JP2002045729A - インライン型の遠心分離方法とインライン型遠心分離機 - Google Patents

インライン型の遠心分離方法とインライン型遠心分離機

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JP2002045729A
JP2002045729A JP2000238258A JP2000238258A JP2002045729A JP 2002045729 A JP2002045729 A JP 2002045729A JP 2000238258 A JP2000238258 A JP 2000238258A JP 2000238258 A JP2000238258 A JP 2000238258A JP 2002045729 A JP2002045729 A JP 2002045729A
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separated
rotation
separation
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Masatake Takashima
正武 高島
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SEKINE KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の課題は、単一の装置で液体と固体、
液体と液体、粉体と粉体を比重の差を元に連続的な分離
を可能とし、しかも単純な構造で故障や劣化がしにく
く、コストも安い全く新規な原理に基づく遠心分離方法
とその方法を実行する遠心分離機を提供することにあ
る。 【解決手段】 回転半径を回転軸方向に変化させた回転
室と、該回転室に隣接させて二枚の静止円盤に挟まれた
静圧室とを設け、両室を前記回転室の回転端部の外周縁
で連結し、前記回転室の回転軸近傍に環状に第1の分離
流体排出口を設け、前記静圧室の中心近傍に第2の分離
流体排出口を設け、前記回転室に処理流体を供給しなが
ら該回転室を回転駆動することにより、該回転室内で比
重の大きな成分から小さい成分に円筒層状に分離させる
と共に、比重の小さな成分を第1の分離流体排出口か
ら、比重の大きな成分を第2の分離流体排出口から分離
取り出す方法を採用した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、まったく新しい原
理に基く遠心分離技術に関するものであって、固体と液
体が各種組み合わせて混合されている流動状物を連続動
作で分離処理ができる技術を提供するものである。例え
ば、研磨剤の回収(固体と液体,固体と固体)や澱粉製
造工程での分離(液体中の固体)など、また、粉体と粉
体の分離ではカーボン製品のサンドブラスト加工におけ
る研磨剤(SiC)および切削塵(カーボン粉末)の分
離等に。その他廃棄物のリサイクル処理工程など、あら
ゆる業種の分離システムとして広く採用できる遠心分離
技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】遠心分離機は有効な分離手段として古く
から広く採用されているところであるが、バッチ処理方
式のものが多く、連続処理方式のインラインタイプのも
ので満足できるものはなかなか無かった。というのはこ
の連続処理方式のものは液体と固体を分離するものと液
体と液体を分離するものとでは構造の異なる装置を必要
とし、同じ液体と液体の分離においても分離精度によっ
て異なる機械を必要としていた。しかも分離精度が不十
分であったり、構造が複雑であるため高価となりかつ故
障が多いといった問題があったからである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、単一
の装置で液体と固体、液体と液体、粉体と粉体を比重の
差を元に連続的な分離を可能とし、しかも単純な構造で
故障や劣化がしにくく、コストも安い全く新規な原理に
基づく遠心分離方法とその方法を実行する遠心分離機を
提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】回転半径を回転軸方向に
変化させた回転室と、該回転室の径の大きな回転円盤の
外側に二枚の静止円盤に挟まれた静圧室とを設け、両室
を前記回転端部の外周縁で連結し、前記回転室の径の小
さい回転円盤には回転軸近傍に環状に第1の分離流体排
出口を設け、前記静圧室の中心近傍に第2の分離流体排
出口を設け、前記回転室に処理流体を供給しながら該回
転室を回転駆動することにより、該回転室内で比重の大
きな成分から小さい成分に円筒層状に分離させると共
に、比重の小さな成分を第1の分離流体排出口から、比
重の大きな成分を第2の分離流体排出口から分離取り出
す方法を採用した。
【0005】
【発明の実施の形態】まず、本発明の遠心分離機を図面
を参照して説明する。第1図は本発明の遠心分離機の全
体構成を示した図である。1は中空の管であって、該管
1は途中遮蔽部材3が充填された形態で仕切られてお
り、その前後には円周方向に切り欠き部4,5が穿設さ
れている。この管1の右端部から処理流体が供給され、
管内を通って移送されるが、前記遮蔽部材3に止めら
れ、その前方部に設けられた切り欠き部4から管外に流
出する。該切り欠き部4の周辺は遠心分離を実行する回
転室7が設置されており、該回転室7は管1を軸としテ
ーパー状になった周壁面7aを有し概ね円錐台形状に形
成されている。円錐台形の頭部(径の小さい側の壁面を
こう呼ぶ。)は比重の小さい分離物の排出される誘導路
が形成された回転円盤15、円錐台形の底部(径の大きい
側の壁面をこう呼ぶ。)は加速翼11が配置された回転円
筒10が切り欠き部4に対峙して管1を囲うように一体と
された回転円盤9で構成されている。円錐台形の底部に
は前記周壁面7aに一体構造であって前記回転円盤9の
外側を囲うように環状の濃縮環8が配置されており、こ
こに比重の大きい分離物が集積され回転円盤9の裏側に
移送される。前記回転円盤9の裏側には2枚の平行配置
された静止板6aが配置されており、その間隙に薄い円
筒状の静圧室6が作られており、管1の切り欠き部5が
この静圧室部分で開口している。比重の大きい分離物は
この切り欠き部5を介して管1内に導入され、管1の端
部から排出される。本遠心分離機全体は管1を両側で支
える固定具2によって支持され、固定具2の近傍で管1
に設置されたラジアル軸受け16によって該管1を軸とし
て回転室7が回転可能に支承される。該回転室7にはベ
ルト20を介してモーター21より回転駆動力が与えられ
る。また、円錐台形の頭部にあたる回転円盤15には前述
したように比重の小さい分離物を排出させる誘導路が放
射状に形成されており、その分離物を受けて排出口に導
く環状の樋部材18が該回転円盤15の外周縁を囲うように
配置されている。
【0006】次に本発明の遠心分離機の分離動作につい
て説明する。遠心分離をしようとする処理流体は、中空
の管1の右端、処理流体導入口12より導入され、中空管
1内を導かれ、開口する切り欠き部4から回転室7内に
設けられた処理流体に回転を与えるための回転円筒10及
び加速翼11によって、回転室7の回転角速度と同じ角速
度に至らしめて回転室7内に噴出される。ここで円筒台
形の底部にあたる回転円盤9は回転室7の周壁面7aの
フランジ部と複数の連結部材によって一体的に結合され
ているので、前記の回転円筒10及び加速翼11は回転室7
の周壁面7aと常に連動し同じ回転駆動をする。流体は
高速回転の状態では回転室7内で回転軸と直交する断面
で概ねドーナッツ状の形態をとる。回転室7内で、高速
で回転している処理流体の内比重の大きい成分は外周の
方向に移動し比重の小さい成分は回転中心方向に遠心分
離の原理により集まる。比重の小さい成分は回転中心方
向に集められ、回転中心に近い部分に等加速度面を形成
するので、図中その右端部分に設けた分離流体流出口14
より流出する。外周方向に移動した比重の大きい成分
は、さらに、円錐台形をした回転室7の周壁面7aの傾
斜にそって図の左方向、即ち、開口径の大きな側に移動
させられ、遠心力に基く圧力によって濃縮環8の外周に
押しつけられながら蓄積してゆく。該濃縮環8の内側に
は静圧室6が配設されており、前記回転室7で生じた遠
心力による圧力を該濃縮環8を介して円筒状の静圧室6
の外周縁に加圧し、蓄積された比重の重い成分は該静圧
室6内へ送り込まれる。該静圧室6は静止した2枚の円
盤6aによって形成されているので、この隙間に達した
比重の重い分離成分は静止円盤6aによって回転速度が
失われて遠心力が作用しなくなり、静圧のみが作用する
ようになる。該比重の重い成分にはその比重に応じた静
圧がかかることになるが、濃縮環8からの前記の遠心力
による圧力に押されて中心の管1の方向に押し寄せられ
る。静止円盤6a間を移動し開口する切り欠き部5に至
った分離成分は、切り欠き部5から中空の管1内に押し
込まれ分離流体排出口13から排出される。かくして、本
装置によって、比重の大きい成分と比重の小さい成分は
分離されるのである。
【0007】この作動状況を図2により詳細に説明す
る。図2は、回転している回転室7及び濃縮環8を回転
軸に沿って垂直に切った断面の下半分に比重の均一な水
を注入した場合の状態を示し、図3は図1のB−Bで切
った断面、図4は図1のC−Cで切った断面の説明図で
あるが、説明に必要としない部分は省略し、分離しよう
とする流体の状態が分かり易いように描いた概念図であ
る。図2において、回転状態にある回転室7部分では、
水に働く遠心力で水は外周方向に押しつけられ円筒形状
となるが、その回転室7内の水の様子を図3に回転速度
に対応させて断面図の形で示す。Aで示すように、低速
回転では、回転壁面から数mmの水(図の斜線部分)は壁
面に沿って層をなして回転し遠心力によって図の上部か
ら落ちてくることはない。回転壁面からさらに内側の水
は層にはならず上方領域で落下をはじめ図のように下部
領域にたまり、この下方領域で部分的に回転する。この
様子を図中の矢印aで示している。Bに示すように回転
壁面の速度が上がると、回転壁面から水が壁面に沿って
層をなし、それ以上内側の水はやはり上方領域で落下し
下方領域で部分的な回転(図中の矢印bで示す。)が残
る。Cに示した回転液体の内径が半径70mmで内径部分
での遠心力が40g(gは重力加速度)以上となる高速
回転数の場合は、回転室7内の全ての水がほぼ等角速度
で回転する。この現象は、液体の粘性、密度、表面張力
によって固有の回転速度で均等な回転状態となることが
実験で確かめられた。実験の結果によると、粘性の高い
液体ほど、又表面張力の小さいほど最低限界が低くなる
が、密度の高い液体は、ひとたび均等な回転が始まる
と、幾分回転速度を下げても均等な状態を持続する。表
面張力の大きい液体にも同様の結果が予測できる。
【0008】次に、静止円盤6aに挟まれた静圧室6内
の液体の挙動を説明する。図4のAは水の場合の図、B
は粘性の高い流動体の場合を示す。水の場合は、図の下
方領域に水が充満し、中心からr1の距離の処に水面が
できる。水平方向には静止円盤6aの外周と接している
濃縮環8から水が内部に流れ込むが、上方領域では直ち
に下方に落下する。下方位置では、既に中心からr1の
距離で回転室7の回転に基く圧力とバランスが取れてい
るため、水面が水平になるように流れ込む余分な水は、
下方中心部で静止円盤6aの外に流れ出て還流する。上
部も全ての位置で中心方向への水圧で水が静止円盤6a
の中心に向かって流れ込んでくるが、全ての円周から静
止盤6aに挟まれた空間に流れ込んだ水は下方に落下
し、下方の水面を持ち上げることになり、これも水位が
バランスするように、最下部で濃縮環8の方に流出還流
する。
【0009】粘性の高い流動物の場合は、静止円盤6a
に挟まれた空間での流動物の移送速度は遅く、Bに示す
ように濃縮環8から押し込まれてくる流動物は濃縮環8
の回転に引きずられ上方領域をもかなりの部分を充満さ
せる。下方領域では中央部分で濃縮環8に一部還流する
流動もあるが、流入する流動物の方が多いときには、内
部の圧力が増すことになり、圧力の逃げ場を求めて中空
の管1に設けられた切り欠き部5から管1内に押し込ま
れることになり、分離流体排出口13に導かれる。一般
に、比重の軽い成分より比重の重い成分の方が、粘性が
高いか又は流動性が悪いという傾向があり、比重の重い
成分の場合は、Bに示したような形態となり分離され濃
縮された成分は、静止円盤6aの内側を経て切り欠き部
5から管1内に押し込まれる。
【0010】このシステムにおける処理流体の分離排出
メカニズムを理解するために混入物のない水を原液とし
て供給した場合を考える。回転室7を回転駆動した状態
で水を管1から供給すると、切り欠き部4から回転室7
に導入された水は回転円筒10と加速翼11にぶつかって回
転力を付与され、図3のCに示すように回転軸に直交す
る断面が概ねドーナッツ状の円筒形態となる。その下方
部分を回転軸に沿った断面で示したものが図2である。
回転室7部分の流体中の圧力PArは、流体にかかる加
速度が回転半径によって変わるため、回転中心からの距
離をrとし、回転している流体が中心軸を囲む円柱状に
できる空間表面までの半径(ドーナッツの内側径)をr
2とすると、次の式で表すことができる。
【数1】 なお、厳密にはこれに静圧が重畳されるが重力加速度g
はこの場合の回転加速度に比べ小さいので一般に無視し
て問題はない。流体を回転させる力は静止円盤6aの外
周部分に沿って回転している濃縮管8内の液体を介して
静圧室6にも伝達されるが、静圧室6は2枚の静止円盤
6aに挟まれているため、充満している流体が水の場合
は粘性は低く、鉛直面全体に亘り水を回転させるほどの
力は伝達されない。そこで、管1の下方だけに水は充満
し、管1の上方は濃縮管8から滝のように水が落下する
図4のAに示す状態になるが、ここでは、静圧室6の下
半分だけを考えることにする。この部分の水にかかる力
は遠心力が無視できる程度であるから管1の中心(回転
中心)から水位までの半径rに関係なく一定の重力加速
度gに基く力だけを考えれば良い。そこで静圧室6内の
任意の位置rでの圧力PBrは回転中心から流体表面ま
での距離をr1とすれば次のようにあらわせる。 PBr=ρg(r−r1) これはすなわち静圧である。ここで、回転室7及び静圧
室6を満たしている流体は比重が同じであるから、回転
室7が静止していれば静圧室6の水位rl と回転室7
の水位r2 は等しくなるが、高速で回転している回転
室7の水位r2は静圧室6の水位rl と水位差が生じ
る。この水位差に基く静圧分ρg(r2−r1)が回転
に基く遠心力により生じている圧力成分ということにな
る。この圧力が回転しない静圧室6内の水にどのように
作用するかといえば、回転室7内の水は遠心力を受けて
外周方向へ更に周壁面7aが傾斜しているので回転半径
が更に大きい濃縮環8方向へと力が働く、ところがこの
濃縮環8の内側は回転運動をしない静圧室6となってい
るためこの部分では遠心力は作用せず濃縮環8と接する
外周部で回転室7からの先の力を受けることになる。こ
れが静圧室6内の水位r1を押し上げるように作用す
る。水位r1が一定であるならばこの圧力は安定してρ
g(r2−r1)ということになる。ところで回転速度
が増すと遠心力により生じる圧力は増加して水位差(r
2−r1)が大きくなるが、回転室7の水位r2 は分
離流体流出口14の位置に依存して常に一定であるから、
水位r1の方が回転速度に応じて上昇することになり、
水位r1が切り欠き部5に達すると水は管1に流入して
排出されるようになる。すなわち、この機構では水位r
1が切り欠き部5に達しない回転状態では供給される水
は分離液流出口14のみから排出され、適度の回転速度の
とき分離流体流出口14と切り欠き部5の両方から排出さ
れ、更に高速となると切り欠き部5のみから排出される
という動作となることが理解できよう。なお、当然のこ
とながら最後のケースでは回転室7の水位r2 は分離
流体流出口14の位置より下方まで下がってしまうことに
なる。
【0011】今、水に混入された水より比重の重い物質
を分離することを考えるとした場合、水を単独で入れた
場合の水位r1が切り欠き部5の位置より下にくるよう
な回転室7の回転速度で稼動することが一つの設定条件
となる。さもないと水自体も切り欠き部5を介して排出
されることになってしまい分離動作が機能しないことに
なるからである。それより低い回転速度で回転室7を回
転駆動すると原流体は遠心力を受け、分離すべき比重の
重い物質が外側へ、順に濃度が低くなって内側では水だ
けが存在する円筒層状体を形成する。そして回転室7の
周壁面7aはテーパー状となって円錐台形の傾斜面を作
っているので、分離すべき比重の重い物質は傾斜面に沿
って更に移動し、円錐台形の底部にあたる濃縮環8に集
められる。この濃縮環8は回転室7と一体構造であっ
て、一緒に回転しており、しかも最も回転半径の大きい
部分となっているのでこの部分では分離成分は図4のB
に示すようにリング状になって濃縮環8の外周面に押し
つけられている。しかし、その内側の静圧室6内では全
空間に分離成分が充満することはなく、空間ができる。
図中回転方向は時計方向であるが、水を原流体とした先
の場合は粘性が小さいためAに示すように水は下方領域
のみに存在するが、比重の重い物質を混入したものでは
Bに示すような形態となる。これは分離物質が水と比較
して粘性が高いものであることによる。このときの物質
が静圧室6の下方部分から濃縮環8部分へ一部還流があ
って、その両側の濃縮環8部分から静圧室6内に流入す
る流動循環の様子を矢印で示す。これらの観察から静圧
室6内では粘性物質の場合には回転方向に引きずられる
傾向があることが確認できる。
【0012】回転室7内においては回転に基く遠心力に
より、分離すべき比重の重い物質が外側へ、順に濃度が
低くなって内側では水だけが存在する円筒層状体を形成
することになるが、この状態で順次原流体が供給される
と内側の低比重流体の部分は水位r2 を超えた分が分
離流体流出口14から排出されると共に、分離すべき比重
の重い物質は濃縮環8方向へ押出され遠心力の作用しな
い静圧室6内に既に送り込まれていた分離成分を加圧し
て切り欠き部5、管1を経て分離流体排出口13から排出
される。遠心分離器の回転室を円錐台形形状としたとき
の本発明は、その最も径の大きな部分である濃縮環8部
分に比重の大きい物質を送り出すと共に、その隣接部分
に2枚の静止円盤を設けることにより遠心力の作用しな
い静圧室を形成して、比重の大きい分離成分を安定状態
にして順次排出するようにしたものであって、液体中に
混在する固形成分を濃密な状態で分離するなど二種分離
をインラインで連続処理できるシステムである。また、
回転数を制限することによって、比重の軽い成分だけが
入ってきたときにも、その比重の軽い成分が分離流体排
出口から排出することが無いような機能を付与すること
ができた。本発明の分離方式は、原理上比重の大きい流
体と比重の小さい流体とに分離する二種分離であるが、
分離流体をさらに処理流体とすることでさらに二種に分
離することが可能である。インライン方式においても本
発明の装置をカスケード配置すれば、多種分離が可能と
なる。そして、分離したい物質に対応した回転速度に設
定し分離閾値を調整すれば所望の物質を分離することが
できる。
【0013】
【実施例1】本発明の装置を実現するための具体的構成
を示す。まず図5に非回転部分の構成を示す。原流体に
対して化学的に安定したステンレス等鉄系材料のパイプ
部材を管1に採用する。長手方向1/3程度のところに
原流体導入路と分離流体排出路とを仕切る遮蔽材を配置
する位置を決め、その両側に90度程度の開口を対称位
置に2個づつ加工穿設し切り欠き部4,5とする。遮蔽
材3を所定位置に配置し切り欠き部4,5を利用して溶
接又は蝋付けによって液密に固定する。続いてこの管1
の切り欠き部5を挟む位置に二枚の静止円盤6aを溶接
又は蝋付けによって管1に取りつける。二枚の静止円盤
6aの間隔は分離成分の物性によって異なってくるが、
この間隙に静圧室6を形成させる必要から半径の1/5
以下が目安となる。
【0014】図6に回転部分の構成を示す。回転室7の
形状は概ね円錐台形であってその傾斜面を形成する周壁
面7aの部材は底部分にフランジ部を有していて、この
フランジ部に回転円盤9を比重の重い分離成分が通過で
きる所定の間隙を保つようにアングル等を用い円周方向
複数個所で固着する。この回転円盤9には加速翼11が円
周方向複数個所に取りつけられた回転円筒10が同心状に
配置固定されており、中心部は管1との間に間隙ができ
る大きさの穴があいている。周壁面7aの部材頭部分に
もフランジ部が形成されていて、そのフランジ部には回
転円盤15が溶接等により固定される。この回転円盤15は
平行する二枚の板で構成され、両者間は比重の軽い分離
成分が通過する排出路となるべく所定の間隙を保つよう
にアングル等を用い円周方向複数個所で固着する。ここ
で管1を回転軸とするラジアル軸受け23を準備するが、
この軸受けは内径と外径を異にする段違い形状をしてお
り内径の小さい部分は管1の外形寸法に、内径の大きい
部分にはベアリング部材16とシール部材17が管1の外面
との間で機能するように配置されている。そして外径の
異なる段違い面に先の回転円盤15の外側面が溶接等適宜
の手段で一体的に固着される。前記の回転円盤15の内側
の円盤には同心状に穴が空けられていてラジアル軸受け
23の小さい外径との間で環状の分離流体流出路が形成さ
れるようになっており、この穴の径が回転室7の液面位
置を決定するものとなる。また、外側の円盤の穴は構造
上ラジアル軸受け23の小さい外径と同じかそれ以上であ
ることが必要である。以上の構成が回転部材の一方とな
る。
【0015】他方の回転部材は円錐台形の底部を構成す
るもので、底円盤24と濃縮環8とラジアル軸受け22とか
ら構成される。ラジアル軸受け22は概ね円筒形状の金属
体で、その内径部にはベアリング部材16とシール部材17
が管1の外面との間で機能するように配置され、外面部
にはモーター21の駆動力を伝達するベルト20の案内溝22
aが穿設されている。底円盤24には同心状にラジアル軸
受け22の内径に等しい大きさの穴が設けられていて、そ
の穴の位置が一致するように底円盤24とラジアル軸受け
22の端面が溶接等の手段で固着される。そしてこの底円
盤24の外周端部に濃縮環8が溶接等の手段で固着され
る。これが他方の回転部材の構成であるが、これを前記
の非回転部分の構造体の分離流体排出口13側から挿入
し、一方の回転部材を非回転部分の構造体の原流体導入
口12側から挿入し、双方から静止円盤6aを挟むように
装着する。ここで一方の回転部材の周壁面7aのフラン
ジ部外周端部と他方の回転部材の濃縮環8の外周端部と
を気密状態で固定一体化し回転体を完成させるのである
が、この固定方法は溶接でもよいが後の分解メンテナン
スの便を考慮するとボルト等の嵌め外し可能な固着方法
を採用する方が望ましい。以上のように回転体を構成す
るが、これは回転機械であるので設計制作に際しては構
造上重心が偏心しないようにすることが重要である。
【0016】以上の構造体の設置にあたっては、ラジア
ル軸受け22,23の外側で管1を適宜の固定部材2で支持
固定するのであるが、これは管1を単に固定するだけで
はなく回転体が軸方向に移動しないよう位置決めする機
能ももたせるものである。二枚の回転円盤15の外周端は
開放されておりここから比重の小さい分離流体が回転に
よって放射状に排出されることになるが、この回転円盤
15の外周端を環状に囲うように分離流体回収樋18が配設
され、これによって放射状に排出される分離流体が回収
集められその下方位置に設けられた排出流体回収口19か
ら比重の小さい分離流体が取り出される。
【0017】尚、濃縮環8の内周と静止円盤6aの外周
の距離は1mm〜50mm程度に設計することができる
が、分離する流体の性質例えば、5mm径の固まりが混
入されている場合は50mm程度、また1mm以下の砂
粒を含有する液から砂混じりの固形成分を分離する場合
は10ミリ程度にあけるのが目安である。以上の例では
回転室7の形状を円錐台形として説明したが、必ずしも
この形状に限られず回転室7の部分を円筒型の管で構成
し、その管の一方に径の小さい円筒型の管を接続し、分
離流体流出口14付近でさらに径の小さい管を接続した断
面が階段状になる構造を採用してもよい。即ち、回転す
る分離室を径の異なったパイプを数段接続し、分離液流
出口14付近は最小径のパイプとし、濃縮環8への接続部
分は最大径のパイプとした構造でもよい。
【0018】
【発明の効果】本発明は、回転室と二枚の静止円盤に挟
まれた静圧室とを隣接して配置し、両室を前記回転室の
外周縁で連結し、前記回転室の回転軸近傍に環状に第1
の分離流体排出口を設け、前記静圧室の中心近傍に第2
の分離流体排出口を設け、前記回転室に処理流体を供給
しながら該回転室を回転駆動することにより、該回転室
内で比重の大きな成分から小さい成分に円筒層状に分離
させると共に、比重の小さな成分を第1の分離流体排出
口から、比重の大きな成分を第2の分離流体排出口から
分離取り出すことを特徴とするインライン型の遠心分離
方法を採用したものであるから、構造的には回転室に隣
接する静圧室の組み合わせを基本とし、構造が単純であ
って、消耗部分が少ないためコスト的にも安価に提供で
きて故障も少なく、しかも肝心の分離精度もよいので使
用者に十分満足される遠心分離機が提供できる。また、
従来の遠心分離機は処理する原料が固体・液体の組み合
わせからなり、分離すべき物質が何であるかにより異な
る装置を必要としていたが、本方式の遠心分離は処理流
体が粉体を含む固体と液体との適宜の組合せからなるも
のを、共通的に扱える汎用性の点で画期的なものであ
る。その上、本発明の分離方式は、原理上比重の大きい
流体と比重の小さい流体とに分離する二種分離である
が、分離流体をさらに処理流体とすることでさらに二種
に分離することが可能となる。インライン方式において
も本発明の装置をカスケード配置すれば、多種分離が可
能となり、分離したい物質に対応した回転速度に設定し
分離閾値を調整すれば所望の物質を分離することができ
るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の遠心分離機の全体構成断面図
【図2】本発明の作動原理を説明する要部下方断面図
【図3】本発明の回転室内の状態を示す概念図
【図4】本発明の静圧室内の状態を示す概念図
【図5】本発明の非回転部分の主要構成を示す斜視図
【図6】本発明の回転部分の主要構成を示す断面図
【符号の説明】
1 管 12 処理流体導入口 2 固定具 13 分離流体排出口 3 遮断材 14 分離流体流出口 4 切り欠き部 15 回転円盤 5 切り欠き部 16 ベアリング 6 静圧室 17 シール材 6a 静止円盤 18 分離流体回収樋 7 回転室 19 排出液回収口 7a 周壁面 20 ベルト 8 濃縮環 21 モーター 9 回転円盤 22 ラジアル軸受け 10 回転円筒 23 ラジアル軸受け 11 加速翼 24 底円盤

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転室と二枚の静止円盤に挟まれた静圧
    室とを隣接して配置し、両室を前記回転室の外周縁で連
    結し、前記回転室の回転軸近傍に環状に第1の分離流体
    排出口を設け、前記静圧室の中心近傍に第2の分離流体
    排出口を設け、前記回転室に処理流体を供給しながら該
    回転室を回転駆動することにより、該回転室内で比重の
    大きな成分から小さい成分に円筒層状に分離させると共
    に、比重の小さな成分を第1の分離流体排出口から、比
    重の大きな成分を第2の分離流体排出口から分離取り出
    すことを特徴とするインライン型の遠心分離方法。
  2. 【請求項2】 回転半径を回転軸方向に変化させた回転
    室と、該回転室の径の大きな回転円盤の外側に二枚の静
    止円盤に挟まれた静圧室とを設け、両室を前記回転端部
    の外周縁で連結し、前記回転室の径の小さい回転円盤に
    は回転軸近傍に環状に第1の分離流体排出口を設け、前
    記静圧室の中心近傍に第2の分離流体排出口を設け、前
    記回転室に処理流体を供給しながら該回転室を回転駆動
    することにより、該回転室内で比重の大きな成分から小
    さい成分に円筒層状に分離させると共に、比重の小さな
    成分を第1の分離流体排出口から、比重の大きな成分を
    第2の分離流体排出口から分離取り出すことを特徴とす
    るインライン型の遠心分離方法。
  3. 【請求項3】 回転半径を回転軸方向に変化させた回転
    室と、該回転室の径の大きな回転円盤の外側に二枚の静
    止円盤に挟まれた静圧室とを設け、前記径の大きな回転
    円盤と二枚の静止円盤を外側から環状に囲うように配置
    された濃縮環を前記回転室の周壁面端部に固定し、前記
    回転室には処理流体供給口と径の小さい回転円盤の回転
    軸近傍に第1の分離流体排出口を環状に設け、前記静圧
    室には中心近傍に第2の分離流体排出口を設け、更に前
    記回転室を回転駆動する手段とを備えたインライン型遠
    心分離機。
  4. 【請求項4】 回転半径を回転軸方向に変化させた回転
    室は、その周壁面が傾斜した概ね円錐台形である請求項
    3に記載のインライン型遠心分離機。
  5. 【請求項5】 回転半径を回転軸方向に変化させた回転
    室は、その周壁面が複数の円筒形である請求項3に記載
    のインライン型遠心分離機。
  6. 【請求項6】 処理流体供給口は回転軸でもある管の開
    口部であり、第2の分離流体排出口も該管の開口部であ
    って、両開口部は遮蔽材によって仕切られている請求項
    3乃至5に記載のインライン型遠心分離機。
  7. 【請求項7】 請求項3乃至6に記載の遠心分離機から
    排出された分離液を更に処理流体とするように該遠心分
    離機をカスケード配置するインライン遠心分離システ
    ム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007529625A (ja) * 2004-03-19 2007-10-25 コラス、テクノロジー、ベスローテン、フェンノートシャップ 溶融金属の精製方法
TWI554603B (zh) * 2014-02-14 2016-10-21 K C 科技股份有限公司 研磨液組合物之製造方法及依其製造之研磨液組合物

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