JP2002040149A - 散乱線吸収グリッドおよびその製造方法 - Google Patents

散乱線吸収グリッドおよびその製造方法

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JP2002040149A
JP2002040149A JP2000223502A JP2000223502A JP2002040149A JP 2002040149 A JP2002040149 A JP 2002040149A JP 2000223502 A JP2000223502 A JP 2000223502A JP 2000223502 A JP2000223502 A JP 2000223502A JP 2002040149 A JP2002040149 A JP 2002040149A
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deep groove
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fluid
grid
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Katsuhiro Koda
勝博 幸田
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 散乱線吸収グリッドの製造方法において、作
業効率を高め、かつコストを低減する。 【解決手段】 放射線透過材料からなる基板20に、使
用時に想定される放射線源の位置200に向かって収束
する傾きを持たせて多数の深溝10を形成し、この深溝
10に放射線吸収粉体を充填する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放射線撮影装置に
使用される散乱線吸収グリッドおよびその製造方法に関
し、詳しくは、グリッドを構成する材料が放射線の放射
方向に傾いて並んだ散乱線吸収グリッドおよびその製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】放射線撮影装置によって撮影を行なうと
きに被写体と放射線検出器との間に配置され、被写体に
よって散乱された散乱線を吸収してS/Nの高い放射線
を得るための散乱線吸収グリッドが知られている。
【0003】この散乱線吸収グリッドは、放射線を吸収
するグリッドを構成する材料である細長い薄板からなる
板材を多数、間隔をおいて並べて全体として平板状に形
成されたものであり、被写体によって散乱されて斜めに
進む散乱放射線を吸収し、放射線源から被写体を通して
直線的に放射線検出器に入射する放射線のみを効果的に
透過させることにより、検出された被写体の画像に混入
する散乱放射線によるノイズを低減させるものである。
【0004】この平板状に形成されたグリッドを構成す
る板材は、放射線源から発せられた、被写体を透過して
直線的に放射線検出器に入射する放射線の進行を妨げな
いように、この放射線源に向けて整列させ、すなわち放
射線の放射方向に沿って並ぶように、ブロックの中央か
ら両端部に向かうほど傾斜角度が大きくなるように配列
させるのが、より高いS/Nを得るために好ましい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この効
率の良い散乱線吸収グリッドを製造するには、グリッド
用板材の傾斜角度を少しずつ変化させて配列させるため
に、例えば形状が異なる複数種類のスペーサを板材の間
に介在させて配することが必要となり、さらにこれらの
形状が少しずつ異なる多数のスペーサとグリッド用板材
とを予め決められた順番に交互に配列する製造工程が必
要となる。従って、この散乱線吸収グリッドの製造工程
は、作業効率(生産性)が悪いものとなり、この型のグ
リッドのコストを高くしている。
【0006】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、製造工程が単純化された作業効率の良い、すなわ
ち生産性の高い散乱線吸収グリッドの製造方法、および
この製造方法によってコストが低減された散乱線吸収グ
リッドを提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第1散乱線吸収
グリッドの製造方法は、放射線透過材料からなる基板
に、使用時に放射線源に向かって略収束する傾きを持た
せて多数の深溝を形成し、この深溝に放射線吸収体を充
填することを特徴とするものである。
【0008】放射線吸収体は融解した状態で深溝に充填
することができ、充填後、放射線吸収体を固化させても
よい。
【0009】本発明の第2の散乱線吸収グリッドの製造
方法は、放射線透過材料からなる基板に、使用時に放射
線源に向かって略収束する傾きを持たせて多数の深溝を
形成し、この深溝に放射線吸収粉体を充填することを特
徴とするものである。
【0010】粉体は、融解した状態で深溝に充填した
り、流体と共に深溝に充填したりすることができる。
【0011】流体は、水および/または有機溶剤からな
るものとすることができ、深溝に充填後、この流体を乾
燥させてもよい。また、流体は、この流体を固化させる
ためのバインダを含むものとしたり、粉体より低融点の
物質を融解した流体からなるものとすることができ、深
溝に充填後、これらの材料あるいは流体を固化させても
よい。
【0012】また、前記充填後、固化後、あるいは乾燥
後に深溝を密封することが好ましい。
【0013】本発明の第1の散乱線吸収グリッドは、使
用時に放射線源に向かって略収束する傾きを有する多数
の深溝が形成された放射線透過材料からなる基板と、前
記深溝に充填された放射線吸収体とからなることを特徴
とするものである。
【0014】本発明の第2の散乱線吸収グリッドは、使
用時に放射線源に向かって略収束する傾きを有する多数
の深溝が形成された放射線透過材料からなる基板と、前
記深溝に充填された放射線吸収粉体とからなることを特
徴とするものである。
【0015】前記放射線吸収体および放射線吸収粉体
は、深溝内に密封されていることが好ましい。
【0016】なお、前記基板は、放射線透過材料からな
る深溝を形成できる材料によって形成されたものであれ
ばよく、例えば樹脂(発泡樹脂も含む)や木等が適切で
ある。
【0017】また、前記深溝とは、1方向に長く伸びた
非常に幅が狭く深い溝(例えば、幅が0.1mm程度、
深さが2〜15mm、長さが450mm程度の溝)であ
り、溝の端は貫通していても、貫通されていなくても
(行き止まりとなっていても)かまわない。
【0018】また、各深溝は必ずしもその幅方向に平行
に並ぶように形成する必要はなく、放射線の放射方向に
沿って傾いていれば、各深溝が交差するように形成され
ていてもよい。
【0019】なお、深溝の傾きは、厳密には深溝が平面
状に延びたものでは放射線の放射方向に完全に沿うこと
はできないが(放射線源を頂点とする円錐状でなければ
放射線の放射方向に一致しない)、グリッドの外へ行く
ほど傾きを大きくすれば、深溝が平面状でも、傾いてい
ないものに比べれば放射方向に沿うことができる。
【0020】また、前記放射線吸収体は、放射線を吸収
する重金属を主成分とする材料であることが好ましく、
例えば鉛、タングステン、タンタル、ビスマス、タリウ
ム等が適切である。また、その形態は流体状、塊状、線
状、粒状等どのような形態であってもかまわない。
【0021】また、前記放射線吸収粉体は、放射線を吸
収する重金属を主成分とする粉体であることが好まし
く、例えば鉛、タングステン、タンタル、ビスマス、タ
リウム等の粉体が適切である。
【0022】また、前記流体とは、前記深溝に充填する
ことができる程度の流動性を持つものであれば比重、粘
性、圧縮性等はどのような物性を持つものであってもよ
い。
【0023】また、前記バインダとしては、流体中に粉
体と共に略均一に分散され、流体の流動性を妨げない材
料が適切である。
【0024】また、前記深溝を密封するとは、放射線吸
収粉体あるいは放射線吸収粉体が深溝から外部に散逸し
ないように密封すればよく、例えば各深溝の開口部を覆
うように基板の表面に平板やフィルム等を密着させて密
封してもよいし、各深溝の開口部に密封用の部材を挿入
してもよい。
【0025】また、粉体より低融点の物質しては、例え
ば粉体をタングステンとする場合には、亜鉛、錫、鉛、
アルミニウム等が粉体より低融点の物質に該当し、粉体
を鉛とする場合には、水、アルコール等が粉体より低融
点の物質に該当する。
【0026】また、放射線吸収体を融点以上で融解した
状態とは、放射線吸収体のみが融解している状態に限ら
ず、例えば放射線吸収体と、この放射線吸収体より融点
が低い材料とが混ざった状態あるいは合金化された状態
や、放射線吸収体と、この放射線吸収体より融点が高い
材料とが、この融点が高い材料の融点以上の温度におい
て混ざった状態あるいは合金化された状態等をも意味す
る。なお、このように混ざった状態あるいは合金化され
た状態においても、これらの材料は放射線を吸収する特
性を有する。
【0027】また、放射線吸収粉体を融点以上で融解し
た状態とは、放射線吸収粉体のみが融解している状態に
限らず、例えば放射線吸収粉体と、この粉体より融点が
低い材料とが混ざった状態あるいは合金化された状態
や、放射線吸収粉体と、この粉体より融点が高い材料と
が、この融点が高い材料の融点以上の温度において混ざ
った状態あるいは合金化された状態等をも意味する。な
お、このように混ざった状態あるいは合金化された状態
においても、これらの材料は放射線を吸収する特性を有
する。
【0028】
【発明の効果】本発明の第1の散乱線吸収グリッドの製
造方法によれば、基板に多数の深溝を形成し、この深溝
に放射線吸収体を充填するだけの工程により放射線の放
射方向に沿ってグリッド要素を持った散乱線吸収グリッ
ドが製造できるので、複数種類の異なる形状を持つスペ
ーサを用意して、これらのスペーサを決められた場所に
決められた順番で配列する従来の複雑な工程に比して、
部品点数が大幅に削減され材料コストが安価となる上に
作業効率を向上させることができ、大幅にコスト低減さ
れた散乱線吸収グリッドを製造することができる。
【0029】また、前記放射線吸収体を融点以上で融解
した材料を深溝に充填するようにすれば、より容易に深
溝に材料を充填することができるので、作業効率をさら
に向上させることができ、製造コストをより低減させる
ことができる。
【0030】また、前記充填後、前記材料を固化させる
ようにすれば、この材料が溝の中で移動したり、溝外へ
散逸するのを防止することができるので、製品として安
定したグリッドを作ることができる。
【0031】本発明の第2の散乱線吸収グリッドの製造
方法によれば、基板に多数の深溝を形成し、この深溝に
放射線吸収粉体を充填するだけの工程により放射線の放
射方向に沿ってグリッド要素を持った散乱線吸収グリッ
ドが製造できるので、複数種類の異なる形状を持つスペ
ーサを用意して、これらのスペーサを決められた場所に
決められた順番で配列する従来の複雑な工程に比して、
部品点数が大幅に削減され材料コストが安価となる上に
作業効率を向上させることができ、大幅にコスト低減さ
れた散乱線吸収グリッドを製造することができる。
【0032】また、前記粉体を融点以上で融解した材料
を、または流体、例えば水および/または有機溶剤から
なる流体、と共に前記粉体を深溝に充填するようにすれ
ば、より容易に深溝に材料を充填することができるの
で、作業効率をさらに向上させることができ、製造コス
トをより低減させることができる。
【0033】また、前記流体を、この流体を固化させる
ためのバインダを含むものとすれば、深溝に充填後、こ
の流体をより容易に固化させることができる。
【0034】また、前記流体を、粉体より低融点の物質
を融解した材料からなるものとすれば、より容易に深溝
に材料を充填することができるので、作業効率をさらに
向上させることができる。
【0035】また、前記充填後、前記材料あるいは流体
を固化あるいは乾燥させるようにすれば、粉体が溝の中
で移動したり、溝外へ散逸するのを防止することができ
るので、製品として安定したグリッドを作ることができ
る。
【0036】また、前記放射線吸収体あるいは放射線吸
収粉体の充填後、深溝を密封するようにすれば、基板を
傾けたり逆さにしたような場合等においても、深溝内の
粉体を確実に保持することができるので、より安定した
取り扱い易い散乱線吸収グリッドを製造することができ
る。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明の散乱線吸収グリッ
ドの具体的な実施の形態について、図面を用いて説明す
る。
【0038】図1は、本発明の実施の形態による散乱線
吸収グリッドの概略構成を示す図である。図1に示すよ
うに、散乱線吸収グリッド9は、使用時に想定される放
射線源の位置9に向かって収束する傾きを有する多数の
深溝1が形成された放射線透過材料からなる基板2と、
この深溝1に充填された放射線吸収粉体3とからなる。
【0039】粉体3は、重金属を主成分とし、例えば
鉛、タングステン等からなる。
【0040】基板2に形成されている深溝1は、幅が
0.1mm程度、深さが10mm程度、長さが450m
m程度の細長い溝である。なお、深溝1は、想定される
放射線撮影時の放射線源の位置9に向かうように、中心
部Cから両端部E1およびE2に向かうほどその傾斜角
度が大きくなっており、互いに隣り合う深溝1の間隔は
0.2mmから1.0mm程度である。また、基板2
は、木、発泡樹脂等の放射線透過材料からなる。
【0041】なお、図2に示すように、粉体3が深溝1
内に密封されるように基板2の深溝1の開口部を有する
面2A、2Bおよび2Cに、放射線透過材料からなる封
止板4A、4Bおよび4Cまたは封止フィルム等を密着
させて配設してもよい。
【0042】また、図3に示すように、熱収縮フィルム
5によって基板2の全面を密着して覆い、粉体を深溝内
に密封するようにしてもよい。
【0043】また、図4に示すように、基板2の各深溝
1の開口部に沿って、部分的に上記封止板6またはフィ
ルム状の材料を密着させ配設し、粉体を深溝内に密封す
るようにしてもよい。
【0044】また、図5に示すように、基板の面2Aの
各深溝1の開口部に、この開口部と略等しい幅と長さを
有する封止栓7を挿入することにより粉体を深溝内に密
封するようにしてもよい。
【0045】また、図6に示すように、基板2の深溝1
は、基板2の側面2Bおよび2Cを貫通させずに、基板
2の上面2Aのみに開口部を持つように形成されていて
もよい。
【0046】このように構成された散乱線吸収グリッド
は、従来の散乱線吸収グリッドに比べて部品点数が大幅
に削減されているので、コストが低減される。また、前
記粉体を深溝内に密封すれば、放射線撮影を行なう時、
および保管するときにより取り扱い易くなる。
【0047】なお、上記深溝に充填される材料として放
射線吸収粉体の代わりに、流体状、塊状、線状、粒状等
の形態を有する放射線吸収体を用いてもよい。
【0048】次に本発明の散乱線吸収グリッドの製造工
程の第1の実施の形態について図7から図11を用いて
説明する。
【0049】第1の工程としては、放射線透過材料から
なる基板に、使用時に放射線源に向かって収束する傾き
を持たせて多数の深溝を形成する。具体的な加工方式と
しては、図7に示すように、X―θステージ90上に、
図8に示すような、木、または発泡樹脂等からなる基板
20を固定し、X―θステージ90のX軸およびθ軸を
制御することにより、加工する全ての深溝が使用時に想
定される放射線源の位置200に向かうように基板20
を位置決めする。そして、ディスクカッタ91をX軸方
向と直交するY軸方向に移動させることによって、上記
位置決めされた基板20に深溝10を加工し、図9に示
すような深溝加工済基板20´を得る。
【0050】なお、上記深溝10は、その加工方向であ
るY軸方向の基板の側面21Bおよび21Cは貫通させ
ずに残して、基板20の上面21Aのみに深溝10の開
口部が形成されるように加工する。
【0051】第2の工程としては、図10に示すよう
に、ディスクカッタによって加工された深溝10に放射
線吸収粉体30を粉体のまま充填する。充填後、加工済
基板の上面21A上に残された放射線吸収粉体30は除
去される。
【0052】第3の工程としては、深溝10に放射線吸
収粉体30が充填された後、深溝10を密封する。ここ
では図11に示すように、深溝加工済基板20´の上面
21Aに、この上面21Aと略同じ形状を持つ放射線透
過材料からなる封止板40または封止フィルム等を接着
することにより深溝10を密封し、散乱線吸収グリッド
100を得る。
【0053】なお、上記、深溝の密封は、熱収縮フィル
ムによって基板の全面を密着して覆うようにしたり、深
溝の開口部に沿って部分的に上記封止板または封止フィ
ルムを密着させ配設したり、各深溝の開口部に、この開
口部と略等しい幅と長さを有する封止栓を挿入すること
により密封してもよい(第3の工程は必ずしも必要な
い) 次に本発明の第2実施の形態の製造工程について図11
および図12を用いて説明する。第2実施の形態は、放
射線吸収粉体を融点以上で融解してから深溝に充填する
製造工程を含むものであり、図中第1の実施の形態と共
通の構成については第1の実施の形態と同一の図面およ
び符号を用いて示し、その説明の一部を省略する。
【0054】第1の工程は第1の実施の形態の第1の工
程と同様の工程である。ただし、第2の実施の形態で用
いる基板の材料としては、樹脂材料より耐熱性の優れた
木が好ましい。
【0055】第2の工程は、図12に示すように放射線
吸収粉体である鉛粉体を融点以上で融解した材料31
を、深溝加工済基板20´の深溝10に充填する工程で
ある。なお、この工程では、融解した材料を深溝に流し
込んで充填するので、粉体をそのまま深溝に充填する第
1の実施の形態の工程に比して、より容易に粉体を深溝
に充填することができる。また、融解した流体状の材料
を、気泡が生じないように溝に埋め込むために、基板を
チャンバー内に入れ、減圧した雰囲気中において上記流
体状の材料を深溝に流し込むことが好ましい。
【0056】第3の工程としては、融解した材料31が
深溝10に充填された後、この材料31を固化させる。
ここでは、材料31を冷却することにより固化させる。
【0057】第4の工程としては、図11に示すように
第1の実施の形態の第3の工程と同様の工程により深溝
10を密封して散乱線吸収グリッドを得る(第2の実施
の形態においては、第4の工程は必ずしも必要なく、第
4の工程を実施する場合には第3の工程を省略してもよ
い) なお、放射線吸収粉体である鉛粉体を融点以上で融解し
た材料が、例えば鉛より融点が低いスズと、鉛とからな
る材料である場合には、この材料は合金となり両者を分
別することはできなくなるが、このような場合において
も上記散乱線を吸収する効果は得られる。
【0058】また、上記深溝に充填される融解材料は、
鉛粉体等の放射線吸収粉体を出発物質とした融解材料に
限らず、塊状、線状、粒状等の形態を有する放射線吸収
体を出発物質とした融解材料を用いてもよい。
【0059】次に本発明の第3実施の形態の製造工程に
ついて図11および図12を用いて説明する。第3実施
の形態は放射線吸収粉体を流体と共に深溝に充填する製
造工程を含むものであり、図中第1または2の実施の形
態と共通の構成については第1または2の実施の形態と
同一の図面および符号を用いて示し、その説明の一部を
省略する。
【0060】第1の工程は第1の実施の形態の第1の工
程と同様である。
【0061】第2の工程は、図12に示すように放射線
吸収粉体を水および/または有機溶剤からなる流体32
と共に深溝10に充填する工程で、これによりは流体を
深溝に流し込んで充填するので、より容易に粉体を深溝
に充填することができる。
【0062】第3の工程は、放射線吸収粉体が上記流体
32と共に深溝に充填された後、この流体を乾燥させる
工程である。
【0063】第4の工程としては、図11に示すよう
に、前記乾燥後、第1の実施の形態の第3の工程と同様
の工程により深溝10を密封する工程で、これにより目
的とする散乱線吸収グリッドを得る(第4の工程は必ず
しも必要なく、第4の工程を実施する場合には第3の工
程を省略してもよい) 次に本発明の第4実施の形態の製造工程について図11
および図12を用いて説明する。第4実施の形態は放射
線吸収粉体を流体と共に深溝に充填する製造工程を含む
ものであり、図中第1、2または3の実施の形態と共通
の構成については第1、2または3の実施の形態と同一
の図面または符号を用いて示し、その説明の一部を省略
する。
【0064】第1の工程は第1の実施の形態の第1の工
程と同様である。
【0065】第2の工程は、図12に示すように、自身
を固化させるためのバインダを含む流体33と共に放射
線吸収粉体を深溝に充填する工程である。なお、この流
体は水および/または有機溶剤からなる流体であっても
よい。
【0066】第3の工程としては、前記充填後、流体3
3を固化させる。ここでは、バインダによる化学反応を
進めることにより流体33を固化させる。
【0067】第4の工程は、第1の実施の形態の第3の
工程と同様の工程で、深溝10を密封して散乱線吸収グ
リッドを得る(第4の工程は必ずしも必要なく、第4の
工程を実施する場合には第3の工程を省略してもよい) 次に本発明の第5実施の形態の製造工程について図11
および図12を用いて説明する。第5実施の形態は放射
線吸収粉体を流体と共に深溝に充填する製造工程を含む
ものであり、図中第1、2、3または4の実施の形態と
共通の構成については第1、2、3または4の実施の形
態と同一の図面または符号を用いて示し、その説明の一
部を省略する。
【0068】第1の工程は第1の実施の形態の第1の工
程と同様である。
【0069】第2の工程で、図12に示すように、放射
線吸収粉体を、この粉体より低融点の物質を融解した材
料からなる流体34と共に深溝10に充填し、第3の工
程で、前記充填後、流体34を固化させる。ここでは、
流体34を冷却することにより固化させる。第4の工程
では、第1の実施の形態の第3の工程と同様の工程によ
り深溝10を密封して散乱線吸収グリッドを得る(第4
の工程は必ずしも必要なく、第4の工程を実施する場合
には第3の工程を省略してもよい) なお、上記深溝は、その加工方向であるY軸方向の側面
を貫通させて、図13に示すように、基板20の上面2
1Aおよびその側面21Bおよび21Cにも開口部が形
成されるように加工してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による散乱線吸収グリッド
の概略構成を示す図
【図2】基板の深溝を密封する様子を示す図
【図3】基板の深溝を密封する様子を示す図
【図4】基板の深溝を密封する様子を示す図
【図5】基板の深溝を密封する様子を示す図
【図6】基板の側面を貫通しないように深溝を形成した
基板を示す図
【図7】X―θステージ上に基板20を位置決めした様
子を示す図
【図8】加工前の基板を示す図
【図9】深溝加工済基板を示す図
【図10】深溝に粉体を挿入する様子を示す図
【図11】粉体を挿入した深溝を密封する様子を示す図
【図12】深溝に流体を挿入する様子をを示す図
【図13】基板の側面を貫通させた深溝が形成された深
溝加工済基板を示す図
【符号の説明】
10 深溝 20 基板 21 基板の上面 90 X―θステージ 91 ディスクカッタ 200 放射線源の位置

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放射線透過材料からなる基板に、使用時
    に放射線源に向かって収束する傾きを持たせて多数の深
    溝を形成し、 該深溝に放射線吸収体を充填することを特徴とする散乱
    線吸収グリッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記放射線吸収体を融点以上で融解した
    状態で、前記深溝に充填することを特徴とする請求項1
    記載の散乱線吸収グリッドの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記充填後、前記融点以上で融解した状
    態の放射線吸収体を固化させることを特徴とする請求項
    2項記載の散乱線吸収グリッドの製造方法。
  4. 【請求項4】 放射線透過材料からなる基板に、使用時
    に放射線源に向かって収束する傾きを持たせて多数の深
    溝を形成し、 該深溝に放射線吸収粉体を充填することを特徴とする散
    乱線吸収グリッドの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記粉体を融点以上で融解した状態で、
    前記深溝に充填することを特徴とする請求項4記載の散
    乱線吸収グリッドの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記粉体を流体と共に前記深溝に充填す
    ることを特徴とする請求項4記載の散乱線吸収グリッド
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記流体が、水および/または有機溶剤
    からなるものであることを特徴とする請求項6記載の散
    乱線吸収グリッドの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記充填後、前記流体を乾燥させること
    を特徴とする請求項7記載の散乱線吸収グリッドの製造
    方法。
  9. 【請求項9】 前記流体が、該流体を固化させるための
    バインダを含むものであることを特徴とする請求項6ま
    たは7記載の散乱線吸収グリッドの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記流体が、前記粉体より低融点の物
    質を融解した材料からなるものであることを特徴とする
    請求項6記載の散乱線吸収グリッドの製造方法。
  11. 【請求項11】 前記充填後、前記融点以上で融解した
    状態の粉体あるいは前記流体を固化させることを特徴と
    する請求項5、9、10のいずれか1項記載の散乱線吸
    収グリッドの製造方法。
  12. 【請求項12】 前記充填後、前記深溝を密封すること
    を特徴とする請求項1から11のいずれか1項記載の散
    乱線吸収グリッドの製造方法。
  13. 【請求項13】 使用時に放射線源に向かって収束する
    傾きを有する多数の深溝が形成された放射線透過材料か
    らなる基板と、前記深溝に充填された放射線吸収体とか
    らなることを特徴とする散乱線吸収グリッド。
  14. 【請求項14】 使用時に放射線源に向かって収束する
    傾きを有する多数の深溝が形成された放射線透過材料か
    らなる基板と、前記深溝に充填された放射線吸収粉体と
    からなることを特徴とする散乱線吸収グリッド。
  15. 【請求項15】 前記放射線吸収体または放射線吸収粉
    体が前記深溝内に密封されていることを特徴とする請求
    項13または14記載の散乱線吸収グリッド。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009509133A (ja) * 2005-09-19 2009-03-05 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 電磁放射線の選択的吸収のための格子,及びその製造方法

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