JP2002056571A - 光ピックアップ用スライダ製造方法及び光ピックアップ用スライダ並びに光ピックアップ装置 - Google Patents

光ピックアップ用スライダ製造方法及び光ピックアップ用スライダ並びに光ピックアップ装置

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JP2002056571A
JP2002056571A JP2000244437A JP2000244437A JP2002056571A JP 2002056571 A JP2002056571 A JP 2002056571A JP 2000244437 A JP2000244437 A JP 2000244437A JP 2000244437 A JP2000244437 A JP 2000244437A JP 2002056571 A JP2002056571 A JP 2002056571A
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slider
optical pickup
lens
glass
manufacturing
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Hiroaki Yanagida
裕昭 柳田
Shinichiro Hirota
慎一郎 広田
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Hoya Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光ピックアップ用スライダの精度を再現性良
く高めるとともに、その量産性を大幅に向上させる。 【解決手段】 光学的記録媒体の記録面上を相対的にト
レース移動させられるスライダ部21と、このスライダ
部21に搭載されて上記記録面に情報の記録および/ま
たは再生用の光をスポット収束する光学系とを有する光
ピックアップ用スライダ2において、上記スライダ部2
1の少なくとも一部と上記光学系の少なくとも一部22
とをモールドプレス成形によって一体的に形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光ピックアップ用ス
ライダの製造方法及び光ピックアップ用スライダ並び光
ピックアップ装置に関し、たとえばCD、MO、MD、
DVDなどの光情報記録媒体を使用する情報記録再生装
置等に利用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】光ピックアップは、CD、MO、MD、
DVDなどの光情報記録媒体に対して情報の記録または
再生(記録/再生)を行うために使用される。この光ピ
ックアップの主要部は、記録面上を相対的にトレース移
動させられるスライダにレンズを搭載させたスライダ部
品を用いて構成される。そのスライダ部品は、互いに別
個に製作されたスライダ部とレンズを所定の位置決め条
件下で組合わせて構成される。
【0003】スライダ部は情報記録面上を微小浮上状態
でトレースするように構成されている。このスライダ部
に搭載されたレンズは、光情報記録媒体の記録面に記録
/再生用の光をスポット収束させる光学系を形成する。
【0004】上記光情報記録媒体において情報の記録密
度を高めるためには、上記レンズの開口数(NA)を大
きくするか、あるいは記録/再生用光を短波長化する必
要がある。レンズの分解能は開口数に依存し、開口数を
大きくすれば、それだけ分解能を高めることができる。
分解能を高めれば、記録面での光スポット径を小さく絞
り込んで単位面積当たりの情報記録密度を高めることが
できる。
【0005】大きな開口数が得られるレンズとしては、
ソリッドイマージョンレンズ(Solid Immersion Lens:
SIL)が知られている。このSILは、上記光情報記
録媒体に対する情報の記録/再生用光を収束・照射する
ために使用されている(文献:「近接場ナノフォトニク
スハンドブック」,p.154−159,平成9年9月
5日(株)オプトロニクス社 発行)。
【0006】上記SILに原理的に期待できる分解能向
上因子は、屈折率n(SILが半球形状の場合)あるい
はその2乗n2(SILが超半球形状の場合)に比例す
る。通常、光ピックアップでは、記録/再生用光を記録
面にスポット収束させる光学系として、レーザ等のビー
ム光源から適当な導光光学系を介して入射される光を集
光する第1のレンズ(対物レンズまたはコリメートレン
ズ)と、この第1のレンズと同一光軸上に配置されて第
1のレンズが集光した光を受光し、かつ記録媒体の記録
面に焦点を合わせる第2のレンズを使用するが、上記S
ILは第2のレンズとして使用される。
【0007】上記ビーム光源としては、波長780nm
付近の近赤外線半導体レーザ光、あるいは波長650n
m付近の赤色半導体レーザなどが従来から使用されてい
る。また、最近では、波長が400nm台の青色半導体
レーザも使用されるようになってきた。
【0008】上記光を記録面にスポット収束させるレン
ズの材料としては、BK7等のホウケイ酸系光学ガラス
が従来から知られている。これらのガラス材料は、上述
した光源から出射されるビーム光(波長400〜780
nm)をスポット収束するためのレンズの材料として使
用することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述した技術には次の
ような問題のあることが本発明者により明らかとされ
た。すなわち、従来の光ピックアップ用スライダ部品
は、上述したように、スライダ部とレンズの2種類の部
品から組立てられるが、各部品はそれぞれに単体部品と
して個別に製作されていた。しかし、光情報記録媒体に
おける情報の記録密度を高めるためには、記録面に投射
される記録/再生用光のスポット径を極力小さくする必
要がある。このため、記録/再生用光を記録面にスポッ
ト収束させるレンズは、その焦点位置が記録面に正確に
来るように、高精度に位置決めされた状態でスライダ部
に搭載されていなければならない。
【0010】ここで、そのレンズが光軸上を少しでも前
後にずれたり、あるいは光軸に対して少しでも傾きを持
ったりすると、そのレンズによって記録面上に投射され
る光スポット径が拡大したり歪んだりして、記録または
再生を正常に行うことができなくなってしまう。したが
って、スライダ部へのレンズ搭載は、上記ずれや傾きが
極力小さくなるように行わなければならない。
【0011】このように、光ピックアップ用スライダ部
品の製造には非常に微妙かつきわどい要素が多く、この
ことが光ピックアップの生産性向上と記録の高密度化を
それぞれ妨げていた。
【0012】記録/再生用光のスポット径を小さくする
手段としては、その光を収束するのに使用する光学系
(レンズ)の開口数(NA)を大きくする方法と、記録
/再生用光を短波長化する方法とがある。ある光学系で
絞り込める最小の光スポット径は、大まかには、使用す
る光の波長に比例し、またレンズの開口数に反比例する
ことが知られている。
【0013】このことから、光情報記録再生システムに
おいて高い記録密度を実現するためには、レンズの高開
口数化と記録/再生用光の短波長化が必要である。とく
に、従来よりも有意に高い記憶密度を得るためには、少
なくとも波長375nm以下の紫外光を記録/再生用に
使う必要がある。
【0014】光情報の記録/再生用光源としては、前述
したように、最近は、400nm台の発振波長をもつ半
導体レーザ等が使用されるようになってきた。さらに短
波長光を発振するレーザ光源としては、波長309,2
48nmのエキシマレーザ等がある。これ以外にも、N
d:YAG,Nd:YVO4,Nd:YLF等の固体レ
ーザの高調波を用いて、波長265nm付近の光を作り
出すことが可能である。また、Yb:YAG,Yb:Y
VO4,Yb:YLF等の固体レーザの高調波を用い
て、波長255〜260nmの光を作り出すことが可能
である。
【0015】上述した短波長の光を上記記録/再生用に
利用できるようにするためには、その短波長光とくに紫
外光を効率良く透過し、かつ高い屈折率を持つ光学材料
からなるとともに、高い開口数を持つレンズが必要とな
る。
【0016】ここで、上記レンズの材料として用いられ
ていた従来の光学ガラスは概して紫外光透過率が低く、
仮に、このガラスを材料とするレンズを使って紫外光に
よる光記録/再生を行わせようとすると、非常に大きな
光源パワーが必要になって、光源部が大型化し、消費電
力が増えてしまう、といった問題が生じる。
【0017】たとえば、代表的な光学ガラスであるBK
7はホウケイ酸塩系ガラスであるが、このガラスは、1
0mm厚のとき、波長300nmの光に対する透過率が
5%程度しかなく、これよりも短波長の光ではさらに低
くなる。この場合、その反射損失は8%程度あるので、
この反射分による損失を除いた光透過損失係数Lk(注
1)が2.9cmー1ある。
【0018】すなわち、波長300nmの光は損失が非
常に大きく、実用的に使用することができない。さら
に、本発明者が知得したところによると、波長375以
下の光は、従来の光ピックアップ用光学系では実質的に
使用できないことが判明した。つまり、このガラスをレ
ンズ材料にして構成された光記録/再生光学系は、波長
375nm以下の短波長光による光記録/再生には、実
用レベルで使用することができない。 注1:材料の厚さ[cm]をd、入射光強度をIo、出
射光強度をIiとして、Lk=(1/d)log(Io
/Ii)の式により定義される。
【0019】また、ホウ酸やケイ酸をガラス網目形成成
分とする多成分ガラスでは、それらの成分に由来する紫
外吸収が紫外線の上限(波長380nm付近)にまで及
んでいる。したがって、このガラスをレンズ材料にして
構成された光記録/再生光学系も、波長375nm以下
の短波長光による光記録/再生には、実用レベルで使用
することができない。
【0020】紫外光のような短波長光を良好に透過する
材料としては、石英ガラスがある。しかし、石英ガラス
は屈折率が低く、この石英ガラスで作ったレンズの開口
数を大きくするためには、レンズの曲率半径を小さくし
なければならない。つまり、光を小さなスポットに集光
するためには、焦点距離の小さなレンズが必要である。
レンズの焦点距離を小さくするには、レンズの曲率半径
を小さくする必要があるが、このことは、次のような不
利をもたらす。
【0021】すなわち、光記録/再生光学系では、光を
高精度にスポット収束させるために、非球面レンズを使
うことが多い。しかし、その非球面を研磨加工で精度良
く出すことは非常に難しく、生産性も悪い。そこで、一
般に使用されている光記録/再生光学系のレンズは、量
産性の高いモールドプレス成形によって形成されてい
る。この場合、レンズの開口数を大きくするためにレン
ズの曲率半径を小さくしようとすると、そのモールドプ
レス成形によって形成される面にダレやソリが生じやす
くなるという不都合が生じる。さらに、そのプレスに用
いる金型も、型面の曲率半径が小さいと、その型面その
ものの加工が困難になるという不都合が生じる。
【0022】また、光記録/再生光学系のレンズとして
使用されているSILは、高い開口数を得るのに適した
高分解能レンズとされているが、このSILに期待でき
る分解能向上因子は、屈折率n(SILが半球形状の場
合)あるいはその2乗n2(SILが超半球形状の場合)
に比例する。したがって、SILであっても、その構成
材料が屈折率の低い石英ガラスの場合は、高開口化の効
果を十分に得ることができない。
【0023】上述したように、光記録/再生光学系のレ
ンズは、低コスト化および量産性向上の要請から、モー
ルドプレス成形によって形成されることが望まれる。こ
のモールドプレス成形では、ガラスゴブあるいはガラス
ブロックを切断研磨したプリフォーム材を加熱軟化さ
せ、これを高精度の面を持つ型で加圧成形する技術が開
発されている。この技術の利点は、成形後の研削・研磨
工程を省略できる点にある。
【0024】しかし、上述した利点も、成形に使用する
型が繰り返し使用できなければ活かされることはない。
成形型の耐用性を確保あるいは向上させるには、主に酸
化により生じる型の表面劣化を極力抑える必要があり、
このためにはモールドプレス成形時の温度をできるだけ
低く設定する必要がある。このような制約要因により、
モールドプレスの上限温度は650〜700℃が現状で
ある。一方、石英ガラスは軟化温度が1000℃以上で
あるので、モールドプレスによって成型することは不可
能である。つまり、石英ガラスを材料にして構成された
光記録/再生光学系は、記録密度を有意に高めるための
必要条件の一つである短波長光(375nm以下)での
光透過性能は満足することができるが、それ以外の必要
条件を欠いていた。
【0025】このように、従来の光ピックアップ用スラ
イダ部品は、その材質的な構成面においても、部品の生
産性向上と情報記録の高密度化に限度があった。
【0026】本発明は以上のような問題に鑑みてなされ
たものであり、第1の目的は、光ピックアップ用スライ
ダ部品の精度を再現性良く高められるようにし、これに
より、光ピックアップの生産性向上と光情報記録の高密
度化を可能にすることにある。
【0027】第2の目的は、従来は使用が困難であった
領域の紫外光を利用を可能にするとともに、SILの分
解能性能を有効に引き出すことを可能にし、これによ
り、光ピックアップの生産性向上と光情報記録の高密度
化を可能にすることにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決する手
段として、第1の手段は、光情報記録媒体の記録面に情
報の記録および/または再生用の光をスポット収束させ
る光学系が搭載されて光情報記録媒体の記録面上を相対
的にトレース移動する光ピックアップ用スライダを製造
する光ピックアップ用スライダの製造方法において、前
記スライダの少なくとも一部と前記光学系の少なくとも
一部とをモールドプレス成形によって一体に形成するこ
とを特徴とする光ピックアップ用スライダの製造方法で
ある。
【0029】第2の手段は、前記光学系が、情報の記録
および/または再生のために入射される光を集光する第
1のレンズと、この第1のレンズと同一光軸上に配置さ
れて第1のレンズが集光した光を受光し、かつ記録媒体
の記録面に焦点を合わせる第2のレンズとを有し、前記
第1のレンズ及び第2のレンズのいずれか一方又は双方
を前記スライダの少なくとも一部とモールドプレス成形
によって一体に形成することを特徴とする第1の手段に
かかる光ピックアップ用スライダの製造方法である。
【0030】第3の手段は、前記スライダの少なくとも
一部とこのスライダと一体的に形成されるレンズとがガ
ラス材料からなることを特徴とする請求項1又は2に記
載の光ピックアップ用スライダの製造方法である。
【0031】第4の手段は、前記スライダの少なくとも
一部とこれと一体のレンズ部を形成するガラス材料は、
下記式(1)で定義される光透過損失係数Lkが、波長
200nm〜375nmの光に対して2.0cmー1
下であることを特徴とする第1ないし第3の手段いずれ
かにかかる光ピックアップ用スライダの製造方法であ
る。 Lk=(1/d)log(Io/Ii)…(1) ただし、dは材料の厚さ[cm]、Ioは入射光強度、
Iiは出射光強度。
【0032】第5の手段は、前記スライダの少なくとも
一部とこれと一体のレンズ部を形成するガラス材料は、
波長200〜375nmの光に対し、下記式(2)の条
件を満足する屈折率nを有することを特徴とする請求項
1から4のいずれかに記載の光ピックアップ用スライダ
の製造方法である。 n≧1.44+8.23/(λ−124)…(2) ただし、nは屈折率、λは波長[nm]。
【0033】第6の手段は、前記スライダの少なくとも
一部とこれと一体のレンズ部を形成するガラス材料は、
リン酸塩系またはフツリン酸塩系ガラスからなることを
特徴とする第1ないし第5のいずれかの手段にかかる記
載の光ピックアップ用スライダの製造方法である。
【0034】第7の手段は、前記スライダの少なくとも
一部とこれと一体のレンズ部を形成するガラス材料は、
Ce、Pt、Cr、Cu、Fe、Niから選ばれた少な
くとも1種のイオンを100ppm以下含有するガラス
からなることを特徴とする第1ないし第6のいずれかの
手段にかかる光ピックアップ用スライダの製造方法であ
る。
【0035】第8の手段は、前記スライダの少なくとも
一部とこれと一体のレンズ部を形成するガラス材料は、
下記の組成を有するフツリン酸塩系ガラスからなること
を特徴とする第1ないし第7のいずれかの手段にかかる
光ピックアップ用スライダの製造方法である。 P5+:0.5〜30[cat%](カチオン表示、以下
同様) Al3+:8〜40 Mg2+:0〜20 Ca2+:0〜35 Sr2+:0〜50 Ba2+:0〜65 Na+および/またはLi+:0〜5 原子価が2〜4価の金属であるY、La、希土類元素
(Pmを除く原子番号57〜71の元素)から選択され
た少なくとも1種のイオン:0〜10%、かつアニオン
比[F]/([F]+[O])が0.05〜0.99。
【0036】第9の手段は、前記スライダの少なくとも
一部とこれと一体のレンズ部を形成するガラス材料は、
下記の組成を有するフツリン酸塩系ガラスからなること
を特徴とする第1ないし第7のいずれかの手段にかかる
光ピックアップ用スライダの製造方法である。 Al(PO33:0〜35[wt%] Ba(PO32:0〜25 Mg(PO32:0〜15 Ca(PO32:0〜15 Sr(PO32:0〜15 ただし、P25換算の五酸化リン総量:1〜25 AlF3:10〜25 BaF2:10〜35 MgF2: 0〜15 CaF2: 0〜30 SrF2: 0〜35 Na2Oおよび/またはNaF:0〜5 Li2Oおよび/またはLiF:0〜5 Y、La、希土類元素(Pmを除く原子番号57〜71
の元素)から選択された少なくとも1種の酸化物および
/またはこれらのフッ化物:0〜7.5。
【0037】第10の手段は、前記スライダの少なくと
も一部とこれと一体のレンズ部を形成するガラス材料
は、下記の組成を有するリン酸塩系ガラスからなること
を特徴とする第1ないし第7のいずれかの手段にかかる
光ピックアップ用スライダの製造方法である。 P5+:65〜85[cat%](カチオン表示、以下同
様) Al3+:2〜10 Mg2+:0〜30 Ca2+:0〜30 Sr2+:0〜30 Ba2+:0〜40 Zn2+:0〜8 Na+および/またはK+:0〜8 但し、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Zn2+の合
量:18〜40、 原子価が2〜4価の金属であるY、La、希土類元素
(Pmを除く原子番号57〜71の元素)のイオンから
選択された少なくとも1種:0〜8%。
【0038】第11の手段は、前記スライダの少なくと
も一部とこれと一体のレンズ部を形成するガラス材料
は、下記の組成を有するリン酸塩系ガラスからなること
を特徴とする第1ないし第7のいずれかの手段にかかる
光ピックアップ用スライダの製造方法である。 P25:40〜85[wt%] Al23:2〜10 MgO:0〜20 CaO:0〜25 SrO:0〜40 BaO:0〜60 ZnO:0〜8 Na2Oおよび/またはK2O:0〜6 ただし、MgO、CaO、SrO、BaO、ZnOの合
量:8〜60、 Y、La、希土類元素から選択された少なくとも1種の
酸化物:0〜20。
【0039】第12の手段は、前記モールドプレスのプ
レス温度が500〜700℃であることを特徴とする第
1ないし第11のいずれかの手段にかかる光ピックアッ
プ用スライダの製造方法である。第13の手段は、
【0040】第1ないし第12のいずれかの手段にかか
る光ピックアップ用スライダの製造方法によって製造さ
れたことを特徴とする光ピックアップ用スライダであ
る。
【0041】第14の手段は、第1ないし第13のいず
れかの手段にかかる光ピックアップ用スライダの製造方
法によって製造された光ピックアップ用スライダを有す
ることを特徴とする光ピックアップ装置である。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、前述した解決手段の代表的
な実施形態について、図を参照しながら、さらに具体的
に説明する。
【0043】本発明による光ピックアップ用スライダの
主要部は、スライダ部とレンズからなる。レンズは、光
情報記録媒体に対する記録および/または再生(記録/
再生)時に、その記録媒体の記録面に対向するような状
態でスライダ部に搭載される。
【0044】ここで、本発明では、そのレンズとスライ
ダ部がモールドプレス成形によって最初から一体的に同
時形成される。この場合、スライダ部とレンズのすべて
を同一成形材料で構成するのが成形効率を高める上で有
利であるが、部分的に材料を異ならせるようにしてもよ
い。すなわち、スライダ部とレンズのすべてを同一材料
で一体的にモールド成形する、スライダ部の一部とレン
ズを同一材料で一体的にモールド成形する、どちらの場
合にも本発明の主要な効果の一つである生産性の向上と
光情報記録の高密度化を達成することができる。
【0045】図1は、本発明による光ピックアップ用ス
ライダの製造方法を示す。同図において、(A)は上型
1aと下型1bからなるモールドプレス成形型1内に板
状にプリフォームされた成形材料20を装填した状態、
(B)は上型1aと下型1bを閉じてモールドプレス成
形を行った状態をそれぞれ示す。(C)はその成形型1
a,1bによってモールドプレス成形されたレンズ付ス
ライダ部21すなわち光ピックアップ用スライダ2の断
面図および平面図を示す。
【0046】同図に示すように、スライダ部21の少な
くとも一部とレンズ(SIL)22は、モールドプレス
成形によって一体的に同時形成される。これにより、ス
ライダ部21とレンズ22が最初から一体化された光ピ
ックアップ用スライダ2を簡単かつ効率良く量産するこ
とができる。このようにして製造された光ピックアップ
用スライダ部2は、それぞれに別部品として作製された
スライダとレンズから組立てられた従来のもの比べて、
スライダ部21とレンズ22間の位置決め精度(とくに
光学的位置決め精度)を再現性良く高めることができ
る。これにより、光スポット径を小さく絞って光情報記
録密度を高めることができる。
【0047】また、上記モールドプレス成形において、
2以上の光ピックアップ用スライダ2をアレイ状に配置
した成形体を形成するようにすれば、1回の成形加圧工
程で2個以上のスライダ2を同時に作成することができ
る。これにより、生産性をさらに大幅に向上させること
ができる。図2は、上記アレイ状の成形体から分割した
光ピックアップ用スライダ2の断面形状を示す。
【0048】スライダ部21には、図3に示すように、
このスライダ部21と一体的に形成されたレンズ(SI
L)22とは別に、このレンズ22に光を導く対物レン
ズ23が搭載される場合が多い。この場合、その対物レ
ンズ23の位置決めも高精度が要求されるが、モールド
プレス成形ではスライダ部21の形状を非常に高精度に
成形できるので、この成形精度を利用すれば、レンズ高
さ、平行度等を簡単に高精度化することができる。ま
た、たとえばスライダの適当な位置に位置合わせ用基準
となるマークあるいはガイド等の位置合わせ部24を、
スライダ部21と同時に成形するようにしておけば、そ
の位置合わせ部24を利用して光軸合わせ等を容易に行
うことが可能になる。
【0049】上述したように、本発明の手段では、レン
ズを搭載するスライダ部21の少なくとも一部とレンズ
22を一体的にモールドプレス成形で形成することによ
り、その成形段階にて、スライダ部21の少なくとも一
部とレンズ22間を高精度に位置決めさせることができ
る。これにより、面倒かつ複雑な位置決め作業を行うこ
となく、高精度のスライダを簡単かつ再現性良く組立て
ることができる。
【0050】また、上記レンズ付スライダ部21(スラ
イダ部21の少なくとも一部とレンズ22)と、このス
ライダ部21以外の部品とを組み合わせる場合、両部品
にそれぞれ適切な位置合わせ部を設けておくことによ
り、その位置あわせ部にて両部品を精密に位置合わせす
ることが可能になる。これにより、たとえば上記レンズ
付スライダ部21にさらに別のレンズ(たとえば対物レ
ンズ23)を搭載させる場合、従来は複雑で困難であっ
た精密な搭載工程を簡単に行うことができるようにな
る。
【0051】次に、上述した光ピックアップ用スライダ
2の構成材料に関する好適な実施形態を示す。上述した
スライダ2(レンズ付スライダ部21)は、波長200
〜375nmの光に対して透過損失係数Lkが1.5c
ー1以下の材料で構成される。この透過損失係数Lk
は、次式(1)で定義される。 Lk=(1/d)log(Io/Ii)…(1) ただし、dは材料の厚さ[cm]、Ioは入射光強度、
Iiは出射光強度。
【0052】上記光透過損失係数Lkが1.5cmー11
以下の場合、上記光学系全体での総レンズ厚さ、すなわ
ち、材料を通過する光の光路長が5mm程度になって
も、50%以上の内部透過率が得られる。これならば、
光パワーの有効な利用が可能であり、搭載する光源の小
型化がはかれる。
【0053】さらに、光透過損失係数Lkを0.8cm
ー1以下とするならば、総レンズ厚さを5mmと仮定し
た場合の内部透過率を67%にまで高めることができ
る。したがって、上記スライダ2の材料は、波長200
〜375nmに対する光の光透過損失係数Lkが0.8
cmー1以下であることが、より好ましい。
【0054】また、上記スライダ2の少なくともスライ
ダ部21と一体のレンズ22部分、および/またはその
レンズ22部と組み合わせられる対物レンズ23は、波
長200〜375nmの光に対して、次式(2)の条件
を満足する屈折率nを有する材料で構成されることが好
ましい。 n≧1.44+8.23/(λ−124)…(2) (nは材料の屈折率、λはレンズ材料に入射する光の波
長[nm])
【0055】さらには、n>1.44+8.23/(λ
−124)であること、すなわち石英よりも大きな屈折
率を有する材料であることが、より好ましい。
【0056】上記スライダ2の材料として光学ガラスを
使用する場合、リン酸塩ガラスあるいはフツリン酸塩ガ
ラスが利用可能である。この場合、利用に適しているの
は、屈折率が有意に高いグループであって、少なくとも
上記式(2)の条件を満たし、さらには、石英ガラスの
屈折率を超えるものが、開口数などの性能要素を有意に
高める上で望ましい。
【0057】この場合、光学ガラスに多く利用されるケ
イ酸塩、ホウケイ酸塩等のガラス系は、リン酸塩ガラス
あるいはフツリン酸塩ガラスに比較して、ガラス系に特
有の紫外吸収端が長波長側に存在するので、そのままで
は利用が困難である。
【0058】また、リン酸ガラス、フツリン酸ガラス
は、その組成が前記解決手段にて特定されている範囲を
外れると、ガラスの結晶化に対する安定性が十分でな
く、あるいは得られたガラスの化学的耐久性が十分でな
く、均一なガラスを得にくい、あるいは長期間の実用的
使用に適さない、という問題が生じる。
【0059】フツリン酸ガラスの場合、PおよびOはガ
ラス網目構造骨格を形成する成分である。Alも類似の
効果があるものと考えられる。これらの成分が過多であ
ると、軟化温度が高すぎなどの問題が生じ、過少である
とガラス形成能が低く結晶が発生しやすい、耐久性が劣
化する、などの問題が生じる。アルカリおよびアルカリ
土類金属は、この系のガラスのガラス形成能や溶解性を
向上させる成分である。アルカリ土類のうちSrやBa
はガラスの屈折率を大きくするのに有用な成分である。
これらの成分が過多あるいは過少であると、ガラス形成
能が劣化する。Y、Laおよび希土類元素は屈折率を大
きくするのに特に有用な成分であるが、これらの成分が
過多であるとガラス形成能が劣化する。フッ素はこの系
のガラスの紫外光透過性能を良好なものにしている要因
の一つである。これは同じカチオンからなる酸化物とフ
ッ化物を比較した場合、フッ化物のほうが紫外線透過性
に優れるという事実からも推定される。ただし、酸素と
フッ素の含有量比はガラス形成能に大きく影響し、適正
な範囲外ではガラス形成能が劣化する。
【0060】リン酸塩ガラスの場合、Pはガラス網目構
造骨格を形成する成分である。AlもP−O骨格を構造
的に補助する効果があるものと考えられる。アルカリ土
類金属は、この系のガラスのガラス形成能や溶解性を向
上させる成分である。アルカリ土類のうちSrやBaは
ガラスの屈折率を大きくするのに有用な成分である。こ
れらの成分が過多あるいは過少であるとガラス形成能が
劣化する。Y、Laおよび希土類元素は屈折率を大きく
するのに特に有用な成分であるが、これらの成分が過多
であるとガラス形成能が劣化する。紫外透過性を決める
重要な因子として、微量不純物による吸収がある。紫外
吸収を生じるイオンとしては、Ce、Pt、Cr、C
u、Fe、Niの各イオンがある。これらのイオンはp
pmのオーダーであってもガラス中に存在すると、紫外
域に吸収をもたらす。特にFeはその吸収強度が大きい
上に、原料粉体の取扱い中などに雰囲気から混入しやす
いため、その排除を最も留意しなければならない不純物
である。
【0061】そこで、本発明ではスライダ2のガラス材
料に含まれるイオンを特定する。すなわち、Ce、P
t、Cr、Cu、Fe、Niの各イオンの含量を100
ppm以下とすることを特徴とする。さらに、これらの
イオンの合量が100ppm以下であることがより好ま
しい。特にFeイオンは1ppm以下であることが好適
である。紫外域のFeイオンによる吸収はFe3+イオン
によるものであり、Fe 2+はこの領域に吸収をわずかに
しか持たないので、ガラスを溶融作製する際、還元状態
で行うことが紫外透過性を高める手段として有効であ
る。この還元手法としては、ガラス融液に窒素・炭酸ガ
ス等の中性あるいは還元性のガスを接触させる、バッチ
にカーボン粉・デンプンあるいは臭化物・ヨウ化化物の
ような還元材を導入する、などがある。
【0062】なお、本発明の目的から外れない限り、フ
ツリン酸ガラスに、数%のK、Cs、B、Si、Clな
ど、200nm以上の波長域に顕著な吸収を持たない成
分を添付して、ガラスの溶解性、屈折率、ガラス転移
点、耐久性、加工性等を調整することは可能である。ま
た、本発明の目的から外れない限り、リン酸ガラスに、
数%のアルカリ元素、B、Si、ハロゲン元素など、2
00nm以上の波長域に顕著な吸収を持たない成分を添
付して、ガラスの溶解性、屈折率、ガラス転移点、耐久
性、加工性等を調整することは可能である。
【0063】また、石英ガラスを熱変形させるには10
00℃以上の高温が必要であるが、リン酸塩ガラス、フ
ツリン酸塩ガラスの軟化温度はそれよりもはるかに低
く、適当な組成を選定すれば、700℃以下の軟化温度
をもつガラスを作製することは容易である。さらに、適
当な組成の調整によって耐結晶化性能、耐久性等を調整
すれば、モールドプレス成形を施すことも可能である。
換言すると、これらのガラス系から紫外透過特性にすぐ
れかつモールドプレス加工が可能な組成領域を選定し利
用することが可能である。
【0064】光源波長400〜430nm、開口数0.
6〜0.85のとき、12cmディスク片面記録容量は
12〜25Gバイトにできることが報告されている(日
経BP社刊行、日経エレクトロニクス1999年8月9
日[no.747])。記録面位置で絞り込まれる光ス
ポット径は、レンズ系の開口数に反比例し波長に比例す
る。たとえば、光源波長を400nmから275nmに
すると、記録密度としては2倍以上の向上が期待され
る。さらに、レンズの開口数を高めることで一層の記録
密度向上がはかれるが、これは高屈折率ガラス材料を用
いることで達成可能となる。
【0065】(実施例1)前記スライダ2の成形材料
(ガラス材料)として、<表1>の組成(wt%表示)
のガラスを作成した。このガラスは、高純度原料を用い
て調合・混合後、白金ルツボを使用して、925℃にて
3時間加熱溶融し、脱泡・攪拌等により均質化した後、
適当な鋳型に鋳込み成形し、徐冷工程を経て得られたも
のである。
【表1】 なお、この組成をカチオン%(cat%)表示にする
と、<表2>のようになる。なお、アニオン比F/〔F
+O〕は0.64である。
【表2】
【0066】このガラスの屈折率は、波長262nmに
おいて1.535である。ガラス転移点、軟化点(T
s)は、それぞれ455℃、485℃であった。この波
長域で純石英ガラスの屈折率は1.500程度であるの
で、レンズ材料としてこちらのガラスを用いる方が分解
能の点で有利であることがわかった。また、波長262
nmにおける光透過損失係数は0.5cmー1であっ
た。これを透過損失(%)に換算すると、例えばレンズ
肉厚が5mmの場合に、たかだか20%程度である。さ
らに、ICP発光分析によりCe、Pt、Cr、Cu、
Fe、Niの各混入量は、2,25,2,3,0.5,
1ppmであり、これらの合量が33.5ppmである
ことがわかった。
【0067】このガラス材料を用いて、図2に示すよう
に、スライダ部21とレンズ(SIL)21が一体とな
った光ピックアップ用スライダ2をモールドプレス成形
した。この場合、モールドプレス成形型には、超硬合金
を加工しPt−Rh−Au−Ir薄膜を被覆したものを
使用した。被成形ガラス素材(成形材料)は板状にプリ
フォームされたものを使用した。このプリフォームには
あらかじめ2平面加工を施してある。プレス成形は真空
中で温度525℃にて行い、冷却後ガラスを取り出し
た。常圧下でプレスした場合、プレスによりレンズ中央
付近にガスが閉じ込められて成形面の乱れが生じたが、
真空中でプレスを行うことにより、これを防止できた。
【0068】レンズ22部は直径2mmの球面に成形し
た。このレンズ22の中央部1.2mmφをレンズ有効
径とし、この有効径での波面収差を波長633nmの光
を用いた干渉計で測定したところ、波面収差は0.02
〜0.03λrmsであった。これにより、光学的に十
分に良好な面が得られたことが確認された。この有効径
(1.2mmφ)ならば開口数0.6まで対応可能であ
る。
【0069】スライダ部21の下表面(記録/再生面
側)の表面粗さは20nm以下であり、非常に平滑な面
が研磨工程を経ることなく得られたことがわかった。こ
の表面粗さは記録/再生に使用する波長よりも十分に小
さいので、高密度光記録にも問題なく使用できる。
【0070】本実施例では1組のレンズ付スライダ部2
1(スライダ2)をモールドプレス成形したが、図1に
示したように、1組の成形型1a,1bに複数の成形面
をアレイ状に配置すれば、複数のレンズ付スライダ部2
1を一度にモールドプレス成形することができる。この
成形品を後工程で切断することにより、個々のレンズ付
スライダ部21(スライダ2)に分割することができ
る。
【0071】(実施例2)前記スライダの成形材料とし
て、<表3>の組成(wt%表示)のガラスを作成し
た。このガラスは、高純度原料を用いて調合・混合後、
石英ガラスルツボを使用して、1250℃にて3時間加
熱溶融し、脱泡・攪拌等により均質化した後、適当な鋳
型に鋳込み成形し、徐冷工程を経て得られたものであ
る。
【表3】 なお、この組成をカチオン%表示にすると、<表4>の
ようになる。
【表4】
【0072】このガラスの屈折率は、波長300nmに
おいて1.575であった。ガラス転移点、軟化点は、
それぞれ500℃、535℃であった。この波長域で純
石英ガラスの屈折率は1.490程度であるので、SI
Lレンズ材料としては、こちらのガラスを用いる方が、
記録密度向上の点で有利であることがわかった。また、
波長350nmにおける光透過損失係数は0.35cm
ー1であった。透過損失(%)換算では、例えばレンズ
肉厚が5mmの場合、たかだか16%程度である。さら
に、ICP発光分析によりCe、Pt、Cr、Cu、F
e、Niの各混入量は、2,0.2,2,3,0.5,
1ppmであり、これらの合量が8.7ppmであるこ
とがわかった。このガラス材料を用いて、実施例1と同
様に、600℃にてスライダ部21とレンズ22を一体
的にモールドプレス成形した。
【0073】さらに、図3の(A)と(B)に示すよう
に、モールドプレイ成形したスライダ部21に対物レン
ズ23を搭載した。スライダ部21と対物レンズ23間
の位置合わせは、あらかじめモールドプレス成形時に設
けておいたスライダ部21側の位置合わせ部24を利用
することで容易に行うことができた。
【0074】(実施例3)実施例2と同様のガラスを作
成し、これを使って、図4に示すように、スライダ部2
1と対物レンズ23を一体的にモールドプレス成形した
が、実施例1と同様、高精度のレンズが作成された。
【0075】(実施例4〜8)実施例4〜8ではそれぞ
れ、前記スライダの成形材料として、<表5>に示す組
成のフツリン酸ガラスを作製した。同表において、
(4)は実施例4、(5)は実施例5、(6)は実施例
6、(7)は実施例7、(8)は実施例8においてそれ
ぞれ作製した組成を示す。
【0076】実施例4〜8では、高純度原料を用いて所
定組成に調合・混合後、白金製ルツボを使用し、950
〜1100℃にて3時間の加熱溶融を行い、脱泡・攪拌
等により均質化の後、適当な鋳型に鋳込み成形し、徐冷
工程を経て作製した。原料として、メタリン酸アルミニ
ウム、メタリン酸バリウム、構成元素の炭酸塩化合物、
酸化物化合物、フッ化物を利用した。もちろん原料はこ
れらに特定はされず、最終組成物を与える物であれば任
意に選定可能であり、たとえばピロリン酸塩や硝酸塩と
いった原料も使用可能である。
【0077】また、<表5>には、各ガラスの紫外域に
おける透過性と屈折率の大きさの代表値として、270
nmにおける損失係数と屈折率をあげた。各ガラスとも
高い紫外透過特性と高い屈折率を持つことがわかった。
なお、同表には参考としてd線(波長587.56n
m,275nm)における屈折率も示した。
【表5】 各実施例4〜8にて作製したガラスの軟化点はいずれも
600℃以下であり、650℃以下のモールドプレス成
形が可能であった。
【0078】(実施例9〜13)実施例9〜13ではそ
れぞれ、前記スライダの成形材料として、<表6>に示
す組成のリン酸ガラスを作製した。同表において、
(9)は実施例9、(10)は実施例10、(11)は
実施例11、(12)は実施例12、(13)は実施例
13においてそれぞれ作製した組成を示す。
【0079】実施例9〜13では、高純度原料を用いて
所定組成に調合・混合後、石英ガラス製ルツボを使用
し、1100〜1300℃にて3時間の加熱溶融を行
い、、脱泡・攪拌等により均質化の後、適当な鋳型に鋳
込み成形し、徐冷工程を経て作製した。原料として、メ
タリン酸アルミニウム、メタリン酸バリウム、構成元素
の酸化物化合物・炭酸塩化合物を利用した。もちろん原
料はこれらに特定はされず、最終組成物を与える物であ
れば任意に選定可能であり、たとえばピロリン酸塩や硝
酸塩といった原料も使用可能である。
【0080】また、<表6>には、各ガラスの紫外にお
ける透過性と屈折率の大きさの代表値として、300n
mにおける損失係数と屈折率をあげた。各ガラスとも高
い紫外透過特性と高い屈折率を持つことがわかった。な
お、同表にも参考としてd線(波長587.56nm,
300nm)における屈折率を示した。
【表6】 各実施例9〜13にて作製したガラスの軟化点はいずれ
も650℃以下であり、700℃以下のモールドプレス
成形が可能であった。
【0081】(比較例)SILをBK7を用いて作製し
た以外は実施例1と同様にして、図4に示したのと同形
式のガラス材料を作製した。波長262nmにおけるB
K7の光透過損失係数は、およそ10cmー1、屈折率は
1.56であった。
【0082】以上、本発明をその代表的な実施形態およ
び実施例に基づいて説明したが、本発明は上述した以外
にも種々の態様が可能である。たとえば、対物レンズ
は、球面レンズ以外に、非球面レンズ、フレネルレン
ズ、グレーティングレンズまたはホログラムレンズ等を
用いることも可能である。また、光情報記録媒体として
は、記録層の相変化により情報を記録する相変化型光情
報記録媒体や、あらかじめエンボスピットにより情報が
書込まれた再生専用光情報記録媒体、あるいはMOやM
Dなどの光磁気記録媒体などでもよい。光磁気記録媒体
を用いる場合は、図示を省略するが、スライダ部21に
記録用の磁気コイルを搭載する。
【0083】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
従来は複雑で高い精度が要求されたスライダへのレンズ
搭載工程、たとえば研磨や位置合せなどの面倒な工程を
省くことができるので、光ピックアップ用スライダの精
度を再現性良く高めることができるとともに、その量産
性を大幅に向上させることができる。また、従来は使用
することが困難であった短波長領域の光すなわち紫外光
を利用することができるとともに、SILの分解能向上
効果を有効に引き出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光ピックアップ用スライダの製造
方法を示す断面図である。
【図2】本発明による光ピックアップ用スライダの実施
形態を示す断面図である。
【図3】本発明による光ピックアップ用スライダに別の
部品を搭載する場合の状態を示す断面図である。
【図4】本発明による光ピックアップ用スライダの別の
実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 モールドプレス成形型 1a 上型 1b 下型 2 光ピックアップ用スライダ 20 成形材料 21 スライダ 22 SILなどのレンズ 23 対物レンズ 24 位置合わせ部

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光情報記録媒体の記録面に情報の記録お
    よび/または再生用の光をスポット収束させる光学系が
    搭載されて光情報記録媒体の記録面上を相対的にトレー
    ス移動する光ピックアップ用スライダを製造する光ピッ
    クアップ用スライダの製造方法において、 前記スライダの少なくとも一部と前記光学系の少なくと
    も一部とをモールドプレス成形によって一体に形成する
    ことを特徴とする光ピックアップ用スライダの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記光学系が、情報の記録および/また
    は再生のために入射される光を集光する第1のレンズ
    と、この第1のレンズと同一光軸上に配置されて第1の
    レンズが集光した光を受光し、かつ記録媒体の記録面に
    焦点を合わせる第2のレンズとを有し、前記第1のレン
    ズ及び第2のレンズのいずれか一方又は双方を前記スラ
    イダの少なくとも一部とモールドプレス成形によって一
    体に形成することを特徴とする請求項1に記載の光ピッ
    クアップ用スライダの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記スライダの少なくとも一部とこのス
    ライダと一体的に形成されるレンズとがガラス材料から
    なることを特徴とする請求項1又は2に記載の光ピック
    アップ用スライダの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記スライダの少なくとも一部とこれと
    一体のレンズ部を形成するガラス材料は、下記式(1)
    で定義される光透過損失係数Lkが、波長200nm〜
    375nmの光に対して2.0cmー1以下であること
    を特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の光ピッ
    クアップ用スライダの製造方法。 Lk=(1/d)log(Io/Ii)…(1) ただし、dは材料の厚さ[cm]、Ioは入射光強度、
    Iiは出射光強度。
  5. 【請求項5】 前記スライダの少なくとも一部とこれと
    一体のレンズ部を形成するガラス材料は、波長200〜
    375nmの光に対し、下記式(2)の条件を満足する
    屈折率nを有することを特徴とする請求項1から4のい
    ずれかに記載の光ピックアップ用スライダの製造方法。 n≧1.44+8.23/(λ−124)…(2) ただし、nは屈折率、λは波長[nm]。
  6. 【請求項6】 前記スライダの少なくとも一部とこれと
    一体のレンズ部を形成するガラス材料は、リン酸塩系ま
    たはフツリン酸塩系ガラスからなることを特徴とする請
    求項1ないし5のいずれかに記載の光ピックアップ用ス
    ライダの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記スライダの少なくとも一部とこれと
    一体のレンズ部を形成するガラス材料は、Ce、Pt、
    Cr、Cu、Fe、Niから選ばれた少なくとも1種の
    イオンを100ppm以下含有するガラスからなること
    を特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の光ピ
    ックアップ用スライダの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記スライダの少なくとも一部とこれと
    一体のレンズ部を形成するガラス材料は、下記の組成を
    有するフツリン酸塩系ガラスからなることを特徴とする
    請求項1ないし7のいずれかに記載の光ピックアップ用
    スライダの製造方法。 P5+:0.5〜30[cat%](カチオン表示、以下
    同様) Al3+:8〜40 Mg2+:0〜20 Ca2+:0〜35 Sr2+:0〜50 Ba2+:0〜65 Na+および/またはLi+:0〜5 原子価が2〜4価の金属であるY、La、希土類元素
    (Pmを除く原子番号57〜71の元素)から選択され
    た少なくとも1種のイオン:0〜10%、 かつアニオン比[F]/([F]+[O])が0.05
    〜0.99。
  9. 【請求項9】 前記スライダの少なくとも一部とこれと
    一体のレンズ部を形成するガラス材料は、下記の組成を
    有するフツリン酸塩系ガラスからなることを特徴とする
    請求項1ないし7のいずれかに記載の光ピックアップ用
    スライダの製造方法。 Al(PO33:0〜35[wt%] Ba(PO32:0〜25 Mg(PO32:0〜15 Ca(PO32:0〜15 Sr(PO32:0〜15 ただし、P25換算の五酸化リン総量:1〜25 AlF3:10〜25 BaF2:10〜35 MgF2: 0〜15 CaF2: 0〜30 SrF2: 0〜35 Na2Oおよび/またはNaF:0〜5 Li2Oおよび/またはLiF:0〜5 Y、La、希土類元素(Pmを除く原子番号57〜71
    の元素)から選択された少なくとも1種の酸化物および
    /またはこれらのフッ化物:0〜7.5。
  10. 【請求項10】 前記スライダの少なくとも一部とこれ
    と一体のレンズ部を形成するガラス材料は、下記の組成
    を有するリン酸塩系ガラスからなることを特徴とする請
    求項1ないし7のいずれかに記載の光ピックアップ用ス
    ライダの製造方法。 P5+:65〜85[cat%](カチオン表示、以下同
    様) Al3+:2〜10 Mg2+:0〜30 Ca2+:0〜30 Sr2+:0〜30 Ba2+:0〜40 Zn2+:0〜8 Na+および/またはK+:0〜8 但し、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Zn2+の合
    量:18〜40、 原子価が2〜4価の金属であるY、La、希土類元素
    (Pmを除く原子番号57〜71の元素)のイオンから
    選択された少なくとも1種:0〜8%。
  11. 【請求項11】 前記スライダの少なくとも一部とこれ
    と一体のレンズ部を形成するガラス材料は、下記の組成
    を有するリン酸塩系ガラスからなることを特徴とする請
    求項1ないし7のいずれかに記載の光ピックアップ用ス
    ライダの製造方法。 P25:40〜85[wt%] Al23:2〜10 MgO:0〜20 CaO:0〜25 SrO:0〜40 BaO:0〜60 ZnO:0〜8 Na2Oおよび/またはK2O:0〜6 ただし、MgO、CaO、SrO、BaO、ZnOの合
    量:8〜60、 Y、La、希土類元素から選択された少なくとも1種の
    酸化物:0〜20。
  12. 【請求項12】 前記モールドプレスのプレス温度が5
    00〜700℃であることを特徴とする請求項1ないし
    11に記載の光ピックアップ用スライダの製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項1ないし12に記載の光ピック
    アップ用スライダの製造方法によって製造されたことを
    特徴とする光ピックアップ用スライダ。
  14. 【請求項14】 請求項1ないし13に記載の光ピック
    アップ用スライダの製造方法によって製造された光ピッ
    クアップ用スライダを有することを特徴とする光ピック
    アップ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2002086876A1 (en) * 2001-04-25 2002-10-31 Koninklijke Philips Electronics N.V. Optical lens system comprising at least one lens of a synthetic material

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