JP2002047809A - 複合材料とその製造法及び施工法 - Google Patents

複合材料とその製造法及び施工法

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JP2002047809A
JP2002047809A JP2000237615A JP2000237615A JP2002047809A JP 2002047809 A JP2002047809 A JP 2002047809A JP 2000237615 A JP2000237615 A JP 2000237615A JP 2000237615 A JP2000237615 A JP 2000237615A JP 2002047809 A JP2002047809 A JP 2002047809A
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bag
fiber cloth
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Naoe Terao
直衛 寺尾
Toru Izumiya
亨 泉屋
Michiyoshi Enoki
理佳 榎木
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RICHTER CORP KK
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 未硬化のFRP層を含む補修材料を提供する
こと。 【解決手段】 カーボン、ビニロン、芳香族ポリアミ
ド、ガラス等から成るシート状基材に、エポキシ系、ア
クリル系、不飽和ポリエステル系等の含浸レンジを含浸
させて形成した硬化可能な繊維強化プラスチックシート
の片面、もしくは両面に感圧接着剤層を設けて、コンク
リート構造物の柱や梁、車体、船舶、航空機などの補修
部や補強部に、その感圧接着剤層を用いて前記繊維強化
プラスチックシートを貼付けて後、常温硬化、加熱硬
化、光(紫外線、可視光、近赤外線等)硬化などの硬化
方法により前記繊維強化プラスチックシートを硬化せし
めて強化複合材料構造体を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は炭素繊維などのシー
ト状補強材の施工方法に関する。繊維強化プラステイッ
クスの特徴の一つである「軽量と高強度」を活かし、他
の材料と組み合わせて相互の特徴を発現させる事例は数
多い。コンクリート構造物の補修、補強、建築材料の補
強、車両のボデイ部材、船舶の補修材、航空機の材料、
スポーツ分野、健康、安全に関する器具類等その利用分
野は広範囲にわたっている。本発明はこれらの分野の利
用部位において、従来の方法に比較して工程的に容易な
らしめるものであるので、更に広い利用が期待される。
【0002】
【従来の技術】FRP層を他材料表面に形成する場合、
その材料の複雑表面形状に添った形にする(コンフォー
マル性という)には、単純平面の形状の場合以外は元来
剛性のFRP硬化物シートでは目的にかない難く、従っ
て複雑表面上に柔軟性のある未硬化FRP層を形成して
目的物を得てきた。
【0003】具体的には、硬化性液状レジンによるハン
ドレイアップ工法で、これは作業効率が低く、熟練技能
を必要とする。また、強化繊維とレジンを専用の吹き付
け装置によるコンフォーマルライニング層の形成方法も
あるが、工場内生産、もしくは量産物にメリットがあ
り、少量の場合には小回りがきかない不便さがある。
【0004】また、予め同一形状に成型したFRP部材
の他材料(躯体)への接着方法はその必要とする型代、
硬化プロセス作業場、装置等も簡単とは言えない。
【0005】シート類へのFRP層形成は剥離強度が高
水準で期待しがたいこと、未硬化FRP(プリプレグ)
を直接的にシートに貼り付けるには、プリプレグ表面の
レジン層がリッチかつ粘着性を示していなければならな
い。 即ちプリプレグ材(層)の即貼り付け作業性の時
間的、コンフォーマル的悪さ、躯体(坦体)とFRP層
の耐剥離強度の低さ、躯体とFRP層間の膨張係数の差
に基づく問題等、多々存在する。
【0006】現在、感圧接着層を用いないで平面に繊維
強化プラステイックスの接着、含浸剤として多用されて
いるものはエポキシ系の2液混合型である。混合は撹拝
等の物理的方式により行う。この方式では混合された時
点で硬化が開始されるために、作業は手早く行われなけ
ればならない。
【0007】例えば現場で作業する際、少量ごとに混合
させて接着、含浸剤を作成すると時間的な損失と作業効
率の低下は否めない。それで勢い、大量に接着、含浸剤
を作成しておく、という事になるが、そうすると作業途
中で硬化反応により粘性が増加して作業性が悪くなるの
で、揮発性有機溶剤を追加して粘性が上がらないように
してしまう。また、あまり大量に作成するとかなり高温
の発熱があり、危険でもある。
【0008】希釈が繰り返されると接着、含浸剤(硬化
剤)として成膜時の有機溶剤の揮散が完全に為されない
ために、得られた硬化物は所定の特性が得られない。従
って所定の強度が保てなくなる事は自明の理である。
【0009】更に繊維布を装着して、ローラー等で脱泡
作業をしているうちに硬化により空隙の移行が困難にな
り、末端部分では空隙が残ったまま硬化してしまう場合
がある。
【0010】また施工面が凹面の場合には接着面全体に
対し、均一の押し圧が得られないために不完全接着が起
こりやすかった。
【0011】補強は数層の繊維布を貼り付けることによ
り設計強度を得ることが出来る。前述の作業を繰り返す
ことにより、最終的には仕上げ表面に空隙による凹凸が
残り、所定の強度が得られないことになる。その為、実
際の現場では凸の部分は研削器などで削り取り、凹の部
分にはパテ埋めなどをして平滑化して表面に塗料を塗
る、と云ったことが発生しかねない。
【0012】また、接着、含浸剤には揮発性有機溶剤が
混入される場合、作業者の健康に悪影響を及ぼし、特に
化学物質過敏症などによる全身症状が出るために、現場
作業者が頻繁に交代し、それが作業の不均一、工程欠
如、繊維布の層数不足などの不具合点を発生させる原因
にもなっている。
【0013】従来、樹脂と強化用繊維とを組み合わせた
複合材料は、FRPとして知られいろいろな用途に幅広
く使用されている。このFRPをそれ自身の耐化学薬品
性の良さや、機械的強度の高さなどの理由から金属やコ
ンクリートなどの表面にFRP層の形成を図ることが良
く為されている。これらFRP層の形成を為すには 1:繊維布を躯体に塗布された硬化性レジンの上に貼
り、さらに上からレジンを塗布して、ゴムヘラやローラ
ーなどでレジンの含浸の均質性を計ろうとする方法。
2:上記の方法とは別に予め繊維布にレジンを塗布含浸
させておき(これをプリプレグと称する。)このプリプ
レグを躯体に貼付ける方法。などが一般的である。
【0014】この他に樹脂と繊維の短片(チップ)とを
別々のノズルから、かつ同時に吹き付けることによりF
RP層の形成を計るスプレーアップ方法や、躯体と同一
形状に予め成型(硬化済みのもの)させた成型物を接着
剤等により接着する方法もあるが、いずれもその工法専
用の装置等を必要とするので、本発明における技術との
対比にはならない。上記の1:2:は広義の手積み積層
法(ハンドレイアップ)で、それに用いられる硬化性レ
ジンとしては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、ビニルエステル樹脂、アクリレート樹脂等が広く使
用されており、用いられる繊維布としては、ガラス、カ
ーボン(グラファイト)、芳香族ポリアミド、ボロン等
が挙げられる。
【0015】上記素材を使用してプリプレグを作成して
も、繊維布単体、またはプリプレグは本体ドレープ性
(だらりと垂れる性質)を有しているので、プリプレグ
の端末(または中央部位)から順次貼り付け、さらに含
浸作業は、手作業的にも困難かっ非能率的なものであっ
た。また、プリプレグ中に含浸されている未硬化状態の
レジンは、本来ゲル状に近い領域で初めて粘着性を発現
するものであり、その粘着性発現の継続時間もレジンの
配合、種類によって大きく異なり、短時間で硬化させよ
うとすると作業開始から終了までの間に、正確な施工を
することが困難になり、また長時間にすると含浸作業の
途中で布表面に加わる勇断力(横ズレを与える力)によ
って、未硬化レジンが布の躯体への定位置に保持する力
に欠けている状態にある下においては、目的とする層の
正しい形成が難しくFRP層の躯体からの浮きが生じて
しまうことになる。
【0016】特に仰角を有するオーバーハング部での施
工は、塗布するレジンの垂れ問題を避ける目的で、レジ
ンの粘度の上昇を計る配合を採ると、その結果繊維布へ
の含浸度合いは相対的に低下し、目的とするFRP本来
の強度は発現しないことになる。
【0017】また既存の構造物の補強をする場合で、柱
や梁に繊維布を巻きつけて補強出来ない部位に於いて
は、従来は柱や梁を挾んだ面に繊維布を面接着し、その
両者をボルトを通してナットで締め連結していた。当然
のことながら両方の繊維布にはボルト用の孔が開けられ
ておりボルトによる締結後、その周囲に繊維布を張り巡
らせても地震などで引っ張り力が働いたとき、それを受
けるのはボルトの直径、または一緒に付けたワッシャー
の直径のみで耐えなければならないことになる。この方
法は強度的にはほとんど意味を為さないと考えられる。
【0018】繊維布による補強で引っ張り強度と曲げ強
度が要求されるような施工個所においては、曲げ強度に
対して弱点がある。これにっいては他の部材や方法によ
り対処せざるを得ない面があった。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】上記問題点に鑑み、本
発明は未硬化のFRP層(プリプレグ)の表面に感圧性
接着剤層を有してなる複層複合材によって、従来のFR
P層形成に比べてこの複層複合材を躯体、もしくは坦体
へ容易に貼付ることが出来る。その後適宜の方法でプリ
プレグを硬化せしめて目的物が得られる。
【0020】また躯体(坦体)へ貼り付ける以前に、そ
の複層複合材を加工(切断等)、次いでプリプレグ部の
硬化を為してのち、貼り付ける工程に入ることも出来る
し、坦体への貼り付け後に加工(切断、プレス成型等)
を施し、そのまま硬化を図ったり未硬化物の状態で更な
る別の躯体に貼り付けて後、硬化を図ることが出来る。
【0021】プリプレグ、即ち未硬化状態の繊維強化シ
ートは可撓性、柔軟性を有している為に、複雑な張りあ
わせ対象面への密着追随性(コンフォーマル性)に勝
れ、曲面はもとより凹凸面へもプリプレグに高度の変形
塑性を与える金属シートとの複層化によって、機械変形
加工を施すことにより目的を達し得ることも可能とな
る。
【0022】また、感圧接着剤層を用いない場合でも、
作業者の健康に悪影響を及ぼさず、性能が施工するまで
時間と共に変化しない硬化性レジンを用い、高度の技能
を要求しなくとも、容易に硬化性レジンを塗布し、かっ
脱泡が出来る装置とトンネル内部のような凹面での施工
を容易ならしめる施工法を提供し、さらに既存の構造物
で巻きつけ補強が出来ない個所における補強及び曲げ強
度を要求される施工個所の補強について提案するもので
ある。
【0023】
【課題を解決するための手段】感圧接着剤層を、片面若
しくは両面に有する硬化性プリプレグ(以下POPと略
す)の製造において、その構成要素たるプリプレグにつ
いて述べると、まずプリプレグを作る場所的問題は、プ
リプレグの硬化を為す現場に近いか、または時間的にも
距離的にも硬化現場から離れているか、がある。
【0024】また、プリプレグ用の含浸レジンの種類で
は、エポキシ系、アクリル系、不飽和ポリエステル系等
が代表的なものであり、その硬化方法の形態も常温硬
化、加熱硬化、光(紫外線、可視光、近赤外線等)硬
化、触媒や硬化剤の後付け(塗布)硬化、マイクロカプ
セルや包接化合物からの重合触媒の放出による硬化等、
またプリプレグ用の基材としてはカーボン、ビニロン、
芳香族ポリアミド、ガラス等が代表的なものでシート状
に形成させる為、不織布や織布(ユニディレクシヨン、
平織、あや織、朱子織等)の形で基布を形成する。
【0025】POPの構成の主たる感圧接着剤層(以下
PSAと略す)としては、常温下で粘着性を示すため、
一時保護の為に剥離ラィナーが常に付されていることは
良く知られている。PSA層の種類を見ると、PSA自
体の単層膜、PSA自体を紙繊維布、金属箔、ゴムシー
ト等の支持体に塗布して、一種の強化層を形成したシー
トもの、発泡乾質ポリマー層を中間層としてその両面に
PSA層を形成した高接着強度シートもの、等多々あ
り、PSAの成分自体、弾性体(天然ゴム、合成ゴム
等)に粘着付与剤(ロジン、ポリテルペン等)、可塑剤
(ポリブテン、鉱油等)、充填剤(亜鉛華、チタン白、
炭酸カルシュウム等)を配合したものの他に、アクリル
系粘着剤、シリコーン系粘着剤も用いられる。
【0026】PSA層を介して本発明のPOPを張りあ
わせ複層複合化する相手の材料としては、金属、セラミ
ックス、ポリマー成型物、布類、木工材料、紙、不織布
等がある。この方法により複雑曲面を有する施工面に対
し容易に貼り付けることが可能であり、かつ、どのよう
な形状のものであれ内面と外面と任意に貼付ることが出
来る。表1に複合材別の組合せ種類の数例を示す。
【0027】本発明において用いられる接着材料は基剤
と硬化剤によって構成されているが、硬化方法について
の限定はない。硬化性レジンを硬化させる手段としては
特定の波長の光を照射することにより硬化を開始するも
のを使用しても良い。またこの方法のほかに、硬化剤を
カプセルの中に封入しておき、それを基剤と予め混合し
ておく。このままの状態では硬化しないので、これを塗
布した繊維布等の接着部材は、時間の制約を受けないで
作業することが出来る。そして被接着材に貼り付けた
後、熱、または振動エネルギーを外部から加えるとカプ
セル表皮が破壊されて基剤と硬化剤が混合された状態と
なり、すぐに硬化が始まる。この方法では、従来のよう
に硬化時間を硬化剤の配合によって調整する必要はな
い。必要であればプリプレグを躯体に貼り付け直前にカ
プセルの破壊を行っても良い。また、施工個所によって
含浸された硬化性レジンの粘性がより弱いことが要求さ
れる場合には、カプセルの中に硬化剤のほかに希釈剤を
混入させて、粘性を下げ施工を容易にする、といった事
も可能となる。
【0028】使用される繊維布と硬化方法による標準的
な硬化性レジンの材質を表2に示しておく。
【0029】本発明は施工現場において、硬化性レジン
の配合やその品質の均一性、作業の容易さを得られる事
と、複雑形状の施工面に容易に施工できる事を目的とし
ている。繊維布に予め硬化性レジンを含浸させておく事
は、工場においてもまた施工現場近くにおいても、それ
が容易に製作出来るようにしておけば、配合や品質の均
一性、作業の容易さ、作業者への被爆防止の意味からも
望まれることである。
【0030】またプリプレグ方式では、硬化性レジンに
常温硬化型を使用してもそのプリプレグを高分子系のポ
リフイルム等の袋の中に密封して冷凍しておけば、硬化
は進行しない。ただしアクリレート系レジンの架橋剤配
合系は除く。そして施工現場に冷凍便で送り、施工の際
に解凍して使用することも可能となる。
【0031】従来繊維布等の部材に硬化性レジンを塗布
する作業は、躯体表面に接着、硬化剤を塗布し、補強用
布を貼り付けその上からなすり込むように含浸剤を含浸
せしめなければならなかったが、その作業の非能率性を
解決するためにプリプレグ製造装置を考案した。その構
成図を図1、図2に示す。
【0032】まず、一定の長さ又は所定の長さに切断さ
れた繊維布2を筒1に軽く巻きつける。これは単に折り
曲げて袋に入れて吸引すると、折り曲げ部に力がかかっ
て折損することを防止するためと、硬化性レジンが円滑
に全体に行き渡ることを補助するためのものである。こ
の場合筒1の材質は紙筒やポリフイルムで出来た棒状の
風船でも良い。そしてそれを可携性のある袋、例えばビ
ニル製の袋3に適量の硬化性レジンと共に入れる。この
時袋の他端は封止してある。
【0033】図2は吸引装置である。袋の中に硬化性レ
ジン4を適量入れて装置にかける。袋の入り口に吸気用
ノズル5が挿入されており、入口端は熱シール用熱線入
り弾性体6で挟持されている。ノズル5は真空ポンプ9
によって減圧されたタンク8から開閉バルプ7を通って
接続されている。
【0034】作動させるときは、まず真空ポンプ9を動
かしてタンク8内の空気を吸引しおおむね650mmH
g程度減圧しておく。
【0035】被封入物にノズル5を挿入して、弾性を持
つ挟持体6で挟持する。この時袋の入口はノズル5の部
分の他は密封されている。それからバルプ7を開けてノ
ズル5を通してタンク8と連結することによって袋内を
減圧し、しかる後にノズル5を後退させて袋から抜去
し、挟持体6に内蔵された熱線10に電流を流して発熱
させて袋の入り口を熱シールする。
【0036】また別の方法として、図3に示す長尺物の
繊維布の場合の製法もある。超音波等の振動子11を備
えた台12の上に収納する箱13を設置し、その中に所
定量の硬化性レジン14を入れる。それからローラー1
5を経て長尺の繊維布16をたらしこみ、その後振動子
を作動させて含浸させる。出来上がったものは箱13の
まま現場に持込み、すぐに作業にかかることが出来る。
【0037】これで現場へ持っていって開封するまでは
硬化、汚損無しに保存することが可能である。
【0038】また施工現場において、施工個所の実寸に
合わせたプリプレグを必要とする場合も当然のことなが
ら考えられる。その装置を図4に示す。プリプレグ作成
用搬送台21の上に剥離紙22を置き、その上に繊維布
23を置く。もし必要であればそれらの下に、一端に空
気の吸排気用のノズル28を装備したポリフイルム等で
作られた袋24を敷く。その全体を移動させながら二つ
のローラー25,26の間から硬化性レジン27を流し
込み繊維布23に含浸させてプリプレグを作成する。こ
の場合、ローラー等を介さずコテなどにより手作業で含
浸させても良い。もし、硬化性レジンがカプセルタイプ
であれば、含浸工程ではカプセルを混入せず、含浸後に
カプセルをプリプレグの表面に吹き付けるか散布する方
が、無用のカプセル破壊を生ずる事が無いので、性能上
安全である。
【0039】通常作業としては、そのプリプレグを施工
個所に持っていって貼付けるのであるが、その個所がト
ンネル内部とか曲率半径の小さい凹面である場合、貼り
付け面に対する押し圧を均一にすることは非常に難し
い。そのような場合には、前述のプリプレグを作成する
ときにポリフイルムなどの袋を一番下に敷いて作成して
おく。そして施工前に、硬化剤がカプセル型であれば振
動エネルギーをプリプレグ表面に与えて硬化を開始さ
せ、なおかつ、袋の中に吸排気用ノズル28より空気を
供給する。その結果、袋は人手による持ち上げが容易に
出来るほどの形状、剛性を保たれた状態になりこのこと
は即ち、ドレープ性の有する布、またはプリプレグは空
気入りの保持材のために広げられたシートの状態で容易
に人の手によって、予めレジンが塗布されている施工面
に押しつけ転写することが出来る。なお袋は空気が入れ
られたときに、プリプレグの設置面が出来るだけ平面に
なるよう剛性が袋よりもわずかに高いシートを表面に貼
り付けてふくらんでも平面が得られるようにしてある。
そして施工面にはプリプレグ表面全体が同じ圧力で押し
当てられていることになる。硬化剤が光硬化型であれ
ば、貼り付け後、光照射によって硬化させる。
【0040】この袋は空気の注入量によって袋全体の剛
性を変化させられるので施工面の形状、部位等によって
転写しやすい程度の固さにすれば良い。施工面が凹面曲
面で、曲率半径が0.5m以下の場合は一般的には、プ
リプレグ層を施工面に対して均一に密着した状態で仕上
げるのには、かなりの熟練を要し、また作業時間も長く
なるが、この方法を用いればプリプレグを施工面に対し
て、ほぼ同時性でプリプレグの表面を貼り付けることが
可能なので、特別の熟練を要しない。この作業の方法を
図5に示す。空気の入っていない袋33の上に剥離用シ
ート32があり、その上が硬化性レジンを含浸させたプ
リプレグ31である。振動等で硬化を開始させた時点で
吸気ノズル34より空気を入れて袋を所要の大きさに膨
らませる。それを施工面に押し当てて貼り付ける。
【0041】また既存の構造物での補強は、柱や梁に巻
きっけて補強出来ないことが多い。図6に従来の工法を
示すが、柱や梁を挾んだ天井、または壁に繊維布を面接
着している。41は壁又は天井で42は梁又は柱であ
る。それらを挾んで繊維布43を両面から貼り付けてあ
る。そしてそれらを連結するために、繊維布にボルト用
の孔44を開けてそこにボルト45を通し、ワッシャー
46とナット47で締め付けてある。そしてその周囲に
さらに小片の繊維布48を重ね貼りして、孔周囲の補強
をしている。
【0042】本発明は繊維布に孔を開けることで全体の
強度が極端に低下することを防止するため、ヤーン(軽
く撚りをつけた糸)の束を使用する。それを図7と図8
に示す。図7は面接着の連結法である。壁又は天井51
で52は柱又は梁である。出来るだけ柱又は梁に近い壁
又は天井に図8に示すヤーンの束が通せるほどの孔をあ
ける。その孔の周囲はヤーンを広げたほどの範囲で壁又
は天井の表面に、広げたヤーンが平らに展開する深さに
ザグリ(段)53を設けてその中にヤーン54を半径方
向に丸く広げる。硬化性レジンは予めヤーンに含浸させ
てあるので、そのままコテなどで表面をならし、隣接の
表面55と同一の面にする。その上から平板のプリプレ
グ56を貼り付けて積層化していく。その結果、プリプ
レグには何等孔が開いていないために強度の劣化は発生
しない。なおかつ、引っ張り力がかかったときでもボル
トなどよりも遥かに大きな面で受けることになる。
【0043】図8はヤーンの詳細である。ヤーンの束6
1の中心には中空の筒62があってこの周りにヤーンが
配置されている。これには予め硬化性レジンが含浸され
ていて、壁などの中に入る部分よりもやや短い範囲で硬
化させておいた方が、施工がやりやすい。両端は未硬化
の部分で平面で展開させ易くしてある。この束を中空に
してあるのは、両端で端末を広げたときに出来るだけ展
開面を平坦化させるためのものである。両端を硬化させ
る際に、中心の開口部に表面を平坦化するためのキャッ
プをはめこんでも良い。
【0044】プリプレグを貼り付けた後、躯体とプリプ
レグとの間に気泡や空隙があると所定の強度が得られ難
いのと、積層する場合にはさらにそれらが助長され補強
の目的が達せられない。そのためにプリプレグを貼り付
けた後からローラーやコテなどで貼り付け表面をなぞる
ことになる。従来は常温硬化性のレジンが多用されてい
たので、全面を仕上げるためには時間に追われる事が多
く、必ずしも充分とは云えない結果をもたらす事があっ
た。ローラーやコテ仕上げの作業は手作業になることは
やむを得ないことではあるが、単純に腕力に頼ることで
は作業者の疲労の影響が結果に出ることになり、品質や
性能は熟練度次第と云うことになる。
【0045】図9と図10に機械振動子を持つコテを示
す。図9は超音波振動子を持つコテの構造である。外筒
71の中にコテ面72に振動を伝達する滑動子73があ
り、他端にそれを駆動する超音波振動子74が連結され
ている。超音波振動子は制御装置75よりスイッチ76
を介して電源と信号が伝達される。電源は通常の商用電
源77とバッテリー電源78と切換できるようになって
いるので、作業者が商用電源から離れた場所において
も、作業することが出来る。使用される超音波の周波数
は、カプセルを破壊するときにはおおむね15KHz,
空隙や気泡を除去する場合には、おおむね40KHz程
度が望ましい。これらは手元の切換スイッチ79によっ
て使いわけることが出来るようになっている。
【0046】図10はモーターを使用した機械振動子で
ある。外筒81の中にコテ面82に振動を伝達する滑動
子83があり、他端はモーター84の回転軸85に取り
付けられている偏心カム86に接触していて、それとは
スプリング87により互いに圧接されている。モーター
が回転すると偏心カム86が回転し、滑動子83がスプ
リング87による力とで往復運動し、コテ面が振動す
る。図8は偏心カムではなく代わりにモーター回転軸8
5に円盤88とその周りに任意の数のローラー89を取
り付けたものである。この構造は偏心カムよりも摩擦抵
抗が少ないのと、振動数が回転数よりも上げられること
が出来る。
【0047】図11は上記両者に使用するコテ面の詳細
である。繊維布による補強は新築よりも既存の構築物に
為されることが多い。その場合柱や梁に巻きつけて補強
することが出来ないことが多く、従って壁や天井の様に
面接着をすることがある。その時直行する施工面とのプ
リプレグの圧着は、ローラーでは隅部の仕上げが出来な
い。コテが一番有効である。それでその隅部の形状に合
うよう四角形のコテの四隅の形状を変えてある。即ち直
角、小半径のR,中半径のR,大半径のRと云った様に
しておけば、ほとんどの隅部の仕上げが可能である。
【0048】図12と図13は曲げ強度を要求されるよ
うな個所に対処するため、予め紙や軽金属製のコルゲー
ト芯構造又はハニカム芯構造にプリプレグを複合化して
おくためのものである。コルゲート芯91にプリプレグ
92を両面に貼り付けておく。またハニカム芯93にプ
リプレグ94も同様の構造で作成出来る。それを施工面
に貼り付け、硬化させることにより本来の引っ張り強度
に加えて曲げ強度が大きく付加されることになる。この
複合物は平面は勿論、緩やかな曲面にも施工することが
可能である。従って建築物のような構造体のみならず車
両、航空機、など広い範囲での用途が考えられる。
【0049】
【実施例】実施例1コンクリート表面の補強 コンクリート製の橋梁の梁下面に発生したヘアクラック
の成長抑止、即ちクラック部から雨水の浸入によるその
後の凍結−膨張−クラックの拡大の停止と、梁上面から
の重荷重による梁本体の携みに起因する梁下面コンクリ
ート表面に発生するクラックの抑止のため、下記補強材
をもって対処した。使用した材料は、 カーボン布:3Bユニコム社FTeC1−30 (方向性高弾性カーボンシート) 目寸300g/m2 含浸レジン:3Bユニコム社スリーロンジー L−138 (エポキシレジン/変性脂肪族ポリアミン) PSA:寺岡製作所両面粘着シート#782 支持体:ポリエチレン発泡体 粘着材:ゴム系0.8厚 まず、FTeC1−30シート上に含浸レジンを塗布、
含浸せしめてプリプレグを作成し、予め施工面コンクリ
ートに貼り付けた両面粘着シート#782の上面にプリ
プレグを積層してPOP層を形成し、常温24時間後に
エポキシレジンの硬化完了と共に施工は終了となった。
(表1 原反区分II)
【0050】実施例2コンクリート表面の補強 前例1と同じカーボン布、PSAを用いるが含浸レジン
はエポキシ樹脂の替わりにアクリルレジンを用いた。ア
クリル成分としてはメチルメタクリレートと、重合触媒
クメンハイドにパーオキサイド及び重合促進剤としてサ
ッカリンを所要量添加して含浸レジンを調整し、前例と
同様の施工手順によった。アクリル系含浸剤は粘性が極
端に低いため、含浸性も良く、またエポキシより低温硬
化性に勝れているので屋外工事には特に便利に用いられ
るが、貼付粘着性は劣るので仰角面への施工は難しい。
然し乍ら本発明によれば粘着シートの存在により仰角面
施工部位であっても容易となった。(表 1原反区分I
I)
【0051】実施例3陶土管の補修長さ10cmの亀裂
が入っている内径20cm,肉厚2cmの陶土管の補修
パッチ材として次のような組成で作成した。UV硬化型
プリプレグは: PSAとしては寺岡製作所の#782を積層貼付、5c
m巾、15cm長のパッチ材を作り、亀裂部分が中央に
来るように強く押し張り、直ぐに水圧10Kg/m2
通水したところ15〜30分後にはパッチ材の端より漏
水が認められた。別に貼付パッチ材に、4Kw高圧水銀
灯により20cmの距離から5分照射した後、通水した
ものは3時間後であっても漏水は認められなかった。
(表1 原反区分I)
【0052】実施例4自動車用プラスティックバンパー
の補修ガラスファイバー強化ポリプロピレン製自動車用
バンパー材の亀裂補修に実施例3のパッチ材をバンパー
裏面より当てがい、光照射により硬化せしめた。硬化後
表面から見ると割れ亀裂部位は突き合わせ状態に保たれ
ており、このあとパテ、仕上げ材等にて充分作業が出来
るようになった。(表1 原反区分I)
【0053】実施例5(FRP漁船の補修) 軽衝突による部分損壊したアルミ製ボデイ部分の喫水線
下部の補修に下記材料を用いて修繕が計られた。 (補修材料)アルミ箔シートの上面にエポキシ(液状)
レジンによるガラスクロスプリプレグを形成し、更に、
PSA層を形成してパッチ材として貼り付けて補修材料
を得た。このものは、12〜24時間後には常温硬化が
完了するので即使用に供し得た。(表1 原反区分II
I)
【0054】実施例6(電磁遮蔽措置(EMI)) 壁材として石膏ボードより成る部屋のEM1措置をカー
ボンファイバークロスで対処する場合に、施工時にコー
ナー部等を完全に目止めが出来る材料であることが要求
される。カーボンファイバークロスと湿気硬化型エポキ
シ樹脂の組合せによるプリプレグに、両面接着シートを
積層した複合材料により効果的に措置出来るようになっ
た。(表1 原反区分III)
【0055】実施例7(電極の形成) 銅箔と熱硬化性不飽和ポリエステル及びガラスクロスの
複合体とPSA(寺岡#777)層よりなる複合シート
をプレス加工によりU字型に打ち抜き、それを加熱炉で
不飽和ポリエステルを硬化させて、PSA層の保護離型
紙を除いて目的とする躯体の位置に貼り付けて電極を作
成した。(表1 原反区分IV)
【0056】実施例8(航空機機体表面損傷部の補修パ
ッチ材) アルムニウム合金シートを表面材とする原反区分Vを切
断し、パッチ材として用い、表面アルミニウム面より適
宜の方法で加熱することにより、プリプレグの硬化が図
られて強度、作業性に勝れていることが判った。(表1
原反区分V)
【0057】実施例9(立体プリント基板) 銅箔/PSA/GF系プリプレグ、の原反銅箔面にエッ
チング用のレジストを印刷し、次いで所定の形状に機械
変形加工を施して後、加熱、または熱処理によりプリプ
レグを硬化せしめる。次いで現像処理により銅配線を形
成せしめて立体プリント基板を作成する。(表1 原反
区分VI)
【0058】 (POPの基本的工程) POP→プリプレグ+剥離シート付き感圧接着剤(PSA)→硬化→FRP プロセス1:POP→躯体への貼付→硬化処理 プロセス2:POP→シートへの貼付→機械加工→硬化処理 ↓ 貼付→硬化処理 プロセス3:POP→硬化処理→機械加工→貼付
【0059】
【発明の効果】本発明により繊維強化プラステイックス
による構造体の補強施工における複雑施工面や形状に対
して容易に補強や成型が出来るようになり、またプリプ
レグを使用することにより、今までの工法で問題となっ
ていた作業が熟練を要し、硬化性レジンの含浸度のバラ
ツキ、劣悪な作業環境、作業時間の非効率性、空隙や気
泡の不完全除去による強度の不安定、凹状施工面での作
業の難しさ、面補強での強度不足、曲げ強度の不足等の
数々の欠点に対し、本発明により革新的に何れの欠点項
目も解決出来た。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】プリプレグ装置の構成図を示す。
【図2】プリプレグ製造装置の他の構成図を示す。
【図3】プリプレグ製造装置のさらに他の構成図を示
す。
【図4】プリプレグ製造装置のさらに他の構成図を示
す。
【図5】作業方法の説明図を示す。
【図6】工法の説明図を示す。
【図7】面接着の連結法の説明図を示す。
【図8】ヤーンの詳細図を示す。
【図9】超音波振動子を持つコテの説明図を示す。
【図10】モーターを使用した機械振動子の説明図を示
す。
【図11】コテ面の詳細図を示す。
【図12】コルゲート芯構造の説明図を示す。
【図13】ハニカム芯構造の説明図を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 9:00 B29C 67/14 G (72)発明者 泉屋 亨 茨城県つくば市春日2−24−1 エクセラ ン春日106 (72)発明者 榎木 理佳 神奈川県津久井郡城山町町屋1−24−19 Fターム(参考) 2D059 AA14 GG01 GG19 GG40 2E176 AA04 BB29 4F100 AB01E AD11 AE01D AH03H AK04 AK53 AN00 AR00A AR00B AT00D BA03 BA04 BA05 BA07 BA10A BA10D BA13 CA02C DC02E DD08D DG10E DG12 DH01C DJ01 EC182 EH012 EJ081 EJ082 EJ212 EJ252 EJ82C EJ912 EJ962 EJ99 GB07 GB32 GB87 JK04 JL05 JL08C JL08H JL13A JL13B 4F205 AA36 AC03 AG03 AH43 HA10 HA29 HA33 HA45 HB01 HF01 HG02 HK05 HK17

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予め片面、若しくは両面に感圧接着剤層
    を有する硬化可能な繊維強化プラスティック(以下プリ
    プレグと称する。)のシートを、所定の坦体に、その感
    圧接着剤層を用いて貼付て後、適宜の方法によって当該
    プリプレグを硬化せしめて得られる強化複合材料とその
    製造方法、及び施工法。
  2. 【請求項2】 前項の感圧接着剤を有するプリプレグを
    適宜の方法にて硬化せしめて得られた複合材料を所定の
    坦体に、その感圧接着剤を用いて貼り付けて得られる強
    化複合材料とその製造方法及び施工法。
  3. 【請求項3】 繊維強化プラスティック(F.R.P)
    によるコンクリート構造物等の補強工法において、施工
    面が凹凸等複雑な曲面を有したりまたは平面であって
    も、請求項1及び請求項2に記載する複合材料を用い、
    平面でかつ感圧接着剤を必要としない場合には、施工面
    に貼り付ける以前に、用いられる強化用繊維布に予め硬
    化性レジンを含浸固定せしめたプリプレグ材を用いるこ
    とを特徴とする施工方法。
  4. 【請求項4】 請求項1より3項に記載の施工法におい
    て、施工面に貼付けたプリプレグ材の表面に、振動を発
    するコテまたはローラー等で表面をなぞり、プリプレグ
    と施工面の接着面にある気泡や空隙を取り除き、緊密の
    層を形成せしめる。またプリプレグ製作時に於いても振
    動を発するコテまたはローラーにより硬化性レジンを繊
    維布に脱気、含浸せしめる事を特徴とする施工方法。
  5. 【請求項5】 請求項1より3項に記載の施工法におい
    て、プリプレグ材が架橋触媒を芯剤とするカプセルを含
    有する場合には、超音波や機械振動によりカプセルの破
    壊を図ってプリプレグ中のレジンの硬化をなす施工方
    法。
  6. 【請求項6】 請求項1より3項に記載の施工法におい
    て、硬化性レジンを貼り付け作業現場の内に於いても、
    又は外に於いても容易に繊維布に硬化性レジンを含浸す
    るために、ロール状のもの、または予め設定された長さ
    に切断された長尺あるいは短尺の繊維布を、一端は熱シ
    ーラー等で封止されている密閉性のある可擁性フイルム
    よりなる袋に入れ、次いでその中に含浸すべき硬化性レ
    ジンを適量入れる。そして他端の一部より真空ポンプに
    より袋の中の空気を吸引する。それに伴い硬化性レジン
    が袋に押されて充満し、シート全体に硬化性レジンが含
    浸される事を目的とする方法及びプリプレグ製造装置。
  7. 【請求項7】 請求項1より3項に記載の施工法におい
    て、均一の押し圧が得られ難い曲率を持つ施工面に対し
    て貼付を均一化するために、ゴム又は軟質プラステイッ
    クフイルム等より成る袋の上に剥離用の保護シートを置
    き、その上に繊維布を重ねて硬化性レジンを含浸させ、
    必要に応じて更に片面に保護シートを貼り付けてある感
    圧接着剤層を乗せ、得られたプリプレグ下層に位置する
    フイルム袋の内部に空気を入れてから、それを持ち上げ
    て施工面に対して膨張フイルムの背面より押し当ててプ
    リプレグを転層し、次いで直ちに袋を取り除きプリプレ
    グの硬化の度合いに従って剥離用保護シートを取り除く
    ことを特徴とする構造体へのプリプレグ層形成方法。な
    お、袋の表面が化学的不活性非粘着性を持つものであれ
    ば、剥離用シートは不要となる。
  8. 【請求項8】 請求項1より3項に記載の施工法におい
    て、既存の構築体等に、プリプレグを巻きっけて補強す
    ることが出来ないような構造体、例えば梁又は柱を挾ん
    で面接着をせざるをえない場合、その時に柱又は梁のす
    ぐ近くに孔を開け、その中に予め硬化性レジンを含浸さ
    せたヤーン(かるく撚りをっけた糸)形状の繊維の束を
    通し、その両端を開いてそれぞれの面に平滑になるよう
    貼り付けて表面を平らにし、その上からそれぞれの面に
    おいて繊維布で出来たプリプレグを貼り付けて、互いの
    面と連結して補強することを特徴とする施工法。
  9. 【請求項9】 請求項1より3項に記載の施工法に於い
    て曲げ応力がかかる個所への補強として、あらかじめ紙
    や軽金属で出来ているハニカム(構造芯層)の片面若し
    くは両面にプリプレグを貼っておき、それを施工面に貼
    り付ける。そして必要に応じてさらにその上からもプリ
    プレグを貼る事が出来るよう可能にしたことを特徴とす
    る施工法。
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