JP2002059203A - セラミックロール、セラミックロールの研磨方法および研磨ホイル - Google Patents

セラミックロール、セラミックロールの研磨方法および研磨ホイル

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JP2002059203A
JP2002059203A JP2000240776A JP2000240776A JP2002059203A JP 2002059203 A JP2002059203 A JP 2002059203A JP 2000240776 A JP2000240776 A JP 2000240776A JP 2000240776 A JP2000240776 A JP 2000240776A JP 2002059203 A JP2002059203 A JP 2002059203A
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polishing
ceramic roll
roll
foil
ceramic
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Kazumitsu Nakamura
和光 中村
Munekazu Harada
宗和 原田
Reiji Sanuki
禮治 佐貫
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面粗さが小さく、かつロールマークの発生
が少ない板、条または箔を圧延することが可能なセラミ
ックロール、およびその研磨方法を提供することであ
り、さらに前記研磨に用いる研磨ホイルを提供すること
である。 【解決手段】 銅または銅合金の板、条または箔を冷間
圧延する際に用いられ圧延加工面2がセラミックスで形
成されるセラミックロール1であって、前記圧延加工面
2に対して、前記セラミックロール1の軸線方向におい
て測定した中心線平均粗さRaが0.1μm以下、かつ
最大粗さRmaxが0.6μm以下であるセラミックロ
ールとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、良好な表面性状を
有する銅または銅合金(以下、銅または銅合金を単に銅
合金という)の板、条または箔を圧延することのできる
冷間圧延機のワークロールに用いるセラミックロール、
その研磨方法およびその研磨に用いる研磨ホイルに関す
る。
【従来の技術】
【0002】リードフレーム、端子等に用いるFe−N
i合金や銅合金板、条あるいはLiイオン二次電池の電
極、プリント基板等に用いる銅合金箔には良好な表面性
状が必要とされる。例えば、LSI、IC、トランジス
ターなどの電子部品は、Fe−Ni合金または銅合金
板、条をスタンピング加工またはエッチング加工してリ
ードフレームを作製し、該リードフレームにAg、N
i、Sn、はんだなどのめっき、半導体素子(Siチッ
プ)のボンディング、Siチップとリード部との金線な
どによるワイヤボンディング、樹脂封止などの工程を経
て組立てられる。この工程において、リードフレームの
表面に窪みなどの疵、表面粗さの大きい部分などがある
と、めっき密着性、ボンディング強度、樹脂密着力が低
下しやすく、その結果製造された半導体の歩留りや信頼
性を低下させてしまう。このため、リードフレーム用の
銅合金板あるいは条の表面性状として、表面に疵のない
こと、表面粗さが小さいことが要求される。
【0003】一般に、銅合金板、条あるいは箔の製造を
行う場合は、例えば、以下のようにしている。銅合金
板、条あるいは箔は、通常、銅合金鋳塊に圧延−熱処理
の工程を組み合わせて製造される。そして、冷間圧延に
おいてはロールの表面が被圧延材に転写されるため、リ
ードフレーム、端子、二次電池電極などのように表面粗
さの小さいことが要求される製品を製造するには、研磨
により表面粗さを小さくしたハイスロールなどをワーク
ロールに用いて圧延される。しかしながら、前記ワーク
ロールは、圧延油や被圧延材によって持込まれる硬質異
物、圧延中に被圧延材より分離する粒子などが圧延ロー
ルに押付けられることによって、圧延中に疵が入りやす
い。そのため、一旦ワークロールに形成された疵は、ワ
ークロールより相対的に軟質の被圧延材に転写され、圧
延長手方向に周期的な疵(ロールマーク)になることか
ら、材料の表面状態を悪くする。
【0004】このように、ハイスロールを用いるとロー
ルマークが極めて形成されやすいため(ワークロールに
疵が形成される)、現実には1コイル圧延する毎にワー
クロールの交換が必要となっている。そのため、多くの
ハイスロールを準備しておき、疵の入ったワークロール
は交換の度に研磨を行っていた。このような事情から、
ハイスロールより硬質で疵の入り難く、交換サイクルが
長いロールが求められていた。
【0005】このような問題を解決するために、従来、
前記ハイスロールに比べその硬さが1.5〜2倍程度で
あるサイアロン製(Si34:85質量%、Y23:7
質量%、Al23:5質量%、AlN:3質量%)など
のセラミックロールが使われるようになってきた。前記
セラミックロールは、疵がつき難くロールマークの発生
を低減でき、比重がハイスロールの約40%であり圧延
機への取り付や取り外しが容易であり、また、熱膨張係
数がハイスロールの約25%であり圧延中のロールの寸
法変化が小さく、被圧延材の歪が安定しやすいことや、
さらに、ロール表面に金属が凝着し難いなどの長所があ
るため、特に高品質材を製造するために使用が増加して
いる。なお、セラミックロール、セラミックロールの研
磨方法などについては、例えば特開平7−266215
号、特開平8−24913号、特開平9−108714
号などの公報に開示されている。
【0006】特開平7−266215号公報には、真円
度に優れ、表面粗さの良好なセラミックロールおよび精
度の良い研削が可能な研磨装置および研磨方法が開示さ
れている。このセラミックロールは、軸方向と周方向に
おいて外表面の面粗さがほぼ同じであり、周方向のうね
りが1μm以下である構成とされている。また、ロール
を周方向に回転させ、可撓性当て物をロール円周面に一
定荷重で押し当て、前記ロールと前記当て物の間に研磨
砥粒を供給する構成にしたものが研磨装置として開示さ
れ、前記研磨装置を用いて行う研磨方法についても開示
されている。
【0007】また、特開平8−24913号公報に開示
されてなるセラミックロールは、軸精度の低下のない高
精度のセラミックロールを支持するセンタとのかじりや
センタの摩耗をなくするようにしたものである。より詳
しくは、セラミックロールの端部に、ロックウェルCス
ケール硬さ40〜65の金属からなり、センタ穴を有
し、端面に、ステライト合金の肉盛層を設けた金属製キ
ャップを、金属緩衝材を介在させて嵌合させた構成にし
たものである。
【0008】さらに、特開平9−108714号公報に
開示されてなるセラミックロールは、セラミックロール
をセンタ穴で支持して研削加工し、被圧延品に文字、模
様などを形成し得るようにしたもので、セラミックロー
ルの端部に、ロックウェルCスケール硬さ40〜65の
金属からなり、センタ穴を有し、端面に硬質金属層を設
けた金属製キャップを、金属緩衝材4を介在させて嵌合
すると共に、セラミックロールの胴部に、異なる面粗度
を有する複数の領域を持つ文字、模様を設けた構成にし
たものである。
【0009】また、通常ハイスなどの材質のワークロー
ルを研磨するときは、ロールを軸線周りに回転させ、そ
れに対して円筒状の砥石をロール周速の2〜20倍程度
の周速で回転させてロールに押付け、ロールの軸線方向
にトラバースさせる方法が知られており、ステンレス鋼
板などのスキンパス圧延に用いるワークロールの研磨等
に用いられている。この場合、通常炭化珪素砥粒(G
C)よりなる砥石GC#600(平均粒径28μm)〜
GC#1000(平均粒径16μm)の細かい砥石を用
いることによって、Ra=0.03〜0.15μmのロ
ール表面とすることができる。なお、セラミックロール
の研磨においても同様な方法を用いることができるが、
ハイスロールに比べ脆性の大きいセラミックロールの場
合、ダイヤモンドや立方晶窒化硼素(CBN)などの砥
粒を埋め込んだ砥石が用いられる。しかしながら、この
ようなダイヤモンド砥石やCBN砥石を用いても、それ
だけでは送りマークを消すことができないため、表面粗
さを小さくするためには更にフィルム研磨など特殊な仕
上げ研磨が必要とされていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記のセラ
ミックロールをワークロールとして用いると、被圧延材
のロールマークの発生は著しく低減されるが、セラミッ
クロールによっては被圧延材の表面粗さが大きく、所定
の目標値を満足しないことがあることが分かってきた。
このようなセラミックロールをワークロールとして使用
した場合、圧延された銅合金板、条または箔は表面粗さ
に対する規格の厳しいリードフレーム用あるいは二次電
池電極用としてはその規格を満足できないことがあっ
た。本発明の目的は、表面粗さが小さく、かつロールマ
ークの発生が少ない板、条または箔を圧延することが可
能なセラミックロール、およびその研磨方法を提供する
ことであり、さらに前記研磨に用いる研磨ホイルを提供
することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決する以下のように構成した。すなわち、第1の構成
は、銅または銅合金の板、条または箔を冷間圧延する際
に用いられ圧延加工面がセラミックスで形成されるセラ
ミックロールであって、前記圧延加工面に対して、前記
セラミックロールの軸線方向において測定した中心線平
均粗さRaが0.1μm以下、かつ最大粗さRmaxが
0.6μm以下であるセラミックロールとした。このよ
うに構成することにより、セラミックロールにより冷間
圧延した銅または銅合金の板、条または箔は、表面粗さ
に対する規格を満足できるものとなる。
【0012】また、本発明の第2の構成は、銅または銅
合金の板、条または箔を冷間圧延する際に用いられ圧延
加工面がセラミックスで形成されるセラミックロールの
研磨方法であって、平均粒子径が16μm以下のダイヤ
モンド砥粒を集中度75以上で分散させた研磨層を表面
に形成させた研磨ホイルを用い、前記セラミックロール
および前記研磨ホイルを同一方向に回転させ、かつ前記
セラミックロールの軸線と前記研磨ホイルの軸線が互い
に平行となるように前記圧延加工面および前記研磨層を
当接させ、その当接部分に研磨液を供給しつつ前記研磨
ホイルを前記セラミックロール軸線方向に、前記圧延加
工面の全幅に渡って少なくとも一回は一定速度で移動さ
せることにした。このように構成することで、セラミッ
クロールは、前記圧延加工面に対して、前記セラミック
ロールの軸線方向において測定した中心線平均粗さRa
が0.1μm以下、かつ最大粗さRmaxが0.6μm以
下となる。
【0013】さらに、本発明の第3の構成は、前記セラ
ミックロールの研磨方法において、前記セラミックロー
ルの圧延加工面に対してその軸線方向に前記研磨ホイル
を、前記セラミックロールの圧延加工面全幅に渡って複
数回移動させ、その複数回目の研磨において、セラミッ
クロールの周速を増加させ、かつ前記研磨ホイルのセラ
ミックロール軸線方向への送り速度を低下させて研磨を
行うことにした。このように構成することにより、圧延
加工面をより滑らかに仕上げることができる。
【0014】また、本発明の第4の構成は、前記セラミ
ックロールの研磨方法において、研磨ホイルは、平均粒
子径が16μmより小さいダイヤモンド砥粒を分散させ
た研磨ホイルを用いて研磨を行うことにした。このよう
に構成することにより、さらにセラミックロールの圧延
加工面を滑らかに仕上げることができる。
【0015】そして、本発明の第5の構成は、前記第
2、第3または第4の構成に記載したセラミックロール
の研磨方法において、前記研磨ホイルの回転周速をV
w、前記セラミックロールの回転周速をVrとすると
き、Vw/Vr=10〜60となるようにした。このよ
うに構成することにより、セラミックロールの圧延加工
面を安定して滑らかに仕上げることができる。
【0016】さらに、本発明の第6の構成は、銅または
銅合金の板、条または箔を冷間圧延する際に用いられ圧
延加工面がセラミックスで形成されるセラミックロール
を研磨するための研磨ホイルであって、そのセラミック
ロールに当接する研磨層の幅方向の両端部が、前記研磨
層の厚さTに対して0.1T以上の曲率半径で面取し
た。このように構成することにより、セラミックロール
の圧延加工面に研磨の際の送りマークが形成されること
はない。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、必
要に応じて図面を参照して説明する。図1(a),
(b)は、セラミックロールの表面粗さを測定した状態
を示す拡大分布図、図2セラミックロールの研磨状態を
示す模式図、図3は研磨機構を示す模式図、図4
(a),(b)は、研磨ホイルの断面図および拡大断面
図、図5(a),(b)は、研磨ホイルによる研磨状態
を示す模式図、図6は研磨ホイルによる研磨状態を示す
平面図である。
【0018】[セラミックロールの表面粗さ]セラミッ
クロールは、直径50mm、幅700mm、真円度0.
003mm以下、円筒度0.005mm以下、硬さHv
=1600、初期の表面粗さRa=0.04〜0.05
μm、Rmax=1.5〜1.7μmのサイアロン製ロ
ールを準備し、それらの研磨方法を変え、中心線平均粗
さ(Ra:0.03〜0.15μm)および最大粗さ
(Rmax:0.2〜1.6μm)を変化させ、同じ表
面粗さ(RaおよびRmax)としたものを2本ずつ作
製した。
【0019】同じ表面粗さを有するセラミックロールを
2本1組で20段圧延機のワークロールとして組込み、
板厚0.192mm、板幅600mm、長さ4800m
で、Cuに、3.2質量%のNiと、0.7質量%のS
iと、0.03質量%のMnと、0.2質量%のZnと
を含有した合金板を、0.15mmまで1パスで圧延し
(仕上げ圧延)、被圧延材の表面粗さを測定してロールマ
ーク発生の有無を調査した。被圧延材には全長において
いずれもロールマークは発生しなかったが、圧延に用い
たセラミックロールの粗さに応じて中心線平均粗さおよ
び最大粗さが異なる値となった。
【0020】Ra>0.1μmのロールにおいては、す
べてRmax>0.6μmであり、これらのロールを用
いた場合、前記被圧延材において目標とする表面粗さを
満足することができなかった。また、Ra=0.03〜
0.08μmであっても、Rmax>0.6μmのセラ
ミックロールを用いて圧延した場合に、被圧延材におい
て目標とする表面粗さ(Rmax≦0.6μm、板幅方
向)を満足することができないことがわかった。
【0021】図1(b)に、Ra=0.04μm、Rm
ax=1.4μmのセラミックロールの粗さ測定チャー
トの一部を示す。図1(b)において、矢印の位置に比
較的大きなピークが存在する。これらの位置では、局部
的にロール表面が大きく窪みまたは突出しているため、
このセラミックロールを用いて圧延を行うと、セラミッ
クロールの窪みまたは突出に対応する位置において、被
圧延材に突出または窪みが形成され、その結果として被
圧延材の最大粗さが大きくなる。
【0022】一方、図1(a)に示すように、セラミッ
クロールの粗さ測定チャートが、Ra≦0.1μm、か
つRmax≦0.6μmのロールを用いた場合はすべて
の被圧延材において目標の表面粗さの達成が可能であっ
た。したがって、仕上げ圧延に用いるセラミックロール
の表面粗さはRa≦0.1μm、かつ、Rmax≦0.
6μmであることが必要である。
【0023】なお、本発明の表面粗さを有するセラミッ
クロールにおいて、その硬さはHv<1400以上であ
ることが望ましい。これはハイスロールなどに比べて硬
いため圧延長さが長くなってもロールマークの発生を防
止できること、および摩耗し難いため研磨の回数を減ら
せるからである。また、表面粗さの測定に当たっては、
例えばJIS,B,0651−1973に規定の触針式
粗さ測定器、レーザー式表面粗さ測定器などを用いれば
良い。
【0024】[セラミックロールの研磨方法]図2ない
し図6に示すように、本発明にかかるセラミックロール
1の圧延加工面2の仕上げ研磨方法は、Rmax=0.
7〜2μm程度のセラミックロール1の研磨方法に関す
るもので、平均粒子径が16μm以下のダイヤモンド砥
粒を集中度75以上で分散させた研磨層11を表面に形
成させた研磨ホイル10を用い、セラミックロール1お
よび研磨ホイル10をその軸線に直角な方向からみて同
一方向に回転させ、かつ、セラミックロール1と研磨ホ
イル10の軸線が互いに平行になるように当接させ、そ
の当接部分に研磨液を介して(連続的あるいは間欠的に
供給しながら)研磨ホイル10を、セラミックロール軸
線方向に、セラミックロール1の圧延加工面2全幅に渡
って少なくとも一回は一定速度で移動させることで行っ
ている。
【0025】前記の研磨方法において、同一の研磨ホイ
ル(ダイヤモンド砥粒の粒度および集中度が同一のもの)
10によってセラミックロール1を研磨する場合、例え
ば次のように複数の研磨ステップとすることによって表
面粗さをより小さくすることが可能である。(第1ステ
ップ)研磨ホイル周速Vw1、セラミックロール周速
r1、研磨ホイルの送り速度Vx1の条件で、研磨ホイル
を複数回往復させて研磨→(第2ステップ)研磨ホイル
周速Vw1、セラミックロール周速Vr2(Vr2≧Vr1)、
研磨ホイルの送り速度Vx2(Vx1≧Vx2)の条件で、研
磨ホイルを複数回往復させて研磨→(第3ステップ)研
磨ホイル周速Vw1、セラミックロール周速Vr3(Vr3
r2)、研磨ホイルの送り速度Vx3(Vx2≧Vx3)の条
件で、研磨ホイルを複数回往復させて研磨。
【0026】前記複数ステップは、セラミックロール1
の表面状態によって(第2ステップ)までの2ステップ
としても、さらに(第3ステップ)までの3ステップと
しても良い。研磨ステップが進むに連れ、研磨されるセ
ラミックロール1の周速を大きくし、かつ研磨ホイルの
送り速度を小さくしていくことが望ましいが、研磨状態
を見ながら適当に定めることができる。各ステップにお
ける研磨ホイルの往復回数、研磨ホイルの押付け力につ
いても研磨の状態を見ながら適当に定めると良い。な
お、前記例では、各ステップにおいて研磨ホイル10を
往復(偶数回スキャン)させているが、必ずしも往復さ
せなくても奇数回のスキャンであっても良い。
【0027】また、上述の研磨方法は同一研磨ホイルに
よる複数ステップを行うものであるが、この後、粒子寸
法のさらに小さいダイヤモンド砥粒により構成された砥
粒層を有する研磨ホイルを用いて前記のような複数ステ
ップの研磨を行うことによってセラミックロール1の表
面粗さをさらに小さくすることができる。
【0028】いずれにしても、これらの方法で研磨を行
うことによって、Ra≦0.1μm、Rmax≦0.6
μmの表面粗さのセラミックロール1とすることが可能
である。初期の表面粗さがさらに2μmより大きい場合
には、前記の研磨ホイルで研磨する前に、平均粒径16
〜28μm、集中度50〜75の構成の研磨ホイルによ
って予備的な研磨を行い、Rmaxを2μm以下、望ま
しくは1.5μm以下とすることが望ましい。
【0029】図2および図6に本発明の研磨方法の模式
図を示す。図2に示すように、セラミックロール1に研
磨ホイル10がその軸線どうしを互いに平行になるよう
所定の力で押し当てた状態でそれらを同一方向に回転さ
せ、かつ研磨ホイル10を軸線方向(紙面に垂直な方向)
に平行移動させることによってセラミックロール1全長
に渡って研磨することが可能である。研磨中は、セラミ
ックロール1と研磨ホイル10の接触部分に研磨液が供
給される。研磨液は、研磨部分の潤滑、冷却、研磨生成
物の除去などを行うために用いられ、ケミカル系潤滑
油、エマルジョン系潤滑油、ソリブル系潤滑油などのも
のの中から選択すれば良い。
【0030】図2および図3に示すように、研磨ホイル
10とセラミックロール1の研磨部分に研磨液を供給す
るには、例えば、供給タンク15、フィルタ16,17
および定量ポンプを組み合わせた装置を用いることによ
って研磨部分に一定量の研磨液を供給し、循環使用する
ことができる。フィルタ16,17は研磨生成物、研磨
ホイル10やセラミックロール1よりの脱落物などを取
り除くために設けられている。ここで用いるフィルタ
は、その目開き寸法がサブミクロンから数10μm程度
の粒子がこし取れるように適当に選択することができ
る。この装置では、供給タンク15からフィルタ17を
介して研磨ホイル10とセラミックロール1の研磨部分
に研磨液が供給され、使用された供給液は供給タンク1
5のダーティタンクに回収され、フィルタ16を介して
再び供給タンク15のクリーンタンク内に循環させ、フ
ィルタ17を介してろ過された研磨液が研磨部分に再び
供給されるように循環して使用される。
【0031】なお、研磨中のセラミックロール1の撓み
を防止してロール全長に渡って正しく研磨を行うため
に、図2に示すようにセラミックロール1を下部および
側部より支持部2により支えて回転可能な状態となる構
成としている。
【0032】図4に研磨ホイル10の断面模式図を示
す。研磨ホイル10は円盤状で、中央部は駆動軸に係合
され、所定の周速で回転させることが可能である。研磨
ホイル10の表面には、所定寸法のダイヤモンド粒子を
所定量だけ含む研磨層11が形成されている。本発明に
おいては、セラミックロール1の表面粗さをRa≦0.
1μm、かつRmax≦0.6μmの範囲とするため
に、この研磨層11に含まれるダイヤモンド粒子の寸法
と、その含有量(集中度)を特定の範囲に定めたものであ
る。
【0033】研磨ホイル10の研磨層11に含まれるダ
イヤモンド粒子の寸法が16μmを越えると集中度75
以上としても、研磨後のセラミックロール1の表面粗さ
をRa≦0.1μm、かつRmax≦0.6μmとする
ことができない。また、研磨ホイル10の研磨層11に
おけるダイヤモンド粒子の寸法を16μm以下として
も、集中度75未満であれば、同様に研磨後のセラミッ
クロール1の表面粗さをRa≦0.1μm、かつRma
x≦0.6μmとすることができない。したがって、研
磨ホイル10の研磨層11に保持されるダイヤモンド粒
子は粒径16μm以下、集中度75以上でなければなら
ない。
【0034】なお、ここで述べたダイヤモンド粒子の粒
径16μm以下とは、目開き16μmの篩(#1000)
を通過した粒子を意味する。また、集中度とは、体積1
cm 3に含まれるダイヤモンド粒子の質量で、集中度7
5は1cm3に含まれるダイヤモンド粒子の質量が0.
66gであることを意味する。集中度の数値が大きいほ
ど砥粒層11に含まれるダイヤモンド粒子の質量が大き
くなり、研磨力が大きくなる。
【0035】本発明の研磨方法においては、最初、粒子
径16μm以下(#1000)、集中度75(0.66
g/cm3)以上のダイヤモンド砥粒の研磨層11を形
成させた研磨ホイル10で研磨を行う。この研磨ホイル
10で前記の複数ステップによる研磨を行っても所定の
最大表面粗さに達しない場合、あるいは所定の範囲とな
ったがさらに表面粗さを小さくしたい場合には、最初に
用いた研磨ホイル10よりダイヤモンド粒子径が小さい
砥粒層11を形成した研磨ホイル10を使って2回目の
研磨を行っても良い。この場合、2回目の研磨に用いる
研磨ホイル10の研磨層11の構成としては、例えば粒
径13μm以下(#1200)集中度75、粒径10μm
以下(#1500)集中度75、あるいは粒径10μm
以下(#1500)集中度100(0.88g/c
3)のものを用いれば良い。また、さらに3回目の研
磨を行っても良い。
【0036】研磨ホイル10によるセラミックロール1
の研磨においては、研磨ホイル10の回転周速をVw、
セラミックロール1の回転周速をVrとするとき、Vw
/Vr=10〜60であることが望ましい。Vw/Vr
が大きいほど、セラミックロール1における単位周長あ
たりの研磨ホイル10の接触長さが増え、研磨の効率が
良くなる。なお、Vw/Vr<10であると研磨が十分
でなく、所定の表面粗さが得られない可能性が高い。さ
らに、Vw/Vr>60の場合には研磨の効果が飽和し
てしまい、却って研磨ホイル10の目詰まりが発生し易
く、スクラッチ模様、セラミックロール1の痩せなどの
問題が発生することがある。したがって、Vw/Vr=
10〜60であることが望ましい。
【0037】また、図6に示すように、研磨ホイル10
は軸線方向に移動してセラミックロール1の全長(圧延
加工面)に渡ってその表面を研磨するが、前記軸線方向
に移動する速度は0.1〜10m/分であることが望ま
しく、前記の範囲で、研磨ホイル10の径、セラミック
ロール1の径、砥粒層11の構成などによって適宜定め
ることが可能である。また、同一研磨ホイル10による
軸線方向への研磨の繰返し(トラバース)回数、研磨ホイ
ル10のセラミックロール1への押付け力についても同
様に定めることができる。
【0038】[セラミックロール砥粒層の形状]図4の
研磨ホイル10において、図5に示すように、その表面
に形成された研磨層11の幅方向の両端部を研磨層11
の厚さTに対して0.1T以上、好ましくは0.3T以
上の曲率半径で面取りしておくことが望ましい。研磨ホ
イル10およびセラミックロール1を互いに接触させて
同一方向に回転させ、研磨ホイル10をセラミックロー
ル1の軸線方向に一定速度で移動させて研磨するとき、
図5(a)に示すように先ず研磨ホイル10の肩部11
aで研磨される。ダイヤモンド砥粒を保持する研磨ホイ
ル10は摩耗し難いので、硬さの大きいセラミックロー
ル1を研磨しても比較的大きな応力が作用する前記肩部
11aの形状も変化し難い。
【0039】このため、図5(b)に示すように、肩部
に面取りを行っていない場合、研磨ロールをセラミック
ロール1の軸線方向に移動させると、肩部における段差
が大きいことから、セラミックロール1の表面に送りマ
ークと言われる螺旋状の微細な凹凸模様が形成され易
い。送りマークの部分では表面粗さが大きくなり易く、
また一旦送りマークが形成されるとそれを除去すること
が難しいため、送りマークの形成は避けなければならな
い。
【0040】前記送りマークを防止するためには、研磨
ホイル10の肩部11aに所定の曲率半径の面取りを行
うことが有効であることが分かった。種々の実験によっ
て、面取りの曲率半径が砥粒層の厚さT(幅方向の中央
部の初期厚さ)に対して0.1T未満であるとその効果
が十分でないため、前記曲率半径は0.1T以上とす
る。前記曲率半径は大きいほうが送りマークの防止には
有効と考えられるが、あまり大きくすると研磨を行うこ
とができる研磨ホイル10の有功幅が小さくなり、研磨
に時間がかかるようになる。このような観点から前記曲
率半径の上限値は1.0T程度とすることが望ましい。
【0041】なお、本発明の研磨ホイル10の研磨層1
1は、ダイヤモンド粒子寸法を16μm(#1000)
以下、かつ、集中度75以上で、そのダイヤモンド粒子
をレジンボンド、自溶合金(ニッケル系など)などによ
り結合、あるいは小接点となるように結合した状態の構
成となるものを用いると良い。そして、ダイヤモンド粒
子は、その表面に何も被覆されていない状態のものや、
また、その表面に被覆層を備えている状態のものを適宜
使用している。さらに、研磨層11の幅は、20〜80
mm程度で、厚さが1〜4mm程度のものを用いること
や、ダイヤモンド粒子が一層のみ形成されたものを用い
ても良い。そして、研磨ホイル10の直径は、研磨され
るセラミックロール1の直径に合わせて適宜決めれば良
く、例えば、200〜800mm程度の範囲から選択す
ることができる。
【0042】
【実施例】以下において、実施例および比較例を用いて
本発明を詳細に説明する。なお、本発明は、この実施例
に限定されるものではない。 [実施例1] (1)セラミックロールの準備 表1に記載の本発明例および比較例のセラミックロール
を12本準備した。表1のセラミックロールをその表面
に種々の粒度および集中度のダイヤモンド砥粒による研
磨層が形成された研磨ホイルによって研磨し、2本ずつ
同じ表面粗さのものを作製した。研磨した本発明例およ
び比較例のセラミックロールの表面粗さを表2に示す。
なお、ロールの表面粗さ測定には株式会社東京精密製の
サーフコム130Aを用い、セラミックロール軸線方向
の表面粗さを測定した。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】(2)圧延用銅合金板コイルの準備 板厚0.156mm、幅550mm、長さ6800m
(5000kg)のC19400合金(Cuに、2.4
質量%のFeと、0.03質量%のPと、0.12質量
%のZnを含有)コイルを7本用意した。いずれのコイ
ルにおいても、板幅方向に測定した表面粗さはRa=
0.08μm、Rmax=0.88μmであり、ロール
マークは存在しないことを確認した。
【0046】(3)セラミックロールによる圧延 表2の表面粗さを有するセラミックロールを2本1組で
20段圧延機に組込み、圧延油を供給しながら圧延速度
500m/分で板厚0.125mmに圧延した(加工率
20%)。圧延後、所定厚さに圧延されているコイル外
周部、中央部、内周部より長さ1000mmずつ試料を
採取し、接触式表面粗さ計により板幅方向の表面粗さを
測定した。3箇所の表面粗さのうち、最も大きい値を各
被圧延材の表面粗さとした。また、採取試料の両表面を
観察してロールマークの有無を調査した。参考として、
表1と同一寸法で、表面粗さは本発明の範囲を満足する
ハイスロール(Hv=900)を用いて同様に圧延を行
った。これらの結果を表2に示す。
【0047】実施例1と比較例のセラミックロール、お
よび参考例のハイスロールで圧延した被圧延材において
は、いずれもロールマークは発生しなかった。実施例1
のセラミックロールで圧延した被圧延材はいずれも良好
な表面粗さであり、リードフレーム用として問題なく使
用が可能であった。一方、比較例のセラミックロールで
圧延した被圧延材においては最大粗さが大きかったので
リードフレーム用として使用できなかった。また、参考
例のハイスロールで圧延した被圧延材においては、表面
粗さは良好であったが、ロールマークが発生した。
【0048】[実施例2]本実施例2は、実施例1におけ
るNo.1、No.3のセラミックロールおよびNo.
7の参考例のロールを用いて、実施例1のC19400
コイルを同様に圧延し、被圧延材にロールマークが発生
するまでのコイル数を比較した。その結果を表3に示
す。比較例のNo.7のハイスロールにおいては、1コ
イル目でロールマークが発生し、ロールの研磨が必要と
なった。一方、実施例1のNo.1およびNo.3のセ
ラミックロールにおいては、70コイル圧延してもロー
ルマークが発生せず、この時点で実験を打切った。N
o.1およびNo.7のセラミックロールで圧延した被
圧延材の表面粗さも1コイル目からほとんど変化せず
(表3には示さず)、ロールマークの発生に対し良好な耐
久性を有することが判った。
【0049】
【表3】
【0050】[実施例3](1)セラミックロールの準備 本実施例3においては、所定の初期粗さを有するセラミ
ックロールを14本用意し、その研磨方法を本発明例お
よび比較例によって説明する。表4に用意したセラミッ
クロールの寸法、硬さ、初期の表面粗さを示す。表4に
示すセラミックロールはRmax.が大きく、この状態
では良好な表面粗さを有するリードフレーム用銅合金
板、条などの圧延に用いることができない。
【0051】
【表4】
【0052】(2)研磨装置と研磨方法 研磨装置による研磨の様子、および研磨ホイルはそれぞ
れ図2ないし図4に模式的に示す通りである。本実施例
において用いた研磨ホイルと研磨層の寸法は表5に、研
磨条件は表6に、研磨ホイルの研磨層のダイヤモンド粒
子径および集中度は表7にそれぞれ示す通りである。表
7の各研磨ホイルによる研磨は、本発明にかかる実施の
形態の項において説明した要領に従い、研磨ホイルの周
速を一定とし、いずれも表6の範囲でセラミックロール
の周速および研磨ホイルの送り速度を変える3ステップ
(第1ステップから第3ステップ)による研磨を行っ
た。
【0053】なお、各ステップにおける研磨ホイルの回
転周速Vwとセラミックロールの回転周速Vrとの比は
いずれも15〜45の範囲に入る値とした。各ステップ
における研磨ホイル往復回数は表6に示すように4〜8
回とした。一部の例においては、研磨ホイルを変え、各
研磨ホイルに対してこのような3ステップ研磨を行っ
た。いずれの例においても、2回目の研磨には1回目の
研磨より細かいダイヤモンド粒子を保持するものを用い
ている。
【0054】なお、研磨においては、研磨液としてナシ
ョナル貿易社製のナショナルクール320Nに、ケミカ
ルソリューションタイプの切削油を約0.5〜4質量%
添加したものを用いた。また、図3に示すように研磨液
は循環使用するためフィルタが設けられているが、タン
クに戻された研磨液は保留粒子径10〜20μmのフィ
ルタでろ過され、タンクより研磨機に供給される研磨液
は保留粒子径1〜3μmのフィルタでろ過されている。
【0055】
【表5】
【0056】
【表6】
【0057】
【表7】
【0058】(3)結果 実施例1と同様な方法で研磨後のセラミックロールのR
aおよびRmaxを測定した。同一の条件で2本のセラ
ミックロールの研磨を行ったが、両者の表面粗さはほぼ
同一値を示したので、その結果として両者の平均値を用
いた。研磨に用いた研磨ロールと研磨後のセラミックロ
ールの表面粗さを表8に示す。
【0059】
【表8】
【0060】表8に示すように、本実施例のNo.4〜
No.8の研磨方法においてはRa≦0.1μm、かつ
Rmax≦0.6μmのセラミックロールが得られるの
に対して、比較例の研磨方法においてはRmax.が目
標を満足しない。即ち、No.1においては、ダイヤモ
ンド粒子の寸法が本発明の規定値より大きく、かつ集中
度が本発明の規定値より小さいため、またNo.2にお
いては、ダイヤモンド粒子の寸法が本発明の規定値より
大きいため、さらにNo.3においては、ダイヤモンド
粒子の集中度が本発明の規定値より小さいため、Rma
xを小さくすることができなかった。
【0061】No.5〜No.8の研磨によって製作し
たセラミックロールをそれぞれ20段圧延機に組込み、
板厚0.25mmのCuに、0.1質量%のFeと、
0.03質量%のPと、2質量%のSnを含有した合金
(幅600mm、長さ4000m)を0.2mmまで圧
延したが、いずれのセラミックロールを用いた場合もロ
ールマークの発生は皆無であり、リードフレーム用とし
て良好な表面粗さを有する薄板が得られた。
【0062】[実施例4]実施例3の表4のセラミックロ
ール(直径50mm)を表7のDおよびFの研磨ロール
(直径500mm)を用い、研磨ホイルの周速を約95
0m/分の一定値とし、各研磨ステップ(第1ステップ
から第3ステップ)におけるセラミックロールの周速を
変化させて研磨を行った。その他の研磨条件は実施例3
と同じ条件とした。研磨ホイル(Vh)とセラミックロ
ール(Vr)の周速の比およびとセラミックロールの表
面粗さを表9に示す(n=2)。
【0063】No.2の研磨ホイルFの研磨条件が望ま
しい周速比より、第1ステップの値が大きく、かつ第3
ステップの値が小さいため、すべて望ましい範囲内であ
るNo.1の条件で研磨したセラミックロールと比べて
Rmax.が少し大きくなった。ただし、両方の研磨条
件で研磨したセラミックロールを20段圧延機に組込ん
で実施例3と同様な圧延を行ったが、被圧延材の表面粗
さは良好であり、ロールマークの発生も見られなかっ
た。
【0064】
【表9】
【0065】[実施例5]実施例3の表4のセラミックロ
ール(直径50mm)を表7のDとFの研磨ロール(直
径500mm)を用いて砥粒層肩部の面取り量を種々に
変化させて研磨を行った。その他の研磨条件は実施例3
と同じ条件とした。
【0066】研磨されたセラミックロールの表面粗さを
表10に示す。面取りを行っていないNo.1の研磨ホ
イルで研磨したセラミックロールには送りマークが見ら
れた。面取りの曲率半径が0.1Tより小さいNo.2
の研磨ホイルで研磨したセラミックロールには部分的に
送りマークが見られた。送りマークがあったため、これ
らのセラミックロールについては、表面粗さを測定しな
かった。一方、面取りの曲率半径が0.1Tより大きい
研磨ホイルNo.3およびNo.4で研磨されたセラミ
ックロールはスクラッチの発生は皆無で、表面粗さも小
さい。
【0067】
【表10】
【0068】
【発明の効果】本発明は、以下に示すような優れた効果
を奏する。本発明のセラミックロールを用いると、従来
のハイスロールに比べ、表面粗さの小さい銅合金の板、
条、箔をロールマークを発生させることなく長期間に渡
って安定して製造することができるため、銅合金の板、
条、箔の生産性および歩留まりが著しく向上する。ま
た、本発明のセラミックロールの研磨方法を用いると、
従来不可能とされていた、ダイヤモンド砥粒からなる研
磨ホイルのみを用いてセラミックロールの仕上げ研磨が
可能となる。そのため、通常のハイスロールの研磨設備
によっても研磨が可能であることから、研磨設備に対す
る新たな投資が不要となる。また、研磨に要する時間が
大幅に短縮できるなどの効果を奏する。さらに、本発明
の研磨ホイルを用いてセラミックロールを研磨すること
により、送りマークを発生させずに安定した研磨が可能
となる。
【符号の説明】 【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は、本発明にかかるセラミックロール
の表面粗さを測定した状態を示す拡大分布図、(b)は
比較例を示す拡大分布図である。
【図2】 本発明にかかるセラミックロールの研磨状態
を示す模式図である。
【図3】 本発明にかかる研磨機構を示す模式図であ
る。
【図4】 (a),(b)は、本発明にかかる研磨ホイ
ルの断面図および拡大断面図である。
【図5】 (a),(b)は、本発明にかかる研磨ホイ
ルによる研磨状態を示す模式図である。
【図6】 本発明にかかる研磨ホイルによる研磨状態を
示す平面図である。
【符号の説明】
1 セラミックロール 2 圧延加工面 3 支持部 10 研磨ホイル 11 研磨層 11a 片部(両端
部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B24D 5/02 B24D 5/02 B (72)発明者 佐貫 禮治 山口県下関市長府港町14番1号 株式会社 神戸製鋼所長府製造所内 Fターム(参考) 3C043 AC13 CC03 3C063 AA02 AB03 BA02 BB02 BB07 BC02 BC03 BG07 EE16 FF23 FF30

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅または銅合金の板、条または箔を冷間
    圧延する際に用いられ圧延加工面がセラミックスで形成
    されるセラミックロールであって、前記圧延加工面に対
    して、前記セラミックロールの軸線方向において測定し
    た中心線平均粗さRaが0.1μm以下、かつ最大粗さ
    Rmaxが0.6μm以下であることを特徴とするセラ
    ミックロール。
  2. 【請求項2】 銅または銅合金の板、条または箔を冷間
    圧延する際に用いられ圧延加工面がセラミックスで形成
    されるセラミックロールの研磨方法であって、平均粒子
    径が16μm以下のダイヤモンド砥粒を集中度75以上
    で分散させた研磨層を表面に形成した研磨ホイルを用
    い、前記セラミックロールおよび前記研磨ホイルを同一
    方向に回転させ、かつ前記セラミックロールの軸線と前
    記研磨ホイルの軸線が互いに平行となるように前記圧延
    加工面および前記研磨層を当接させ、その当接部分に研
    磨液を供給しつつ前記研磨ホイルを前記セラミックロー
    ル軸線方向に、前記圧延加工面の全幅に渡って少なくと
    も一回は一定速度で移動させることを特徴とするセラミ
    ックロールの研磨方法。
  3. 【請求項3】 前記セラミックロールの圧延加工面に対
    してその軸線方向に前記研磨ホイルを、前記セラミック
    ロールの圧延加工面全幅に渡って複数回移動させ、その
    複数回目の研磨において、セラミックロールの周速を増
    加させ、かつ前記研磨ホイルのセラミックロール軸線方
    向への送り速度を低下させて研磨を行うことを特徴とす
    る請求項2に記載のセラミックロールの研磨方法。
  4. 【請求項4】 前記平均粒子径が16μmより小さいダ
    イヤモンド砥粒を分散させた研磨ホイルを用いて研磨を
    行うことを特徴とする請求項3に記載の圧延加工面がセ
    ラミックスで形成されたセラミックロールの研磨方法。
  5. 【請求項5】 前記研磨ホイルの回転周速をVw、前記
    セラミックロールの回転周速をVrとするとき、Vw/
    Vr=10〜60であることを特徴とする請求項2ない
    し4のいずれか一項に記載のセラミックロールの研磨方
    法。
  6. 【請求項6】 銅または銅合金の板、条または箔を冷間
    圧延する際に用いられ圧延加工面がセラミックスで形成
    されるセラミックロールを研磨するための研磨ホイルで
    あって、その研磨層に、平均粒径が16μm以下のダイ
    ヤモンド砥粒を集中度75以上で分散させ、前記セラミ
    ックロールに当接する前記研磨層の幅方向の両端部が、
    前記研磨層の厚さTに対して0.1T以上の曲率半径で
    面取りされていることを特徴とする研磨ホイル。
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