【0092】まず、前述した実施形態1と同様に燃焼用
燃料を改質器10の燃焼輻射部12に供給して反応管1
1内を十分に高い温度(例えば850〜900℃)に加
熱する。この燃焼輻射部12で発生し、冷却された燃焼
排ガス中の二酸化炭素を第1の二酸化炭素回収装置31
1で回収し、圧縮機32に供給する。
【0093】メタンを主成分とする天然ガスは、原料ガ
ス導入用流路201を通して加湿器39の頂部に供給さ
れる。この加湿器39の頂部に水を流路2022を通して
供給することにより、前記天然ガスを加湿する。すなわ
ち、前記天然ガスは前記加湿器39で流路2022から供
給される水と接触し、加湿された後、部分酸化炉33か
ら流路208を通して供給された高温の合成ガスと熱交
換されて加熱され、更に加湿される。
【0094】加湿された天然ガスは、流路2021を通し
て予備改質器38に供給される。この時、水蒸気(スチ
ーム)は流路2023を通して前記流路2021内を流通す
る天然ガスに供給され、不足した水蒸気量が補給され
る。前記二酸化炭素添加天然ガスに加湿による水蒸気お
よび流路2023からの水蒸気を添加する際、モル比で前
記天然ガス中のメタン(CH4):水蒸気(H2O)=
1:1.5〜1:3に設定することが好ましい。加湿さ
れ、さらに水蒸気が添加された天然ガスは、前記流路2
21内を流通し、前記改質器10の対流部13を通過す
る間に加熱(予備加熱)される。前記予備改質器38に
おいて、天然ガス中の主にエタンのようなC2以上の炭
化水素がC1のメタンやCO,H2に改質される。
【0095】予備改質された水蒸気添加天然ガスは、流
路2020を通して前記改質器10の反応管11に供給さ
れる。この時、前記圧縮機32で昇圧された二酸化炭素
は流路205を経由して前記流路2020内を流通する予
備改質された水蒸気添加天然ガスに所定量添加される。
前記天然ガスに二酸化炭素を添加する際、モル比で前記
天然ガス中のメタン(CH4):二酸化炭素(CO2)=
1:0.5〜1:2に設定することが好ましい。前記改
質器10の反応管11に供給されたメタン(CH4)を
主成分とする天然ガス、水蒸気および二酸化炭素は、そ
の反応管11内の触媒の存在下でメタンが主に水蒸気改
質され、前記式(1)、(2)に従って水素、一酸化炭
素および二酸化炭素を含む改質ガスに転換される。
【0096】なお、前記改質反応は吸熱反応であるた
め、前述したように改質器10の燃焼輻射部12で燃料
ガスと空気を燃焼させて前記反応管11内を加熱する。
【0097】得られた改質ガスは、流路206を経由し
て部分酸化炉33に導入され、ここで前記改質ガス中の
水素が酸素導入用流路207から導入された酸素により
燃焼される。この時、改質ガスがより高い温度に加熱さ
れるため、残留メタンが前記反応式(1)に従ってCO
とH2が生成される。また、前記部分酸化炉33におい
て改質ガス中の水素量が減少されるため、この部分酸化
炉33によりモル比でH2/COが1〜2.5の組成を
有する合成ガスが製造される。
【0098】前記部分酸化炉33で生成された合成ガス
は、流路208を通して熱交換器34に供給され、ここ
で流路209を流通するボイラ水を加熱し、高圧の水蒸
気を発生させるとともに、それ自体が冷却された後、前
記加湿器39に供給され前記二酸化炭素添加天然ガスの
加湿のための熱源として利用される。加湿器39から排
出された合成ガスは、第2の二酸化炭素回収装置312
に供給される。ここで、前記合成ガス中の二酸化炭素が
回収され、かつ同時に生成された水は流路20 13を通し
て系外に排出される。回収された二酸化炭素は、流路2
10を経由して前記圧縮機32に送られ、前記第1の二
酸化炭素回収装置311で回収された二酸化炭素ととも
に昇圧され、前記流路205を経由して前記流路2020
内の天然ガスに添加される。
【0099】二酸化炭素が除去された合成ガスは、前記
流路2011を経由して例えばコバルト触媒が充填された
フィッシャ・トロプシュ(FT)反応系35に供給さ
れ、ここで前記合成ガス中の水素と一酸化炭素が反応し
てガソリン、灯油および軽油が合成される。
【0100】以上、第5実施形態によれば前述した第1
実施形態と同様、H2/COのモル比が1〜2.5の合
成ガスを製造することができ、この合成ガスを例えばコ
バルト触媒が充填されたフィッシャ・トロプシュ(F
T)反応系35に供給し、前記合成ガス中の水素と一酸
化炭素を反応させることによって、ガソリン、灯油およ
び軽油を合成できる。
【0101】また、改質器10の上流側に予備改質器3
8を設け、ここで天然ガス中の主にエタンのようなC2
以上の炭化水素をC1(メタン)やCO,H2に予め改
質することによって、改質器10での熱負荷を軽減でき
る。その結果、前記改質器10の燃焼輻射部12への燃
料供給量を低減できるため、低コストで合成ガスを製造
することが可能になる。
【0102】さらに、改質器10の下流側に熱交換型加
湿器39を設け、ここで天然ガスを加湿することによっ
て、前記天然ガスに流路2023を通して供給する水蒸気
量を軽減できる。その結果、前記改質器10の反応管1
1に天然ガス等とともに供給する水蒸気量を低減できる
ため、低コストで合成ガスを製造することが可能にな
る。
【0103】なお、前記第3〜第5の実施形態において
第1,第2の二酸化炭素回収装置に代えて前述した第2
実施形態のように同一の二酸化炭素吸収液が収容された
第1,第2の二酸化炭素吸収塔と1つの吸収液再生装置
を用いて合成ガスを製造してもよい。
【0104】(第6実施形態)図6は、この第6実施形
態に係る合成ガスの製造に用いられるガソリン、灯油お
よび軽油の合成プラントの要部を示す概略図である。
【0105】改質器10は、水蒸気改質用反応管11
と、この反応管11の周囲に配置された燃焼輻射部12
と、この燃焼輻射部12に対流部(廃熱回収部)13を
介して連通された煙突14とを備えている。前記反応管
11内には、例えばニッケル系触媒が充填されている。
【0106】原料ガス導入用流路201は、前記改質器
10の対流部13を経由して前記反応管11の上端に接
続されている。この流路201には、脱硫器(図示せ
ず)を介装してもよい。水蒸気(スチーム)導入用流路
202は、前記対流部13の上流側に位置する原料ガス
導入用流路201に接続されている。燃料導入用流路2
3は、前記改質器10の燃焼輻射部12に接続されて
いる。
【0107】二酸化炭素回収装置31は、前記改質器1
0の対流部13に設けられ、前記対流部13の燃焼排ガ
ス中の二酸化炭素を回収する。この二酸化炭素回収装置
31は、流路204を経由して圧縮機32に接続されて
いる。この圧縮機32は、流路205を経由して前記改
質器10の上流側である前記原料ガス導入用流路201
に接続されている。
【0108】前記改質器10の反応管11は、その下端
が流路206を通して部分酸化炉33に接続されてい
る。酸素導入用流路207は、前記部分酸化炉33に接
続されている。前記部分酸化炉33は、流路208を通
して例えばコバルト系触媒が充填されたフィッシャ・ト
ロプシュ(FT)反応系35に接続されている。前記F
T反応系35は、パージガスを供給するためのパージガ
ス用流路2024を経由して前記改質器10の上流側であ
る前記原料ガス導入用流路201に接続されている。な
お、このFT反応系35に充填される触媒はコバルト系
触媒に限らず、例えば鉄系触媒を用いることができる。
熱交換器34は、前記流路208に介装されている。前
記熱交換器34は、流路209が交差され、この流路2
9を流通する例えばボイラ水を加熱して高圧の水蒸気
(スチーム)を発生する。なお、例えばボイラ水が流通
される流路2012は前記改質器10の対流部13に交差
してその対流部13の燃焼排ガスと前記ボイラ水とが熱
交換され、燃焼排ガスを冷却するとともにボイラ水自身
が加熱されて高圧の水蒸気(スチーム)が生成される。
【0109】次に、前述した図6に示す合成プラントを
参照して合成ガスの製造方法を説明する。
【0110】まず、燃焼用燃料は燃料導入用流路203
を通して改質器10の燃焼輻射部12に供給され、ここ
で空気とともに燃焼されて反応管11内を十分に高い温
度(例えば850〜900℃)に加熱する。この燃焼輻
射部12で発生した二酸化炭素を含む燃焼排ガスは、対
流部13を経由して煙突14に至る。前記燃焼排ガス
は、前記対流部13を通過する間に原料ガス導入用流路
201内を流通する天然ガス等や流路2012内を流通す
るボイラ水と熱交換されて冷却される。冷却された燃焼
排ガス中の二酸化炭素は、二酸化炭素回収装置31で回
収され、流路20 4を経由して圧縮機32に供給され
る。二酸化炭素が除去された冷却燃焼排ガスは、前記煙
突14から大気に放出される。
【0111】メタンを主成分とする天然ガスは、原料ガ
ス導入用流路201に供給される。この時、前記圧縮機
32で昇圧された二酸化炭素は流路205を経由して前
記天然ガスに所定量添加される。また、水蒸気(スチー
ム)は水蒸気導入用流路20 2を通して前記天然ガスに
所定量添加される。前記天然ガスに水蒸気および二酸化
炭素を添加する際、モル比で前記天然ガス中のメタン
(CH4):水蒸気(H2O)=1:1.5〜1:3、メ
タン(CH4):二酸化炭素(CO2)=1:0.5〜
1:2に設定することが好ましい。なお、この水蒸気は
熱交換器34でボイラ水を合成ガスと熱交換することに
より生成された水蒸気、および改質器10の対流部13
でボイラ水を燃焼排ガスと熱交換することにより生成さ
れた水蒸気が利用される。
【0112】二酸化炭素および水蒸気が添加された天然
ガスは、前記原料ガス導入用流路201内を流通し、前
記改質器10の対流部13を通過する間に加熱(予備加
熱)され、その後前記反応管11に供給される。前記改
質器10の反応管11に供給されたメタン(CH4)を
主成分とする天然ガス、水蒸気および二酸化炭素は、そ
の反応管11内の触媒の存在下でメタンが主に水蒸気改
質され、前記式(1)、(2)に従って水素、一酸化炭
素および二酸化炭素を含む改質ガスに転換される。
【0113】なお、前記改質反応は吸熱反応であるた
め、前述したように改質器10の燃焼輻射部12で燃料
ガスと空気を燃焼させて前記反応管11内を加熱する。
【0114】得られた改質ガスは、流路206を経由し
て部分酸化炉33に導入され、ここで前記改質ガス中の
水素が酸素導入用流路207から導入された酸素により
燃焼される。この時、改質ガスがより高い温度に加熱さ
れるため、残留メタンが前記反応式(1)に従ってCO
とH2が生成される。また、前記部分酸化炉33におい
て改質ガス中の水素量が減少されるため、この部分酸化
炉33によりモル比でH2/COが1〜2.5の組成を
有する合成ガスが製造される。
【0115】前記部分酸化炉33で生成された合成ガス
は、流路208を通して熱交換器34に供給され、ここ
で流路209を流通するボイラ水を加熱し、高圧の水蒸
気を発生させるとともに、それ自体が冷却された後、例
えばコバルト触媒が充填されたフィッシャ・トロプシュ
(FT)反応系35に供給され、ここで前記合成ガス中
の水素と一酸化炭素が反応してガソリン、灯油および軽
油が合成される。
【0116】また、この合成反応において二酸化炭素お
よび未反応の天然ガスなどを含むパージガスが発生す
る。このパージガスは、流路2024を経由して前記原料
ガス導入用流路201内の天然ガスに二酸化炭素源とし
て添加される。
【0117】以上、第6実施形態によれば改質器10を
反応管11と燃料を空気で燃焼して前記反応管11を加
熱する燃焼輻射部12とを備えた構造にし、水蒸気が添
加された天然ガスを原料ガス導入用流路201を通して
前記反応管11に供給する際、前記燃焼輻射部12によ
り前記反応管11内を十分に高い温度(例えば850〜
900℃)に加熱することによって、天然ガス中の主に
メタンと水蒸気とを効率よく反応させてCOとH2を含
む改質ガスを得ることができる。この際、前記燃焼輻射
部12から排出される燃焼排ガスを冷却し、この燃焼排
ガス中の二酸化炭素を二酸化炭素回収装置31で回収
し、圧縮機32で昇圧し、流路205を経由して前記原
料ガス導入用流路201内の天然ガスに添加する。ま
た、フィッシャ・トロプシュ反応系35で発生した二酸
化炭素を含むパージガスを流路2024を経由して前記原
料ガス導入用流路201内の天然ガスに添加する。この
ように水蒸気添加天然ガスに二酸化炭素を供給すること
によって、前記反応管11において二酸化炭素と水蒸気
の反応によりCOとH2を生成できるとともに、酸素源
を改質ガスに導入することができる。その結果、生成し
た改質ガスを部分酸化炉33に導入し、ここで前記改質
ガス中の水素を外部から供給した酸素で燃焼させる際、
少ない酸素供給量で改質ガス中の水素量を低減できるた
め、H2/COのモル比が1〜2.5の合成ガスを製造
することができる。また、前記部分酸化炉33により残
留メタンをCOとH2とに効率よく改質できる。このよ
うなH2/COのモル比を有する合成ガスは、例えばコ
バルト触媒が充填されたフィッシャ・トロプシュ(F
T)反応系35に供給し、前記合成ガス中の水素と一酸
化炭素を反応させることによって、ガソリン、灯油およ
び軽油を合成できる。
【0118】したがって、水蒸気、二酸化炭素が添加さ
れた天然ガスを改質器に供給し、この改質器からの改質
ガスを部分酸化炉に導入し、ここに酸素を供給して改質
ガス中の水素を燃焼させてフィッシャ・トロプシュ反応
系でガソリン、灯油および軽油を合成するのに適したH
2/COのモル比を有する合成ガスを製造する際、前記
部分酸化炉への酸素供給量を低減して、酸素を生産する
ための酸素プラントを小型化できるとともに、酸素生産
に伴うコスト上昇を抑制することができる。
【0119】また、フィッシャ・トロプシュ反応系を含
む合成ガスの製造プラント(改質器)で発生した二酸化
炭素を回収し、かつ合成ガス中の二酸化炭素を回収し、
これらの二酸化炭素を前記改質器上流側の天然ガスに供
給することによって、改質ガスの原料ガスとして利用で
きるとともに、地球の温暖化の原因になる二酸化炭素を
製造プラント外部に排出するのを低減することができ
る。
【0120】さらに、フィッシャ・トロプシュ反応系3
5で発生した二酸化炭素を含むパージガスを二酸化炭素
源として天然ガスに供給添加することによって、前述し
た第1〜第5の実施形態のように合成ガス中の二酸化炭
素を回収するための二酸化炭素回収装置を別途設けるこ
とが不要になるので、安価なプラントで前述した合成ガ
スの製造、ガソリン、灯油および軽油の合成が可能にな
る。
【0121】(実施例5)この実施例5では、前述した
第6実施形態の合成ガスの製造を図6に示す合成プラン
トを参照してより具体的に説明する。
【0122】燃料(天然ガス)を改質器10の燃焼輻射
部12に550kgmol/hrの条件で供給して前記
燃焼輻射部12で空気とともに燃焼させた。また、天然
ガス、水蒸気(スチーム)および二酸化炭素(前記改質
器10の燃焼排ガスから回収した二酸化炭素およびフィ
ッシャ・トロプシュ反応系35で発生したパージガス)
を下記表5に示す条件で原料ガス導入用流路201に供
給し、改質器10の反応管11で水蒸気改質し、さらに
この改質ガスを部分酸化炉33に導入し、この部分酸化
炉33に酸素導入用流路207を通して酸素を下記表5
に示す条件で供給することによって合成ガスを製造し
た。得られた合成ガスの組成を同表5に示す。
【0123】なお、表5の項目(A)は原料ガス導入用
流路201に供給される天然ガス、項目(B)は原料ガ
ス導入用流路201に供給される水蒸気(スチーム)、
項目(C)は原料ガス導入用流路201に圧縮機32で
昇圧して供給される二酸化炭素回収装置31で回収した
二酸化炭素、項目(D)はフィッシャ・トロプシュ反応
系35で発生したパージガス、項目(E)は部分酸化炉
33に供給される酸素、項目(F)は改質器10で製造
され、熱交換器34を通してフィッシャ・トロプシュ反
応系35に供給される合成ガス、を表す。なお、これら
の項目(A)〜(F)は図6に付記する。
【0124】
【表5】
【0125】前記表5から明らかなように水蒸気が添加
された天然ガスに二酸化炭素回収装置31で回収した二
酸化炭素を供給し、かつフィッシャ・トロプシュ反応系
35で発生した二酸化炭素を含むパージガスを供給し、
これらのガスを所定の温度に加熱された改質器10の反
応管11で改質させ、さらに改質ガスを部分酸化炉33
に導入する際、部分酸化炉33への酸素供給量を213
kgmol/hrとした条件に設定することによって、
2/COのモル比が約2の合成ガスを製造できること
がわかる。このような酸素供給量は、従来技術の特開平
6−184559号公報に記載された図3,図4に示す
合成ガスの製造方法のほぼ半分に相当し、部分酸化炉へ
の酸素供給量を著しく低減できる。
【0126】(第7実施形態)図7は、この第7実施形
態に係る合成ガスの製造に用いられるガソリン、灯油お
よび軽油の合成プラントの要部を示す概略図である。な
お、図7において前述した図6と同様な部材は同符号を
付して説明を省略する。
【0127】この合成プラントは、改質器10の下流側
の熱交換器34とフィッシャ・トロプシュ反応系35の
間に位置する流路208に熱交換型加湿器39が介装さ
れている。原料ガス導入用流路201は、前記加湿器3
9の頂部に接続されている。前記加湿器39は、流路2
21を通して前記改質器10の上流側に位置する予備改
質器38の頂部に接続されている。この予備改質器38
は、流路2020を通して前記改質器10の反応管11の
上端に接続されている。前記流路2020は、前記改質器
10の対流部13を経由して前記反応管11に接続され
ている。圧縮機32は、流路205を経由して前記予備
改質器38と前記改質器10とを接続する前記流路20
20に接続されている。FT反応系35は、パージガスを
供給するための流路2024を経由して前記原料ガス導入
用流路201に接続されている。
【0128】次に、前述した図7に示す合成プラントを
参照して合成ガスの製造方法を説明する。
【0129】まず、前述した実施形態6と同様に燃焼用
燃料を改質器10の燃焼輻射部12に供給して反応管1
1を所定の温度に加熱し、この燃焼輻射部12で発生
し、冷却された燃焼排ガス中の二酸化炭素を二酸化炭素
回収装置31で回収し、圧縮機32に供給する。
【0130】メタンを主成分とする天然ガスは、原料ガ
ス導入用流路201を通して加湿器39の頂部に供給さ
れる。この加湿器39の頂部に水を流路2022を通して
供給することにより、前記天然ガスを加湿する。すなわ
ち、前記天然ガスは前記加湿器39で流路2022から供
給される水と接触し、加湿された後、部分酸化炉33か
ら流路208を通して供給された高温の合成ガスと熱交
換されて加熱され、更に加湿される。
【0131】加湿された天然ガスは、流路2021を通し
て予備改質器38に供給される。この時、水蒸気(スチ
ーム)は流路2023を通して前記流路2021内を流通す
る天然ガスに供給され、不足した水蒸気量が補給され
る。前記二酸化炭素添加天然ガスに加湿による水蒸気お
よび流路2023からの水蒸気を添加する際、モル比で前
記天然ガス中のメタン(CH4):水蒸気(H2O)=
1:1.5〜1:3に設定することが好ましい。加湿さ
れ、さらに水蒸気が添加された天然ガスは、前記流路2
21内を流通し、前記改質器10の対流部13を通過す
る間に加熱(予備加熱)される。前記予備改質器38に
おいて、天然ガス中の主にエタンのようなC2以上の炭
化水素および後述するフィッシャ・トロプシュ反応系3
5から供給されたパージガス中のC2以上の炭化水素が
C1のメタンやCO,H2に改質される。
【0132】予備改質された水蒸気添加天然ガスは、流
路2020を通して前記改質器10の反応管11に供給さ
れる。この時、前記圧縮機32で昇圧された二酸化炭素
は流路205を経由して前記流路2020内を流通する予
備改質された水蒸気添加天然ガスに所定量添加される。
前記改質器10の反応管11に供給されたメタン(CH
4)を主成分とする天然ガス、水蒸気および二酸化炭素
は、その反応管11内の触媒の存在下でメタンが主に水
蒸気改質され、前記式(1)、(2)に従って水素、一
酸化炭素および二酸化炭素を含む改質ガスに転換され
る。
【0133】なお、前記改質反応は吸熱反応であるた
め、前述したように改質器10の燃焼輻射部12で燃料
ガスと空気を燃焼させて前記反応管11内を加熱する。
【0134】得られた改質ガスは、流路206を経由し
て部分酸化炉33に導入され、ここで前記改質ガス中の
水素が酸素導入用流路207から導入された酸素により
燃焼される。この時、改質ガスがより高い温度に加熱さ
れるため、残留メタンが前記反応式(1)に従ってCO
とH2が生成される。また、前記部分酸化炉33におい
て改質ガス中の水素量が減少されるため、この部分酸化
炉33によりモル比でH2/COが1〜2.5の組成を
有する合成ガスが製造される。
【0135】前記部分酸化炉33で生成された合成ガス
は、流路208を通して熱交換器34に供給され、ここ
で流路209を流通するボイラ水を加熱し、高圧の水蒸
気を発生させるとともに、それ自体が冷却された後、前
記加湿器39に供給され前記二酸化炭素添加天然ガスの
加湿のための熱源として利用される。加湿器39から排
出された合成ガスは、例えばコバルト触媒が充填された
フィッシャ・トロプシュ(FT)反応系35に供給さ
れ、ここで前記合成ガス中の水素と一酸化炭素が反応し
てガソリン、灯油および軽油が合成される。また、この
合成反応において二酸化炭素および未反応の天然ガスな
どを含むパージガスが発生する。このパージガスは、流
路2024を経由して前記原料ガス導入用流路201内の
天然ガスに二酸化炭素源として添加される。なお、パー
ジガス中のC2以上の炭化水素は、前記予備改質器38
でC1のメタンやCO,H2に改質される。
【0136】以上、第7実施形態によれば前述した第6
実施形態と同様、H2/COのモル比が1〜2.5の合
成ガスを製造することができ、この合成ガスを例えばコ
バルト触媒が充填されたフィッシャ・トロプシュ(F
T)反応系35に供給し、前記合成ガス中の水素と一酸
化炭素を反応させることによって、ガソリン、灯油およ
び軽油を合成できる。
【0137】また、フィッシャ・トロプシュ反応系35で
発生した二酸化炭素を含むパージガスを二酸化炭素源と
して天然ガスに供給添加することによって、前述した第
1〜第5の実施形態のように合成ガス中の二酸化炭素を
回収するための二酸化炭素回収装置を別途設けることが
不要になるので、安価なプラントで前述した合成ガスの
製造、ガソリン、灯油および軽油の合成が可能になる。
【0138】さらに、改質器10の上流側に予備改質器
38を設け、ここで天然ガス中およびパージガス中のエ
タンのようなC2以上の炭化水素をC1(メタン)やC
O,H2に予め改質することによって、改質器10での
熱負荷を軽減できる。その結果、前記改質器10の燃焼
輻射部12への燃料供給量を低減できるため、少ない燃
料で合成ガスを製造することが可能になる。
【0139】さらに、改質器10の下流側に熱交換型加
湿器39を設け、ここで天然ガスを加湿することによっ
て、流路2023を通して前記天然ガスに供給する水蒸気
量を軽減できる。その結果、前記改質器10の反応管1
1に天然ガス等とともに供給する水蒸気量を低減できる
ため、低コストで合成ガスを製造することが可能にな
る。
【0140】なお、前記第7実施形態において加湿器ま
たは予備改質器を省略してもよい。前者の場合(加湿器
の省略)は、天然ガスが流通する原料ガス導入用流路2
1に水蒸気を供給し、水蒸気が添加された天然ガスを
前記原料ガス導入用流路20 1を通して予備改質器38
に直接供給する。後者の場合(予備改質器の省略)は、
天然ガスが流通する原料ガス導入用流路201に二酸化
炭素回収装置31で回収し、圧縮機32で昇圧した二酸
化炭素を供給し、二酸化炭素が添加された天然ガスを前
記原料ガス導入用流路201を通して加湿器39に供給
して加湿する。ただし、いずれの方法でもフィッシャ・
トロプシュ反応系35で発生した二酸化炭素を含むパー
ジガスを二酸化炭素源として天然ガスが流通する原料ガ
ス導入用流路201に供給する。
【0141】また、前記第1〜第7の実施形態では部分
酸化炉に改質ガスと酸素を供給したが、前記酸素の代わ
りに酸素に二酸化炭素を添加混合したガスを用いてもよ
い。この時、二酸化炭素は酸素に対して10〜300体
積%添加することが好ましい。このような酸素に二酸化
炭素を添加混合したガスを用ることによって、前記部分
酸化炉での改質ガス中の水素と酸素とを緩慢に反応させ
て爆発の危険性を回避できる。
【0142】さらに、前記第1〜第7の実施形態におい
て前記部分酸化炉に水蒸気を添加してもよい。このよう
に水蒸気を添加することにより部分酸化炉内で遊離炭素
の発生を抑制ないし防止することができる。
【0143】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、水
蒸気、二酸化炭素が添加された天然ガスを改質器に供給
し、この改質器からの改質ガスを部分酸化炉に導入し、
ここに酸素を供給して改質ガス中の水素を燃焼させてフ
ィッシャ・トロプシュ反応系でガソリン、灯油および軽
油を合成するのに適したH2/COのモル比を有する合
成ガスを製造する際、前記部分酸化炉への酸素供給量を
低減して、酸素を生産するための酸素プラントを小型化
することが可能なガソリン、灯油および軽油合成用合成
ガスの製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に用いられるガソリン、
灯油および軽油の合成プラントにおける合成ガス製造の
要部を示す概略図。
【図2】本発明の第2実施形態に用いられるガソリン、
灯油および軽油の合成プラントにおける合成ガス製造の
要部を示す概略図。
【図3】本発明の第3実施形態に用いられるガソリン、
灯油および軽油の合成プラントにおける合成ガス製造の
要部を示す概略図。
【図4】本発明の第4実施形態に用いられるガソリン、
灯油および軽油の合成プラントにおける合成ガス製造の
要部を示す概略図。
【図5】本発明の第5実施形態に用いられるガソリン、
灯油および軽油の合成プラントにおける合成ガス製造の
要部を示す概略図。
【図6】本発明の第6実施形態に用いられるガソリン、
灯油および軽油の合成プラントにおける合成ガス製造の
要部を示す概略図。
【図7】本発明の第7実施形態に用いられるガソリン、
灯油および軽油の合成プラントにおける合成ガス製造の
要部を示す概略図。
【符号の説明】
10…改質器、 11…反応管、 12…燃焼輻射部、 13…対流部、 201…原料ガス導入用流路、 203…燃料導入用流路、 2024…パージガス用流路、 31,311,312…二酸化炭素回収装置、 33…部分酸化炉、 35…フィッシャ・トロプシュ(FT)反応系、 361,362…二酸化炭素吸収塔、 37…吸収液再生装置、 38…予備改質器 39…熱交換型加湿器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 守田 和裕 東京都千代田区丸の内二丁目5番1号 三 菱重工業株式会社内 Fターム(参考) 4G040 EA03 EA05 EA06 EB33 FA02 FB04 FC04 FE03 4H060 AA01 BB07 BB08 BB23 CC18 DD02 FF04 GG08

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィッシャ・トロプシュ反応系でガソリ
    ン、灯油および軽油を合成するために用いられるCOと
    2を含む合成ガスを製造するにあたり、 燃料を燃焼させる燃焼輻射部を有し、この燃焼輻射部に
    より加熱される改質器に蒸気が添加された天然ガスを供
    給するとともに、前記燃焼輻射部で発生した燃焼排ガス
    から二酸化炭素を回収し、この二酸化炭素を前記改質器
    の上流側に供給して天然ガスの改質反応を行い、さらに
    この改質器からの改質ガスを部分酸化炉に導入するとと
    もに酸素を前記部分酸化炉に供給し、前記改質ガスと前
    記酸素とを反応させてCOとH2を含み、かつH2/CO
    のモル比が1〜2.5の合成ガスを製造することを特徴
    とするガソリン、灯油および軽油合成用合成ガスの製造
    方法。
  2. 【請求項2】 前記部分酸化炉で製造した合成ガス中の
    二酸化炭素を回収し、前記改質器の上流側に循環させる
    ことを特徴とする請求項1記載のガソリン、灯油および
    軽油合成用合成ガスの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記改質器の燃焼輻射部から排出された
    燃焼排ガス中の二酸化炭素の回収プロセスと、前記合成
    ガス中の二酸化炭素の回収プロセスとを同一の吸収液を
    用いて行うことを特徴とする請求項2記載のガソリン、
    灯油および軽油合成用合成ガスの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記部分酸化炉を通して製造した合成ガ
    スをフィッシャ・トロプシュ反応系でガソリン、灯油お
    よび軽油を合成する際、前記反応系中で生成された二酸
    化炭素を含むパージガスを前記改質器の上流側に循環さ
    せることを特徴とする請求項1記載のガソリン、灯油お
    よび軽油合成用合成ガスの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記改質器の上流側に予備改質器を配置
    し、蒸気が添加された前記天然ガスを前記予備改質器を
    経由して前記改質器に供給するとともに、前記燃焼排ガ
    スから回収した二酸化炭素を前記改質器と前記予備改質
    器の間の流路に供給することを特徴とする請求項1ない
    し4いずれか記載のガソリン、灯油および軽油合成用合
    成ガスの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記天然ガスへの蒸気の添加工程は、前
    記改質器の後段に加湿器を配置し、前記改質器からの合
    成ガスを前記加湿器に導入してその廃熱により加湿器を
    加熱するとともに、前記天然ガスおよび水を加熱された
    前記加湿器に供給し、ここで前記天然ガスに蒸気を添加
    することによりなされることを特徴とする請求項1ない
    し5いずれか記載のガソリン、灯油および軽油合成用合
    成ガスの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記部分酸化炉に二酸化炭素が添加され
    た酸素を供給することを特徴とする請求項1ないし6い
    ずれか記載のガソリン、灯油および軽油合成用合成ガス
    の製造方法。
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