JP2002045391A - 吸収性物品 - Google Patents

吸収性物品

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JP2002045391A JP2001132698A JP2001132698A JP2002045391A JP 2002045391 A JP2002045391 A JP 2002045391A JP 2001132698 A JP2001132698 A JP 2001132698A JP 2001132698 A JP2001132698 A JP 2001132698A JP 2002045391 A JP2002045391 A JP 2002045391A
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extract
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高吸収性ポリマーの吸収性能を阻害せずに、
着用者の皮膚のかぶれを効率的に抑制し得る吸収性物品
を提供すること。 【解決手段】 吸収層4及び防漏層3を有し、吸収層4
が高吸収性ポリマーを含有する吸収性物品1において、
吸収性物品1の所定部位に、スキンケア効果を有し且つ
高吸収性ポリマーに対して実質的に分解作用を有さない
植物エキスが施されており、該植物エキスは、前記部位
から着用者の皮膚に移行して付着し得る状態で存在して
いる吸収性物品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高吸収性ポリマー
の吸収性能を阻害せずに、着用者の皮膚のかぶれを効率
的に抑制する吸収性物品に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】着用者
の皮膚のかぶれの防止を目的とした吸収性物品として
は、例えば特表平10−509895号公報及び特表平
10−509896号公報に記載のものが知られてい
る。これらの公報には、エモリエント剤を含むローショ
ン剤がトップシートに塗られている使い捨ておむつが記
載されている。このローション剤は、前記エモリエント
剤をトップシートに不動化させる不動化剤を含んでい
る。
【0003】しかし、前記公報に記載の使い捨ておむつ
では、前記エモリエント剤がトップシートに不動化され
ているので、該エモリエント剤は着用者の皮膚へ移行し
にくい状態となっている。従って、トップシートに施さ
れている前記エモリエント剤は、その全量が皮膚の消炎
作用に有効に寄与できず効率的とはいえない。更に、エ
モリエント剤を不動化させるために加えられた不動化剤
自身が刺激物質となり、かぶれを生じさせる場合があ
る。また、ローション剤が硬くなり、皮膚に小さな傷を
生じさせて、やはりかぶれを生じさせる場合がある。
【0004】また、前記公報以外にも、着用者の皮膚の
かぶれの防止を目的として、薬効成分を施した吸収性物
品が知られている。しかし、それらの吸収性物品におい
ては、適切な薬効成分を選択しないと、薬効成分に起因
して高吸収性ポリマーの架橋構造が切断されてしまい、
液の吸収量が低下し、液戻り量が増加してしまう。液戻
り量の増大は皮膚の湿潤の原因となり、これによって逆
に皮膚のかぶれが促進されてしまう。それを防ぐために
薬効成分の量を減らすと、かぶれ防止効果が発揮されな
い。
【0005】従って、本発明は、高吸収性ポリマーの吸
収性能を阻害せずに、着用者の皮膚のかぶれを効率的に
抑制し得る吸収性物品を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、液保持性の吸
収層及び液不透過性の防漏層を有し、該吸収層が高吸収
性ポリマーを含有する吸収性物品において、該吸収性物
品の所定部位に、スキンケア効果を有し且つ前記高吸収
性ポリマーに対して実質的に分解作用を有さない植物エ
キスが施されており、該植物エキスは、前記部位から着
用者の皮膚に移行して付着し得る状態で存在している吸
収性物品を提供することにより前記目的を達成したもの
である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の吸収性物品の好ま
しい実施形態を、該吸収性物品として使い捨ておむつを
例にとり図面を参照して説明する。
【0008】本実施形態の使い捨ておむつ1は、図1に
示すように、不織布や有孔フィルム等からなる液透過性
の表面層としての表面材2と、液不透過性の防漏層とし
ての裏面材3と、表面材2及び裏面材3間に介在される
液保持性の吸収層としての吸収体4とを有して構成され
ている。吸収体4は、おむつ1の股下領域に対応する領
域がくびれた砂時計形状に湾曲形成されている。そし
て、吸収体4は、表面材2及び裏面材3によって挟持・
固定されている。
【0009】吸収体4の前後および左右端縁部から外方
に延出する表面材2及び裏面材3によって形成される背
側および腹側のウエスト部5,5’と一対のレッグ部
6,6とには、おむつ1を着用した際に、ウエスト部
5,5’とレッグ部6,6とを着用者の身体にフィット
させるための弾性伸縮部材7が、表面材2及び裏面材3
によって固定されて設けられている。背側のウエスト部
5の幅方向両端にはそれぞれテープファスナー等からな
る一対の止着具8が取り付けられており、また、腹側の
ウエスト部5’における裏面材3上には矩形状のランデ
ィングテープ等からなる被着具(図示せず)が貼付され
ている。そして、本実施形態の使い捨ておむつ1が着用
される際に、止着具8,8が被着具上に止着するように
なされている。おむつ1を構成するこれらの部材として
は、従来の使い捨ておむつに用いられているものと同様
のものが用いられる。
【0010】吸収体4は、高吸収性ポリマーの粒子及び
不織布を有している。高吸収性ポリマーの粒子は不織布
の繊維間間隙に保持されている。高吸収性ポリマーの粒
子を保持した不織布は、薄葉紙11によってその全面が
被覆されている。これによって吸収体4が構成されてい
る。このような構成の吸収体4は、パルプ及び高吸収性
ポリマーの粒子を主体として構成される従来の吸収体に
比して極めて薄いものとなる。不織布を構成する繊維と
しては、レーヨン繊維やコットン、酢酸セルロース等の
親水性繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオ
レフィン系繊維、ポリエステル、ポリアミド等の縮合系
繊維、塩化ビニル、酢酸ビニル等のビニルモノマー重合
体の繊維等が挙げられる。これらの繊維のうち疎水性の
ものは、油剤等の処理により親水化して用いても良い。
【0011】本発明において用いられる高吸収性ポリマ
ーは、その遠心脱水法による生理食塩水の吸水量が、好
ましくは30g/g以上、更に好ましくは30〜45g
/g、一層好ましくは35〜45g/gである。前記吸
水量が30g/g未満の高吸収性ポリマーを用いると、
吸収力を向上させるために吸収体4中のポリマー量を増
加させる必要があり経済的でなく、また厚型のオムツに
なってしまい携帯性に欠けることがある。前記吸水量は
以下の方法で測定される。
【0012】<高吸収性ポリマーの遠心脱水法による吸
水量の測定方法>高吸収性ポリマー1gを生理食塩水1
50mlで30分間膨潤させた後、250メッシュのナ
イロンメッシュ袋に入れ、遠心分離機にて143Gで1
0分間脱水し、脱水後の全体重量を測定する。次いで、
以下の式(1)に従って遠心脱水法による吸水量(g/
g)を算出する。
【0013】
【数1】
【0014】前記高吸収性ポリマーとしては、前記の特
性を満足するものであれば特に制限されないが、具体的
には例えば、ポリアクリル酸ソーダ、(アクリル酸−ビ
ニルアルコール)共重合体、ポリアクリル酸ソーダ架橋
体、(デンプン−アクリル酸)グラフト重合体、(イソ
ブチレン−無水マレイン酸)共重合体及びそのケン化
物、ポリアクリル酸カリウム、並びにポリアクリル酸セ
シウム等が挙げられる。尚、前記の特性を満たすように
するためには、例えば、高吸収性ポリマーの粒子表面に
架橋密度勾配を設けたり、高吸収性ポリマーの粒子を非
球形状の不定形粒子とすればよく、具体的には特開平7
−184956号公報の第7欄28行〜第9欄第6行に
記載の方法を用いることができる。
【0015】更に、本発明において用いられる高吸収性
ポリマーは、以下の方法で測定される液通過時間が、2
0秒以下、特に2〜15秒であることが、ゲルブロッキ
ングの発生及びそれに起因する吸収性能の低下を防止
し、また、吸収が間に合わないことに起因する液の素抜
けによる漏れの発生を防止する点から好ましい。
【0016】<液通過時間の測定方法>断面積4.91
cm2 (内径25mmφ)で底部に開閉自在のコック
(内径4mmφ)が設けられた円筒内に、該コックを閉
鎖した状態で、高吸収性ポリマー0.5gを生理食塩水
と共に充填し、該生理食塩水により該高吸収性ポリマー
を飽和状態に達するまで膨潤させる。膨潤した該高吸収
性ポリマーが沈降した後、該コックを開き、生理食塩水
50mlを通過させる。該生理食塩水50mlが通過す
るのに要した時間を測定し、この時間を液通過時間とす
る。
【0017】高吸収性ポリマーは、5〜300g/
2 、特に100〜250g/m2 配合されていること
が好ましい。ポリマーの量が300g/m2 を超えると
前記不織布との絡み合いが十分でなくなり、ポリマーが
移動し易くなり、また吸収性能の不安定化につながる。
【0018】本実施形態のおむつ1においては、表面材
2に所定の植物エキスが施されている。植物エキスとし
ては、着用者の皮膚に対してスキンケア効果を有するも
のが用いられる。本明細書において、「スキンケア効
果」とは、皮膚のかぶれ防止、消炎、抗菌等の皮膚の状
態を正常にする効能全般を意味する。これに加えて、植
物エキスとしては、吸収体4に含まれている高吸収性ポ
リマーに対して実質的に分解作用を有さないものが用い
られる。「高吸収性ポリマーに対して実質的に分解作用
を有さない」とは、高吸収性ポリマーに対して全く分解
作用を有さない場合、及び高吸収性ポリマーの有する吸
水性能を実質的に低下させない程度の低い分解作用を有
する場合の双方を包含する。斯かる植物エキスを施すこ
とで、着用者から排出された体液、例えば尿や汗によっ
て起こり得る皮膚のかぶれや炎症が抑制され、またかぶ
れや炎症が起こった場合にそれらが治癒される。更に、
吸収体4に含まれている高吸収性ポリマーの分解及びそ
れに起因する吸収性能の低下が防止される。高吸収性ポ
リマーの分解防止は、本実施形態に用いられている吸収
体4のように、高吸収性ポリマーの吸収容量が高い場合
(前述の遠心脱水法による吸水量が高い場合)に特に効
果的である。
【0019】植物エキスは、表面材2から着用者の皮膚
に移行して付着し得る状態で該表面材2に存在してい
る。特に植物エキスは、水分と接触することでおむつ1
から容易に離脱し、溶解又は分散するものであるか、又
はそのような状態にあることが好ましい。具体的には、
おむつ1が体液、例えば尿や汗と接触することによって
該植物エキスが体液に拡散・溶解して該植物エキスに易
動性が付与され、着用者の皮膚に移行して付着する状態
で表面材2に存在していることが好ましい。植物エキス
がこのような状態で存在していることで、植物エキスが
移動し易くなり、容易に着用者の皮膚に達することがで
き、皮膚のかぶれや炎症が抑制され、またかぶれや炎症
が起こった場合にそれらが迅速に治癒される。
【0020】植物エキスをこのような状態で存在させる
には、例えば表面材2が不織布からなる場合、該不織布
を構成する繊維に予め植物エキスを施しておき、植物エ
キスが施された繊維を原料として前記不織布を形成する
方法が挙げられる。この場合、植物エキスは、界面活性
剤の水溶液に混合しておき、混合により得られた混合液
を前記繊維に付着させることで施される。
【0021】植物エキスを前記状態で存在させる別法と
して、表面材2に植物エキスを塗布する方法が挙げられ
る。この場合、植物エキスは、界面活性剤及び必要に応
じ後述する浸透促進剤と混合しておき、混合により得ら
れた混合液を表面材2に塗布することで施される。
【0022】植物エキスは、各種植物の全体又はその
葉、樹皮、根及び枝のうちの一又は二以上の箇所を乾燥
させ又は乾燥させることなく粉砕した後、常温又は加温
下に溶剤によって抽出するか又はソックスレー抽出器等
の抽出機具を用いて抽出することによって得られる。植
物エキスとしては、スキンケア効果を有し且つ高吸収性
ポリマーに対して実質的に分解作用を有さないものであ
れば特に制限無く用いることができる。特に、植物エキ
スとして、柚エキス、ハマメリスエキス、アスナロエキ
ス、アロエエキス及びオウバクエキスから成る群から選
択される一種以上の物質を用いることで、スキンケア効
果が一層高くなり、また高吸収性ポリマーの分解が一層
抑制される。これらのうちでも、スキンケア効果の更に
一層の向上及び高吸収性ポリマーの更に一層の分解抑制
の点から、ハマメリスエキス、アスナロエキス、柚エキ
スを用いることが好ましい。吸収性物品の製造工程で加
熱処理を行う場合に防爆対応を要しない点から、前記植
物エキスは、1,3−ブチレングリコール抽出物である
ことが好ましい。また、1,3−ブチレングリコール抽
出物を用いることで、1,3−ブチレングリコールが植
物エキスと共におむつ1中に共存することになり、吸収
性能の劣化が少なくなる。
【0023】通常、植物エキスは、有効成分に加え溶剤
成分及び水分を含んだ状態となっている。この状態での
植物エキスの有効成分量(溶剤成分や水分を除いた量)
は、0.001〜5重量%であれば良い。但し、抽出用
の溶剤成分として1,3−ブチレングリコールを用いた
場合には、有効成分量と1,3−ブチレングリコールの
量との総和が前記範囲内であればよい。特に、有効成分
量は、溶剤成分の量に対して0.001〜10重量%で
あることが好ましい。
【0024】表面材2との摩擦に起因する皮膚の傷つき
は、僅かな刺激物質に対してもかぶれを発生させる原因
となる。そのため、植物エキスが施されている表面材2
には不織布や織布などの軟らかな繊維集合体からなるシ
ート材を用いることが好ましい。この観点から、繊維集
合体を構成する繊維の太さは0.5〜5.5dtex、
特に1〜3.3dtexであることが好ましい。
【0025】表面材2として不織布を用いる場合には、
その柔軟性を一層高めるために、構成繊維の融点よりも
10℃以内で高い温度で熱処理して不織布化することが
望ましい。その場合、不織布の強度が低下し、おむつ1
の製造や実使用上に支障を来す場合がある。そこで、不
織布にエンボス処理を施すことによって、不織布の強度
を向上させると共に肌との接触面積を上げて、植物エキ
スの移行量を増大させることが好ましい。エンボス処理
する場合、エンボス面積率は、5〜50%、特に10〜
30%であることが、不織布の強度向上及び風合い低下
の防止並びに接触面積の上がり過ぎに起因する皮膚との
べたつき防止の点から好ましい。
【0026】また、表面材2として不織布を用いる場合
には、植物エキスを効果的に皮膚に移行させるために、
該不織布の肌接触面側に多量の植物エキスを施すことが
好ましい。このように植物エキスを施すには、不織布と
して二層以上の多層構造を有するエアスルー不織布を用
い、肌接触面側である上層への植物エキスの配合量を高
めることが望ましい。その場合、相対的に親水性処理剤
の割合が低下することで、吸収性能の劣化につながるお
それがある。これを防ぐ目的で、肌非接触面側である下
層に相対的に繊度の大きな繊維を用い、肌接触面側であ
る上層に相対的に繊度の小さな複合繊維を用いることが
好ましい。複合繊維としてサイド・バイ・サイド型や偏
心芯鞘型の複合繊維を用いることで、繊維に立体捲縮が
かかり、繊度が小さくても(=風合いが優れる)、繊維
間距離を大きくとることができ、吸収速度の向上が図れ
る。同様の考え方として、上層の一部に熱収縮繊維を混
合しても良い。
【0027】植物エキスは、表面材2における少なくと
も液の主吸収領域に施されている。「液の主吸収領域」
とは、股下部からその前後方向へ延びる領域であり、表
面材2における周縁部を除く意味である。勿論、表面材
2の全面に亘って植物エキスが施されていてもよい。更
には、立体ガード形成用の不織布、レッグ部、ウエスト
部等の、おむつ内面における身体に接触し得る部分であ
れば、いずれの部分に施しても良い。
【0028】抽出方法や抽出溶媒によって異なるが、植
物エキスは、表面材2の前記主吸収領域において、表面
材2の該主吸収領域の重量に対して0.005〜3重量
%、特に0.05〜1重量%施されていることが、安全
性と効果とのバランス及び経済性の点から好ましい。
【0029】植物エキスが施されている部位、本実施形
態においては表面材2に、植物エキスと共に該植物エキ
スの皮膚への浸透促進剤が施されていても良い。これに
よって、着用者の皮膚への植物エキスの浸透が促進さ
れ、皮膚のかぶれや炎症が一層抑制され、またかぶれや
炎症が起こった場合にそれらが一層迅速に治癒される。
【0030】浸透促進剤としては、溶解度パラメータ値
(以下、SP値という)が15〜17、特に16〜1
6.8の物質を用いることが好ましい。SP値が前記範
囲内であることによって、べたつきが低くさらっとした
感触のおむつとなる。
【0031】浸透促進剤としては、脂肪族エーテルや脂
肪族エステルを用いることが好ましい。特に熱的に安定
な物質である脂肪族エーテルを用いることが好ましい。
この理由は、吸収性物品の製造工程においては一般に各
構成部材の接合時に熱が付与され、その際に脂肪族エー
テルは変性・分解しずらいからである。
【0032】特に好ましい浸透促進剤は、ミリスチル−
1,3−ジメチルブチルエーテル、パルミチル−1,3
−ジメチルブチルエーテル、ステアリル−1,3−ジメ
チルブチルエーテル、パルミチル−3−メチルプロピル
エーテル、ステアリル−3−メチルプロピルエーテル等
の脂肪族エーテルである。
【0033】本実施形態のおむつ1においては、植物エ
キスが施されている部位に、前述した浸透促進剤に加え
てその他の成分を施してもよい。そのような成分として
は、前記浸透促進剤のゲル化剤が挙げられる。前記浸透
促進剤は、場合によっては吸収体4に含まれている高吸
収性ポリマーの吸収性能を低下させるおそれがある。し
かし、前記ゲル化剤によって前記浸透促進剤をゲル化さ
せることで、該浸透促進剤が高吸収性ポリマーへ過度に
拡散することが防止され、高吸収性ポリマーの吸収性能
の低下が効果的に防止される。
【0034】前記ゲル化剤としては、前記浸透促進剤の
拡散・移行を抑制し得る物質が用いられ、例えばパラフ
ィンワックス、脂肪酸(C12〜C22)、脂肪族アルコー
ル(C12〜C22)、ワセリン、脂肪酸ソルビタンエステ
ル(モノ、ジ、トリ)、ポリオキシエチレン脂肪酸ソル
ビタンエステル等が挙げられる。
【0035】前記ゲル化剤は、前記浸透促進剤100重
量部に対して10〜200重量部、特に50〜100重
量部施されていることが、経済性、触感、加工性の点か
ら好ましい。
【0036】本実施形態のおむつ1においては、植物エ
キスが施されている部位に、前述した浸透促進剤及びゲ
ル化剤に加えて別の成分を施してもよい。そのような成
分としては、例えば前記植物エキス並びに必要に応じて
用いられる前記浸透促進剤及び及び前記ゲル化剤を施す
際に用いられる、これらの剤を含む混合物の粘度を調整
するための粘度調整剤としての流動パラフィン、シリコ
ーンオイル、動植物油(スクワラン、オリーブ油、ホホ
バ油、ベニバナ油)、モノ、ジ又はトリグリセライド等
が挙げられる。前記植物エキス、前記浸透促進剤、前記
ゲル化剤、及び前記粘度調整剤の混合物の常温(20
℃)におけるJIS硬度は20〜50であることが皮膚
への植物エキスの移行性と触感とを両立できる点から好
ましい。
【0037】本実施形態のおむつ1においては、前記植
物エキスが施されている部位に、肌を滑らかにあるいは
乾燥させる目的で、シッカロール、タルク、酸化チタ
ン、シリコーンビーズ、ナイロンビーズ等の有機又は無
機の微粒子を含有させても良い。該微粒子の粒径は0.
05〜50μm、特に1〜20μmであることが前記目
的が十分に達成される点から好ましい。
【0038】本発明は、前記実施形態に制限されない。
例えば、植物エキスが着用者の皮膚に移行して付着し得
る状態となるように該植物エキスを存在させる方法とし
ては、前述の方法の他に以下の(1) 〜(5) の方法が例示
される。 (1) おむつ1における弾性伸縮部材7が配された部位に
植物エキスを施し、該植物エキスと皮膚との接触性を向
上させることにより、該植物エキスを物理的に皮膚に移
行させる方法。 (2) 常温で液体且つ実質的に不揮発性の物質、例えば保
湿剤として知られている1,3−ブチレングリコール、
グリセリン、プロピレングリコール、スクワラン、或い
は前述の粘度調整剤と、植物エキスとを混合させて、該
植物エキスの粘度を高めた状態で表面材2に施し、おむ
つ装着中の圧力によって表面材2から植物エキスを染み
出させて皮膚に付着させる方法。 (3) 前述の有機又は無機の微粒子と、植物エキスとを混
合させて、該植物エキスをペースト状或いは半固体状の
状態で表面材2に施し、皮膚との接触によって前記微粒
子ごと皮膚に移行・付着させる方法。 (4) 表面材2が不織布から構成されている場合、該不織
布を構成する繊維に予め植物エキスを練り込んでおき、
該植物エキスを繊維表面にブリードアウトさせて、皮膚
に移行・付着させる方法。 (5) 植物エキスを多孔質粉体等に含浸させ、該多孔質粉
体を表面材2に施し、植物エキスを該多孔質粉体表面に
ブリードアウトさせて、皮膚に移行・付着させる方法。
【0039】また、前記実施形態においては植物エキス
を表面材2に施したが、これ代えて、またはこれと共に
吸収体4の表面材側に植物エキスを施すことができる。
吸収体4の表面材側に植物エキスを施す場合には、例え
ば吸収体4の表面材側に、水分活性が0.7以下となる
ように植物エキスを散布すればよい。
【0040】また吸収体4に、従来のおむつに一般的に
用いられているパルプを含有させてもよい。この場合、
パルプ100重量部に対し、高吸収性ポリマーの量は5
〜300重量部であることが好ましい。
【0041】本発明の吸収性物品は、前述した使い捨て
おむつに限られず、生理用ナプキン、失禁パッド、パン
ティライナー、おりものシート等の他の吸収性物品にも
同様に適用できる。
【0042】
【実施例】以下の例中、特に断らない限り「%」及び
「部」は、それぞれ「重量%」及び「重量部」を意味す
る。
【0043】〔実施例1〜3〕実施例1では柚エキスの
エタノール抽出液を30部用いた。また実施例2及び3
ではそれぞれハマメリスエキスの1,3−ブチレングリ
コール抽出液及びアスナロエキスの1,3−ブチレング
リコールとエタノールとの混合抽出液を同様に30部用
いた。この部数の植物エキスと、ポリオキシエチレンア
ルキルエーテル(界面活性剤)70部の5%水溶液とを
均一に混合し、混合液を得た。芯がポリプロピレンで鞘
がポリエチレンからなる偏心型芯鞘型複合繊維(2.2
dtex、51mm)からなるエアスルー不織布の全面
に前記混合液を塗布した。これにより植物エキスが施さ
れた表面材を得た。植物エキスの付着量(有効成分及び
残存溶剤の合計量)はエアスルー不織布の重量に対して
0.15%であった。
【0044】これとは別に、レーヨン繊維(1.7dt
ex、15mm)と、ポリエチレンテレフタレート繊維
(5.5dtex、51mm)とを重量比30/70の
比率で混綿し、坪量40g/m2 のエアスルー不織布を
作製した。この不織布上に、高吸水性ポリマーの粒子を
200g/m2 の坪量となるように散布し、該不織布の
繊維間に高吸水性ポリマー〔ポリアクリル酸ソーダ架橋
体(遠心脱水法による吸水量50g/g)〕の粒子を保
持させた。次いで、この不織布上下面を坪量15g/m
2 の薄葉紙で包んで吸収体を得た。
【0045】この吸収体の片面に前記表面材を配し、他
の面に裏面材としてポリエチレン製フィルムを配した。
更に、公知の止着具、弾性伸縮部材等を配して、図1に
示す形態の使い捨ておむつを得た。
【0046】〔実施例4〕実施例2で用いたエアスルー
不織布に直径2mmの円形模様のエンボス処理(エンボ
ス率25%)を施した不織布を用いた以外は実施例2と
同様にして使い捨ておむつを得た。
【0047】〔比較例1〕ヒバマタエキスの1,3−ブ
チレングリコール抽出液1部及びポリオキシエチレンア
ルキルエーテル2部の5%水溶液を均一に混合し、混合
物を得た。芯がポリプロピレンで鞘がポリエチレンから
なる芯鞘型複合繊維(2.2dtex、51mm)から
なるエアスルー不織布の表面に前記混合物を塗布した。
これにより植物エキスが施された表面材を得た。植物エ
キスの付着量は実施例1と同様とした。これ以外は実施
例1と同様にして使い捨ておむつを得た。
【0048】〔比較例2〕実施例1で用いたエアースル
ー不織布に植物エキスを配合しなかった以外は実施例1
と同様にして使い捨ておむつを得た。
【0049】〔性能評価〕実施例及び比較例で得られた
使い捨ておむつを10名のモニターに2週間使用して貰
い、おむつかぶれの発生の有無及び使用後の高吸収性ポ
リマーの溶解の程度を評価した。その結果を表1に示
す。
【0050】
【表1】
【0051】表1に示す結果から明らかなように、実施
例の使い捨ておむつ(本発明品)は、比較例のおむつに
比して、おむつかぶれが抑制されていることが判る。ま
た、高吸収性ポリマーの分解に起因する溶解も抑制され
ていることが判る。更に、表には示していないが、実施
例の使い捨ておむつはべたつき感が無くさらっとした感
触を呈していた。
【0052】
【発明の効果】本発明の吸収性物品によれば、高吸収性
ポリマーの吸収性能を阻害せずに、着用者の皮膚のかぶ
れが効率的に抑制される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸収性物品の一実施形態としての使い
捨ておむつを表面材側から見た一部破断平面図である。
【符号の説明】
1 使い捨ておむつ(吸収性物品) 2 表面材 3 裏面材 4 吸収体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 紀子 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会 社研究所内 Fターム(参考) 3B029 BA18 BD22 4C003 AA11 HA00 4C098 AA09 CC02 CE06 DD10 DD23 DD24 DD25 DD26 DD27 DD28 DD30

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液保持性の吸収層及び液不透過性の防漏
    層を有し、該吸収層が高吸収性ポリマーを含有する吸収
    性物品において、該吸収性物品の所定部位に、スキンケ
    ア効果を有し且つ前記高吸収性ポリマーに対して実質的
    に分解作用を有さない植物エキスが施されており、該植
    物エキスは、前記部位から着用者の皮膚に移行して付着
    し得る状態で存在している吸収性物品。
  2. 【請求項2】 前記防漏層と共に前記吸収層を挟持する
    液透過性の表面層を更に有し、該表面層に前記植物エキ
    スが施されている請求項1記載の吸収性物品。
  3. 【請求項3】 前記吸収層に前記植物エキスが施されて
    いる請求項1記載の吸収性物品。
  4. 【請求項4】 前記植物エキスが、柚エキス、ハマメリ
    スエキス、アスナロエキス、アロエエキス及びオウバク
    エキスから成る群から選択される一種以上の物質である
    請求項1〜3の何れかに記載の吸収性物品。
  5. 【請求項5】 前記高吸収性ポリマーは、遠心脱水法に
    よる生理食塩水の吸水量が30g/g以上である請求項
    1〜4の何れかに記載の吸収性物品。
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