JP2002059570A - インクジェット記録装置及び該装置用部品 - Google Patents
インクジェット記録装置及び該装置用部品Info
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- JP2002059570A JP2002059570A JP2000180946A JP2000180946A JP2002059570A JP 2002059570 A JP2002059570 A JP 2002059570A JP 2000180946 A JP2000180946 A JP 2000180946A JP 2000180946 A JP2000180946 A JP 2000180946A JP 2002059570 A JP2002059570 A JP 2002059570A
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- Details Of Reciprocating Pumps (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 インクジェット記録装置の記録ヘッドなどに
使用するピストンポンプ及び流体用バルブ機構におい
て、従来は数個の構成部品を予め個別に成形した後、組
立てていたが、組立作業には時間を要し、かつ作業時に
異物が混入しないようにする必要があった。本発明はこ
れらの問題点を解決し、コストの安い部品を提供する。 【解決手段】 このため、ピストンポンプ9あるいはバ
ルブ機構を構成する部品を互いに相溶性の無い材料で、
インサート成形あるいは多色成形で一工程で部品を形成
するようにした。また、各々の部材に用いられる材料の
成形収縮率が、相互に異なる材料を採用し、所定の機密
性あるいは相互の運動性を確保できるようにした。さら
に、機密性および可撓性を要する部材には形成材料とし
てゴムまたはエラストマーを用いた。
使用するピストンポンプ及び流体用バルブ機構におい
て、従来は数個の構成部品を予め個別に成形した後、組
立てていたが、組立作業には時間を要し、かつ作業時に
異物が混入しないようにする必要があった。本発明はこ
れらの問題点を解決し、コストの安い部品を提供する。 【解決手段】 このため、ピストンポンプ9あるいはバ
ルブ機構を構成する部品を互いに相溶性の無い材料で、
インサート成形あるいは多色成形で一工程で部品を形成
するようにした。また、各々の部材に用いられる材料の
成形収縮率が、相互に異なる材料を採用し、所定の機密
性あるいは相互の運動性を確保できるようにした。さら
に、機密性および可撓性を要する部材には形成材料とし
てゴムまたはエラストマーを用いた。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録装置の液室周りのピストン、バルブなどの部品及びそ
の製法並びにそれら部品を装備したインクジェット記録
装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】図22は従来の例えば液体インク用のピ
ストンポンプの一例を示す断面図で、シリンダ1とピス
トン2と弁3との3部品から成り、予め、図23の矢印
のようにピストン2に弁3を嵌め込んだ後、それをシリ
ンダ1に挿入し完成品となる。1aはインク吸引チャン
ネル、1bはインク排出側液室、2aはインクチャンネ
ル、2bはロッド部、3aは弁葉、3bはアンカーボス
をそれぞれ示す。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この方
法では、どうしても3部品を一体にするための組み付け
作業が発生するため、時間を要する上、その分コストの
上昇をも伴う。 【0004】また、シーリング性を確保するため、ピス
トン2と弁3部に異物が入らないように管理すること等
が必要となる。同様に、シリンダ1とピストン2とを組
む前にも異物がシリンダ1に入り込こまないよう管理す
る必要がある。 【0005】流路の開閉及び流路の変更を、回転または
スライドにより行うバルブにおいても同様に内筒の第1
の部材と、外筒の第2の部材と、内筒の抜け止め部材と
の3部品を別々に作製し、これらを組み立てて製造して
いた。 【0006】しかしながら、上記従来例からも明らかな
ように、内筒の第1の部材と、外筒の第2の部材と、外
筒の抜け止め部材との3部品を別々に作製し、これらを
組み立てる工程を必要とし、その分コストが上昇する難
点があった。 【0007】また、前記2部材の別々な作製で生ずる寸
法、形状誤差等により、組み立て時に選んだ2部材の組
み合わせによっては、安定した回転または摺動を行えな
い可能性があった。更には、流体の洩れが発生すること
があった。 【0008】また、前記内筒が外筒から抜け落ちないた
めの抜け止め部材を必要とし、この抜け止め部材を追加
した時、更に部品点数が増え、抜け止め部材の組み立て
という工数が増え、更にコストアップする難点が有っ
た。 【0009】本発明は、以上のような局面にかんがみて
なされたもので、上記問題点を解消すると共に、インク
ジェット記録装置等への応用にも適した液室周りの部品
を提供することを第1の目的としている。 【0010】本発明の第2の目的は、前記部材の別々な
作製と組み立て工程とを削減し、安価で安定した部品を
供給することにある。 【0011】本発明の第3の目的は、部品を形成するの
少なくも一方の材料を弾性材料にて生成し、気密性の高
い、低コストの部品を供給することにある。 【0012】本発明の第4の目的は、2つ以上の部材の
別々な作製と組み立て工程を削減し、安価な部品を供給
することにある。 【0013】 【課題を解決するための手段】このため、本発明におい
ては、以上の各項(1)〜(38)のいずれかに示すピ
ストンポンプ、バルブ、インクジェット記録装置用ポン
プユニット及びインクジェット記録装置を提供すること
により、前記目的を達成しようとするものである。 【0014】(1)シリンダとピストンと弁とを互いに
相溶性を持たない材料によりインサート成形あるいは多
色成形で形成したことを特徴とするピストンポンプ。 【0015】(2)前記ピストン形成材料の成形収縮率
が、前記シリンダ形成材料の成形収縮率より小さいこと
を特徴とする前項(1)記載のピストンポンプ。 【0016】(3)前記弁形成材料がゴムあるいはエラ
ストマーであることを特徴とする前項(1)記載のピス
トンポンプ。 【0017】(4)前記弁形成材料の成形収縮率が、前
記ピストン形成材料の成形収縮率より小さいことを特徴
とする前項(1)記載のピストンポンプ。 【0018】(5)前記ピストンの前記シリンダとの摺
動部に、前記ピストン形成材料とは相溶性があり、前記
シリンダ形成材料とは相溶性のない弾性部材をインサー
ト成形あるいは多色成形で形成したことを特徴とする前
項(1)記載のピストンポンプ。 【0019】(6)前記弾性部材の材料がゴムあるいは
エラストマーであることを特徴とする前項(5)記載の
ピストンポンプ。 【0020】(7)前記弾性部材あるいはピストンの成
形収縮率が、前記シリンダー形成材料の成形収縮率より
小さいことを特徴とする前項(5)記載のピストンポン
プ。 【0021】(8)前記ピストンの排出口に第1の弁、
前記シリンダの吸入口に第2の弁をそれぞれ設けたこと
を特徴とする前項(1)記載のピストンポンプ。 【0022】(9)前記第1及び第2の各弁材料がゴム
あるいはエラストマーであることを特徴とする前項
(8)記載のピストンポンプ。 【0023】(10)前記第2の弁形成材料の成形収縮
率が、前記シリンダ形成材料の成形収縮率より小さいこ
とを特徴とする前項(9)記載のピストンポンプ。 【0024】(11)円筒形の穴と、この円筒形の穴に
開口を有する少くとも一つの流路を有する第1の部材
と、この第1の部材の前記円筒形穴に嵌合し、回転自在
に回転させることにより、少くとも前記一つの流路が前
記第1の部材の流路と接続するような流路を有する第2
の部材とを、互いに相溶性を持たない材料によりインサ
ート成形あるいは二色成形で形成したことを特徴とする
バルブ。 【0025】(12)前記第1の部材あるいは第2の部
材に、軸方向の抜け止めを有することを特徴とする前項
(11)記載のバルブ。 【0026】(13)前記第1あるいは第2の部材のい
ずれかが弾性材料であることを特徴とする前項(11)
記載のバルブ。 【0027】(14)前記弾性材料が、ゴムまたはエラ
ストマーであることを特徴とする前項(13)記載のバ
ルブ。 【0028】(15)円筒形の穴と、この円筒形の穴に
開口を有する少くとも二つの流路を有する第1の部材
と、この第1の部材の前記円筒形穴に嵌合し、回転自在
に回転させることにより、少くとも前記二つの流路が選
択的に選べる構造で、前記第1の部材の流路と接続する
ような流路を有する第2の部材とを、互いに相溶性を持
たない材料によりインサート成形あるいは二色成形で形
成したことを特徴とするバルブ。 【0029】(16)前記第1の部材あるいは第2の部
材に、軸方向の抜け止めを有することを特徴とする前項
(15)記載のバルブ。 【0030】(17)前記第1あるいは第2の部材のい
ずれかが弾性材料であることを特徴とする前項(15)
記載のバルブ。 【0031】(18)前記弾性材料が、ゴムまたはエラ
ストマーであることを特徴とする前項(17)記載のバ
ルブ。 【0032】(19)筒形の穴と、この筒形の穴に開口
を有する少くとも一つの流路を有する第1の部材と、こ
の第1の部材の前記筒形穴に嵌合し、摺動自在にスライ
ドさせることにより、少なくとも一つの前記流路が、前
記第1の部材の流路と接続するような流路を有する第2
の部材とを、互いに相溶性を持たない材料によりインサ
ート成形あるいは二色成形で形成したことを特徴とする
バルブ。 【0033】(20)前記第1の部材あるいは第2の部
材に、軸方向の抜け止めを有することを特徴とする前項
(19)記載のバルブ。 【0034】(21)前記第1あるいは第2の部材のい
ずれかが弾性材料であることを特徴とする前項(19)
記載のバルブ。 【0035】(22)前記弾性材料が、ゴムまたはエラ
ストマーであることを特徴とする前項(21)記載のバ
ルブ。 【0036】(23)筒形の穴と、筒形の穴に開口を有
する少なくとも二つの流路を有する第1の部材と、この
第1の部材の筒形穴に嵌合し、摺動自在にスライドさせ
ることにより、少なくとも二つの前記流路が選択的に選
べる構造で、前記第1の部材の流路と接続するような流
路を有する第2の部材とを、互いに相溶性を持たない材
料によりインサート成形あるいは二色成形で形成したこ
とを特徴とするバルブ。 【0037】(24)前記第1の部材あるいは第2の部
材に、軸方向の抜け止めを有することを特徴とする前項
(23)記載のバルブ。 【0038】(25)前記第1あるいは第2の部材のい
ずれかが弾性材料であることを特徴とする前項(23)
記載のバルブ。 【0039】(26)前記弾性材料が、ゴムまたはエラ
ストマーであることを特徴とする前項(25)記載のバ
ルブ。 【0040】(27)前項(1)記載のピストンポンプ
にさらに、インクジェット記録ヘッドに密着してインク
を吸引するためのキャップを、インサート成形あるいは
多色成形で形成したことを特徴とするインクジェット記
録装置ポンプユニット。 【0041】(28)前記キャップ形成材料がゴムある
いはエラストマーであることを特徴とする前項(27)
記載のインクジェット記録装置用ポンプユニット。 【0042】(29)前項(27)、(28)のいずれ
か記載のインクジェット記録装置用ポンプユニットを備
えたことを特徴とするインクジェット記録装置。 【0043】(30)熱エネルギーを利用してインクを
吐出する前項(29)記載のインクジェット記録装置。 【0044】(31)インクジェット記録装置において
インクに接した状態で複数部材同士が互いに接触した状
態で用いられるインクジェット記録装置用部品であっ
て、互いに相溶性を持たない材料によってインサート成
形あるいは多色成形で形成されたことを特徴とするイン
クジェット記録装置用部品。 【0045】(32)前記多色成形は二色成形である前
項(31)記載のインクジェット記録装置用部品。 【0046】(33)前記部品はポンプである前項(3
1)記載のインクジェット記録装置用部品。 【0047】(34)前記複数部材はピストンとシリン
ダーとを含む前項(33)記載のインクジェット記録装
置用部品。 【0048】(35)前記複数部材はピストンとシリン
ダーとを含む前項(33)または(34)記載のインク
ジェット記録装置用部品。 【0049】(36)前記複数部材はシリンダーと該シ
リンダーに設けられた弁とを含む前項(33)または
(34)記載のインクジェット記録装置用部品。 【0050】(37)前記複数部材はポンプのシリンダ
ーに連通する部分と該部分に接続されたインクを吐出す
る吐出口を覆うためのキャップとを含む前項(31)記
載のインクジェット記録装置用部品。 【0051】(38)前記部品は弁である前項(31)
記載のインクジェット記録装置用部品。 【0052】 【作用】以上のような本発明構成により、部材同志が互
いに相溶性のない樹脂材料を用いて、インサート成形あ
るいは多色成形でポンプあるいは、バルブを形成するこ
とにより、後の組立工程が不要となり、管理の手間を省
くことができ、低コストで信頼性の高い例えばインクジ
ェット記録装置への使用にも適した部品を提供すること
ができる。 【0053】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、複
数の実施例に基づき、それぞれ図面を参照して詳細に説
明する。 【0054】 【実施例】(第1実施例)図1は、本発明に係る第1の
実施例であるピストンポンプ9の断面図で、シリンダ1
とピストン2と弁3とから成る。シリンダ1とピストン
2と弁3とは互いに相溶性を持たない樹脂材料の組み合
わせで図1の状態でインサート成形、あるいは多色成形
(二色成形を含む)で形成される。図中、1aはインク
吸引チャンネル、1bはインク排出側液室、2aはイン
クチャンネル、2bはロッド部、3aは弁葉、3bはア
ンカーポストをそれぞれ示す。 【0055】図2は、このポンプ10をインクジェット
記録装置の記録ヘッド6に用いた場合の断面図を示す。
図中5はキャップを示す。 【0056】図3,4を用いて、この記録ヘッド6の吸
引/吐出動作を説明する。吸引動作は、記録ヘッドノズ
ル内に入った異物や泡、あるいは固着したインク等や増
粘したインクを強制的に吸い出して良好な印字を確保す
るために不可欠のものである。 【0057】本発明に係る部品は、インクジェット記録
装置においてインクに接した状態で複数部材同士が互い
に接触した状態で用いられるインクジェット記録装置用
部品であって、互いに相溶性を持たない材料によってイ
ンサート成形あるいは多色成形で成形されたものであ
る。ここで、「互いに相溶性を持たない材料」は、材料
の融点が異なる等の理由により互いに相溶性を持たない
ものである。代表的な組み合わせの例として、ポリブチ
レンとスチレン系エラストマー、ABS樹脂とPP樹
脂、ABS樹脂とHIPS樹脂、PC樹脂とPP樹脂、
PC樹脂とHIPS樹脂、POM樹脂とHIPS樹脂、
及びPP樹脂とHIPS樹脂等を挙げることかできる。 【0058】6は記録ヘッドで、5は、記録ヘッド6に
密着して密閉系を形成するためのキャップで、通常、ゴ
ムやエラストマー等の弾性材料で形成される。本実施例
のポンプはこのキャップ5に取り付けられている。 【0059】図3は吸引状態を示す図で、ピストン2は
不図示の駆動源にロッド部2bで結合されており、これ
により図中矢印方向に引かれている。これにより吸引側
液室1cが負圧となり、記録ヘッド6からインク7を吸
い出し、図のように、インク7は、シリンダ1の吸引チ
ャンネル1aを通して、吸引側液室1cに入ってくる。
この時、第1の弁3の弁葉3aは吸引液室1cの負圧に
より閉じている。 【0060】図4は、吸引側液室1cからインクを排出
側液室1bに排出する動作を示す図で、ピストン2は、
不図示の駆動系により、ロッド部2bが図中矢印方向に
押し上げられている。これにより、吸引側液室1cは正
圧となるので、ピストン2に取付けられた弁3の弁葉3
aが撓み、ピストン2のインクチャンネル2aを通じて
吸引側液室1cと排出側液室1bとがつながり、インク
7が図示のように吸引側液室1cから排出側液室1bに
流れる。 【0061】これら一連の吸引、排出動作を繰り返すこ
とにより、記録ヘッド6から印字不要の原因となる異物
や泡、あるいは固着したインクや増粘したインク等が排
除される。 【0062】図5,6はポンプ成形の流れの説明図で、
図5は第1段階で、樹脂材料でシリンダ1が成形され
る。次に図6のように、シリンダ1と相溶性を持たない
樹脂材料でピストン2が成形される。2cは、弁3のア
ンカーボス3b形成用穴である。最後にピストン2と相
溶性を持たない樹脂材料で弁3が成形され、前記図1の
ように完成する。このとき、弁3の形成材料の成形収縮
率は、ピストン2の形成材料の成形収縮率より小さいの
で、ピストン2の穴2cが弁3のアンカーボス3bより
収縮するので、弁3の抜け止めのアンカー効果が発揮さ
れる。 【0063】また、ピストン2の成形収縮率を、シリン
ダ1の成形収縮率より小さくしてやることで、適度の締
め代を設けることにより、シール性を確保することがで
きる。 【0064】本第1実施例ではキャップ5を別部品とし
たが、一連の多色成形の中に、このキャップ5の形成を
含めることもできる。その場合は、図1の状態に、さら
にキャップ5を成形し、図2の状態に至る。 【0065】(第2実施例)図7は、本発明に係る第2
の実施例のポンプ9断面図で、前記第1の実施例のポン
プに吸引液室1cから記録ヘッド6へのインクの逆流を
防止するための第2の弁4を、シリンダ1に設けたもの
である。第2の弁4はシリンダ1とは相溶性を持たない
樹脂材料の組み合わせで、図7の状態でインサート成
形、あるいは多色成形で形成される。 【0066】図8〜10を用いて、インクジェットプリ
ンタにおける記録ヘッド6の吸引動作を説明する。 【0067】6は記録ヘッドで、5は記録ヘッド6に密
着して密閉系を形成するためのキャップで通常、ゴムや
エラストマー等の弾性材料で形成される。第2実施例の
ポンプ9はこのキャップ5に取り付けられている。 【0068】図8は吸引状態を示す図で、ピストン2は
不図示の駆動源にロッド部2bで結合されており、これ
により図中矢印方向に引かれている。これにより吸引側
液室1cが負圧となるので、第2の弁4の弁葉4aが開
き、吸引チャンネル1aが通ずるので、記録ヘッド6か
らインク7が図示のようにシリンダの吸引チャンネル1
aを通して、吸引側液室1cに入ってくる。この時、第
1の弁3の弁葉3aは吸引液室1cの負圧により閉じて
いる。 【0069】図9は、吸引側液室1cからインクを排出
側液室1bに排出する動作を示す図で、ピストン2は、
不図示の駆動系により、ロッド部2bが図中矢印方向に
押し上げられている。これにより、吸引側液室1cは正
圧となるので、ピストン2に取付けられた第1の弁3の
弁葉3aが撓み、ピストン2のインクチャンネル2aを
通して吸引側液室1cと排出側液室1bがつながり、イ
ンク7が図のように吸引側液室1cから排出側液室1b
に流れる。この時、第2の弁4の弁葉4aは吸引液室1
cの正圧により閉じているので吸引液室1cのインク7
が記録ヘッド6に逆流することはない。 【0070】これら一連の吸引、排出動作を繰り返すこ
とにより、記録ヘッド6から印字不要の原因となる異物
や泡、あるいは固着したインクや増粘したインク等が排
除される。 【0071】図10から図12は、ポンプ成形の流れの
説明図で、図10は第1段階で、透明な樹脂材料でシリ
ンダ1が成形される。次に図11のように、第2段階で
シリンダ1と相溶性を持たない樹脂材料で第2の弁4が
成形される。このとき、第2の弁4の形成材料の成形収
縮率はシリンダ1の形成材料の成形収縮率より小さいの
で、シリンダ1の穴1dが第2の弁4のアンカーボス4
bより収縮するので、第2の弁4の抜け止めのアンカー
効果が発揮される。 【0072】次に図12に示すように、第3段階でシリ
ンダ1と相溶性を持たない樹脂材料でピストン2が成形
される。最後にピストン2と相溶性を持たない樹脂材料
で、第1の弁3が成形され、図7のように完成する。 【0073】このとき、前記第1の実施例と同様に、第
1の弁3の形成材料の成形収縮率はピストン2の形成材
料の成形収縮率より小さいので、ピストン2の穴2cが
第1の弁3のアンカーボス3bより収縮するので、第1
の弁3の抜け止めのアンカー効果が発揮される。 【0074】本第2実施例では、キャップ5を別部品と
したが、一連の多色成形の中に、このキャップ5の形成
を含めることもできる。その場合は、図7の状態に、さ
らにキャップ5を成形し、図8の状態に至る。 【0075】(第3実施例)図13は、本発明に係る第
3の実施例のポンプ断面図で、前記第2の実施例のポン
プ9に、シール用の弾性部材8を設けたものである。前
記第1の実施例同様、シリンダ1とピストン2とは互い
に相溶性を持たない樹脂材料の組み合わせである。弾性
部材8は、ピストン2とは相溶性を有し、シリンダ1と
は相溶性を持たない樹脂材料で、ゴムあるいはエラスト
マーにより形成される。 【0076】図14,15を用いて成形の流れを説明す
る。シリンダ1及び第2の弁4の成形までの段階は、前
記第2の実施例におけると同様である。 【0077】次に、図14のように、弾性部材8とは相
溶性を持つが、シリンダ1とは相溶性を持たない樹脂材
料でピストン2が成形される。 【0078】次に、図15のように、ピストン2とは相
溶性を持つが、シリンダ1とは相溶性を持たない樹脂材
料で弾性部材8が成形される。 【0079】最後に、第1の弁3が成形され、図13の
ように完成する。相互の相溶性有無の関係から、弾性部
材8とピストン2のみが結合されている。従って、完成
後は、ピストン2を軸方向に自由に動かすことができ
る。 【0080】また、弾性部材8あるいはピストン2の成
形収縮率を、シリンダ1の成形収縮率より小さくしてや
ることで、適度の締め代を設けることにより、シール性
を確保することができる。 【0081】本第3実施例では、キャップ5を別部品と
したが、一連の多色成形の中に、このキャップ5の形成
を含めることもできる。その場合は、図13の状態に、
さらにキャップ5を成形すればよい。 【0082】以上説明したように、本発明によれば、シ
リンダとピストンとが互いに相溶性のない樹脂材料を用
いて、シリンダとピストンと弁とをインサート成形ある
いは多色成形でピストンポンプ9を形成することによ
り、後の組立工程を不要とすることができ、管理の手間
を省くことができ、低コストで信頼性の高い例えばイン
クジェット記録装置等にも有利に使用し得るポンプユニ
ットを提供することができる。 【0083】以上、シリンダーとピストンの成形につい
て本発明の実施例を述べてきたが、次にインクジェット
記録装置の液室周りの部品である回転あるいは摺動バル
ブユニットに関しての実施例を説明する。 【0084】(第4実施例)図16に、本発明に係る第
1の実施例の回転バルブユニットの斜視図を示す。内側
に位置する円筒形状の第1の円筒部材1と外側に位置す
る円筒形状の第2の外筒部材2とが設けられており、内
筒1は、外筒2に対し回転可能に係合されている。 【0085】内筒21は、流路21aで示されるように
中空になっており対象とする流体は、この中を流路とし
て流れる構造である。 【0086】また内筒21には、前記流路21a及び円
周面に開口部21bが設けられており、外筒22におい
ては、図示のように、中空部に開口部22aが設けられ
ている。 【0087】以上のような構成において、不図示のチュ
ーブ等により流体が流れ、前記流路21aより流体が内
筒21内に流れ込み、この流体は開口部21bから流出
する。 【0088】内筒1と外筒2との位置関係が、図16に
示す位置にある場合、外筒2の開口部22aから流路が
確保され、流体が流れることができる。 【0089】もし流路を塞ぎたい場合、内筒21と外筒
22との位置関係を相対回転によりずらし、それぞれの
開口部21bと22aとが合致しない位置に回転させ
る。これにより、流体は開口21bから流出しようとす
るが、外筒22の内壁で塞がれることで流路は閉じられ
る。 【0090】さて、バルブユニットの2部材21,22
は、材料の融点が異なる等の理由により、相溶性を持た
ない材料を使用する。この相溶性の無い材料の組み合わ
せの例としては、例えばポリブチレンとスチレン系エラ
ストマー等が考えられる。例えば、樹脂材料を用いて射
出成形による二色成形を行う。 【0091】この時、2種の樹脂材料の収縮率は、シー
リング性を重視しない場合は、内筒部材材料(21)≧
外筒部材材料(22)と設定する。すると、成形後、内
筒部材21と外筒部材22との間には、回転を保証し、
かつ気密性を保つだけのクリアランス(すきま)が形成
される。シーリング性を重視する場合は、収縮率を内筒
部材材料(21)≦外筒部材材料(22)と設定する。
すると成形後、内筒部材21と外筒部材22とは適度の
緊迫関係になり、シーリング性がよくなる。 【0092】こうしてインサート成形または二色成形に
より一工程で、回転動作による開閉自在な回転式、バル
ブユニットが作製可能となり、従来の組立工程が不要と
なる。 【0093】流体は液体であっても気体であってもよ
い。 【0094】(第5実施例)図17は、本発明に係る第
5の実施例回転式バルブユニットの斜視図で、前記第4
実施例と同様に、内筒21と外筒22とが係合されてい
る。 【0095】内筒21は外筒22にガイドされ回転可能
である。 【0096】更に本第5実施例で、外筒22は、内筒2
1の径が太くなっている部分を完全に覆う構造になって
いる。 【0097】このため内筒21は、外筒22から抜け落
ちることがなくなる。 【0098】この構成より成るバルブユニットを、前記
第4実施例におけると同様に、相容性が無い材料で、イ
ンサート成型または二色成型で作製することにより、一
工程で回転動作による開閉自在な抜け止め式の回転バル
ブユニットが作製可能となり、従来のような組立工程が
不要となる。 【0099】(第6実施例)図18は、本発明に係る第
6の実施例の抜け止め摺動バルブユニットの斜視図で、
内筒21と外筒22とが係合されている。 【0100】内筒21は、外筒22にガイドされて、軸
方向に摺動可能である。更に本第6実施例では外筒22
には内筒21が、外筒22から抜け落ちないための抜け
止め部22bが設けてあり、抜け止め部22bは、内筒
21が図の左方向に移動した時に突き当たるように構成
されている。 【0101】また内筒21にも抜け止め部21cが設け
てあり、内筒21が図の右方向に移動したとき、外筒抜
け止め部22bに当接し、外筒22から抜け落ちてしま
うことを防止する機能を有する。 【0102】このような形状より成るバルブユニット
を、前記第4実施例で述べたように相容性が無い材料
で、インサート成型または二色成型で作製することによ
り、一工程で、摺動動作による開閉自在な摺動バルブユ
ニットが作製可能となり、従来の組立工程を省くことが
できる。 【0103】なお、図18においては、内筒21及び外
筒22は円柱形状をしているが、本実施例ではこれのみ
に限定されることなく、それぞれが平行移動すれば良
く、筒断面形状は、例えば角形等の他の自由な形状で利
用できる利点がある。 【0104】従来は一般的に、このような形状のバルブ
ユニットにおいて、充分な強度を持った抜け止め形状を
作ることは困難であった。これは抜け止め構造を作る
と、内筒を組み込む時に邪魔になり、組み込めないか、
または、充分な抜け止め強度を持たせることができなく
なるためである。 【0105】この対策として、抜け止め部材を追加し、
外筒22に内筒21を組み込み、その後、抜け止め用の
別部材を組み立てていた。 【0106】以上のような本第6実施例構成によれば、
部品点数と組み立て工数とを大幅に減らした、スライド
バルブユニットが供給可能となる。 【0107】(第7実施例)図19は本発明に係る第7
の実施例の回転バルブの斜視図である。 【0108】内筒21と外筒22とが係合されており、
内筒21は外筒22にガイドされ摺動可能である。 【0109】また内筒21には、開口部21bが設けて
あり、外筒22には、開口部が22c、22dと2つ設
けてある。流体は21aの流路を通り、図19に示すよ
うに開口部21bが外筒の開口部22cに位置合わせさ
れているため、開口部22cから流出する。 【0110】内筒21を回転し開口部21bを外筒開口
部22dに合わせると流体は22dから流出することに
なる。 【0111】こうして流路を選択的に変えることのでき
る回転バルブユニットを構成することができる。 【0112】このような構成より成るバルブユニット
を、前記第4実施例で述べたように、相容性が無い材料
で、インサート成型または二色成型で作製することで、
一度に摺動動作による流路の変更自在な安価なバルブユ
ニットが作製可能となる。 【0113】(第8実施例)図20は、本発明に係る第
8の実施例としての摺動バルブユニットの斜視図であ
る。 【0114】本第8実施例は、外筒22に2つの開口部
22c,22dを有する図19の前記回転バルブユニッ
トの特徴を、摺動バルブユニットに適用したもので、そ
の回転/摺動式の差異を除いて、前記原理/特徴は第7
実施例と同じく同様であるので、重複説明は省略する。 【0115】(第9実施例)本第9実施例は、前記第4
から第8の各実施例においていずれの場合においても、
内筒21または外筒22の少なくも一つの材料を弾性材
料で構成した実施例である。 【0116】弾性材料を使用するときは、内筒21と外
筒22との成型収縮率は逆にするのが好ましい。 【0117】すなわち、例えば図21に示すようなスラ
イド式バルブの例において、内筒部材材料収縮率(1)
<外筒部材材料収縮率(2)とする。この種の弾性材料
としては、例えばゴムまたはエラストマー等が挙げられ
る。 【0118】弾性材料の弾性変形を利用し気密性を持た
せるが、回転または摺動負荷は極端に大きくなることは
ない。 【0119】この性質を利用して、機密性の高い安価な
バルブユニットを作製することができる。 【0120】上記実施例は、前記複数の実施例を組み合
わせ、多機能のバルブユニットを作製できることは自明
である。 【0121】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
部品を形成する際に、各部材に相互に相溶性を持たない
材料を用いて、インサート成形あるいは多色成形(二色
成形も含む)ことにより組立工程を不要とした低コスト
の部品を提供することができる。 【0122】また、異なった収縮率の材料を組み合わせ
ることにより、アンカー効果の発現など部材同士の結合
をより確実にすることが可能となる。一方の材料をゴム
あるいはエラストマーを選ぶことで部材相互の動きを損
なうことなく上記結合および部品の機密性を増すことが
可能となる。 【0123】即ち、本発明によって従来に比べ低コスト
でしかも高品質のインクジェット記録装置の液室周りの
部品を提供することが可能となった。 【0124】上記に説明したインクジェット記録ヘッド
の一般的な構成を、図24を参照して説明する。 【0125】インクジェット記録ヘッドHを構成する天
板1100は樹脂材料で形成され、記録液を溜めておく
液室1104や複数の液流路1103を形成する天板部
材、複数の液流路1103にそれぞれ連通する複数の吐
出口(オリフィス)1102を形成する吐出口形成部材
1101、および記録液供給口1105が一般的に成形
されている。また、ヒーターボード(素子基板)110
7には、シリコン基板上に複数配列されたヒータ(電気
熱変換体)1106とこれに電力を供給するアルミニウ
ム等の不図示の電気配線とが公知の成膜技術により成形
され、ベースプレート1110上に公知のダイボンディ
ング技術により位置決め固定されている。配線基板11
08は、ヒーターボード1107の配線に対応して公知
のワイヤーボンディングにより接続される配線と、この
配線の端部に位置し、装置本体からの電気信号を受ける
複数のパッド1109とを有している。 【0126】そして、天板1100とヒーターボード1
107とは液流路1103およびヒータ1106のそれ
ぞれに対応するように位置決めされた状態で接合され、
配線基板1108とともにベースプレート1110上に
固定され、インクジェット記録ヘッドHを形成してい
る。 【0127】図25は、ヘッドカートリッジ110を搭
載したインクジェット記録装置を示す斜視図である。図
25に示されるインクジェット記録装置では、互いに平
行なリードスクリュー104およびガイド軸105が筐
体に備えられている。リードスクリュー104およびガ
イド軸105には、キャリッジ101がリードスクリュ
ー104およびガイド軸105と平行な方向に移動可能
に取り付けられている。キャリッジ101は、キャリッ
ジモーター(不図示)によってリードスクリュー104
が回転されることで平行移動させられる。 【0128】キャリッジ101には、インクジェットヘ
ッドHを備えたヘッドカートリッジ110が搭載されて
いる。インクジェットヘッドHの吐出口に対向する位置
には、紙押さえ板109が備えられている。 【0129】また、インクジェット記録装置には、被記
録媒体である記録用紙106をインクジェットヘッドH
の記録領域に向けて搬送する給紙ローラ107と、イン
クジェットヘッドHにより記録された記録用紙106を
排出するための排紙ローラ108とが備えられている。
給紙ローラ107および排紙ローラ108は、不図示の
モーターにより回転される。そのモーターや、給紙ロー
ラ107および排紙ローラ108などから、ヘッドカー
トリッジ110のインクジェットヘッドHから吐出され
た液体を受ける記録用紙106を搬送する被記録媒体搬
送装置が構成されている。そして、被記録媒体搬送装置
による記録用紙106の搬送方向と交差する方向にキャ
リッジ101が往復移動する。 【0130】インクジェットヘッドHから吐出されるイ
ンクが、インクジェットヘッドHの吐出口面と対向する
記録用紙106に付着することよって、記録用紙106
の表面に記録画像が形成される。インクジェットヘッド
Hによる記録用紙106への記録と連動して、モータに
より回転される給紙ローラ107および排紙ローラ10
8と、紙押さえ板109とによって記録用紙106がイ
ンクジェット記録装置の外部に排出される。
録装置の液室周りのピストン、バルブなどの部品及びそ
の製法並びにそれら部品を装備したインクジェット記録
装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】図22は従来の例えば液体インク用のピ
ストンポンプの一例を示す断面図で、シリンダ1とピス
トン2と弁3との3部品から成り、予め、図23の矢印
のようにピストン2に弁3を嵌め込んだ後、それをシリ
ンダ1に挿入し完成品となる。1aはインク吸引チャン
ネル、1bはインク排出側液室、2aはインクチャンネ
ル、2bはロッド部、3aは弁葉、3bはアンカーボス
をそれぞれ示す。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この方
法では、どうしても3部品を一体にするための組み付け
作業が発生するため、時間を要する上、その分コストの
上昇をも伴う。 【0004】また、シーリング性を確保するため、ピス
トン2と弁3部に異物が入らないように管理すること等
が必要となる。同様に、シリンダ1とピストン2とを組
む前にも異物がシリンダ1に入り込こまないよう管理す
る必要がある。 【0005】流路の開閉及び流路の変更を、回転または
スライドにより行うバルブにおいても同様に内筒の第1
の部材と、外筒の第2の部材と、内筒の抜け止め部材と
の3部品を別々に作製し、これらを組み立てて製造して
いた。 【0006】しかしながら、上記従来例からも明らかな
ように、内筒の第1の部材と、外筒の第2の部材と、外
筒の抜け止め部材との3部品を別々に作製し、これらを
組み立てる工程を必要とし、その分コストが上昇する難
点があった。 【0007】また、前記2部材の別々な作製で生ずる寸
法、形状誤差等により、組み立て時に選んだ2部材の組
み合わせによっては、安定した回転または摺動を行えな
い可能性があった。更には、流体の洩れが発生すること
があった。 【0008】また、前記内筒が外筒から抜け落ちないた
めの抜け止め部材を必要とし、この抜け止め部材を追加
した時、更に部品点数が増え、抜け止め部材の組み立て
という工数が増え、更にコストアップする難点が有っ
た。 【0009】本発明は、以上のような局面にかんがみて
なされたもので、上記問題点を解消すると共に、インク
ジェット記録装置等への応用にも適した液室周りの部品
を提供することを第1の目的としている。 【0010】本発明の第2の目的は、前記部材の別々な
作製と組み立て工程とを削減し、安価で安定した部品を
供給することにある。 【0011】本発明の第3の目的は、部品を形成するの
少なくも一方の材料を弾性材料にて生成し、気密性の高
い、低コストの部品を供給することにある。 【0012】本発明の第4の目的は、2つ以上の部材の
別々な作製と組み立て工程を削減し、安価な部品を供給
することにある。 【0013】 【課題を解決するための手段】このため、本発明におい
ては、以上の各項(1)〜(38)のいずれかに示すピ
ストンポンプ、バルブ、インクジェット記録装置用ポン
プユニット及びインクジェット記録装置を提供すること
により、前記目的を達成しようとするものである。 【0014】(1)シリンダとピストンと弁とを互いに
相溶性を持たない材料によりインサート成形あるいは多
色成形で形成したことを特徴とするピストンポンプ。 【0015】(2)前記ピストン形成材料の成形収縮率
が、前記シリンダ形成材料の成形収縮率より小さいこと
を特徴とする前項(1)記載のピストンポンプ。 【0016】(3)前記弁形成材料がゴムあるいはエラ
ストマーであることを特徴とする前項(1)記載のピス
トンポンプ。 【0017】(4)前記弁形成材料の成形収縮率が、前
記ピストン形成材料の成形収縮率より小さいことを特徴
とする前項(1)記載のピストンポンプ。 【0018】(5)前記ピストンの前記シリンダとの摺
動部に、前記ピストン形成材料とは相溶性があり、前記
シリンダ形成材料とは相溶性のない弾性部材をインサー
ト成形あるいは多色成形で形成したことを特徴とする前
項(1)記載のピストンポンプ。 【0019】(6)前記弾性部材の材料がゴムあるいは
エラストマーであることを特徴とする前項(5)記載の
ピストンポンプ。 【0020】(7)前記弾性部材あるいはピストンの成
形収縮率が、前記シリンダー形成材料の成形収縮率より
小さいことを特徴とする前項(5)記載のピストンポン
プ。 【0021】(8)前記ピストンの排出口に第1の弁、
前記シリンダの吸入口に第2の弁をそれぞれ設けたこと
を特徴とする前項(1)記載のピストンポンプ。 【0022】(9)前記第1及び第2の各弁材料がゴム
あるいはエラストマーであることを特徴とする前項
(8)記載のピストンポンプ。 【0023】(10)前記第2の弁形成材料の成形収縮
率が、前記シリンダ形成材料の成形収縮率より小さいこ
とを特徴とする前項(9)記載のピストンポンプ。 【0024】(11)円筒形の穴と、この円筒形の穴に
開口を有する少くとも一つの流路を有する第1の部材
と、この第1の部材の前記円筒形穴に嵌合し、回転自在
に回転させることにより、少くとも前記一つの流路が前
記第1の部材の流路と接続するような流路を有する第2
の部材とを、互いに相溶性を持たない材料によりインサ
ート成形あるいは二色成形で形成したことを特徴とする
バルブ。 【0025】(12)前記第1の部材あるいは第2の部
材に、軸方向の抜け止めを有することを特徴とする前項
(11)記載のバルブ。 【0026】(13)前記第1あるいは第2の部材のい
ずれかが弾性材料であることを特徴とする前項(11)
記載のバルブ。 【0027】(14)前記弾性材料が、ゴムまたはエラ
ストマーであることを特徴とする前項(13)記載のバ
ルブ。 【0028】(15)円筒形の穴と、この円筒形の穴に
開口を有する少くとも二つの流路を有する第1の部材
と、この第1の部材の前記円筒形穴に嵌合し、回転自在
に回転させることにより、少くとも前記二つの流路が選
択的に選べる構造で、前記第1の部材の流路と接続する
ような流路を有する第2の部材とを、互いに相溶性を持
たない材料によりインサート成形あるいは二色成形で形
成したことを特徴とするバルブ。 【0029】(16)前記第1の部材あるいは第2の部
材に、軸方向の抜け止めを有することを特徴とする前項
(15)記載のバルブ。 【0030】(17)前記第1あるいは第2の部材のい
ずれかが弾性材料であることを特徴とする前項(15)
記載のバルブ。 【0031】(18)前記弾性材料が、ゴムまたはエラ
ストマーであることを特徴とする前項(17)記載のバ
ルブ。 【0032】(19)筒形の穴と、この筒形の穴に開口
を有する少くとも一つの流路を有する第1の部材と、こ
の第1の部材の前記筒形穴に嵌合し、摺動自在にスライ
ドさせることにより、少なくとも一つの前記流路が、前
記第1の部材の流路と接続するような流路を有する第2
の部材とを、互いに相溶性を持たない材料によりインサ
ート成形あるいは二色成形で形成したことを特徴とする
バルブ。 【0033】(20)前記第1の部材あるいは第2の部
材に、軸方向の抜け止めを有することを特徴とする前項
(19)記載のバルブ。 【0034】(21)前記第1あるいは第2の部材のい
ずれかが弾性材料であることを特徴とする前項(19)
記載のバルブ。 【0035】(22)前記弾性材料が、ゴムまたはエラ
ストマーであることを特徴とする前項(21)記載のバ
ルブ。 【0036】(23)筒形の穴と、筒形の穴に開口を有
する少なくとも二つの流路を有する第1の部材と、この
第1の部材の筒形穴に嵌合し、摺動自在にスライドさせ
ることにより、少なくとも二つの前記流路が選択的に選
べる構造で、前記第1の部材の流路と接続するような流
路を有する第2の部材とを、互いに相溶性を持たない材
料によりインサート成形あるいは二色成形で形成したこ
とを特徴とするバルブ。 【0037】(24)前記第1の部材あるいは第2の部
材に、軸方向の抜け止めを有することを特徴とする前項
(23)記載のバルブ。 【0038】(25)前記第1あるいは第2の部材のい
ずれかが弾性材料であることを特徴とする前項(23)
記載のバルブ。 【0039】(26)前記弾性材料が、ゴムまたはエラ
ストマーであることを特徴とする前項(25)記載のバ
ルブ。 【0040】(27)前項(1)記載のピストンポンプ
にさらに、インクジェット記録ヘッドに密着してインク
を吸引するためのキャップを、インサート成形あるいは
多色成形で形成したことを特徴とするインクジェット記
録装置ポンプユニット。 【0041】(28)前記キャップ形成材料がゴムある
いはエラストマーであることを特徴とする前項(27)
記載のインクジェット記録装置用ポンプユニット。 【0042】(29)前項(27)、(28)のいずれ
か記載のインクジェット記録装置用ポンプユニットを備
えたことを特徴とするインクジェット記録装置。 【0043】(30)熱エネルギーを利用してインクを
吐出する前項(29)記載のインクジェット記録装置。 【0044】(31)インクジェット記録装置において
インクに接した状態で複数部材同士が互いに接触した状
態で用いられるインクジェット記録装置用部品であっ
て、互いに相溶性を持たない材料によってインサート成
形あるいは多色成形で形成されたことを特徴とするイン
クジェット記録装置用部品。 【0045】(32)前記多色成形は二色成形である前
項(31)記載のインクジェット記録装置用部品。 【0046】(33)前記部品はポンプである前項(3
1)記載のインクジェット記録装置用部品。 【0047】(34)前記複数部材はピストンとシリン
ダーとを含む前項(33)記載のインクジェット記録装
置用部品。 【0048】(35)前記複数部材はピストンとシリン
ダーとを含む前項(33)または(34)記載のインク
ジェット記録装置用部品。 【0049】(36)前記複数部材はシリンダーと該シ
リンダーに設けられた弁とを含む前項(33)または
(34)記載のインクジェット記録装置用部品。 【0050】(37)前記複数部材はポンプのシリンダ
ーに連通する部分と該部分に接続されたインクを吐出す
る吐出口を覆うためのキャップとを含む前項(31)記
載のインクジェット記録装置用部品。 【0051】(38)前記部品は弁である前項(31)
記載のインクジェット記録装置用部品。 【0052】 【作用】以上のような本発明構成により、部材同志が互
いに相溶性のない樹脂材料を用いて、インサート成形あ
るいは多色成形でポンプあるいは、バルブを形成するこ
とにより、後の組立工程が不要となり、管理の手間を省
くことができ、低コストで信頼性の高い例えばインクジ
ェット記録装置への使用にも適した部品を提供すること
ができる。 【0053】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、複
数の実施例に基づき、それぞれ図面を参照して詳細に説
明する。 【0054】 【実施例】(第1実施例)図1は、本発明に係る第1の
実施例であるピストンポンプ9の断面図で、シリンダ1
とピストン2と弁3とから成る。シリンダ1とピストン
2と弁3とは互いに相溶性を持たない樹脂材料の組み合
わせで図1の状態でインサート成形、あるいは多色成形
(二色成形を含む)で形成される。図中、1aはインク
吸引チャンネル、1bはインク排出側液室、2aはイン
クチャンネル、2bはロッド部、3aは弁葉、3bはア
ンカーポストをそれぞれ示す。 【0055】図2は、このポンプ10をインクジェット
記録装置の記録ヘッド6に用いた場合の断面図を示す。
図中5はキャップを示す。 【0056】図3,4を用いて、この記録ヘッド6の吸
引/吐出動作を説明する。吸引動作は、記録ヘッドノズ
ル内に入った異物や泡、あるいは固着したインク等や増
粘したインクを強制的に吸い出して良好な印字を確保す
るために不可欠のものである。 【0057】本発明に係る部品は、インクジェット記録
装置においてインクに接した状態で複数部材同士が互い
に接触した状態で用いられるインクジェット記録装置用
部品であって、互いに相溶性を持たない材料によってイ
ンサート成形あるいは多色成形で成形されたものであ
る。ここで、「互いに相溶性を持たない材料」は、材料
の融点が異なる等の理由により互いに相溶性を持たない
ものである。代表的な組み合わせの例として、ポリブチ
レンとスチレン系エラストマー、ABS樹脂とPP樹
脂、ABS樹脂とHIPS樹脂、PC樹脂とPP樹脂、
PC樹脂とHIPS樹脂、POM樹脂とHIPS樹脂、
及びPP樹脂とHIPS樹脂等を挙げることかできる。 【0058】6は記録ヘッドで、5は、記録ヘッド6に
密着して密閉系を形成するためのキャップで、通常、ゴ
ムやエラストマー等の弾性材料で形成される。本実施例
のポンプはこのキャップ5に取り付けられている。 【0059】図3は吸引状態を示す図で、ピストン2は
不図示の駆動源にロッド部2bで結合されており、これ
により図中矢印方向に引かれている。これにより吸引側
液室1cが負圧となり、記録ヘッド6からインク7を吸
い出し、図のように、インク7は、シリンダ1の吸引チ
ャンネル1aを通して、吸引側液室1cに入ってくる。
この時、第1の弁3の弁葉3aは吸引液室1cの負圧に
より閉じている。 【0060】図4は、吸引側液室1cからインクを排出
側液室1bに排出する動作を示す図で、ピストン2は、
不図示の駆動系により、ロッド部2bが図中矢印方向に
押し上げられている。これにより、吸引側液室1cは正
圧となるので、ピストン2に取付けられた弁3の弁葉3
aが撓み、ピストン2のインクチャンネル2aを通じて
吸引側液室1cと排出側液室1bとがつながり、インク
7が図示のように吸引側液室1cから排出側液室1bに
流れる。 【0061】これら一連の吸引、排出動作を繰り返すこ
とにより、記録ヘッド6から印字不要の原因となる異物
や泡、あるいは固着したインクや増粘したインク等が排
除される。 【0062】図5,6はポンプ成形の流れの説明図で、
図5は第1段階で、樹脂材料でシリンダ1が成形され
る。次に図6のように、シリンダ1と相溶性を持たない
樹脂材料でピストン2が成形される。2cは、弁3のア
ンカーボス3b形成用穴である。最後にピストン2と相
溶性を持たない樹脂材料で弁3が成形され、前記図1の
ように完成する。このとき、弁3の形成材料の成形収縮
率は、ピストン2の形成材料の成形収縮率より小さいの
で、ピストン2の穴2cが弁3のアンカーボス3bより
収縮するので、弁3の抜け止めのアンカー効果が発揮さ
れる。 【0063】また、ピストン2の成形収縮率を、シリン
ダ1の成形収縮率より小さくしてやることで、適度の締
め代を設けることにより、シール性を確保することがで
きる。 【0064】本第1実施例ではキャップ5を別部品とし
たが、一連の多色成形の中に、このキャップ5の形成を
含めることもできる。その場合は、図1の状態に、さら
にキャップ5を成形し、図2の状態に至る。 【0065】(第2実施例)図7は、本発明に係る第2
の実施例のポンプ9断面図で、前記第1の実施例のポン
プに吸引液室1cから記録ヘッド6へのインクの逆流を
防止するための第2の弁4を、シリンダ1に設けたもの
である。第2の弁4はシリンダ1とは相溶性を持たない
樹脂材料の組み合わせで、図7の状態でインサート成
形、あるいは多色成形で形成される。 【0066】図8〜10を用いて、インクジェットプリ
ンタにおける記録ヘッド6の吸引動作を説明する。 【0067】6は記録ヘッドで、5は記録ヘッド6に密
着して密閉系を形成するためのキャップで通常、ゴムや
エラストマー等の弾性材料で形成される。第2実施例の
ポンプ9はこのキャップ5に取り付けられている。 【0068】図8は吸引状態を示す図で、ピストン2は
不図示の駆動源にロッド部2bで結合されており、これ
により図中矢印方向に引かれている。これにより吸引側
液室1cが負圧となるので、第2の弁4の弁葉4aが開
き、吸引チャンネル1aが通ずるので、記録ヘッド6か
らインク7が図示のようにシリンダの吸引チャンネル1
aを通して、吸引側液室1cに入ってくる。この時、第
1の弁3の弁葉3aは吸引液室1cの負圧により閉じて
いる。 【0069】図9は、吸引側液室1cからインクを排出
側液室1bに排出する動作を示す図で、ピストン2は、
不図示の駆動系により、ロッド部2bが図中矢印方向に
押し上げられている。これにより、吸引側液室1cは正
圧となるので、ピストン2に取付けられた第1の弁3の
弁葉3aが撓み、ピストン2のインクチャンネル2aを
通して吸引側液室1cと排出側液室1bがつながり、イ
ンク7が図のように吸引側液室1cから排出側液室1b
に流れる。この時、第2の弁4の弁葉4aは吸引液室1
cの正圧により閉じているので吸引液室1cのインク7
が記録ヘッド6に逆流することはない。 【0070】これら一連の吸引、排出動作を繰り返すこ
とにより、記録ヘッド6から印字不要の原因となる異物
や泡、あるいは固着したインクや増粘したインク等が排
除される。 【0071】図10から図12は、ポンプ成形の流れの
説明図で、図10は第1段階で、透明な樹脂材料でシリ
ンダ1が成形される。次に図11のように、第2段階で
シリンダ1と相溶性を持たない樹脂材料で第2の弁4が
成形される。このとき、第2の弁4の形成材料の成形収
縮率はシリンダ1の形成材料の成形収縮率より小さいの
で、シリンダ1の穴1dが第2の弁4のアンカーボス4
bより収縮するので、第2の弁4の抜け止めのアンカー
効果が発揮される。 【0072】次に図12に示すように、第3段階でシリ
ンダ1と相溶性を持たない樹脂材料でピストン2が成形
される。最後にピストン2と相溶性を持たない樹脂材料
で、第1の弁3が成形され、図7のように完成する。 【0073】このとき、前記第1の実施例と同様に、第
1の弁3の形成材料の成形収縮率はピストン2の形成材
料の成形収縮率より小さいので、ピストン2の穴2cが
第1の弁3のアンカーボス3bより収縮するので、第1
の弁3の抜け止めのアンカー効果が発揮される。 【0074】本第2実施例では、キャップ5を別部品と
したが、一連の多色成形の中に、このキャップ5の形成
を含めることもできる。その場合は、図7の状態に、さ
らにキャップ5を成形し、図8の状態に至る。 【0075】(第3実施例)図13は、本発明に係る第
3の実施例のポンプ断面図で、前記第2の実施例のポン
プ9に、シール用の弾性部材8を設けたものである。前
記第1の実施例同様、シリンダ1とピストン2とは互い
に相溶性を持たない樹脂材料の組み合わせである。弾性
部材8は、ピストン2とは相溶性を有し、シリンダ1と
は相溶性を持たない樹脂材料で、ゴムあるいはエラスト
マーにより形成される。 【0076】図14,15を用いて成形の流れを説明す
る。シリンダ1及び第2の弁4の成形までの段階は、前
記第2の実施例におけると同様である。 【0077】次に、図14のように、弾性部材8とは相
溶性を持つが、シリンダ1とは相溶性を持たない樹脂材
料でピストン2が成形される。 【0078】次に、図15のように、ピストン2とは相
溶性を持つが、シリンダ1とは相溶性を持たない樹脂材
料で弾性部材8が成形される。 【0079】最後に、第1の弁3が成形され、図13の
ように完成する。相互の相溶性有無の関係から、弾性部
材8とピストン2のみが結合されている。従って、完成
後は、ピストン2を軸方向に自由に動かすことができ
る。 【0080】また、弾性部材8あるいはピストン2の成
形収縮率を、シリンダ1の成形収縮率より小さくしてや
ることで、適度の締め代を設けることにより、シール性
を確保することができる。 【0081】本第3実施例では、キャップ5を別部品と
したが、一連の多色成形の中に、このキャップ5の形成
を含めることもできる。その場合は、図13の状態に、
さらにキャップ5を成形すればよい。 【0082】以上説明したように、本発明によれば、シ
リンダとピストンとが互いに相溶性のない樹脂材料を用
いて、シリンダとピストンと弁とをインサート成形ある
いは多色成形でピストンポンプ9を形成することによ
り、後の組立工程を不要とすることができ、管理の手間
を省くことができ、低コストで信頼性の高い例えばイン
クジェット記録装置等にも有利に使用し得るポンプユニ
ットを提供することができる。 【0083】以上、シリンダーとピストンの成形につい
て本発明の実施例を述べてきたが、次にインクジェット
記録装置の液室周りの部品である回転あるいは摺動バル
ブユニットに関しての実施例を説明する。 【0084】(第4実施例)図16に、本発明に係る第
1の実施例の回転バルブユニットの斜視図を示す。内側
に位置する円筒形状の第1の円筒部材1と外側に位置す
る円筒形状の第2の外筒部材2とが設けられており、内
筒1は、外筒2に対し回転可能に係合されている。 【0085】内筒21は、流路21aで示されるように
中空になっており対象とする流体は、この中を流路とし
て流れる構造である。 【0086】また内筒21には、前記流路21a及び円
周面に開口部21bが設けられており、外筒22におい
ては、図示のように、中空部に開口部22aが設けられ
ている。 【0087】以上のような構成において、不図示のチュ
ーブ等により流体が流れ、前記流路21aより流体が内
筒21内に流れ込み、この流体は開口部21bから流出
する。 【0088】内筒1と外筒2との位置関係が、図16に
示す位置にある場合、外筒2の開口部22aから流路が
確保され、流体が流れることができる。 【0089】もし流路を塞ぎたい場合、内筒21と外筒
22との位置関係を相対回転によりずらし、それぞれの
開口部21bと22aとが合致しない位置に回転させ
る。これにより、流体は開口21bから流出しようとす
るが、外筒22の内壁で塞がれることで流路は閉じられ
る。 【0090】さて、バルブユニットの2部材21,22
は、材料の融点が異なる等の理由により、相溶性を持た
ない材料を使用する。この相溶性の無い材料の組み合わ
せの例としては、例えばポリブチレンとスチレン系エラ
ストマー等が考えられる。例えば、樹脂材料を用いて射
出成形による二色成形を行う。 【0091】この時、2種の樹脂材料の収縮率は、シー
リング性を重視しない場合は、内筒部材材料(21)≧
外筒部材材料(22)と設定する。すると、成形後、内
筒部材21と外筒部材22との間には、回転を保証し、
かつ気密性を保つだけのクリアランス(すきま)が形成
される。シーリング性を重視する場合は、収縮率を内筒
部材材料(21)≦外筒部材材料(22)と設定する。
すると成形後、内筒部材21と外筒部材22とは適度の
緊迫関係になり、シーリング性がよくなる。 【0092】こうしてインサート成形または二色成形に
より一工程で、回転動作による開閉自在な回転式、バル
ブユニットが作製可能となり、従来の組立工程が不要と
なる。 【0093】流体は液体であっても気体であってもよ
い。 【0094】(第5実施例)図17は、本発明に係る第
5の実施例回転式バルブユニットの斜視図で、前記第4
実施例と同様に、内筒21と外筒22とが係合されてい
る。 【0095】内筒21は外筒22にガイドされ回転可能
である。 【0096】更に本第5実施例で、外筒22は、内筒2
1の径が太くなっている部分を完全に覆う構造になって
いる。 【0097】このため内筒21は、外筒22から抜け落
ちることがなくなる。 【0098】この構成より成るバルブユニットを、前記
第4実施例におけると同様に、相容性が無い材料で、イ
ンサート成型または二色成型で作製することにより、一
工程で回転動作による開閉自在な抜け止め式の回転バル
ブユニットが作製可能となり、従来のような組立工程が
不要となる。 【0099】(第6実施例)図18は、本発明に係る第
6の実施例の抜け止め摺動バルブユニットの斜視図で、
内筒21と外筒22とが係合されている。 【0100】内筒21は、外筒22にガイドされて、軸
方向に摺動可能である。更に本第6実施例では外筒22
には内筒21が、外筒22から抜け落ちないための抜け
止め部22bが設けてあり、抜け止め部22bは、内筒
21が図の左方向に移動した時に突き当たるように構成
されている。 【0101】また内筒21にも抜け止め部21cが設け
てあり、内筒21が図の右方向に移動したとき、外筒抜
け止め部22bに当接し、外筒22から抜け落ちてしま
うことを防止する機能を有する。 【0102】このような形状より成るバルブユニット
を、前記第4実施例で述べたように相容性が無い材料
で、インサート成型または二色成型で作製することによ
り、一工程で、摺動動作による開閉自在な摺動バルブユ
ニットが作製可能となり、従来の組立工程を省くことが
できる。 【0103】なお、図18においては、内筒21及び外
筒22は円柱形状をしているが、本実施例ではこれのみ
に限定されることなく、それぞれが平行移動すれば良
く、筒断面形状は、例えば角形等の他の自由な形状で利
用できる利点がある。 【0104】従来は一般的に、このような形状のバルブ
ユニットにおいて、充分な強度を持った抜け止め形状を
作ることは困難であった。これは抜け止め構造を作る
と、内筒を組み込む時に邪魔になり、組み込めないか、
または、充分な抜け止め強度を持たせることができなく
なるためである。 【0105】この対策として、抜け止め部材を追加し、
外筒22に内筒21を組み込み、その後、抜け止め用の
別部材を組み立てていた。 【0106】以上のような本第6実施例構成によれば、
部品点数と組み立て工数とを大幅に減らした、スライド
バルブユニットが供給可能となる。 【0107】(第7実施例)図19は本発明に係る第7
の実施例の回転バルブの斜視図である。 【0108】内筒21と外筒22とが係合されており、
内筒21は外筒22にガイドされ摺動可能である。 【0109】また内筒21には、開口部21bが設けて
あり、外筒22には、開口部が22c、22dと2つ設
けてある。流体は21aの流路を通り、図19に示すよ
うに開口部21bが外筒の開口部22cに位置合わせさ
れているため、開口部22cから流出する。 【0110】内筒21を回転し開口部21bを外筒開口
部22dに合わせると流体は22dから流出することに
なる。 【0111】こうして流路を選択的に変えることのでき
る回転バルブユニットを構成することができる。 【0112】このような構成より成るバルブユニット
を、前記第4実施例で述べたように、相容性が無い材料
で、インサート成型または二色成型で作製することで、
一度に摺動動作による流路の変更自在な安価なバルブユ
ニットが作製可能となる。 【0113】(第8実施例)図20は、本発明に係る第
8の実施例としての摺動バルブユニットの斜視図であ
る。 【0114】本第8実施例は、外筒22に2つの開口部
22c,22dを有する図19の前記回転バルブユニッ
トの特徴を、摺動バルブユニットに適用したもので、そ
の回転/摺動式の差異を除いて、前記原理/特徴は第7
実施例と同じく同様であるので、重複説明は省略する。 【0115】(第9実施例)本第9実施例は、前記第4
から第8の各実施例においていずれの場合においても、
内筒21または外筒22の少なくも一つの材料を弾性材
料で構成した実施例である。 【0116】弾性材料を使用するときは、内筒21と外
筒22との成型収縮率は逆にするのが好ましい。 【0117】すなわち、例えば図21に示すようなスラ
イド式バルブの例において、内筒部材材料収縮率(1)
<外筒部材材料収縮率(2)とする。この種の弾性材料
としては、例えばゴムまたはエラストマー等が挙げられ
る。 【0118】弾性材料の弾性変形を利用し気密性を持た
せるが、回転または摺動負荷は極端に大きくなることは
ない。 【0119】この性質を利用して、機密性の高い安価な
バルブユニットを作製することができる。 【0120】上記実施例は、前記複数の実施例を組み合
わせ、多機能のバルブユニットを作製できることは自明
である。 【0121】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
部品を形成する際に、各部材に相互に相溶性を持たない
材料を用いて、インサート成形あるいは多色成形(二色
成形も含む)ことにより組立工程を不要とした低コスト
の部品を提供することができる。 【0122】また、異なった収縮率の材料を組み合わせ
ることにより、アンカー効果の発現など部材同士の結合
をより確実にすることが可能となる。一方の材料をゴム
あるいはエラストマーを選ぶことで部材相互の動きを損
なうことなく上記結合および部品の機密性を増すことが
可能となる。 【0123】即ち、本発明によって従来に比べ低コスト
でしかも高品質のインクジェット記録装置の液室周りの
部品を提供することが可能となった。 【0124】上記に説明したインクジェット記録ヘッド
の一般的な構成を、図24を参照して説明する。 【0125】インクジェット記録ヘッドHを構成する天
板1100は樹脂材料で形成され、記録液を溜めておく
液室1104や複数の液流路1103を形成する天板部
材、複数の液流路1103にそれぞれ連通する複数の吐
出口(オリフィス)1102を形成する吐出口形成部材
1101、および記録液供給口1105が一般的に成形
されている。また、ヒーターボード(素子基板)110
7には、シリコン基板上に複数配列されたヒータ(電気
熱変換体)1106とこれに電力を供給するアルミニウ
ム等の不図示の電気配線とが公知の成膜技術により成形
され、ベースプレート1110上に公知のダイボンディ
ング技術により位置決め固定されている。配線基板11
08は、ヒーターボード1107の配線に対応して公知
のワイヤーボンディングにより接続される配線と、この
配線の端部に位置し、装置本体からの電気信号を受ける
複数のパッド1109とを有している。 【0126】そして、天板1100とヒーターボード1
107とは液流路1103およびヒータ1106のそれ
ぞれに対応するように位置決めされた状態で接合され、
配線基板1108とともにベースプレート1110上に
固定され、インクジェット記録ヘッドHを形成してい
る。 【0127】図25は、ヘッドカートリッジ110を搭
載したインクジェット記録装置を示す斜視図である。図
25に示されるインクジェット記録装置では、互いに平
行なリードスクリュー104およびガイド軸105が筐
体に備えられている。リードスクリュー104およびガ
イド軸105には、キャリッジ101がリードスクリュ
ー104およびガイド軸105と平行な方向に移動可能
に取り付けられている。キャリッジ101は、キャリッ
ジモーター(不図示)によってリードスクリュー104
が回転されることで平行移動させられる。 【0128】キャリッジ101には、インクジェットヘ
ッドHを備えたヘッドカートリッジ110が搭載されて
いる。インクジェットヘッドHの吐出口に対向する位置
には、紙押さえ板109が備えられている。 【0129】また、インクジェット記録装置には、被記
録媒体である記録用紙106をインクジェットヘッドH
の記録領域に向けて搬送する給紙ローラ107と、イン
クジェットヘッドHにより記録された記録用紙106を
排出するための排紙ローラ108とが備えられている。
給紙ローラ107および排紙ローラ108は、不図示の
モーターにより回転される。そのモーターや、給紙ロー
ラ107および排紙ローラ108などから、ヘッドカー
トリッジ110のインクジェットヘッドHから吐出され
た液体を受ける記録用紙106を搬送する被記録媒体搬
送装置が構成されている。そして、被記録媒体搬送装置
による記録用紙106の搬送方向と交差する方向にキャ
リッジ101が往復移動する。 【0130】インクジェットヘッドHから吐出されるイ
ンクが、インクジェットヘッドHの吐出口面と対向する
記録用紙106に付着することよって、記録用紙106
の表面に記録画像が形成される。インクジェットヘッド
Hによる記録用紙106への記録と連動して、モータに
より回転される給紙ローラ107および排紙ローラ10
8と、紙押さえ板109とによって記録用紙106がイ
ンクジェット記録装置の外部に排出される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例のポンプの断面図
【図2】 第1実施例のポンプをインクジェット記録ヘ
ッドの吸引に用いた場合の断面図 【図3】 図2ポンプのインク吸引動作時の断面図 【図4】 図3ポンプのインク排出動作時の断面図 【図5】 図1ポンプの成形第1段階の断面図 【図6】 図5ポンプの成形第2段階の断面図 【図7】 第2実施例のポンプ断面図 【図8】 図7ポンプをインクジェット記録ヘッドの吸
引に用いた場合のインク吸引動作時断面図 【図9】 図8ポンプのインク排出動作時断面図 【図10】 第2実施例ポンプの成形第1段階の断面図 【図11】 図10のポンプの成形第2段階の断面図 【図12】 図11のポンプの成形第3段階の断面図 【図13】 第3の実施例のポンプの断面図 【図14】 図13のポンプの成形第1段階の断面図 【図15】 図14のポンプの成形第2段階の断面図 【図16】 第4実施例の回転バルブユニットの斜視図 【図17】 第5実施例の抜け止め回転バルブユニット
の斜視図 【図18】 第6実施例の抜け止め摺動バルブユニット
の斜視図 【図19】 第7実施例の回転流路変更バルブユニット
の斜視図 【図20】 第8実施例の摺動流路変更バルブユニット
の斜視図 【図21】 第9実施例の一方に弾性材料を使用した摺
動バルブユニットの斜視図 【図22】 従来のピストンポンプの一例の断面図 【図23】 図22のポンプのピストン断面図 【図24】 本発明の実施の形態に係るヘッドカートリ
ッジに組み込まれるインクジェットヘッドの要部を示す
模式的破断斜視図 【図25】 本発明の実施形態に係るヘッドカートリッ
ジを搭載したインクジェット記録装置を示す斜視図 【符号の説明】 1 シリンダ 2 ピストン 3 第1の弁 4 第2の弁 5 キャップ 6 記録ヘッド 7 インク 8 弾性部材 9 ピストンポンプ 10 ポンプユニット 21 内筒部材 21a 流路 21b 開口部 21c 抜け止め部 22 外筒部材 22a,22c,22d 開口部 22b 抜け止め部 101 キャリッジ 104 リードスクリュー 105 ガイド軸 106 記録用紙 107 給紙ローラ 108 排紙ローラ 109 紙押え板 110 ヘッドカートリッジ 1100 天板 1101 吐出口形成部材 1102 吐出口 1103 液流路 1104 液室 1105 記録液供給口 1106 ヒーター 1107 ヒーターボード 1108 配線基板 1109 パッド 1110 ベースプレート
ッドの吸引に用いた場合の断面図 【図3】 図2ポンプのインク吸引動作時の断面図 【図4】 図3ポンプのインク排出動作時の断面図 【図5】 図1ポンプの成形第1段階の断面図 【図6】 図5ポンプの成形第2段階の断面図 【図7】 第2実施例のポンプ断面図 【図8】 図7ポンプをインクジェット記録ヘッドの吸
引に用いた場合のインク吸引動作時断面図 【図9】 図8ポンプのインク排出動作時断面図 【図10】 第2実施例ポンプの成形第1段階の断面図 【図11】 図10のポンプの成形第2段階の断面図 【図12】 図11のポンプの成形第3段階の断面図 【図13】 第3の実施例のポンプの断面図 【図14】 図13のポンプの成形第1段階の断面図 【図15】 図14のポンプの成形第2段階の断面図 【図16】 第4実施例の回転バルブユニットの斜視図 【図17】 第5実施例の抜け止め回転バルブユニット
の斜視図 【図18】 第6実施例の抜け止め摺動バルブユニット
の斜視図 【図19】 第7実施例の回転流路変更バルブユニット
の斜視図 【図20】 第8実施例の摺動流路変更バルブユニット
の斜視図 【図21】 第9実施例の一方に弾性材料を使用した摺
動バルブユニットの斜視図 【図22】 従来のピストンポンプの一例の断面図 【図23】 図22のポンプのピストン断面図 【図24】 本発明の実施の形態に係るヘッドカートリ
ッジに組み込まれるインクジェットヘッドの要部を示す
模式的破断斜視図 【図25】 本発明の実施形態に係るヘッドカートリッ
ジを搭載したインクジェット記録装置を示す斜視図 【符号の説明】 1 シリンダ 2 ピストン 3 第1の弁 4 第2の弁 5 キャップ 6 記録ヘッド 7 インク 8 弾性部材 9 ピストンポンプ 10 ポンプユニット 21 内筒部材 21a 流路 21b 開口部 21c 抜け止め部 22 外筒部材 22a,22c,22d 開口部 22b 抜け止め部 101 キャリッジ 104 リードスクリュー 105 ガイド軸 106 記録用紙 107 給紙ローラ 108 排紙ローラ 109 紙押え板 110 ヘッドカートリッジ 1100 天板 1101 吐出口形成部材 1102 吐出口 1103 液流路 1104 液室 1105 記録液供給口 1106 ヒーター 1107 ヒーターボード 1108 配線基板 1109 パッド 1110 ベースプレート
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(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
F04B 53/14 F04B 21/02 J
53/12 21/04 C
Z
B
A
21/08 Z
B
(72)発明者 谷口 央
東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ
ノン株式会社内
Fターム(参考) 2C056 EA27 JC07 JC20
3H071 AA05 BB01 CC01 CC05 CC28
CC31 CC32 CC41 DD01 DD03
DD06 DD12 DD13 DD14 DD51
DD52
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 シリンダとピストンと弁とを互いに相溶
性を持たない材料によりインサート成形あるいは多色成
形で形成したことを特徴とするピストンポンプ。 【請求項2】 前記ピストン形成材料の成形収縮率が、
前記シリンダ形成材料の成形収縮率より小さいことを特
徴とする請求項1記載のピストンポンプ。 【請求項3】 前記弁形成材料がゴムあるいはエラスト
マーであることを特徴とする請求項1記載のピストンポ
ンプ。 【請求項4】 前記弁形成材料の成形収縮率が、前記ピ
ストン形成材料の成形収縮率より小さいことを特徴とす
る請求項1記載のピストンポンプ。 【請求項5】 前記ピストンの前記シリンダとの摺動部
に、前記ピストン形成材料とは相溶性があり、前記シリ
ンダ形成材料とは相溶性のない弾性部材をインサート成
形あるいは多色成形で形成したことを特徴とする請求項
1記載のピストンポンプ。 【請求項6】 前記弾性部材の材料がゴムあるいはエラ
ストマーであることを特徴とする請求項5記載のピスト
ンポンプ。 【請求項7】 前記弾性部材あるいはピストンの成形収
縮率が、前記シリンダー形成材料の成形収縮率より小さ
いことを特徴とする請求項5記載のピストンポンプ。 【請求項8】 前記ピストンの排出口に第1の弁、前記
シリンダの吸入口に第2の弁をそれぞれ設けたことを特
徴とする請求項1記載のピストンポンプ。 【請求項9】 前記第1及び第2の各弁材料がゴムある
いはエラストマーであることを特徴とする請求項8記載
のピストンポンプ。 【請求項10】 前記第2の弁形成材料の成形収縮率
が、前記シリンダ形成材料の成形収縮率より小さいこと
を特徴とする請求項9記載のピストンポンプ。 【請求項11】 円筒形の穴と、この円筒形の穴に開口
を有する少くとも一つの流路を有する第1の部材と、こ
の第1の部材の前記円筒形穴に嵌合し、回転自在に回転
させることにより、少くとも前記一つの流路が前記第1
の部材の流路と接続するような流路を有する第2の部材
とを、互いに相溶性を持たない材料によりインサート成
形あるいは二色成形で形成したことを特徴とするバル
ブ。 【請求項12】 前記第1の部材あるいは第2の部材
に、軸方向の抜け止めを有することを特徴とする請求項
11記載のバルブ。 【請求項13】 前記第1あるいは第2の部材のいずれ
かが弾性材料であることを特徴とする請求項11記載の
バルブ。 【請求項14】 前記弾性材料が、ゴムまたはエラスト
マーであることを特徴とする請求項13記載のバルブ。 【請求項15】 円筒形の穴と、この円筒形の穴に開口
を有する少くとも二つの流路を有する第1の部材と、こ
の第1の部材の前記円筒形穴に嵌合し、回転自在に回転
させることにより、少くとも前記二つの流路が選択的に
選べる構造で、前記第1の部材の流路と接続するような
流路を有する第2の部材とを、互いに相溶性を持たない
材料によりインサート成形あるいは二色成形で形成した
ことを特徴とするバルブ。 【請求項16】 前記第1の部材あるいは第2の部材
に、軸方向の抜け止めを有することを特徴とする請求項
15記載のバルブ。 【請求項17】 前記第1あるいは第2の部材のいずれ
かが弾性材料であることを特徴とする請求項15記載の
バルブ。 【請求項18】 前記弾性材料が、ゴムまたはエラスト
マーであることを特徴とする請求項17記載のバルブ。 【請求項19】 筒形の穴と、この筒形の穴に開口を有
する少くとも一つの流路を有する第1の部材と、この第
1の部材の前記筒形穴に嵌合し、摺動自在にスライドさ
せることにより、少くとも一つの前記流路が、前記第1
の部材の流路と接続するような流路を有する第2の部材
とを、互いに相溶性を持たない材料によりインサート成
形あるいは二色成形で形成したことを特徴とするバル
ブ。 【請求項20】 前記第1の部材あるいは第2の部材
に、軸方向の抜け止めを有することを特徴とする請求項
19記載のバルブ。 【請求項21】 前記第1あるいは第2の部材のいずれ
かが弾性材料であることを特徴とする請求項19記載の
バルブ。 【請求項22】 前記弾性材料が、ゴムまたはエラスト
マーであることを特徴とする請求項21記載のバルブ。 【請求項23】 筒形の穴と、筒形の穴に開口を有する
少なくとも二つの流路を有する第1の部材と、この第1
の部材の筒形穴に嵌合し、摺動自在にスライドさせるこ
とにより、少くとも二つの前記流路が選択的に選べる構
造で、前記第1の部材の流路と接続するような流路を有
する第2の部材とを、互いに相溶性を持たない材料によ
りインサート成形あるいは二色成形で形成したことを特
徴とするバルブ。 【請求項24】 前記第1の部材あるいは第2の部材
に、軸方向の抜け止めを有することを特徴とする請求項
23記載のバルブ。 【請求項25】 前記第1あるいは第2の部材のいずれ
かが弾性材料であることを特徴とする請求項23記載の
バルブ。 【請求項26】 前記弾性材料が、ゴムまたはエラスト
マーであることを特徴とする請求項25記載のバルブ。 【請求項27】 請求項1記載のピストンポンプにさら
に、インクジェット記録ヘッドに密着してインクを吸引
するためのキャップを、インサート成形あるいは多色成
形で形成したことを特徴とするインクジェット記録装置
ポンプユニット。 【請求項28】 前記キャップ形成材料がゴムあるいは
エラストマーであることを特徴とする請求項27記載の
インクジェット記録装置用ポンプユニット。 【請求項29】 請求項27,28のいずれか記載のイ
ンクジェット記録装置用ポンプユニットを備えたことを
特徴とするインクジェット記録装置。 【請求項30】 熱エネルギーを利用してインクを吐出
する請求項29記載のインクジェット記録装置。 【請求項31 】 インクジェット記録装置においてイ
ンクに接した状態で複数部材同士が互いに接触した状態
で用いられるインクジェット記録装置用部品であって、
互いに相溶性を持たない材料によってインサート成形あ
るいは多色成形で形成されたことを特徴とするインクジ
ェット記録装置用部品。 【請求項32】 前記多色成形は二色成形である請求項
31記載のインクジェット記録装置用部品。 【請求項33】 前記部品はポンプである請求項31記
載のインクジェット記録装置用部品。 【請求項34】 前記複数部材はピストンとシリンダー
とを含む請求項33記載のインクジェット記録装置用部
品。 【請求項35】 前記複数部材はピストンとシリンダー
とを含む請求項33または34記載のインクジェット記
録装置用部品。 【請求項36】 前記複数部材はシリンダーと該シリン
ダーに設けられた弁とを含む請求項33または34記載
のインクジェット記録装置用部品。 【請求項37】 前記複数部材はポンプのシリンダーに
連通する部分と該部分に接続されたインクを吐出する吐
出口を覆うためのキャップとを含む請求項31記載のイ
ンクジェット記録装置用部品。 【請求項38】 前記部品は弁である請求項31記載の
インクジェット記録装置用部品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000180946A JP2002059570A (ja) | 1999-06-24 | 2000-06-16 | インクジェット記録装置及び該装置用部品 |
Applications Claiming Priority (7)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11-178407 | 1999-06-24 | ||
JP17840799 | 1999-06-24 | ||
JP18776699 | 1999-07-01 | ||
JP11-187766 | 1999-07-01 | ||
JP2000170622 | 2000-06-07 | ||
JP2000-170622 | 2000-06-07 | ||
JP2000180946A JP2002059570A (ja) | 1999-06-24 | 2000-06-16 | インクジェット記録装置及び該装置用部品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002059570A true JP2002059570A (ja) | 2002-02-26 |
Family
ID=27474820
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000180946A Withdrawn JP2002059570A (ja) | 1999-06-24 | 2000-06-16 | インクジェット記録装置及び該装置用部品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002059570A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007261160A (ja) * | 2006-03-29 | 2007-10-11 | Canon Inc | 記録装置 |
JP2008527252A (ja) * | 2005-01-03 | 2008-07-24 | アンディニュ、マルク | ストップコック閉鎖プラグ |
JP2010538744A (ja) * | 2007-09-18 | 2010-12-16 | メディモップ・メディカル・プロジェクツ・リミテッド | 薬剤混合注射装置 |
JP2012120583A (ja) * | 2010-12-06 | 2012-06-28 | Nihon Vinyl Cord Kk | 造影剤注入装置及び造影剤注入装置の動作方法 |
-
2000
- 2000-06-16 JP JP2000180946A patent/JP2002059570A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008527252A (ja) * | 2005-01-03 | 2008-07-24 | アンディニュ、マルク | ストップコック閉鎖プラグ |
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