JP2002049937A - 自律キャラクタ再現装置、仮想空間表示装置およびコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

自律キャラクタ再現装置、仮想空間表示装置およびコンピュータ読み取り可能な記録媒体

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JP2002049937A
JP2002049937A JP2000237480A JP2000237480A JP2002049937A JP 2002049937 A JP2002049937 A JP 2002049937A JP 2000237480 A JP2000237480 A JP 2000237480A JP 2000237480 A JP2000237480 A JP 2000237480A JP 2002049937 A JP2002049937 A JP 2002049937A
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ATR NINGEN JOHO TSUSHIN KENKYU
ATR Advanced Telecommunications Research Institute International
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 マニュアルモードで行動する1つのキャラク
タと、自律モードで行動する複数のキャラクタが、メモ
リ14に形成された3次元仮想空間に再現される。仮想
カメラはマニュアルモードのキャラクタの頭上に配置さ
れ、ディスプレイ22には、仮想カメラを通して撮影さ
れた3次元仮想空間が表示される。ここで、自律モード
のキャラクタのいずれか1つを選択すると、選択された
自律モードのキャラクタがマニュアルモードに切り換え
るとともに、マニュアルモードのキャラクタが自律モー
ドに切り換える。仮想カメラの配置は、モード切り換え
に応じてマニュアルモードのキャラクタの頭上に移動す
る。 【効果】 モニタに表示される仮想空間をダイナミック
に変化させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自律キャラクタ
再現装置に関し、特にたとえば、第1自律キャラクタに
基づいて第2自律キャラクタを仮想空間内に再現する、
自律キャラクタ再現装置に関する。
【0002】この発明はまた、コンピュータ読み取り可
能な記録媒体に関し、特にたとえば、第1自律キャラク
タに基づいて第2自律キャラクタを仮想空間内に再現す
る手順をコンピュータに実行させるプログラムを記録し
た、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【0003】この発明はさらに、仮想空間表示装置に関
し、手動制御方式で動作する1つの手動キャラクタなら
びに自律制御方式で動作する複数の自律キャラクタが存
在する3次元仮想空間をモニタに表示する、仮想空間表
示装置に関する。
【0004】この発明はまた、コンピュータ読み取り可
能な記録媒体に関し、特にたとえば、手動制御方式で動
作する1つの手動キャラクタならびに自律制御方式で動
作する複数の自律キャラクタが存在する3次元仮想空間
をモニタに表示する手順をコンピュータに実行させるプ
ログラムを記録した、コンピュータ読み取り可能な記録
媒体に関する。
【0005】
【従来の技術】仮想空間に再現される自律キャラクタを
進化させる従来技術としては、主人公のキャラクタが経
験を重ねるにつれて特技や才能を向上させるようなロー
ルプレイングゲームがあった。また、手動キャラクタお
よび自律キャラクタを仮想空間に再現する従来技術とし
ては、たとえばサッカーゲームのように複数のプレーヤ
が登場し、このうちの1人を手動で制御するものがあっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のロール
プレイングゲームでは、進化の方向が予め決められてお
り、ユーザによって自由に変更することはできなかっ
た。また、サッカーゲームでは、状況によって手動制御
の対象となるキャラクタを任意に変更できるものの、モ
ニタに表示される仮想空間が平面的で迫力に欠けるとい
う問題があった。
【0007】それゆえに、この発明の主たる目的は、仮
想空間に新しく再現される自律キャラクタの行動様式に
自由度を持たせることができる、自律キャラクタ再現装
置を提供することである。
【0008】この発明の他の目的は、仮想空間に新しく
再現される自律キャラクタの行動様式に自由度を持たせ
ることができる、コンピュータ読み取り可能な記録媒体
を提供することである。
【0009】この発明のその他の目的は、モニタに表示
される仮想空間をダイナミックに変化させることができ
る、仮想空間表示装置を提供することである。
【0010】この発明のさらにその他の目的は、モニタ
に表示される仮想空間をダイナミックに変化させること
ができる、コンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供
することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、第1ルー
ルに基づいた行動様式を持つ第1自律キャラクタを仮想
空間に再現する第1再現手段、第1ルールをロック状態
またはアンロック状態に設定する状態設定手段、第1ル
ールがロック状態のとき第1ルールと所定関係を持つ第
2ルールを生成する第1生成手段、第1ルールがアンロ
ック状態のとき第1ルールを無作為に変異させて第2ル
ールを生成する第2生成手段、および第2ルールに基づ
いた行動様式を持つ第2自律キャラクタを仮想空間に再
現する第2再現手段を備える、自律キャラクタ再現装置
である。
【0012】第2の発明は、第1ルールに基づいた行動
様式を持つ第1自律キャラクタを仮想空間に再現する手
順、第1ルールがロック状態およびアンロック状態のい
ずれに設定されているかを判別する手順、第1ルールが
ロック状態のとき第1ルールと所定関係を持つ第2ルー
ルを生成する手順、第1ルールがアンロック状態のとき
第1ルールを無作為に変異させて第2ルールを生成する
手順、および第2ルールに基づいた行動様式を持つ第2
自律キャラクタを仮想空間に再現する手順、をコンピュ
ータに実行させるプログラムを記録した、コンピュータ
読み取り可能な記録媒体である。
【0013】第3の発明は、手動制御方式で動作する1
つの手動キャラクタならびに自律制御方式で動作する複
数の自律キャラクタを3次元仮想空間に再現する再現手
段、手動キャラクタに仮想カメラを配置する配置手段、
仮想カメラを通して撮影された3次元仮想空間をモニタ
に表示する表示手段、複数の自律キャラクタのいずれか
1つを選択する選択手段、および選択手段によって選択
された自律キャラクタの制御方式を手動制御方式に切り
換え、かつ手動キャラクタの制御方式を自律制御方式に
切り換える切り換え手段を備える、仮想空間表示装置で
ある。
【0014】第4の発明は、手動制御方式で動作する1
つの手動キャラクタならびに自律制御方式で動作する複
数の自律キャラクタを3次元仮想空間に再現する手順、
手動キャラクタに仮想カメラを配置する手順、仮想カメ
ラを通して撮影された3次元仮想空間をモニタに表示す
る手順、複数の自律キャラクタのいずれか1つを選択す
る手順、および選択手段によって選択された自律キャラ
クタの制御方式を手動制御方式に切り換え、かつ手動キ
ャラクタの制御方式を自律制御方式に切り換える手順、
をコンピュータに実行させるプログラムを記録した、コ
ンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0015】
【作用】第1の発明によれば、第1ルールに基づいた行
動様式を持つ第1自律キャラクタが、第1再現手段によ
って仮想空間に再現される。この第1ルールは、状態設
定手段によってロック状態またはアンロック状態に設定
される。第1ルールがロック状態に設定されていれば、
第1ルールと所定関係を持つ第2ルールが第1生成手段
によって生成される。一方、第1ルールがアンロック状
態に設定されていれば、第2生成手段が、第1ルールを
無作為に変異させて第2ルールを生成する。こうして第
2ルールが生成されると、この第2ルールに基づいた行
動様式を持つ第2自律キャラクタが、第2再現手段によ
って仮想空間に再現される。
【0016】この発明のある例では、アンロック状態の
第1ルールを変異させる確率が、確率設定手段によって
任意に設定される。第2生成手段は、設定された確率に
基づいて第1ルールを変異させる。
【0017】この発明の他の例では、状態設定手段に含
まれる内容設定手段が、第1ルールの内容をロック状態
およびアンロック状態のいずれか一方に設定する。この
とき、第2生成手段に含まれる内容変異手段が、内容設
定手段によってアンロック状態に設定された第1ルール
の内容を無作為に変異させる。
【0018】この発明のその他の例では、第1ルールは
複数存在しかつ各々の第1ルールに順位が割り当てられ
る。状態設定手段に含まれる順位設定手段は、各々の第
1ルールの順位をロック状態およびアンロック状態のい
ずれか一方に設定する。第2生成手段に含まれる順位変
異手段は、順位設定手段によってアンロック状態に設定
された第1ルールの順位を無作為に変異させる。
【0019】この発明のさらにその他の実施例では、第
1自律キャラクタが所定の条件を満たすかどうかが判別
手段によって判別され、所定の条件を満たさないと、消
滅手段によって仮想空間から消滅される。第2再現手段
は、第1自律キャラクタが消滅したときに第2自律キャ
ラクタを仮想空間に再現する。
【0020】第2の発明によれば、第1ルールに基づい
た行動様式を持つ第1自律キャラクタが仮想空間に再現
される。また、第1ルールがロック状態およびアンロッ
ク状態のいずれに設定されているかが判別される。ここ
で第1ルールがロック状態であれば、第1ルールと所定
関係を持つ第2ルールが生成される。一方、第1ルール
がアンロック状態であれば、第1ルールを無作為に変異
させることで第2ルールが生成される。こうして第2ル
ールが生成されると、この第2ルールに基づいた行動様
式を持つ第2自律キャラクタが、仮想空間に再現され
る。記録媒体には、このような手順をコンピュータに実
行させるプログラムが記録される。
【0021】第3の発明によれば、手動制御方式で動作
する1つの手動キャラクタならびに自律制御方式で動作
する複数の自律キャラクタが、再現手段によって3次元
仮想空間に再現される。さらに、仮想カメラが、配置手
段によって手動キャラクタに配置される。表示手段は、
仮想カメラを通して撮影された3次元仮想空間をモニタ
に表示する。ここで、複数の自律キャラクタのいずれか
1つが選択手段によって選択されると、切り換え手段
は、選択された自律キャラクタの制御方式を手動制御方
式に切り換えるとともに、手動キャラクタの制御方式を
自律制御方式に切り換える。仮想カメラの配置は、制御
方式の切り換えに応じて手動制御方式のキャラクタに移
動する。
【0022】第4の発明によれば、手動制御方式で動作
する1つの手動キャラクタならびに自律制御方式で動作
する複数の自律キャラクタが3次元仮想空間に再現され
る。また、手動キャラクタに仮想カメラを配置され、こ
の仮想カメラを通して撮影された3次元仮想空間がモニ
タに表示される。複数の自律キャラクタのいずれか1つ
が選択されると、選択された自律キャラクタの制御方式
が手動制御方式に切り換えられるとともに、手動キャラ
クタの制御方式が自律制御方式に切り換られる。このよ
うな手順をコンピュータに実行させるプログラムが、記
録媒体に記録される。
【0023】
【発明の効果】第1および第3の発明によれば、第1ル
ールがアンロック状態に設定されているとき、第1ルー
ルを無作為に変異させることで第2ルールが生成され、
生成された第2ルールに基づいた行動様式を持つ第2自
律キャラクタが仮想空間に再現される。このため、仮想
空間に新しく再現される自律キャラクタの行動様式に自
由度を持たせることができる 第2および第4の発明によれば、キャラクタの制御方式
の切り換えに応じて仮想カメラの配置も変更するように
したため、モニタに表示される仮想空間をダイナミック
に変化させることができる。
【0024】この発明の上述の目的,その他の目的,特
徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳
細な説明から一層明らかとなろう。
【0025】
【実施例】図1を参照して、この実施例の3次元グラフ
ィック装置10は、CPU12を含む。CPU12は、
バス18によってメモリ14およびディスクドライブ1
6と接続されるとともに、バス18およびI/F回路2
0を介してディスプレイ(映像モニタ)22,キーボー
ド24,マイク26およびマウス28と接続される。
【0026】ディスクドライブ16は、CPU12から
の命令に応答してCD−ROMのような記録媒体30に
アクセスし、これに記録された3次元グラフィックソフ
トをメモリ14にインストールする。オペレータ24が
キーボード24,マイク26またはマウス28を通して
所定の命令を入力すると、CPU12は、与えられた命
令に応じて3次元グラフィックソフトを処理する。ディ
スプレイ22には、処理に応じた3次元仮想空間が再現
される。
【0027】3次元仮想空間は、具体的には図2に示す
ような空間である。つまり、周囲が海によって囲まれた
陸地の上に民家が一軒存在し、民家から距離を隔てた位
置に丘が形成されている。丘の上には2つの岩が存在
し、一方の岩には一本の木が生えている。また、これら
の岩の上には円盤が浮いている。陸地には、みかん,り
んご,バナナなどのフルーツ(図示せず)が点在し、海
の中には魚が泳いでいる。このような仮想空間に、たと
えば図3に示すような“トリ”,“カッパ”および“女
の子”の3種類のキャラクタが再現される。再現された
キャラクタのいずれか1つにはマニュアルモードが設定
され、このキャラクタはオペレータの命令に応じて行動
する。一方、残りのキャラクタには自律モードが設定さ
れ、このキャラクタは予め設定されたルールに従う行動
様式をとる。
【0028】ディスプレイ22には、マニュアルモード
のキャラクタから見た仮想空間の映像が表示される。つ
まり、図3に示すように“トリ”,“カッパ”および
“女の子”が存在する場合、“女の子”にマニュアルモ
ードが設定されると、“女の子”から見た図4に示す映
像がディスプレイ22に表示される。また、“カッパ”
にマニュアルモードが設定されると“カッパ”から見た
図5に示す映像がディスプレイ22に表示され、“ト
リ”にマニュアルモードが設定されると“トリ”から見
た図6に示す映像がディスプレイ22に表示される。
【0029】図7を参照して、各々のキャラクタは、自
律モードにおいて有効となる視覚センサおよび触覚セン
サを備える。視覚センサは自分が今どのような物体を見
ているかを検出するセンサであり、触覚センサは自分が
今どのような物体に接触しているかを検出するセンサで
ある。
【0030】視覚センサについては、水平方向および垂
直方向の視野角に加えて、近距離および遠距離の各々の
到達範囲が設定されている。このため、視覚センサによ
って物体を検出する場合、各キャラクタは、物体が視野
角に入ったかどうかだけでなく、物体が近距離に位置す
るのか遠距離に位置するのかについても判断することが
できる。ここで、“女の子”や“カッパ”のように目が
前方を向いているキャラクタについては、視野角は狭め
に設定すべきである。これに対して、“トリ”のように
目が左右を向いているキャラクタについては、視野角は
広めに設定すべきである。このように、視覚センサ特性
はキャラクタによって相違するため、図8に示す視覚セ
ンサ特性テーブルがキャラクタ毎に準備され、このテー
ブルによって視野角および到達範囲が調整される。
【0031】図8によれば、“近距離センサ”,“遠距
離センサ”,“角度θ”および“角度φ”の4つの項目
が用意されている。このうち、“近距離センサ”および
“遠距離センサ”によって近距離および遠距離の到達範
囲が決定され、“角度θ”および“角度φ”によって水
平方向および垂直方向の視野角が決定される。設定可能
な最大到達範囲は、“近距離センサ”および“遠距離セ
ンサ”のいずれもキャラクタの身長の20倍である。一
方、最小到達範囲については、“近距離センサ”は0で
あるが、“遠距離センサ”は近距離センサに実際に設定
された到達範囲の最大値である。視野角については、
“角度θ”および“角度φ”のいずれも0度〜180度
の範囲で設定できる。各自律キャラクタは、このような
視覚センサによって物体の存在を認識する。
【0032】一方、触覚センサを用いると、各自律キャ
ラクタは、自分が接触している物体を検出できるだけで
なく、自分が存在する場所も検出することができる。た
とえば、キャラクタが陸の上にいるときは、足の裏が地
面に接触していることを検知して自分が陸地に立ってい
ると判断し、空気抵抗を考慮した速度で陸上を歩行す
る。歩行中に身体が岩や民家などの障害物に接触したこ
とを検知すると、目前の障害物を突き破って先に進むこ
とができないと判断し、進行を停止する。また、陸地か
ら海に飛び込み、全身が海水と接触したことを検知する
と、自分が海中にいると判断し、移動手法を歩行から水
泳に変更するとともに、海中の移動速度を水の抵抗を考
慮して決定する。このように、自律キャラクタは、自分
が今どこにいるかを触覚センサによって認識し、認識結
果に応じた振舞いをする。
【0033】各キャラクタには、図9に示す進化基準テ
ーブルも準備される。図9によれば、生存条件として
“満腹感”,“活力”および“気分”の3つのパラメー
タが存在し、各パラメータの閾値(生存可能かどうかを
決定する閾値)は、オペレータによって任意に調整され
る。
【0034】各キャラクタが持つ“満腹度”,“活力”
および“気分”のパラメータ値は、キャラクタの行動と
ともに変化する。たとえば、好物のエサを見つけて食べ
れば、キャラクタは満腹になり、元気になり、ハッピー
になる。逆に、長時間にわたってエサを発見できなけれ
ば、キャラクタは、空腹となり、疲労が重なり、さらに
不機嫌になる。“満腹感”,“活力”および“気分”の
パラメータ値が低下し、いずれか1つのパラメータ値が
生存条件の閾値を下回ると、キャラクタは死亡(消滅)
する。ここで、死亡するキャラクタは自律キャラクタに
限られない。つまり、マニュアルモードで行動するキャ
ラクタも、パラメータ値が生存条件を下回った時点で死
亡する。
【0035】各々のキャラクタは、死亡を契機として進
化する。つまり、キャラクタの死亡の直後に、生存する
残りのキャラクタのいずれか1つ(優秀なキャラクタが
選ばれる確率が高い)の遺伝子を引き継ぐキャラクタが
生成され、仮想空間に再現される。このとき、次世代の
キャラクタが持つ遺伝子には、親のキャラクタの遺伝子
に対して突然変異が生じる可能性がある。この突然変異
率を決定するのが、図9の進化基準テーブルに設定され
た突然変異率である。突然変異率のパラメータとして
は、“点突然変異”および“優位度突然変異”の2つが
存在し、これらのパラメータの閾値もまた、オペレータ
によって任意に調整される。この点突然変異率および優
位度突然変異率については、後述する。
【0036】各々のキャラクタには、図10に示す遺伝
子プログラムが設定されている。この遺伝子プログラム
は、キャラクタの行動様式を決定するルールを任意に作
成するためのルールメニューテーブル48,キャラクタ
の生成時に各ルールに突然変異を起こさせるかどうか
(突然変異のロック/アンロック)を設定するための突
然変異ロック設定テーブル50,ルールメニューテーブ
ル48を操作して作成されたルール(突然変異のロック
/アンロックを含む)を格納するためのルールテーブル
52,ルールテーブル52へのルールの追加を命令する
ためのアイコン54およびルールテーブル52からのル
ールの削除を命令するためのアイコン56からなる。
【0037】ルールメニューテーブル48には、“入
力”,“状態”および“出力”の3つの項目が設けられ
る。“入力”に関するパラメータとしては、能動化する
センサの種別32,能動化されたセンサによる検出物体
34および視覚センサの検出距離36の3つがある。ま
た、状態に関するパラメータとしては、自分が存在する
場所38,満腹感40,活力42および気分44の4つ
がある。さらに、出力に関するパラメータとしては、キ
ャラクタの行動46がある。
【0038】ここで、センサ種別32としては“1:視
覚センサ”および“2:触覚センサ”があり、検出物体
34としては“A:民家のドア”,“B:別のキャラク
タ”,“C:岩”,“D:円盤”,“E:海面”,
“F:りんご”,“G:みかん”,“H:バナナ”およ
び“I:魚”があり、検出距離36としては“1:近
い”および“2:遠い”がある。検出距離36の設定
は、視覚センサが能動化されたときにのみ有効となる。
また、場所38としては“A:民家”,“B:海中”,
“C:岩の上”および“D:円盤の上”があり、満腹感
40としては“1:満腹”および“2:空腹”があり、
活力42としては“1:元気いっぱい”および“2:疲
れた”があり、気分46としては“1:ハッピー”およ
び“2:不機嫌”がある。さらに、動作としては、
“A:歩き回る”,“B:近づく”,“C:後ずさ
り”,“D:休む”,“E:出入りする”,“F:飛
ぶ”,“G:ひろう”,“H:おく”,“I:食べ
る”,“J:殴る”および“K:逃げる”がある。この
ようなルールメニューテーブル48からマウス28によ
って所望の項目を選択することで、自律キャラクタの行
動様式を決定するルールが作成される。
【0039】なお、センサ種別32,検出距離36,場
所38,満腹感40,活力42および気力44について
は、必ずしもパラメータを選択する必要はない。この場
合、選択されなかったパラメータ値は“*”となり、ト
ランプのワイルドカードと同様に機能する。たとえば、
“場所”について“A:民家”を設定する一方、“満腹
感”,“活力”および“気力”についてはいずれのパラ
メータも選択しなかった場合、キャラクタは、民家に移
動したとき、満腹感,活力および気力に関係なく所定の
物体(たとえばバナナ)の検出に対して所定の行動(た
とえば食べる)をとる。
【0040】突然変異ロックテーブル50を操作すれ
ば、作成された各々のルールに対して“点突然変異”お
よび“優位度突然変異”を起こさせるかどうかを任意に
設定できる。“点突然変異”とはルールを構成する複数
の項目が示す内容の無作為な変異を意味し、“優位度突
然変異”とは設定された複数のルールの優位度(順位)
の無作為な変異を意味する。突然変異ロックテーブル5
0では、“点突然変異”および“優位度突然変異”の各
々のパラメータについてロック/アンロックを設定でき
る。この設定操作も、マウス28によって行われる。
【0041】“点突然変異”のみをロックしたときは、
ロックされたルールの内容は変異されないが、ルールの
順位が変異される可能性がある。逆に、“優位度突然変
異”のみをロックしたときは、ロックされたルールの順
位は変異されないが、ルールの内容が変異される可能性
がある。また、“点突然変異”および“優位度突然変
異”の両方をロックしたときは、このルールについては
内容および順位のいずれも変異されることはない。これ
対して、“点突然変異”および“優位度突然変異”のい
ずれもロックしなかったときは、このルールについては
内容および順位のいずれも変異される可能性がある。
【0042】なお、“点突然変異”のみをロックしたと
きのパラメータ値は“1”であり、“優位度突然変異”
のみをロックしたときのパラメータ値は“2”である。
また、点突然変異”および“優位度突然変異”の両方を
ロックしたときのパラメータ値は“3”であり、点突然
変異”および“優位度突然変異”のいずれもロックしな
かったときのパラメータ値は“*”である。つまり、突
然変異ロックテーブル50についてもパラメータの選択
は必ずしも必要ではなく、このとき、突然変異について
はワイルドカードと同様に扱われ、対応するルールは点
突然変異および優位度突然変異の両方を施される。
【0043】このようにしてルールの作成および突然変
異の設定が完了した後、オペレータがマウス28によっ
て“追加”のアイコンをクリックすると、作成されたル
ールおよび突然変異のパラメータがルールテーブル52
に追加される。一方、ルールテーブル52に設定された
いずれかのルールを選択して“削除”のアイコンをクリ
ックすると、選択されたルールがルールテーブルから削
除される。
【0044】たとえば、センサ種別32,検出物体34
および検出距離36の各々から“1:視覚センサ”,
“H:バナナ”および“1:近い”を選択し、場所3
8,満腹感40,活力42および気力44の各々から
“A:民家”,“2:空腹”,“2:疲れた”および
“2:不機嫌”を選択し、行動46から“I:食べる”
を選択し、“点突然変異”のみをロックし、その後マウ
ス28によって“追加”のアイコン54をクリックする
と、“1H1:A222:I:3”がルールテーブル5
2に設定される。
【0045】各自律キャラクタは、自分のルールテーブ
ル52に設定された複数のルールに基づいて行動様式を
決定する。確率論に従って行動様式を決定する場合は、
まず現時点のキャラクタの入力および状態と設定された
各々のルールの入力および状態との間でマッチングをと
り、各ルールのマッチング得点を求める。このとき、マ
ッチング得点には優位度に応じた重み付けが施される
が、ルールに“*”が含まれているときは、低い得点が
与えられる。続いて、各マッチング得点の総和を求め、
この総和に占める各マッチング得点の割合を算出する。
その後、算出した割合に応じて各ルールに重み付けを施
し、この重み付けを考慮していずれかのルールを無作為
に抽出する。自律キャラクタは、抽出されたルールに応
じた行動を取る。
【0046】一方、決定論に従って行動様式を決定する
場合は、優位度が高いルールから順にマッチング得点を
算出していき、マッチング得点が所定の閾値を超えたと
きにこのマッチング得点に対応するルールを採用する。
自律キャラクタは、採用されたルールに応じた行動を取
る。
【0047】CPU12は、具体的には図11〜図18
に示すフロー図(3次元グラフィックソフト)を処理す
る。
【0048】まず図11に示すメインルーチンを参照し
て、ステップS1では図3に示す3次元仮想空間をメモ
リ14のワークエリア(図示せず)上に形成する。ステ
ップS3では3次元仮想空間に再現されるキャラクタの
個体数(生存個体数)nを初期値Noに設定し、続くス
テップS5では消滅(死亡した)キャラクタの個体数
(消滅個体数)dを“0”とする。初期値Noはたとえ
ば“3”である。また、各キャラクタは所定の生存条件
を満たさなくなったときに死亡するため、個体数dは各
キャラクタの死亡に応じてインクリメントされる。続い
て、ステップS7でn個の自律キャラクタを3次元仮想
空間内に再現し、ステップS9で所定のキャラクタにマ
ニュアルモードを設定し、ステップS11で仮想カメラ
をマニュアルモードのキャラクタの頭上に配置する。
【0049】ステップS7ではたとえば“トリ”,“カ
ッパ”および“女の子”の自律キャラクタを1つずつ再
現し、各キャラクタに“0”,“1”および“2”の識
別番号を割り当てる。なた、ステップS9ではたとえば
“女の子”にマニュアルモードを設定する。このため、
“トリ”および“カッパ”は自律的に3次元仮想空間内
を行動するが、“女の子”はオペレータから命令に応じ
て3次元仮想空間内を行動する。さらに、仮想カメラは
当初“女の子”の頭上に配置され、ディスプレイ22に
は“女の子”から見た3次元仮想空間が再現される。
“トリ”,“カッパ”および“女の子”がたとえば図3
に示すように民家の中に存在する場合、ディスプレイ2
2には図4に示す映像が表示される。
【0050】ステップS13ではオペレータから動作命
令が与えられたかどうか判断し、ステップS17ではオ
ペレータによって別のキャラクタが選択されたかどうか
を判断する。動作命令の入力および別のキャラクタの選
択のいずれも、キーボード22またはマイク26を通し
て行われる。
【0051】動作命令が入力されるとステップS13で
YESと判断し、ステップS15で動作処理を行う。た
とえば、キーボード24に設けられた“↑”キーが押さ
れると“女の子”を前方に移動させ、同じキーボード2
4に設けられた“↓”キーが押されると“女の子”を後
方に移動させる。また、地面の上にフルーツが落ちてい
るときにマイク26を通して“拾え”との音声メッセー
ジを入力すると、“女の子”にフルーツを拾わせる。動
作処理が完了すると、ステップS13に戻る。このよう
に、マニュアルモードが設定されたキャラクタは、オペ
レータの命令に応じた振舞いをする。
【0052】別のキャラクタが選択されるとステップS
17からステップS19に進み、自律/マニュアルのモ
ード設定を変更する。つまり、現時点でマニュアルモー
ドが設定されているキャラクタを自律モードに変更する
とともに、選択されたキャラクタを自律モードからマニ
ュアルモードに変更する。モード変更処理が完了する
と、ステップS11に戻る。したがって、“女の子”に
マニュアルモードが設定されている状態で“オペレータ
がマイク26に向かってたとえば“カッパ”と叫ぶと、
“女の子”に自律モードが設定されるとともに、“カッ
パ”にマニュアルモードが設定される。このため、“女
の子”は自律的に動作し、“カッパ”はオペータの命令
に従って動作する。さらに、ステップS11の処理によ
って、仮想カメラは“カッパ”の頭上に配置される。こ
のため、“トリ”,“カッパ”および“女の子”が図3
に示すように位置する場合、ディスプレイ22には図5
に示す“トリ”と“女の子”の映像が表示される。
【0053】ステップS21ではオペレータから終了指
示が与えられたかどうか判断する。ここでNOであれば
ステップS13に戻るが、YESであればステップS2
3で所定の終了処理を行ってから処理を終了する。
【0054】図12は、メインルーチンの処理の途中で
所定期間おきに実行されるタイマ割り込みルーチンであ
る。まずステップS31でカウント値iを“0”に設定
し、ステップS33でi番目のキャラクタが生存条件を
満足しているかどうか判断する。上述のように、各々の
キャラクタには図9に示す進化基準テーブルが割り当て
られており、各キャラクタの満腹感,活力および気分は
行動とともに変化する。ステップS33では、注目する
キャラクタの満腹感,活力および気分を閾値と比較し、
どれか1つの項目が閾値を下回っていれば、生存条件を
満たしていないとみなしてステップS35に進む。ステ
ップS35では、注目するキャラクタを仮想空間から消
去し、ステップS37では消滅個体数dをインクリメン
トし、ステップS37の処理が完了するとステップS3
9に進む。一方、注目するキャラクタについて満腹感,
活力および気分の全ての項目が閾値を上回っていれば、
ステップS33で生存条件を満たしているとみなして、
そのままステップS39に進む。
【0055】ステップS39ではカウント値iが“n−
1”に達したかどうか判断し、NOであれば、ステップ
S41でカウント値iをインクリメントしてからステッ
プS33に戻る。全てのキャラクタについての生存条件
の判別処理が完了すると、ステップS39でYESと判
断し、ステップS45で乱数rを決定するとともに、ス
テップS47でr個のキャラクタを生成する。ここで、
乱数rは0≦r≦NMA X−(n−d)の条件を満たすよ
うに無作為に決定された整数であり、生存個体数nがN
MAXを超えることはない。キャラクタの生成処理を終え
ると、ステップS47で生存個体数nを“n+r”に更
新してからメインルーチンに復帰する。
【0056】ステップS45におけるr個のキャラクタ
の生成処理(進化処理)は、図13および図14に示す
サブルーチンに従う。まずステップS51で乱数rの値
を判別し、r=0であればそのまま図12に示すサブル
ーチンに復帰する。一方、r>0であれば、ステップS
53でカウント値iを“0”とし、ステップS55でi
番目のキャラクタの評価値Fiを算出する。算出される
評価値Fiは、i番目のキャラクタが単位時間あたりに
発見できるエサの数に応じて高くなる。ステップS57
ではカウント値iが“n−1”に達したかどうか(生存
中の全てのキャラクタについて評価値Fiを算出したか
どうか)を判断し、NOであればステップS59でカウ
ント値iをインクリメントしてからステップS55に戻
る。一方、ステップS57でYESであればステップS
61に進み、全ての評価値Fi(0≦i≦n−1)を積
算して総評価値ΣFを算出する。
【0057】ステップS63ではカウント値iを再度
“0”に設定し、ステップS65ではi番目のキャラク
タの相対評価値fiを数1に従って算出する。
【0058】
【数1】fi=Fi/ΣF 続いて、ステップS57およびS59と同様の処理をス
テップS67およびS69で行い、全てのキャラクタに
ついて相対評価値fiが求められると、ステップS71
で図17に示すような円グラフを作成する。円グラフに
形成されたn個の扇状領域には0番目からn−1番目の
各々のキャラクタ(生存中のキャラクタ)が割り当てら
れ、かつ各々の扇状領域は相対評価値fi(0≦i≦n
−1)に応じた面積を有する。図17によれば、“カッ
パ”,“トリ”および“女の子”が1つずつ仮想空間内
に存在し、“カッパ”の評価が最も高く、“トリ”およ
び“女の子”の評価はほぼ同じである。
【0059】円グラフが作成されると、ステップS73
でカウント値iに“0”を設定し、ステップS75で円
グラフからいずれか1つのキャラクタを選択する。具体
的には、回転している円グラフに矢を射る要領でいずれ
かの扇状領域に割り当てられたキャラクタを選択する。
これによって、生成される(進化後の)キャラクタの種
類(“女の子”であるか、“トリ”であるか、“カッ
パ”であるか)が特定される。
【0060】キャラクタの種類が特定されると、ステッ
プS77で突然変異処理のベースとなる遺伝子プログラ
ムを特定する。特定される遺伝子プログラムは、ステッ
プS75で選ばれたキャラクタに割り当てられているプ
ログラムである。遺伝子プログラムが特定されると、ス
テップS79よびS81の各々で点突然変異処理および
優位度突然変異処理を行う。つまり、特定された遺伝子
プログラムのルールテーブル52に設定されたルールの
内容および順位を無作為に変異させ、新規の遺伝子プロ
グラムを作成する。作成された遺伝子プログラムは、ス
テップS75で特定されたキャラクタの行動様式を決定
するためのプログラムである。ステップS83ではこの
ようにして生成されたキャラクタを3次元仮想空間に追
加し、追加処理が完了するとステップS85でカウント
値iを“r−1”と比較し、i<r−1であればステッ
プS87でカウント値iをインクリメントしてからステ
ップS75に戻る。このため、カウント値iが“r−
1”に達するまでステップS75〜S85の処理が繰り
返される。r個のキャラクタが仮想空間に追加されると
ステップS85でYESと判断し、図12に示すサブル
ーチンに復帰する。
【0061】ステップS79における点突然変異処理
は、図15に示すサブルーチンに従う。まずステップS
91でカウント値iを“0”に設定し、ステップS93
で遺伝子プログラムのルールテーブル52からi番目の
ルールに関する点突然変異の設定状態を検出する。ステ
ップS95では検出された設定状態がロック/アンロッ
クのいずれであるか判別し、ロック状態であればステッ
プS111に、アンロック状態であればステップS97
にそれぞれ進む。
【0062】ステップS97では各ルールを構成する項
目(全部で8つ)をカウントするカウント値jを“0”
に設定し、続くステップS99では乱数r(0≦r≦1
の実数)を無作為に決定する。乱数rが決定されるとス
テップS101で図9に示す進化基準テーブルから点突
然変異率μを検出し、ステップS103で乱数rを点突
然変異率μと比較する。ここで、μ≦rであればそのま
まステップS107に進むが、μ>rであればステップ
S105で注目するルールのj番目に位置する項目の内
容を無作為に変更してからステップS107に進む。ス
テップS107ではカウント値jが“m−1(=7)”
に達したかどうか判断し、NOであれば、ステップS1
09でカウント値jをインクリメントしてからステップ
S109に戻る。注目するルールの全ての項目について
ステップS99〜S109の処理が実行されると、ステ
ップS107からステップS111に進む。
【0063】ステップS111ではカウント値iが“k
−1”に達したかどうか判断する。ここで“k”はルー
ルテーブル52に設定されたルールの総数であり、ステ
ップS111でNOであればカウント値iをインクリメ
ントしてからステップS93に戻る。このため、i=k
−1となるまでステップS93〜S113の処理が繰り
返され、ステップS111でYESと判断されると、全
てのルールに対する点突然変異処理が完了したとみなし
て、図14に示すサブルーチンに復帰する。
【0064】ステップS81における優位度突然変異処
理は、図16に示すサブルーチンに従う。まずステップ
S121でカウント値iを“0”に設定し、ステップS
123でi番目のルールについて優位度突然変異の設定
状態を検出する。ステップS125では検出された設定
状態がロック/アンロックのいずれであるか判別し、ロ
ック状態であればそのままステップS141に進むが、
アンロック状態であればステップS127〜S139の
処理を経てステップS141に進む。
【0065】ステップS127では乱数r(0≦r≦1
の実数)を無作為に決定し、ステップS129では図9
に示す進化基準テーブルから優位度突然変異率νを検出
する。乱数rおよび優位度突然変異率νが得られると、
ステップS131で各々のパラメータを比較する。ここ
でν>rであれば、ステップS133で乱数m(0≦m
≦k−1の整数)を無作為に決定し、ステップS135
でm番目のルールについて優位度突然変異の設定状態を
検出し、検出された設定状態がロック/アンロックのい
ずれであるかをステップS137で判別する。判別結果
がロック状態を示せばステップS133およびS135
を再度処理するが、判別結果がアンロック状態を示せ
ば、ステップS139でi番目のルールとm番目のルー
ルとを入れ替える。入れ替え処理が完了すると、ステッ
プS141に進む。なお、ステップS131でν≦rと
判断されたときは、ステップS133〜S139の処理
を行うことなくステップS141に進む。
【0066】ステップS141ではカウント値iが“k
−1”に達したかどうか判断し、NOであればステップ
S143でカウント値iをインクリメントしてからステ
ップS123に戻る。一方、ステップS141でYES
であれば、図14に示すサブルーチンに復帰する。
【0067】以上の説明から分かるように、マニュアル
モード(手動制御方式)で行動する1つのキャラクタ
と、自律モード(自律制御方式)で行動する複数のキャ
ラクタが、3次元仮想空間に再現される。仮想カメラは
マニュアルモードのキャラクタの頭上に配置され、ディ
スプレイには、仮想カメラを通して撮影された3次元仮
想空間が表示される。ここで、自律モードのキャラクタ
のいずれか1つを選択すると、選択された自律モードの
キャラクタがマニュアルモードに切り換えるとともに、
マニュアルモードのキャラクタが自律モードに切り換え
る。仮想カメラの配置は、モード切り換えに応じてマニ
ュアルモードのキャラクタの頭上に移動する。このよう
に、キャラクタのモード切り換えに応じて仮想カメラの
配置も変更するようにしたため、モニタに表示される仮
想空間をダイナミックに変化させることができる。
【0068】また、仮想空間に再現されているあるキャ
ラクタが生存条件を具備できずに消滅した場合、生き残
っているいずれかのキャラクタの行動様式を決定するル
ールがロック/アンロックの設定に応じて変異され、変
異されたルールが進化後のキャラクタに適用される。つ
まり、ルールがロック状態に設定されていれば、このル
ールがそのまま進化後のキャラクタに適用されるが、ル
ールがアンロック状態に設定されていれば、このルール
を無作為に変異させて生成されたルールが進化後のキャ
ラクタに適用される。進化後のキャラクタは、生成され
たルールに基づいて仮想空間内を行動する。
【0069】このように、消滅したキャラクタの行動様
式を決定するルールがアンロック状態に設定されていれ
ば、このルールを無作為に変異させて新規のルールが生
成され、生成されたルールに基づいた行動様式を持つキ
ャラクタが仮想空間に再現される。このため、仮想空間
に新しく再現されるキャラクタの行動様式に自由度を持
たせることができる。
【0070】ここで、アンロック状態のルールを変異さ
せる確率(突然変異率)は任意に調整可能であり、進化
後のキャラクタに適用されるルールは、調整された突然
変異率に基づいて変異される。
【0071】また、各ルールについては、内容または順
位についてロック状態およびアンロック状態のいずれか
一方に設定できる。内容がアンロック状態であればその
ルールの内容が無作為に変異され、順位がアンロック状
態であればそのルールの順位が無作為に変異される。
【0072】なお、この実施例では、単一のディスプレ
イに3次元仮想空間を再現するようにしたが、複数の3
次元グラフィック装置を通信ネットワークを介して互い
に接続し、各々の3次元グラフィック装置のディスプレ
イに共通の3次元仮想空間を再現するようにしてもよ
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の内部構成を示すブロック図である。
【図2】3次元仮想空間の一例を示す図解図である。
【図3】3次元仮想空間の他の一例を示す図解図であ
る。
【図4】女の子から見た3次元仮想空間を示す図解図で
ある。
【図5】カッパから見た3次元仮想空間を示す図解図で
ある。
【図6】トリから見た3次元仮想空間を示す図解図であ
る。
【図7】女の子に設定された視覚センサおよび触覚セン
サを示す図解図である。
【図8】視覚センサ特性テーブルの一例を示す図解図で
ある。
【図9】進化基準テーブルの一例を示す図解図である。
【図10】遺伝子プログラムの一例を示す図解図であ
る。
【図11】図1実施例に適用される3次元グラフィック
ソフトのメインルーチンを示すフロー図である。
【図12】図1実施例に適用される3次元グラフィック
ソフトのタイマ割り込みルーチンを示すフロー図であ
る。
【図13】図1実施例に適用される3次元グラフィック
ソフトのキャラクタ処理ルーチンの一部を示すフロー図
である。
【図14】図1実施例に適用される3次元グラフィック
ソフトのキャラクタ処理ルーチンの他の一部を示すフロ
ー図である。
【図15】図1実施例に適用される3次元グラフィック
ソフトの点突然変異処理ルーチンを示すフロー図であ
る。
【図16】図1実施例に適用される3次元グラフィック
ソフトの優位度突然変異処理ルーチンを示すフロー図で
ある。
【図17】図1実施例に適用される円グラフの一例を示
す図解図である。
【符号の説明】
10…3次元グラフィック装置 12…CPU 14…メモリ 16…ディスクドライブ 22…ディスプレイ 24…キーボード 26…マイク 28…マウス 30…記録媒体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 和田 佳子 京都府相楽郡精華町光台二丁目2番地2 株式会社エイ・ティ・アール人間情報通信 研究所内 (72)発明者 中口 孝雄 京都府相楽郡精華町光台二丁目2番地2 株式会社エイ・ティ・アール人間情報通信 研究所内 Fターム(参考) 2C001 BA00 BA01 BA02 BA05 BB05 BB08 BC00 BC10 CA09 CB01 CC02 5B050 BA07 BA08 BA09 CA07 FA02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1ルールに基づいた行動様式を持つ第1
    自律キャラクタを仮想空間に再現する第1再現手段、 前記第1ルールをロック状態またはアンロック状態に設
    定する状態設定手段、 前記第1ルールが前記ロック状態のとき前記第1ルール
    と所定関係を持つ第2ルールを生成する第1生成手段、 前記第1ルールが前記アンロック状態のとき前記第1ル
    ールを無作為に変異させて前記第2ルールを生成する第
    2生成手段、および前記第2ルールに基づいた前記行動
    様式を持つ第2自律キャラクタを前記仮想空間に再現す
    る第2再現手段を備える、自律キャラクタ再現装置。
  2. 【請求項2】前記アンロック状態の前記第1ルールを変
    異させる確率を任意に設定する確率設定手段をさらに備
    え、 前記第2生成手段は前記確率に基づいて前記第1ルール
    を無作為に変異させる、請求項1記載の自律キャラクタ
    再現装置。
  3. 【請求項3】前記状態設定手段は前記第1ルールの内容
    を前記ロック状態および前記アンロック状態のいずれか
    一方に設定する内容設定手段を含み、 前記第2生成手段は前記内容設定手段によって前記アン
    ロック状態に設定された前記第1ルールの前記内容を無
    作為に変異させる内容変異手段を含む、請求項請求項1
    または2記載の自律キャラクタ再現装置。
  4. 【請求項4】前記第1ルールは複数存在しかつ順位が割
    り当てられ、 前記状態設定手段は各々の前記第1ルールの順位を前記
    ロック状態および前記アンロック状態のいずれか一方に
    設定する順位設定手段を含み、 前記第2生成手段は前記順位設定手段によって前記アン
    ロック状態に設定された前記第1ルールの前記順位を無
    作為に変異させる順位変異手段を含む、請求項1ないし
    3のいずれかに記載の自律キャラクタ再現装置。
  5. 【請求項5】前記第1自律キャラクタが所定の条件を満
    たすかどうかを判別する判別手段、および前記所定の条
    件を満たさないときに前記第1自律キャラクタを前記仮
    想空間から消滅させる消滅手段をさらに備え、 前記第2再現手段は前記第1自律キャラクタが消滅した
    ときに前記第2自律キャラクタを前記仮想空間に再現す
    る、請求項1ないし4のいずれかに記載の自律キャラク
    タ再現装置。
  6. 【請求項6】第1ルールに基づいた行動様式を持つ第1
    自律キャラクタを仮想空間に再現する手順、 前記第1ルールがロック状態およびアンロック状態のい
    ずれに設定されているかを判別する手順、 前記第1ルールがロック状態のとき前記第1ルールと所
    定関係を持つ第2ルールを生成する手順、 前記第1ルールがアンロック状態のとき前記第1ルール
    を無作為に変異させて前記第2ルールを生成する手順、
    および前記第2ルールに基づいた前記行動様式を持つ第
    2自律キャラクタを前記仮想空間に再現する手順、 をコンピュータに実行させるプログラムを記録した、コ
    ンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  7. 【請求項7】手動制御方式で動作する1つの手動キャラ
    クタならびに自律制御方式で動作する複数の自律キャラ
    クタを3次元仮想空間に再現する再現手段、 前記手動キャラクタに仮想カメラを配置する配置手段、 前記仮想カメラを通して撮影された前記3次元仮想空間
    をモニタに表示する表示手段、 前記複数の自律キャラクタのいずれか1つを選択する選
    択手段、および前記選択手段によって選択された前記自
    律キャラクタの制御方式を前記手動制御方式に切り換
    え、かつ前記手動キャラクタの制御方式を自律制御方式
    に切り換える切り換え手段を備える、仮想空間表示装
    置。
  8. 【請求項8】手動制御方式で動作する1つの手動キャラ
    クタならびに自律制御方式で動作する複数の自律キャラ
    クタを3次元仮想空間に再現する手順、 前記手動キャラクタに仮想カメラを配置する手順、 前記仮想カメラを通して撮影された前記3次元仮想空間
    をモニタに表示する手順、 前記複数の自律キャラクタのいずれか1つを選択する手
    順、および選択された前記自律キャラクタの制御方式を
    前記手動制御方式に切り換え、かつ前記手動キャラクタ
    の制御方式を自律制御方式に切り換える手順、 をコンピュータに実行させるプログラムを記録した、コ
    ンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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