JP2002053527A - 5,5−ジアリール−2,4−ペンタジエン酸エステル系化合物および該化合物を有効成分とする紫外線吸収剤 - Google Patents

5,5−ジアリール−2,4−ペンタジエン酸エステル系化合物および該化合物を有効成分とする紫外線吸収剤

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JP2002053527A
JP2002053527A JP2000242886A JP2000242886A JP2002053527A JP 2002053527 A JP2002053527 A JP 2002053527A JP 2000242886 A JP2000242886 A JP 2000242886A JP 2000242886 A JP2000242886 A JP 2000242886A JP 2002053527 A JP2002053527 A JP 2002053527A
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Toru Kobayashi
透 小林
Saneji Ogura
実治 小倉
Kazutoshi Sakurai
和俊 桜井
Kenichiro Shiroyama
健一郎 城山
Toshimitsu Hagiwara
利光 萩原
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Takasago International Corp
Original Assignee
Takasago International Corp
Takasago Perfumery Industry Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 紫外線、特に長波長側紫外線UV−Aに対し
高い吸収能を有する化合物、該化合物を有効成分とする
紫外線吸収剤、及び該紫外線吸収剤を含有する皮膚外用
剤の提供。 【解決手段】 下記一般式(Ia); 【化14】 (式中、R1、R2、R3及び4は水素、C1〜4のアルキル
基、アルコキシ基、ハロゲン原子であるか或いは隣接す
る炭素原子上のR1とR2又はR3とR4が一緒になってメ
チレンジオキシ基を形成しており、R5はC1〜18のアル
キル基又はアルケニル基であり、R1、R2、R3及びR4
のすべてが水素のときはR5はC2〜18のアルキル基又は
分岐状のアルケニル基である。)で表される5,5−ジ
アリール−2,4−ペンタジエン酸エステル系化合物、
前記化合物及び5,5−ジフェニル−2,4−ペンタジ
エン酸メチルの1種以上を有効成分とする紫外線吸収
剤、並びに該紫外線吸収剤を含有する皮膚外用剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な5−ジアリ
ール−2,4−ペンタジエン酸エステル系化合物、該化
合物を有効成分とする紫外線吸収剤、および該紫外線吸
収剤を含有する遮光用皮膚外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】近年皮膚の生理機能に関する研究が進
み、シワやクスミの発生など皮膚の老化についてもその
原因などが解明されつつある。日光暴露による深いシワ
や色素沈着は光老化と呼ばれ、加齢による老化とは区別
されている。オゾン層の破壊に伴う地表での有害紫外線
量の増加は細胞遺伝子の損傷や皮膚ガンの増加に繋がる
ものとして注目されている。地表に達する紫外線のうち
比較的短波長(280〜320nm)のB領域紫外線
(以下「UV−B」と称する)は皮膚表皮で吸収され、
肌に対して急激な炎症(サンバーン)、遅延型黒化を引
き起こす原因となり、従来は専らこれを防御する方法が
論じられてきた。一方、地表に達する太陽紫外線の90
%以上を占めるやや長波長(320〜400nm)のA
領域紫外線(以下「UV−A」と称する)はUV−Bに
比較して生物に対する作用が100〜1000分の1と
低く、従来生体への影響はUV−Bほどには重要とは考
えられていなかった。しかし、最近になって、UV−A
が真皮にまで到達して、シワ、タルミ、弾力性の低下な
どの皮膚内部組織の変化をもたらすと共に、細胞のDN
Aを損傷して突然変異を誘発し、発ガンに至ることが明
らかにされてきている。
【0003】このような紫外線の肌への影響を防御する
効果的な方法の一つが、紫外線を吸収して皮膚への到達
を防ぐ紫外線吸収剤を皮膚に対して塗布することであ
る。UV−B吸収剤としては、例えば、p−アミノ安息
香酸(PABA)およびそのエステル類、「Giv−T
an F」や「Parsol MCX」などの商品名で販
売されているp−メトキシシンナメート類、「Cyas
orb UV−24」や「Uvinul M−40」など
の商品名で販売されているヒドロキシベンゾフェノン
類、サルチル酸エステル類、アントラニル酸エステル
類、「Eusolex 232」などの商品名で販売さ
れているベンズイミダゾール類が挙げられる。一方、U
V−A吸収剤としては、「Parsol 1789」な
どの商品名で販売されている下記の化学式;
【0004】
【化4】 で表されるジベンゾイルメタン系誘導体(特公昭61−
16258号公報)、「ソフトシェードA」などの商品
名で販売されているα−デヒドロアミノ酸誘導体(特開
平1−158090号公報)、5−アリール−2,4−
ペンタジエン酸誘導体[特開平6−336417号公報
および特開平7−238275号公報に記載されている
天然物由来のピペリン酸である5−(3,4−メチレン
ジオキシフェニル)−2,4−ペンタジエン酸およびそ
のエステル]、シンナミリデンマロン酸誘導体(特開平
7−17912号公報)、5−メチレンジオキシフェニ
ル−2,4−ペンタジエニルケトン(特開平7−178
92号公報)などが知られている。しかし、UV−A吸
収剤についてその重要性が注目されるようになったのは
極く最近であるため、上記した従来のUV−A吸収剤
は、UV−A吸収作用が低かったり、化粧料などの皮膚
外用剤への溶解性が十分でなかったり、安全性に欠ける
などの問題があり、十分に満足のゆくUV−A吸収剤が
得られていない。
【0005】特にUV−A吸収剤として市販されている
上記したジベンゾイルメタン誘導体は、化粧料などの皮
膚外用剤の基剤への溶解性が低く、皮膚外用剤の基剤に
添加した際に粉末状で分散(析出)した形態になってい
るため、該誘導体を添加した化粧料などの皮膚外用剤は
べたついた感触を与え、使用感が悪いという欠点を有し
ている。前記化学式で表されるジベンゾイルメタン系誘
導体の化粧料などへの溶解性を高めるためにそのメトキ
シ基をジヒドロキシル化プロポキシに変えた下記の化学
式で表される化合物が提案されている(特開平5−10
5640号公報)。
【0006】
【化5】 しかしながら、前記したジベンゾイルメタン誘導体はい
ずれもその化学構造に起因して着色の原因となる金属イ
オンのキレート化を生じ易いという欠点がある。また、
他の紫外線吸収剤として、特表平5−504572号公
報には、下記の一般式;
【0007】
【化6】 (式中、R’およびR''は水素、炭素数1〜4のアルキ
ル基またはアルコキシ基、R'''は炭素数1〜12のア
ルキル基を示す。)で表される2−シアノ−3,3−ジ
アリルアクリレート、および下記の一般式;
【0008】
【化7】 (式中、R’およびR''は水素、炭素数1〜4のアルキ
ル基またはアルコキシ基、R'''は炭素数1〜12のア
ルキル基を示す。)で表される3,3−ジアリールアク
リレートが開示されている。しかしながら、これらの紫
外線吸収剤は、短波長の紫外線を吸収するUV−B吸収
剤であり、UV−A吸収剤としては有効でない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、化粧
料やその他の皮膚外用剤の基剤への溶解性が高く、紫外
線の吸収波長が適当で特にUV−Aの吸収性に優れ、し
かも人体への安全性に優れていて皮膚などに施した際に
トラブルを発生せず、安価な紫外線吸収剤を提供するこ
とである。そして、本発明の目的は、前記した優れた特
性を兼ね備える紫外線吸収剤として有用な化合物を提供
することである。さらに、本発明の目的は、前記した優
れた特性を備える紫外線を含有する遮光用皮膚外用剤を
提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成すべく
本発明者等は研究を重ねてきた。そして、下記の一般式
(Ia);
【0011】
【化8】 (式中、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立して
水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4の
アルコキシ基またはハロゲン原子であるか、或いは隣接
する炭素原子上のR1とR2またはR3とR4が一緒になっ
てメチレンジオキシ基を形成していてもよく、R5は炭
素数1〜18の直鎖状または分岐状のアルキル基或いは
炭素数2〜18の直鎖状または分岐状のアルケニル基で
あり、R1、R2、R3およびR4のすべてが水素原子のと
きはR5は炭素数2〜18の直鎖状または分岐状のアル
キル基或いは炭素数2〜18の直鎖状または分岐状のア
ルケニル基である。)で表される新規な5,5−ジアリ
ール−2,4−ペンタジエン酸エステル系化合物を合成
した。そして、該新規な5,5−ジアリール−2,4−
ペンタジエン酸エステル系化合物の紫外線吸収特性を調
べたところ、該化合物は紫外線吸収性に優れていて、特
に高いUV−A吸収能を有しており、紫外線吸収剤、特
にUV−A吸収剤として有用であること、しかも化粧料
などの皮膚外用剤の基剤への溶解性が高く、べたつきの
ない、感触、取り扱い性に優れる遮光性皮膚外用剤を形
成し得ること、人体に対する安全性が高いこと、そして
経済的なコストで製造できることを見出した。
【0012】L.H.Klemmら,J.Org.Ch
em., Vol.23,p344(1958)には、今
回本発明者らが合成した上記の新規化合物と類似した構
造を有する下記の化学式(Ib)で表される5,5−ジ
フェニル−2,4−ペンタジエン酸メチルが、5−フェ
ニルベンゾスベランなどの化合物を合成する際の反応中
間体として生成することが報告されている]。
【0013】
【化9】 しかし、この5,5−ジフェニル−2,4−ペンタジエ
ン酸メチルが紫外線吸収特性を有することは全く知られ
ておらず、したがって本発明者らの合成した上記の一般
式(Ia)で表される新規な5,5−ジアリール−2,
4−ペンタジエン酸エステル系化合物が、紫外線吸収剤
として有効であることは全く予想外であった。また、本
発明者らは、そのような結果に基づいて、公知化合物で
ある前記した5,5−ジフェニル−2,4−ペンタジエ
ン酸メチルについてもその紫外線吸収能の有無や強弱な
どについて検討したところ、一般式(Ia)で表される
新規化合物と同様に、紫外線吸収能を有し、特にUV−
Aの吸収能に優れることを見出した。
【0014】さらに、本発明者らは、上記の一般式(I
a)で表される5,5−ジアリール−2,4−ペンタジ
エン酸エステル系化合物および上記した化学式(Ib)
で表される5,5−ジフェニル−2,4−ペンタジエン
酸メチルについて、化粧料やその他の皮膚外用剤基剤へ
の溶解性、人体への安全性などについて更に調べたとこ
ろ、これらの化合物は皮膚外用剤の基剤への溶解性が高
く、しかも人体への安全性においても優れていることを
見出し、それらの種々の知見に基づいて本発明を完成し
た。
【0015】したがって、本発明は、(1) 下記の一
般式(Ia);
【0016】
【化10】 (式中、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立して
水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4の
アルコキシ基またはハロゲン原子であるか、或いは隣接
する炭素原子上のR1とR2またはR3とR4が一緒になっ
てメチレンジオキシ基を形成していてもよく、R5は炭
素数1〜18の直鎖状または分岐状のアルキル基或いは
炭素数2〜18の直鎖状または分岐状のアルケニル基で
あり、R1、R2、R3およびR4のすべてが水素原子のと
きはR5は炭素数2〜18の直鎖状または分岐状のアル
キル基或いは炭素数2〜18の直鎖状または分岐状のア
ルケニル基である。)で表される5,5−ジアリール−
2,4−ペンタジエン酸エステル系化合物である。
【0017】そして、本発明は、(2) 上記の一般式
(Ia)で表される5,5−ジアリール−2,4−ペン
タジエン酸エステル系化合物、および下記の化学式(I
b);
【0018】
【化11】 で表される5,5−ジアリール−2,4−ペンタジエン
酸エステル系化合物の1種以上を有効成分とする紫外線
吸収剤である。
【0019】さらに、本発明は、(3) 前記(2)の
紫外線吸収剤を含有することを特徴とする遮光用皮膚外
用剤;および、(4) クリーム、化粧水、乳液、スチ
ック白粉、ファンデーション、軟膏、ゲル、スプレー、
シャンプーまたはリンスである前記(3)の遮光用皮膚
外用剤;である。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。上記の一般式(Ia)で表される本発明の新規化
合物5,5−ジアリール−2,4−ペンタジエン酸エス
テル系化合物[以下「化合物(Ia)」と略記すること
がある]において、R1、R2、R3およびR4は、それぞ
れ独立して、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭
素数1〜4の低級アルコキシ基またはハロゲン原子であ
るか、或いは隣接する炭素原子上のR1とR2またはR3
とR4が一緒になってメチレンジオキシ基を形成してい
てもよい。
【0021】R1、R2、R3および/またはR4が、炭素
数1〜4のアルキル基であるときの具体例としては、メ
チル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、
n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、te
rt−ブチル基などを挙げることができる。また、
1、R2、R3および/またはR4が、炭素数1〜4のア
ルコキシ基であるときの具体例としては、メトキシ基、
エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n
−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、
tert−ブトキシ基などを挙げることができる。
1、R2、R3および/またはR4が、ハロゲンであると
きの具体例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原
子、ヨウ素原子などを挙げることができる。R1、R2
3およびR4は、同じであってもまたは異なっていても
よい。
【0022】化合物(Ia)におけるR5は、炭素数1
〜18の直鎖状または分岐状のアルキル基、或いは炭素
数2〜18の直鎖状または分岐状のアルケニル基であ
る。但し、化合物(Ia)において、R1、R2、R3
よびR4のすべてが水素原子であるときは、R5は炭素数
2〜18の直鎖状または分岐状のアルキル基であるか或
いは炭素数2〜18の直鎖状または分岐状のアルケニル
基である。R5の具体例としては、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル
基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル
基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n
−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、
n−ブタデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデ
シル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、2
−エチル−ヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基、
プレニル基、ゲラニル基、ネリル基、シトロネリル基、
ファルネシル基、ジヒドロファルネシル基、テトラヒド
ロファルネシル基などをが挙げることができる。
【0023】本発明の新規な化合物(Ia)の具体例と
しては、下記の表1および表2に示す化合物1〜62を
挙げることができる。また、本発明の紫外線吸収剤およ
び皮膚外用剤における有効成分(紫外線吸収性成分)を
なす化合物(Ia)の具体例としては、下記の表1およ
び表2に示す新規な化合物1〜62を挙げることがで
き、またそれと共に5,5−ジフェニル−2,4−ペン
タジエン酸メチルも紫外線吸収剤として有効である。し
かしながら、本発明の化合物(Ia)は、表1および表
2に示すものに何ら限定されるものではない。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】化合物(Ia)は、そのエステル残基を形
成するアルキル基またはアルケニル基R5の炭素数によ
って、基剤への溶解性に違いがある。R5が炭素数1ま
たは2のアルキル基であるかまたは炭素数2のアルケニ
ル基である化合物(Ia)および5,5−ジフェニル−
2,4−ペンタジエン酸メチルは、極性の基剤に特に溶
解し易く、一方R5が炭素数6以上のアルキル基または
アルケニル基である化合物(Ia)は非極性の基剤に特
に溶解し易い。そのため、化合物(Ia)および/また
は5,5−ジフェニル−2,4−ペンタジエン酸メチル
を皮膚外用剤に含有させて遮光用皮膚外用剤を形成する
場合は、皮膚外用剤を構成する基剤の極性によって好適
な素材を選択することができる。R5が炭素数6以上の
アルキル基またはアルケニル基である化合物(Ia)、
特にR5が炭素数8〜12程度の直鎖状または分岐状の
アルキル基である化合物(Ia)は、UV−A吸収剤と
して現在汎用されている上記した「Parsol178
9」と比べた場合に、非極性の基剤に対する溶解性が著
しく優れているので好ましい。
【0027】化合物(Ia)は、例えば以下に示すよう
に、下記の一般式(II)で示す3,3−ジアリールアク
ロレイン(II)に、下記の一般式(III)で示すリン化
合物(III)および/または一般式(IV)で示すリン化
合物(IV)を反応させることによって製造することがで
きる。
【0028】
【化12】 (式中、R1、R2、R3、R4およびR5は前記と同じ基
であり、R6およびR7はそれぞれ独立して炭素数1〜6
のアルキル基であるかまたは置換基を有していてもよい
フェニル基であり、Xはハロゲン原子である。)
【0029】ここで、上記した3,3−ジアリールアク
ロレイン(II)は特公平2−56658号公報に記載さ
れた方法などによって製造することができる。また、上
記したリン化合物(III)およびリン化合物(IV)は、
市販されているもの(例えば東京化成株式会社、ナカラ
イテスク株式会社などにより販売されている)をそのま
ま使用することができる。
【0030】3,3−ジアリールアクロレイン(II)と
リン化合物(III)および/またはリン化合物(IV)と
の上記した反応は、メタノール、エタノール、イソプロ
パノールなどのアルコール類、ジエチルエーテル、ジイ
ソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジメトキシエ
タン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,
3−ジオキソラン等のエーテル類、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、クロルベンゼンなどの芳香族炭化水素
類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N
−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシドなどの非プ
ロトン性極性溶剤中で、水素化ナトリウム、ナトリウム
アミド、リチウムアミド、水酸化ナトリウム、水酸化リ
チウム、水酸化カリウム、ナトリウムアルコラート、リ
チウムアルコラート、カリウムアルコラート、マグネシ
ウムアルコラートなどの塩基の存在下で行うことのがよ
い。なお、塩基としてアルコラートを使用する場合は、
メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノ
ール、tert-ブタノールなどの低級アルコールのアルコ
ラートが好ましく用いられるが、それ以上の炭素数のア
ルコラートを用いてもよい。
【0031】また、上記した反応によってR5がメチル
基またはエチル基である化合物(Ia)を製造した後
に、通常のエステル交換反応によってR5が高級アルキ
ル基である化合物(Ia)に変換してもよい。しかしな
がら、化合物(Ia)の製法は上記した方法に制限され
るものではなく、他の方法によって製造してもよい。
【0032】化合物(Ia)および5,5−ジフェニル
−2,4−ペンタジエン酸メチルでは、その2位の二重
結合における結合形式によってシスおよびトランスの異
性体が存在するが、化合物(Ia)および5,5−ジフ
ェニル−2,4−ペンタジエン酸メチルはシス体、トラ
ンス体、またはシス体とトランス体の混合物のいずれで
あってもよく、通常はトランス体がやや過剰なシス体と
トランス体の混合物として使用に供せられる。
【0033】化合物(Ia)および5,5−ジフェニル
−2,4−ペンタジエン酸メチルは、以下の実施例にも
示すように、UV−A(320〜400nm)に対して
優れた吸収能を有し、しかも皮膚に対する感作性が著し
く低く、安全性において優れている。また、化合物(I
a)における基R5を炭素数6程度以上のアルキル基ま
たはアルケニル基にしたものは、非極性基剤に対しても
高い溶解性を示し、かかる点で非極性基剤に対する溶解
性が不足している現在市販のUV−A吸収剤に比べて優
れている。
【0034】化合物(Ia)および/または5,5−ジ
フェニル−2,4−ペンタジエン酸メチルを有効成分と
する本発明の紫外線吸収剤は、化合物(Ia)および
5,5−ジフェニル−2,4−ペンタジエン酸メチルの
うちの1種類のみを含有していても、または2種類以上
を含有していてもよい。また、本発明の紫外線吸収剤
は、化合物(Ia)および5,5−ジフェニル−2,4
−ペンタジエン酸メチルの1種または2種以上と、従来
公知の紫外線吸収剤、例えば“Parsol 178
9”等のジベンゾイルメタン誘導体や“ソフトシェード
A”などのα−デヒドロアミノ酸誘導体などのUV−A
吸収剤の1種または2種以上を含有する混合型のUV−
A領域の紫外線吸収剤であってもよい。さらに、本発明
の紫外線吸収剤は、化合物(Ia)および5,5−ジフ
ェニル−2,4−ペンタジエン酸メチルの1種または2
種以上とUV−B領域の紫外線吸収剤の両方を含有する
混合型の紫外線吸収剤であってもよく、その場合にはU
V−AおよびUV−Bの両方に対する遮光効果の高い紫
外線吸収剤を得ることができる。化合物(Ia)および
/または5,5−ジフェニル−2,4−ペンタジエン酸
メチルと併用するUV−B領域の紫外線吸収剤として
は、例えば、p−アミノ安息香酸エステル類、p−メト
キシ桂皮酸エステル類、2−フェニルベンゾイミダゾー
ル誘導体、4−フェニルベンゾフェノン等のベンゾフェ
ノン誘導体、サリチル酸フェニルエステル等のサリチル
酸誘導体、没食子酸誘導体等を挙げることができ、これ
らの1種または2種以上を用いることができる。
【0035】化合物(Ia)および5,5−ジフェニル
−2,4−ペンタジエン酸メチルの1種以上を有効成分
とする本発明の紫外線吸収剤は、その優れた紫外線吸収
能により、皮膚外用剤、プラスチック、ゴム、塗料など
に使用する光安定剤、繊維や紙の光安定化用処理剤など
として有効に使用することができる。そのうちでも、本
発明の紫外線吸収剤は、人体に対する安全性が高く、皮
膚外用剤の基剤への溶解性に優れているために皮膚外用
剤に好適に用いられ、したがって本発明は該紫外線吸収
剤を含有する皮膚外用剤を包含する。化合物(Ia)お
よび5,5−ジフェニル−2,4−ペンタジエン酸メチ
ルの1種以上を有効成分とする本発明の皮膚外用剤は、
特にUV−Aの吸収能において優れている。本発明の皮
膚外用剤は、指、手のひら、ハケ、スプレーなどによっ
て皮膚および/または毛髪に適用される外用剤をいう。
本発明の皮膚外用剤の形態は特に制限されず、固体ケー
ク状、粉末状、クリーム状、ゲル状、ペースト状、液状
などのいずれの形態であってもよい。何ら限定されるも
のではないが、本発明の皮膚外用剤の種類としては、ク
リーム、化粧水、乳液、スチック白粉、ファンデーショ
ン、軟膏、ゲル、ヘアスプレー、シャンプー、リンスな
どを挙げることができる。
【0036】本発明の皮膚外用剤の基剤としては、公知
の皮膚外用剤の基剤を使用することができ、化合物(I
a)および5,5−ジフェニル−2,4−ペンタジエン
酸メチルの紫外線吸収能を損なわないものであれば特に
制限されることなく、固体、液体、乳剤、泡状剤、ゲル
等のいづれも使用することができる。皮膚外用剤の基剤
の具体例としては、水、エタノール、セチルアルコー
ル、ステアリルアルコール等のアルコール類、グリセリ
ン、プロピレングリコール等の多価アルコール類、パル
ミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸類、ミ
リスチン酸イソプロピル、モノステアリン酸プロピレン
グリコール、トリカプリン酸グリセリル、トリミリスチ
ン酸グリセリル等のエステル類、ひまし油、オリーブ
油、ラノリン、スクワラン、鯨ろう油等の植物油または
動物性油脂類、パラフィン、流動パラフィン、シリコン
油等の鉱物油類、エアゾール噴射剤として用いられる低
沸点炭化水素またはハロゲン化炭化水素類、澱粉、タル
ク類をあげることができる。特に、伸びがよく、べとつ
かず、さっぱり感のある優れた使用感と、水や汗に流さ
れにくいという耐水性を有する皮膚外用剤を得ることが
できる点から、スクワラン、流動パラフィン、シリコン
油等の非極性油を使用するのが好ましい。
【0037】本発明の皮膚外用剤は、化合物(Ia)お
よび5,5−ジフェニル−2,4−ペンタジエン酸メチ
ルの紫外線吸収能を損なわない範囲において、通常用い
られる他の成分、例えば、防腐剤、酸化防止剤、香料、
着色料、界面活性剤等などを添加することができる。皮
膚外用剤における化合物(Ia)および/または5,5
−ジフェニル−2,4−ペンタジエン酸メチルの濃度
は、基剤の種類、他の紫外線吸収剤との併用の有無、使
用目的等により適宜調整することができるが、通常は皮
膚外用剤の全重量に基づいて0.1〜10重量%である
のが好ましく、1〜5重量%であるのがより好ましい。
【0038】
【実施例】以下に、具体例によって本発明について説明
するが、本発明は以下の例により何ら制限されるもので
はない。なお、以下の測定に当たっては、次の機器を用
いた。 ・融点:柳本商事会社製融点測定装置「MP−S3型」 ・質量スペクトル(MS):株式会社日立製作所製「M
−80B質量分析計」(イオン化電圧20eV) ・核磁器共鳴スペクトル(1H−NMR):ブルッカー
社製NMR測定装置「AM−400」(400MHz)
(内部標準物質;テトラメチルシラン) ・紫外線吸収スペクトル(UV):株式会社島津製作所
製UV測定装置「UV−260」 ・赤外吸収スペクトル(IR):日本分光工業株式会社
製「JASCO IR−810 Infrared Spectrophot
ometer」
【0039】《合成例1》[5,5−ジフェニル−2,
4−ペンタジエン酸エチル(表1に例示した化合物1の
シス体およびトランス体)の合成] (1) 特公平2−56658号公報に記載されている
方法に従って1,1−ジフェニルエチレンを用いてヴィ
ールスマイヤー反応を行って、3,3−ジフェニルアク
ロレインを合成し、これを減圧蒸留(120〜122℃
/134Pa)して、3,3−ジフェニルアクロレイン
の無色の油状物を得た(収率88.5%th)。 (2) 上記(1)で得られた3,3−ジフェニルアク
ロレイン3.0g(14.4mmol)、ジエチルホス
ホノ酢酸エチル3.9g(17.4mmol)を、N,
N−ジメチルホルムアミド20ml中に溶かし、カリウ
ム−tert−ブトキシド2g(17.9mmol)を
徐々に加えた。室温で一晩反応させた後、混合物を水に
注いだ。酢酸エチルで2回抽出し、有機層を無水硫酸マ
グネシウムで乾燥した後、濃縮した。残渣をカラムクト
マトグラフィーで分離精製して、シス体の5,5−ジフ
ェニル−2,4−ペンタジエン酸エチル0.32g(収
率5.9%th)、トランス体の5,5−ジフェニル−
2,4−ペンタジエン酸エチル3.05g(収率76.
1%th)のそれぞれを粘稠な黄色油状物として得た。
シス体およびトランス体の5,5−ジフェニル−2,4
−ペンタジエン酸エチルの分析値は以下のとおりであっ
た。
【0040】○シス体の5,5−ジフェニル−2,4−
ペンタジエン酸エチルの分析値: ・1H−NMR(CDCl3,δ,ppm):1.32 (t,J=7.
1Hz,3H),4.21(q,J=7.1Hz,2),5.66(d,J=11.
4Hz,1H),5.99(d,J=15.3Hz,0.5H),6.67(t,J
=11.5Hz,1H),6.78(d,J=11.7Hz,0.5H),7.19−
7.45(m,10H),8.11(d,J=11.8Hz,1H). ・MS(Direct):278(M+),250,233,205,19
0,178,165,127,91,57. ○トランス体の5,5−ジフェニル−2,4−ペンタジ
エン酸エチルの分析値: ・1H−NMR(CDCl3,δ,ppm):1.25(t,J=7.
1Hz,3H),4.15(q,J=7.1Hz,2),6.05(d,J=15.
3Hz,1H),6.79(d,J=11.5Hz,1H),7.18−7.23
(m,2H),7.27−7.33(m,5H),7.37−7.44(m,4
H). ・MS(Direct):278(M+),249,233,205,19
0,178,165,127,105,91.
【0041】《合成例2》[5,5−ビス−(4−メト
キシフェニル)−2,4−ペンタジエン酸エチル(表1
に例示した化合物21)の合成] (1) 特公平2−56658号公報に記載されている
方法に従って1,1−ビス(4−メトキシフェニル)エ
チレンを用いてヴィールスマイヤー反応を行って、3,
3−ビス(4−メトキシフェニル)アクロレインを合成
し、これをイソプロパノールから再結晶して、融点6
0.5〜61℃の3,3−ビス(4−メトキシフェニ
ル)アクロレインの無色の結晶を得た(収率90.5%
th)。 (2) 60%水素化ナトリウム1.76g(0.04
4mol)を乾燥したTHF50mlに懸濁させた懸濁
液に、窒素気流下でジエチルホスホノ酢酸エチル9.8
6g(0.044mol)のTHF溶液20mlを滴下
した。水素の発生が止まるのを確認した後、上記(1)
で製造した3,3−ビス−(4−メトキシフェニル)ア
クロレイン10.0g(0.037mol)のTHF溶
液30mlを前記懸濁液中に滴下し、室温で2時間攪拌
した。水20mlを加え、酢酸エチルと共に分液ロート
に入れて分液した後、水洗し、次いで硫酸マグネシウム
で乾燥させた。続いて酢酸エチルを留去し、得られた濃
縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製
して、目的とする5,5−ビス−(4−メトキシフェニ
ル)−2,4−ペンタジエン酸エチルを粘調な黄色油状
物の形態で得た。その収量は12.5g(0.037m
ol)(収率99.0%th)であった。この化合物
(黄色油状物)の分析値は以下のとおりであった。 ・1H−NMR(CDCl3,δ,ppm):1.26(t,3H,J
=7.2Hz), 3.82(s,3H),3.86(s,3H),4.17
(q,2H,J=7.1Hz),6.00(dd,1H,J=0.7Hz,J=1
5.2Hz), 6.67(dd,1H,J=0.7Hz,J=11.6Hz),6.8
4(d,2H,J=9.0Hz),6.93(d,2H,J=8.8Hz),7.1
4(d,2H,J=8.8Hz),7.25(d,2H,J=9.3Hz),7.4
1(dd,1H,J=15.2Hz,J=11.6Hz). ・MS(m/z):338(M+),309,293,265,250,2
34,218,135,121. ・IR(neat):730,780,830,890,910,990,1
030,1120,1150,1180,1250,1300,1360,1420,144
0,1460,1510,1600,1700,2830,2900,2930,295
0,3030.
【0042】《合成例3》[5,5−ビス(4−メトキ
シフェニル)−2,4−ペンタジエン酸ラウリル(表2
に例示した化合物34)の合成] 合成例2で得られた5,5−ビス−(4−メトキシフェ
ニル)−2,4−ペンタジエン酸エチル(表1に例示し
た化合物21)12.5g(0.037mol)、ラウ
リルアルコール34.5g(0.185mol)、p−
トルエンスルホン酸一水和物1.25gおよびトルエン
50mlの混合物を、生成するエタノールを除去しなが
ら8時間還流した。反応溶液を炭酸ナトリウム水溶液で
洗浄した後、トルエンおよびラウリルアルコールを減圧
下留去した。次いでカラムクロマトグラフィーにより精
製して、目的とする5,5−ビス(4−メトキシフェニ
ル)−2,4−ペンタジエン酸ラウリル(表2に例示し
た化合物34)を黄色の液状物質の形態で得た。その収
量は10.7g(0.0224mol)(収率60.5
%th)であった。この化合物(液状物質)の分析値は
以下のとおりであった。 ・1H−NMR(CDCl3,δ,ppm):0.88(t,3H,
J=7.1Hz),1.26(m,18H),1.61(quint,2H,J=7.
1Hz),3.81(s,3H),3.86(s,3H),4.10(t,2H,
J=6.8Hz),6.00(dd,1H,J=0.7Hz,J=15.2Hz),
6.67(dd,1H,J=0.7Hz,J=11.5Hz),6.84(d,2H,
J=9.0Hz),6.93(d,2H,J=8.9Hz),7.14(d,2H,
J=8.8Hz),7.25(d,2H,J=8.6Hz),7.41(dd,1
H,J=15.2Hz,J=11.6Hz). ・MS(m/z):478(M+),309,292,265,250,1
73,121,97,83,69,57. ・IR(neat):720,780,830,890,910,990,10
30,1120,1150,1170,1250,1280,1300,1360,146
0,1510,1600,1700,2850,2920,3000,3030.
【0043】《合成例4》[5,5−ビス(4−メトキ
シフェニル)−2,4−ペンタジエン酸2−エチル−ヘ
キシル(表2に例示した化合物35)の合成] 合成例2で得られた5,5−ビス−(4−メトキシフェ
ニル)−2,4−ペンタジエン酸エチル(表1に例示し
た化合物21)12.5g(0.037mol)、2−
エチル−ヘキシルアルコール24.1g(0.037m
ol)、p−トルエンスルホン酸一水和物1.25gお
よびトルエン50mlの混合物を、生成するエタノール
を除去しながら8時間還流した。反応液を冷却した後、
炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し、次いでトルエンおよび
2−エチル−ヘキシルアルコールを減圧下留去した。続
いて、それにより得られた濃縮物をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィーにより精製して、目的とする5,5−
ビス(4−メトキシフェニル)−2,4−ペンタジエン
酸2−エチル−ヘキシル(表2に例示した化合物35)
を黄色の粘調性の高い液状物質として得た。その収量は
10.1g(0.0239mol)(収率64.6%t
h)であった。この化合物(油状物質)の分析値は以下
のとおりであった。 ・1H−NMR(CDCl3,δ,ppm):0.87(t,3H,J
=7.5Hz),0.88(t,3H,J=6.8Hz),1.20−1.35
(m,8H),1.55−1.57(m,1H),4.00(dd,1H,J=
4.7Hz,J=6.0Hz),4.04(dd,1H,J=5.6Hz,J=4.5H
z),6.00(dd,1H,J=0.8Hz,J=15.2Hz),6.67(d
d,1H,J=0.8Hz,J=11.6Hz),6.84(d,2H,J=8.9H
z),6.93(d,2H,J=8.8Hz),7.13(d,2H,J=8.8H
z),7.25(d,2H,J=8.9Hz),7.41(dd,1H,J=15.
2Hz,J=11.6Hz). ・MS(m/z):422(M+),309,291,265,250,2
35,121,57. ・IR(neat):730,780,810,830,890,990,
1030,1120,1150,1170,1250,1300,1360,1380,14
20,1460,1510,1600,1700,2840,2930,2950,300
0,3030.
【0044】《合成例5》[5−(4−エトキシフェニ
ル)−5−(4−メトキシフェニル)−2,4−ペンタ
ジエン酸エチル(表2に例示した化合物41)の合成] 合成例2の(1)と同様にして得られた3−(4−エト
キシフェニル)3−(4−メトキシフェニル)アクロレ
イン233mg(0.826mmol)、60%水素化
ナトリウム50mg(1.25mmol)、ジエチルホ
スホノ酢酸エチル200mg(0.892mmol)を
合成例2の(2)と同様にTHF中で反応させた後、同
様に処理し、266mgの5−(4−エトキシフェニ
ル)−5−(4−メトキシフェニル)−2,4−ペンタ
ジエン酸エチル(表2に例示した化合物41)を油状物
の形態で得た(収率91.4%th)。この化合物(油
状物)の分析値は以下のとおりであった。 ・1H−NMR(CDCl3,δ,ppm):1.30(t,J=7.
1Hz,3H),1.41(t,J=7.1Hz),1.48(t,J=7.1H
z,以上3H),3.82(s),3.87(s,以上3H),4.04
(q,J=7.1Hz),4.10(q,J=7.1Hz,以上2H),4.18
(q,J=7.1Hz,2H),6.00(d,J=15.8Hz,1H),6.66
(dd,J=11.6Hz, J=3.4Hz,1H),6.83(m,2H),6.
92(m,2H),7.12(m,2H),7.24(m,2H),7.37−7.
46(m,1H). ・MS(m/z):352(M+),279,251,204,165,1
49,137,125,111,97,83,71,57,43. ・IR(neat):730,805,830,910,990,103
0,1120,1150,1170,1240,1300,1360,1390,141
5,1460,1510,1600,1700,2925,2975,3030.
【0045】《合成例6》[5,5−ビス(4−メチル
フェニル)−2,4−ペンタジエン酸エチル(表2に例
示した化合物45)の合成] 合成例2の(1)と同様にして得られた3,3−ビス
(4−メチルフェニル)アクロレイン20g(8.46
mmol)、ナトリウムエチラート750mg(11.
02mmol)、ジエチルホスホノ酢酸エチル2.3g
(10.26mmol)を合成例2の(2)と同様にT
HF中で反応させた後、同様に処理し、1.82gの
5,5−ビス(4−メチルフェニル)−2,4−ペンタ
ジエン酸エチル(表2に示した例示化合物45)を粘稠
な黄色油状物として得た。この化合物(油状物)の分析
値は以下のとおりであった。 ・1H−NMR(CDCl3,δ,ppm):1.25(t,7.1H
z,3H),2.35(s,3H),2.40(s,3H),4.18(q,J
=7.2Hz,2H),6.01(d,J=15.2Hz,1H),6.73(d,
J=11.6Hz,1H),7.08−7.15(m,4H),7.18−7.24
(m,4H),7.40(dd,J=15.3Hz,J=11.6Hz,1H). ・MS(Direct):306(M+),261,233,218,
203,141,119,91. ・IR(neat):551,621,783,897,989,1038,1
124,1367,1447,1514,1605,1699,1909,2914,298
0,3402.
【0046】《合成例7》[5−(3,4−メチレンジ
オキシフェニル)−5−フェニル−2,4−ペンタジエ
ン酸エチル(表2に例示した化合物49)の合成] 合成例2の(1)と同様にして合成した3−(3,4−
メチレンジオキシフェニル)−3−フェニルアクロレイ
ン630mg(2.5mmol)、60%水素化ナトリ
ウム100mg(2.5mmol)、ジエチルホスホノ
酢酸エチル562mg(2.5mmol)を合成例2の
(2)と同様にTHF中で反応させた後、同様に処理
し、745mgの[5−(3,4−メチレンジオキシフ
ェニル)−5−フェニル−2,4−ペンタジエン酸エチ
ル(表2に例示した化合物49)を得た(収率92.5
%th)。この化合物の融点69〜69℃であった。ま
た、この化合物の分析値は以下のとおりであった。 ・1H−NMR(CDCl3,δ,ppm):1.28(t,J=7.
1Hz,3H),4.15(q,J=7.1Hz,2H),5.95(s,2
H),6.01(d,J=15.3Hz,1H),6.56−6.83(m,4
H),7.17−7.21(m,2H),7.25−7.43(m,4H). ・MS(Direct):322(M+),293,277,249,
219,191,178,165,149,121,105. ・IR(neat):700,775,810,840,860,890,
930,985,1030,1090,1130,1160,1240,1300,136
5,1440,1480,1500,1610,1700,2890,2975,305
0.
【0047】《合成例8》[5−(3,4−ジメトキシフ
ェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−2,4−ペ
ンタジエン酸エチル(表2に例示した化合物53)の合
成] 合成例2の(1)と同様にして合成した3−(3,4−
ジメトキシフェニル)−2−(4−メトキシフェニル)
アクロレイン746mg(2.5mmol)、カリウム
−tert−ブトキシド291mg(2.6mmo
l)、ジエチルホスホノ酢酸エチル561mg(2.5
mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド20ml中
で合成例2の(2)と同様に反応させ、後処理して、7
17mgの油状物の形態の5−(3,4−ジメトキシフェ
ニル)−5−(4−メトキシフェニル)−2,4−ペン
タジエン酸エチル(表2に例示した化合物53)を得た
(収率77.9%th)。この化合物の分析値は以下の
とおりであった。 ・1H−NMR(CDCl3,δ,ppm):1.27(t,J=7.
1Hz,3H),3.82,3.87,3.90,3.95(以上s,12H),
4.17(q,J=7.1Hz,2H),6.00(m,1H),6.68
(m),6.80−6.88(m),6.90−6.96(m),7.15
(m),7.27(m)(以上8H),7.38−7.47(m,1H). ・MS(Direct):368, 323, 295, 280, 264. ・IR(neat):760, 810, 830, 890, 990, 1020,
1120, 1140, 1170, 1250, 1370, 1410, 1460,1510, 16
0, 1700, 2830, 2950.
【0048】《合成例9》[3,3−ビス−(4−メト
キシフェニル)アクリル酸エチル(比較用化合物2)の
合成] (1) 硝酸銀10.0g(58.9mmmol)およ
び水10mlからなる混合溶液中に、水酸化ナトリウム
4.8g(120mmol)、水4mlおよびメタノー
ル6mlを混合してなる溶液を15分かけて撹拌しなが
ら滴下した。引き続き、3,3−ビス(4−メトキシフ
ェニル)アクロレイン5.0g(18.6mmol)の
メタノール(10ml)溶液を滴下し、3時間還流し
た。混合物をろ過し、ろ液を濃縮した後、希塩酸を加え
トルエンで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥
し、濃縮後、残渣をトルエンとヘプタンから成る混合溶
媒で再結晶させて、2.80gの3,3−ビス−(4−
メトキシフェニル)アクリル酸を得た(収率52.9%
th)。この化合物の融点は149〜150℃であった。 (2) 上記(1)で得られた3,3−ビス−(4−メ
トキシフェニル)アクリル酸900mg(3.17mm
ol)、N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド1.
0g(4.85mmol)、4−ジメチルアミノピリジ
ン20mg(0.1mmol)およびエタノール20m
lを1,2−ジクロロエタン20ml中で室温で一晩反
応させた。析出物をろ別し、ろ液を濃縮後、カラムクロ
マトグラフィーで精製して、760mgの油状物形態の
3,3−ビス−(4−メトキシフェニル)アクリル酸エ
チル(比較例用化合物3)を得た(収率76.9%t
h)。この化合物の分析値は以下のとおりであった。 ・1H−NMR(CDCl3,δ,ppm):1.16(t,J=7.
1Hz,3H),3.82(s,3H),3.85(s,3H),4.28(q,
J=7.1Hz,2H),6.23(s,1H),6.84(d,J=9.0Hz,
2H),6.90(d,J=8.9Hz,2H),7.14(d,J=8.8Hz,
2H),7.25 (d,J=9.0Hz,2H). ・MS(Direct):312(M+),283,267,253,
240,225,209,195,181,165,153,135,121,107. ・IR(neat):800,830,870,1030,1105,115
0,1240,1285,1350,1365,1415,1440,1460,151
0,1570,1600,1710,2830,2900,2930,2950,297
5,3030.
【0049】《試験例1》[紫外線吸収能の測定] 前記の合成例1〜8で得られた化合物(表1に例示した
化合物1のシス体およびトランス体、表1に例示した化
合物21、表2に例示した化合物34、35、41、4
5、49および53)について、UV−A領域(320
〜400nm)の紫外線吸収能を調べた。紫外線吸収能
は、それぞれの化合物をエタノール溶液として紫外線吸
収スペクトル(UV)の最大吸収波長(λmax)およ
び最大吸収波長における分子吸光係数(ε)を測定し
た。また、比較のために、従来より紫外線吸収剤として
用いられている4−(1,1−ジメチルエチル)−4’
−メトキシジベンゾイルメタン(比較用化合物1)(ジ
ボーダン社製「Parsol 1789」)および上記
の合成例9で得られた3,3−ビス−(4−メトキシフ
ェニル)アクリル酸エチル(比較用化合物2)につい
て、紫外線吸収能を同様にして測定した。その結果を下
記の表3に示す。
【0050】《試験例2》[各種基剤への溶解性の評
価] 前記の合成例1〜8で得られた化合物(表1に例示した
化合物1のシス体およびトランス体、表1に例示した化
合物21、表2に例示した化合物34、35、41、4
5、49および53)について、各種基剤への溶解性を
以下のようにして調べた。その結果を下記の表3に示
す。また、比較のために、従来より紫外線吸収剤として
用いられている4−(1,1−ジメチルエチル)−4’
−メトキシジベンゾイルメタン(比較用化合物1)(ジ
ボーダン社製「Parsol 1789」)および上記
の合成例9で得られた3,3−ビス−(4−メトキシフ
ェニル)アクリル酸エチル(比較用化合物2)につい
て、各種基剤への溶解性を同様にして調べた。その結果
を以下の表3に示す。 [基剤への溶解性の評価方法]それぞれの化合物を9
9.5%エタノール、シリコーン油(信越化学工業株式
会社製「シリコンKF56」)または、流動パラフィン
(岩瀬コスファ株式会社製「シルコールp−70」)に
5%または10%の濃度となるように加え、密閉容器中
で2時間50℃に加温後、室温(25℃)に戻し、さら
に24時間放置したときの状態を目視により観察して、
完全に溶解している場合を○、白濁している場合を△、
溶解せずに析出している場合を×として評価した。
【0051】
【表3】
【0052】上記の表3から明らかなように、本発明の
化合物(Ia)[本発明の紫外線吸収剤の有効成分であ
る化合物(Ib)]である表1に例示した化合物1のシ
ス体およびトランス体、例示化合物21,表2に例示し
た化合物34、35、41、42、49および53は、
従来から紫外線吸収剤として用いられている4−(1,
1−ジメチルエチル)−4’−メトキシジベンゾイルメ
タン(比較用化合物1)と同程度に優れたUV−A領域
の紫外線吸収能を有していた。一方、紫外線吸収剤とし
て公知の3,3−ビス−(4−メトキシフェニル)アク
リル酸エチル(比較用化合物2)は、最大吸収波長(λ
max)が短く、また、分子吸光係数(ε)も小さく、UV
−A領域の紫外線吸収剤としては有効に機能しないこと
がわかる。
【0053】また、上記の表3から明らかなように、本
発明の化合物(Ia)[本発明の紫外線吸収剤の有効成
分である化合物(Ib)]である表1に例示した化合物
1のシス体、表2に例示した化合物41、45、49お
よび53は極性基剤であるエタノールおよび/またはシ
リコーン油に対して優れた溶解性を示し、さらに表2に
例示した化合物34と35は、極性基剤であるエタノー
ルおよびシリコーン油並びに非極性基剤である流動パラ
フィンのいずれに対しても優れた溶解性を示した。それ
に対して、4−(1,1−ジメチルエチル)−4’−メ
トキシジベンゾイルメタン(比較用化合物1)は、エタ
ノールには溶解したが、シリコーン油および流動パラフ
ィンのいずれに対しても溶解せず、溶解性に劣ってい
る。
【0054】《試験例3》[皮膚に対する安全性試験:
皮膚一次刺激性試験] 前記した合成例2で得られた5,5−ビス−(4−メト
キシフェニル)−2,4−ペンタジエン酸エチル(表1
に例示した化合物21)および合成例3で得られた5,
5−ビス−(4−メトキシフェニル)−2,4−ペンタ
ジエン酸ラウリル(表2に例示した化合物34)を被験
化合物として、下記の方法で皮膚一次刺激性試験を行っ
たところ、下記の表5に示したとおりであった。
【0055】[皮膚一次刺激性試験の内容] (1) 実験動物として、体重220〜240gの雄の
ハートレイ系モルモットを2週間予備飼育した後、体重
が350〜400gになった健康なものを使いた。試験
数は一群10匹とした。 (2) 実験動物の肩甲骨上の皮膚面を刈毛し、その
1.5×1.5cmの区画に、上記した被験化合物(例
示化合物21または例示化合物34)の10%アセトン
溶液0.02ml塗布し、24時間後および48時間後
の皮膚の反応(紅斑およびか皮の形成の有無)を下記表
4に示した判定基準にしたがって点数で判定し、評点が
1点以上のものを陽性と評価し、その陽性率(実験動物
数10匹に対する陽性動物の数)および平均評点数(実
験動物10匹の評点の合計を実験動物10匹で除した
値)を求める。
【0056】
【表4】《紅斑およびか皮の形成の判定基準》 0点:紅斑が全く認められない。 1点:僅かな紅斑が認められる。 2点:明らかな紅斑が認められる。 3点:中程度の紅斑が認められる。 4点:強い紅斑および僅かなか皮が認められる。
【0057】
【表5】
【0058】上記の表5の結果から明らかなように、本
発明の化合物(Ia)は、いずれも皮膚に対する一次刺
激性を有していなかった。
【0059】《試験例4》[皮膚に対する安全性試験:
感作性試験] 被験化合物として下記〜の化合物を使用して、感作
性試験を行ったところ、下記の表6に示すとおりの結果
であった。 [被験化合物] 上記の合成例2で得られた5,5−ビス−(4−メト
キシフェニル)−2,4−ペンタジエン酸エチル(表1
に例示した化合物21)。 上記の合成例3で得られた5,5−ビス−(4−メト
キシフェニル)−2,4−ペンタジエン酸ラウリル(表
2に例示した化合物34)。 4−(1,1−ジメチルエチル)−4’−メトキシジ
ベンゾイルメタン(以下「比較用化合物」という)。 下記の化学式(V)で表されるピペリン酸エチル(以
下「比較用化合物」という)。
【0060】
【化13】
【0061】下記の一般式(VI)で表される化合物に
おいて、R8=水素原子、R9=メチル基、R10=エチル
基である化合物(以下「比較用化合物」という)。 下記の一般式(VI)で表される化合物において、R8
=アセチル基、R9=メチル基、R10=エチル基である
化合物(以下「比較用化合物」という); 下記の一般式(VI)で表される化合物において、R8
=メチル基、R9=アセチル基、R10=エチル基である
化合物(以下「比較用化合物」という)。
【0062】
【化14】
【0063】[感作試験] (1) 実験動物として、体重220〜240gの雄の
ハートレイ系モルモットを2週間予備飼育した後、体重
が350〜400gになった健康なものを使いた。試験
数は一群10匹とした。 (2) 実験動物の肩甲骨上の皮膚面3cm×4をcm
を刈毛し、ここに、下記に示す(a)〜(c)の3種の
被験溶液を0.1mlずつ、各々2カ所に皮内注射し
た。注射6日後に同部位を刈毛し、被験化合物の経皮吸
収を促進させるために、10%ラウリル硫酸ナトリウム
含有ワセリンを塗布した。24時間後、同部位に下記
(b)の被験溶液を0.2mlを2×4cmの濾紙を用
いて48時間閉塞適用した。 [被験溶液] (a)DIFCO社製「フロインド・コンプリート・ア
ジュバンド(Freund Complete AjUV−Ant)」
(以下「FCA」と略記する)を同量の滅菌水でW/O
型に乳化した乳化溶液。 (b)被験化合物の10%FCA溶液。 (c)被験化合物の20%FCA溶液に、(a)の乳化
溶液を同量混合して得た被験化合物の10%FCA溶
液。
【0064】(3) 感作誘導(被験溶液の皮内注射)
後、21日目に、実験動物の側腹部位を刈毛し、誘発試
験を行った。感作誘導処理群[下記(b)または(c)
の被験溶液を注射した群]と感作誘導無処理群(対照
群)[下記(a)の被験溶液を注射した群]に、被験化
合物の規定濃度(2%および5%)のアセトン溶液を
1.0×1.0cmの皮膚に開放塗布した。 (4) 感作誘導処理群の24時間後および48時間後
の皮膚の反応(浮腫の形成の有無)、並びに対照群の2
4時間後および48時間後の皮膚の反応(浮腫の形成の
有無)を、下記の表6に示した判定基準にしたがって点
数で判定し、評点が1点以上のものを陽性と評価し、そ
の陽性率(実験動物数10匹に対する陽性動物の数)お
よび平均評点数(実験動物10匹の評点の合計を実験動
物10匹で除した値)を求めた。その結果を下記の表7
に示す。
【0065】
【表6】《浮腫の形成の有無の判定基準》 0点:浮腫が全く認められない。 1点:僅かな浮腫が認められる。 2点:明らかな浮腫が認められる。 3点:中程度の浮腫が認められる。
【0066】
【表7】
【0067】上記の表7の結果から明らかなように、本
発明の化合物(Ia)[本発明の紫外線吸収剤の有効成
分である化合物(Ib)]である例示化合物21および
34は、24時間後および48時間後のいずれも陽性率
が0/10、平均評点は0であったのに対して、比較用
化合物〜は、被験化合物の濃度が5%のときにおよ
び/または48時間後にはいずれもが陽性であった。
【0068】《応用例1》[日焼け止め化粧水の調製] 以下の表8に示したA液用成分を室温下で混合して均一
に溶解させた。また、下記の表8に示したB液用成分を
室温下で混合して均一に溶解させた。次に、B液を撹拌
しながら徐々にA液に加えて可溶化したのちに濾過し、
それを容器に充填した。
【0069】
【表8】
【0070】《応用例2》[日焼け止めクリーム(O/
W型)の調製] 以下の表9に示したA液用成分を80〜85℃で加熱し
ながら均一に混合した。また、下記の表9に示したB液
用成分を75℃で加熱しながら均一に混合した。A液を
撹拌しながら徐々にB液に加えて乳化を行い、ホモジナ
イザーでさらに撹拌し、冷却して50℃で成分C(香
料)を添加して30℃まで冷却して容器に充填した。
【0071】
【表9】
【0072】《応用例3》[日焼け止めクリーム(W/
O型)の調製] 以下の表10に示したA液用成分を80〜85℃で加熱
しながら均一に混合した。また、下記の表10に示した
B液用成分を75℃で加熱しながら均一に混合した。A
液を撹拌しながら徐々にB液に加えて乳化を行い、冷却
して50℃で成分C(香料)を添加し、45℃でコロイ
ドミルにかけて容器に充填した。
【0073】
【表10】
【0074】《応用例4》[シャンプーの調製] 以下の表11に示した配合組成を用いて常法によってシ
ャンプーを製造した。
【0075】
【表11】
【0076】《応用例5》[UV−A遮蔽用クリーム] 以下の表12に示したA液用成分を70℃で均一に混合
した。また、下記の表12に示したB液用成分を70℃
で均一に混合した。A液にB液を添加し、乳化を行い、
ホモジナイザーで更に乳化を行った。乳化物を冷却して
UV−A遮蔽用クリームとした。
【0077】
【表12】
【0078】
【発明の効果】新規化合物である本発明の化合物(I
a)、並びに5,5−ジフェニル−2,4−ペンタジエ
ン酸メチルは、高い紫外線吸収能を有し、特にUV−A
の吸収能に優れており、しかも人体に対する安全性が高
く、さらには極性および非極性の各種基剤への溶解性に
優れ、且つ安価に製造することができる。そのため、本
発明の化合物(Ia)および5,5−ジフェニル−2,
4−ペンタジエン酸メチルの1種以上を有効成分とする
本発明の紫外線吸収剤は、皮膚や毛髪への外用被覆剤、
プラスチック、ゴム、塗料、接着剤、布帛、紙用の光安
定剤などとして有効に使用することができ、そのうちで
も皮膚や毛髪への外用被覆剤として有用である。本発明
の皮膚外用剤(皮膚や毛髪への被覆剤)は、特にUV−
Aによる皮膚や毛髪への障害を好適に防止することがで
きる。さらに、本発明の化合物(Ia)ではその基
1、R2、R3およびR4の炭素数を調節することによっ
て、極性基剤および/または非極性極剤への溶解性を適
宜調整することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 69/734 C07C 69/734 B C07D 317/60 C07D 317/60 C09K 3/00 104 C09K 3/00 104Z (72)発明者 桜井 和俊 神奈川県平塚市西八幡一丁目4番11号 高 砂香料工業株式会社総合研究所内 (72)発明者 城山 健一郎 神奈川県平塚市西八幡一丁目4番11号 高 砂香料工業株式会社総合研究所内 (72)発明者 萩原 利光 神奈川県平塚市西八幡一丁目4番11号 高 砂香料工業株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 4C022 DA06 4C083 AA082 AB032 AC012 AC022 AC072 AC102 AC122 AC172 AC242 AC302 AC341 AC342 AC422 AC432 AC442 AC482 AC532 AC552 AC642 AC782 AC841 AC852 AD112 AD282 CC04 CC05 CC12 CC19 CC38 CC39 DD08 DD11 DD22 DD32 DD33 DD41 EE09 EE17 EE29 4H006 AA01 AA03 AB12 AB92 BJ50 BP30

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式(Ia); 【化1】 (式中、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立して
    水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4の
    アルコキシ基またはハロゲン原子であるか、或いは隣接
    する炭素原子上のR1とR2またはR3とR4が一緒になっ
    てメチレンジオキシ基を形成していてもよく、R5は炭
    素数1〜18の直鎖状または分岐状のアルキル基或いは
    炭素数2〜18の直鎖状または分岐状のアルケニル基で
    あり、R1、R2、R3およびR4のすべてが水素原子のと
    きはR5は炭素数2〜18の直鎖状または分岐状のアル
    キル基或いは炭素数2〜18の直鎖状または分岐状のア
    ルケニル基である。)で表される5,5−ジアリール−
    2,4−ペンタジエン酸エステル系化合物。
  2. 【請求項2】 下記の一般式(Ia); 【化2】 (式中、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立して
    水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4の
    アルコキシ基またはハロゲン原子であるか、或いは隣接
    する炭素原子上のR1とR2またはR3とR4が一緒になっ
    てメチレンジオキシ基を形成していてもよく、R5は炭
    素数1〜18の直鎖状または分岐状のアルキル基或いは
    炭素数2〜18の直鎖状または分岐状のアルケニル基で
    あり、R1、R2、R3およびR4のすべてが水素原子のと
    きはR5は炭素数2〜18の直鎖状または分岐状のアル
    キル基或いは炭素数2〜18の直鎖状または分岐状のア
    ルケニル基である。)で表される5,5−ジアリール−
    2,4−ペンタジエン酸エステル系化合物、および下記
    の化学式(Ib); 【化3】 で表される5,5−ジフェニル−2,4−ペンタジエン
    酸メチルの1種以上を有効成分とする紫外線吸収剤。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の紫外線吸収剤を含有す
    ることを特徴とする遮光用皮膚外用剤。
  4. 【請求項4】 クリーム、化粧水、乳液、スチック白
    粉、ファンデーション、軟膏、ゲル、スプレー、シャン
    プーまたはリンスである請求項3に記載の遮光用皮膚外
    用剤。
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