JP2002049261A - 定着ローラ及び定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

定着ローラ及び定着装置及び画像形成装置

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JP2002049261A
JP2002049261A JP2000236974A JP2000236974A JP2002049261A JP 2002049261 A JP2002049261 A JP 2002049261A JP 2000236974 A JP2000236974 A JP 2000236974A JP 2000236974 A JP2000236974 A JP 2000236974A JP 2002049261 A JP2002049261 A JP 2002049261A
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Shuji Motomura
修二 本村
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電磁誘導により加熱する際の立ち上がり時間を
短くでき、しかも機械的強度も確保することができる定
着ローラ及びその定着ローラを備えた定着装置を提供す
る。 【解決手段】本発明の定着ローラ1は、円筒形剛体11
と、該円筒形剛体の外側に設けた低熱伝導性材料からな
る断熱層12と、その断熱層12の外側に設けた導電性
材料からなる導電体層13と、さらにその導電体層の外
側に設けた離型層14とから構成され、離型層14の外
周面に対向して設けられ導電体層13を誘導加熱する誘
導加熱源2を備えた構成としたものである。また、本発
明の定着装置は、上記の構成の定着ローラ1と、該定着
ローラ1に圧接する加圧ローラ3を備え、記録材面上に
形成された未定着画像を定着ローラ1と加圧ローラ3に
より加熱・加圧して永久固着画像として記録材面上に定
着する構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、ファクシ
ミリ、プリンタ、プロッタ、印刷機等に応用される電子
写真方式の画像形成装置において、紙等の記録材面上に
形成された加熱溶融性のトナー等からなる画像を、加熱
・加圧して永久固着画像として記録材面上に定着する定
着装置に関し、特に、加熱手段を有する定着ローラと、
その定着ローラを用いた定着装置、及びその定着装置を
備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式の画像形成装置において
は、感光体等の像担持体上に静電潜像を形成し、該静電
潜像を現像装置のトナーで現像して可視像化した後、該
可視像(トナー像)を紙等の記録材面上に静電転写する
が、像担持体から記録材面上に静電転写されたトナーは
簡単に剥がれ落ちるので、記録材面上のトナーを加熱あ
るいは加圧することにより記録材面に永久的に固着させ
ることが必要となる。一般にこの工程は定着プロセスと
呼ばれており、定着プロセスには色々な方法があるが、
そのうちで、熱ローラ定着方式が、熱効率が高く安全で
かつ安定的に記録材を搬送できる等の理由で最も広く使
われている。これは、2つのローラを圧接し、そのうち
の少なくとも一方のローラを加熱し、この2つのローラ
の圧接部分(ニップ部と呼ぶ)に未定着トナー像とその
支持体(紙やOHPシートなどの記録材)を通過させる
ことにより、未定着トナーを加熱し支持体(記録材)に
定着させる方式である。
【0003】上記のような熱ローラ定着方式では、通常
は2つのローラのうちの一方のみを加熱し、支持体の2
つの面のうち未定着トナー像が乗った面が加熱する方の
ローラの側に位置するように、2つのローラの間のニッ
プ部に未定着トナー像とその支持体を通す。この場合、
加熱する方のローラを定着ローラと呼び、他方のローラ
を加圧ローラと呼んでいる。定着ローラを加熱する手段
としては、定着ローラの内部空間に軸方向に配設したハ
ロゲンランプを用いるのが最も一般的である。また、定
着ローラの外側表面にはサーミスタや熱電対等の温度セ
ンサーが取り付けられており、ニップ部の温度が定着に
適した温度に維持されるように、熱源への電力供給が制
御される。
【0004】近年、定着装置の省エネルギー化が重視さ
れてきており、電気−熱変換効率が良いという点に着目
して電磁誘導加熱を定着ローラの加熱手段として用いた
定着装置が提案されている。これは、交番磁界中に導電
体を置くと電磁誘導により導電体中に渦電流が流れ、そ
の渦電流により発生するジュール熱により導電体が発熱
する現象を利用して定着ローラを加熱するものである。
すなわち、定着ローラの芯金を導電体で構成し、定着ロ
ーラの内部空間あるいは外部空間に交番磁界を発生させ
るための磁界発生コイルを置いて、定着ローラに磁束を
浸透させて渦電流を生じさせる方式である。この電磁誘
導加熱方式の定着装置としては、例えば特開平10−6
3126号公報に記載されたものが知られているが、該
公報に記載されているように磁界発生コイルを定着ロー
ラの外部空間に置く場合は、加熱対象場所である定着ロ
ーラの外側表面を直接加熱でき、また、磁界発生コイル
を定着ローラの内部に置いた場合に生じる磁界発生コイ
ルの自己発熱による定着ローラ内部の過度の昇温を避け
ることができるという利点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】定着装置に用いられる
定着ローラは所定の熱容量を持っているため、電磁誘導
加熱を開始してから定着ローラを所定の温度に到達させ
るまでにある程度の時間(立ち上げ時間)が必要であ
る。このため定着ローラの肉厚を薄くして定着ローラの
熱容量を減らすことにより立ち上げ時間を短くする試み
がなされているが、機械的強度の点から、定着ローラの
芯金を鉄で作製した場合でも厚さ0.3mm程度が薄肉
化の限界である。そこで、さらに熱容量を減らして立ち
上がり時間を短くするために、定着ローラに代えて薄肉
の金属スリーブあるいは導電性フィルムを電磁誘導によ
り加熱する方式が提案されている(特開平10−740
07号公報、特開平7−114276号公報参照)。し
かし、これらの方式は、定着ローラに比べて搬送の安定
性や耐久性が劣り、構成も複雑になる。
【0006】本発明は上記事情に鑑みなされたものであ
って、電磁誘導により加熱する際の立ち上がり時間を短
くでき、しかも機械的強度も確保することができる新規
な構造の定着ローラを提供すること、及びその定着ロー
ラを使用し、強度を保つのに十分な厚さを持った定着ロ
ーラの外側表面のみを効率的に加熱することにより、省
電力かつ高効率で、立ち上がり時間が短く、搬送の安定
性が高く、耐久性が高く、構造が単純な定着装置を提供
すること、さらにはその定着装置を備え、待機状態から
の立ち上がりが早く、定着安定性にも優れた画像形成装
置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の手段として、請求項1記載の定着ローラは、円筒形剛
体と、該円筒形剛体の外側に設けた低熱伝導性材料から
なる層と、その低熱伝導性材料からなる層の外側に設け
た導電性材料からなる層(導電体層)と、さらにその導
電体層の外側に設けた離型層とから構成され、前記離型
層の外周面に対向して設けられ前記導電体層を誘導加熱
する誘導加熱源を備えた構成としたものである。
【0008】請求項2記載の定着ローラは、請求項1の
構成に加えて、前記導電体層の厚さが、磁場が導電体層
内へ浸透する深さを特徴づける「表皮厚さ」以下である
ことを特徴としている。また、請求項3記載の定着ロー
ラは、請求項1または2の構成に加えて、前記導電体層
を構成する導電体が磁性体であることを特徴としてい
る。さらに請求項4記載の定着ローラは、請求項1,2
または3の構成に加えて、前記低熱伝導性材料としてシ
リコーンゴムを使用したことを特徴としている。さらに
また請求項5記載の定着ローラは、請求項1,2または
3の構成に加えて、前記低熱伝導性材料として発泡シリ
コーンゴムを使用したことを特徴としている。さらにま
た請求項6記載の定着ローラは、請求項1,2,3,4
または5の構成に加えて、前記円筒形剛体が高熱伝導性
材料からなることを特徴としている。
【0009】請求項7記載の定着装置は、定着ローラ
と、該定着ローラに圧接する加圧ローラを備え、記録材
面上に形成された未定着画像を前記定着ローラと加圧ロ
ーラにより加熱・加圧して永久固着画像として記録材面
上に定着する定着装置であり、前記定着ローラとして、
請求項1〜請求項6のうちの何れか一つに記載の定着ロ
ーラを使用した構成としたものである。また、請求項8
記載の画像形成装置は、像担持体上に静電潜像を形成
し、該静電潜像を現像して可視像化した後、該可視像を
記録材面上に転写し、その記録材面上に転写された未定
着画像を定着手段で定着して永久固着画像を得る画像形
成装置であり、前記定着手段として、請求項7に記載の
定着装置を備えた構成としたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成・動作及び作
用について図面を参照して詳細に説明する。図2は本発
明に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
図2において、符号21は光導電性感光体等からなる像
担持体であり、この像担持体21の周囲には、像担持体
21の表面を均一に帯電する帯電装置22、帯電された
像担持体21に画像情報に応じたレーザー光LB等を露
光して静電潜像を形成する光書き込み装置23、像担持
体21上の静電潜像をトナーで現像して顕像化する現像
装置24、像担持体21上のトナー画像を転写用紙等の
記録材Pに転写する転写装置25、転写後の像担持体2
1上の残留トナーや紙粉等を除去するクリーニング装置
26、像担持体21上の残留電荷を除電する除電装置2
7等が配設されている。また、この画像形成装置には、
像担持体21と転写装置25の間の転写部に記録材Pを
給紙・搬送するための給紙部28と給紙ローラ29及び
レジストローラ30と、記録材Pに転写された未定着ト
ナー画像を定着する定着装置31が設けられている。
尚、図2の構成は画像形成装置の一例でありこれに限定
されるものではなく、複数の現像装置や中間転写体を備
えたカラー画像形成装置、複数の作像ユニットを持つカ
ラー画像形成装置等も含めて電子写真方式の画像形成装
置であれば本発明を適用することができる。
【0011】図2に示すような構成の画像形成装置に用
いられる定着装置31としては、定着ローラ1と、該定
着ローラ1に圧接する加圧ローラ3を備え、記録材面上
に形成された未定着トナー像を定着ローラ1と加圧ロー
ラ3により加熱・加圧して永久固着画像として記録材面
上に定着する構成である。このような定着装置31にお
いて、本発明では、上記定着ローラ1は図1に示す構成
例のように、円筒形剛体11と、円筒形剛体11の外側
に設けた低熱伝導性材料からなる層12と、その低熱伝
導性材料からなる層12の外側に設けた導電性材料から
なる層(導電体層)13と、さらにその導電体層13の
外側に設けた離型層14とから構成され、離型層14の
外周面に対向して設けられ導電体層13を誘導加熱する
誘導加熱源2を備えた構成とした。以下、本発明に係る
定着ローラ1の構成についてより詳しく説明する。
【0012】透磁率がμ、導電率がσである物体を周波
数がωである振動磁場の中に置くと、磁場及び振動磁場
によって誘起される電場は、物体の表面から下記の式
(1)で表される深さδの程度だけ進入することが知ら
れている。 δ=√(2/σμω) (1) このδは、一般に「表皮厚さ」あるいは「表皮深さ」と
呼ばれているが、ここでは「表皮厚さ」と呼ぶことにす
る。この表皮厚さδより深いところでは、磁場および電
場は、表面でのそれらの値の1/e以下になる。したが
って渦電流による発熱も表面からこの深さの程度の範囲
で生じる。この表皮厚さδは、周波数30kHzでは、
鋼の場合約0.1mmであり、銅の場合約0.4mmで
あり、アルミニウムの場合約0.6mmである。
【0013】定着ローラの芯金を誘導加熱する場合、発
熱量を確保するという点からは、定着ローラの芯金の厚
さは、この表皮厚さδの程度あればよく、それ以上厚く
しても発熱量の増加量は小さい。一方、定着ローラの芯
金を厚くすると、それに比例して定着ローラの熱容量が
増える。したがって、この表皮厚さδの程度よりも定着
ローラの芯金を厚くすることは、定着ローラの温度上昇
速度を遅くさせることになる。定着ローラの温度上昇速
度が遅いと、定着ローラの温度を待機状態での温度から
定着可能な温度にまで所定の時間内に上昇させるには、
待機状態での温度を高く保つ必要があり、省エネルギー
という観点から望ましくない。したがって、定着ローラ
の芯金の厚さは、この表皮厚さδの程度以下が望まし
い。しかしながら、この表皮厚さδは前述のように小さ
いため、この厚さでは定着ローラに十分な強度を確保す
ることができない。
【0014】そこで本発明では、定着ローラ1の芯金層
となる円筒形剛体11を十分な強度を確保できる厚さに
し、その芯金層11の外側に低熱伝導性材料からなる断
熱層12を挟んでほぼ表皮厚さδ程度かそれ以下の厚さ
の導電体層13を設け、この導電体層13を定着ローラ
の外側に置いた誘導加熱源である磁界発生コイル2によ
り誘導加熱するようにした。尚、導電体層13を構成す
る導電体は、その磁性に着目した場合、銅のような反磁
性体、アルミニウムのような常磁性体、鉄のような強磁
性体の3種類に分けられるが、通常、強磁性体を単に磁
性体と呼び、反磁性体と常磁性体を非磁性体と呼んでい
るので、以下ではその呼び方に従うことにする。
【0015】
【実施例】次に、本発明に係る定着ローラ及びその定着
ローラを備えた定着装置のより具体的な実施例について
説明する。
【0016】(実施例1)まず、本発明の第一の実施例
について説明する。図1は本発明の一実施例を示す定着
装置の構成説明図であり、同図(a)は定着装置の長手
方向に垂直な断面を示しており、同図(b)は定着ロー
ラの長手方向に垂直な断面を示している。図1(a)に
示す構成の定着装置31は、前述したように定着ローラ
1と、誘導加熱源である磁界発生コイル2と、定着ロー
ラ1に圧接された加圧ローラ3を備えた構成であり、図
中の符号4は定着ローラ1の回転の向きを示す矢印、5
は定着ローラ1の表面温度を検知する温度検知器であ
る。また、定着ローラ1は、図1(b)に示すように、
内側から剛体層11、断熱層12、導電体層13、離型
層14の4層で構成されている。剛体層11は厚さ0.
6mmのアルミニウム円管であり、断熱層12は厚さ
0.5mmのシリコーンゴムからなる層であり、導電体
層13は厚さ0.1mmの軟鋼からなる磁性体層であ
り、離型層14は厚さ15μmのテフロン(登録商標)
からなる層である。また、定着ローラ1の外径は40m
mである。尚、図1(b)に示す各層は、分かりやすい
ように実際の厚さとは異なった厚さで描いてある。
【0017】加圧ローラ3は、芯金3aの回りに厚さ5
mmのシリコーンゴム層3bを設け、さらにその外側を
厚さ50μmのテフロンキャップ3cで覆った構造であ
る。また、定着ローラ1と加圧ローラ3は、圧接部(ニ
ップ部)のニップ幅が4mmになるように圧接してあ
る。そして定着ローラ1は、図示していない駆動手段に
より、図中の矢印4の方向に回転駆動され、その回転に
連れて加圧ローラ3が従動回転する。この定着ローラ1
と加圧ローラ3の圧接部に未定着トナー像Tを担持した
用紙等の記録材Pが搬送され、圧接部を通過している間
に熱と圧力によりトナー像Tを記録材P上に定着する。
【0018】定着ローラ1にはサーミスタや熱電対等か
らなる温度検知器5が取り付けてあり、その検知温度に
基づいて、図示しない制御機構により定着ローラ1の温
度を所定の温度に制御する。尚、温度検知器5の取付け
位置は、この図1(a)に示した位置に限るものではな
い。さらに定着ローラ1には付着した未定着トナーや紙
粉等を除去するために、図示しないクリーニング部材が
取り付けてある。また、必要に応じてシリコーンオイル
等の離型剤を塗布する手段が設けられている。尚、定着
ローラ1と加圧ローラ3の圧接部(ニップ部)の出口の
外側には、圧接部を通過して出てきた記録材Pを定着ロ
ーラ1から分離させるための分離爪(図示を省略)が設
けてある。
【0019】誘導加熱源である磁界発生コイル2は、定
着ローラ1の外周面から約5mm離して、ニップ部以外
の定着ローラ外周面のうちのニップ部入口に近い側のほ
ぼ半分を取り囲むようにして配置してある。この磁界発
生コイル2はリッツ線からなり、図示していない電源に
より30kHzの高周波電流が印加される。この高周波
電流により生成された交番磁界は定着ローラ1の導電体
層(本実施例では磁性体層)13に渦電流を発生させ
る。この渦電流により、導電体層13にジュール熱が生
じ、導電体層13が発熱する。導電体層13を構成する
磁性体は非磁性体に比べて透磁率μが著しく大きいの
で、非磁性体を導電体層に使った場合に比べて大きな渦
電流を生じさせることが容易にでき、また、ヒステリシ
ス損失による発熱も生じるため、非磁性体を導電体層に
使った場合に比べて加熱し易いという利点がある。
【0020】本実施例では磁性体層からなる導電体層1
3を薄くしたため導電体層13の熱容量が小さく、ま
た、導電体層13に接して断熱層12があるため、導電
体層13に生じた熱が剛体層(芯金層)11に拡散しに
くいため、短い時間で導電体層13の温度を定着に必要
な温度にまで高めることができる。したがって、断熱層
が無く導電体層が直接芯金層に接している場合、あるい
は導電体層が芯金層を兼ねて厚い場合に比べて、より短
い時間で導電体層13の温度が所定の定着可能温度に達
する。
【0021】ここで、定着ローラ1を線速190mm/
sで回転させながら磁性体層からなる導電体層13に1
000Wの熱を発生させたところ、ニップ部に入る手前
の位置での定着ローラ1の外側表面の温度が25℃から
出発して16秒で180℃に達した。また、180℃に
達した時点で定着ローラ1の内面の温度は133℃であ
り、導電体層13で発生した熱が芯金層(アルミニウム
円管)11に拡散するのを断熱層12が抑制しているこ
とが確認できた。また、比較例として、定着ローラ1だ
けを外径が40mmで厚さ0.6mmの軟鋼からなる芯
金層の上に厚さ15μmのテフロンからなる離型層を設
けた2層構成の定着ローラに取替えたところ、前記と同
じ位置の温度が25℃から出発して180℃に達するの
に18.5秒を要した。また、180℃に達した時点で
定着ローラの内面と外面に温度差は認められず、定着ロ
ーラの厚さ方向に均一に熱が広がっていることが確認で
きた。
【0022】本実施例の定着ローラ1では、断熱層12
の厚さが厚いほど断熱効果は高い。しかしながら、断熱
層自身が熱容量を持っているため、磁性体層からなる導
電体層13で発生した熱量は、断熱層12の温度を上げ
るためにも消費される。この熱の消費量をなるべく少な
くするには、断熱層12の厚さは薄いほど良い。従っ
て、断熱層12の熱伝導率と熱容量とを考慮して、断熱
効果と断熱層12の熱消費量とのバランスが最も適切に
なる厚さを断熱層12の最適な厚さとして選ぶ。また、
断熱層12の材料としては、熱伝導率と熱容量が共に小
さい物質が好ましい。
【0023】剛体層(芯金層)11の熱容量は剛体層1
1が厚いほど大きいので、定着ローラ1の昇温速度を高
めるという観点からは、剛体層11は薄い方が望まし
い。したがって、定着ローラ1の機械的強度を保てる範
囲内で剛体層11の厚さをなるべく薄くするのが適切で
ある。この観点から、力を受けても変形しにくい材料で
断熱層12を構成することは、剛体層11を薄くできる
ので好ましい。
【0024】尚、本実施例では、前述したように剛体層
11に熱伝導率が高い物質であるアルミニウムを使って
いるが、剛体層11にガラスやセラミックスのような熱
伝導率の低い物質を使った場合は、定着ローラ1の長手
方向に発熱量が不均一であった場合に大きな温度ムラが
生じやすい。したがって、剛体層11が熱伝導率の低い
物質からなる場合は、発熱量が不均一にならないように
誘導加熱源である磁界発生コイル2を精密に調整する必
要がある。これに対して剛体層11がアルミニウムのよ
うな熱伝導率の高い物質からなる場合は、発熱量が不均
一であっても、断熱層12を通過した熱量が剛体層11
で急速に拡散するため、剛体層11が熱伝導率の低い物
質からなる場合ほどの大きな温度ムラの発生を避けるこ
とができる。もちろん、その場合でも、断熱層12があ
るために或る程度の温度ムラは避けられないから、発熱
量が均一になるように誘導加熱源である磁界発生コイル
2を調整することが望ましい。
【0025】(実施例2)次に本発明の第二の実施例に
ついて説明する。本実施例では定着装置の基本的な構成
は図1と同様であるが、実施例1の定着ローラと違い、
導電体層13として非磁性体である銅を使った。磁界発
生コイル2は、実施例1のものよりもコイル素線の細い
低損失コイルを使用し、また、コイルの巻き数を増やし
て生成する磁力を大きくしている。また、磁界発生コイ
ル2には100kHzの高周波電流を印加した。この場
合、表皮厚さδは約0.19mmである。定着ローラ1
は、内側から、厚さ0.6mmのアルミニウム円管から
なる剛体層(芯金層)11、厚さ0.5mmのシリコー
ンゴムからなる断熱層12、厚さ0.1mmの銅からな
る導電体層13、厚さ15μmのテフロンからなる離型
層14の4層で構成した。また、定着ローラ1の外径は
実施例1と同じく40mmである。本実施例では、断熱
層12が無く厚さ0.6mmのアルミニウムの芯金層の
外側に直接銅からなる導電体層を設けた構成に比べて、
ニップ部に入る手前の位置での定着ローラ1の外側表面
の温度が25℃から出発して180℃に達する時間が5
%短縮できた。
【0026】(実施例3)次に本発明の第三の実施例に
ついて説明する。本実施例では定着装置の基本的な構成
は図1と同様であるが、実施例1の定着装置において、
定着ローラ1の剛体層11に、厚さ0.6mmのアルミ
ニウムではなく、厚さ0.3mmの鉄管を使用した。そ
の他の構成は実施例1と同じである。この定着装置にお
いて、定着ローラ1を線速190mm/sで回転させな
がら導電体層(磁性体層)13に1000Wの熱を発生
させたところ、ニップ部に入る手前の位置での定着ロー
ラ1の外側表面の温度が25℃から出発して14.5秒
で180℃に達した。
【0027】(実施例4)次に本発明の第四の実施例に
ついて説明する。本実施例では定着装置の基本的な構成
は図1と同様であるが、実施例1の定着装置において、
定着ローラ1の断熱層12のシリコーンゴムに代えて発
泡倍率250%の発泡シリコーンゴムを使用した。発泡
倍率250%の発泡シリコーンゴムの熱伝導率は、シリ
コーンゴムの熱伝導率の約6割しかなく、導電体層(磁
性体層)13の熱が断熱層12を経由して剛体層(芯金
層)11に拡散するのを防止する効果が高い。実際、こ
の定着装置において、定着ローラ1を線速190mm/
sで回転させながら導電体層(磁性体層)13に100
0Wの熱を発生させたところ、ニップ部に入る手前の位
置での定着ローラ1の外側表面の温度が25℃から出発
して12.5秒で180℃に達した。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の定
着ローラでは、円筒形剛体と、該円筒形剛体の外側に設
けた低熱伝導性材料からなる層と、その低熱伝導性材料
からなる層の外側に設けた導電性材料からなる層(導電
体層)と、さらにその導電体層の外側に設けた離型層と
から構成され、前記離型層の外周面に対向して設けられ
前記導電体層を誘導加熱する誘導加熱源を備えた構成と
したことにより、剛体層と導電体層の間に低熱伝導性材
料からなる層(断熱層)が存在するので、誘導加熱によ
り導電体層で発生した熱が剛体層に拡散しにくく、した
がって定着ローラの外側表面に近い部分のみを集中して
加熱することができるので、定着ローラの外側表面温度
を定着に必要な温度にまで高めるのに要する時間を短く
することができる。しかも、剛体層を薄くする必要が無
いので、十分な機械的強度を確保することができる。
【0029】請求項2記載の定着ローラでは、請求項1
の構成及び効果に加えて、前記導電体層の厚さが、磁場
が導電体層内へ浸透する深さを特徴づける「表皮厚さ」
以下であることにより、導電体層の発熱量を確保したま
ま導電体層の熱容量を小さくできるので、導電体層の温
度上昇速度を上げることができ、短時間で定着ローラの
外側表面の温度を所定の定着可能温度にまで高めること
ができる。また、請求項3記載の定着ローラでは、請求
項1または2の構成及び効果に加えて、前記導電体層を
構成する導電体が磁性体であることにより、磁性体は非
磁性体に比べて透磁率μが著しく大きいので、導電性材
料として非磁性体を使った場合に比べて大きな渦電流を
生じさせることが容易にでき、またヒステリシス損失に
よる発熱も生じるため、非磁性体を使った場合に比べて
加熱するのが容易になる。
【0030】さらに請求項4記載の定着ローラでは、請
求項1,2または3の構成及び効果に加えて、前記低熱
伝導性材料としてシリコーンゴムを使用したことによ
り、比較的安価でかつ耐久性の高い材料を使って、導電
体層の熱が剛体層に拡散するのを抑制でき、導電体層の
昇温速度を速くすることができる。また、請求項5記載
の定着ローラでは、請求項1,2または3の構成及び効
果に加えて、前記低熱伝導性材料として発泡シリコーン
ゴムを使用したことにより、比較的安価でかつ耐久性の
高い材料を使って、請求項4の場合よりもさらに導電体
層の熱が剛体層に拡散するのを抑制する効果を高めるこ
とができる。さらにまた請求項6記載の定着ローラで
は、請求項1,2,3,4または5の構成及び効果に加
えて、前記円筒形剛体が高熱伝導性材料からなることに
より、剛体層の熱伝導率が高いため、過度の温度ムラを
防止できる。
【0031】請求項7記載の定着装置は、定着ローラ
と、該定着ローラに圧接する加圧ローラを備え、記録材
面上に形成された未定着画像を前記定着ローラと加圧ロ
ーラにより加熱・加圧して永久固着画像として記録材面
上に定着する定着装置であり、前記定着ローラとして、
請求項1〜請求項6のうちの何れか一つに記載の定着ロ
ーラを使用した構成としたことにより、定着ローラの機
械的強度を十分に確保したままで定着装置の立ち上がり
時間を短くすることができ、省エネルギー化も図ること
ができる。
【0032】請求項8記載の画像形成装置は、像担持体
上に静電潜像を形成し、該静電潜像を現像して可視像化
した後、該可視像を記録材面上に転写し、その記録材面
上に転写された未定着画像を定着手段で定着して永久固
着画像を得る画像形成装置であり、前記定着手段とし
て、請求項7に記載の定着装置を備えた構成としたこと
により、待機状態からの立ち上がり時間を短くすること
ができ、且つ省エネルギーで定着の安定性も高い画像形
成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す定着装置の構成説明図
であり、(a)は定着装置の長手方向に垂直な断面を示
す図、(b)は定着ローラの長手方向に垂直な断面を示
す図である。
【図2】本発明に係る画像形成装置の一例を示す概略構
成図である。
【符号の説明】
1 定着ローラ 2 磁界発生コイル(誘導加熱源) 3 加圧ローラ 5 温度検知器 11 剛体層(芯金層) 12 断熱層(低熱伝導性材料からなる層) 13 導電体層(導電性材料からなる層) 14 離型層 21 像担持体 22 帯電装置 23 光書き込み装置 24 現像装置 25 転写装置 26 クリーニング装置 27 除電装置 28 給紙部 29 給紙ローラ 30 レジストローラ 31 定着装置 P 記録材 T 未定着トナー像
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05B 6/14 H05B 6/14 Fターム(参考) 2H033 AA25 AA30 AA32 BB03 BB13 BB30 BE06 3J103 AA02 AA14 AA24 BA04 BA19 FA01 GA02 GA54 GA57 GA58 GA60 HA03 HA13 HA15 HA20 HA47 3K059 AB19 AB23 AB28 AC10 AC33 AC73 AD02 AD03 AD05 AD07 AD15 AD34 AD37 CD44 CD52 CD73 CD75 CD77

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】円筒形剛体と、該円筒形剛体の外側に設け
    た低熱伝導性材料からなる層と、その低熱伝導性材料か
    らなる層の外側に設けた導電性材料からなる層(以下、
    導電体層と記す)と、さらにその導電体層の外側に設け
    た離型層とから構成され、前記離型層の外周面に対向し
    て設けられ前記導電体層を誘導加熱する誘導加熱源を備
    えたことを特徴とする定着ローラ。
  2. 【請求項2】請求項1記載の定着ローラにおいて、 前記導電体層の厚さが、磁場が導電体層内へ浸透する深
    さを特徴づける「表皮厚さ」以下であることを特徴とす
    る定着ローラ。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の定着ローラにおい
    て、 前記導電体層を構成する導電体が磁性体であることを特
    徴とする定着ローラ。
  4. 【請求項4】請求項1,2または3記載の定着ローラに
    おいて、 前記低熱伝導性材料としてシリコーンゴムを使用したこ
    とを特徴とする定着ローラ。
  5. 【請求項5】請求項1,2または3記載の定着ローラに
    おいて、 前記低熱伝導性材料として発泡シリコーンゴムを使用し
    たことを特徴とする定着ローラ。
  6. 【請求項6】請求項1,2,3,4または5記載の定着
    ローラにおいて、 前記円筒形剛体が高熱伝導性材料からなることを特徴と
    する定着ローラ。
  7. 【請求項7】定着ローラと、該定着ローラに圧接する加
    圧ローラを備え、記録材面上に形成された未定着画像を
    前記定着ローラと加圧ローラにより加熱・加圧して永久
    固着画像として記録材面上に定着する定着装置におい
    て、 前記定着ローラとして、請求項1〜請求項6のうちの何
    れか一つに記載の定着ローラを使用したことを特徴とす
    る定着装置。
  8. 【請求項8】像担持体上に静電潜像を形成し、該静電潜
    像を現像して可視像化した後、該可視像を記録材面上に
    転写し、その記録材面上に転写された未定着画像を定着
    手段で定着して永久固着画像を得る画像形成装置におい
    て、 前記定着手段として、請求項7に記載の定着装置を備え
    たことを特徴とする画像形成装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6687482B2 (en) * 2001-10-10 2004-02-03 Sharp Kabushiki Kaisha Heating apparatus and image forming apparatus incorporating the same
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