JP2002043140A - 磁気素子 - Google Patents

磁気素子

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JP2002043140A
JP2002043140A JP2000226204A JP2000226204A JP2002043140A JP 2002043140 A JP2002043140 A JP 2002043140A JP 2000226204 A JP2000226204 A JP 2000226204A JP 2000226204 A JP2000226204 A JP 2000226204A JP 2002043140 A JP2002043140 A JP 2002043140A
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coil
pair
soft magnetic
magnetic element
magnetic
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JP2000226204A
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Yoshito Sasaki
義人 佐々木
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Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄型であり、且つ高い等価インダクタンスを
有する磁気素子を提供する 【解決手段】 一対の軟磁性体3の間に配設されたコイ
ルCは、コイル導体1として用いる導線を、長手方向と
垂直な断面が長方形である平角線とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばインダクタ
やトランス等に用いられる磁気素子に関し、特に、薄型
であり、高い等価インダクタンスを有する磁気素子に関
わる。
【0002】
【従来の技術】従来は、例えば、図12に示すように、
フェライトコア52の円筒状部52aの周囲にコイル導
体とするワイヤー51が巻回された磁気素子50等があ
った。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の磁気素子50
は、円筒状のフェライトコア52を用いると薄型化に限
界があり、特に、高い等価インダクタンス(L)を得よ
うとするとき、厚型化する問題があった。本発明は、薄
型であり、且つ高等価インダクタンス(L)、低損失等
価抵抗(R)である磁気素子を提供することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のインダクタは、
互いに対向する一対の平面状の軟磁性体と、該一対の軟
磁性体の間に配設されたコイルとを有し、前記コイルの
コイル導体は、長さ方向と垂直な断面が略長方形である
導線から構成される共に、前記導線の断面の長辺方向を
巻き軸としてスパイラル状に巻回されたものであり、前
記巻き軸は、前記軟磁性体面と略垂直である。このよう
な磁気素子では、コイル導体を導線から構成したので、
コイル導体の寸法を広い範囲から選択することができ
る。導線の長手方向と垂直な断面(以後、コイル導体断
面)の長辺寸法(以後、コイル導体厚さ)を小さくする
と、磁気素子をさらに薄型化することが可能である。ま
た、コイル導体断面の短辺寸法(以後、コイル導体幅)
に対するコイル導体厚さの比(以後、アスペクト比)を
高くすると、直流抵抗による損失抵抗(R)の増加を抑
えて、等価インダクタンス(L)を向上させることがで
きる。
【0005】本発明の磁気素子は、一対の前記軟磁性体
の少なくとも一方は、薄膜であり、非磁性材料からなる
基板上に形成されている。このような磁気素子では、磁
性体が薄膜であるから、磁性体に発生する渦電流損失を
抑えて、高周波数特性を向上させることができる。ま
た、磁性体が薄膜であれば、さらに薄型の磁気インピー
ダンス効果素子とすることができる。
【0006】また、本発明の磁気素子は、一対の前記軟
磁性体間には樹脂材が充填され、前記樹脂材は、一対の
前記磁性体と前記コイルを一体化するとともに、それぞ
れを所定の配置に固定している。
【0007】また、本発明の磁気素子は、前記コイル
が、絶縁材料からなるケースに収容されて、一対の前記
磁性体は、それぞれ前記ケースに固定されている。この
ような磁気素子では、ケースによりコイル形状が固定さ
れると共に、コイルと一対の磁性体の配置が固定される
ので、磁気素子の特性が時間的に変動することを抑える
ことができ、さらに、磁気素子間の特性のバラツキを抑
えることができる。また、組立作業が容易となる。
【0008】本発明の磁気素子は、複数の前記コイル
が、それぞれの前記コイル導体の前記巻き軸が一致する
ように積層されていると共に、前記コイル導体が互いに
直列に接続されており、複数の前記コイルを流れる電流
は、同一方向に回転する。このような磁気素子では、コ
イルの大きさを増すことなく、コイル導体全体の巻き数
を増やすことができるので、小型であり、且つ、等価イ
ンダクタンス(L)の高い磁気素子とすることができ
る。さらに、それぞれのコイルを流れる電流の回転方向
が同一であるから、コイルの等価インダクタンス(L)
は、各コイルに生じる磁束の重畳により向上する。
【0009】本発明の磁気素子は、前記軟磁性体が、F
e−M−O系軟磁性材料であり、Mは、Zr、Hf、
V、Nb、Ta、Mo、W、Al、Si、Cr、P、
C、B、Ga、Geと希土類から選ばれる1種あるいは
2種以上の元素である。このような磁気素子では、軟磁
性体の比抵抗が高いので、磁性体に発生する渦電流損失
を抑え、高周波数特性を向上させることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の磁気素子を、図1から図
11により説明する。まず、本発明における第1の実施
の形態とする磁気素子を、図1と図2を用いて説明す
る。図2に示すように、第1の実施の形態の磁気素子
は、一対のガラス基板5、ガラス基板5に形成されて互
いに対向する一対の軟磁性体3、及び一対の軟磁性体3
の間に配設されたコイルCとを有している。
【0011】一対のガラス基板5上にそれぞれ形成され
た軟磁性体3は、Fe−M−O系軟磁性材料(Mは、Z
r、Hf、V、Nb、Ta、Mo、W、Al、Si、C
r、P、C、B、Ga、Geと希土類元素から選ばれる
1種あるいは2種以上の元素)からなる薄膜であり、ス
パッタ法や蒸着法等の薄膜プロセスにより成膜されたも
のである。なお、希土類元素とは、Sc、Yとランタノ
イド(La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、G
d、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)から
なる17元素を指している。
【0012】一対のガラス基板5は互いに平行な状態に
保持されて、一対の軟磁性体3は互いに対向している。
【0013】コイルCは、コイル導体1が、銅等の良導
電材料からなる導線から構成されている。この導線は、
長さ方向と垂直な断面(以後、コイル導体断面)が略長
方形である平角線であり、コイル導体断面は、長辺寸法
が、短辺寸法の10倍程度となっている。また、コイル
導体1の表面は、絶縁膜2により被覆されている。
【0014】以後、コイル断面の長辺をコイル導体厚
さ、コイル断面の短辺をコイル導体幅とする。コイルC
において、コイル導体厚さのコイル導体幅に対する比
(アスペクト比)は、10程度と高いものとなってい
る。
【0015】図1に示すように、コイル導体1は、一端
部1aから他端部1bまで、コイル導体厚さ方向を巻き
軸(図1に、y−y線として示す)としてスパイラル状
に巻回されており、巻き数は、数10ターンである。
(図2では、巻き数を少なく図示している)
【0016】また、コイルCの中心部からは、コイル導
体1の一端部1aが引き出されて、コイルCの外側まで
延出されており、一方、コイルCの外周部からは、コイ
ル導体1の他端部1bが、一端部1aとは反対方向に延
出されている。このようなコイル導体1の一端部1aと
他端部1bは、絶縁膜2が取り除れて、コイルCの電気
的な接続部となっている。
【0017】図2には、コイルCのコイル導体断面を示
している。図2に示すように、コイルCは、コイル導体
厚さ方向、即ちコイル導体1の巻き軸が軟磁性体3の面
と略垂直であるようにして、一対の軟磁性体3間に配設
されている。
【0018】一対のガラス基板5の間には樹脂材6が充
填されている。樹脂材6は、ガラス基板5を上下面とす
る直方体の成形体を構成すると共に、一対の磁性体3と
コイルCを一体化して、それぞれを所定の配置に固定し
ている。また、軟磁性体3の表面全体は、樹脂材6によ
り覆われており、コイル導体1の一端部1aと他端部1
bは、成形体の側面において、樹脂材6から露出してい
る。
【0019】一対の電極部4は、金属材料からなる薄膜
であり、樹脂材6からコイル導体1の一端部1a、或い
は他端部1bが露出した成形体の2つの側面において、
それぞれ、樹脂材6とコイル導体1の一端部1a、或い
は他端部1bを覆うように形成され、コイルCと電気的
に接続されている。
【0020】次に、本発明における第2の実施の形態と
する磁気素子を、図3と図4を用いて説明する。図3に
示す一対のガラス基板5、ガラス基板5に形成されて互
いに対向する一対の軟磁性体3、及び一対の軟磁性体3
の間に配設されたコイルCは、第1の実施の形態と同様
であり、第2の実施の形態では、コイルCは、ケース7
に収容されている。
【0021】ケース7は、樹脂等の絶縁材料からなる略
直方体であり、上下面間が、一対の磁性体3の所定間隔
となっている。コイルCを収容するための収容部7b
は、ケース7の上下面を垂直に貫く円形の貫通孔であ
り、収容部7bからコイル導体1の他端部1bを引き出
すための引き出し部7cは、ケース7の上下面を貫通し
て、収容部7bからケース7の一側面まで至る狭幅の切
り欠き部である。
【0022】コイル導体1の他端部1bは、ケース7の
引き出し部7cからケース7の一側面に露出しており、
コイル導体1の一端部1aは、ケース7の上面に沿って
引き出され、ケース7の一側面と対向する他側面に露出
している。
【0023】一対のガラス基板5は、それぞれに形成さ
れた磁性体3が互いに対向するように、ケース7の上下
面に固定されている。一対の軟磁性体3とコイルCは、
ケース7によって、所定の配置に位置決めされる。この
とき、コイルCは、コイル導体厚さ方向が軟磁性体3の
面と略垂直であるようにして、軟磁性体3間に配設され
る。
【0024】図4に示すように、コイルCを収容したケ
ース7とガラス基板5は組立体Tを構成し、一対の電極
部4は、金属材料からなる薄膜であり、組立体Tの一側
面と他側面において、それぞれ、ケース7の側面とコイ
ル導体1の一端部1a、或いは他端部1bを覆うように
形成され、コイルCと電気的に接続されている。
【0025】なお、上記第2の実施の形態において、ケ
ース7の収容部7bと引き出し部7cは、必ずしもケー
ス7の上下面を貫通する必要はなく、凹部で良い。ま
た、ケース7の上面に凹部を設けて、コイル導体1の一
端部1aを収容しても良い。
【0026】上記第1、第2の実施の形態では、コイル
導体1の一端部1aは、コイルCの中心部から引き出さ
れて、コイルCの外側まで延出されているが、ガラス基
板5とガラス基板5に形成された磁性体3を貫通する貫
通孔を、コイルCの中心部の位置に設けて、この貫通孔
からコイル導体1の一端部1aを引き出しても良い。
【0027】次に、本発明の磁気素子の駆動について説
明する。第1と第2の実施の形態における駆動は同様で
あるから、以下、第1の実施の形態における符号、及び
図2を用いて説明する。
【0028】一対の電極部4には図示しない電源が接続
されて、コイルCにはコイル電流が印加される。図2に
は、コイル導体断面を貫くコイル電流の方向を示した。
コイル電流により、図2の矢印方向に磁束Bが生じる。
【0029】コイルCのようにアスペクト比が高いもの
では、アスペクト比が低いコイルと比べて、コイル導体
幅が同一であってもコイル導体断面が大きく、単位長さ
あたりの直流抵抗が低い。このようなコイルCでは、コ
イル導体1を延長してコイル導体1の巻き数を増加させ
たとき、コイル導体1全体の直流抵抗の増加が少ないの
で、等価損失抵抗(R)の増加を抑えて、等価インダク
タンス(L)を向上させることができる。よって、コイ
ルCの性能係数(Q=ωL/R)を、向上させることが
できる。
【0030】アスペクト比が低いコイル、例えば電解め
っき法等により製造されるコイルは、コイル導体厚さが
60μmを越えるように形成することが困難であり、こ
のようなアスペクトの低いコイルを用いたインダクタと
比較した場合、上述の効果は明らかである。
【0031】また、軟磁性体3は、磁束Bにより磁化さ
れる。軟磁性体3は、良好な軟磁気特性を有するもので
あり、Co基アモルファス等でも良いが、特に、軟磁性
体3が、薄膜であり、しかもFe−M−O系の高い比抵
抗を有する軟磁性材料であると、渦電流損失を抑えて高
周波数特性を向上させることができる。
【0032】次に、本発明における第3の実施の形態と
する磁気素子を、図5と図6を用いて説明する。図6に
示す一対のガラス基板5、及び、ガラス基板5に形成さ
れて互いに対向する一対の軟磁性体3は、第1、第2の
実施の形態と同様である。
【0033】図5、6に示すコイル積層体Dは、第1の
コイルD1と第2のコイルD2が積層されたものであ
る。第1のコイルD1と第2のコイルD2のコイル導体
11は、銅等の良導電材料からなる導線から構成されて
いる。この導線は、長さ方向と垂直な断面(以後、コイ
ル導体断面)が長方形である平角線であり、コイル導体
断面は、長辺寸法が、短辺寸法の10倍程度となってい
る。また、コイル導体11の表面は、絶縁膜12により
被覆されている。
【0034】以後、コイル導体断面の長辺をコイル導体
厚さ、コイル導体断面の短辺をコイル導体幅とする。第
1のコイルD1と第2のコイルD2において、コイル導
体厚さのコイル導体幅に対する比(アスペクト比)は、
10程度と高いものとなっている。
【0035】図5に示すように、コイル導体11の一端
部11aは、第1のコイルD1の外周部に位置してい
る。コイル導体11は、第1のコイルD1において、第
1のコイルD1の外周部から中心部に向けて、コイル導
体厚さ方向を巻き軸(図5に、y−y線として示す)と
してスパイラル状に巻回されている。コイルD1でのコ
イル導体11の巻き数は、数10ターンである。(図6
では、巻き数を少なく図示している)
【0036】第1のコイルD1の中心部において、コイ
ル導体11は第1のコイルD1から引き出されて、第2
のコイルD2の中心部に至っている。
【0037】コイル導体11は、第2のコイルD2にお
いて、第2のコイルD2の中心部から外周部に向けて、
コイル導体厚さ方向を巻き軸(図5に、y−y線として
示す)としてスパイラル状に巻回されて、コイル導体1
1の他端部は11bは、第2のコイルD2の外周部に位
置している。このとき、第2のコイルD2におけるコイ
ル導体11の巻回方向は、第1のコイルD1におけるコ
イル導体11の巻回方向と同一である。
【0038】コイル導体11の一端部11aと他端部1
1bは、図5に示すように、コイル積層体Dから、互い
に反対方向へ引き出されている。このようなコイル導体
11の一端部11aと他端部11bは、絶縁膜12が取
り除れて、コイル積層体Dの電気的な接続部となってい
る。
【0039】図6には、コイル積層体Dのコイル導体断
面を示す。図6に示すように、コイル積層体Dは、コイ
ル導体厚さ方向が軟磁性体3の面と略垂直であるように
して、一対の軟磁性体3間に配設されている。
【0040】ガラス基板5に形成された一対の磁性体3
は、第1の実施の形態と同様、樹脂材6により一体化さ
れるとともに、それぞれ所定の配置に固定されている。
また、一対の電極部4は、第1の実施の形態と同様に、
コイル導体11の一端部11aと他端部11bに接続さ
れている。
【0041】次に、本発明における第4の実施の形態と
する磁気素子を、図7と図8を用いて説明する。図7に
示す一対のガラス基板5、ガラス基板5に形成された軟
磁性体3、及びコイル積層体Dは、第3の実施の形態と
同様であり、コイル積層体Dは、ケース17に収容され
ている。
【0042】ケース17は、第2の実施の形態における
ケース7と同様、樹脂等の絶縁材料からなる略直方体で
あり、上下面間が、一対の磁性体3の所定間隔となって
いる。
【0043】ケース17は、コイル積層体Dを収容する
ための収容部17bが、ケース17の上下面を垂直に貫
く円形の貫通孔である。また、コイル導体11の一端部
11aを引き出すための第1の引き出し部17cは、ケ
ース17の上下面を貫通して、収容部17bからケース
17の一側面まで至る狭幅の切り欠き部である。コイル
導体11の他端部1bを引き出すための第2の引き出し
部17dは、ケース17の上下面を貫通して、収容部1
7bから、一側面と対向する他側面に至る狭幅の切り欠
き部である。
【0044】コイル導体11の他端部11bは、ケース
17の第2の引き出し部17dからケース17の一側面
に露出しており、コイル導体11の一端部11aは、ケ
ース17の第1の第2の引き出し部17cからケース1
7の一側面と対向する他側面に露出している。
【0045】一対のガラス基板5は、それぞれに形成さ
れた磁性体3が互いに対向するように、ケース17の上
下面に固定されており、ケース17により、一対の軟磁
性体3とコイル積層体Dは、所定の配置に位置決めされ
ている。このとき、コイル積層体Dは、コイル導体厚さ
方向が軟磁性体3の面と略垂直であるように、軟磁性体
3間に配設される。
【0046】図8に示すように、コイル積層体Dを収容
したケース7とガラス基板5は組立体Sを構成し、一対
の電極部4は、金属材料からなる薄膜であり、組立体S
の一側面と他側面において、それぞれ、ケース17の側
面とコイル導体11の一端部11a、或いは他端部11
bを覆うように形成され、コイル積層体Dと電気的に接
続されている。
【0047】なお、これら収容部17bと第1、第2の
引き出し部17cは、必ずしもケース17の上下面を貫
通する必要はなく、凹部でも良い。収容部17bと第
1、第2の引き出し部17cが、全てケースの上下面を
貫通するものである場合、ケース17は、コイル収容部
17bが設けられたケース半体の一方と、他方のケース
半体とを組み合わせたものとなる。
【0048】なお、上記第3、第4の実施の形態を示す
図5〜図7では、第1のコイルD1と第2のコイルD2
の巻き数が一致しているように示したが、第1のコイル
D1と第2のコイルD2の巻き数は、必ずしも一致して
いる必要はない。
【0049】なお、上記第3、第4の実施の形態では、
コイル積層体Dを、第1のコイルD1と第2のコイルD
2が積層された2層構造で説明したが、3層以上の積層
体としても良い。
【0050】次に、第3と第4の実施の形態における駆
動について説明する。第3と第4の実施の形態における
駆動は同様であるから、以下、第3の実施の形態におけ
る符号、及び図6を用いて説明する。
【0051】一対の電極部4には交流電源が接続され、
コイル積層体Dには、コイル電流が印加される。図6に
は、コイル導体断面を貫くコイル電流の方向を示した。
このようなコイル電流の回転により、図6の矢印方向の
磁束Bが生じる。
【0052】図6に示すように、第1のコイル部D1と
第2のコイル部D2を流れるコイル電流の回転方向は一
致している。第1のコイル部D1のコイル電流、第2の
コイル部D2のコイル電流は、それぞれ、第1のコイル
部D1と第2のコイル部D2に磁束を生じ、コイルDの
等価インダクタンス(L)は、これら第1、第2のコイ
ル部D1、D2に生じる磁束の重畳により向上する。
【0053】よって、2層構造のコイル積層体Dでは、
1層構造のコイルCと比較して、コイル導体11の巻き
数の増加に加えて、磁束の重畳により、等価インダクタ
ンス(L)がさらに増大する。
【0054】このとき、軟磁性体3は、磁束Bにより磁
化される。軟磁性体3は、良好な軟磁気特性を有するも
のであり、Co基アモルファス等でも良いが、薄膜であ
り、しかもFe−M−O系の高い比抵抗を有する軟磁性
材料であると、渦電流損失を抑えて高周波数特性を向上
させることができる。
【0055】なお、上記第1から第4の実施の形態で
は、軟磁性体3を、高周波数特性に優れたFe−M−O
系の軟磁性材料薄膜として説明したが、駆動周波数が2
MHz程度以下であれば、軟磁性体を、ガラス基板等に
形成された厚さ0.2mm程度のフェライト薄板として
もよい。このとき、フェライト薄板からなる磁性体間
は、第1の実施の形態のように、樹脂材6が充填されて
いても良いし、第2の実施の形態のように、ケース7に
固定されていても良い。また、フェライト薄板からなる
軟磁性体は、図1に示すような単層のコイルと組み合わ
せても良いし、図5に示すような2層のコイルと組み合
わせても良い。
【0056】(実施例)以下、本発明の磁気素子の実施
例について説明する。実施例の構造は、第1の実施の形
態の磁気素子であり、コイルCのコイル導体1は、銅か
らなる平角線からなり、コイル導体厚さが400μm、
コイル導体幅が35μm、巻き数が27、又は31ター
ンであり、厚さ10μmの絶縁膜2により被覆されてい
る。
【0057】ガラス基板5は、0.1mm厚さ、3.5
〜4.0mm角の正方形であり、ガラス基板5上にスパ
ッタ成膜された軟磁性体3は、FeZrOなる組成の薄
膜であり、膜厚が9μmである。
【0058】コイルCは、一方の磁性体3上に接着固定
され、ガラス基板5の間隔を500μmとした状態で、
エポキシ樹脂からなる樹脂材6が、ガラス基板5間に充
填されている。このような実施例では、磁気素子の厚さ
が0.7mmである。
【0059】電極部4は、Cr薄膜、Cu薄膜、Ni薄
膜が順次積層された3層構造であり、スパッタ法により
成膜されたものである。
【0060】(実施例1)実施例1は、巻き数が27タ
ーンであり、素子大きさが、3.5mm角である。
【0061】(実施例2)実施例2は、巻き数が31タ
ーンであり、素子大きさが、4.0mm角である。
【0062】実施例1、2の等価インダクタンス
(L)、損失等価抵抗(R)、性能係数(Q=ωL/
R)の駆動周波数(f=2πω)依存性を、それぞれ、
図7、8、9に示す。等価インダクタンス(L)は、駆
動周波数(f)が0.1〜10MHzの範囲で、巻き数
の多い実施例2が、実施例1よりも高く、2MHz付近
では、2μHを越える高い値となっている。
【0063】損失等価抵抗(R)は、駆動周波数(f)
が0.1〜10MHzの範囲で、巻き数の多い実施例2
が、実施例1よりも高いが、2MHz付近では、2Ω程
度に抑えられている。
【0064】性能係数(Q=ωL/R)は、駆動周波数
(f)が0.1〜10MHzの範囲で、実施例1、2と
も、Q=12程度である。
【0065】
【発明の効果】本発明のインダクタは、互いに対向する
一対の平面状の軟磁性体と、該一対の軟磁性体の間に配
設されたコイルとを有し、前記コイルのコイル導体は、
長さ方向と垂直な断面が略長方形である導線から構成さ
れ、該導線断面の長辺方向を巻き軸としてスパイラル状
に巻回されたものであり、前記巻き軸は、前記軟磁性体
面と略垂直である。このような磁気素子では、コイル導
体とする平角線の寸法を広い範囲から選択することがで
きるので、コイル導体厚さを小さくすると、磁気素子の
薄型化を図ることが可能である。また、直流抵抗による
損失等価抵抗の増加を抑えて、等価インダクタンスを向
上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の磁気素子が有する
コイルの概略図。
【図2】本発明の第1の実施の形態である磁気素子の断
面図。
【図3】本発明の第2の実施の形態である磁気素子の分
解斜視図。
【図4】本発明の第2の実施の実施の形態である磁気素
子の全体斜視図。
【図5】本発明の第3の実施の形態の磁気素子が有する
コイルの概略図。
【図6】本発明の第3の実施の形態である磁気素子の断
面図。
【図7】本発明の第4の実施の形態である磁気素子の分
解斜視図。
【図8】本発明の第2の実施の実施の形態である磁気素
子の全体斜視図。
【図9】本発明の実施例である磁気素子の等価インダク
タンスと周波数の関係を示すグラフ。
【図10】本発明の実施例である磁気素子の損失等価抵
抗と周波数の関係を示すグラフ。
【図11】本発明の実施例である磁気素子の性能係数と
周波数の関係を示すグラフ。
【図12】従来のフェライトコアを用いた磁気素子の概
略図。
【符号の説明】
C コイル D コイル積層体 D1 第1のコイル D2 第2のコイル T、S 組立体 1、11 コイル導体 2、12 絶縁膜 3 軟磁性体 4 電極 5 ガラス基板 6 樹脂材 7、17 ケース 7b、17b コイル収容部 7c 引き出し部 17c 第1の引き出し部 17d 第2の引き出し部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに対向する一対の平面状の軟磁性体
    と、該一対の軟磁性体の間に配設されたコイルとを有
    し、前記コイルのコイル導体は、長さ方向と垂直な断面
    が略長方形である導線から構成され、前記導線の断面の
    長辺方向を巻き軸としてスパイラル状に巻回されたもの
    であり、前記巻き軸は、前記軟磁性体面と略垂直である
    ことを特徴とする磁気素子。
  2. 【請求項2】 一対の前記軟磁性体の少なくとも一方
    は、薄膜であり、非磁性材料からなる基板上に形成され
    ていることを特徴とする請求項1記載の磁気素子。
  3. 【請求項3】 一対の前記軟磁性体間には樹脂材が充填
    され、前記樹脂材は、一対の前記磁性体と前記コイルを
    一体化するとともに、それぞれを所定の配置に固定して
    いることを特徴とする請求項1または2に記載の磁気素
    子。
  4. 【請求項4】 前記コイルは、絶縁材料からなるケース
    に収容されて、一対の前記磁性体は、それぞれ前記ケー
    スに固定されていることを特徴とする請求項1または2
    に記載の磁気素子。
  5. 【請求項5】 前記コイルは複数であり、それぞれの前
    記コイル導体の前記巻き軸が一致するように積層されて
    いると共に、前記コイル導体が互いに直列に接続されて
    おり、複数の前記コイルを流れるコイル電流は、同一方
    向に回転することを特徴とする請求項1乃至4の何れか
    に記載の磁気素子。
  6. 【請求項6】 前記軟磁性体は、Fe−M−O系軟磁性
    材料であり、Mは、Zr、Hf、V、Nb、Ta、M
    o、W、Al、Si、Cr、P、C、B、Ga、Geと
    希土類から選ばれる1種あるいは2種以上の元素である
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の磁
    気素子。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011118507A1 (ja) 2010-03-20 2011-09-29 大同特殊鋼株式会社 リアクトル及びその製造方法
US20210035730A1 (en) * 2019-07-31 2021-02-04 Murata Manufacturing Co., Ltd. Inductor
JP2021027325A (ja) * 2019-07-31 2021-02-22 株式会社村田製作所 インダクタ

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