JPH05261386A - 回分式汚水処理方法における余剰汚泥の処理方法とその処理装置 - Google Patents

回分式汚水処理方法における余剰汚泥の処理方法とその処理装置

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JPH05261386A
JPH05261386A JP9717792A JP9717792A JPH05261386A JP H05261386 A JPH05261386 A JP H05261386A JP 9717792 A JP9717792 A JP 9717792A JP 9717792 A JP9717792 A JP 9717792A JP H05261386 A JPH05261386 A JP H05261386A
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sludge
tank
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treatment
pump
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JP9717792A
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Masayoshi Sasaki
正昌 佐々木
Masahiro Imura
正博 井村
Eiichi Suzuki
栄一 鈴木
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Fujiclean Co Ltd
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Amukon KK
Fujiclean Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 我が国における閉鎖性水域での富栄養化現象
の発生要因である窒素除去のみならずリン除去にも画期
的に対処することのできる回分式汚水処理システムにお
ける余剰汚泥の処理装置を提供する。 【構成】 汚泥貯溜槽の上方部に汲み上げた余剰汚泥の
汚泥濃縮機を組み込み、汚泥貯溜槽の一部に高分子凝集
剤を貯溜する薬液室を設け、前記汚泥濃縮機には薬液室
の高分子凝集剤を汲み上げる薬液ポンプと、回分反応槽
の余剰汚泥を汲み上げる給泥ポンプを設け、汚泥濃縮機
のケーシング内部にはスリット構造の脱水筒を設け、当
該脱水筒の内部に汚泥搬送用のスクリュウコンベアを回
転可能に挿通支持し、脱水された脱離液を流量調整槽へ
返送配管すると共に、濃縮された汚泥ケーキを汚泥貯溜
槽へ貯溜させるように構成してなる回分式汚水処理装置
における余剰汚泥の処理装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、閉鎖性水域での富栄養
化現象の発生要因である窒素除去とリン除去に優れる、
嫌気好気処理法に属する回分式汚水処理システムにおけ
る余剰汚泥の処理方法とその処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、回分式汚水処理方法にお
いては、回分反応槽への汚水の流入、回分反応槽での嫌
気撹拌、好気撹拌(曝気)、沈澱、排水の各回分処理工
程が繰り返される。この回分処理の過程で余剰となる活
性汚泥は、給泥ポンプで汲み上げられ、例えば、処理対
象人員が200人以下の処理装置の場合には、余剰汚泥
が汚泥濃縮貯溜槽へ汲み上げられて貯溜され、当該汚泥
濃縮貯溜槽での重力沈降分離作用により、その汚泥ケー
キ(濃縮汚泥ともいう)分を沈降させて貯溜させると共
に、分離された脱離液を前工程の流量調整槽へ返送す
る。その後、汚泥濃縮貯溜槽に所定量貯溜された濃縮汚
泥をバキューム手段で汲み上げて搬出するフローシステ
ムで構成される。また、処理対象人員が201人以上の
処理装置の場合には、余剰汚泥を一旦、汚泥濃縮槽へ汲
み上げて貯溜することで、当該汚泥濃縮槽での重力沈降
分離がなされ、その脱離液を前工程の流量調整槽へ返送
すると共に、沈降した汚泥ケーキを次の汚泥貯溜槽へ汲
み上げて貯溜し、その後、汚泥貯溜槽に貯溜された汚泥
ケーキを搬出するフローシステムで構成される。即ち、
前者の場合には、処理対象人員が比較的小人数用である
ため汚泥濃縮貯溜槽で、余剰汚泥の重力沈降分離と汚泥
ケーキの貯溜機能が発揮されるようにしているに対し、
後者の場合には、比較的多人数用であるため、余剰汚泥
を重力沈降分離させる汚泥濃縮槽と、汚泥ケーキを貯溜
する汚泥貯溜槽を不可欠なものとしている。いずれにし
ても、従来の重力沈降分離作用による汚泥分の処理シス
テムでは、それに長い時間を要する上に、此種の活性汚
泥処理方式で汚泥処理された余剰汚泥の含水率は、重力
沈降方式の汚泥濃縮槽で分離される汚泥ケーキの98.
5%〜98%程度までしか濃縮されない為、此種の汚泥
濃縮貯溜槽それ自体の容量を必要以上に大きなものとし
て対処せざるを得なかったり、或は、汚泥濃縮槽と汚泥
貯溜槽の2槽構造とすることで対応せざるを得ないもの
となっている。
【0003】他方、本発明者の一は、特公平4−719
号公報に記載の発明を実用化する過程で、種々の実証試
験を行っているが、その試験結果において、回分処理工
程における好気工程終了後、即ち、曝気を停止した後、
5時間までは汚泥分に取り込まれたリンの放出作用が起
こらないことが実証できた。これについては、1991
年8月号の『公害と対策』第27巻第9号(通巻336
号)1991年8月15日発行(発行所公害対策技術同
友会)第69頁〜第74頁に亙って文献発表している。
それ故、余剰汚泥を好気工程終了後5時間以内に汚泥を
濃縮を行えば、高性能の脱リン機能が齎されることか
ら、それを可能とする汚泥濃縮機を組み込むことに着眼
した。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】ところが、従来の重
力沈降方式で固液分離する汚泥濃縮貯溜槽や汚泥濃縮槽
では、その重力沈降に長い時間を要する、具体的には、
1日程度の時間をかけて沈降分離させる方式である為、
再び、脱離液中にリンが析出し高濃度のリンが混合した
脱離液が前工程の流量調整槽へと返送されてしまうこと
になる。その上、前記のように重力沈降方式の汚泥濃縮
槽で沈降分離される汚泥ケーキ(濃縮汚泥ともいう)の
水分は、98.5%〜98%程度までしか濃縮できない
上に、分離不十分な脱離液に固形分が混入して再び流量
調整槽へ返送され、それが繰り返されることで、やがて
は一連の汚泥処理に対する負荷を大きくしたり、処理不
十分で排出されてしまう等の弊害を引き起こすことにも
なる。
【0005】
【問題点を解決するための手段】そこで、本発明では、
本発明者の一が発明した特公平4−719号公報に記載
の嫌気好気法に属する回分式汚水処理システムに、本発
明者の一が発明した特願平2−253050号に示す
『汚泥水の固液分離装置』、即ち、汚泥濃縮機を組み合
わせ、具体的には、その一として、回分反応槽へ流入し
た汚水を、活性汚泥と共に嫌気状態下で撹拌処理し、次
いで、好気状態下で撹拌しながら曝気処理した後、その
活性汚泥を沈澱処理せしめ、その上澄み液を排水処理す
る回分式汚水処理方法において、曝気処理後の回分反応
槽に沈澱した活性汚泥の余剰分を、給泥ポンプで汲み上
げて汚泥濃縮機へ給送し、それに薬液ポンプで汲み上げ
た高分子凝集剤を添加混合してフロック化した上で機械
的に脱水処理し、脱水された脱離液を流量調整槽へ返送
すると共に、濃縮された汚泥ケーキを汚泥貯溜槽に貯溜
させるように構成してなる回分式汚水処理方法における
余剰汚泥の処理方法を、また、その二として、回分反応
槽への汚水の流入を調整する流量調整槽と、流入した汚
水を回分処理する回分反応槽と、回分処理された上澄み
液を排出して消毒処理する消毒槽と、回分処理された活
性汚泥の余剰分を汲み上げて貯溜する汚泥貯溜槽とから
なる回分式汚水処理装置において、汚泥貯溜槽の上方部
に汲み上げた余剰汚泥の汚泥濃縮機を組み込み、汚泥貯
溜槽の一部に高分子凝集剤を貯溜する薬液室を設け、前
記汚泥濃縮機には薬液室の高分子凝集剤を汲み上げる薬
液ポンプと、回分反応槽の余剰汚泥を汲み上げる給泥ポ
ンプを接続して配管し、汚泥濃縮機のケーシング内部に
はスリット構造の脱水筒を設け、当該脱水筒の内部に汚
泥搬送用のスクリュウコンベアを回転可能に挿通支持
し、脱水処理された脱離液を流量調整槽へ返送配管する
と共に、濃縮された汚泥ケーキを汚泥貯溜槽へ貯溜させ
るように構成してなる回分式汚水処理装置における余剰
汚泥の処理装置を提供したのである。
【0006】
【作用】回分反応槽では、流入汚水を嫌気撹拌し、好気
撹拌し、沈澱した上で、その上澄み水を排出する回分処
理が行われるが、その過程で発生する余剰汚泥分を、好
気処理後で上澄み水排出後に給泥ポンプで汲み上げ、そ
れに薬液ポンプで汲み上げてた高分子凝集剤を添加混合
することで汚泥分をフロック化し、それをスリット構造
の脱水筒内部に形成した汚泥搬送用のスクリュウコンベ
アで比較的短時間、即ち、回分処理工程における曝気処
理後の5時間以内で機械的に固液分離処理している。
【0007】
【実施例】先ず、回分処理システムを組み込んでなる汚
水処理装置の全体概要を説明するに、図1において、T
1は曝気沈砂槽であって、流入管1から流入する原水中
に混入する砂等の異物を、送風機B1から給気配管され
た散気装置2で曝気しながら#50mm程度の荒目スク
リーン3で分離除去し、次槽T2との隔壁上方部に形成
した移流口4から越流させるようにしている。図2にお
いて、T2は沈砂処理した汚水を原水とする原水ポンプ
槽であって、その槽底部に原水ポンプP1をセットして
汲み上げ配管している。T3は原水を貯溜する流量調整
槽であって、その槽底部には送風機B2と給気配管した
散気装置5で貯溜汚水を曝気処理しながら滞留してい
る。P2は流量調整槽T3で曝気処理した汚水を汲み上げ
る調整ポンプであって、回分処理工程からの供給指令と
停止指令に基づいてON・OFF制御される。6は流量
調整槽T3と次槽T4の上方位置に連通配管した溢流管で
あって、流量調整槽T3におけるハイレベルの水位線H
WLを超過した汚水を、次槽T4の流入側へ直接オーバ
ーフローさせるようにしている。
【0008】T4は流入した汚水を嫌気撹拌処理、好気
撹拌処理、沈澱処理する回分反応槽であって、その槽上
方部にはスクリーン室R1が設けられ、調整ポンプP2
汲み上げられた汚水中の不溶物を、微細目スクリーン7
をモータM1駆動させることにより篩分けて分離処理
し、その分離物をスクリーンバスケット8に受け入れて
貯溜させるようにしている。また、必要に応じて、#5
mm程度の細目スクリーン9で篩分け処理するバイパス
配管を設け、当該スクリーン室R2に調整ポンプP2で汲
み上げられた汚水をバイパスさせ、ゲート板10を通過
させた上で、細目スクリーン9で篩分け処理するように
構成する場合もある。此等の2種類のスクリーン装置
は、流入汚水の状況によって切り替えて選択使用する
か、或は、いずれか一方のスクリーン装置を経て回分反
応槽T4の流入側への汚水の流入がなされる。また、回
分反応槽T4の槽底部には、活性汚泥と流入汚水とを嫌
気撹拌したり、好気撹拌する水中撹拌機11がセットさ
れ、また、送風機B3と給気配管され好気撹拌時に作動
する散気装置12と、沈澱処理後の余剰汚泥を汲み上げ
る給泥ポンプP3が設けられて配管されている。R3は回
分反応槽T4の排出側に区画形成した上澄み水の排出予
備室であって、その直上部には回分反応槽T4に浮上浮
遊するスカムの流出を防止する半円錐状の突起13を張
り出し形成している。P4は排出予備室R3に配管構成し
たエアリフトポンプ装置であって、排出予備室R3の下
方部に配管した汚泥返送管14と、その下方部に連結さ
れ送風機B1と給気配管した空気管15とで構成され、
排出予備室R3に入り込んだ汚泥分をそのエアリフト作
用で汲み上げ、再び、回分反応槽T4の流入側へ返送さ
せるようにしている。P5は上澄み水の排出ポンプであ
って、突起13の下方部と排出予備室R3の上方部の排
出口16にポンプ配管され、回分処理後の上澄み水を次
工程の消泡、消毒処理工程へ排出する。
【0009】T5は流量調整槽T3と回分反応槽T4との
間に区画形成した汚泥貯溜槽であって、その一部に高分
子凝集剤の薬液室R4を設けている。Sは汚泥貯溜槽T5
の槽上方部に設けた汚泥濃縮機であって、その詳細な構
成は後記するが、その機能としては、給泥ポンプP3
汲み上げられ、汚泥給送管17を給送される余剰汚泥
に、薬液ポンプP6で汲み上げた高分子凝集剤を添加混
合してフロック化した上で、汚泥濃縮機Sにおけるスリ
ット構造の脱水筒の内部を、汚泥搬送用のスクリュウコ
ンベアで送り出すことにより機械的に脱水処理される。
その脱水処理の過程で精製された脱離液は、脱離液返送
管18を介して前工程の流量調整槽T3へ返送され、ま
た、濃縮された汚泥ケーキは、直下部の汚泥貯溜槽T5
に直接排泥することで貯溜され、後は定期的にバキュー
ム手段で汲み取られて槽外へ搬出されることになる。T
6は消毒処理された排水を貯溜する消毒槽であって、そ
の槽上方部には、汲み上げられた上澄み水を回分処理工
程の嫌気撹拌、好気撹拌の際における消泡に役立てる消
泡ポンプ槽T7を設けている。P7は消泡ポンプ槽T7
セットした消泡ポンプであって、回分反応槽T4の槽上
方部にかけて消泡管19が配管され、その消泡管19に
取着した消泡ノズル20から消泡水が噴出するようにし
ている。21は消泡ポンプ槽T7の排出側に設けた消毒
器であって、消泡ポンプ槽T7から溢流する上澄み水を
消毒処理して消毒槽T6へ流入せしめる。22は消毒槽
6の排出側に配管した消毒処理水の排出管である。T8
は放流ポンプ槽であって、処理水を放流ポンプP8で汲
み上げて外部放流される。
【0010】尚、前記の汚水処理装置において、図2に
示す原水ポンプ槽T2と、放流ポンプ槽T8は必要に応じ
て設けられ、図1に示すように曝気沈砂槽T1の後に直
ちに流量調整槽T3を設けたり、消毒槽T7の処理水を排
出管22から直接外部へ放流させることもできる。ま
た、前記の場合には、処理対象人員が200人以下の場
合における汚水処理装置であるが、処理対象人員が20
1人以上の場合には、その処理工程を示す図3において
想像線で囲まれた処理工程、即ち、流量調整槽T3と放
流ポンプ槽T8との間に構成されるスクリーン室R1,R
2を含む回分反応槽T4と、消泡ポンプ槽T7を含む消毒
槽T6を、並列的に2基以上設置して並列配管すること
になる。また、前記の場合には、汚泥貯溜槽T5の一部
を区画することで薬液室R4を構成したが、図1の汚泥
貯溜槽T5の上方部に想像線で示すように、薬液槽T9
槽外適所に設置し、薬液給送ポンプP9で汚泥濃縮機S
へ高分子凝集剤を供給するようにすることもできる。
【0011】
【回分処理工程】そこで、前記の汚水処理装置における
回分反応槽T4での処理工程を、図4(a)〜(g)に
従って説明する。先ず、図4(a)の汚水流入工程と図
4(b)の嫌気撹拌工程では、調整ポンプP2で汲み上
げた汚水を微細目スクリーン7で除渣した後、回分反応
槽T4のハイレベルの水位線HWLまで嫌気状態のまま
流入させると共に、水中撹拌機11を運転して槽内を嫌
気状態下で撹拌し、汚水流入した後も所定の時間に亙っ
て断続的に嫌気撹拌することで、嫌気性微生物による嫌
気処理に供する。次に、図4(c)の好気撹拌工程で
は、水中撹拌機11と散気装置12を同時に運転するこ
とで、好気状態下で汚水を撹拌処理することで所定の時
間に亙って曝気処理し、その際、排出予備室R3に入り
込む汚泥水を、そのエアリフトポンプ装置P4で汲み上
げて回分反応槽T4の流入側へ返送することで、排出予
備室R3に入り込む汚泥水の停滞を防止しつつ好気性微
生物による好気処理に供する。また、図4(d)の沈澱
工程では、水中撹拌機11と散気装置12とエアリフト
ポンプ装置P4の総ての運転を停止し、所定の時間に亙
って汚泥分を沈澱分離する。沈澱処理後には、先ず、図
4(e)の汚泥返送工程に示すように、エアリフトポン
プ装置P4を運転して上澄み水の排出に支障がなくなる
程度まで、排出予備室R3の汚泥界面を下げた後、図4
(f)の上澄み水の排出工程に示すように、排出ポンプ
5を運転して上澄み水を次の消泡ポンプ槽T7又は消毒
器21を介して消毒槽T6へ排出する。その際における
上澄み水の排出限度は、排出予備室R3の直上部に突設
した突起13を、表層部に浮遊するスカムが潜流して排
出されないローレベルの水位線LWLで、排出ポンプP
5の運転停止が指令される。その後、図4(g)の余剰
汚泥の返送工程に示すように、給泥ポンプP3を運転し
て次回の回分処理に余剰となる汚泥分を、回分反応槽T
4における残留汚泥分を含む水位線OWLの位置になる
まで汲み上げ、それを汚泥給送管17を経て汚泥貯溜槽
5の上方部に設けた汚泥濃縮機Sへ給送し、後記のよ
うに機械的な脱水処理に供すると共に、回分反応槽T4
では、適量の活性汚泥の下で、再び、新たな処理汚水が
流入して回分処理が行われる。尚、消泡ポンプ槽T7
一旦汲み上げられた上澄み水、即ち、嫌気好気処理済み
の上澄み水を、回分反応槽T4への汚水流入時から嫌気
撹拌時にかけての間に亙って、消泡ノズル20から噴出
させることで、それが新たな流入汚水に適度に添加混合
して撹拌されることで硝化され、回分処理時における脱
窒効果を飛躍的に促進させている。
【0012】前記の各処理工程における運転時間の1例
を具体的に説明する。先ず、1日当たり4バッチ、1バ
ッチ当たりの全工程の所要時間を6時間とし、1回分当
たり5m3程度の汚水を処理する場合における各処理工
程の運転時間の配分は、図4(a)〜(b)に示す嫌気
撹拌工程に1時間40分、図4(c)に示す好気撹拌工
程に2時間10分、図4(d)の沈澱工程に1時間30
分、図4(e)の汚泥返送工程に5分、図4(f)の上
澄み水の排出工程に30分、図4(g)の余剰汚泥の返
送工程に5分程度の適正割合に時間配分されて、一連の
回分処理が行われる。これにより、汚泥濃縮機Sへの余
剰汚泥が、好気処理後2時間程度経過後に給泥されて、
後記のように機械的な汚泥濃縮処理に供されることにな
るので、高濃度のリンが汚泥ケーキに取り込まれ、脱離
液には包含されないことになるので、高能率の脱リン特
性が発揮されることになる。しかも、その脱離液を脱離
液返送管18で前工程の流量調整槽T3へ返送し、それ
が流量調整槽T3の貯溜汚水に適度に添加混合して曝気
処理されることで硝化され、回分処理時における脱窒効
果を飛躍的に促進させる。
【0013】
【汚泥濃縮装置】次に、本発明で使用するに有用な特願
平2−253050号の明細書、図面に記載した汚泥濃
縮機(固液分離装置ともいう)Sを、図5と図6に基づ
いて説明する。23は汚泥濃縮機Sのケーシングであっ
て、その前部側に区画した前部室24の下部流入側に
は、給泥ポンプP3で汲み上げられた余剰汚泥の汚泥給
送管17を連結し、また、この汚泥給送管17には、薬
液ポンプP6で汲み上げられた高分子凝集剤の薬液給送
管25を分岐配管している。また、後部側に区画した後
部室26の下部側には、濃縮された汚泥ケーキの排出口
27が形成され、ケーシング23の本体下部側には、脱
離液の排出口28が形成され、当該排出口28には、流
量調整槽T3へ脱離液を返送する脱離液返送管18を連
結している。また、前部室24と後部室26との間に形
成されるケーシング23の本体内部には、給泥された汚
泥分の脱水機構が構成される。それを具体的に説明すれ
ば、脱水機構の前後両端部には、フロック化した汚泥分
の流入口28を開口形成した前部室内側板24Aと、濃
縮された汚泥ケーキの排出口29を開口形成した後部室
内側板26Aで間仕切り形成され、その間の外周側に
は、互いに微少な間隙をスペーサ30で形成し、前後に
隣合う複数のリングプレート31の外周張り出し部を連
結軸32で長手方向へ連結固定することで、前後に隣合
うリングプレート31の間をスペーサ30で間隙保持し
てなる円筒状スリット構造の脱水筒Dが形成される。こ
のスリット構造の脱水筒Dの軸心位置には、図6に示す
ように、外周面に係合突条33を螺旋状に突設した回転
軸34が差し渡され、その前後両端部を前部室外側板2
4Bと後部室外側板26Bに軸受支持している。35は
回転軸34の係合突条33に挿通案内されて嵌め込まれ
る羽根プレートであって、その羽根先端部に段設した突
出部35Aを脱水筒Dのスリット部分に摺接自在に係合
支持すると共に、リングプレート31の内周面とも略摺
接自在に形成している。斯様に羽根プレート35の基端
部を回転軸34の係合突条33に案内させて挿通し、次
いで、連結軸32にスペーサ30とリングプレート31
を挿通することで、スリット部分に羽根プレート35の
突出部35Aを臨ませ、これを次々と繰り返して組み立
てることにより、羽根プレート35はその取付角度を僅
かづつ位相させながら嵌着支持され、当該羽根プレート
35の多数枚が螺旋状に形成されることにより、汚泥搬
送用のスクリュウコンベアCが形成される。M2は回転
軸34の駆動モータであって、回転速度を可変調整自在
としている。尚、突出部35Aは、前記のスクリュウコ
ンベアCによる汚泥搬送時に、隣合うリングプレート3
1で形成されるスリット部分に入り込む汚泥分を清掃除
去し、スリット構造の脱水筒Dが目詰まりを起こさない
ようにしている。
【0014】
【汚泥濃縮工程】次に、汚泥濃縮機Sによる汚泥濃縮工
程について説明する。先ず、図4(f)に示すように、
給泥ポンプP3で汲み上げられた余剰汚泥に、薬液ポン
プP6で汲み上げられた適量の高分子凝集剤を添加混合
することにより、汚泥濃縮機Sの前部室24へ汲み上げ
られた汚泥分をフロック化した上で、前部室内側板24
Aの流入口28からスリット構造の脱水筒D内へ送り込
まれる。脱水筒D内では汚泥搬送用のスクリュウコンベ
アCが回転作動しており、回転軸34に螺旋状に位相さ
せた状態にある多数の羽根プレート35によってフロッ
ク化した汚泥分が送り出されることにより、当該汚泥分
に含まれる余剰水を脱水処理し、スリット構造の脱水筒
Dから脱離液として排出させる。それを脱離液返送管1
8を介して流量調整槽T3へ供給し、当該流量調整槽T3
で混合させて曝気処理に供することで硝化され、槽内の
曝気汚水を適度に脱窒処理せしめる。また、汚泥搬送用
のスクリュウコンベアCにより、適度に濃縮された汚泥
ケーキは、後部室内側板26Aの排出口29から後部室
26へ押し出された上で、その直下部の汚泥貯溜槽T5
へ流落して貯溜される。後は、定期的にバキュームカー
で槽外へ汲み取られ、廃棄処理に供される。前記のよう
に、回分処理後の余剰汚泥を、機械的に効率良く、ま
た、曝気処理後5時間以内で濃縮処理することにより、
高濃度の脱リンを達成すると共に、汚泥ケーキの嵩を大
幅に少なくする。勿論、汚泥濃縮機Sのモータ回転数を
増減変更したり、薬液ポンプP6の汲み上げ能力を適度
に可変調整することにより、余剰汚泥の特性に見合った
濃縮度合いの汚泥ケーキが得られる。
【0015】
【発明の効果】本発明は、前記のように構成した回分式
汚水処理システムにおける余剰汚泥の処理方法とその処
理装置としたので、回分処理の過程で発生する余剰汚泥
分を、曝気処理後の比較的短時間で、具体的には5時間
以内に、汚泥濃縮機で機械的に効率良く固液分離処理す
ることができ、その結果、濃縮された汚泥ケーキに高濃
度のリンが取り込まれ、即ち、リン含有率の高い濃縮汚
泥を貯溜させることで高性能の脱リン特性を発揮させ、
他方、前工程の流量調整槽へは、固形物を含まない脱離
液を返送させることができるので、汚泥処理の負荷を増
すことなく曝気処理に対処することができる。また、流
量調整槽の貯溜汚水に返送された脱離液が混入して曝気
処理に供されるので、以後の回分処理時における硝化性
能と脱窒性能を格段に向上せしめる。それが為、我が国
における閉鎖性水域での富栄養化現象の発生要因である
窒素除去のみならずリン除去にも画期的に対処すること
ができる。その上、汚泥ケーキの濃縮率を97%〜96
%程度まで高めることで、濃縮汚泥の体積を重力沈降方
式の汚泥濃縮槽による場合に比して半分以下に減少させ
る、即ち、2分の1〜4分の1程度まで体積を減らすこ
とができるので、槽それ自体の容積を小さくするか、或
は、汚泥ケーキを汲み上げて排出する排泥サイクルを長
くすることができる等の諸効果を齎す。
【図面の簡単な説明】
【図1】装置全体の概要を示す縦断正面図である。
【図2】曝気沈砂槽と原水ポンプ槽を示す横断側面図で
ある。
【図3】回分式汚水処理方式における処理工程図であ
る。
【図4】回分処理工程を示す図であって、その内、
(a)は汚水流入工程を、(b)は嫌気撹拌工程を、
(c)は好気撹拌工程を、(d)は沈澱工程を、(e)
は汚泥返送工程を、(f)は上澄み水の排出工程、
(g)は余剰汚泥の返送工程を夫々示している。
【図5】汚泥貯溜槽の上方部に設ける汚泥濃縮機の概要
を示す縦断正面図である。
【図6】汚泥濃縮機の要部を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1 曝気沈砂槽 T2 原水ポンプ槽 T3 流量調整槽 T4 回分反応槽 T5 汚泥貯溜槽 T6 消毒槽 T7 消泡ポンプ槽 T8 放流ポンプ槽 T9 薬液槽 P1 原水ポンプ P2 調整ポンプ P3 給泥ポンプ P4 エアリフトポンプ装置 P5 上澄み水の排出ポンプ P6,P9 薬液ポンプ P7 消泡ポンプ P8 放流ポンプ R1,R2 スクリーン室 R3 上澄み水の排出予備室 R4 薬液室 B1,B2,B3 送風機 S 汚泥濃縮機 D 脱水筒 M1,M2 駆動モータ C スクリュウコンベア 1 流入管 2,5,12 散気装置 3,7,9 スクリーン 4 移流口 6 溢流口 8 バスケット 10 ゲート板 11 水中撹拌機 13 突起 14 汚泥返送管 15 空気管 16 排出口 17 汚泥給送管 18 脱離液返送管 19 消泡管 20 消泡ノズル 21 消毒器 22 排出管 23 ケーシング 24 前部室 25 薬液給送管 26 後部室 27 排出口 28 流入口 29 排出口 30 スペーサ 31 リングプレート 32 連結軸 33 螺旋突条 34 回転軸 35 羽根プレート 35A 突出部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 栄一 愛知県稲沢市長野一丁目14番14−301号

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回分反応槽へ流入した汚水を、活性汚泥
    と共に嫌気状態下で撹拌処理し、次いで、好気状態下で
    撹拌しながら曝気処理した後、その活性汚泥を沈澱処理
    せしめ、その上澄み液を排水処理する回分式汚水処理方
    法において、曝気処理後の回分反応槽に沈澱した活性汚
    泥の余剰分を、給泥ポンプで汲み上げて汚泥濃縮機へ給
    送し、それに薬液ポンプで汲み上げた高分子凝集剤を添
    加混合して汚泥分をフロック化した上で機械的に脱水処
    理し、脱水された脱離液を流量調整槽へ返送すると共
    に、濃縮された汚泥ケーキを汚泥貯溜槽に貯溜させるよ
    うに構成したことを特徴とする回分式汚水処理方法にお
    ける余剰汚泥の処理方法。
  2. 【請求項2】 曝気処理後5時間以内に汚泥濃縮してな
    る請求項1に記載の回分式汚水処理方法における余剰汚
    泥の処理方法。
  3. 【請求項3】 回分反応槽への汚水の流入を調整する流
    量調整槽と、流入した汚水を回分処理する回分反応槽
    と、回分処理された上澄み液を排出して消毒処理する消
    毒槽と、回分処理された活性汚泥の余剰分を汲み上げて
    貯溜する汚泥貯溜槽とからなる回分式汚水処理装置にお
    いて、汚泥貯溜槽の上方部に汲み上げた余剰汚泥の汚泥
    濃縮機を組み込み、汚泥貯溜槽の一部に高分子凝集剤を
    貯溜する薬液室を区画形成し、前記汚泥濃縮機には薬液
    室の高分子凝集剤を汲み上げる薬液ポンプと、回分反応
    槽の余剰汚泥を汲み上げる給泥ポンプを接続して配管
    し、汚泥濃縮機のケーシング内部にはスリット構造の脱
    水筒を設け、当該脱水筒の内部に汚泥搬送用のスクリュ
    ウコンベアを回転可能に挿通支持し、脱水された脱離液
    を流量調整槽へ返送配管すると共に、濃縮された汚泥ケ
    ーキを汚泥貯溜槽へ貯溜させるように構成したことを特
    徴とする回分式汚水処理装置における余剰汚泥の処理装
    置。
  4. 【請求項4】 回分反応槽への汚水の流入を調整する流
    量調整槽と、流入した汚水を回分処理する回分反応槽
    と、回分処理された上澄み液を排出して消毒処理する消
    毒槽と、回分処理された活性汚泥の余剰分を汲み上げて
    貯溜する汚泥貯溜槽とからなる回分式汚水処理装置にお
    いて、汚泥貯溜槽の上方部に汲み上げた余剰汚泥の汚泥
    濃縮機を組み込み、当該汚泥濃縮機には槽外に設置した
    薬液槽の高分子凝集剤を給送する薬液ポンプと、回分反
    応槽の余剰汚泥を給送する給泥ポンプを接続して配管
    し、汚泥濃縮機のケーシング内部にはスリット構造の脱
    水筒を設け、当該脱水筒の内部に汚泥搬送用のスクリュ
    ウコンベアを回転可能に挿通支持し、脱水された脱離液
    を流量調整槽へ返送配管すると共に、濃縮された汚泥ケ
    ーキを汚泥貯溜槽へ貯溜させるように構成したことを特
    徴とする回分式汚水処理装置における余剰汚泥の処理装
    置。
  5. 【請求項5】 汚泥濃縮機のケーシングの内部には、互
    いに微少な間隙をあけて軸線方向に配列された多数枚の
    リングプレートを固定連結してなるスリット構造の脱水
    筒を形成し、当該脱水筒の内部空間に挿通した回転軸
    に、その軸線方向に沿って螺旋状に配列固定した多数枚
    の羽根プレートによって、汚泥搬送用のスクリュウコン
    ベアを構成し、前記羽根プレートの先端部にはリングプ
    レートの間隙を清掃する突出部を形成してなる請求項3
    又は請求項4に記載の回分式汚水処理装置における余剰
    汚泥の処理装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009017306A3 (en) * 2007-06-26 2009-03-26 Gil-Won Youn Advanced water reclamation method and system thereof
CN113735398A (zh) * 2021-09-22 2021-12-03 上海工程技术大学 一种脱水污泥生物干化装置
CN118341312A (zh) * 2024-06-18 2024-07-16 甘肃鹏发水处理有限公司 一种污水处理剂添加混合装置

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