JP2002059185A - 排水の処理方法 - Google Patents

排水の処理方法

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  • Immobilizing And Processing Of Enzymes And Microorganisms (AREA)
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  • Biological Treatment Of Waste Water (AREA)
  • Activated Sludge Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 槽を小型化することが可能で、しかも余剰汚
泥を発生させない排水の処理方法を提供すること。 【解決手段】 担体を流動させる曝気槽、少なくとも2
槽の活性汚泥槽および沈殿槽を備える排水処理装置を用
い、曝気槽における溶解性BOD容積負荷が1kg/m
3・日以上、活性汚泥槽のうち少なくとも1つの槽におけ
る溶解性BOD汚泥負荷が0.1kg−BOD/kg−
MLSS・日以下、かつ、当該活性汚泥槽以外の活性汚
泥槽のうち少なくとも1つの槽における溶解性BOD汚
泥負荷が0.1〜0.6kg−BOD/kg−MLSS
・日の範囲で排水を処理する排水の処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は余剰汚泥を発生させ
ない排水の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、排水処理には主として活性汚泥法
が用いられてきた。活性汚泥法によれば、沈殿槽で汚泥
を沈降させ、一部を曝気槽に返送し、一部を余剰汚泥と
して引抜くことによって、BOD容積負荷が0.3〜
0.8kg/m3・日程度の条件で定常的な運転を行う
ことが可能である。一方で、微生物を高濃度で保持する
ことができる担体の開発が進んでおり、これを用いれ
ば、2〜5kg/m3・日という高いBOD容積負荷を
かけることができ、曝気槽を小型化することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の活性汚泥法で
は、BOD容積負荷が0.3〜0.8kg/m3・日程
度の条件で運転しなければならず、大きな曝気槽を用い
なければならない。また、余剰汚泥を引抜く必要が生
じ、これを処分しなければならないという問題が生じ
る。これに対し、担体を用いる方法(以下、これを「担
体法」と記す。)では、高負荷をかけることが可能であ
ることから、曝気槽を小型化することができる反面、沈
降分離しない微細汚泥が発生し、凝集沈殿法を併用しな
ければならない。この場合、凝集剤のランニングコスト
がかかる上、凝集沈殿した沈殿物を処分しなければなら
ないという問題が生じる。
【0004】上記の課題に鑑みてなされた本発明は、槽
を小型化することが可能で、しかも余剰汚泥を発生させ
ない排水の処理方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決する本
発明の排水の処理方法は、担体を流動させる曝気槽、少
なくとも2槽の活性汚泥槽および沈殿槽を備える排水処
理装置を用い、曝気槽における溶解性BOD容積負荷が
1kg/m3・日以上、活性汚泥槽のうち少なくとも1つ
の槽における溶解性BOD汚泥負荷が0.1kg−BO
D/kg−MLSS・日以下、かつ、当該活性汚泥槽以
外の活性汚泥槽のうち少なくとも1つの槽における溶解
性BOD汚泥負荷が0.1〜0.6kg−BOD/kg
−MLSS・日の範囲で排水を処理するものである。
【0006】本発明では、担体法を用いていることか
ら、曝気槽をコンパクトにすることができる。そして、
大部分の溶解性BODを除去させたのち、活性汚泥槽に
おいて低汚泥負荷運転することによって汚泥の自己酸化
を促進させることができ、汚泥の増殖と自己酸化とが平
衡に達して余剰汚泥が発生しなくなる。また、低汚泥負
荷運転により発生した微細汚泥も活性汚泥に巻き込ませ
て沈降性を向上させることができる。したがって、汚泥
沈降性を保持したまま余剰汚泥の引き抜きが不要とな
る。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の排水処理方法のためのシ
ステムの一例を図1および図2に示す。このシステムに
おいて、曝気槽を可能な限り小型化するために、曝気槽
における溶解性BOD容積負荷は1kg/m3・日以上
であることが好ましい。ここで、溶解性BODとは、
0.45μのフィルタでろ過した後に測定したBODの
ことであり、微生物を除いたBODを意味する(以下、
これを「s−BOD」と略記する。)。s−BOD容積
負荷が高いほど、曝気槽を小型化することができる。担
体の種類や充填率を適宜選択することにより、2kg/
3・日以上あるいは5kg/m3・日以上で運転するこ
とも可能である。
【0008】活性汚泥槽のうち少なくとも1つの槽にお
いて、低負荷で曝気することにより汚泥の自己酸化が促
進される。この槽におけるs−BOD汚泥負荷は0.1
kg−BOD/kg−MLSS・日以下である。この槽
におけるs−BOD汚泥負荷は0.05kg−BOD/
kg−MLSS・日以下であることがより好ましい。
【0009】低s−BOD汚泥負荷の活性汚泥槽以外の
少なくとも1つの活性汚泥槽で適切な汚泥負荷運転をす
ることにより、担体を流動させる曝気槽や、低負荷運転
の活性汚泥槽で発生した微細汚泥が巻き込まれ、沈降性
が高められる。活性汚泥は適切な汚泥負荷運転をすれば
粘着物を出し、フロック化することができる。低s−B
OD汚泥負荷の活性汚泥槽以外の少なくとも1つの活性
汚泥槽におけるs−BOD汚泥負荷は0.1〜0.6k
g−BOD/kg−MLSS・日の範囲にある。このs
−汚泥負荷は0.15〜0.4kg−BOD/kg−M
LSS・日の範囲にあることがより好ましい。このよう
な汚泥負荷で運転するために、原水の一部を2槽以上の
活性汚泥槽のいずれかに流入させて、必要なBODを確
保すれば良い。
【0010】沈殿槽で沈降した汚泥は全量が低汚泥負荷
運転の活性汚泥槽に返送され、汚泥の引抜きが不要とな
る。ただし、汚泥の中には無機のSS成分が含まれるケ
ースがあるので、若干の汚泥の引き抜きが必要な場合も
あるが、その場合でも従来の方法に比べると汚泥の発生
量が大幅に減少する。すなわち、本発明でいう全量を返
送するとは、SS成分を排除するため、若干量の汚泥を
引き抜き、残りを返送する態様も含まれる。本発明の実
施のために排水処理設備を新設しても良いが、現有の排
水処理設備の改造によってにも実施できる。
【0011】本発明における担体として、公知の各種の
担体を使用することができるが、ゲル状担体、プラスチ
ック担体および繊維状担体から選ばれた1種類の担体、
あるいはこれらの担体の2種類以上を組み合せた担体を
使用することが好ましい。中でも、処理性能の高さや流
動性の点から、ポリビニルアルコール架橋ゲル担体が好
ましい。担体の充填率としては、処理効率と流動性の点
から、槽容積の5%以上50%以下であることが好まし
く、さらに10%以上30%以下であることがより好ま
しい。
【0012】
【実施例】以下、実施例により、本発明を詳細に説明す
る。
【0013】(実施例1)容量が500リットルの原水
調整槽、容量が500リットルの担体流動曝気槽、容量
がいずれも500リットルの2つの活性汚泥槽および容
量が1000リットルの沈殿槽からなる排水試験装置を
用いて本発明を実施した。上記の曝気槽にはポリビニル
アルコール架橋ゲル担体(直径約4mm)を50リット
ル投入した。この実施例1におけるフローを図1に模式的
に示す。運転の条件および運転開始1ヵ月経過時点での
結果を表1に示す。本発明に基づき、担体流動曝気槽に
おけるs−BOD容積負荷が4kg/m3・日、第1の
活性汚泥槽(低汚泥負荷運転の活性汚泥槽)におけるs
−BOD汚泥負荷が0.04kg−BOD/kg−ML
SS・日の条件で排水を処理した。第2の活性汚泥槽
(通常の汚泥負荷運転の活性汚泥槽)に原水の一部を流
入させ、s−BOD汚泥負荷が0.16kg−BOD/
kg−MLSS・日の条件で運転した。処理水は良好で
あり、汚泥を引抜かずに運転を継続することができた。
【0014】(実施例2)容量が500リットルの原水
調整槽、容量が500リットルの担体流動曝気槽、容量
がいずれも500リットルの2つの活性汚泥槽および容
量が1000リットルの沈殿槽からなる排水試験装置を
用いて本発明を実施した。上記の曝気槽にはポリビニル
アルコール架橋ゲル担体(直径約4mm)を50リット
ル投入した。この実施例2におけるフローを図2に模式
的に示す。運転の条件および運転開始1ヵ月経過時点で
の結果を表1に示す。本発明に基づき、担体流動曝気槽
における溶解性BOD容積負荷が4kg/m3・日、第
1の活性汚泥槽(低汚泥負荷運転の活性汚泥槽)におけ
るs−BOD汚泥負荷が0.15kg−BOD/kg−
MLSS・日、第2の活性汚泥槽におけるs−BOD汚
泥負荷が0.04kg−BOD/kg−MLSS・日の
条件で運転した。処理水は良好であり、汚泥を引抜かず
に運転を継続することができた。
【0015】(比較例1)容量が500リットルの原水
調整槽、容量が1000リットルの活性汚泥槽および容
量が1000リットルの沈殿槽からなる排水試験装置を
用いて排水の処理を行った。この比較例1におけるフロ
ーを図3に模式的に示す。運転の条件および運転開始1
ヵ月経過時点での結果を表1に示す。活性汚泥槽におけ
るs−BOD汚泥負荷が0.67kg−BOD/kg−
MLSS・日と高いため、BODの除去が不十分であ
り、汚泥沈降性が時間の経過とともに低下した。
【0016】(比較例2)容量が500リットルの原水
調整槽、容量が4000リットルの活性汚泥槽(1槽)
および容量が1000リットルの沈殿槽からなる排水試
験装置を用いて排水の処理を行った。この比較例2にお
けるフローは図3のものである。運転の条件および運転
開始1ヵ月経過時点での結果を表1に示す。活性汚泥槽
におけるs−BOD汚泥負荷を0.17kg−BOD/
kg−MLSS・日で運転すると、処理水は良好であっ
たが、余剰汚泥を1日に1kg(乾燥重量)引抜かなけ
ればならなかった。
【0017】(比較例3)容量が500リットルの原水
調整槽、容量が500リットルの担体流動曝気槽、容量
が500リットルの活性汚泥槽(1槽)および容量が1
000リットルの沈殿槽からなる排水試験装置を用いて
排水の処理を行った。上記の曝気槽にはポリビニルアル
コール架橋ゲル担体(直径約4mm)を50リットル投
入した。この比較例3におけるフローを図4に模式的に
示す。運転の条件および運転開始1ヵ月経過時点での結
果を表1に示す。曝気槽におけるs−BOD容積負荷が
4kg/m3・日以上であり、活性汚泥槽における溶解
性BOD汚泥負荷が0.14kg−BOD/kg−ML
SS・日の条件で運転したところ、処理水は良好であっ
たが、余剰汚泥は1日に0.6kg(乾燥重量)引抜か
なければならなかった。
【0018】(比較例4)容量が500リットルの原水
調整槽、容量が500リットルの担体流動曝気槽、容量
がいずれも500リットルの2つの活性汚泥槽および容
量が1000リットルの沈殿槽からなる排水試験装置を
用いた。上記の曝気槽にはポリビニルアルコール架橋ゲ
ル担体(直径約4mm)を50リットル投入した。この
フローを図5に模式的に示す。運転の条件および運転開
始1ヵ月経過時点での結果を表1に示す。担体流動曝気
槽におけるs−BOD容積負荷が4kg/m3・日、第
1の活性汚泥槽におけるs−BOD汚泥負荷が0.04
kg−BOD/kg−MLSS・日、第2の活性汚泥槽
のs−BOD汚泥負荷が0.04kg−BOD/kg−
MLSS・日の条件で運転したところ、沈殿槽で汚泥が
沈降しなくなり、水質が悪化した。
【0019】
【表1】
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、槽を小型化することが
可能であり、しかも余剰汚泥を発生させないで排水を処
理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のフローを模式的に表した図である。
【図2】実施例2のフローを模式的に表した図である。
【図3】比較例1および2のフローを模式的に表した図
である。
【図4】比較例3のフローを模式的に表した図である。
【図5】比較例4のフローを模式的に表した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B029 AA02 BB01 CC04 DB19 4B065 AA01X BC01 BC46 CA55 4D003 AA14 AB02 BA02 CA03 EA14 EA18 EA30 FA02 4D028 BB02 BC01 BC18 BD11 BD16 CA06 CB02 CC05

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 担体を流動させる曝気槽、少なくとも2
    槽の活性汚泥槽および沈殿槽を備える排水処理装置を用
    い、曝気槽における溶解性BOD容積負荷が1kg/m
    3・日以上、活性汚泥槽のうち少なくとも1つの槽におけ
    る溶解性BOD汚泥負荷が0.1kg−BOD/kg−
    MLSS・日以下、かつ、当該活性汚泥槽以外の活性汚
    泥槽のうち少なくとも1つの槽における溶解性BOD汚
    泥負荷が0.1〜0.6kg−BOD/kg−MLSS
    ・日の範囲で排水を処理する排水の処理方法。
  2. 【請求項2】 担体が、ゲル状担体、プラスチック担体
    および繊維状担体からなる群から選ばれた1種類以上の
    担体である請求項1に記載の排水の処理方法。
  3. 【請求項3】 担体がポリビニルアルコール架橋ゲル担
    体である請求項2に記載の排水の処理方法。
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