JP2002059754A - 多輪駆動車両の前車軸駆動装置 - Google Patents

多輪駆動車両の前車軸駆動装置

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JP2002059754A
JP2002059754A JP2001171617A JP2001171617A JP2002059754A JP 2002059754 A JP2002059754 A JP 2002059754A JP 2001171617 A JP2001171617 A JP 2001171617A JP 2001171617 A JP2001171617 A JP 2001171617A JP 2002059754 A JP2002059754 A JP 2002059754A
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braking
piston
front axle
shaft
vehicle
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JP2001171617A
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Akihiro Iuma
昭博 井馬
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Kanzaki Kokyukoki Manufacturing Co Ltd
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Kanzaki Kokyukoki Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多輪駆動車両の悪路での走行性、低コスト
性、メンテナンス性等を改善する。 【解決手段】 多輪駆動車両に設けられる前車軸駆動装
置10であって、動力を受ける入力軸14と、該前車軸
駆動装置10内に支持される一対の左右前車軸11・1
1と、該左右前車軸11同士を差動連結している差動部
99と、ピニオン軸95と、該ピニオン軸95を該入力
軸14に対し係脱するクラッチ部140と、該差動部9
9と該ピニオン軸95との間に介装される回転体92
と、該回転体92を制動する制動部100とよりなる。
該制動部100には、油圧で作動するピストン114
と、該ピストンの力により互いに接合する摩擦体110
・111と、該摩擦体の摩耗にかかわらず該摩擦体同士
を接合開始するのに必要な該ピストン114のストロー
クを一定に保持する機構70とが設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多輪駆動車両に設
けられた前車軸駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、四輪以上の車輪を駆動する多輪駆
動車両は公知となっている。
【0003】この多輪駆動車両においては、車軸を指示
する車軸駆動装置が車軸の位置毎に配設されている。例
えば、後車軸を支持する後車軸駆動装置は車両の後部
に、前車軸を支持する前車軸駆動装置は車両の前部に配
設する。六輪以上を駆動する構造では、中央の車軸を支
持する中間車軸駆動装置を、車両の前後中間部に配設す
る。
【0004】更に、原動機(例えばエンジン)より動力
を変速するトランスミッションを配設しており、該トラ
ンスミッションからの動力を各車軸駆動装置に伝達する
ことで、各車軸を介して車輪が駆動される。
【0005】二輪駆動構造に比して、前述の多輪駆動構
造は、悪路での走行性が良好でな点で便利であり、その
強い力は、坂を登る点でも有利であるので、乗用車や農
用運搬車等、様々な種類の車両にて広汎に採用されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そして、このような多
輪駆動車両が広まるにつれ、その悪路での走行性、低コ
スト性、メンテナンス性等において、更なる改善が望ま
れるようになっている。
【0007】本発明の目的は、多輪駆動車両の制動性を
改善して、悪路での車両走行性を更に高められるように
した前車軸駆動装置を提供することにある。更に、もう
一つの目的として、製造コストの低減とメンテナンス性
の向上をもたらすような簡単な構造の前車軸駆動装置を
提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明では、多輪駆動車
両用の、動力を受ける入力軸を有し、左右一対の前車軸
を支持し、かつ、該左右前車軸同士を差動連結する差動
部を有する前車軸駆動装置において、ピニオン軸を設
け、該ピニオン軸を該入力軸に対し係脱するクラッチ部
を設け、該差動部と該ピニオン軸との間に回転体を介装
し、該回転体を制動する制動部を設けている。
【0009】また、前記制動部は、油圧的に作動するピ
ストンと、該ピストンの力により互いに接合する摩擦体
と、該摩擦体の摩耗にかかわらず該摩擦体を接合状態と
するためのピストンのストロークを一定に保持する機構
とを有している。
【0010】更に、前記回転体は、該ピニオン軸と該差
動部との間に配設され、該差動部の回転軸芯と平行に支
持される中間軸であり、該中間軸は、平歯車を介して差
動部と接合する。
【0011】また、本発明では、前車軸駆動装置を六輪
以上の多輪駆動車両に採用する場合に、これに該車両の
一対の前輪を支持して駆動可能とし、該車両に設けた制
動操作具を制動操作した時に接合するクラッチを介し
て、該車両に設けた変速装置を該前車軸駆動装置に連結
する。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の前車軸駆動装置
10を有する多輪駆動車両1の走行伝動系のスケルトン
図であって、これにより、多輪駆動車両1の走行伝動系
について説明する。
【0013】図1に示す如く、多輪駆動車両1には、前
部に配設される前車軸駆動装置10と、前後中間部に配
設される中央車軸駆動装置16と、後部に配設される後
車軸駆動装置4とが具備されている。前車軸駆動装置1
0には左右一対の前車軸11が、中央車軸愚答装置16
には左右一対の中央車軸25が、後車軸駆動装置4には
左右後車軸8が具備されている。これらの前車軸11、
中央車軸25、後車軸8は、それぞれ、前輪12、中央
輪26、後輪9の各々を、各外端部にて支持している。
【0014】第一制動部としての前制動部100が前車
軸駆動装置10に設けられており、第二制動部としての
後制動部22が後車軸駆動装置4に設けられている。
【0015】前輪12は操舵輪、即ち、図示しない操舵
具の手動操作により左右に回動可能である。
【0016】後車軸駆動装置4内には、変速部13が設
けられており、車体に搭載したエンジン3の動力が変速
部13に伝達されて、その回転数が変速される。そし
て、この動力は、後車軸8を介して左右の後輪9を駆動
するのに用いられるとともに、中央車軸駆動装置16に
伝達されて、中央車軸25を介して中央輪26を駆動す
る。こうして、車両は、後輪9と中央輪26の駆動、即
ち、四輪駆動にて前後に走行する。
【0017】なお、変速部13からの動力を前輪12に
伝達して、車輪9、12、26の全てを駆動し、該車両
を六輪駆動とするものとしてもよい。この構造について
は後述する。
【0018】後車軸駆動装置4の構造を以下に説明す
る。
【0019】後車軸駆動装置4は、後車軸8とともに変
速部13を収納する後車軸ハウジング31を具備してお
り、該変速部13の入力軸5が、割プーリとベルトより
なるベルト式自動無段変速機構(以後、「CVT」と称
する)7を介して、エンジン3の出力軸6に連結されて
いる。
【0020】変速部13には、トルクセンサ34と変速
ギア機構35とが設けられ、該トルクセンサ34は、負
荷として車両にかかるトルクを検出し、このトルクを出
力信号に変換する。変速ギア機構35は、後車軸ハウジ
ング31の外部に配設される図示しないレバーやペダル
等の変速操作具の手動操作により作動する。
【0021】後車軸ハウジング31は、また、変速ギア
機構35と一対の左右後車軸8との間にて差動部32を
収納している。差動部32は、左右車軸8同士を差動連
結している。該差動部32には、後車軸ハウジング31
内にて、デフロック機構33が具備されており、該デフ
ロック機構33は、後車軸ハウジング31の外部に配設
される図示しないレバーやペダル等のデフロック操作具
に連係されていて、差動部32をロックする。後車軸ハ
ウジング31の一側部には、動力取出しケース15が固
設されており、動力取出しケース15内には、出力部が
設けられ、ここより中央車軸駆動装置16及び前車軸駆
動装置10に動力が伝達される。
【0022】前述の入力軸5は、後車軸ハウジング31
内にて左右に支持されており、その左右側部の一方より
外部へと突出している。エンジン3からの動力を受ける
入力部としての該入力軸5の外側突出部には、従動プー
リ(割プーリ)36が設けられている。CVT7の出力
部は、この従動プーリ36にて形成されている。CVT
7は、通常の構造であって、エンジン3の回転数の増加
とともにその減速比が自動的に無段に減少するように構
成されている。
【0023】後車軸ハウジング31内には、主軸37が
入力軸5と同一軸芯状に配設されている。主軸37と入
力軸5とは、前述のトルクセンサ34を介して連結され
ている。トルクセンサ34は、各車輪にて発生する回転
抵抗、空気抵抗、加速抵抗、高さ抵抗等、様々なタイプ
の抵抗を検出して、図示しない制御部に検出信号を出力
する。この制御部は、該検出信号を応じてエンジン3の
スロットルバルブの開度を調整する。即ち、トルク検出
ガバナとなっている。
【0024】後車軸ハウジング31内には、カウンタ軸
41が主軸37と平行に設けられており、変速ギア機構
35は、両軸37・41間にて設けられている。
【0025】変速ギア機構35においては、主軸37と
一体に回転すべく、該主軸37に複数の(本実施例では
二つの)駆動ギアが固設されており、カウンタ軸41に
は、主軸37上の個々の駆動ギアと噛合すべく、複数
(本実施例では二つ)の変速ギアが回転自在に支持され
ていて、これにより、様々な(本実施例では、二つ、即
ち高低の)ギア比を提供する。主軸37が一定方向に回
転する一方で、カウンタ軸41の回転方向を逆転すべ
く、変速ギア機構35には、更に、主軸37に固設され
る逆転駆動ギアと、カウンタ軸41に回転自在に支持さ
れる逆転ギアとが具備されており、両軸37・41上の
両逆転ギア同士が、アイドルギアを介して噛合されてい
る。
【0026】カウンタ軸41に、軸芯方向に摺動可能な
がら相対的に回転不能に、スプラインを介してギア切換
クラッチスライダ47が嵌合されており、これを摺動す
ることによって、カウンタ軸41上の二つの変速ギアと
一つの逆転ギアのうちの一つが選択されて、該ギア切換
クラッチスライダ47を介してカウンタ軸41に接合
し、これにより、カウンタ軸41は、高速正回転、低速
正回転、逆回転のいずれかの状態となる。ギア切換クラ
ッチスライダ47は、前述の図示しない変速操作具に連
係されている。
【0027】カウンタ軸41には、その両端のうちの一
端寄りに、出力ギア51が固設されており、これによ
り、カウンタ軸41の回転を前述の差動部32に伝達す
る。
【0028】差動部32は、一般に、ベベルギアを用い
て左右後車軸8同士を差動連結している。このベベルギ
アを収納するデフケース上に、入力ギア53が配設され
ていて、出力ギア51に噛合している。車軸8・8のう
ち、一方の車軸8の回りにデフロック機構33が配設さ
れていて、図示しないデフロックレバーの操作によりデ
フケースを該一方の車軸8に係脱する。デフケースが車
軸8に係合すると、両車軸8同士がロックされる、即
ち、差動部32がロックするのである。
【0029】後制動部22・22は、左右一対の車軸8
・8に各々設けられていて、後述のブレーキペダルの操
作によって、両後輪8に制動力を付与する。
【0030】カウンタ軸41の一端は、左右側部の一方
より動力取出しケース15内へと延出しており、ベベル
ギア62がその端部に固設されている。該動力取出しケ
ース15内にて、出力軸63が、カウンタ軸41と直交
して、車両の前後方向に支持されており、ベベルギア6
4が該出力軸63に固設されて、ベベルギア62に噛合
している。
【0031】出力軸63は、動力取出しケース15より
前方に突出して、駆動軸17を介して、中央車軸駆動装
置16の伝動軸87に連結されている。
【0032】次に、中央車軸駆動装置16について説明
する。
【0033】伝動軸87は、車両の前後方向に支持され
ていて、その後端が後方に突出し、後車軸駆動装置4か
らの駆動力を受ける。伝動軸87は、更に、中央車軸駆
動装置16より前方にも突出して、前車軸駆動装置10
への出力部を形成している。
【0034】中央車軸駆動ギア86が伝動軸87に固設
されており、該伝動軸87と平行に中央軸83が回転自
在に支持されている。中央軸83の一端には中間ギア8
4が固設されていて、中央車軸駆動ギア86に噛合して
おり、該中央軸83の他端にはベベルギア85が設けら
れている。該ベベルギア85は、左右の中央車軸25同
士を差動連結する差動部89の入力ベベルギア90に噛
合している。
【0035】図2は、前車軸駆動装置10の水平断面図
であり、次に、図1及び図2より、前車軸駆動装置10
について説明する。
【0036】前車軸駆動装置10においては、入力軸1
4がハウジング88にて回転自在に支持されており、プ
ロペラ軸18、ユニバーサルジョイント等を介して、中
央車軸駆動装置16の伝動軸87に連結されている。
【0037】ハウジング88内において、ピニオン軸9
5が、入力軸14の前部にて該入力軸14と同一軸芯状
に支持されている。ベベルギア97がピニオン軸95の
一端部に固設されている。入力軸14の外周は切り欠か
れてスプラインを形成しており、該スプライン回りに、
前クラッチスライダ96が軸芯方向に摺動自在で相対回
転不能に配設されている。ピニオン軸95の外周も切り
欠いてスプラインを形成しており、該前クラッチスライ
ダ96に係脱する。入力軸14内にはデテント機構が形
成されていて、前クラッチスライダ96の位置、即ち、
前クラッチスライダ96がピニオン軸95と係合する係
合位置と、ピニオン軸95より離脱する離脱位置とを規
定している。
【0038】このクラッチ部140は、リンク機構を介
して、後述の駆動モード切換レバー130に連動連係さ
れている。
【0039】前車軸駆動装置10のハウジング88内に
おいては、差動部99が左右前車軸11上に設けられて
おり、該前車軸11同士を差動連結している。差動部9
9は中央車軸駆動装置16の差動部89と同様に構成さ
れている。図2の如く、差動部99には中空のデフケー
ス45、ピニオン軸46、ピニオン49・49、そして
デフサイドギア48・48が具備されている。デフケー
ス45は前車軸11と同一軸芯状に配設されていて、ハ
ウジング88に回転自在に支持されている。ピニオン軸
49同士は対向状に配設されて、ピニオン軸46に回転
自在に支持されている。各デフサイドギア48は、各前
車軸11の内端に固設されていて、それぞれ両ピニオン
49に噛合している。
【0040】入力ギア98は、差動部99への駆動力を
受ける平歯車であって、デフケース45に固設されてい
る。
【0041】次に、差動部99とピニオン軸95との間
に介装される回転体としての中間軸92について説明す
る。
【0042】中間軸92は、差動部99の回転軸芯(即
ち、デフケース45の回転軸芯)と平行に配設されてい
る。中間軸92にはベベルギア93が固設されていて、
ピニオン軸95に固設されたベベルギア97に噛合して
いる。
【0043】中間軸92の途中部の外周上に、平歯車状
の減速ギア91が刻設されている。減速ギア91は差動
部99の入力ギア98に噛合している。
【0044】更に、中間軸92がハウジング88より外
部に突出しており、ブレーキケース115がハウジング
88の外側に固設されて、中間軸92の突出端部を覆っ
ている。多板式ブレーキである前制動部100は、ブレ
ーキケース115とハウジング88との間にて、該中間
軸92の突出端部回りに構成されている。
【0045】前制動部100において、第一摩擦板11
0が軸芯方向に摺動自在で相対回転不能に中間軸92に
設けられており、第二摩擦板111が軸芯方向に摺動自
在で相対回転不能に前車軸駆動装置10のハウジング8
8に係合していて、各第一摩擦板110・各第二摩擦板
111が交互に配列されている。ハウジング88の内下
部には受け面112が形成されており、これに対して、
多重の摩擦板110・111を押圧すべく、該中間軸9
2と同一軸芯状に摺動自在に押圧部材113が設けられ
ており、この押圧部材113とボルト116を介して一
体状にピストン114が設けられている。
【0046】ブレーキケース115は、中間軸92と同
一軸芯状に外部に突出していて、シリンダ状部を形成し
ている。ピストン114は、このシリンダ状部内にて摺
動自在に装着されており、ブレーキケース115の、該
シリンダ部の先端部とピストン114との間に形成され
る油室内に、作動油が油密に供給されるようになってお
り、油室に供給された油の油圧により、ピストン114
が押圧部材113とともに摺動して、摩擦板110・1
11同士を押接し、中間軸92を制動するのである。
【0047】図3は、前車軸駆動装置10内の前制動部
100の部分拡大水平断面図であって、ピストン114
を初期制動解除位置にしている時の図であり、図4は、
同じく断面図であって、図3の状態からピストンをスト
ロークAだけ動かし、摩擦板が接合開始した時の図、図
5は、同じく断面図であって、摩擦板が摩耗した状態で
初期制動解除位置からピストンをストロークAだけ動か
した状態を示した図、図6は、同じく断面図であって、
図5の状態からピストンを更にストロークBだけ動かし
た状態を示す図、そして、図7は、同じく断面図であっ
て、図6の状態からピストンをストロークAだけ戻して
新しい制動解除位置にした状態の図である。
【0048】図3その他に示すように、ブレーキケース
115の内周面に沿って、ピストン114の端面と押圧
部材113との間にて、略環状の隙間が形成されてい
る。この隙間には、戻しバネ71、カラー72、摩擦リ
ング73が配設されており、これらは、摩擦板110・
111の摩耗にかかわらず、制動操作のためのピストン
114のストロークを一定に保持するための自動隙間調
整機構70を構成している。
【0049】戻しバネ71は、その径方向の断面で半円
状の環状バネであって、バネ71の主要部分は、摩擦板
110・111に向いて中間軸92回りにピストン11
4の端面に形成された環状溝74内に挿入されており、
該バネ71の断面半円の頂端部分を摩擦板110・11
1に向けて突出し、カラー72に押接している。カラー
72は、ブレーキケース115のシリンダ部の内周面に
対し摺動自在である。摩擦リング73は、径方向にて外
向きの付勢力を有して、ブレーキケース115の内周面
に係止されている。従って、摩擦リング73は、ブレー
キケース115の内周面との間で発生する摩擦抵抗に抗
して、ブレーキケース115のシリンダ部の内周面に対
し摺動可能となっている。この摩擦リング73にかかる
摩擦抵抗は、戻しバネ71のバネ力よりも大きく、ピス
トン114にかかる油圧力よりも小さい。
【0050】図3においては、摩擦板110・111は
新しくて、摩耗していない。摩擦板110・111の総
隙間距離は、長さAとなっている。従って、摩擦板11
0・111を接合するには、ピストン114に長さAの
ストロークが必要である。油室には初期量の作動油が充
填されており、ピストン114の先端部を初期制動解除
位置Pに位置付けている。この時、戻しバネ71は伸長
して、ピストン114の端面とカラー72との間に、長
さAの隙間を発生させており、摩擦リング73は、カラ
ー72と押圧部材113とにて挟持されている。
【0051】前制動部100の制動操作に際し、ブレー
キケース115内の油室内に作動油が供給されて、押圧
部材113を摩擦板110・111へと押動する。図4
に示す如く、ピストン114が長さAのストロークで動
くと、摩擦板110・111は接合して、中間軸92を
制動し始める。このピストン114のストローク中、戻
しバネ71はカラー72とピストン114との間で圧縮
され、ピストン114の圧力を吸収するので、カラー7
2及び摩擦リング73は動かないままである。従って、
ピストン114とカラー72との間の長さAの該隙間は
消えて、摩擦リング73と押圧部材113との間に長さ
Aの隙間が現れる。
【0052】図4に示す制動状態から中間軸92を解除
すると、ブレーキケース115のシリンダ部内の油室よ
り油が抜かれ、バネ71が伸長状態に戻り、ピストン1
14を初期制動解除位置Pにし、摩擦板110・111
を離間する。こうして、前制動部100は、図3に示す
状態に戻る。
【0053】図5乃至図7により、摩擦板110・11
1の摩耗に応じての自動隙間調整機構70の作動につい
て説明する。
【0054】図5において、摩擦板110’・111’
は、摩耗した摩擦板110・111である。中間軸92
の軸芯方向における摩擦板110’・111’の総摩耗
量は長さBである。このため、図4の状態と同じだけの
油を供給し、ピストン114を初期制動解除位置Pから
長さAのストロークだけ移動させても摩擦板110’・
111’は未だ離間している。摩擦板110’・11
1’を接合するには、ピストン114に長さBの追加ス
トロークが必要である。言い換えれば、初期制動解除位
置Pにあるピストン114には、制動のために長さA+
Bのストロークが必要である。
【0055】しかし、図5に示す状況において、摩擦板
110’・111’間には摩耗によって追加の隙間が発
生している分、押圧部材113には、まだ移動する余地
がある。また、カラー72は、バネ71の圧縮によって
ピストン114の端面に押接している。従って、図6に
示すように、更に油が供給されて、ピストン114は押
圧部材113とともに、初期制動解除位置Pから最終的
に長さA+Bのストロークまで移動する。このピストン
114と押圧部材113の移動の間、ピストン114の
端面は、摩擦リング73とブレーキケース115との間
の摩擦抵抗に抗して摩擦リング73とともにカラー72
を押動する。こうして、カラー72と摩擦リング73が
図3及び図4に示す初期位置より移動する。
【0056】図7においては、ピストン114にかかる
油圧が解除されて、摩擦リング73が摩擦抵抗により初
期位置より移動した新しい位置にて停止しており、バネ
71はカラー72とピストン114との間にて伸長して
いる。従って、ピストン114はバネ71の伸長により
長さAのストローク分だけ後退するのみである。押圧部
材113は後退するピストン114に従動して、摩擦板
110’・111’を離間する。こうして、ピストン1
14の先端部の新規の制動解除位置Qが、初期制動解除
位置Pより変位する。前制動部100の次行程の制動操
作において、長さAのストロークに加えてピストン11
4に必要とされるストロークは、丁度、摩擦板110・
111の新たな摩耗量ということになる。
【0057】このように、ピストン114の制動作動毎
に摩擦リング73が移動し、摩擦板110’・111’
の摩耗により加わった隙間量を打ち消して、ピストン1
14の制動解除位置を摩擦板110’・111’に向け
て移動させる。厳密には、制動操作毎にピストン114
に必要とされるストロークは、長さA+Bということに
なるが、各制動操作毎において、摩擦板110’・11
1’の新たな摩耗分の追加ストロークの長さBは極めて
小さいので、計測上無視できるものである。従って、制
動操作毎に必要なピストン114のストロークは、実質
的に長さAである。このような意味で、制動に必要とさ
れるピストン114のストロークは、摩擦板110’・
111’の摩耗にかかわらず一定に保持されているとい
え、前制動部100の迅速な反応を長期の使用期間にお
いて一定に保つことができる。
【0058】図8は、制動部の配設位置を変更した前車
軸駆動装置10の変容例である前車軸駆動装置10’の
水平断面図である。図8の前車軸駆動装置10’では、
中間軸92に設けた前制動部100に代えて、ピニオン
軸95に制動部100’が設けられている。この構造に
ついて説明する。
【0059】制動部100’においては、第一摩擦板1
10がピニオン軸95に対して回動不能に該ピニオン軸
95に係合しており、第二摩擦板111がハウジング8
8に係合している。各第一摩擦板110・各第二摩擦板
111は交互に配列されている。摩擦板110・111
を押動するために、ピストン119’が設けられてい
る。該ピストン119’は環状であって、ハウジング8
8の内壁に形成された溝に対して油密に嵌合しており、
ピニオン軸95と平行に変位可能となっている。該溝に
は油路121を形成して油圧力をピストン119’の一
端面に付加するようにしており、このようにして、ピス
トン119’が油圧作動する。油路121は、以下に説
明する油圧回路120に接続されている。
【0060】この構造において、ピストン119’は、
突出して摩擦板110・111を圧接する方向にて、油
圧回路120より供給された油により駆動されること
で、ピニオン軸95を摩擦にて制動する。
【0061】次に、多輪駆動車両1においての、前制動
部100・後制動部22を前述のブレーキペダルの操作
にて制動作動させる構造について説明する。
【0062】図9は、前制動部100と後制動部22・
22の制御システムの油圧回路図及びスケルトン図であ
り、図10は、その制御システムのその他の実施例の油
圧回路図及びスケルトン図であって、図11は、図10
に示す実施例において、ブレーキペダルを踏んで、該ブ
レーキペダルに連係したクラッチを接合した時の油圧回
路及びスケルトン図である。
【0063】図9に示す実施例について説明する。本実
施例での制動操作具を構成するブレーキペダル19は、
図9に示す油圧回路120を介して、後制動部22・2
2と制動部100とに連結されている。該油圧回路12
0には、制動部22・22・100に油を吐出するマス
ターシリンダ101、マスターシリンダ101に油を供
給するオイルタンク102、油中の不純物を除去するフ
ィルタ103、マスターシリンダ101から前制動部1
00及び後制動部22・22へと油を導く油路105等
が設けられている。
【0064】ブレーキペダル19は回動自在に支持され
ていて、ロッド106の一端をブレーキペダル19の中
途部に接続している。ロッド106の他端はマスターシ
リンダ101内に配設されたピストン107に固着され
ている。ブレーキペダル19の戻しバネでもある付勢バ
ネ108がマスターシリンダ101内に配設されてい
る。
【0065】オイルタンク102からの油をマスターシ
リンダ101へと供給すべく、フィルタ103とマニュ
アルバルブ104が回路の途中部に配設されていて、マ
ニュアルバルブ104は、ロッド109と連動連係し
て、ブレーキペダル19を踏まない時は該回路を開き、
ブレーキペダル19を踏むと該ロッド106により切り
換えられて該回路を遮閉し、該ロッド106がピストン
107を押す際に該回路内での油の逆流を防ぐようにし
ている。
【0066】この構造においては、作業者がブレーキペ
ダル19を踏むと、ピストン107がロッド106を介
して押され、マスターシリンダ101が油を吐出するの
である。
【0067】吐出された油は油路105へと導入され
て、二つに分岐する。一方の分岐路の油は各後制動部2
2へと流れて後車軸8に制動力を付加する。この制動力
は、駆動軸17等を介して後車軸8に連結されている中
央車軸25に伝達され、中央車軸25をも制動する。も
う一方の分岐路の油は前制動部100へと導入されて、
前制動部100内のピストン114により摩擦板110
・111を圧接させ、中間軸92を介して前車軸11に
制動力を付加する。
【0068】多輪駆動車両1において、エンジン3から
車輪9・12・26へと動力を伝達する構造について説
明する。
【0069】図1に示すように、後車軸駆動装置4内に
配設された変速部13は、エンジン3の動力を後車軸8
に伝達して後輪9を駆動するとともに、駆動軸17を介
して該動力を中央車軸駆動装置16にも伝達し、中央車
軸25を介して中央輪26を駆動する。
【0070】言い換えると、変速部13からの動力は、
後車軸8と中央車軸25とに分岐されるので、後輪9と
中央輪26との、合計四輪が常時駆動される。
【0071】更に、エンジン3から中央車軸駆動装置1
6へと導入された動力はプロペラ軸18を介して前車軸
駆動装置10内の入力軸14を常時駆動する。
【0072】前述したクラッチ部140は、入力軸14
に配設されている。図9に示すように、クラッチ部14
0を操作すべく、駆動モード切換レバー130が車両の
適宜位置に設けられており、四輪駆動位置と六輪駆動位
置の、合計二位置に切換可能となっている。駆動モード
切換レバー130は、クラッチ部140内の前クラッチ
スライダ96に連動連係しており、駆動モード切換レバ
ー130を六輪駆動位置(図10における「6WD」と
示す位置)にすると、クラッチ部140が圧接し、駆動
モード切換レバー130を四輪駆動位置(図10におけ
る「4WD」と示す位置)にすると、クラッチ部140
が離間するようにしている。
【0073】従って、該駆動モード切換レバー130を
六輪駆動位置にすれば、クラッチ部140は前車軸駆動
装置10を駆動すべく接合し、前輪12が前車軸11を
介して駆動される。この時、中央輪26と後輪9の四輪
が前述の如く駆動しているので、車両は六輪駆動モード
となって、六輪全てが駆動される。
【0074】その一方、駆動モード切換レバー130を
四輪駆動位置にすると、クラッチ部140は離間して、
変速部13からの動力は遮断され、前車軸12は駆動さ
れない。この場合に、車両は四輪駆動モードになって、
中央輪26と後輪9の合計四輪だけが駆動される。
【0075】図9の実施例は一例であって、他の実施例
も可能である。例えば、前述の油圧回路120を用いた
構造に代えて、図10及び図11に示す油圧回路12
0’を用いてもよい。これについて説明する。
【0076】図10に示す油圧回路120’は、前記制
動システムにおける油圧回路120内の前制動部100
へとマスターシリンダ101の油を供給するための油路
の途中部に、二位置に切換可能なマニュアルバルブ15
0を設けた構造である。
【0077】制動モード切換手段として、制動モード切
換レバー155が、車両の運転部に配設されており、マ
ニュアルバルブ150が制動モード切換レバー155と
連動連係している。
【0078】制動モード切換レバー155は、作業者の
手動操作にて、前後制動位置FRbと後制動位置Rbと
に切換可能である。
【0079】制動モード切換レバー155を前後制動位
置FRbにすると、マニュアルバルブ150が開く。そ
こで、ブレーキペダル19が踏まれると、マスターシリ
ンダ101より油が両後制動部22・22及び前制動部
100へと供給される。この場合、車両は前後制動モー
ドとなって、後制動部22・22及び前制動部100が
作動する。
【0080】他方、制動モード切換レバー155を後制
動位置Rbにすると、マニュアルバルブ150が閉じ
る。ここで、ブレーキペダル19が踏まれると、マスタ
ーシリンダ101からの油は、前制動部100には供給
されずに、後制動部22・22へと供給される。この場
合、車両は後制動モードとなって、後制動部22・22
のみが作動する。
【0081】更に、ブレーキペダル19は、リンク機構
を介して前述の駆動モード切換レバー130に連動連係
しており、ブレーキペダル19を踏んだ時に駆動モード
切換レバー130が六輪駆動位置になるようにしてい
る。
【0082】このような油圧回路120’による制動操
作について説明する。制動モード切換レバー155を後
制動位置Rbにし、駆動モード切換レバー130を四輪
駆動位置4WDにした状態でブレーキペダル19を踏む
と、マニュアルバルブ150が閉じて、後制動部22・
22のみが作動する。しかし、ブレーキペダル19を踏
み、駆動モード切換レバー130に連係されているクラ
ッチ部140を接合すると、駆動モード切換レバー13
0は、六輪駆動位置6WDに切り換えられるので、後制
動部22・22が後車軸8・8にかけていた制動力が、
プロペラ軸18等を介して前車軸11にも伝達され、前
車軸11をも制動するのである。
【0083】従って、四輪を駆動すべく、エンジン3か
らの動力を、後車軸8及び中央車軸25のみに伝達して
も、後制動部22のみより発生する制動力は、後車軸8
及び中央車軸25に付加されるだけでなく、前車軸11
にも付加され、こうして、全車輪が制動する。
【0084】このような構造により、その都度その都度
の四輪駆動モードと六輪駆動モードとの間での切換が、
駆動モード切換レバー130の切換によるクラッチ部1
40の係脱により容易に行われる。
【0085】車両を四輪駆動モードにしておいて、ブレ
ーキペダル19を後制動モード時に踏み込むと、後制動
部22・22にて発生する制動力は、ブレーキペダル1
9とクラッチ部140との間のリンク機構により、前車
軸11へと伝達される。前車軸駆動装置10における前
制動部100が作動していなくても、後輪9及び中央輪
26のみならず、前輪12も車両の制動に用いられる。
こうして、車両を後制動モードにすることにより、制動
性が良好に保持される一方、前制動部100の摩耗を防
止できる。
【0086】勿論、強い制動力が頻繁に要望されるよう
な場合には、車両を、制動効果の高い前後制動モードに
することも可能である。このモードは、前輪12が前制
動部100により制動され、かつ、後輪9及び中央輪2
6が後制動部22・22にて制動されるモードであっ
て、制動力が前輪9、中央輪26、前輪12(六輪全
て)にかかるために制動性が良い一方、後制動部22・
22が、加熱や摩耗の進行を抑制できるように、過負荷
とならないよう保護される。
【0087】本発明をある程度特定した様態で説明して
きたが、ここで実施例として開示した内容は、後述の請
求の範囲にて請求される本発明の精神及び範囲を逸脱し
ない限り、構造の細部において変更できたものであるこ
とや、部品の組み合わせ及び配列も変更可能であること
は理解できよう。
【0088】例えば、本発明の前車軸駆動装置は、前述
の実施例で説明したような六輪駆動車両に対してのみで
なく、八輪以上の車輪を駆動する多輪駆動車両にも適用
可能である。
【0089】
【発明の効果】本発明は、以上のような構成により、次
のような効果を奏する。先ず、請求項1記載の如く、動
力を受ける入力軸を具備し、左右の前車軸を支持し、か
つ該左右の前車軸同士を差動的に連結する差動部を具備
する、多輪駆動車両用の前車軸駆動装置において、本発
明は、制動部を設けることによって、多輪駆動車両の制
動性が向上して車両の制動距離が短くなる。従って、こ
のような前車軸駆動装置を用いることにより、悪路を円
滑に走行できるとともに、燃費経済性を向上可能とした
多輪駆動車両を提供できる。
【0090】そして、この前車軸駆動装置には、クラッ
チ部を介して該入力軸に係脱されるピニオン軸を設ける
とともに、このピニオン軸を該差動部に駆動連結させて
いるので、該クラッチ部を操作することで、動力を該前
車軸駆動装置にて支持した前輪に伝達するモードと、該
前輪に伝達しないモードとのうちから一つを容易に選択
できる。従って、操作手段にこのクラッチ部を連係する
ことで、(例えば)四輪駆動モードと六輪駆動モードと
に切換可能な車両を提供できる。
【0091】更に、該制動部は、該ピニオン軸と該差動
部との間に介装される回転体に配設して、該回転体を制
動するものとすることで、該クラッチ部と該差動部とが
干渉しないように離間され、レイアウトが複雑にならな
いようにしている。
【0092】ピニオン軸、該ピニオン軸を該入力軸に係
脱するクラッチ部、該差動部と該ピニオン軸との間に介
装される回転体、そして、該回転体を制動する制動部を
設けている。
【0093】このような構造の前車軸駆動装置におい
て、請求項2記載の如く、該制動部には、油圧で作動す
るピストン、該ピストンの力により互いに接合する摩擦
体、そして、該摩擦体の摩耗にかかわらず該摩擦体同士
を接合開始するのに必要な該ピストンのストロークを一
定に保持する機構を具備することで、制動部における摩
擦体が摩耗しても、制動部の制動反応性を良好に保つよ
うピストンのストロークを調整する必要がないので、メ
ンテナンスの必要性を減縮する。
【0094】更に、請求項3記載の如く、該回転体は、
該ピニオン軸と該差動部との間に配設される中間軸であ
って、該差動部の回転軸芯と平行に配設されており、平
歯車を介して該差動部に係合するものとしている。従っ
て、該制動部の部品は、このように差動部の回転軸芯に
平行な中間軸に沿って配設され、また、該中間軸より取
り外されるので、制動部の組立、分離が容易になり、メ
ンテナンス性が良好となる。更に、平歯車を介して中間
軸を差動部に連結しているので、ベベルギアを介して中
間軸を差動部に連結する構造において必要なシム等を用
いてのバックラッシュの調整が不要となる。即ち、この
ようなバックラッシュに必要なものが不要となるのであ
る。
【0095】また、本発明では、請求項4記載の如く、
前車軸駆動装置を六輪以上の多輪駆動車両に採用する場
合に、これに該車両の一対の前輪を支持して駆動可能と
し、該車両に設けた制動操作具を制動操作した時に接合
するクラッチを介して、該車両に設けた変速装置を該前
車軸駆動装置に連結している。このことにより、制動操
作具を制動位置にした時に、制動操作具とクラッチとの
間のリンク機構によって、制動装置の制動力が該一対の
前輪にも伝達されて、高速時での制動距離を短縮でき
る。更に、制動装置が差動していない時にはこの前車軸
駆動装置を差動しないようにできるので、燃費を節約で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の前車軸駆動装置10を有する多輪駆動
車両1の走行伝動系のスケルトン図である。
【図2】該前車軸駆動装置10の水平断面図である。
【図3】該前車軸駆動装置10内の前制動部100の部
分拡大水平断面図であって、ピストン114を初期制動
解除位置にしている時の図である。
【図4】同じく前制動部100の部分拡大水平断面図で
あって、図3の状態からピストンをストロークAだけ動
かし、摩擦板が接合開始した時の図である。
【図5】同じく前制動部100の部分拡大水平断面図で
あって、摩擦板が摩耗した状態で初期制動解除位置から
ピストンをストロークAだけ動かした状態を示した図で
ある。
【図6】同じく前制動部100の部分拡大水平断面図で
あって、図5の状態からピストンを更にストロークBだ
け動かした状態を示す図である。
【図7】同じく前制動部100の部分拡大水平断面図で
あって、図6の状態からピストンをストロークAだけ戻
して新しい制動解除位置にした状態の図である。
【図8】制動部100’をピニオン軸95に設けた構成
である、他の実施例の前車軸駆動装置10’の水平断面
図である。
【図9】前制動部100と後制動部22・22の制御シ
ステムの油圧回路及びスケルトン図である。
【図10】前制動部100と後制動部22・22のその
他の制御システムの油圧回路及びスケルトン図である。
【図11】図10に示す実施例において、ブレーキペダ
ルを踏んで、該ブレーキペダルに連係したクラッチを接
合した時の油圧回路及びスケルトン図である。
【符号の説明】
1 多輪駆動車両 10 前車軸駆動装置 11 前車軸 12 前輪 13 変速部 14 入力軸 22 後制動部(第二の制動部) 70 自動隙間調整機構 91 減速ギア(平歯車) 92 中間軸(回転体) 95 ピニオン軸 98 差動部の入力ギア(平歯車) 99 差動部 100 前制動部(第一の制動部) 140 クラッチ部
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16D 25/0638 F16D 25/063 L Fターム(参考) 3D041 AA00 AA31 AB00 AB01 AB04 AC07 AC26 AD30 AE15 AE41 3D043 AA06 AB16 FA09 FA12 3J056 AA04 AA22 AA63 BA02 DA02 GA03 GA12 3J057 AA06 BB04 GA73 GB29 HH01 JJ10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多輪駆動車両に採用される前車軸駆動装
    置であって、動力を受ける入力軸を有し、左右一対の前
    車軸を支持し、かつ、該左右前車軸同士を差動連結する
    差動部を有するものにおいて、ピニオン軸を設け、該ピ
    ニオン軸を該入力軸に対し係脱するクラッチ部を設け、
    該差動部と該ピニオン軸との間に回転体を介装し、該回
    転体を制動する制動部を設けていることを特徴とする多
    輪駆動車両の前車軸駆動装置。
  2. 【請求項2】 前記制動部には、油圧で作動するピスト
    ンと、該ピストンの力により互いに接合する摩擦体と、
    該摩擦体の摩耗にかかわらず該摩擦体同士を接合開始す
    るのに必要な該ピストンのストロークを一定に保持する
    機構とを具備していることを特徴とする請求項1記載の
    多輪駆動車両の前車軸駆動装置。
  3. 【請求項3】 前記回転体は、前記ピニオン軸と前記差
    動部との間に配設される中間軸であって、該差動部の回
    転軸芯と平行に配設されており、平歯車を介して該差動
    部に係合していることを特徴とする請求項1記載の多輪
    駆動車両の前車軸駆動装置。
  4. 【請求項4】 六輪以上の車輪を有する多輪駆動車両に
    設けられる前車軸駆動装置であって該車両の最前の一対
    の車輪を支持して駆動可能としているものにおいて、該
    車両に設けられる変速部が、クラッチ機構を介して該前
    車軸駆動装置に連結されており、該クラッチ機構は、該
    車両に設けられた制動操作手段を制動操作すると係合す
    ることを特徴とする多輪駆動車両の前車軸駆動装置。
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