JP2002060294A - 油中水滴型エマルション爆薬 - Google Patents
油中水滴型エマルション爆薬Info
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- JP2002060294A JP2002060294A JP2000245086A JP2000245086A JP2002060294A JP 2002060294 A JP2002060294 A JP 2002060294A JP 2000245086 A JP2000245086 A JP 2000245086A JP 2000245086 A JP2000245086 A JP 2000245086A JP 2002060294 A JP2002060294 A JP 2002060294A
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Abstract
爆感度を損なうことなく、耐衝撃性の向上した、不発・
残留がほとんど発生しないエマルション爆薬を提供す
る。 【解決手段】 酸化剤水溶液、油類、乳化剤、微小中空
球体よりなる油中水滴型エマルション爆薬に於いて、微
小中空球体として真比重0.10から0.35の範囲
で、13.79MPa(2000psi)に加圧した時
の残存率が45体積%以上であるガラス微小中空体を使
用したことを特徴とする油中水滴型エマルション爆薬。
Description
詳しくは隧道掘進、採石、採鉱等の産業用爆破作業に利
用される油中水滴型(以下W/O型という)エマルショ
ン爆薬に関するものである。
3,161,551号明細書により初めて公開されて以
来、多数の改良発明が行われてきた。これらの発明によ
るW/O型エマルション爆薬は、基本的に連続相として
ミネラルオイル、ワックス、その他疎水性炭素質燃料
(油分)を含み、また不連続相として硝酸アンモニウム
を主体とした酸化剤水溶液を含み、更に乳化剤としてW
/O型乳化剤を含む爆薬であり、これに微小中空球体等
の鋭感剤を随時加えることにより、ブースター起爆から
雷管起爆までの広範囲の感度が得られている。これらの
W/O型エマルション爆薬は、連続相として油性物質が
使用されている為、耐水性、安全性の点が、従来の爆薬
より高いという好ましい性能を有していることは周知の
事柄である。
爆薬は、一般的には、まず酸化剤(通常はその水溶
液)、油類、乳化剤によってW/O型エマルションを製
造し、その後微小中空球体を加えて混合することにより
製造されている。しかしながら、W/O型エマルション
爆薬は、発破の際に不発・残留が起きやすいという欠点
がある。岩石等の破砕における発破作業において、不発
により爆薬自体の残留が発生すると、対象とする岩石等
の破砕といった初期の目的を達成できず、また、使用し
た爆薬が計算通りの結果を発揮せず、コスト的にも大き
な損失となる。W/O型エマルション爆薬の不発・残留
は、主として「段発発破」による発破法を実施した場合
に前段の発破によって発生した衝撃波が、後段のW/O
型エマルション爆薬中に含まれている微小中空球体を圧
縮破壊し、死圧状態に至らしめることに起因するといわ
れている。その為、耐衝撃性を向上させ、不発・残留が
ほとんど発生しないように改善することが望まれてい
る。
な課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、微小中
空球体として、特定の物性を有するガラス微小中空球体
を用いることにより、耐衝撃性を向上させ、不発・残留
がほとんど発生しないW/O型エマルション爆薬が得ら
れることを見出し、本発明を完成させたものである。
及び微小中空球体よりなる油中水滴型エマルション爆薬
に於いて、微小中空球体として真比重0.10から0.
35の範囲で、13.79MPa(2000psi)に
加圧した時の残存率が45体積%以上であるガラス微小
中空体を使用したことを特徴とする油中水滴型エマルシ
ョン爆薬に関する。なお、本明細書において、用語「真
比重」とは、ASTM D 2840−69により測定
される真比重を意味する。また、用語「残存率」とは、
ASTMD 3102−78により測定される、所定圧
力に加圧した時の体積の、初期体積に対する百分率を意
味する。
W/O型エマルション爆薬は酸化剤水溶液、油類、乳化
剤及びガラス微小中空球体を必須成分として含有する。
される酸化剤はその水溶液として用いるが、使用しうる
酸化剤の具体例としては、硝酸アンモニウム、硝酸ナト
リウムのようなアルカリ金属硝酸塩類、硝酸カルシウム
のようなアルカリ土類金属硝酸塩類、塩素酸ナトリウム
のようなアルカリ金属塩素酸塩類、塩素酸カルシウムの
ようなアルカリ土類金属塩素酸塩類、過塩素酸ナトリウ
ムのようなアルカリ金属過塩素酸塩類、過塩素酸カルシ
ウムのようなアルカリ土類金属過塩素酸塩類、過塩素酸
アンモニウム等が挙げられるが、これらは単独または混
合して使用される。酸化剤として最も好ましいのは硝酸
アンモニウムである。
る水の量は、酸化剤水溶液の結晶の析出温度が30〜9
0℃になるような量で使用される事が好ましく、通常酸
化剤水溶液中5〜40重量%、好ましくは5〜20重量
%の範囲で含有される。酸化剤を溶解する溶媒として、
結晶析出温度を下げる為にメチルアルコール、エチルア
ルコール、ホルムアマイド、エチレングリコール、グリ
セリン等の水溶性有機溶媒を補助溶媒として使用するこ
とも可能である。本発明のW/O型エマルション爆薬に
おいては、酸化剤水溶液は、通常、W/O型エマルショ
ン爆薬中に50〜95重量%の範囲で含有される。
は、所望により硝酸モノメチルアミン、硝酸モノエチル
アミン、硝酸ヒドラジン、二硝酸ジメチルアミン等の水
溶性アミン硝酸塩類、硝酸メタノールアミン、硝酸エタ
ノールアミン等の水溶性アルカノールアミン硝酸塩類及
び水溶性の一硝酸エチレングリコール等を補助鋭感剤と
して必要により酸化剤水溶液中に0.5〜15重量%含
有せしめる事が可能である。
油類であればどんなものでも使用可能であるが、用いう
る油類の具体例としては、軽油、灯油、ミネラルオイ
ル、潤滑油、重油等の石油系油類、パラフィンワック
ス、マイクロクリスタリンワックス等の石油系ワックス
類、その他疎水性の植物油、植物性ワックス、動物油、
動物性ワックス等が挙げられ、これらは単独又は2種以
上を混合して使用される。またこれらの油類にエポキシ
樹脂、ブタジエン樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、
ポリエチレン樹脂等の樹脂類を配合し変成した油類も使
用できる。
型エマルション生成に使用される乳化剤、例えば、ステ
アリン酸アルカリ金属塩、ステアリン酸アンモニウム
塩、ステアリン酸カルシウム塩、ポリオキシエチレンエ
ーテル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ソルビトール
脂肪酸エステル類等及びこれらの混合物が使用される。
本発明においては、乳化剤は0.5〜7重量%、好まし
くは1〜5重量%の範囲でW/O型エマルション爆薬中
に含有される。
できるガラス微小中空球体自体は公知であり、二酸化ケ
イ素(SiO2 )を主成分とし、Na2 O等のアルカリ
金属酸化物やその他アルカリ土類金属酸化物、ホウ酸等
を含むいわゆるガラスの微小中空球体である。微小中空
球体の真比重は0.10〜0.35の範囲のものを用い
る。真比重がこの範囲より大きいと、製造されるW/O
型エマルジョン爆薬の比重を規格に合うように調整する
ことが困難であり、また、この範囲より小さいと、微小
中空球体の強度が弱くなりすぎるおそれがあるからであ
る。水浮遊率は90%以上、より好ましくは93〜99
%のものがよい。平均粒径は通常10〜500μm、好
ましくは30〜200μmのものが使用される。又その
セルの厚みは通常0.1〜10μm、好ましくは0.3
〜5μmの範囲のものが使用される。発破の際に起こる
不発・残留を発生させない為には、ASTM D 31
02−78による、ガラス微小中空球体とグリセロール
の混合物に徐々に静圧をかけた際の体積変化率を測定す
る「グリセロール法」において、計測された13.79
MPa(2000psi)に加圧した時の残存率が45
体積%以上、好ましくは、13.79MPa(2000
psi)に加圧した時の残存率が50体積%以上である
ガラス微小中空球体が使用される。このような条件を満
たすガラス微小中空球体は、例えば、特公平2−272
95号公報に記載される、ガラス原料を用いたブローイ
ング法に従い、出発原料組成、ブローイング剤の量、ブ
ローイング温度等を調整することにより製造できる。本
発明のW/O型エマルション爆薬に使用されるガラス微
小中空球体の量は、当該爆薬の用途に応じ、又ガラス微
小中空球体の比重によっても変わるので、一概には言え
ないが、通常、W/O型エマルション爆薬の比重が1.
4以下、好ましくは1.3以下になるような量が使用さ
れる。これは使用するガラス微小中空球体の比重にもよ
るが、W/O型エマルション爆薬中おおよそ0.5〜1
0重量%含有される量に相当する。
アルミニウム粉、マグネシウム粉等の金属粉末、木粉、
澱粉等の有機粉末を添加剤として添加することも可能で
ある。添加する物質の種類及び添加の目的にもよるが、
通常、本発明のW/O型エマルション爆薬中におよそ
0.5〜10重量%の範囲で含有される。
方法は例えば次のとおりである。まず、前記の酸化剤及
び、必要により、前記の補助鋭感剤を約85〜95℃で
水に溶解させて酸化剤水溶液を得る。次いで約85〜9
5℃に加熱された油類と乳化剤の混合物に、十分撹拌し
ながら前記の酸化剤水溶液を徐々に添加する。出来上が
ったW/O型エマルションにガラス微小中空球体及び、
必要に応じて前記したその他の添加物を加えて、捏和機
で混合し、本発明のW/O型エマルション爆薬を得る。
本発明のW/O型エマルション爆薬は従来のW/O型エ
マルション爆薬に比べて、実用上支障のない起爆感度を
有している上に、耐衝撃性が著しく向上している。
明するが、本発明がこれらの実施例に限定されるもので
はない。
0.0重量部、水14重量部からなる90℃の酸化剤水
溶液を、マイクロクリスタリンワックス2.5重量部と
ソルビタンモノオレート4.5重量部の混合物に加え、
十分撹拌混合して、W/O型エマルションを得た。これ
に、特公平2−27295号公報に記載された方法に準
じて作製した、真比重が0.254g/cm3 、13.7
9MPa(2000psi)に加圧した時の残存率が5
8.1体積%であるガラスバブルス(試料1)5.6重
量部を加えて撹拌混合し、本発明のW/O型エマルショ
ン爆薬を得た。
を得た。これに、特公平2−27295号公報に記載さ
れた方法に準じて作製した、真比重が0.248g/cm
3 、13.79MPa(2000psi)に加圧した時
の残存率が58.6体積%であるガラスバブルス(試料
2)5.6重量部を加えて撹拌混合し、本発明のW/O
型エマルション爆薬を得た。
を得た。これに、特公平2−27295号公報に記載さ
れた方法に準じて作製した、真比重が0.300g/cm
3 、13.79MPa(2000psi)に加圧した時
の残存率が83.5体積%であるガラスバブルス(試料
3)5.6重量部を加えて撹拌混合し、本発明のW/O
型エマルション爆薬を得た。
を得た。これに真比重が0.240g/cm3 、13.7
9MPa(2000psi)に加圧した時の残存率が4
2.3体積%であるガラスバブルス(3M社製 商品
名:K−25)5.6重量部を加えて撹拌混合し、比較
例用のW/O型エマルション爆薬を得た。
1で得られた各W/O型エマルション爆薬の性能試験を
表1に示す。表1において爆薬密度、耐衝撃性は次のよ
うにして測定した。
薬の重量をm2 、水の比重をρw とした時、爆薬密度
(ρ)は次の式で算出される。なお、測定は空気、水
温、爆薬共に20℃において行った。 爆薬密度(ρ)=m1 /(m1 −m2 )/ρw 2.耐衝撃性 各爆薬の耐衝撃性を比較するために、砂中耐衝撃性試験
を行った。この試験は段発発破における前段の爆薬の圧
力に対して、後段の爆薬が耐える性能を調べるのに適し
た方法で、本発明者等は励爆薬をエマルション爆薬(日
本化薬(株)製商品名:アルテックス、30mm径×10
0g)、受爆薬を各W/O型エマルション爆薬(30mm
径×100g)とし、それぞれに6号瞬発電気雷管を設
置したものを使用した。励爆薬及び受爆薬を厚さ3mmの
証拠板(鋼板)に固定した後、砂中に一定の薬包間距離
(爆薬の表面間距離)で設置し、このとき薬包間距離を
固定するために厚さ32mmの鋼板を証拠板の外側に設置
する。又、鋼板間の空間には砂を密となるように充填す
る。段発発破器を用いて励爆薬の電気雷管に通電した
後、250ミリ秒後に受爆薬に通電し、受爆薬が励爆薬
の衝撃波の影響を受けずに完全に爆発する最小の距離を
求めて、爆発限界距離とする。この距離が短い程、励爆
薬の衝撃の影響に対して耐性がある。即ち、耐衝撃性が
強いか、又はその爆薬が死圧状態になり難い。また逆
に、その距離が長い程、励爆薬からの衝撃に対して耐性
がない。即ち、耐衝撃性が弱いか、又はその爆薬が死圧
状態になり易い爆薬であるという事になる。この爆発限
界距離の数値が15cm以下なら実際の段発発破で、不発
・残留はほとんど起きないことが確認できている。実施
例1、実施例2、実施例3及び比較例1の試験結果を表
1に示す。
2、実施例3及び比較例1の各W/O型エマルション爆
薬の爆発限界距離はそれぞれ14cm、13cm、12
cm及び17cmであることが判った。この結果から明
白なように、微小中空球体として13.79MPa(2
000psi)に加圧した時の残存率が45%以上のガ
ラスマイクロバルーンを使用した本発明のW/O型エマ
ルション爆薬は、耐衝撃性に優れていることが分かっ
た。
優れたW/O型エマルション爆薬が得られた。
Claims (1)
- 【請求項1】 酸化剤水溶液、油類、乳化剤、微小中空
球体よりなる油中水滴型エマルション爆薬に於いて、微
小中空球体として真比重0.10から0.35の範囲
で、13.79MPa(2000psi)に加圧した時
の残存率が45体積%以上であるガラス微小中空体を使
用したことを特徴とする油中水滴型エマルション爆薬。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000245086A JP2002060294A (ja) | 2000-08-11 | 2000-08-11 | 油中水滴型エマルション爆薬 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000245086A JP2002060294A (ja) | 2000-08-11 | 2000-08-11 | 油中水滴型エマルション爆薬 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002060294A true JP2002060294A (ja) | 2002-02-26 |
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ID=18735670
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000245086A Pending JP2002060294A (ja) | 2000-08-11 | 2000-08-11 | 油中水滴型エマルション爆薬 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002060294A (ja) |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2000
- 2000-08-11 JP JP2000245086A patent/JP2002060294A/ja active Pending
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