JP2002059339A - 深溝の加工方法 - Google Patents

深溝の加工方法

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JP2002059339A
JP2002059339A JP2000253609A JP2000253609A JP2002059339A JP 2002059339 A JP2002059339 A JP 2002059339A JP 2000253609 A JP2000253609 A JP 2000253609A JP 2000253609 A JP2000253609 A JP 2000253609A JP 2002059339 A JP2002059339 A JP 2002059339A
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tool axis
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Takeshi Matsuoka
武司 松岡
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硬いワークに、細くて深い溝を短時間に加工
する技術を実現する。 【解決手段】 工具とワークの相対移動方向を、工具軸
心に概ね平行な方向と、工具軸心に概ね垂直な方向に分
類し、その方向別に工具とワークの相対移動速度を切換
える。工具の側面を主として使いながら工具軸心に垂直
な方向に加工する場合と、工具の先端を主として使いな
がら工具軸心に平行な方向に深く加工する場合とでは、
切削抵抗が大きく相違するところ、本方法によると、工
具にかかる時間あたりの負荷がほぼ一定となり、過大な
負荷もかからなければ過小負荷で時間を浪費することも
ない状態で加工できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、深溝を加工する
技術に関する。特に、硬い材質に細くて深い溝を加工す
る技術に関する。
【0002】
【従来の技術】 例えば射出成形用金型や鋳造用金型に
は、補強用リブや放熱フィン等を成形するために細くて
深い溝を加工することがしばしば求められる。通常は、
工具軸心に平行な方向と工具軸心に垂直な方向に相対移
動可能な工具とワーク(この場合は金型)を用いて溝を
加工する。このとき工具軸心に垂直な面内での工具とワ
ークの相対移動軌跡を変えないで、工具とワークの相対
移動を繰返すことで、即ち、複数回加工することで溝を
加工する。繰返しのたびに工具軸心に平行な方向での工
具とワークの距離を変え、1回の溝加工が終了するたび
に工具をワーク内に深く侵入させることによって徐々に
深溝に加工してゆく。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】 従来の深溝加工方法
は、いくつかの問題を持つ。第1に、従来の加工技術で
は工具とワークの相対移動速度を加工中一定に保つ。こ
のために、工具に最も負荷がかかる状態を前提として移
動速度が決められており、加工時間が長い。第2に、加
工できる溝の深さが工具径の10倍程度に限られる。特
に溝幅が1mm以下となると、加工中に工具が折れてし
まうために、10倍に近づけることすらできなくなる。
【0004】
【課題を解決するための手段と作用】 本発明は、ワー
クが金型等であって極めて硬い場合にも、細くて深い溝
を短時間に加工できる技術を提供する。この発明では、
工具に過大な切削負荷がかからないようにする反面、無
駄に時間を浪費することをおさえることによって上記目
的を実現する。一つの方法では、工具とワークの相対移
動方向を、工具軸心に概ね平行な方向と、工具軸心に概
ね垂直な方向に分類し、その方向別に工具とワークの相
対移動速度を切換える。通常、概ね平行な方向にはゆっ
くり移動させ、概ね垂直な方向には早く移動させる。
【0005】溝加工では、工具の側面を主として使いな
がら工具軸心に垂直な方向に加工する動きと、工具の先
端を主として使いながら工具軸心に平行な方向に深く加
工する動きが複合する。工具にかかる負荷を詳しく測定
してみた結果、前者の切削負荷が相対的に低く、後者の
切削負荷が相対的に高いことを見出した。本発明は、こ
の切削負荷の差に着目し、切削負荷が低い加工方向には
高速に切削し、切削負荷が高い加工方向には低速に切削
することによって、時間あたりの切削負荷をほぼ一定に
し、過大負荷もかからなければ過小負荷となって時間を
浪費することもないようにすることに成功したものであ
る。
【0006】さらに、工具のワークへの侵入深さが深く
なるにつれて、工具とワークの相対移動速度を遅くする
こと、あるいは、工具軸心に平行な方向での工具とワー
クの1回あたりの相対移動距離を小さくすることによっ
て切り込み深さを小さくすることが好ましい。このよう
な工夫をすることで、工具にかかる切削負荷は一層に均
一化され、早く加工できるところは早く加工し、ゆっく
り加工しなければならないところはゆっくり加工する結
果が得られる。
【0007】特に深い溝を加工する場合、工具に生じる
撓みに起因して溝の終端壁(以下、止まり壁という)が
意図した形状に加工されない。この加工形状のズレが工
具に過大負荷をかけることがわかった。本発明では、工
具軸心に平行な方向に相対移動させ、ついで、工具軸心
に垂直な方向に相対移動させる際、あるいは、工具軸心
に垂直な方向に相対移動させ、ついで、工具軸心に平行
な方向に相対移動させる際に、工具とワークの相対移動
を一時停止させる。
【0008】この方法によると、相対移動しながら切削
することによって撓んでいた工具が、静止位置で加工を
続けるうちに撓みのない形状に復帰する。このようにし
て加工される止まり壁は意図した形状に仕上がってお
り、止まり壁形状のズレが工具に過大負荷をかけること
がない。本発明によると、細くて深い溝を加工すること
が可能となり、金型という硬い材質のワークに、溝幅が
1mm以下で溝深さが12mm以上の深溝を形成するこ
とが可能となった。このアスペクト比は従来不可能なも
のであった。即ち、本発明によって、溝幅が1mm以下
で溝深さが12mm以上の深溝を持つ金型がはじめて切
削加工で実現された。
【0009】工具のワークへの侵入深さが深くなるにつ
れて、止まり壁位置で工具の移動を一時停止させる時間
を長くすることが好ましい。あるいは、工具軸心に平行
な方向に相対移動させ、ついで、工具軸心に垂直な方向
に移動させる際の一時停止時間を、工具軸心に垂直な方
向に相対移動させ、ついで、工具軸心に平行な方向に移
動させる際の一時停止時間よりも短くすることが好まし
い。このようにすると、止まり壁位置で工具の撓みが解
消するまで工具とワークの相対移動が停止し、撓みが解
消し次第に次の加工に移ることができる。
【0010】 本方法は、プログラムに従って作動する
加工装置に上記加工方法を実現するプログラムをインス
トールして実行することが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】 最初に、実施例で説明する加工
方法の主要な特徴を明記する。 (形態1) ワーク表面に対して15度以下の角度を有
する止まり壁を加工するときには、工具の移動方向を工
具軸心に概ね垂直な方向とし、ワーク表面に対して15
度以上の角度を有する止まり壁を加工するときには、工
具の移動方向を工具軸心に概ね平行な方向として加工す
ることを特徴とする深溝の加工方法。
【0012】
【発明の実施例】(第1実施例) 以下、本発明を具現
化した第1実施例を説明する。図1は深溝の加工に用い
る実施例の工具Tを模式的に示した図である。工具Tは
軸心L上に先細のテーパ状の刃を有する。刃の先端には
先端刃Pが設けられ、側面には側面刃Fが設けられてい
る。工具先端径、即ち先端刃Pの径はφDである。側面
刃Fの長さHは12D以上である。またテーパ角はαで
ある。工具Tは制御部Cに接続されていて、駆動部(図
示省略)と共に深溝加工装置を形成している。制御部C
には、移動軌跡、移動速度、停止時間、工具回転速度等
の加工条件が予めプログラムされている。駆動部は、工
具軸心に平行な方向と工具軸心に垂直な方向に工具Tと
ワークを相対移動させ、工具Tを回転させる。より詳し
く説明すると、制御部Cは、工具Tとワークの相対移動
方向を、工具軸心Lに概ね平行な方向と工具軸心Lに概
ね垂直な方向に分類し、その方向別に工具Tとワークの
相対移動速度を切換え制御する。本実施例の制御部C
は、工具軸心Lに対して75度の角度を境にして、工具
軸心Lに概ね平行な方向と工具軸心Lに概ね垂直な方向
とに分類している。以下、工具軸心Lに概ね平行な方向
での加工を「縦走りモード」といい、工具軸心Lに概ね
垂直な方向での加工を「横走りモード」ということにす
る。深溝加工装置は制御部Cにインストールされたプロ
グラムに従って作動する。即ち、プログラムに従って駆
動部が制御され、工具Tを移動・回転させ、深溝を加工
する。この実施例では、工具Tは常に一定の姿勢(工具
軸心Lが常に鉛直方向にある)を保つ。また、工具軸心
に垂直な面内での工具とワークの相対移動軌跡を変えな
いで工具とワークの相対移動を繰返す。即ち、同一パス
で複数回加工する。繰返しのたびに工具軸心に平行な方
向での工具とワークの距離を変えて工具をワーク内に深
く侵入させることによって徐々に溝を深くする。
【0013】工具Tを用いてワークW1に細くて深い溝
を加工する加工方法を説明する。図2に示されたワーク
W1は金型であり、硬い鋼で形成されている。最初に溝
の止まり壁E1が急傾斜であり、工具のテーパ角αに等
しい場合を説明する。この種の溝には抜き勾配が必要で
あり、工具のテーパ角αは最小限度に必要な抜き勾配に
等しい。図2に示す止まり壁E1は最も鉛直に近い場合
を示し、これ以上に鉛直に近い止まり壁E1はこの工具
Tでは加工できない。しかしながら、前記のように、抜
き勾配が必要とされるために、図2の示す止まり壁E1
以上に鉛直に近い止まり壁に加工することは求められな
い。
【0014】最初に、工具Tの先端を図2の加工開始位
置s0に設定する。次に、工具Tを加工開始位置s0か
ら工具軸心Lに平行な方向(図2中下方向)にa1だけ
侵入させる。この結果、ワークW1は深さa1だけ切り
込まれる。このときの移動方向は「工具軸心Lに概ね平
行な方向」である。制御部Cは、「縦走りモード」で工
具Tの移動速度を制御する。「縦走りモード」では、工
具Tは移動速度Vzで移動する。Vzは2〜5mm/m
in程度の速度である。図2には、移動速度がVz1と
して示されている。最後の添え字については後で説明す
る。工具軸心Lに概ね平行な方向に移動するときは、主
として先端刃PがワークW1を切削加工する。切削加工
中、切粉除去装置(図示省略)によって、切粉が除去さ
れる。
【0015】工具TがワークW1内に切り込み深さa1
だけ侵入したら、工具Tの移動を時間t0だけ一時停止
させる。一時停止中も工具Tは回転しており、加工作動
は停止していない。切り込み深さa1だけ切り込む間に
工具Tに作用する鉛直方向の力によって、工具Tが撓む
ことがある。工具Tが回転を続けながら一定位置に保持
されている間に、工具Tは弾性力で初期形状に復帰す
る。この結果工具の撓みが取れる。このときまでの工具
Tの移動は、工具軸心Lに平行な方向であり、切り込み
深さはa1と浅い。その結果、工具Tが切り込み深さa
1まで切り込んだときの撓みは比較的に小さい。従っ
て、ここでの一時停止時間t0は比較的に短い。
【0016】工具Tの移動が一時停止されて工具Tの撓
みが解消した後、工具軸心Lに垂直な方向(図2中左方
向)に工具Tを移動させる。このときの移動方向は「工
具軸心Lに概ね垂直な方向」である。制御部Cは「横走
りモード」で工具Tの移動速度を制御する。「横走りモ
ード」では、工具Tは移動速度Vxで移動する。Vxは
900〜1200mm/min程度の速度であり、「縦
走りモード」での移動速度Vzよりも速い。工具軸心L
に概ね垂直な方向に移動するときは、主として側面刃F
がワークW1を切削加工する。工具軸心Lに平行な方向
への移動時よりも、工具軸心Lに垂直な方向への移動時
の方が、工具TがワークW1から受ける切削負荷は小さ
い。従って、「横走りモード」での移動速度は「縦走り
モード」での移動速度よりも速く設定されている。この
結果、単位時間あたりに工具にかかる負荷は、「横走り
モード」と「縦走りモード」でほぼ等しくされる。
【0017】工具Tが工具軸心Lに垂直な方向に移動速
度Vxで移動し、工具Tが位置s1に達したときに、工
具Tの移動を時間t1だけ一時停止させる。一時停止中
も工具Tは回転しており、加工作動は停止していない。
工具Tが位置s1に到着した直後にはワークW1から受
ける切削負荷によって工具Tが撓んでいる。工具Tが回
転を続けながら一定位置に保持されている間に、工具T
は弾性力で初期形状に復帰する。この結果工具の撓みが
取れ、止まり壁E1は図2に良く示されるように、意図
した形状に加工される。位置s1に到着するまでの工具
Tの移動方向は、工具軸心Lに垂直な方向であり、工具
Tが位置s1に到着したときの撓みは比較的に大きい。
従って、ここでの一時停止時間t1は比較的に長い。t
1>t0とされる。
【0018】位置s1で工具Tを時間t1だけ一時停止
させた後、工具Tを工具軸心Lに概ね平行な方向に深さ
a2だけ侵入させる。この結果、ワークW1は深さa2
だけ切り込まれ、工具Tは位置s2に達する。この場
合、工具Tの軸心Lに平行な方向の移動と、軸心Lに垂
直な方向の移動が同時に実行され、ベクトル加算の結
果、工具Tはテーパ角αに沿って侵入する。このときの
移動方向は「工具軸心Lに概ね平行な方向」である。制
御部Cは、「縦走りモード」で工具Tの移動速度を制御
する。「縦走りモード」では、工具Tは移動速度Vzで
移動する。Vzは、2〜5mm/min程度の速度であ
る。
【0019】工具TがワークW1内に切り込み深さa2
だけ侵入したら、工具Tの移動を時間t2だけ一時停止
させる。工具Tは移動の一時停止中も回転しており、加
工作動は停止していない。切り込み深さa2だけ侵入さ
れる間に、工具Tに作用する鉛直方向の力によって工具
Tが撓むことがある。工具Tが回転を続けながら一定位
置に保持されている間に、工具Tは弾性力で初期形状に
復帰する。この結果工具の撓みが取れる。このときまで
の工具Tの移動は、工具軸心Lに概ね平行な方向であ
る。「縦走りモード」後の工具の撓みは小さく、「横走
りモード」後の工具の撓みは大きい。そこで、ここでの
一時停止時間t2は、先に説明した「横走りモード」後
の一時停止時間t1よりも短い。即ち、t2<t1であ
る。工具Tの移動を位置s2で時間t2だけ一時停止さ
せることにより、工具Tの撓みが解消される。従って、
止まり壁は図2に良く示されるように意図した形状に加
工される。なお後記するように、t2>t0である。
【0020】位置s2で時間t2だけ工具Tの移動が一
時停止されて工具Tの撓みが解消した後、工具軸心Lに
垂直な方向(図2中右方向)に工具Tを移動させる。こ
のときの移動方向は「工具軸心Lに概ね垂直な方向」で
ある。制御部Cは、「横走りモード」で工具Tの移動速
度を制御する。「横走りモード」では、工具Tは移動速
度Vxで移動する。Vxは900〜1200mm/mi
n程度の速度である。横走りモードによって、溝はa2
だけ深められる。工具Tが溝の深さをa2だけ深めなが
ら工具軸心Lに垂直な方向に移動し、右側の終端に達し
たときに、工具Tの移動を時間t3だけ一時停止させ
る。工具Tが回転を続けながら一定位置に保持されてい
る間に、工具Tは弾性力で初期形状に復帰する。この結
果工具の撓みが取れ、止まり壁E1は図2に良く示され
るように、意図した形状に加工される。この位置に到着
するまでの工具Tの移動方向は、工具軸心Lに垂直な方
向であり、工具Tが終端位置に到着したときの撓みは比
較的に大きい。従って、ここでの一時停止時間t3は比
較的に長い。t3>t2とされる。また、後記するよう
に、t3>t1である。
【0021】上述のように加工を繰返して、位置s5に
示す深さの溝をワークW1に加工する。このときに加工
された溝の止まり壁E1は、工具のテーパ角αで上下方
向に連続している。
【0022】上記の加工方法では、 (1)「横走りモード」での移動速度Vxは「縦走りモ
ード」での移動速度Vzよりも早い。即ち、Vx>Vz
である。この場合、Vxは900〜1200mm/mi
n程度であり、Vzは2〜5mm/min程度である。 (2)同じ「横走りモード」での移動速度でも、工具が
深く侵入して加工するときほど遅い。即ち、Vx1>V
x2>Vx3>Vx4>Vx5である。もっとも、Vx
1とVx5を大きく変える必要はなく、前記の内で最も
遅い速度Vx5にそろえてもよい。この場合、Vx1=
Vx2=Vx3=Vx4=Vx5となる。 (3)一回あたりの切り込み量は、工具が深く侵入して
加工するときほど小さい。即ち、a1>a2>a3>a
4>a5である。もっとも、その差はさほど大きくとる
必要がないことから、前記の内で最も小さい量a5にそ
ろえてもよい。 (4)同じ「縦走りモード」での移動速度でも、工具が
深く侵入して加工するときほど遅い。即ち、Vz1>V
z2>Vz3>Vz4>Vz5である。もっとも、Vz
1とVz5を大きく変える必要はなく、前記の内で最も
遅い速度Vz5にそろえてもよい。この場合、Vz1=
Vz2=Vz3=Vz4=Vz5となる。 (5)「横走りモード」から「縦走りモード」に変化す
る時点と、「縦走りモード」から「横走りモード」に変
化する時点で、工具移動を一時停止させる。 (6)「縦走りモード」後の一時停止時間よりも、「横
走りモード」後の一時停止時間のほうが長い。即ちt
0、t2、t4・・<t1、t3、t5・・である。 (7)同じ「縦走りモード」後の一時停止時間でも、工
具が深く侵入して加工するときほど長い。即ち、t0<
t2<t4・・・である。もっとも、その差をさほど大
きくとる必要がないことから、前記の内の最長時間にそ
ろえてもよい。 (8)同じ「横走りモード」後の一時停止時間でも、工
具が深く侵入して加工するときほど長い。即ち、t1<
t3<t5・・・である。もっとも、その差をさほど大
きくとる必要がないことから、前記の内の最長時間にそ
ろえてもよい。
【0023】上記加工条件によると、時間あたりの切削
負荷をほぼ一定にし、過大な負荷もかからなければ過小
負荷で時間を浪費することもなくすることができる。
(1)の速度設定により、工具にかかる時間あたりの切
削負荷を、「横走りモード」と「縦走りモード」を通し
てほぼ均一にできる。工具軸心Lに垂直な方向に加工す
る場合、工具TのワークW1への侵入深さが深くなるに
つれて側面刃Fにかかる切削負荷が増大する。(2)の
速度設定と(3)の切り込み量の設定によって、工具の
侵入の深さにかかわらず、工具Tにかかる負荷が一層に
均一化される。同様に、工具軸心に平行方向に工具を移
動させて深く切り込む場合にも、工具TのワークW1へ
の侵入深さが深くなるにつれて側面刃Fにかかる切削負
荷が増大する。(4)の速度設定によって工具Tにかか
る負荷が一層に均一化される。特に深い溝を加工する場
合、工具に生じる撓みに起因して止まり壁が意図した形
状に加工できなくなる。そして、この加工形状のズレが
工具に過大負荷をかける。(5)の一時停止を導入する
ことで、工具の撓みが解消し、その状態で止まり壁の加
工が行なわれる。工具の撓みは、「横走りモード」で大
きく、「縦走りモード」で小さい。(6)の関係に設定
されていると、撓みの解消に要する時間と一時停止時間
が過不足なく対応し、極めて好都合である。さらに、工
具の撓みは、工具TのワークW1への侵入深さが深くな
るにつれて大きくなり易い。(7)、(8)の関係に設
定されていると、撓みの解消に要する時間と一時停止時
間が過不足なく対応し、極めて好都合である。
【0024】本実施例の溝加工装置を用いて上述した加
工方法を実行すると、溝幅が1mm以下で溝深さが12
mm以上の深溝が形成されている金型を実現することが
できる。本実施例の溝加工装置を用いた加工方法では、
工具に過大な負荷がかからない反面、無駄に時間を浪費
することをおさえることができる。従って、ワークが金
型という硬い材質を持つ場合にも、細くて深い溝を短時
間に加工することができる。
【0025】(第2実施例) ワーク表面に対して浅い
角度の止まり壁を加工することが求められる場合があ
る。以下、本発明を具現化した第2の実施例を、前述し
た第1実施例の溝加工装置を用いて説明する。重複する
説明は省略する。前述したように、溝加工装置の制御部
Cは、工具軸心Lに対して75度の角度を境にして、工
具軸心Lに概ね平行な方向と工具軸心Lに概ね垂直な方
向に分類している。止まり壁がワーク表面に対して15
度以下の角度を有する場合を、図3を用いて説明する。
【0026】工具Tを、工具軸心Lに平行な方向(図3
中下方向)に、位置P1に達するまでワークW2に侵入
させる。この場合は、「工具軸心Lに概ね平行な方向」
に含まれる。制御部Cは、「縦走りモード」で工具Tを
制御する。このときの移動速度は、2〜5mm/min
程度の速度である。位置P1に達したら一時停止を行
い、その一時停止後、工具軸心Lに垂直な方向(図3中
右方向)に工具Tを移動させる。この場合は、「工具軸
心Lに概ね垂直な方向」に含まれる。制御部Cは、「横
走りモード」で工具Tを制御する。このとき工具Tはワ
ークW2を加工しながら移動速度Vx1で移動する。V
x1は900〜1200mm/min程度の速度であ
る。
【0027】その後、位置P1よりも深い深さを、工具
Tが工具軸心Lに垂直な方向(図3中左方向)に加工し
ながら移動速度Vx2(900〜1200mm/min
程度の速度)で移動してきて、位置P2に達する。
【0028】位置P2での一時停止後、工具Tを位置P
3まで移動速度Vx23で移動させる。位置P2から位
置P3への工具Tの移動によって、傾斜の緩やか止まり
壁が形成される。止まり壁はワークW2表面に対して1
5度以下の角度である。従ってこの場合の加工方向は
「工具軸心Lに概ね垂直な方向」に含まれる。制御部C
は、「横走りモード」で工具Tの移動速度を制御する。
位置P2から位置P3への工具Tの移動速度は900〜
1200mm/min程度の速度である。同様に、位置
P4から位置P5へ至る工具Tの斜めの移動も「横走り
モード」である。従って、このときの移動速度も900
〜1200mm/min程度の速度である。
【0029】本実施例の溝加工方法では、図3に良く示
されるように、溝の止まり壁の傾斜角が15度以下の場
合には、止まり壁を「横走りモード」で加工する。即
ち、止まり壁を900〜1200mm/minという高
速度で加工する。それでも、工具に過大な負荷がかかる
ことを防止することができる。ワークが金型であって極
めて硬い場合にも、細くて深い溝を短時間に加工するこ
とができる。
【0030】なお、第2実施例に示したように、止まり
壁E2の傾斜角が浅い場合には溝の止まり壁が階段形状
となるが、階段形状を完全に除去したい場合は、上記の
加工後に工具を位置P1からP5まで斜めに一気に移動
させる。この結果、階段形状は除去される。
【0031】前述した第1実施例と第2実施例では、ワ
ークを定位置に固定して工具Tを移動させているが、そ
の形態に限られない。工具Tを定位置に固定してワーク
Wを動かす形態であっても良いし、ワークと工具Tを両
方とも動かす形態であっても良い。
【0032】なお、本実施例の深溝加工装置は、予めプ
ログラムしていなくても、制御部Cに設けられている操
作部(図示省略)を直接に操作して、深溝を加工するこ
ともできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 工具Tを模式的に示した図である。
【図2】 第1実施例の深溝を加工する方法を模式的に
示した図である。
【図3】 第2実施例の深溝を加工する方法を模式的に
示した図である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 工具軸心に平行な方向と工具軸心に垂直
    な方向に相対移動可能な工具とワークを用い、工具軸心
    に垂直な面内での工具とワークの相対移動軌跡を変えな
    いで工具とワークの相対移動を繰返すとともに、繰返し
    のたびに工具軸心に平行な方向での工具とワークの距離
    を変えて工具をワーク内に深く侵入させることによって
    深溝を加工する方法において、工具とワークの相対移動
    方向を、工具軸心に概ね平行な方向と工具軸心に概ね垂
    直な方向に分類し、その方向別に工具とワークの相対移
    動速度を切換えることを特徴とする深溝の加工方法。
  2. 【請求項2】 工具のワークへの侵入深さが深くなるに
    つれて、工具とワークの相対移動速度を遅くすることを
    特徴とする請求項1に記載の深溝の加工方法。
  3. 【請求項3】 工具のワークへの侵入深さが深くなるに
    つれて、工具軸心に平行な方向での工具とワークの1回
    あたりの相対移動距離を小さくすることを特徴とする請
    求項1又は2に記載の深溝の加工方法。
  4. 【請求項4】 工具軸心に平行な方向と工具軸心に垂直
    な方向に相対移動可能な工具とワークを用い、工具軸心
    に垂直な面内での工具とワークの相対移動軌跡を変えな
    いで工具とワークの相対移動を繰返すとともに、繰返し
    のたびに工具軸心に平行な方向での工具とワークの相対
    距離を変えて工具をワーク内に深く侵入させることによ
    って深溝を加工する方法において、工具軸心に平行な方
    向に相対移動させ、ついで、工具軸心に垂直な方向に移
    動させる際に、あるいは、工具軸心に垂直な方向に相対
    移動させ、ついで、工具軸心に平行な方向に相対移動さ
    せる際に、工具とワークの相対移動を一時停止させるこ
    とを特徴とする深溝の加工方法。
  5. 【請求項5】 工具のワークへの侵入深さが深くなるに
    つれて、相対移動停止時間を長くすることを特徴とする
    請求項4に記載の深溝の加工方法。
  6. 【請求項6】 工具軸心に平行な方向に相対移動させ、
    ついで、工具軸心に垂直な方向に移動させる際の一時停
    止時間を、工具軸心に垂直な方向に相対移動させ、つい
    で、工具軸心に平行な方向に移動させる際の一時停止時
    間よりも短くすることを特徴とする請求項4に記載の深
    溝の加工方法。
  7. 【請求項7】 請求項1から6の加工方法をプログラム
    に従って実行する深溝加工装置。
  8. 【請求項8】 溝幅が1mm以下で溝深さが12mm以
    上の深溝が形成されている金型。
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