JP2002046212A - 加飾用フィルムおよびこれを用いた加飾成形品の製造方法 - Google Patents

加飾用フィルムおよびこれを用いた加飾成形品の製造方法

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JP2002046212A
JP2002046212A JP2000235162A JP2000235162A JP2002046212A JP 2002046212 A JP2002046212 A JP 2002046212A JP 2000235162 A JP2000235162 A JP 2000235162A JP 2000235162 A JP2000235162 A JP 2000235162A JP 2002046212 A JP2002046212 A JP 2002046212A
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thin film
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JP2000235162A
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Kentaro Fujii
憲太郎 藤井
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Original Assignee
Nissha Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 意匠性に優れた加飾用フィルムおよびこれを
用いた加飾成形品の製造方法を提供する。 【解決手段】 加飾用フィルムが、基体シート上に少な
くとも金属薄膜層および該金属薄膜層との重複部分を有
する図柄層を形成したものであり、上記金属薄膜層と図
柄層との重複部分の一部又は全部にグラデーションを1
方向以上にかけた図柄パターンを有するので、グラデー
ションを1方向以上にかけた金属光沢パターンを有する
ように見える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術の分野】本発明は、自動車の内装、
内壁用建材等の加飾成形品およびその製造に用いる加飾
用フィルムおよびこれを用いた加飾成形品の製造方法に
関し、とくにグラデーションを用いた意匠効果に優れた
のものに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の内装、内壁用建材等には、従来
から木目、ヘアライン、メタリック、スピン調の加飾成
形品が使用されてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、近年、自動車
の内装、内壁用建材等にはより意匠性を求められるよう
になってきており、従来の柄では充分でなかった。した
がって、本発明の目的は、上記の問題点を解決すること
にあり、意匠性に優れた加飾用フィルムおよびこれを用
いた加飾成形品の製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、基体シート上に少なくとも金属薄膜層お
よび該金属薄膜層との重複部分を有する図柄層を形成し
た加飾用フィルムにおいて、上記金属薄膜層と図柄層と
の重複部分の一部又は全部にグラデーションを1方向以
上にかけた図柄パターンを有し、上記グラデーション
が、JIS Z8729−1980(CIEによるL
表色系<1976>)によりグラデーションを
かけた方向に0.2〜1.0mmの等間隔で順次移動さ
せて少なくとも3点以上の測定点で色度を測定した場合
に、各測定点で得られた色度の刺激値L、a、b
のうち少なくとも一つが測定点間で連続的に増加変化ま
たは減少変化し且つa、bのうち少なくとも一つが
変化する場合には該変化に伴うa/bの比率数値変
化が20%以内になるように保たれるものであり、任意
の2.0mmの測定移動の間に変化する色差ΔEがいず
れもΔE≧0.2となるものであるように構成した。
【0005】また、本発明は、上記の加飾用フィルムを
射出成形用金型内に挿入し、型締め後、溶融した成形樹
脂を射出することにより成形と同時に加飾用フィルムを
樹脂成形品の表面に一体化し、冷却固化後、成形品を金
型内より取りだすように構成した。
【0006】また、上記加飾成形品の製造方法におい
て、成形品を金型内より取り出した後又は取り出す際
に、基体シートを剥離すように構成した。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
をさらに詳しく説明する。
【0008】図1は本発明に係るグラデーションを明度
変化の点から説明したグラフである。図2は本発明に係
るグラデーションを彩度変化の点から説明したグラフで
ある。図3は本発明に係るグラデーションに該当する連
続変化を説明したグラフである。図4は本発明に係るグ
ラデーションに該当しない連続変化を説明したグラフで
ある。図5は本発明に係るのグラデーションに該当する
変化割合を説明したグラフである。図6は発明に係るグ
ラデーションについてその方向や変化程度の例を示した
図である。図7は本発明に係る加飾用フィルムの一実施
例を示した断面図である。図8は本発明に係る加飾成形
品の製造工程の一実施例を示した実施例、図9はL
表色系立体図である。図中、1は加飾用フィル
ム、2は基体シート、3は金属薄膜層、4は図柄層、5
は接着層、6は可動型、7は固定型、8はキャビティ形
成面、9はゲート部、10は成形樹脂、11はキャビテ
ィをそれぞれ示す。
【0009】まず、本発明の加飾用フィルムについて説
明する。
【0010】本発明の加飾用フィルム1としては、転写
材やインサート材を用いることができる。
【0011】本発明のインサート材は、基体シート2上
に少なくとも金属薄膜層3および該金属薄膜層3との重
複部分を有する図柄層4を形成したものである(図7参
照)。基体シート2の片面に金属薄膜層3および該金属
薄膜層3との重複部分を有する図柄層4をともに形成し
てもよいし、基体シート2の一方の面に金属薄膜層3を
形成し、他面に該金属薄膜層3との重複部分を有する図
柄層4を形成してもよい。なお、金属薄膜層3との重複
部分を有する図柄層4は金属薄膜層3より視認側に位置
するようにする。
【0012】上記基体シート2としては、ポリエステル
系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹
脂、ポリエチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ナイ
ロン樹脂、ビニロン樹脂、アセテート樹脂、ポリアミド
系樹脂、ポリアクリル系樹脂等、あるいはこれらの各シ
ートの複合体など、通常のインサート材の基体シートと
して用いられるものを使用することができる。基体シー
ト2の厚みとしては、10〜200μmのものを使用す
ることができる。
【0013】上記金属薄膜層3は、金属光沢を表現する
ためのものであり、真空蒸着法、スパッターリング法、
イオンプレーティング法、鍍金法などで形成する。金属
薄膜層3の材質としては、アルミニウム、ニッケル、
金、白金、クロム、鉄、銅、スズ、インジウム、銀、チ
タニウム、鉛、亜鉛などの金属、金属酸化物、金属フッ
化物、金属ハロゲン化物、金属窒化物、金属硫化物等を
使用する。部分的な金属薄膜層3を形成する場合の一例
としては、金属薄膜層3を必要としない部分に溶剤可溶
性樹脂層を形成した後、その上に全面的に金属薄膜を形
成し、溶剤洗浄を行って溶剤可溶性樹脂層と共に不要な
金属薄膜を除去する方法がある。この場合によく用いる
溶剤は、水または水溶液である。また、別の一例として
は、全面的に金属薄膜を形成し、次に金属薄膜を残して
おきたい部分にレジスト層を形成し、酸またはアルカリ
でエッチングを行い、レジスト層を除去する方法があ
る。
【0014】上記金属薄膜層3との重複部分を有する図
柄層4は、印刷層として形成する。印刷層の材質として
は、ウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリアミド系樹
脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタ
ン系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリエステル
ウレタン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、アルキド
樹脂、熱可塑性エラストマーなどの樹脂、好ましくは柔
軟な皮膜を作ることができる樹脂をバインダーとし、適
切な色の顔料または染料を着色剤として含有する着色イ
ンキを用いるとよい。
【0015】本発明の特徴は、上記金属薄膜層3と図柄
層4との重複部分の一部又は全部にグラデーションを1
方向以上にかけた図柄パターンを有することにある。
【0016】本発明において、グラデーションとは、J
IS Z 8729−1980(CIEによるL
表色系<1976>)の測定方法によりグラデーシ
ョンをかけた方向に0.2〜1.0mmの等間隔で順次
移動させて少なくとも3点以上の測定点で色度を測定し
た場合に、各測定点で得られた色度の刺激値L
、b(図9参照)のうち少なくとも一つが測定点
間で連続的に増加変化または減少変化し且つa、b
のうち少なくとも一つが変化する場合には該変化に伴う
/bの比率数値変化が20%以内になるように保
たれるものであり、任意の2.0mmの測定移動の間に
変化する色差ΔEがいずれもΔE≧0.2となるものを
指す。
【0017】すなわち図1に示すような明度を連続的に
変化させたもの(例えば、白−灰−黒等)、図2に示す
ような彩度を連続的に変化させたもの(例えば、純色の
黄と,純色の黄に同じ明度の灰色を混ぜた薄黄等)、あ
るいはこれらの組合せをグラデーションとすることがで
きる。明度のグラデーション変化は、上記Lの数値変
化そのものである。また、彩度のグラデーション変化
は、a/bの比率数値変化を小さく保ちながらa
又はb、あるいは両方の数値を変化させた(各々の絶
対値が高いほど彩度が高く、数値が0になれば無彩色に
なる)ものであり、本発明においてはa/bの比率
数値変化を20%以内に保つものをグラデーションとす
る。明度の変化は、印刷版の網点濃度を連続に変えるこ
とによって行なうことができる。また、彩度の変化は、
純色又はそれに近い色彩層の上に灰色を網点濃度を変え
て形成する印刷版の網点濃度を連続に変えることによっ
て行なうことができる。
【0018】ただし、連続的に増加または減少するとい
っても、それは0.2〜1.0mmの等間隔で順次移動
させて測定した測定点に関してという意味であり、図3
に示すようにグラデーションが実際には測定点(図中、
丸い点)間に色度刺激値が連続的に増加または減少して
いない部分(図中、円で囲んだ部分)を有していても構
わない。なお、図4の色度刺激値の変化は図3に似た軌
跡を示しているが、0.2〜1.0mmの等間隔で順次
移動させて測定した測定点(図中、丸い点)の色度の刺
激値が連続的に減少していないので本発明のグラデーシ
ョンとは見做さない。
【0019】また、たとえ連続的に測定点の色度刺激値
が変化していても、測定移動距離に対してその変化量が
少なすぎる場合には本発明のグラデーションとは見做さ
ない。図5に示す色度刺激値の変化は2mmの測定移動
距離に対してΔE=0.2であるが、本発明のグラデー
ションは任意の2.0mmの測定移動の間に変化する色
差ΔEがいずれもこれ以上の変化を示すものとする。よ
り好ましくはΔEが1.0以上である。
【0020】上記グラデーションの方向は図6(a)〜
(c)等のような1方向のものでもよいし、図6(d)
〜(g)等のような2方向、図6(h)や(i)等のよ
うな4方向、あるいはその他の複数又は多数方向のもの
でもよい。また、1点から全方向(無限方向)にグラデ
ーションがかけられる場合も含まれる。なお、グラデー
ションの方向が同じであっても、上記グラデーションの
変化内容、つまり色相や明度、彩度を異ならせたり(図
示せず)、その変化程度を図6(j)〜(l)等のよう
に異ならせたりすることで得られるグラデーションも違
ってくる。
【0021】したがって、本発明のインサート材は、金
属薄膜層3と図柄層4との重複部分の一部又は全部に上
記したようなグラデーションを1方向以上にかけた図柄
パターンを有することにより、金属薄膜層3の金属光沢
面からの反射が図柄パターンのグラデーション変化に従
って抑えられる。その結果、グラデーションをかけた図
柄パターンを透して見る者が感じる金属光沢面からの反
射に変化が生じ、インサート材がグラデーションを1方
向以上にかけた金属光沢パターンを有するように見え
る。
【0022】また、本発明のインサート材は、金属薄膜
層3との重複部分を有する図柄層4以外に、金属薄膜層
3との重複部分を有しない図柄層を形成していてもよ
い。
【0023】また、本発明のインサート材は、金属薄膜
層3と図柄層4との重複部分に上記グラデーションを1
方向以上にかけた図柄パターンと組合せて、木目、石
目、ロゴ、ヘアライン、スピン模様等の図柄パターンを
有していてもよい。また、金属薄膜層3と図柄層4との
重複部分以外に、木目、石目、ロゴ、ヘアライン、スピ
ン模様等の図柄パターンを有していてもよい。
【0024】上記したような各種の図柄パターンを構成
する印刷層の形成方法としては、オフセット印刷法、グ
ラビア印刷法、スクリーン印刷法などの通常の印刷法な
どを用いるとよい。特に、本発明のように図柄パターン
がグラデーションを有する場合、オフセット印刷法やグ
ラビア印刷法が適している。印刷層は、表現したい図柄
に応じて、全面的に設ける場合や部分的に設ける場合が
ある。
【0025】また、接着層5を形成してもよい。接着層
5は、成形樹脂10にインサート材を接着するものであ
る。接着層5としては、成形樹脂10の素材に適した感
熱性あるいは感圧性の樹脂を適宜使用する。たとえば、
成形樹脂10の材質がアクリル系樹脂の場合はアクリル
系樹脂を用いるとよい。また、成形樹脂10の材質がポ
リフェニレンオキシド・ポリスチレン系樹脂、ポリカー
ボネート系樹脂、スチレン共重合体系樹脂、ポリスチレ
ン系ブレンド樹脂の場合は、これらの樹脂と親和性のあ
るアクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系
樹脂などを使用すればよい。さらに、成形樹脂10の材
質がポリプロピレン樹脂の場合は、塩素化ポリオレフィ
ン樹脂、塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、環
化ゴム、クマロンインデン樹脂が使用可能である。接着
層5の形成方法としては、グラビアコート法、ロールコ
ート法、コンマコート法などのコート法、グラビア印刷
法、スクリーン印刷法などの印刷法がある。接着層の乾
燥膜厚は1μm〜5μmとするのが一般的である。
【0026】次に、加飾用フィルム1を転写材として用
いる場合について説明する。転写材は、基体シート2の
片面に少なくとも剥離層、金属薄膜層3との重複部分を
有する図柄層4、金属薄膜層3、接着層5が順次積層さ
れた転写層が設けられたものである。
【0027】基体シート2としては、インサート材の場
合と同様のものを用いることができる。基体シート2か
らの転写層の剥離性を改善するためには、基体シート2
上に転写層を設ける前に、離型層を全面的に形成しても
よい。離型層は、転写後に基体シート2を剥離した際
に、基体シート2とともに転写層から離型する。離型層
の材質としては、メラミン樹脂系離型剤、シリコーン樹
脂系離型剤、フッ素樹脂系離型剤、セルロース誘導体系
離型剤、尿素樹脂系離型剤、ポリオレフィン樹脂系離型
剤、パラフィン系離型剤およびこれらの複合型離型剤な
どを用いることができる。離型層の形成方法としては、
ロールコート法、スプレーコート法などのコート法、グ
ラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法がある。
また、基体シート2上に転写層を設ける前に、ヘアライ
ン目の意匠を形成したり、顔料インキで凹凸層を形成
し、マット意匠を形成したりして艶消し表面を形成して
もよい。ヘアライン目の意匠やマット意匠は部分的に形
成してもよい。
【0028】剥離層は、基体シート2または離型層上に
全面的または部分的に形成する。剥離層は、転写後に基
体シート2を剥離した際に、基体シート2または離型層
から剥離して被転写物の最外面となる層である。剥離層
の材質としては、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹
脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、ゴム系
樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂など
のほか、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体系樹脂などのコポリマーを用
いるとよい。剥離層に硬度が必要な場合には、紫外線硬
化性樹脂などの光硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂などの
放射線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂などを選定して用いる
とよい。剥離層は、着色したものでも、未着色のもので
もよい。剥離層の形成方法としては、グラビアコート
法、ロールコート法、コンマコート法などのコート法、
グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法があ
る。
【0029】金属薄膜層3および該金属薄膜層3との重
複部分を有する図柄層は、インサート材の場合と同様に
して設けるとよい。
【0030】接着層5は、成形樹脂10表面に上記の各
層を接着するものである。接着層5は、接着させたい部
分に形成する。すなわち、接着させたい部分が全面的な
ら、図柄層4上に接着層5を全面的に形成する。また、
接着させたい部分が部分的なら、図柄層4上に接着層5
を部分的に形成する。接着層5は、インサート材の場合
と同様にして設けるとよい。
【0031】本発明の転写材は、インサート材と同様
に、金属薄膜層3と図柄層4との重複部分の一部又は全
部に上記したようなグラデーションを1方向以上にかけ
た図柄パターンを有することにより、金属薄膜層3の金
属光沢面からの反射が図柄パターンのグラデーション変
化に従って抑えられる。その結果、グラデーションをか
けた図柄パターンを透して見る者が感じる金属光沢面か
らの反射に変化が生じ、転写材がグラデーションを1方
向以上にかけた金属光沢パターンを有するように見え
る。
【0032】また、本発明の転写材は、金属薄膜層3と
の重複部分を有する図柄層4以外に、金属薄膜層3との
重複部分を有しない図柄層を剥離層と接着層の間に形成
していてもよい。
【0033】また、本発明の転写材は、金属薄膜層3と
図柄層4との重複部分に上記グラデーションを1方向以
上にかけた図柄パターンと組合せて、木目、石目、ロ
ゴ、ヘアライン、スピン模様等の図柄パターンを有して
いてもよい。また、金属薄膜層3と図柄層4との重複部
分以外に、木目、石目、ロゴ、ヘアライン、スピン模様
等の図柄パターンを有していてもよい。
【0034】また、上記インサート材、転写材の各層に
使用するインキには、シリカ、硫酸バリウム、タルク、
アルミナ等の微粉末よりなる充填剤、アクリルビーズ、
ウレタンビーズ等の有機質充填剤を含ませてもよい。ま
た印刷の工程、製品の耐性を向上させる目的で、レべリ
ング剤、耐摩耗性強化剤、帯電防止剤、抗菌剤等の添加
剤を添加することも可能である。
【0035】次に、以上のような加飾用フィルムを用い
た加飾成形品の製造方法の製造方法を説明する(図8参
照)。
【0036】まず、加飾用フィルム1を射出成形用の金
型である可動型6の表面にクランプ部材によりセットす
る。
【0037】可動型6へのセットの仕方の具体例として
は、ロール軸に長尺の加飾用フィルム1を一旦巻き取っ
てロール状巻物とし、このロール状巻物を射出成形用の
可動型6の上部に可動型6と一体的に移動可能に載置
し、ロール状巻物から加飾用フィルム1を巻き出しなが
ら、退避した可動型6と固定型7との間を通過させ、射
出成形用の可動型6の下部に可動型6と一体的に移動可
能に設置したフィルム巻き取り手段のロール軸により加
飾用フィルム1を巻き取るようにすればよい。別の例と
しては、枚葉の加飾用フィルム1を用いて、ロボットや
人手により可動型6の表面にセットしてもよい。加飾用
フィルム1の可動型6の表面へのセットに際しては、加
飾用フィルム1を可動型6の表面に配置した後、可動型
6の表面に対する加飾用フィルム1の位置を位置決めセ
ンサーなどにより決定し、加飾用フィルム1を射出成形
用の可動型6の表面にクランプ部材によって押さえ付け
るとよい。
【0038】次いで、加飾用フィルム1を射出成形用の
可動型6の表面にセットした後に、射出成形用の可動型
6に形成された真空吸引孔を利用して、加飾用フィルム
1を可動型6のキャビティ形成面8に沿わせるように真
空吸引することにより、射出成形用の可動型6の凹部す
なわちキャビティ11のキャビティ形成面8に沿うよう
に立体形状に加工する。具体例としては、可動型6と固
定型7との間に挿入した加熱板などで、可動型6の表面
にセットした加飾用フィルム1をその軟化点以上に加熱
して軟化させ、射出成形用の可動型6の凹部と加飾用フ
ィルム1との間の空間を密閉して真空吸引孔から排気し
て真空吸引し、射出成形用の可動型6の凹部内面(キャ
ビティ形成面8)に加飾用フィルム1を密着させる方法
がある。立体形状に加工する際、あるいはクランプ部材
で加飾用フィルム1を押さえ付けて固定する際に、加飾
用フィルム1の不要部分の打抜き加工をしてもよい。
【0039】上記方法に代えて、加飾用フィルム1を射
出成形用の可動型6の表面にセットする前に、射出成形
用の可動型6と固定型7とは別の立体加工成形用型を用
いて加飾用フィルム1をあらかじめ所望の形状に立体加
工し、また所望の形状に打抜き加工したのち、射出成形
用の可動型6の凹部内に、立体加工された加飾用フィル
ム1をはめ込むようにしてもよい。ここで、立体加工と
は、平面の状態から立体的形状に加飾用フィルム1を形
状変化させることをいう。所望の形状としては、射出成
形用の可動型6または固定型7のキャビティ形成面8に
合致する形状などがある。立体形状に加工する方法とし
ては、真空成形法や圧空成形法、熱せられたゴムを押し
つける押圧成形法、またはプレス成形法などがある。こ
こで、真空成形法とは、加飾用フィルム1をその軟化点
以上に加熱して軟化させ、真空成形金型の凹部と加飾用
フィルム1との間の空間を密閉して真空吸引し、真空成
形金型の凹部内面に加飾用フィルム1を密着させ、射出
成形用の可動型6のキャビティ形成面8に合致した立体
形状に加飾用フィルム1を成形する方法である。所望の
形状に打抜き加工する方法としては、トムソン打抜き
法、金型によるプレス法などがある。打抜き形状として
は、所定形状の外周に沿った線や所定形状の孔などがあ
る。なお、立体形状に加工する際に同時に打抜き加工を
してもよい。
【0040】次に、固定型7に対して可動型6を型閉め
して溶融状態の成形樹脂10を固定型7のゲート部9か
らキャビティ11内に射出し、成形樹脂10を固化させ
てキャビティ11内で樹脂成形品を形成すると同時にそ
の表面に加飾用フィルム1の接着層5側を一体化接着さ
せる。
【0041】その後、樹脂成形品を可動型6から取り出
したのち、樹脂成形品に接着した加飾用フィルム1のう
ち不要な部分を除去する。なお、上記したようにあらか
じめ所望の形状に打ち抜き加工していた場合には、加飾
用フィルム1の不要な部分を除去する作業は不要であ
る。
【0042】射出成形用の金型としての可動型6と固定
型7は、上記した実施形態に特に限定されることはな
く、成形樹脂10を射出するゲート部9を有する固定型
7と可動型6から構成され、固定型7と可動型6とが型
閉めされることによって、固定型7および可動型6のキ
ャビティ形成面8によって囲まれた単数あるいは複数の
キャビティ11が形成されるものを使用すればよい。射
出成形用の可動型6と固定型7とにより形成されるキャ
ビティ11内にセットされた加飾用フィルム1は、キャ
ビティ形成面8を覆うことになる。キャビティ11は樹
脂成形品に孔部を形成するものであってもよい。キャビ
ティ11を形成する凹部は固定型7あるいは可動型6の
いずれかに形成されていてもよい。可動型6または固定
型7は、凹部の周囲で加飾用フィルム1を押さえ付けて
固定するクランプ部材を有してもよい。クランプ部材は
固定型7あるいは可動型6に設置されてもよい。
【0043】成形樹脂10は、特に限定されることはな
い。たとえば、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、
ポリアクリロニトリルスチレン系樹脂、ポリアクリロニ
トリルブタジエンスチレン系樹脂などを用いることがで
きる。また、自動車の内装部品や外装部品に用いられる
代表的な成形樹脂10としては、タルクを含有したポリ
プロピレン樹脂、変成ポリプロピレン樹脂などを挙げる
ことができる。
【0044】次いで、型開きして加飾用フィルム1が一
体化して接着された樹脂成形品を取り出す。加飾用フィ
ルム1が転写材の場合は、基体シート2を剥離する。こ
のようにして、加飾成形品を得ることができる。
【0045】なお、横型射出成形機の場合には、上記の
とおりであるが、竪型射出成形機の場合には、固定型7
と可動型6の関係が横型射出成形機の場合と逆になる。
また、射出成形機の金型は2枚型の場合だけでなく、3
枚型の場合にも同様に適用することができる。
【0046】
【発明の効果】本発明の加飾用フィルムおよびこれを用
いた加飾成形品の製造方法は、以上のとおりの構成を有
するので、次のような優れた効果を有する。
【0047】すなわち、本発明の加飾用フィルムが、基
体シート上に少なくとも金属薄膜層および該金属薄膜層
との重複部分を有する図柄層を形成したものであり、上
記金属薄膜層と図柄層との重複部分の一部又は全部にグ
ラデーションを1方向以上にかけた図柄パターンを有す
るので、金属薄膜層の金属光沢面からの反射が図柄パタ
ーンのグラデーション変化に従って抑えられる。その結
果、グラデーションをかけた図柄パターンを透して見る
者が感じる金属光沢面からの反射に変化が生じ、転写材
がグラデーションを1方向以上にかけた金属光沢パター
ンを有するように見える。したがって、意匠性に優れた
加飾成形品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るグラデーションを明度変化の点か
ら説明したグラフである。
【図2】本発明に係るグラデーションを色相変化の点か
ら説明したグラフである。
【図3】本発明に係るグラデーションに該当する連続変
化を説明したグラフである。
【図4】本発明に係るグラデーションに該当しない連続
変化を説明したグラフである。
【図5】本発明に係るグラデーションに該当する変化割
合を説明したグラフである。
【図6】本発明に係るグラデーションについてその方向
や変化程度の例を示した図である。
【図7】本発明に係る加飾用フィルムの一実施例を示し
た断面図である。
【図8】本発明に係る加飾成形品の製造工程の一実施例
を示した実施例である。
【図9】L表色系立体図である。
【符号の説明】
1 加飾用フィルム 2 基体シート 3 金属薄膜層 4 図柄層 5 接着層 6 可動型 7 固定型 8 キャビティ形成面 9 ゲート部 10 成形樹脂 11 キャビティ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体シート上に少なくとも金属薄膜層
    および該金属薄膜層との重複部分を有する図柄層を形成
    した加飾用フィルムにおいて、上記金属薄膜層と図柄層
    との重複部分の一部又は全部にグラデーションを1方向
    以上にかけた図柄パターンを有し、上記グラデーション
    が、JIS Z 8729−1980(CIEによるL
    表色系<1976>)によりグラデーション
    をかけた方向に0.2〜1.0mmの等間隔で順次移動
    させて少なくとも3点以上の測定点で色度を測定した場
    合に、各測定点で得られた色度の刺激値L、a、b
    のうち少なくとも一つが測定点間で連続的に増加変化
    または減少変化し且つa、bのうち少なくとも一つ
    が変化する場合には該変化に伴うa/bの比率数値
    変化が20%以内になるように保たれるものであり、任
    意の2.0mmの測定移動の間に変化する色差ΔEがい
    ずれもΔE≧0.2となるものであることを特徴とする
    加飾用フィルム。
  2. 【請求項2】 請求項1の加飾用フィルムを射出成形用
    金型内に挿入し、型締め後、溶融した成形樹脂を射出す
    ることにより成形と同時に加飾用フィルムを樹脂成形品
    の表面に一体化し、冷却固化後、成形品を金型内より取
    りだすことを特徴とする加飾成形品の製造方法。
  3. 【請求項3】 成形品を金型内より取り出した後又は取
    り出す際に、基体シートを剥離する請求項2記載の加飾
    成形品の製造方法。
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