JP2002060744A - 有機エレクトロルミネッセンス素子材料、それを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子及びその製造方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子材料、それを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子及びその製造方法

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JP2002060744A
JP2002060744A JP2000250243A JP2000250243A JP2002060744A JP 2002060744 A JP2002060744 A JP 2002060744A JP 2000250243 A JP2000250243 A JP 2000250243A JP 2000250243 A JP2000250243 A JP 2000250243A JP 2002060744 A JP2002060744 A JP 2002060744A
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organic
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Naoya Ogata
直哉 緒方
Yutaka Kawabe
豊 川辺
Tamami Koyama
珠美 小山
Katsumi Murofushi
克己 室伏
Kiichi Hosoda
喜一 細田
Naoko Ito
直子 伊藤
Hiroo Shirane
浩朗 白根
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Showa Denko KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】様々な機能分子(色素、キャリヤ輸送性分子
等)を容易に組み込むことができ、かつ発光効率等の性
能を向上させることが出来る有機エレクトロルミネッセ
ンス素子に用いられる新規基本材料を提供すること。 【解決手段】DNA或いは、DNA誘導体を含む層を積
層することにより、種々の機能を有し、かつ、高い発光
効率を示す有機エレクトロルミネッセンス素子が得られ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は有機物質の電界発光
現象を利用した有機エレクトロルミネッセンス素子材
料、それを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子お
よびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】AV機器、コンピュータ、携帯電話など
に用いられる表示デバイスの重要性は、今後これまでに
なく増してゆくと考えられが、その流れは大きく二つに
分けられる。即ち、第一は大画面、高品位化への指向、
第二はパーソナルユーズへの指向である。特にパーソナ
ルユーズへの指向は今後爆発的に伸びると予測されてお
り、この場合は、コンパクトで軽いということが不可欠
である。この条件を満足する表示デバイスとして液晶デ
バイス、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)素
子などの技術があげられる。液晶デバイスの場合には光
線利用率が低くなるというデバイスの構造上の限界が指
摘されており、次世代デバイスとしては発光効率の高い
有機EL素子が注目を集めている。しかしながら、有機
EL素子の技術に関しても、寿命や効率のさらなる向
上、より鮮やかな色調、真空系を使わないファブリケイ
ションプロセスなど、改良すべき点も多く、新たな素材
や色素の研究開発が今後ますます必要になっていくと考
えられる。
【0003】有機EL素子の発光材料は大別すると低分
子の色素分子から成るものと、共役構造を有する導電性
高分子から成るものとがある。
【0004】有機EL素子に電界が印加されると陽極か
らはホール(正孔)が注入され、陰極からは電子が注入
される。有機EL素子は、この電子とホールが発光層に
おいて再結合する際に放出されるエネルギーによって分
子励起子が形成され、それが基底状態に戻るときに放出
される蛍光を利用したものである。現象の素過程は理論
的に十分に解明されたとはいえないものの、こうした両
電極からの正負のキャリアの注入、有機薄膜中のキャリ
アの移動と再結合、一重項励起状態の生成、発光へと至
る一連の過程は、有機EL素子の基本的な発光機構とし
て広くその妥当性が認められており、その機構を応用し
た有機EL素子は工業的にほぼ実用レベルに達してい
る。
【0005】今後の展開としては、更なる高機能化を図
るために、有機EL素子の各層間で進行している反応機
構の解明と理論に基づく改良を加えることが必要になっ
てきている。
【0006】基本的な有機EL素子は、(透明)基板、
陽極、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、陰極が順次
積層された構造を有している。ただし、各機能を果たす
層が一層とは限らず、複数であったり、省略されたりす
る場合もある。また、二つ以上の層の機能を一つの層で
カバーしている場合もある。さらに、別の機能を有する
層を含んでいる場合もある。
【0007】素子基板としては、現在最も一般的に用い
られている石英ガラス基板の他、ポリエチレンテレフタ
レートのようなポリマーを用いたフレキシブルな基板も
検討されている。
【0008】陽極材料としては、仕事関数の大きな(概
ね4.0eV以上)金属や電気伝導材料が用いられ、一
般には、酸化インジウムスズ(ITO)が用いられるこ
とが多い。
【0009】ホール輸送層の材料としては、例えば下記
(a)式で示されるN,N'−ジフェニル−N,N'−
(3−メチルフェニル)―1,1'―ビフェニル− 4,
4'−ジアミン(以下、TPD)、下記(b)式で示さ
れるN,N'―ジフェニル−N,N'―(1−ナフチル)
―1,1'―ビフェニル−4,4'―ジアミン(以下、N
PD)等のジアミン誘導体が用いられる。
【0010】
【化1】
【化2】 発光層の材料として例えば、下記(c)式で示されるト
リス(8−キノリノール)アルミニウム(以下、Alq
3と略称する)が、よく用いられている。
【0011】
【化3】 電子輸送層の材料として例えば、上記Alq3を含む金
属キレート化合物、またはベンゾオキサゾールまたはベ
ンゾチアゾールなどが用いられる。
【0012】陰極材料としては、例えば、マグネシウ
ム、またはマグネシウムと銀との合金、またはアルミニ
ウムとリチウムの合金が用いられている。
【0013】有機EL素子の技術革新は、既述のように
高性能化、多色化、高発光効率化、長寿命化、安定性の
向上といった方向に進んでおり、素子基板の組成も含
め、材料合成とデバイス物理の両方の観点から検討され
ている。例えば、素子の発光の高効率化や素子の安定駆
動および寿命の向上、或いは発光波長を変えたりするた
めに、発光層に色素をドープ、分散したり、或いはブロ
ック層を設けるといった工夫がなされている。
【0014】この場合のドーピング材料としては、例え
ば、下記(d)式で表される4−(ジシアノメチレン)
−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)4
H−ピラン(DMC)、または下記(e)式で示される
ルブレンが用いられる。
【0015】
【化4】
【化5】 また、有機EL素子を構成する新しい材料として、低分
子材料よりも機械的強度が高く、耐熱性及び基材への付
着性に優れているポリマーを用いることが研究されてい
る。下記(f)式で示されるポリビニルカルバゾール
(以下、PVKと略称する。)をホール輸送層の構成材
料として用いた有機EL素子では電極からPVKの層へ
電荷が注入されるのに伴って、PVKから青色発光が生
じることが確認されている。この為、このポリマーを、
発光層を構成する発光材料として用いることも検討され
ている。
【0016】
【化6】 有機EL材料として用いる導電性高分子にはポリ(フェ
ニレンビニレン)、ポリ(3−アルキルチオフェン)、
ポリ(9,9−ジアルキルフルオレン)、ポリパラフェ
ニレンなどが知られている。その後も更に側鎖を工夫す
ることにより、溶媒に可溶で発光効率が高く製膜性の良
い有機EL素子材料に適した多くの導電性高分子が研究
開発されている。
【0017】有機EL素子に使用される発光材料として
低分子の有機色素や、金属錯体をポリマーマトリクス中
に有機溶媒を用いて分散するいわゆる分子分散ポリマー
がある。この分子分散ポリマーでは分散された有機色素
や金属錯体間の分子間力が抑えられるため、薄膜積層型
有機EL素子のホール輸送層からの熱や湿度による有機
色素、金属錯体の再結晶化を防ぐ上で有効である。この
分子分散ポリマー系では、何種類もの低分子材料を分散
できる為、発光の多色化が容易で、白色発光も得られ
る。また、分子分散ポリマーは製作工程が単純で、低コ
ストで生産できる。しかしながら分子分散ポリマー型有
機EL素子は、一般に素子全体で発光するため、その発
光効率を向上させるためには、発光層へのキャリアの注
入効率を低減せず、注入された電子とホールの両キャリ
ア、さらには生成した励起子の閉じ込めを有効に行う必
要がある。したがって、分子分散ポリマー型有機EL素
子の発光効率を増大させるには高い蛍光量子収率を持つ
有機色素や金属錯体などの低分子分散材料の合成、さら
には電子或いはホールに対するブロック層の設置とその
材料の合成・探索が重要である。
【0018】製法プロセスに関しては、真空系を使わな
いファブリケイションプロセスが望まれており、この点
でも今後更なる改良が加わっていくものと思われる。
【0019】有機EL素子では、こうした相当数の検討
が加わることで、低電圧で発光し、薄型で柔軟、且つコ
ントラストや視野角の点で優れた素子の実現が期待され
ているが、実用上の問題点は多々残されている。
【0020】例えば、C.W.Tang、S.A.Va
n Slyke及びC.H.ChenによりJ.App
l.Phys.65,3610(1989)に記載され
ている有機EL素子は可視スペクトルの全ての部分にお
ける発光バンドを有することが示されている。このよう
な有機EL素子は多色またはRGB発光ディスプレイに
適用でき、さらに、単純で一様な光、文字と数字および
ドットマトリクスによるディスプレイ、高解像度ディス
プレイへ使用することが出来る。ただし、所望の多色効
果を達成する為には、異なる発光バンドを有する画素を
基体上で互いに隣接させて処理製造しなくては成らな
い。これにはパターン化工程が必要であるが、この工程
は現時点では実験室規模に於いてさえも実施するのが極
めて困難である。
【0021】表示デバイスに多色効果を発現させるため
には異なる色ごとに有機EL素子を配置するパターン化
の必要性とその困難なことは上記で述べたが、さらに、
異なる色を発光する隣接した有機EL素子間でクロスト
ークが生じるという問題点もある。
【0022】多色発光及び/または異なるパターン化と
いう複雑性を有する有機EL発光デバイスを、発光層と
電極と付加層(ホール、電子輸送層など)を基板上へ順
次付着して製造する場合、全ての画素についての全ての
加工工程(発光層、輸送層、電極、ブロック層、パター
ン(レジスト)などの付着)及び用いる色並びに形状の
パターンが、決定的な欠陥を有していない必要がある。
最終的な表示デバイスについて経済的に許容されうる製
造歩留まり及びコストを得るためには、それぞれの加工
工程の歩留まりは高いものでなくてはならない。また最
終製品であるディスプレイの仕様変更、例えばディスプ
レイにおける色またはパターンの一つの変更は必然的に
コストがかさみ重大なものとなる。
【0023】更に有機EL素子を構成する層の一つにつ
いての熱処理は、既に基板上に作製された層、発光パタ
ーン、基体自体と適合性が乏しいばかりか、適合性が全
くないこともある。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記の従来
技術の問題点を未然に回避、もしくは少なくとも低減化
することができる有機EL素子の新規の基本材料および
その製造方法を提供することを課題とする。即ち、今後
登場してくると考えられる様々な機能分子(色素、キャ
リヤ輸送性分子等)を容易に有機EL素子に組み込むこ
とができ、且つ発光効率等の諸性能を向上させることが
出来る有機EL素子の新規の基本材料及び素子構造を提
供することを課題とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明は核酸、核酸誘導
体、DNA、DNA誘導体の中から選択された少なくと
も1種を含む層(以降DNA層と称する)と接触する2
つの層(本発明では陽極側で接触する層を正の接触層、
陰極側で接触する層を負の接触層、正負を区別する必要
のないとき単に接触層と称する。)間に電圧をかける事
により、DNA層に電荷キャリアが注入され、DNA層
或いはその接触層から発光することを特徴とする有機E
L素子材料及び有機EL素子に関する。即ち、本発明
は、以下の(1)〜(24)に示される有機EL素子材
料、有機EL素子およびその製造方法に関するものであ
る。
【0026】(1)核酸および/または核酸誘導体を少
なくとも1種以上含むことを特徴とする有機エレクトロ
ルミネッセンス素子材料。 (2)DNAおよび/またはDNA誘導体を少なくとも
1種以上含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッ
センス素子材料。 (3)機能分子が挿入または結合された、DNAおよび
/またはDNA誘導体を少なくとも1種以上含むことを
特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子材料。 (4)リン酸基部分が第四級アンモニウム塩であるDN
A誘導体を含むことを特徴とする(2)または(3)に
記載の有機エレクトロルミネッセンス素子材料。 (5)機能分子が色素またはキャリア輸送性分子である
ことを特徴とする(3)または(4)に記載の有機エレ
クトロルミネッセンス素子材料。 (6)核酸および/または核酸誘導体を少なくとも1種
以上含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセン
ス素子。 (7)DNAおよび/またはDNA誘導体を少なくとも
1種以上含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッ
センス素子。 (8)機能分子が挿入または結合された、DNAおよび
/またはDNA誘導体を少なくとも1種以上含むことを
特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。 (9)リン酸基部分が第四級アンモニウム塩であるDN
A誘導体を含むことを特徴とする(7)または(8)に
記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。 (10)機能分子が色素またはキャリア輸送性分子であ
ることを特徴とする(8)または(9)に記載の有機エ
レクトロルミネッセンス素子。 (11)(1)〜(5)のいずれかに記載の有機エレク
トロルミネッセンス素子材料を含む薄膜層を積層してい
ることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素
子。 (12)薄膜層の厚さが5nmから15μmである(1
1)に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。 (13)少なくとも、陽極、(11)または(12)に
記載の薄膜層、および陰極で構成された有機エレクトロ
ルミネッセンス素子。 (14)少なくとも、陽極、(11)または(12)に
記載の薄膜層、発光層、および陰極で構成された有機エ
レクトロルミネッセンス素子。 (15)少なくとも、陽極、ホール輸送層、(11)ま
たは(12)に記載の薄膜層、発光層、電子輸送層、お
よび陰極で構成された有機エレクトロルミネッセンス素
子。 (16)少なくとも、陽極、ホール輸送層、(11)ま
たは(12)に記載の薄膜層、発光層、および陰極で構
成された有機エレクトロルミネッセンス素子。 (17)少なくとも、陽極、(11)または(12)に
記載の薄膜層、発光層、電子輸送層、および陰極で構成
された有機エレクトロルミネッセンス素子。 (18)発光層と薄膜層が接触していることを特徴とす
る(11)〜(17)のいずれかに記載の有機エレクト
ロルミネッセンス素子。 (19)薄膜層が発光することを特徴とする(11)〜
(18)のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセ
ンス素子。 (20)支持基板がガラスまたは合成高分子からなるこ
とを特徴とする(6)〜(19)のいずれかに記載の有
機エレクトロルミネセンス素子。 (21)DNAおよび/またはDNA誘導体を含む薄膜
層を溶液加工により下層に付与する工程を有することを
特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方
法。 (22)DNAおよび/またはDNA誘導体を含む薄膜
層を溶融加工により下層に付与する工程を有することを
特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方
法。 (23)機能分子が挿入または結合されたDNAおよび
/またはDNA誘導体を含む薄膜層を溶液加工により下
層に付与する工程を有することを特徴とする有機エレク
トロルミネッセンス素子の製造方法。 (24)機能分子が挿入または結合されたDNAおよび
/またはDNA誘導体を含む薄膜層を溶融加工により下
層に付与する工程を有することを特徴とする有機エレク
トロルミネッセンス素子の製造方法。
【0027】
【発明の実施の形態】図1は本発明の有機EL素子構成
の一例を示す断面図であり、透明基板1上に陽極2、ホ
ール輸送層3、DNA層4、発光層5、陰極6を順次設
けたものである。また、本発明の有機EL素子構成は図
1の例のみに限定されず、陽極と陰極の間に順次、ホー
ル輸送層/DNA層/発光層/電子輸送層を設けたも
の、更にはDNA層/発光層/電子輸送層、ホール輸送
層/発光層/DNA層/電子輸送層、発光層/DNA層
/電子輸送層、ホール輸送層/発光層/DNA層、ホー
ル輸送層/DNA層/電子輸送層、DNA層/発光層、
発光層/DNA層、ホール輸送層/DNA層、DNA層
/電子輸送層のいずれでもよく、或いはDNA層(発光
材料を含む)のみを設けるだけでもよい。また、DNA
(その誘導体を含む)と発光材料、電子輸送材料、ホー
ル輸送材料がそれぞれ別の層を形成するのではなく、複
数の材料を含むいくつかの層から形成されてもよい。な
お、図1に示した各層は1層であるが、同じ機能の層が
2つ以上積層されていてもよい。
【0028】以後、本発明を実施形態に沿って説明す
る。基板1上に陽極2が接触している構成(図1)を想
定するが、陰極が基板上に接触していても構わない。こ
の場合、各層の積層順が逆になる。
【0029】本発明の基礎となるメカニズムは、以下の
通りである。即ち、DNA層の正の接触層(通常はホー
ル輸送層、ホール輸送層を設けない場合は陽極が該当す
る)はDNA層に正の電荷キャリヤ(ホール)を注入
し、DNA層の負の接触層(一般には発光層、または電
子輸送層、それらを設けない時は陰極が該当する)はD
NA層に負の電荷キャリヤ(電子)を注入する。これら
の電荷キャリヤは、結合して放射(発光)しながら崩壊
する電荷対を形成する。これを達成するために、正の接
触層は高い仕事関数を有するように、また負の接触層は
低い仕事関数を有するように選択するのが望ましい。従
って、負の接触層は回路を介して外部電位を印加するこ
とによってDNA層に対して負にされた時に、DNA層
に電子を注入する事が出来る金属(陰極材料)、発光層
または電子輸送層材料から選定される。正の接触層は回
路を介して外部電位を印加することによってDNA層に
対して正にされたときに、DNA層にホールを注入する
事が出来る金属(陽極材料)またはホール輸送層材料か
ら選定される。
【0030】本発明のDNA層に含まれるDNAまたは
DNA誘導体に必要とされる特性は、非局在化したπ電
子系による半導体特性、DNAの特徴的構造である螺旋
の間隙に様々な疎水性低分子をインターカレーションす
る能力、DNAのリン酸基部分に様々な低分子をイオン
結合する性質、およびDNA(誘導体)骨格に沿って高
い移動度を有する正と負の電荷キャリヤを担持する能力
である。これらの特性はDNA層にDNAと相互作用し
得る分子を含ませることで調節する事ができる。即ち、
DNA層自体が発光層、キャリア輸送層、ブロック層、
バッファ層などとして適宜機能する。
【0031】また、必要があれば、本発明のDNA層に
加えて、公知の発光材料、ドーピング材料、正孔注入材
料、電子注入材料を組み合わせて使用する事もできる。
【0032】本発明における陰極材料としてはマグネシ
ウム、カルシウム、スズ、鉛、チタニウム、イットリウ
ム、リチウム、ルテニウム、マンガン、アルミニウム、
及びそれらの合金、例えば、マグネシウム/銀、マグネ
シウム/インジウム、リチウム/アルミニウムなどが挙
げられるが、これらに限定されるものではない。
【0033】電子輸送層材料としては、(ベンゾ)オキ
サゾール、オキサジアゾール、(ベンゾ)チアゾール、
チアジアゾール、トリアゾールなどの含窒素五員環誘導
体やトリス(8−キノリノール)アルミニウム錯体など
の金属錯体化合物などが用いられるが、これらに限定さ
れるものではない。
【0034】発光層を設ける場合は、公知の発光材料を
使用する事ができ、例えば、ペリレン、テトラフェニル
ブタジエン、ナフタロイレンベンズイミダゾール、ペリ
レンテトラカルボン酸誘導体、トリス(8−キノリノー
ル)アルミニウム錯体などがあげられるが、これらに限
定されるものではない。
【0035】陽極材料としては、炭素、アルミニウム、
バナジウム、鉄、コバルト、ニッケル、タングステン、
銀、金、白金、パラジウムなど及びそれらの合金、IT
O、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物、ポリ
チオフェンやポリピロールなどの有機導電性ポリマーな
どが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0036】ホール輸送層材料としては、N,Nジフェ
ニル−N,N'−(3−メチルフェニル)−1,1'−ビ
フェニル−4,4'−ジアミン、N,Nジフェニル−
N,N'−(1−ナフチル)−1,1'−ビフェニル−
4,4'−ジアミンなどの芳香族三級アミン誘導体や銅
フタロシアニンなどのフタロシアニン誘導体などが挙げ
られるが、これらの例に限定されるものではない。
【0037】素子基板としては石英ガラスなどのガラス
基板、ポリエチレンテレフタレートのような合成高分子
系基板などが使用できる。
【0038】本発明で所望のエレクトロルミネッセンス
を生ずるためには、DNA層は非発光性再結合の中心と
して作用する欠陥が実質的に存在しないことが望まし
い。なぜならば、そのような欠陥はエレクトロルミネッ
センスを妨害するからである。DNA層は、好適にはD
NAと界面活性剤の第四級アンモニウム塩から成る複合
体であり、単一 または他の適当な公知のポリマーとの
混合物から構成することも可能である。
【0039】次に本発明に係るDNA層について更に詳
細に記述する。DNAは二本のポリペプチド鎖が、二重
らせん構造を形成した高分子であって、一般にはナトリ
ウム塩として存在し、水溶性である。二重らせんの内部
はヘテロ芳香環化合物が平行に積み重なった層構造をと
っており、この層間には様々な疎水性化合物が挿入(イ
ンターカレーション)出来る事が知られている。
【0040】本発明に用いるDNAの分子量には特に制
限はないが、6000〜2000万が好ましく、1万〜
10万がより好ましい。
【0041】本発明のDNA誘導体としては、DNAに
四級アンモニウムを導入したものが、好適に用いられ
る。これはDNAの負に荷電したリン酸基部分が、正に
荷電した第四級アンモニウムと速やかに塩を形成する性
質を利用したものである(J.Am.Chem.So
c.10679,118('96))。得られたDNA
誘導体の物理的化学的性質は、DNAの塩基組成及び分
子量、らせん含有量および反応に用いた第四級アンモニ
ウム塩の種類により大きく異なるが、有機溶媒に可溶で
あり、薄い膜を形成できることが本発明に使用する場合
の必要条件である。
【0042】本発明のDNAの誘導体を構成することが
できる四級アンモニウム塩としては疎水性の官能基を有
する四級アンモニウム塩が好ましい。例として一般式1
〜4に示す物質が挙げられるが、これらの中では一般式
1で示される界面活性剤がより好適である。また、DN
Aと結合してDNA誘導体を形成する化合物は四級アン
モニウム塩に限らず、DNAのリン酸基の負電荷と強い
親和性を有し、イオン結合を形成する陽電荷であれば特
に制限はなく、一般式(1)〜(4)の例に限定される
ものではない。
【0043】
【化7】 (式中a、b、及びcは、0〜20までの整数を示
す。)
【0044】また、ポリエチレングリコールを含む一般
式2で示される界面活性剤は、DNA層にしなやかさを
与え、素子の彎曲に伴う亀裂の発生などに良く抵抗する
性質を付加するのに適する。
【0045】
【化8】 (式中d及びeは、1〜20までの整数を示す。)
【0046】更に、一般式3で示されるような芳香環を
含む界面活性剤は、DNA層膜に剛直性を与え、圧力圧
迫を原因とする亀裂の発生に対する阻止能力を付与する
のに適する。
【0047】
【化9】 (式中fは0〜30までの整数を示す。)
【0048】芳香環を含む四級アンモニウム塩において
は、一般式4に示したような、ピリジンの誘導体を用い
ることも出来る。
【0049】
【化10】 (式中gは0〜20までの整数を示す。)
【0050】以上4種の四級アンモニウム塩と結合した
DNA誘導体は異なる半導体エネルギーギャップを有す
る。このことは全可視スペクトル部にわたって異なる波
長で発光する有機EL素子を構成することを可能とす
る。
【0051】また、四級アンモニウム塩の脂質部分即ち
疎水基部分は色素或いはキャリアのようなものであって
も構わない。
【0052】DNAまたはDNA誘導体に挿入または結
合されDNA層に機能を付加する為の機能分子(DNA
の二重らせん内に挿入される場合、特にインターカレー
ターと呼ぶ)は、DNAと相互作用し得る既知の機能分
子(色素、キャリア輸送性分子など)を用いることが出
来る。即ち、DNAのインターカレーターとして既に良
く知られているエチジウム、9−アミノクマリン、アク
リジンオレンジ、プロフラビン、エリブチジン、3,
5,6,8−テトラメチル−N−メチルフェナンスロリ
ニウム、2−ヒドロキシエタンチオレート−2,2',
2"−ターピリジンプラチナ(II)、ドーノアイシ
ン、アクチノマイシン、クマリンなどのクマリン誘導
体、フルオレセインなどのフルオレセイン誘導体、ロー
ダミンなどのローダミン誘導体、オキサジンパークロレ
イトなどのオキサジン誘導体、3,3'−ジエチルチア
ジカルボシアニンアイオダイド、3,3'−ジエチルチ
アトリカルボシアニンパークロレイトなどのシアニン誘
導体などであるが、これらに限定されるものではない。
これらの色素はDNAに挿入または結合することでDN
A層のキャリア輸送能を改善し、或いは発光を期待する
ことが出来る。
【0053】これらの機能分子のDNAへの導入は、D
NAまたはDNA誘導体を機能分子の溶液に浸漬するこ
とによりなされる。この操作によって機能分子のDNA
の二重らせん構造へのインターカレーション(挿入)、
あるいは誘導体化に用いた第四級アンモニウム塩に含ま
れる疎水性基への吸着 またはイオン交換(結合)が起
こる。また、DNAにまず対象となる機能分子を先にイ
ンターカレーションさせたものを更に誘導体化すること
も可能である。
【0054】本発明におけるDNA層は、溶液加工また
は溶融加工によって製造することが出来る。溶液加工の
場合にはDNA誘導体をエタノール、クロロホルム、メ
チルエチルケトンなどの適切な溶媒に溶解した溶液にフ
ォトレジスト処理の為に半導体産業で一般的に用いられ
ているスピンコーティング法或いはキャスティング法を
適用する事によって導電性基板にDNA誘導体の薄膜を
付与することが出来る。この時使用される溶媒は、DN
A誘導体の適切な溶液が得られれば良く、特に限定され
ない。
【0055】導電性基板上へのDNA誘導体薄膜の付与
後の層に、さらに熱、磁界、電界などを加え、DNA誘
導体の配向を制御することにより、素子性能をコントロ
ールすることが可能である。
【0056】また、事前に他の基板上にキャストして得
られたDNA誘導体薄膜を剥離し、再度導電性基板上に
熱により接着したり、或いは、DNA誘導体薄膜を延伸
処理した後、導電性基板上に接着することにより付与す
ることもできる。
【0057】本発明のDNA層の厚さは、5nmから1
5μmの範囲が好ましく、より好ましくは15nmから
10μmの範囲であり、実質的に均一であることが望ま
しい。厚さが薄すぎると電子とホールの結合率が少なく
発光効率が低下し、逆に厚すぎるとキャリア移動度が低
下し発光効率が低下するという問題が生じる。また、こ
のDNA層は1eVから3.5eVの範囲で半導体ギャ
ップを有していることが望ましい。
【0058】本発明の有機EL素子には必要に応じてド
ーピング材料を加えることができる。ドーピング材料と
しては4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−
(p−ジメチルアミノスチリル)4H−ピラン、ルブレ
ンなどが挙げられるがこれらに限定されるものではな
い。
【0059】また、導電性高分子を使用することも可能
である。導電性高分子の例としてはポリ(フェニレンビ
ニレン)、ポリ(3−アルキルチオフェン)、ポリ
(9,9−ジアルキルフルオレン)、ポリパラフェニレ
ンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。
【0060】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0061】測定装置 1.電圧−電流特性 横河電機社製PROGRAMMABLE DC SOU
RLE 7651にて電圧を測定。 KEITHLEY社製 2000 MULTIMETE
Rにて電流を測定。 2.電圧−発光量 浜松ホトニクス社製フォトダイオードにて検出し、KE
ITHLEY社製 2000 MULTIMETERで
電流へ置換して行った。 3.発光スペクトル アクトン社製分光器320i CCDカメラ:Princton Instrumen
t IMAX512
【0062】(実施例1)20mM DNA/bp(塩
基対)(SIGMA社製、分子量20kbp以上)水溶
液と、40mM hexadecyltrimeth
yl ammonium chloride(CTM
A;和光純薬社製)水溶液を室温にて等量混合反応さ
せ、20mmolの DNA−CTMA複合体の沈殿を
得た。沈殿を濾取、水洗し、未反応のDNA及び界面活
性剤を除去した後、乾燥しDNA−CTMA複合体を得
た。
【0063】以下に素子の作製手順を説明する。ガラス
基板上にITOをスパッタリングによって150nmに
成膜し、陽極とした。その上にホール輸送層として銅フ
タロシアニン(CuPc;Aldrich社製)を厚さ
20nmに真空蒸着し、更に5mM DNA−CTMA
/bpエタノール溶液をスピンコートし、得られた素子
を50℃にて3時間真空乾燥して厚さ50nmのDNA
層を得た。次にトリス(8−キノリノール)アルミニウ
ム錯体(Alq3;東京化成製)を真空蒸着により厚さ
30nmに積層し、その上に陰極としてマグネシウム・
銀膜を真空蒸着法を用いて50nmの厚さに形成した。
素子は陽極/ホール輸送層/DNA−CTMA層/発光
層/陰極より構成されている。
【0064】図2にITOを正極とする順バイアスをか
けた場合の素子の電圧−電流特性を示す。また図3は電
圧に対する発光量の変化(電圧−発光量特性)を示し
た。
【0065】(実施例2)実施例1にて得られたDNA
−CTMA複合体の10mMエタノール溶液に、10m
Mローダミン6G(R6G;Aldrich社製)/エ
タノール溶液を等量加え、室温にて30分間振盪し、5
mM DNA−CTMA−R6G溶液を得た。素子は、
陽極/ホール輸送層/DNA−CTMA−R6G層/発
光層/陰極により構成されている。
【0066】以下に本素子の作製手順を説明する。実施
例1と同様にして、ITO及び銅フタロシアニン(Cu
Pc;Aldrich社製)を積層した素子に、上記の
如く調製したDNA−CTMA−R6G溶液をスピンコ
ートする事によりDNA層を積層した。得られた素子を
50℃にて3時間真空乾燥し、厚さ50nmのDNA層
を得た。更にトリス(8−キノリノール)アルミニウム
錯体(東京化成製)を真空蒸着により厚さ30nmに積
層し、その上に陰極としてマグネシウム・銀膜を真空蒸
着法を用いて形成した。この素子の電流−電圧特性及び
電圧に対する発光量の変化(電圧−発光量特性)発光を
をそれぞれ図4及び図5に示した。その結果、本実施例
における電圧―電流特性及び電圧に対する発光量の変化
(電圧−発光量特性)は、ローダミン6GをDNAに挿
入することにより、DNA単体の場合或いは比較例1の
ポリビニルカルバゾールの場合よりも増強された事が解
る。
【0067】また、この素子の発光スペクトルを検出し
た結果を図6に示した。この結果、発光スペクトルはA
lq3のものであり、本素子において発光をしているの
は、DNAに挿入されているローダミン6Gではなく、
発光層であるAlq3であることが解る。
【0068】(実施例3)実施例1にて得られたDNA
−CTMA複合体5mmol、Ethdium Bro
mide(EtBr;Aldrich社製)300μm
olをクロロホルム/エタノール(4/1)に加え、5
mM DNA−CTMA−EtBr溶液を得た。素子
は、陽極/ホール輸送層/DNA−CTMA−ErBr
層/発光層/陰極により構成されている。
【0069】以下に本素子の作製手順を説明する。実施
例1と同様にして、ITO及び銅フタロシアニン(Cu
Pc;Aldrich社製)を積層した素子に、上記の
如く調製したDNA−CTMA−EtBr溶液をスピン
コートする事によりDNA層を積層した。得られた素子
を50℃にて3時間真空乾燥し、厚さ50nmのDNA
層とした。更にトリス(8−キノリノール)アルミニウ
ム錯体(東京化成製)を真空蒸着により厚さ30nmに
積層した。次にその上に陰極としてマグネシウム・銀膜
を真空蒸着法を用いて形成した。この素子の電圧−電流
特性及び電圧に対する発光量の変化(電圧−発光量特
性)をそれぞれ図7及び図8に示した。その結果、本実
施例における電圧−電流特性及び電圧に対する発光量の
変化(電圧−発光量特性は、EtBrをDNAに挿入す
ることにより、DNA単体の場合或いは比較例1のポリ
ビニルカルバゾールの場合よりも増強された事が解る。
また、この素子の発光スペクトルを測定した結果、Al
q3の発光とともに、610nmのEtBrの発光も観
測された。即ち、発光層のみではなく、DNA層からも
発光していることが確認された。
【0070】(実施例4)実施例1にて得られたDNA
−CTMA複合体5mg、トリス(8−キノリノール)
アルミニウム錯体(東京化成製)3mg、N,N'−ジ
フェニル−N,N'−(3−メチルフェニル)―1,1'
―ビフェニル− 4,4'−ジアミン(TPD;Aldr
ich社製)2mg、クマリン6(C6;Aldric
h社製)0.1mgをクロロホルム/エタノール混合液
(4:1)に溶解し、固形分濃度1.5質量%になるよ
うに調製した。
【0071】以下に本素子の作製手順を説明する。実施
例1と同様にして、ITOを積層した素子に、上記の如
く調製したDNA−CTMA−Alq3−TPD−C6
溶液をスピンコートする事によりDNA層を積層した。
得られた素子を60℃にて18時間真空乾燥し、厚さ5
0nmのDNA層を得た。更にその上に陰極としてマグ
ネシウム・銀膜を真空蒸着法を用いて形成した。この素
子の電圧−電流特性及び電圧に対する発光量の変化(電
圧−発光量特性)をそれぞれ図9及び図10に示した。
また、発光スペクトル(図示せず)では540nmのク
マリン6の発光も観測され、本素子はDNA層から発光
していることが解った。
【0072】(比較例1)実施例2のDNA層をポリビ
ニルカルバゾール層(PVK層)に変え、実施例2と同
様に素子を以下のように作製した。ガラス基板上にIT
Oをスパッタリングによって150nmに成膜し、陽極
とした。その上にホール輸送層として銅フタロシアニン
(CuPc;Aldrich社製)を厚さ20nmに真
空蒸着し、更にポリビニルカルバゾール(PVK;Al
drich社製)クロロホルム溶液をスピンコートし、
得られた素子を50℃にて3時間真空乾燥して厚さ50
nmのPVK層を得た。次にトリス(8−キノリノー
ル)アルミニウム錯体(Alq3;東京化成製)を真空
蒸着により厚さ30nmに積層し、その上に陰極として
マグネシウム・銀膜を真空蒸着法を用いて50nmの厚
さに形成した。図11にITOを正極とする順バイアス
をかけた場合の素子の電圧−電流特性を示す。また図1
2は電圧に対する発光量の変化(電圧−発光量特性)を
示す。
【0073】
【発明の効果】本発明のDNAおよび/またはDNA誘
導体を含有する薄膜層を有する有機EL素子は半導体特
性及びエレクトロルミネッセンスを示し、発光効率を向
上させる新しい素子を提供する。また、DNA または
DNA誘導体に色素、キャリヤ、キャリヤブロックなど
の機能分子を結合 または挿入することで有機EL素子
に種々の機能を付与することが可能になる。
【0074】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における有機エレクトロルミネッセンス
素子構造の一例を示す。
【図2】実施例1における有機エレクトロルミネッセン
ス素子の電圧−電流特性を示す。
【図3】実施例1における有機エレクトロルミネッセン
ス素子の電圧−発光量特性を示す。
【図4】実施例2における有機エレクトロルミネッセン
ス素子の電圧−電流特性を示す。
【図5】実施例2における有機エレクトロルミネッセン
ス素子の電圧−発光量特性を示す。
【図6】実施例2における有機エレクトロルミネッセン
ス素子の発光スペクトルを示す。
【図7】実施例3における有機エレクトロルミネッセン
ス素子の電圧―電流特性を示す。
【図8】実施例3における有機エレクトロルミネッセン
ス素子の電圧−発光量特性を示す。
【図9】実施例4における有機エレクトロルミネッセン
ス素子の電圧―電流特性を示す。
【図10】実施例4における有機エレクトロルミネッセ
ンス素子の電圧−発光量特性を示す。
【図11】比較例1における有機エレクトロルミネッセ
ンス素子の電圧―電流特性を示す。
【図12】比較例1における有機エレクトロルミネッセ
ンス素子の電圧−発光量特性を示す。
【0075】
【符号の説明】
1 透明基板 2 陽極 3 ホール輸送層 4 DNA層 5 発光層 6 陰極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05B 33/22 H05B 33/22 D (72)発明者 室伏 克己 神奈川県川崎市川崎区扇町5番1号 昭和 電工株式会社総合研究所川崎研究室内 (72)発明者 細田 喜一 千葉県千葉市緑区大野台一丁目1番1号 昭和電工株式会社総合研究所内 (72)発明者 伊藤 直子 千葉県千葉市緑区大野台一丁目1番1号 昭和電工株式会社総合研究所内 (72)発明者 白根 浩朗 千葉県千葉市緑区大野台一丁目1番1号 昭和電工株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 3K007 AB03 AB04 AB06 CA01 CB01 DA01 DB03 DC00 EB00

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】核酸および/または核酸誘導体を少なくと
    も1種以上含むことを特徴とする有機エレクトロルミネ
    ッセンス素子材料。
  2. 【請求項2】DNAおよび/またはDNA誘導体を少な
    くとも1種以上含むことを特徴とする有機エレクトロル
    ミネッセンス素子材料。
  3. 【請求項3】機能分子が挿入または結合された、DNA
    および/またはDNA誘導体を少なくとも1種以上含む
    ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子材
    料。
  4. 【請求項4】リン酸基部分が第四級アンモニウム塩であ
    るDNA誘導体を含むことを特徴とする請求項2または
    3に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子材料。
  5. 【請求項5】機能分子が色素またはキャリア輸送性分子
    であることを特徴とする請求項3または4に記載の有機
    エレクトロルミネッセンス素子材料。
  6. 【請求項6】核酸および/または核酸誘導体を少なくと
    も1種以上含むことを特徴とする有機エレクトロルミネ
    ッセンス素子。
  7. 【請求項7】DNAおよび/またはDNA誘導体を少な
    くとも1種以上含むことを特徴とする有機エレクトロル
    ミネッセンス素子。
  8. 【請求項8】機能分子が挿入または結合された、DNA
    および/またはDNA誘導体を少なくとも1種以上含む
    ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  9. 【請求項9】リン酸基部分が第四級アンモニウム塩であ
    るDNA誘導体を含むことを特徴とする請求項7または
    8に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  10. 【請求項10】機能分子が色素またはキャリア輸送性分
    子であることを特徴とする請求項8または9に記載の有
    機エレクトロルミネッセンス素子。
  11. 【請求項11】請求項1〜5のいずれかに記載の有機エ
    レクトロルミネッセンス素子材料を含む薄膜層を積層し
    ていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス
    素子。
  12. 【請求項12】薄膜層の厚さが5nmから15μmであ
    る請求項11に記載の有機エレクトロルミネッセンス素
    子。
  13. 【請求項13】少なくとも、陽極、請求項11または1
    2に記載の薄膜層、および陰極で構成された有機エレク
    トロルミネッセンス素子。
  14. 【請求項14】少なくとも、陽極、請求項11または1
    2に記載の薄膜層、発光層、および陰極で構成された有
    機エレクトロルミネッセンス素子。
  15. 【請求項15】少なくとも、陽極、ホール輸送層、請求
    項11または12に記載の薄膜層、発光層、電子輸送
    層、および陰極で構成された有機エレクトロルミネッセ
    ンス素子。
  16. 【請求項16】少なくとも、陽極、ホール輸送層、請求
    項11または12に記載の薄膜層、発光層、および陰極
    で構成された有機エレクトロルミネッセンス素子。
  17. 【請求項17】少なくとも、陽極、請求項11または1
    2に記載の薄膜層、発光層、電子輸送層、および陰極で
    構成された有機エレクトロルミネッセンス素子。
  18. 【請求項18】薄膜層が発光層と接触していることを特
    徴とする請求項11〜17のいずれかに記載の有機エレ
    クトロルミネッセンス素子。
  19. 【請求項19】薄膜層が発光することを特徴とする請求
    項11〜18のいずれかに記載の有機エレクトロルミネ
    ッセンス素子。
  20. 【請求項20】支持基板がガラスまたは合成高分子から
    なることを特徴とする請求項6〜19のいずれかに記載
    の有機エレクトロルミネセンス素子。
  21. 【請求項21】DNAおよび/またはDNA誘導体を含
    む薄膜層を溶液加工により下層に付与する工程を有する
    ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の
    製造方法。
  22. 【請求項22】DNAおよび/またはDNA誘導体を含
    む薄膜層を溶融加工により下層に付与する工程を有する
    ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の
    製造方法。
  23. 【請求項23】機能分子が挿入または結合された、DN
    Aおよび/またはDNA誘導体を含む薄膜層を溶液加工
    により下層に付与する工程を有することを特徴とする有
    機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  24. 【請求項24】機能分子が挿入または結合された、DN
    Aおよび/またはDNA誘導体を含む薄膜層を溶融加工
    により下層に付与する工程を有することを特徴とする有
    機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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EP1712911A1 (en) * 2003-12-24 2006-10-18 Shinichiro Isobe Method for detecting biomolecule, labeling dye used therefor, and labeling kit

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