JP2002053264A - トラバース装置 - Google Patents

トラバース装置

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JP2002053264A
JP2002053264A JP2000245537A JP2000245537A JP2002053264A JP 2002053264 A JP2002053264 A JP 2002053264A JP 2000245537 A JP2000245537 A JP 2000245537A JP 2000245537 A JP2000245537 A JP 2000245537A JP 2002053264 A JP2002053264 A JP 2002053264A
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traverse
package
point
traversing
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JP2000245537A
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Shoichi Tone
昭一 刀祢
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Murata Machinery Ltd
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Murata Machinery Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 給糸のトラバース速度を変えることでトラバ
ースにおける給糸の巻取テンションの変動をなくすこと
ができるトラバース装置を提供する。 【解決手段】 給糸YをパッケージPの軸方向にトラバ
ースさせながら巻き取るためのトラバース装置におい
て、パッケージPの両端部の折り返し点S1 ,S2前後
のトラバース速度を、上記パッケージPの中心側から折
り返し点S1 ,S2に向けて綾振るときには遅く、上記
折り返し点S1 ,S2 から中心側へ向けて綾振るときに
は速くなるように構成したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パッケージに巻き
取られる糸をトラバースするためのトラバース装置に係
り、特に、糸の巻取テンションを均一にしたトラバース
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】紡糸巻取機等、糸を紙管等に巻き取って
パッケージを形成するための巻取装置は、一般に、給糸
をトラバース装置によって紙管の軸方向に所定のトラバ
ース幅で折り返してトラバース(綾振り)しつつ巻取機
構によって巻き取ってパッケージを形成するように構成
されている。
【0003】トラバース装置には、らせん状のカム溝が
形成されている円筒カムと、給糸を案内するガイド部を
有し、上記カム溝に係合してパッケージの軸方向に往復
移動して給糸をトラバースするトラバースシューとから
なるスクロールカム式や、2枚の糸案内羽根を交互に逆
回転させて、給糸をそれら糸案内羽根に交互に受け渡し
てトラバースさせる羽根トラバース式等がある。
【0004】従来、チーズ状のパッケージを形成する場
合、トラバース装置は給糸のトラバース速度が一定にな
るように設計されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、トラバ
ース速度を一定にすると、1トラバース間で給糸の巻取
テンションが変動してしまい、形成されるパッケージに
巻取ムラが発生する問題があった。
【0006】つまり、給糸をパッケージの中心(トラバ
ース幅の中心)から両端部の折り返し点に向けて綾振る
ときには給糸の巻取テンションが高くなり、逆にパッケ
ージの両端部の折り返し点から中心側へ向けて綾振ると
きには給糸の巻取テンションが低くなる問題がある。
【0007】これを、図6〜図8を用いて説明する。
【0008】図6は、トラバースガイドからパッケージ
に巻き取られる給糸のパッケージ表面の巻取速度を説明
する図である。
【0009】いま、パッケージ表面の平均巻取速度をV
3 とすると、パッケージ表面の平均巻取速度V3 は、パ
ッケージの表面速度(パッケージ周速)V1 とトラバー
ス速度(パッケージの軸方向への速度)V2 との合成ベ
クトルとして表される。
【0010】従って、パッケージ表面の平均巻取速度V
3 は、次式(1)から求めることができる。
【0011】 V3 =(V1 2 +V2 2 1/2 …(1) ここで、仮にパッケージの表面速度(パッケージ周速)
1 を3000m/min 、給糸のトラバース速度V2 を360 m/
min とすると平均巻取速度V3 は、3021.52 m/min とな
る。
【0012】紡糸巻取機においては、給糸速度(糸速
度)とパッケージの表面速度(パッケージ周速)V1
略同じであるが、給糸のトラバース位置によってセンタ
ガイド(綾振り支点)からトラバースガイドに至る糸道
の長さが変化するため、これがテンション変化となって
あらわれる。
【0013】図7は、給糸のトラバース位置と、センタ
ーガイドからトラバースガイドに至る糸道との関係を示
したものである。
【0014】図中、点Oは給糸が通るセンターガイド
(綾振り支点)であり、Tは給糸のトラバース幅であ
り、LはセンタガイドOからトラバースガイドまでの距
離である。
【0015】いま、給糸をトラバース幅Tの中心点Cか
ら任意の位置pにトラバースしたときのトラバース方向
(パッケージの軸方向)の変位をx、センターガイドO
から点pまでの距離(糸道)をyとすると、距離yは、
次式(2)で表すことができる。
【0016】y=(x2 +L2 1/2 …(2) この式をxで微分すると次式(3)になる。
【0017】 dy/dx=x・(x2 +L2 -1/2 …(3) 更に、時間tで微分すると次式(4)となる。
【0018】 dy/dt=(dy/dx)・(dx/dt) =x・(x2 +L2 -1/2・(dx/dt) …(4) ここで、トラバース幅Tを170mm(0.170m) 、Lを1545mm
(1.545m)とすると、変位xの最大値xmax は85mm(0.085
m)となる。また、dx/dtは、トラバース速度V2
あるので、上述したようにV2 =±360 m/min として、
これらを上記式(4)に代入すると次のようになる。
【0019】 (dy/dt)max =±0.085 ×360 ×(0.0852 +1.545 2 ) -1/2 =±19.78 m/min ここで、給糸のテンションを一定と仮定したときにパッ
ケージに巻き取られる糸速度の最大値をVmax 、最小値
をVmin とすると、Vmax 、Vmin は、 Vmax =3021.52 +19.78 =3041.30 m/min Vmin =3021.52 −19.78 =3001.74m/minn となり、その変化率は、 変化率=(3041.30−3001.74)/3021.52×100%=1.30
9% となる。
【0020】このように、トラバース幅Tにおいて、糸
速度の最大値Vmax 、最小値Vminとなる位置は、
トラバース方向の変わる折り返し点であり、糸速度Vの
経時変化を示すと、図8のようになる。
【0021】図中、横軸は時間t、縦軸は糸速度V、点
sは折り返し点、Taは1トラバース時間、Vaは給糸
の平均移動速度を示している。
【0022】図8に示すように、給糸がパッケージの折
り返し点sに向けて綾振りされるにつれて移動速度Vが
上昇し、折り返し点sに達した時に最大値Vmax =304
1.30m/minに達する。
【0023】そして、折り返し点sにて給糸が折り返さ
れた瞬間、即ちトラバース方向が変わった瞬間に移動速
度Vは急激に下降して最小値Vmin =3001.74m/minとな
る。
【0024】このように、1トラバース毎に、給糸の移
動速度Vは折り返し点sで最大と最小を繰り返し、これ
がテンション変化となってあらわれ、その結果、形成さ
れるパッケージの巻取糸に糸ムラが発生し、これがパッ
ケージの糸品質を損なうと共にパッケージ形状にも影響
を与える問題がある。
【0025】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、給糸のトラバース速度を変えることでトラバースに
おける給糸の巻取テンションの変動をなくすことができ
るトラバース装置を提供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、給糸をパッケージの軸方向にト
ラバースさせながら巻き取るためのトラバース装置にお
いて、パッケージの両端部の折り返し点前後のトラバー
ス速度を、上記パッケージの中心側から折り返し点に向
けて綾振るときには遅く、上記折り返し点から中心側へ
向けて綾振るときには速くなるように構成したことを特
徴とするトラバース装置である。
【0027】請求項2の発明は、らせん状のカム溝が形
成された円筒カムと、給糸を案内するためのガイド部を
有すると共にパッケージの軸方向に往復移動自在に設け
られ、上記カム溝に係合して給糸をトラバースさせるト
ラバースシューとからなるトラバース装置において、上
記カム溝を、給糸を上記パッケージの一端の往路側折り
返し点から他端の復路側折り返し点へトラバースさせる
往路側カム溝と、上記復路側折り返し点から上記往路側
折り返し点へトラバースさせる復路側カム溝とで形成
し、その往路側及び復路側カム溝の形状を、それぞれ復
路側及び往路側の折り返し点に向けて漸次トラバース速
度が遅くなるように形成したことを特徴とするトラバー
ス装置である。
【0028】請求項3の発明は、上記往路側及び復路側
カム溝の形状を、それぞれ復路側及び往路側の折り返し
点に向けて、上記円筒カムが所定角度回転したときのト
ラバース距離が漸次小さくなるように形成した請求項2
記載のトラバース装置である。
【0029】請求項4の発明は、相互に逆回転される2
枚の糸案内羽根を有し、給糸を上記糸案内羽根の糸案内
面に交互に受け渡して給糸を折り返しつつパッケージの
軸方向にトラバースさせるトラバース装置において、上
記両糸案内羽根の糸案内面を、その先端部から内側に向
かうにつれて、各糸案内羽根の回転方向前方に凸になる
ような湾曲状に形成し、上記糸案内羽根による給糸のト
ラバース速度を、上記パッケージの中心側から折り返し
点に向けて綾振るときには遅く、上記折り返し点から中
心側へ向けて綾振るときには速くなるように構成したこ
とを特徴とするトラバース装置である。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な一実施形態
を添付図面に基づいて詳述する。
【0031】本発明は、スクロールカム式と羽根トラバ
ース式のトラバース装置において、1トラバース間のト
ラバース速度を変えることで、給糸の巻取テンションの
変動をなくしたものである。
【0032】つまり、給糸をパッケージの中心側から両
端部の折り返し点に向けて綾振るときにはトラバース速
度を遅くして巻取テンションの上昇を抑え、逆に、パッ
ケージの両端部の折り返し点から中心側へ向けて綾振る
ときにはトラバース速度を速くして巻取テンションの下
降を抑えることで1トラバース間における給糸の巻取テ
ンションをほぼ均一にしている。
【0033】まず、図1を用いて、スクロールカム式の
トラバース装置を説明する。
【0034】スクロールカム式のトラバース装置は、円
筒体18の外周にらせん状のカム溝10が形成された円
筒カム11と、そのカム溝10に係合する係合部12a
と給糸Yを案内するためのガイド部12bとを有するト
ラバースシュー13と、トラバースシュー13を、円筒
カム11の軸方向にのみ移動を許容し、周方向には移動
を阻止して、パッケージPの軸方向に往復移動自在に支
持するガイドプレート14とから構成される。
【0035】円筒カム11は、形成されるパッケージP
の回転軸と平行に配置されており、図示しない駆動手段
によってパッケージPを接触回転するドラム(図示せ
ず)と常に一定の速度比で回転され、トラバースシュー
13は、円筒カム11の回転により、その係合部12a
がカム溝12に沿って、かつガイドプレート14で周方
向の移動が阻止されてパッケージPの軸方向に往復移動
し、ガイド部12bが給糸Yを案内しながらパッケージ
Pの軸方向にトラバースさせる。
【0036】本実施形態では、給糸Yは、図示の矢印1
9のように移動されてきて、センターガイド15を通
り、そのセンターガイド15を綾振り支点としてトラバ
ースシュー13によりパッケージPの軸方向にトラバー
スされると共に、パッケージPの両端部の折り返し点S
1 ,S2 で折り返されつつ回転するパッケージPに巻き
取られる。
【0037】本発明は、円筒カム11のカム溝10の形
状を工夫して、トラバースシュー13のトラバース速度
を変えたものである。
【0038】図2を用いてカム溝10を説明する。
【0039】図2は、給糸YをパッケージPに対して1
往復トラバースさせたときのカム溝の軌跡を示したもの
であり、図中、矢印D方向が円筒カム11の回転方向、
矢印E方向が円筒カム11の軸方向である。
【0040】円筒カム11が所定角度θ回転するごと
に、トラバースシュー13はカム溝10に沿ってパッケ
ージPの軸方向に距離xだけ移動する。図示の例では、
円筒カム11が3回転(3R)したときにトラバースシ
ュー13がパッケージPを1往復するものであり、角度
θは90度である。
【0041】カム溝10は、給糸をパッケージPの一端
の往路側折り返し点S1 から他端の復路側折り返し点S
2 へトラバースさせる往路側カム溝10aと、復路側折
り返し点S2 から往路側折り返し点S1 へトラバースさ
せる復路側カム溝10bとで形成されている。
【0042】この往路側及び復路側カム溝10a,10
bの形状は、トラバースシュー13によりトラバースさ
れる給糸のトラバース速度が、復路側及び往路側の折り
返し点S2 ,S1 に向かうにつれて漸次遅くなるように
形成されている。
【0043】即ち、往路側及び復路側カム溝10a,1
0bは、それぞれ往路側及び復路側の折り返し点S1
2 から他方の復路側及び往路側の折り返し点S2 ,S
1 に向かうにつれて、円筒カム11の回転軸と往路側及
び復路側カム溝10a,10bとのなす角αが徐々に大
きくなるような湾曲状に形成されている。復路側カム溝
10bは往路側カム溝10aを横方向に反転した形状に
形成されており、復路側カム溝10bに沿って復路側折
り返し点S2 から往路側折り返し点S1 へ移動するトラ
バースシュー13の移動速度は、往路側カム溝10aに
沿って往路側折り返し点S1 から復路側折り返し点S2
へ移動する時と同様になる。
【0044】往路側カム溝10aに沿ってパッケージP
の軸方向(図中、右方向)に移動するトラバースシュー
13は、円筒カム11が所定角度θ回転するごとに、往
路側折り返し点S1 から復路側折り返し点S2 へむけて
距離x1 ,x2 ,x3 …xnずつ移動する。
【0045】図から明らかなように、円筒カム11が所
定角度θ回転したときのトラバースシュー13の移動距
離は、往路側折り返し点S1 を出発した直後が最も長
く、復路側折り返し点S2 へ向かうにつれて徐々に短く
なる。
【0046】言い換えれば、往路側折り返し点S1 を出
発した直後にトラバースシュー13の移動速度が最も速
くなり、復路側折り返し点S2 へ向かうにつれて徐々に
遅くなることがわかる。
【0047】そして、トラバースシュー13が、往路側
カム溝10aから復路側カム溝10bに移動した瞬間、
即ち、給糸を復路側折り返し点S2 で折り返した瞬間に
トラバースシュー13の移動速度は再び最も速くなり、
往路側折り返し点S1 へ向かうにつれて徐々に遅くなる
(x1 ´,x2 ´,x3 ´…xn ´)。
【0048】円筒カム11が回転することで、トラバー
スシュー13は上記のようにそのトラバース速度が変化
しながらパッケージPの軸方向に往復移動して給糸Yを
トラバースする。
【0049】このトラバース装置では、給糸Yをパッケ
ージPの中心側から両端部の折り返し点S1 ,S2 に向
けて綾振るときにはトラバース速度が遅くなり給糸の巻
取テンションの上昇を抑えると共に、パッケージPの両
端部の折り返し点S1 ,S2から中心側へ向けて綾振る
ときにはトラバース速度が速くなり巻取テンションの下
降を抑えるため、1トラバース間における給糸の巻取テ
ンションをほぼ一定に保つことができる。
【0050】カム溝10の湾曲形状(曲率)を変えるこ
とで、トラバース速度の変化を所望の変化にすることが
できる。
【0051】次に、図3を用いて、羽根トラバース式の
トラバース装置を説明する。
【0052】羽根トラバース式のトラバース装置は、図
示しないギヤ機構によって相互に逆回転される2枚の糸
案内羽根20,21と、給糸を案内するガイド部22を
有する案内板23とから構成される。ガイド部22は、
糸案内羽根20,21の回転軌跡よりも緩やかな湾曲状
に形成されており、糸案内羽根20,21がガイド部2
2の両端部に位置するときには糸案内羽根20,21の
先端部がガイド部22より僅かに突出し、ガイド部22
の中央側に回転するにつれて糸案内羽根20,21の先
端部がガイド部22から突出するようになっている。
【0053】給糸Yは、図示の矢印25のように移動さ
れてきて、センターガイド24を通り、そのセンターガ
イド24を綾振り支点として、糸案内羽根20,21の
糸案内面20a,21aにより案内板23のガイド部2
2に沿ってパッケージPの軸方向にトラバースされると
共に、パッケージPの両端部にて糸案内羽根20,21
に交互に受け渡されて折り返されつつ回転するパッケー
ジPに巻き取られる。
【0054】糸案内羽根20,21は、その回転軸20
b,21bが横方向(パッケージの軸方向)に僅かにず
らして設けられており、パッケージPの両端部の折り返
し点S1 ,S2 にて交差して、給糸を受け渡して折り返
すようになっている。
【0055】図示の例では、両糸案内羽根20,21
は、それぞれ糸案内面20a,21aを2枚ずつ有して
おり、両糸案内羽根20,21が90度回転するごとに
給糸Yを受け渡して折り返し、糸案内羽根20,21が
180度回転すると給糸YをパッケージPに対して1往
復トラバースさせる。
【0056】両糸案内羽根20,21の糸案内面20
a,21aは、糸案内羽根20,21の両端部の回転方
向前方側面に形成されており、糸案内面20a,21a
は、その先端部から内側(回転中心側)に向かうにつれ
て糸案内羽根20,21の回転方向前方に徐々に凸にな
るような湾曲状に形成されている。
【0057】この羽根トラバース式のトラバース装置に
よる給糸のトラバース速度は、上述したスクロール式の
トラバース装置と同様に、パッケージPの中心側から両
端部の折り返し点S1 ,S2 に向けて綾振るときには遅
く、折り返し点S1 ,S2 から中心側へ向けて綾振ると
きには速くなる。
【0058】図4を用いて、この給糸のトラバース速度
を説明する。
【0059】図4は、糸案内羽根21の回転角度と給糸
Yの軸方向への移動距離との関係を示したものであり、
糸案内羽根21が所定角度β回転するごとに、給糸Yは
パッケージの軸方向に距離xだけ移動する。ここでは、
所定角度βを9度とした。
【0060】図に示すように、糸案内羽根21が所定角
度β回転するごとに、給糸Yは糸案内羽根21の糸案内
面21aにより、ガイド部22に沿って折り返し点S1
から折り返し点S2 へむけて距離x1 ,x2 ,x3 …x
n ずつ移動される。給糸Yは、パッケージPの一端の折
り返し点S1 から中心側へ向けて移動するときには、糸
案内面21aを内方に移動する。また、パッケージの中
心から他端の折り返し点S2 に向けて移動するときは、
給糸Yは糸案内面21aを先端側へ移動する。
【0061】図から明らかなように、糸案内羽根21が
所定角度β回転したときの給糸Yのパッケージの軸方向
への移動距離は一端側の折り返し点S1 を出発した時が
最も長く、他端側の折り返し点S2 へ向かうにつれて徐
々に短くなる。
【0062】言い換えれば、折り返し点S1 を出発した
時に給糸Yの移動速度が最も速くなり、折り返し点S2
へ向かうにつれて徐々に遅くなることがわかる。
【0063】そして、折り返し点S2 において、給糸Y
が糸案内羽根21から糸案内羽根20へ受け渡されて折
り返す。糸案内羽根20の糸案内面20aは糸案内面2
1aと同形状であるので、上記と同様に、折り返し点S
2 を出発した時に給糸Yの移動速度が最も速く、折り返
し点S2 へ向かうにつれて徐々に遅くなる。
【0064】図5を用いて、この羽根トラバース式のト
ラバース装置における給糸Yのトラバース速度を説明す
る。
【0065】図中、実線Fは給糸が右方向、即ち折り返
し点S1 から折り返し点S2 へ移動する速度を示してお
り、実線Gは左方向、即ち折り返し点S2 から折り返し
点S1 へ移動する速度を示している。
【0066】図から明らかなように、折り返し点S1
るいはS2 から移動する瞬間(折り返した直後)のトラ
バース速度が最も速く、その後、徐々に遅くなり、他端
2あるいは一端S1 に到着する時に最も遅くなる。
【0067】このように、羽根式トラバース装置におい
てもスクロールカム式と同様に、給糸YをパッケージP
の中心側から両端部の折り返し点S1 ,S2 に向けて綾
振るときにはトラバース速度が遅くなり、給糸の巻取テ
ンションの上昇を抑えると共に、パッケージPの両端部
の折り返し点S1 ,S2 から中心側へ向けて綾振るとき
にはトラバース速度が速くなって巻取テンションの下降
を抑えることができるため、1トラバース間における給
糸の巻取テンションをほぼ一定に保つことができる。
【0068】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、以下に示
す如く優れた効果を発揮するものである。
【0069】(1)給糸の巻取テンションの変動をなく
すことができる。
【0070】(2)パッケージに巻取ムラが発生しな
い。
【0071】(3)簡単な機構で安価に提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るスクロールカム式の
トラバース装置を示す図である。
【図2】給糸YをパッケージPに対して1往復トラバー
スさせたときのカム溝の軌跡を示した図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る羽根トラバース式の
トラバース装置を示す図である。
【図4】糸案内羽根の回転角度と給糸の軸方向への移動
距離との関係を示す図である。
【図5】羽根トラバース式のトラバース装置における給
糸のトラバース速度を示す図である。
【図6】トラバースガイドからパッケージに巻き取られ
る給糸のパッケージ表面の巻取速度を説明する図であ
る。
【図7】給糸のトラバース位置とセンターガイドからト
ラバースガイドに至る糸道との関係を示した図である。
【図8】従来のトラバース装置における給糸の移動速度
を示す図である。
【符号の説明】
10 カム溝 11 円筒カム 13 トラバースシュー 20,21 糸案内羽根 20a,21a 糸案内面 P パッケージ Y 給糸

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 給糸をパッケージの軸方向にトラバース
    させながら巻き取るためのトラバース装置において、パ
    ッケージの両端部の折り返し点前後のトラバース速度
    を、上記パッケージの中心側から折り返し点に向けて綾
    振るときには遅く、上記折り返し点から中心側へ向けて
    綾振るときには速くなるように構成したことを特徴とす
    るトラバース装置。
  2. 【請求項2】 らせん状のカム溝が形成された円筒カム
    と、給糸を案内するためのガイド部を有すると共にパッ
    ケージの軸方向に往復移動自在に設けられ、上記カム溝
    に係合して給糸をトラバースさせるトラバースシューと
    からなるトラバース装置において、上記カム溝を、給糸
    を上記パッケージの一端の往路側折り返し点から他端の
    復路側折り返し点へトラバースさせる往路側カム溝と、
    上記復路側折り返し点から上記往路側折り返し点へトラ
    バースさせる復路側カム溝とで形成し、その往路側及び
    復路側カム溝の形状を、それぞれ復路側及び往路側の折
    り返し点に向けて漸次トラバース速度が遅くなるように
    形成したことを特徴とするトラバース装置。
  3. 【請求項3】 上記往路側及び復路側カム溝の形状を、
    それぞれ復路側及び往路側の折り返し点に向けて、上記
    円筒カムが所定角度回転したときのトラバース距離が漸
    次小さくなるように形成した請求項2記載のトラバース
    装置。
  4. 【請求項4】 相互に逆回転される2枚の糸案内羽根を
    有し、給糸を上記糸案内羽根の糸案内面に交互に受け渡
    して給糸を折り返しつつパッケージの軸方向にトラバー
    スさせるトラバース装置において、上記両糸案内羽根の
    糸案内面を、その先端部から内側に向かうにつれて、各
    糸案内羽根の回転方向前方に凸になるような湾曲状に形
    成し、上記糸案内羽根による給糸のトラバース速度を、
    上記パッケージの中心側から折り返し点に向けて綾振る
    ときには遅く、上記折り返し点から中心側へ向けて綾振
    るときには速くなるように構成したことを特徴とするト
    ラバース装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE10352819A1 (de) * 2003-11-12 2005-06-23 Rieter Ingolstadt Spinnereimaschinenbau Ag Verfahren und Spulvorrichtung zum Aufspulen von Garnen an Textilmaschinen

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