JP2002056885A - 燃料電池の不良単位セルの処理装置およびそれを用いた処理方法 - Google Patents

燃料電池の不良単位セルの処理装置およびそれを用いた処理方法

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JP2002056885A
JP2002056885A JP2000244423A JP2000244423A JP2002056885A JP 2002056885 A JP2002056885 A JP 2002056885A JP 2000244423 A JP2000244423 A JP 2000244423A JP 2000244423 A JP2000244423 A JP 2000244423A JP 2002056885 A JP2002056885 A JP 2002056885A
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cell
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Hiroshi Horiuchi
弘志 堀内
Masaru Ogawa
賢 小川
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Kansai Electric Power Co Inc
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Kansai Electric Power Co Inc
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電解質による腐食を抑え、クリープ変形に対
するフレキシビリティを確保して、信頼性の向上が図れ
るとともに、処理時間の短縮が図れる燃料電池の不良セ
ルの処理装置およびそれを用いた処理方法を得る。 【解決手段】 不良単位セル5を含む部分積層体8の積
層方向の両側に位置する冷却板2の側面に介挿材料25
を塗布し、カーボンからなる短絡治具20をこの塗布面
に当てる。一端に貫入部22a、他端に頭部22bを有す
る本体22を貫入部22aから順にワッシャ24、バネ
23に通した押止部材21を短絡治具20に貫入部22
aから通し、部分積層体8に押し込む。その後、本体2
2の頭部22bをハンマー等で叩きバネを圧縮させて本
体22を部分積層体8に固定し短絡治具20を冷却板2
に圧接固定して、単位不良セル5を電気的にバイパスす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複数個の単位セ
ルを積層してなる燃料電池の信頼性を向上させるための
運用方法に関し、特に不良の発生した単位セルがスタッ
ク全体に及ぼす悪影響を安全に処理するための不良単位
セルの処理装置およびそれを用いた処理方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】燃料電池は、その原理上、単位セル当た
りの起電力は1Vに満たない電圧しか発生させられな
い。そのため、パワープラントとして利用するために
は、数百枚の単位セルを電気的に直列に接続し、数百V
の電圧にする必要があった。そして、パワープラントと
して利用される燃料電池は、通常数百枚の単位セルを積
層したスタックに組み立てられ、全ての単位セルが電気
的に直列に接続されて構成されている。そこで、この電
池スタックにおいて、たった1つの単位セルでも不良や
欠陥が発生すれば、直列接続であるがゆえにプラント全
体に関わる故障に波及することになる。つまり、反応ガ
スの流通不良、電解質の枯渇等の原因で電圧が低下する
ような不良単位セルが発生すると、電池全体としての効
率が低下するばかりでなく、不良単位セルが異常に加熱
して、その周辺の正常なセルにも悪影響を及ぼし、電池
寿命が短くなる等、様々な問題が生じる。
【0003】このような不良単位セルが発生した場合に
は、その不良単位セルのみを交換するのが最良の処理方
法であるが、単位セルはセパレータを介して多数直列に
接続されて電池スタックに組み立てられているので、電
池スタック中の1つの単位セル(不良単位セル)だけを
交換することは、非常な手間と時間を要し、現実的な処
理方法ではなかった。
【0004】こうした問題点を解決するために、例えば
実公昭63−17165号公報、特開平4−36656
1号公報に記載されているように、短絡治具を用いて不
良単位セルを電気的にバイパスさせて不良単位セルによ
る電池スタック全体への悪影響の波及を回避する処理方
法が提案されている。
【0005】図5は、実公昭63−17165号公報に
示された従来の燃料電池の不良単位セルの処理方法の一
例を示したものである。即ち、空気極、燃料極およびそ
の間に介在する電解質マトリックスより成る単位セル1
が、セパレータ6を介して4〜5個積層され、部分積層
体8を構成し、この様な部分積層体8がこれらの単位セ
ルを冷却するための冷却板2を介して積層されてセルス
タック3が構成されている。また、冷却板2の側面に
は、数か所の凹部7が形成されている。
【0006】このように構成された従来の燃料電池にお
いて、部分積層体8の上下に配設された2つの冷却板2
間に挟まれた複数個の単位セル1のうちの1つに不良が
発生した場合には、上下の冷却板2の側面に形成された
凹部7に、耐りん酸腐食性の高いカーボンからなる断面
コ字形の短絡治具4の両端部を挿入する。それにより、
不良単位セル5を含む部分積層体8全体を短絡治具4で
短絡するとともに、短絡治具4が部分積層体8の側面に
開口するガス流路9を覆うため、各単位セル1への反応
ガスの供給が遮断される。その結果、不良単位セル5に
起因する電池寿命の低下を防止することができる。
【0007】また、図6は、特開平4−366561号
公報に示された従来の燃料電池の不良単位セルの処理方
法の他の例を示したものである。この従来の燃料電池の
不良単位セルの処理方法において、セルスタック3中に
不良単位セル5が発生した場合には、その不良単位セル
5の空気および燃料の反応ガスを流通させるガス流路9
内に、金属からなる断面L字形の短絡板10の一端を挿
入し、ガス流路9の入口側および出口側を閉鎖するとと
もに、不良単位セル5の上下セルを短絡している。その
結果、不良単位セル5に起因する電池寿命の低下を防止
することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】実公昭63−1716
5号公報に示された従来の燃料電池の不良単位セルの処
理方法は以上のように、短絡治具4はその両端部を冷却
板2の凹部7に嵌め込んで取り付けられているので、短
絡治具4は嵌着という寸法固定的な手法により固定され
ている。そこで、部分積層体8の冷却板2間の距離は個
々の部分積層体8で異なっており、短絡治具4が冷却板
2間の距離に極めて少ない公差となるように、現物合わ
せしつつ加工して短絡治具4を作製しなければならず、
実プラント運転現場での施工としては現実的でないとい
う課題があった。また、長期的には単位セル1はクリー
プによる圧縮変形を生じるため、冷却板2間の距離には
経時変化(縮小)が生じることになる。そこで、短絡治
具4が嵌着という寸法固定的な手法により取り付けてい
ると、冷却板2間の距離の寸法変形に対するフレキシビ
リティがなく、冷却板2間の距離の縮小に起因して短絡
治具4に圧壊応力が加わり、割れを生じてしまうという
課題もあった。
【0009】また、特開平4ー366561号公報に示
された従来の燃料電池の不良単位セルの処理方法は以上
のように、金属からなる短絡板10を用いているので、
腐食性の高い電解質を用いる燃料電池において使用する
場合には、短絡板10が容易に腐食されてしまい、長期
の信頼性確保が困難であるという課題があった。また、
短絡板10の固定にも金属を用いているので、同様に腐
食による接触抵抗の増大を招き、電気的短絡の用に難を
生じてしまうという課題もあった。
【0010】この発明は、上記のような課題を解決する
ためになされたもので、耐食性に優れた材料により短絡
治具を作製し、クリープ変形に対するフレキシビリティ
を確保する短絡治具の固定構造として、長期安定的な信
頼性の向上が図れるとともに、処理時間の短縮が図れる
燃料電池の不良単位セルの処理装置およびそれを用いた
処理方法を得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明に係る燃料電池
の不良単位セルの処理装置は、複数個の単位セルを積層
してなる部分積層体が冷却板を介して複数個積層されて
なる燃料電池の不良単位セルを短絡処理するための燃料
電池の不良単位セルの処理装置において、不良単位セル
を含む対象の部分積層体の両側に位置する一対の冷却板
の側面に適用される導電性のペースト状の介挿材料と、
前記介挿材料上に設けるべきカーボンからなる短絡治具
と、前記短絡治具に通し前記対象の部分積層体に押し込
むことにより、前記短絡治具を前記一対の冷却板に前記
介挿材料を介して圧接状態に固定する押止部材とを備え
たものである。
【0012】また、前記押止部材は、一端に前記対象の
部分積層体に圧入される貫入部を有し、他端に押し込む
ための力を受ける頭部を有する本体と、前記本体が挿通
されされる弾性体とを備えたものである。
【0013】また、前記押止部材は、両端にそれぞれ貫
入部を有する棒状部材を貫入部が平行になるように曲げ
て作製された本体と、前記本体の両端の貫入部がそれぞ
れ挿通される弾性体とを備えたものである。
【0014】また、前記押止部材は、前記対象の部分積
層体内に押し込まれた部分の表面に複数のカエリを設け
たものである。
【0015】また、前記押止部材は、表面をフッ素系樹
脂で被覆したものである。
【0016】この発明に係る燃料電池の不良単位セルの
処理方法は、複数個の単位セルを積層してなる部分積層
体が冷却板を介して複数個積層されてなる燃料電池の不
良単位セルを短絡処理するための燃料電池の不良単位セ
ルの処理方法において、導電性のペースト状の介挿材料
を不良単位セルを含む対象の部分積層体の両側に位置す
る一対の冷却板の側面に適用する工程と、カーボンから
なる短絡治具を前記介挿材料上に設ける工程と、押止部
材を前記短絡治具に通し前記対象の部分積層体に押し込
み、前記短絡治具を前記一対の冷却板に前記介挿材料を
介して圧接状態に固定する工程とを有することにより前
記不良の単位セルを電気的にバイパスさせるようにする
ものである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を説
明する。 実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1に係る燃
料電池の不良単位セルの処理装置の一部破断側面図であ
る。図において、空気極、燃料極およびその間に介在す
る電解質としてのリン酸を保持する電解質マトリックス
より成る単位セル1が、セパレータ6を介して4〜5個
積層され、部分積層体8を構成している。このような部
分積層体8がこれらの単位セルを冷却するための冷却板
2を介して積層されることによりセルスタック3が構成
されている。また、セパレータ6の両面には、互いに直
交するように多数の溝が設けられ、反応ガスを流通させ
るガス流路9を形成している。
【0018】燃料電池の不良単位セルの処理装置は、一
対の冷却板を短絡するためのカーボンからなる短絡治具
20と、冷却板2と短絡治具20との間に介された介挿
材料25と、短絡治具20に通され、部分積層体8に押
し込まれた押止部材21とを備えている。
【0019】短絡治具20は、断面が長方形のカーボン
板であり、その底辺には複数の貫通孔20aが穿設され
ている。介挿材料25は、カーボン微粉体を界面活性剤
を微量混合した純水に溶かしペースト状に練り上げられ
たものである。押止部材21は、図示の例では、一端に
貫入部22aおよび他端に頭部22bを有し、短絡治具2
0に通され、部分積層体8に押し込まれる金属製の杭2
2と、杭22が通され、杭22の頭部22bにより係止
されるワッシャ24と、杭22が通され、この杭22に
よりワッシャ24を介して押圧されるバネ23とを備え
ている。貫入部22aは、短絡治具20の貫通孔20aの
孔径、バネの内径およびワッシャの穴径より小さな径で
あり、頭部22bは、短絡治具20の貫通孔20aの孔径
およびワッシャの穴径より大きな径である。また、バネ
の外径は、短絡治具20の貫通孔20aの孔径およびワ
ッシャの穴径より大きく、ワッシャの外径より小さい。
【0020】次に、この実施の形態1による不良単位セ
ルの処理方法について説明する。燃料電池の運転中に不
良化が顕在化した場合、外部診断や内部点検などの通常
の方法により不良化した単位セル1を特定する。次い
で、不良単位セル5を含む部分積層体8の積層方向の両
側に配されている冷却板2の側面に介挿材料25を塗布
して、短絡治具20の両端部を該塗布面にそれぞれ押し
当てる。そこで、杭22の貫入部22aをワッシャ2
4、バネ23および短絡治具20の貫通孔20aに順次
通し、さらに部分積層体8に突き刺す。そして、杭22
の頭部22bをハンマー等で叩くことにより杭22を部
分積層体8に打ち込み固定する。この固定によりバネ2
3の反発力が発生し、該反発力によって短絡治具20を
冷却板2の側面に圧接状態に固定することができる。ま
た、冷却板2の側面に塗布されたペースト状の介挿材料
25が短絡治具20と冷却板2との間に介されることに
より、短絡治具20と冷却板2とが電気的に確実に接続
される。その結果、不良単位セル5を含む部分積層体8
は、冷却板2、介挿材料25および短絡治具20を介し
て電気的に直列に接続される。
【0021】ここで、押止部材21は、50mmから10
0mmピッチに複数本打ち込まれ短絡治具20を固定して
いる。また、杭22の径は、ガス流路9の縦横の大きな
長さより大きな径を有している。
【0022】このようにこの実施の形態1によれば、短
絡治具20および部分積層体8に杭22が打ち込まれて
バネ23を押止することによって発生するバネ23の反
発力により、短絡治具20が押圧され、不良単位セルを
含む部分積層体8の両側から部分積層体8を挟む一対の
冷却板2に介挿材料25を介して圧接状態に固定するこ
とができる。また、導電性のペースト状介挿材料25を
冷却板2と短絡治具20との間に塗布することにより、
冷却板2と短絡治具20との隙間を介挿材料25が埋め
て接触抵抗を低減させることができ、その上介挿材料2
5は可塑性の高いカーボン微粉体を主成分としているの
で熱伸びやクリープにより短絡治具20と冷却板2との
間に多少のズレが生じた場合においても、接触抵抗の増
大が抑えられ、長期の信頼性が確保される。また、介挿
材料25は比較的短時間で乾いて固化して、その後に短
絡治具20と冷却板2とを密着させて抵抗値の小さい接
触をさせるのは困難であるが、杭22を短絡治具20の
貫通孔20aに挿入し部分積層体8に打ち込みあるいは
押し込んで短絡治具20を部分積層体8に固定すること
により、ペースト状の介挿材料25が乾くまでに十分な
密着状態を作り、短時間で短絡治具20を冷却板2に圧
接状態に固定することができ、確実に接触抵抗を低減さ
せることができる。また、杭22を使用することによ
り、簡便で信頼性の高い固定をすることができる。ま
た、バネ23を使用することにより、長期に渡ってバネ
23の反発力が発生している限り短絡治具20に押圧力
を与えることができ、さらに杭22を部分積層体8に打
ち込む際の衝撃力が直接短絡治具20に作用しないの
で、過度の叩打による短絡治具20の割れや欠け等の損
傷事故が防止される。
【0023】実施の形態2.図2はこの発明の実施の形
態2に係る燃料電池の不良単位セルの処理装置およびそ
れを用いた処理方法を説明する図であり、図2は(a)
はその要部を示す一部破断側面図、図2(b)はその横
断面図である。図において、押止部材26は、両端に貫
入部27aを有した金属製の棒状部材をコの字状に曲げ
て作製され、両端の貫入部27aおよび折り返し部27b
を有した本体27と、本体27の両端の貫入部27aが
それぞれ通され、折り返し部27bにより係止されるワ
ッシャ29と、この本体27によりワッシャ29を介し
て押圧されるバネ28とを備えている。なお、他の構成
は前記実施の形態1と同様に構成されている。
【0024】次に、この実施の形態2による不良単位セ
ルの処理方法について説明する。燃料電池の運転中に不
良化が顕在化した場合、外部診断や内部点検などの通常
の方法により不良化した単位セル1を特定する。次い
で、不良単位セル5を含む部分積層体8の積層方向の両
側に配されている冷却板2の側面に介挿材料25を塗布
して、短絡治具20の両端部を該塗布面にそれぞれ押し
当てる。そこで、前記金属製コの字状の本体27の両端
の貫入部27aをそれぞれワッシャ29、バネ28およ
び短絡治具20の貫通孔20aに通し、さらに部分積層
体8のガス流路9内に挿入し、本体27の折り返し部2
7bを叩くことにより本体27を部分積層体8に打ち込
み固定する。この時、前記バネ28が圧縮されるまで本
体27を打ち込むことにより、バネ28の反発力が発生
し、該反発力によって短絡治具20を冷却板2の側面に
介挿材料25を介して圧接状態に固定することができ
る。また、冷却板2の側面に塗布されたペースト状の介
挿材料25が短絡治具20と冷却板2との間に介される
ことにより、短絡治具20と冷却板2とが電気的に確実
に接続される。その結果、不良単位セル5を含む部分積
層体8は、冷却板2、介挿材料25および短絡治具20
を介して電気的に直列に接続される。
【0025】従って、この実施の形態2においても、前
記実施の形態1と同様の効果が得られる。この実施の形
態2によれば、押止部材26の本体27が金属製の棒状
の部材を曲げて作製されるので、頭部を付けるという溶
接加工をする必要がなく、前記実施の形態1に比べて安
価で信頼性の高い押止部材26を得ることができる。
【0026】実施の形態3.図3はこの発明の実施の形
態3に係る燃料電池の不良単位セルの処理装置およびそ
れを用いた処理方法を説明する一部破断側面図である。
図において、押止部材30は、一端に貫入部31aを有
し、他端に頭部31bを有し、さらに表面にカエリ31c
を有した金属製の棒状の本体31と、本体31が通さ
れ、頭部31bにより係止されるワッシャ33と、この
本体31によりワッシャを介して押圧されるバネ32と
を備えている。なお、他の構成は前記実施の形態1と同
様に構成されている。
【0027】次に、この実施の形態3による不良単位セ
ルの処理方法について説明する。燃料電池の運転中に不
良化が顕在化した場合、外部診断や内部点検などの通常
の方法により不良化した単位セル1を特定する。次い
で、不良単位セル5を含む部分積層体8の積層方向の両
側に配されている冷却板2の側面に介挿材料25を塗布
して、短絡治具20の両端部を該塗布面にそれぞれ押し
当てる。そこで、本体31の貫入部31aをワッシャ3
3、バネ32および短絡治具20の貫通孔20aに順次
通し、さらに部分積層体8に突き刺す。そして、本体3
1の頭部31bを叩打することにより本体31を部分積
層体8に打ち込み固定する。この固定によりバネ32の
反発力が発生し、該反発力によって短絡治具20を冷却
板2の側面に圧接状態に固定することができる。また、
冷却板2の側面に塗布されたペースト状の介挿材料25
が短絡治具20と冷却板2との間に介されることによ
り、短絡治具20と冷却板2とが電気的に確実に接続さ
れる。その結果、不良単位セル5を含む部分積層体8
は、冷却板2、介挿材料25および短絡治具20を介し
て電気的に直列に接続される。
【0028】従って、この実施の形態3においても、前
記実施の形態1と同様な効果が得られる。この実施の形
態3によれば、本体31の貫入部31aの表面にカエリ
31cを設けているので、実施の形態1に比べて押止部
材30が部分積層体8から抜けにくく、短絡治具20を
冷却板2の側面に持続的に圧接状態に固定することがで
きるので、長期安定な信頼性の高い短絡処理が得られ
る。
【0029】なお、前記各実施の形態では、押止部材の
材質は金属であるが、長時間経過すると部分積層体8内
部の電解質により押止部材の表面が腐食されて、短絡治
具20に十分な押圧力を与えることができなくなる恐れ
がある。そこで、より長期安定的な短絡処理を行うに
は、押止部材にフッ素樹脂チューブを被せ、加熱し溶か
して押止部材に密着させるか、またはフッ素樹脂を溶解
した浴内に押止部材を浸すことにより、例えば図4に示
すように表面にフッ素樹脂の被覆34をし、その押止部
材を使用することが望ましい。この場合、フッ素樹脂に
よる被覆34により、電解質の押止部材への進入が抑え
られ、押止部材の耐食性を向上させることができる。こ
れにより、さらに長期安定的な短絡処理を得ることがで
きる。
【0030】また、前記各実施の形態では、リン酸型燃
料電池の不良単位セルの処理方法について説明している
が、この不良単位セルの処理方法はリン酸型燃料電池に
限定されるものではなく、例えば溶融炭酸塩型燃料電池
に適用しても同様の効果を奏する。また、前記各実施の
形態では、一対の冷却板の一側面に断面が長方形の短絡
治具を圧接しているが、短絡治具は一対の冷却板間を短
絡できればよく、一側面に限定されるものではなく、ま
た断面が長方形に限定されるものでもない。また、前記
各実施の形態において説明した一連の作業手順は不良単
位セルの処理方法のベストモードを示したもので、これ
に限定されるものではない。
【0031】
【発明の効果】この発明によれば、複数個の単位セルを
積層してなる部分積層体が冷却板を介して複数個積層さ
れてなる燃料電池の不良単位セルを短絡処理するための
燃料電池の不良単位セルの処理装置において、不良単位
セルを含む対象の部分積層体の両側に位置する一対の冷
却板の側面に適用される導電性のペースト状の介挿材料
と、前記介挿材料上に設けるべきカーボンからなる短絡
治具と、前記短絡治具に通し前記対象の部分積層体に押
し込み、前記短絡治具を前記一対の冷却板に前記介挿材
料を介して圧接状態に固定する押止部材とを備えたこと
により、前記短絡治具を前記一対の冷却板の側面に前記
介挿材料を介して圧接状態に固定して、前記不良の単位
セルを電気的にバイパスさせるようにしたので、電解質
に対する短絡治具の耐食性が得られ、クリープ変形に対
するフレキシビリティが確保され、信頼性の向上が図れ
るとともに、処理時間の短縮が図れる燃料電池の不良単
位セルの処理装置が得られる。
【0032】また、前記押止部材は、一端に前記対象の
部分積層体に圧入される貫入部を有し、他端に押し込む
ための力を受ける頭部を有する本体と、前記本体が挿通
される弾性体とを備えたことにより、衝撃力による前記
短絡治具の割れや欠け等を防止し、クリープ変形に対す
るフレキシビリティを確保しつつ、短絡治具を確実に固
定することができる。
【0033】また、前記押止部材は、両端にそれぞれ貫
入部を有する棒状部材を貫入部が平行になるように曲げ
て作製された本体と、前記本体の両端の貫入部がそれぞ
れ挿通される弾性体とを備えたことにより、製作が簡単
で低コスト化が図れ、衝撃力による前記短絡治具の割れ
や欠け等を防止し、クリープ変形に対するフレキシビリ
ティを確保しつつ、短絡治具を確実に固定することがで
きる。
【0034】また、前記押止部材は、前記対象の部分積
層体内に押し込まれた部分の表面に複数のカエリを設け
たことにより、前記対象の部分積層体から前記押止部材
が抜け落ちる可能性が少なくなり、長期に渡って短絡治
具を確実に固定することができる。
【0035】また、前記押止部材は、表面をフッ素系樹
脂で被覆したことにより、耐腐食性が向上し、長期安定
な短絡処理が得られる。
【0036】また、複数個の単位セルを積層してなる部
分積層体が冷却板を介して複数個積層されてなる燃料電
池の不良単位セルを短絡処理するための燃料電池の不良
単位セルの処理方法において、導電性のペースト状の介
挿材料を不良単位セルを含む対象の部分積層体の両側に
位置する一対の冷却板の側面に適用する工程と、カーボ
ンからなる短絡治具を前記介挿材料上に設ける工程と、
押止部材を前記短絡治具に通し前記対象の部分積層体に
押し込むことにより、前記短絡治具を前記一対の冷却板
に前記介挿材料を介して圧接状態に固定する工程とを有
することにより前記不良の単位セルを電気的にバイパス
させるようにしたので、電解質に対する短絡治具の耐食
性が得られ、クリープ変形に対するフレキシビリティが
確保され、信頼性の向上が図れるとともに、処理時間の
短縮が図れる燃料電池の不良単位セルの処理装置が得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係る燃料電池の不
良単位セルの処理装置の一部破断側面図である。
【図2】 この発明の実施の形態2に係る燃料電池の不
良単位セルの処理装置の図であり、(a)はその要部を
示す一部破断側面図、(b)はその横断面図である。
【図3】 この発明の実施の形態3に係る燃料電池の不
良単位セルの処理装置の一部破断側面図である。
【図4】 この発明に係るフッ素樹脂によって被覆され
た押止部材の断面図である。
【図5】 従来の燃料電池の不良単位セルの処理装置の
一例を示す一部破断側面図である。
【図6】 従来の燃料電池の不良単位セルの処理装置の
他の例を示す一部破断側面図である。
【符号の説明】
1 単位セル、2 冷却板、5 不良単位セル、6 セ
パレータ、8 部分積層体、9 ガス流路、20 短絡
治具、21 押止部材、22 杭、22a 貫入部、2
2b 頭部、23 バネ、24 ワッシャ、25 介挿
材料、26 押止部材、27 本体、27a 貫入部、
27b 折り返し部、28 バネ、29ワッシャ、30
押止部材、31 本体、31a 貫入部、31b 頭
部、31cカエリ、32 バネ、33 ワッシャ、34
フッ素樹脂の被覆。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小川 賢 大阪府大阪市北区中之島3丁目3番22号 関西電力株式会社内 Fターム(参考) 5H026 BB00 BB02 BB04 BB08 CX08 EE05 EE19 5H027 AA02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数個の単位セルを積層してなる部分積
    層体が冷却板を介して複数個積層されてなる燃料電池の
    不良単位セルを短絡処理するための燃料電池の不良単位
    セルの処理装置において、 不良単位セルを含む対象の部分積層体の両側に位置する
    一対の冷却板の側面に適用される導電性のペースト状の
    介挿材料と、 前記介挿材料上に設けるべきカーボンからなる短絡治具
    と、 前記短絡治具に通し前記対象の部分積層体に押し込むこ
    とにより、前記短絡治具を前記一対の冷却板に前記介挿
    材料を介して圧接状態に固定する押止部材と、を備えた
    ことを特徴とする燃料電池の不良単位セルの処理装置。
  2. 【請求項2】 前記押止部材は、一端に前記対象の部分
    積層体に圧入される貫入部を有し、他端に押し込むため
    の力を受ける頭部を有する本体と、前記本体が挿通され
    る弾性体とを備えたことを特徴とする請求項1記載の燃
    料電池の不良単位セルの処理装置。
  3. 【請求項3】 前記押止部材は、両端にそれぞれ貫入部
    を有する棒状部材を貫入部が平行になるように曲げて作
    製された本体と、前記本体の両端の貫入部がそれぞれ挿
    通される弾性体とを備えたことを特徴とする請求項1記
    載の燃料電池の不良単位セルの処理装置。
  4. 【請求項4】 前記押止部材は、前記対象の部分積層体
    内に押し込まれた部分の表面に複数のカエリを設けたこ
    とを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記
    載の燃料電池の不良単位セルの処理装置。
  5. 【請求項5】 前記押止部材は、表面をフッ素系樹脂で
    被覆したことを特徴とする請求項1ないし請求項4のい
    ずれかに記載の燃料電池の不良単位セルの処理装置。
  6. 【請求項6】 複数個の単位セルを積層してなる部分積
    層体が冷却板を介して複数個積層されてなる燃料電池の
    不良単位セルを短絡処理するための燃料電池の不良単位
    セルの処理方法において、導電性のペースト状の介挿材
    料を不良単位セルを含む対象の部分積層体の両側に位置
    する一対の冷却板の側面に適用する工程と、カーボンか
    らなる短絡治具を前記介挿材料上に設ける工程と、押止
    部材を前記短絡治具に通し前記対象の部分積層体に押し
    込むことにより、前記短絡治具を前記一対の冷却板に前
    記介挿材料を介して圧接状態に固定する工程とを有する
    ことにより前記不良の単位セルを電気的にバイパスさせ
    るようにすることを特徴とする燃料電池の不良単位セル
    の処理方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005203256A (ja) * 2004-01-16 2005-07-28 Mitsubishi Materials Corp 固体酸化物形燃料電池
JP2008287983A (ja) * 2007-05-16 2008-11-27 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 固体酸化物形燃料電池スタック

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