JP2002039305A - 摩擦ローラ式変速機 - Google Patents

摩擦ローラ式変速機

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JP2002039305A
JP2002039305A JP2000226702A JP2000226702A JP2002039305A JP 2002039305 A JP2002039305 A JP 2002039305A JP 2000226702 A JP2000226702 A JP 2000226702A JP 2000226702 A JP2000226702 A JP 2000226702A JP 2002039305 A JP2002039305 A JP 2002039305A
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housing
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center
outer ring
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Hiroyuki Ito
裕之 伊藤
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NSK Ltd
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H57/00General details of gearing
    • F16H57/04Features relating to lubrication or cooling or heating
    • F16H57/048Type of gearings to be lubricated, cooled or heated
    • F16H57/0487Friction gearings
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C15/00Component parts, details or accessories of machines, pumps or pumping installations, not provided for in groups F04C2/00 - F04C14/00
    • F04C15/0057Driving elements, brakes, couplings, transmission specially adapted for machines or pumps
    • F04C15/0061Means for transmitting movement from the prime mover to driven parts of the pump, e.g. clutches, couplings, transmissions
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C2/00Rotary-piston machines or pumps
    • F04C2/08Rotary-piston machines or pumps of intermeshing-engagement type, i.e. with engagement of co-operating members similar to that of toothed gearing
    • F04C2/10Rotary-piston machines or pumps of intermeshing-engagement type, i.e. with engagement of co-operating members similar to that of toothed gearing of internal-axis type with the outer member having more teeth or tooth-equivalents, e.g. rollers, than the inner member

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内径側、外径側各当接部21、22の潤滑を
確実に図り、優れた耐久性を有する摩擦ローラ式変速機
を実現する。 【解決手段】 中心ローラ27の外周面で第一の円筒面
24から外れた部分と、ハウジング3aを構成する蓋体
5aの通孔6aに設けた支持孔37との間に、トロコイ
ドポンプ29を設ける。上記中心ローラ27の回転に基
づいて、このトロコイドポンプ29が回転すると、上記
ハウジング3a内に存在する潤滑油が吸入路35を通じ
て上記トロコイドポンプ29内に吸い込まれる。そし
て、このトロコイドポンプ29内に吸い込まれた潤滑油
が、上記中心ローラ27の外周面に吐出されると共に、
第二の吐出路41を通じて外径側当接部22に吹き出
す。この結果、各内径側当接部21、21や上記外径側
当接部22の潤滑を確実に図れ、これら各当接部21、
22で金属接触が発生しにくくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明に係る摩擦ローラ式
変速機は、例えば工作機械、水車、風車等、各種機械装
置の回転駆動部の駆動部分等に組み込み、駆動軸側の回
転を減速或は増速しつつ被駆動軸側に伝達し、上記工作
機械等を回転駆動する為に利用する。又、自動車用補機
の駆動にも利用できる。特に、本発明は、優れた耐久性
を有する摩擦ローラ式変速機を実現するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、自動車用の補機は、走行用エン
ジンにより回転駆動するが、単一の走行用エンジンによ
り駆動する補機が複数存在するのに対して、これら各補
機の最適な運転速度が異なる場合がある。又、上記走行
用エンジンの回転速度に比べてこれら各補機の最適駆動
速度が異なる場合もある。この為に従来は、上記走行用
エンジンのクランクシャフトの端部に固定した駆動プー
リの径と、上記各補機の回転軸の端部に固定する各従動
プーリの径とを異ならせる事で、これら各補機の回転速
度を好ましい値にする様にしている。又、上記従動プー
リとして、一方向クラッチを内蔵したものを使用する事
により、これら各従動プーリと上記駆動プーリとの間に
掛け渡した無端ベルトに加わる摩擦力の方向を一定にし
てこの無端ベルトの耐久性を確保すると共に、この無端
ベルトの速度が低下傾向にある場合にも上記各補機の回
転軸の回転速度が低下するのを防止し、これら各補機の
効率を向上させる事も、従来から行なわれている。
【0003】但し、駆動プーリの径と従動プーリの径と
を変える事により、上記各補機の回転速度を調節するの
は、これら各プーリに対する無端ベルトの巻き掛け量の
確保、この無端ベルトの曲げ量を抑え(曲率半径を過小
にせず)その耐久性の確保を図る事を考慮した場合には
限度がある。これに対して近年、クラッチ機構を有する
摩擦ローラ式変速機を利用して、上記補機の回転駆動装
置を構成する事が研究されている。この様な条件に合致
する摩擦ローラ式変速機として従来から、特開平10−
316081号公報、同10−329780号公報等に
記載されたものが知られている。
【0004】これら各公報に記載される等により、従来
から知られている摩擦ローラ式変速機は、電動補助自転
車の補助動力源として考えられたもので、電動モータの
回転軸によりペダル軸に補助動力を付与するが、このペ
ダル軸の回転速度がこの電動モータの回転軸の回転速度
に見合う速度よりも速くなった場合には、上記ペダル軸
の回転がこの回転軸に伝わらない様にしている。図5〜
6は、この様な目的で考えられ、上記特開平10−31
6081号公報に記載された、摩擦ローラ式変速機の1
例を示している。先ず、この従来構造に就いて説明す
る。
【0005】駆動源である電動モータ1は、入力軸に相
当する回転軸2を有する。又、この回転軸2の先端部
は、請求項に記載した中心ローラとして機能させてい
る。即ち、図5〜6に記載した構造では、上記入力軸と
中心ローラとを、一体の回転軸2としている。そして、
請求項に記載した第一の円筒面に相当する、この回転軸
2の先端部外周面は、平滑な円筒面としている。この様
な回転軸2のうち、中心ローラとしての役目を有する先
端部を覆う状態で、ハウジング3を設けている。使用時
にはこのハウジング3を、図示しないフレーム等に固定
する。このハウジング3は、有底円筒状の本体4と、こ
の本体4の基端開口部を塞ぐ蓋体5とから成る。上記電
動モータ1の回転軸2の先端部は、この蓋体5の略中央
部に形成した通孔6を挿通して、上記ハウジング3内に
挿入している。尚、この通孔6は、後述する様に、上記
蓋体5の中心から少しだけ外れた位置に設けている。
又、この通孔6の内周面と上記回転軸2の中間部外周面
との間には、軸受7を設けている。
【0006】又、上記ハウジング3の内側で上記回転軸
2の周囲部分には、3本の支持軸8、8aを、それぞれ
この回転軸2と平行に配置している。即ち、これら各支
持軸8、8aの一端部(図5の上端部)を上記蓋体5に
支持すると共に、他端部(図5の下端部)を連結環9に
支持している。尚、これら3本の支持軸8、8aのう
ち、2本の支持軸8、8は、それぞれの両端部を上記蓋
体5及び連結環9に設けた嵌合孔に圧入固定若しくはほ
ぼがたつきなく挿入している。従って、これら2本の支
持軸8、8が、上記ハウジング3内で円周方向或は直径
方向に変位する事はない。これに対して、残り1本の支
持軸8aは、両端部を上記蓋体5及び連結環9に対し、
上記ハウジング3の円周方向(更に、必要とすれば直径
方向)に関する若干の変位自在に支持している。この為
に、上記蓋体5及び連結環9の一部で上記支持軸8aの
両端部に整合する部分に、上記ハウジング3の円周方向
に長い円弧状の係合溝若しくは上記支持軸8aの両端部
の外径よりも大きな内径を有する支持孔(図5〜6には
省略)を形成し、これら両係合溝若しくは支持孔に、上
記支持軸8aの両端部を緩く係合させている。そして、
これら各支持軸8a、8の中間部周囲に、それぞれが中
間ローラであるウェッジローラ10及びガイドローラ1
1a、11bを、それぞれ軸受18(図5参照。図6に
は省略。)により、回転自在に支持している。尚、上記
連結環9の一部は、上記蓋体5の内側面(上記ウェッジ
ローラ10及びガイドローラ11a、11bを設置した
空間側の面で、図5の下面)の一部で上記ウェッジロー
ラ10及びガイドローラ11a、11bから外れた位置
に突設した、突部12(図5参照。図6には省略。)の
先端部に結合している。
【0007】又、上記ハウジング3の内側で上記ウェッ
ジローラ10及びガイドローラ11a、11bを囲む部
分には、有底円筒状の外輪13を、回転自在に設けてい
る。この外輪13は、円筒部14と、この円筒部14の
一端(図5の下端)開口を塞ぐ円板部15とから成る。
このうち、請求項に記載した第二の円筒面に相当する円
筒部14の内周面は、平滑な円筒面として、やはり平滑
な円筒面とした、請求項に記載した第三の円筒面に相当
する、上記ウェッジローラ10及びガイドローラ11
a、11bの外周面と当接自在としている。又、上記円
板部15の外側面(上記ウェッジローラ10及びガイド
ローラ11a、11bを設置した空間と反対側面で、図
5の下面)には、請求項に記載した回転軸に相当する、
出力軸16の基端部(図5の上端部)を結合固定してい
る。そしてこの出力軸16を、上記ハウジング3を構成
する本体4の中央部に設けた第二の通孔17に挿通し
て、上記ハウジング3外に突出させている。尚、上記出
力軸16の基端寄り部分の外周面と上記第二の通孔17
の内周面との間には軸受23を設けて、上記外輪13及
び出力軸16を、上記ハウジング3に対し回転自在に支
持している。又、上記出力軸16の先半部(図5の下半
部)で上記ハウジング3外に突出した部分には、ピニオ
ン19を固定している。
【0008】上記ウェッジローラ10及びガイドローラ
11a、11bの外周面は、前記回転軸2の先端部外周
面と上記外輪13の内周面とに当接させている。但し、
上記回転軸2の中心と上記出力軸16及び外輪13の中
心とは、互いに偏心させている。即ち、前述の様に、上
記回転軸2を挿通する通孔6は、上記ハウジング3の中
心から少しだけ外れた位置に設けているのに対して、上
記出力軸16を挿通する第二の通孔17は、上記ハウジ
ング3の中心に設けている。又、この第二の通孔17の
内側に支持した出力軸16と外輪13とは互いに同心で
ある。従って、上記回転軸2と上記外輪13及び出力軸
16とは、上記通孔6のハウジング3の中心からのずれ
量δ分だけ、互いに偏心している。そして、上記回転軸
2の外周面と上記外輪13の内周面との間に存在して上
記ウェッジローラ10及びガイドローラ11a、11b
が設けられた環状空間20の幅寸法が、このδなる偏心
量に見合う分だけ、円周方向に亙り不同になっている。
【0009】この様に、上記環状空間20の幅寸法を円
周方向に亙り不同にした分、上記ウェッジローラ10及
びガイドローラ11a、11bの外径を異ならせてい
る。即ち、上記外輪13に対し回転軸2が偏心している
側(図6の左側)に位置するウェッジローラ10及びガ
イドローラ11a(小径ガイドローラ)の径を、互いに
同じとすると共に比較的小径にしている。これに対し
て、上記外輪13に対し回転軸2が偏心しているのと反
対側(図6の右側)に位置するガイドローラ11b(大
径ガイドローラ)の径を、ウェッジローラ10及びガイ
ドローラ11aよりも大きくしている。そして、これら
3個の、それぞれが中間ローラであるウェッジローラ1
0及びガイドローラ11a、11bの外周面を、上記回
転軸2の外周面と上記外輪13の内周面とに当接させて
いる。
【0010】尚、それぞれが中間ローラである、上記1
個のウェッジローラ10及び2個のガイドローラ11
a、11bのうち、ガイドローラ11a、11bを支持
した支持軸8、8は、前述の様に、上記ハウジング3内
に固定している。これに対して、ウェッジローラ10を
支持した支持軸8aは、やはり前述した様に上記ハウジ
ング3内に、このハウジング3の円周方向に亙る若干の
変位を自在に支持している。従って、上記ウェッジロー
ラ10も、上記ハウジング3内で、このハウジング3の
円周方向に変位自在である。そして、前記回転軸2が所
定方向に回転した場合に、上記1本の支持軸8aに回転
自在に支持したウェッジローラ10を、上記環状空間2
0の幅の狭い部分に向け移動自在としている。
【0011】即ち、図示の例では、上記回転軸2が図6
に矢印イで示す様に、同図の時計方向に回転する様に、
構成各部の組み付け方向を規制している。従って、前記
電動モータ1から前記出力軸16に動力を取り出す際に
は、上記ウェッジローラ10及びガイドローラ11a、
11bが、図6に矢印ロ、ロで示す様に、上記各支持軸
8a、8を中心に同図の反時計方向に回転し、上記外輪
13が同じく矢印ハで示す様に反時計方向に回転する。
この様に、上記1個のウェッジローラ10が矢印ロで示
す様に回転し、このウェッジローラ10を上記ハウジン
グ3の直径方向の内外両側から挟持した回転軸2及び外
輪13がそれぞれ矢印イ、ハに示す様に回転する結果、
上記ウェッジローラ10全体が、図6に矢印ニで示す様
に、図6の時計方向に変位する傾向となる。即ち、上記
ウェッジローラ10は、矢印イ方向に回転する上記回転
軸2から、上記矢印ニ方向の力を受け、ウェッジローラ
10が矢印ロ方向に回転する事で外輪13の内周面との
当接部から受ける反作用により、やはり上記矢印ニ方向
の力を受ける。この結果、上記回転軸2の回転時に上記
ウェッジローラ10が、上記環状空間20の幅の狭い部
分に向けて移動する傾向になる。
【0012】上述の様に構成する摩擦ローラ式変速機の
場合、電動モータ1の回転軸2の回転は、この回転軸2
の外周面と、それぞれが中間ローラであるウェッジロー
ラ10及びガイドローラ11a、11bの外周面との当
接部である、各内径側当接部21、21を介して、これ
らウェッジローラ10及びガイドローラ11a、11b
に伝わる。更に、これらウェッジローラ10及びガイド
ローラ11a、11bの回転は、これらウェッジローラ
10及びガイドローラ11a、11bの外周面と上記外
輪13の内周面との当接部である、各外径側当接部2
2、22を介して、この外輪13に伝わる。そして、こ
の外輪13に結合固定した前記出力軸16及びこの出力
軸16に固定した前記ピニオン19が回転する。
【0013】上記回転軸2及び外輪13が所定方向に回
転すると、1本の支持軸8aに回転自在に支持したウェ
ッジローラ10が、上記回転軸2の外周面と外輪13の
内周面との間に存在する環状空間20内で、この環状空
間20の幅の狭い部分に向け図6の矢印ニ方向に移動す
る。この結果、上記1本の支持軸8aに回転自在に支持
したウェッジローラ10の外周面が、上記回転軸2の外
周面と外輪13の内周面とを強く押圧する。そして、当
該ウェッジローラ10の外周面と上記回転軸2の外周面
との当接部である内径側当接部21、及び、当該ウェッ
ジローラ10の外周面と外輪13の内周面との当接部で
ある外径側当接部22の当接圧が高くなる。
【0014】この様に、ウェッジローラ10に関する内
径側、外径側両当接部21、22の当接圧が高くなる
と、それぞれがこのウェッジローラ10の外周面により
押圧される部材である、上記回転軸2と外輪13とのう
ちの少なくとも一方の部材が、組み付け隙間、或は弾性
変形等に基づき、それぞれの直径方向に亙り僅かに変位
する。この結果、残り2個の中間ローラである、ガイド
ローラ11a、11bの外周面と上記回転軸2の外周面
との当接部である2個所の内径側当接部21、21、及
びこれら2個のガイドローラ11a、11bの外周面と
外輪13の内周面との当接部である2個所の外径側当接
部22、22の当接圧が高くなる。そして、クラッチ機
構が接続された状態になって、上記回転軸2から上記外
輪13に、効率良く回転力が伝達される。
【0015】これに対して、上記回転軸2が停止してい
るにも拘らず上記外輪13が図6の矢印ハ方向に回転し
ている場合、或は上記回転軸2の回転速度に見合う回転
速度(この回転速度と摩擦ローラ式変速機の変速比との
積)よりも速い回転速度で上記外輪13が図6の矢印ハ
方向に回転している場合には、上記外輪13から上記回
転軸2に回転が伝わらない様にする。即ち、この場合に
は、図6の矢印ハ方向に回転する上記外輪13により、
上記ウェッジローラ10が同図の矢印ニと反対方向に変
位する。この結果、このウェッジローラ10の外周面が
上記回転軸2の外周面及び外輪13の内周面を押圧しな
くなり、上記内径側当接部21及び上記外径側当接部2
2の当接圧が低下若しくは喪失する。そして、クラッチ
機構の接続が断たれた状態になって、上記外輪13から
上記回転軸2に回転が伝わらなくなる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上述の様に構成し作用
する摩擦ローラ式変速機の場合、ハウジング3内にトラ
クショングリース或はトラクションオイル(潤滑油)等
の潤滑剤を入れ、回転軸2の外周面である第一の円筒面
24並びに外輪13の内周面である第二の円筒面25
と、ウェッジローラ10及びガイドローラ11a、11
bの外周面である第三の円筒面26、26との間の動力
伝達を、上記潤滑剤を介して行う。これら各円筒面2
4、25、26同士の間に存在する潤滑剤の油膜は極く
薄い為、この油膜に作用する大きな剪断力に基づき、上
記動力伝達を行なえる。又、この様な潤滑剤は、動力を
伝達すると同時に、上記各円筒面24、25、26同士
の各当接部である内径側、外径側各当接部21、22の
潤滑を図り、これら各円筒面24、25、26同士が直
接接触する事を防止して、金属接触による著しい摩耗の
発生を防止する。
【0017】ところで、この様な潤滑剤として(トラク
ション)グリースを使用した場合は、潤滑油に比べて粘
度が高い分、グリースが上記各円筒面24、25、26
に付着し易く、これら各円筒面24、25、26にグリ
ースを保持できる。この為、粘度の低い潤滑油に比べて
上記内径側、外径側各当接部21、22の潤滑を確保し
易くなるが、グリースの剪断抵抗に基づく回転抵抗が多
少なり大きくなる。
【0018】これに対して潤滑油を使用した場合は、グ
リースに比べて回転抵抗を抑えられるが、粘性が低い潤
滑油が遠心力によりハウジング3の外径寄り部分に飛ば
される。この為、特に、このハウジング3の中央部に存
在する、第一の円筒面24と第三の円筒面26、26と
の当接部である各内径側当接部21、21の近傍で、潤
滑油が不足しがちになる。この結果、上記各内径側当接
部21、21を中心に金属接触が発生し易くなり、異常
摩耗や剥離等の損傷の発生に伴い、摩擦ローラ式変速機
の耐久性を悪化させる原因となる。本発明は、この様な
事情に鑑みて、内径側、外径側各当接部の潤滑を確実に
図り、優れた耐久性を有する摩擦ローラ式変速機を実現
すべく発明したものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の摩擦ローラ式変
速機は、前述した従来から知られている摩擦ローラ式変
速機と同様に、その外周面を第一の円筒面とし、ハウジ
ング内で回転する中心ローラと、その内周面を第二の円
筒面としてこの中心ローラの周囲で上記ハウジングの内
部に、これら中心ローラ及びハウジングに対する相対回
転を自在に設けられた外輪と、この外輪と同心で一端部
をこの外輪に結合した回転軸と、上記第一の円筒面と上
記第二の円筒面との間の環状空間内に、上記中心ローラ
と平行に配置された複数本の支持軸と、これら各支持軸
により回転自在に支持され、それぞれの外周面を第三の
円筒面とした複数個の中間ローラとを備える。そして、
上記中心ローラの中心と上記回転軸及び外輪の中心とを
偏心させる事により、上記環状空間の幅寸法を円周方向
に亙って不同にし、上記複数個の中間ローラのうちの少
なくとも1個の中間ローラを、少なくとも上記環状空間
の円周方向に関する変位自在に支持してウェッジローラ
とすると共に、残りの中間ローラをガイドローラとして
いる。そして、上記中心ローラ及び外輪が所定方向に上
記中心ローラと回転軸との間の変速比に見合う速度比で
回転する場合に、上記ウェッジローラとなる中間ローラ
を、上記環状空間の幅の狭い部分に向け移動させる。
【0020】特に、本発明の摩擦ローラ式変速機に於い
ては、ポンプ構造部と、吸入路と、吐出路とを有する。
このうちのポンプ構造部は、上記中心ローラと共に回転
する部分の外周面で上記第一の円筒面から外れた部分
と、上記ハウジングの一部でこの第一の円筒面から外れ
た部分に対向する部分との間に設けられ、上記中心ロー
ラの回転に基づいて上記ハウジング内に存在する潤滑油
の一部を吸引して吐出する。又、上記吸入路は、上記ポ
ンプ構造部に上記ハウジング内に存在する潤滑油を吸入
する。そして、上記吐出路は、上記ポンプ構造部から吐
出される上記潤滑油を、潤滑を必要とする部分に送り出
す。
【0021】上記吐出路の下流端は、好ましくは、上記
中心ローラの外周面に吐出させる方向に開口させる。更
に、必要に応じて、上記外輪の内周面と少なくとも1個
の中間ローラの外周面との当接部に向けて導く、第二の
吐出路を設ける。
【0022】
【作用】上述の様に構成する本発明の摩擦ローラ式変速
機の場合、運転時に中心ローラの回転に基づいて、ポン
プ構造部によりハウジング内に存在する潤滑油の一部
を、上記中心ローラの外周面等の、潤滑を必要とする部
分に吐出させる。この為、内径側、外径側各当接部の潤
滑を確実に図れ、優れた耐久性を有する摩擦ローラ式変
速機を実現できる。
【0023】
【発明の実施の形態】図1〜3は、本発明の実施の形態
の第1例を示している。本例の摩擦ローラ式変速機も、
前述した従来構造の場合と同様に、鋼或はアルミニウム
合金製で有底円筒状の本体4aと、この本体4aの基端
(図1の右端)開口部を塞ぐ、鋼製の蓋体5aとから成
る、固定のハウジング3aを有する。そして、このハウ
ジング3a内に中心ローラ27の先半部(図1の左半
部)を、上記蓋体5aの略中央部に形成した通孔6aを
通じて挿入している。尚、この通孔6aは、上記蓋体5
aの中心から、少しだけ外れた位置に設けている。又、
上記中心ローラ27の基端部(図1の右端部)には入力
軸28を、この中心ローラ27と一体に設けている。上
記摩擦ローラ式変速機の運転時に上記入力軸28は、図
示しない電動モータ等の駆動源により回転駆動される。
【0024】又、本例の場合、上記中心ローラ27の中
間部外周面で後述する第一の円筒面24から外れた部分
に、請求項に記載したポンプ構造部に相当する、トロコ
イドポンプ29を設けている。即ち、上記中心ローラ2
7の中間部外周面で上記第一の円筒面24から外れた部
分に、雄スプライン部30を形成している。そして、そ
の内周面に雌スプライン部31を形成した、上記トロコ
イドポンプ29を構成するインナロータ32を、この雄
スプライン部31にスプライン係合させている。尚、こ
の様にインナロータ32を上記中心ローラ27に相対回
転不能に係合する構造は、この様なスプラインに代え
て、キー係合や非円筒面同士の嵌合等でも良い。
【0025】一方、上記蓋体5aに形成した通孔6aの
内面で、上記インナロータ32の外周面に対向する部分
には、この通孔6aに対し偏心し、且つ、この通孔6a
よりも大径の支持孔37を設けている。そして、この支
持孔37に、上記トロコイドポンプ29を構成するアウ
タロータ33を、回転自在に支持している。又、このト
ロコイドポンプ29の軸方向外側(図1の右側)部分で
上記蓋体5aには支持環38を、ボルト39により固定
して、上記アウタロータ33が軸方向(図1の左右方
向)に変位するのを阻止している。又、上記支持環38
の外半部内周面にシール部材40を内嵌固定する事によ
り、上記ハウジング3a内に存在する潤滑油(トラクシ
ョンオイル)が、このハウジング3a外に漏洩するのを
防止している。
【0026】上述の様なトロコイドポンプ29は、例え
ば図3に示す様に、互いに偏心したインナロータ32と
アウタロータ33とを有する。この様なトロコイドポン
プ29の場合、上記中心ローラ27に伴って上記インナ
ロータ32が回転し、更に、このインナロータ32と共
にアウタロータ33が回転すると、これらインナロータ
32の外周面とアウタロータ32の内周面との間に存在
する複数(図3では4個)のポンプ室34、34が、そ
れぞれの容積を増減しつつ回転する。この結果、これら
各ポンプ室34、34の容積が増加する際に吸い込み
が、同じくその容積が減少する際に吐き出しが行なわ
れ、上記潤滑油の吸入及び吐出を行なう。尚、この様な
トロコイドポンプの基本的な構造及び作用は、従来から
周知であるので、これ以上の詳しい説明は省略する。
【0027】又、上記ハウジング3a内に存在する潤滑
油を上述の様なトロコイドポンプ29に導く為に、前記
蓋体5aを含んで構成する上記ハウジング3aに、吸入
路35を設けている。この吸入路35はその上流端を、
上記ハウジング3a内で潤滑油が溜り易い部分に開口さ
せている。即ち、本例の場合は、上記蓋体5aの内側面
(図1の左側面)で、後述する外輪13aの軸方向他端
外周縁部(図1の右端外周縁部)に対向する部分に、全
周に亙って油溜36を形成している。そして、この油溜
36の底面で、摩擦ローラ式変速機の使用時に鉛直方向
下側(図1の下側)となる部分に、上記吸入路35の上
流端を開口させている。尚、図示は省略したが、上記外
輪13aの軸方向他端外周縁部に、複数個のフィンを設
ける事が好ましい。この理由は、この外輪13aが回転
すると、このハウジング3a内に貯溜された潤滑油が上
記各フィンにより攪拌され、遠心力により上記油溜36
内に押し込まれる結果、この潤滑油が上記吸入路35に
送り込まれ易くなる為である。
【0028】一方、この吸入路35の下流端は、前記蓋
体5aの通孔6aに形成した支持孔37の内面で、上記
トロコイドポンプ29内に存在する複数のポンプ室3
4、34のうち、前記中心ローラ27の回転に伴って容
積が増大するポンプ室に対向する部分に開口させてい
る。従って、本例の場合は、上記吸入路35の下流端に
達した潤滑油は、上記トロコイドポンプ29の各ポンプ
室34、34に吸い込まれる。この為に、上記吸入路3
5の下流端は、上記支持孔37の内面又は前記支持環3
8の内側面に形成した通油溝が構成する。
【0029】又、上述の様な吸入路35を通じて上記ト
ロコイドポンプ29の容積増大中のポンプ室34、34
に吸い込まれた潤滑油は、当該各ポンプ室34、34の
容積が減少するのに伴って、前記中心ローラ27の外周
面に吐出する。そして、この様に中心ローラ27の外周
面に吐出した潤滑油は、請求項に記載した吐出路に相当
する、この中心ローラ27の外周面と前記蓋体5aに形
成した通孔6aの内周面との隙間を、ウェッジローラ1
0及びガイドローラ11a、11bに向け、軸方向に流
れる。そして、これらウェッジローラ10及びガイドロ
ーラ11a、11bの外周面と上記中心ローラ27の外
周面との当接部である、各内径側当接部21、21を潤
滑する。
【0030】又、本例の場合、上述の様なトロコイドポ
ンプ29から吐出される潤滑油を、上記各内径側当接部
21、21の他、使用時に上方に位置する外径側当接部
22にも導くべく、前記蓋体5aを含んで構成する上記
ハウジング3aに、第二の吐出路41を設けている。即
ち、本例の場合は、摩擦ローラ式変速機の使用時に鉛直
方向上側(図1の上側)に位置するガイドローラ11b
の外周面と、上記外輪13aの内周面との外径側当接部
22で、潤滑油が不足しがちになる。この為、上記第二
の吐出路41の下流端を、上記蓋体5aの内側面で、上
記外径側当接部22に対向する部分に開口させている。
又、上記第二の吐出路41の上流端は、上記蓋体5aの
通孔6aに形成した支持孔37の内面で、上記トロコイ
ドポンプ29の各ポンプ室34、34が吐き出し行程を
行なう位置に開口させている。従って、上記中心ローラ
27の回転に基づいて、上記トロコイドポンプ29が回
転すると、上記吸入路35を通じて上記各ポンプ室3
4、34内に吸い込まれた潤滑油は、これら各ポンプ室
34、34から上記中心ローラ27の外周面に吐出する
と共に、上記第二の吐出路41を通じて、上記外径側当
接部22に吐出する。この結果、上記各内径側当接部2
1、21だけでなく、上記外径側当接部22にも潤滑油
が送られて、これら各当接部21、22の潤滑を図れ
る。尚、摩擦ローラ式変速機の運転時に、上記潤滑油の
液面が、下方に位置する外径側当接部22、22よりも
少し上の位置となるだけの量の潤滑油を、上記ハウジン
グ3a内に封入しておく。
【0031】又、前記ハウジング3aの内側で上記中心
ローラ27の周囲部分には、3本の支持軸8、8aを、
それぞれこの中心ローラ27と平行に配置している。即
ち、これら各支持軸8、8aの一端部(図1の右端部)
を上記蓋体5aに支持すると共に、他端部(図1の左端
部)を連結板42に支持している。又、本例の場合、上
記3本の支持軸8、8aのうち、図2の上部中央並びに
下部左側に位置する2本の支持軸8、8は、その両端部
を上記蓋体5a及び連結板42に形成した嵌合孔43、
43に圧入固定している。従って、これら両支持軸8、
8が、上記ハウジング3a内で円周方向或は直径方向に
変位する事はない。これに対して、図2の下部右側に位
置する残り1本の支持軸8aは、両端部を上記蓋体5a
及び連結板42に対し、上記ハウジング3aの円周方向
及び直径方向に関して若干の変位自在に支持している。
この為に、上記蓋体5a及び連結板42の一部で上記支
持軸8aの両端部に整合する部分には、この支持軸8a
の外径よりも大きな幅及び長さを有する支持孔44、4
4を形成し、これら各支持孔44、44に、上記支持軸
8aの両端部を緩く係合させている。
【0032】そして、これら各支持軸8、8aの中間部
周囲に、それぞれが中間ローラであるウェッジローラ1
0及びガイドローラ11a、11bを、それぞれラジア
ルニードル軸受である軸受18により、回転自在に支持
している。尚、上記連結板42は、上記蓋体5aの内面
(上記ウェッジローラ10及びガイドローラ11a、1
1bを設置した空間側の面で、図1の左面)の一部で、
上記ウェッジローラ10及びガイドローラ11a、11
bから外れた位置に突設した突部12、12に突き当
て、連結ボルト45、45により、上記蓋体5aに連結
固定している。又、上記ウェッジローラ10及びガイド
ローラ11a、11bの軸方向両端面と上記連結板42
及び蓋体5aとの間には、それぞれスラストニードル軸
受46、46を設けて、上記各ローラ10、11a、1
1bの回転が円滑に行なわれる様にしている。
【0033】又、上記ハウジング3aの内側で上記ウェ
ッジローラ10及びガイドローラ11a、11bを囲む
部分には、円筒状の外輪13aを設け、この外輪13a
の内周面を、第二の円筒面25としている。そして、こ
の第二の円筒面25と、上記ウェッジローラ10及びガ
イドローラ11a、11bの外周面である第三の円筒面
26、26とを当接自在としている。又、上記外輪13
aと、請求項に記載した回転軸に相当する出力軸16a
とを、連結板47を介して結合している。この出力軸1
6aは、前記ハウジング3aを構成する本体4aの中央
部に形成した支持筒部48の内側に挿通して、このハウ
ジング3a外に突出させている。図示の例では、上記出
力軸16aを上記支持筒部48の内側に、1対の玉軸受
49a、49bにより回転自在に支持すると共に、この
支持筒部48の先端開口部と上記出力軸16aの中間部
内周面との間を、シールリング50により塞いでいる。
【0034】上記連結板47は、上述の様にハウジング
3aに対し回転自在に支持した出力軸16aの基端部
(図1の右端部)に、この出力軸16aと同心に固定し
ている。そして、上記連結板47の外周縁に形成した複
数の突片51、51と、上記外輪13aの軸方向一端縁
部(図1の左端縁部)に形成した切り欠き52、52と
を、ラジアル方向に関する若干の変位自在に係合させて
いる。又、上記各突片51、51を上記各切り欠き5
2、52の奥部(図1の右部)に進入させた状態で、上
記外輪13aの端部内周面に形成した係止溝53に止め
輪54を係止して、上記各突片51、51が上記各切り
欠き52、52から抜け出ない様にしている。従って、
上記外輪13aと上記連結板47とは、回転力の伝達を
自在に、且つ、ラジアル方向に関する若干の相対変位自
在に結合されている。この様にして、上記出力軸16a
と上記外輪13aとの、ラジアル方向の変位を自在とす
る理由は、部品の加工誤差や組み付け誤差に拘らず、前
記各内径側当接部21、21及び各外径側当接部22、
22の当接圧を均一にする為である。
【0035】又、前記各ウェッジローラ10及びガイド
ローラ11a、11bの外周面である、前記各第三の円
筒面26、26は、それぞれ前記中心ローラ27の外周
面に設けた第一の円筒面24と、上記外輪13aの内周
面に設けた前記第二の円筒面25とに当接させている。
上記中心ローラ27の中心と上記出力軸16a及び外輪
13aの中心とは互いに偏心している。即ち、前述の様
に、上記中心ローラ27を挿通する通孔6aは、前記ハ
ウジング3aの中心から少しだけ外れた位置に設けてい
るのに対して、上記出力軸16aを挿通する支持筒部4
8は、上記ハウジング3aの中心に設けている。又、こ
の支持筒部48の内側に回転自在に支持した出力軸16
aと外輪13aとは、実質的には互いに同心である。従
って、上記中心ローラ27と上記外輪13a及び出力軸
16aとは、上記通孔6aのハウジング3aの中心から
のずれ量δ(図1参照)分だけ、互いに偏心している。
そして、上記中心ローラ27の外周面に設けた上記第一
の円筒面24と上記外輪13aに設けた上記第二の円筒
面25との間に存在して上記ウェッジローラ10及びガ
イドローラ11a、11bが設けられた環状空間20の
幅寸法が、上記δ分の偏心量に見合う分だけ、円周方向
に関して不同になっている。
【0036】この様に、上記環状空間20の幅寸法を円
周方向に関して不同にした分、上記ウェッジローラ10
及びガイドローラ11a、11bの外径を異ならせてい
る。即ち、上記外輪13aに対し中心ローラ27が偏心
している側(図2の下側)に位置するウェッジローラ1
0及びガイドローラ11aの径を、互いに同じとすると
共に比較的小径にしている。これに対し、上記外輪13
aに対し中心ローラ27が偏心しているのと反対側(図
2の上側)に位置するガイドローラ11bの径を、上記
ウェッジローラ10及びガイドローラ11aよりも大き
くしている。そして、これら3個の、それぞれが中間ロ
ーラであるウェッジローラ10及びガイドローラ11
a、11bの外周面である第三の円筒面26、26を、
上記第一、第二の円筒面24、25に当接させている。
【0037】尚、それぞれが中間ローラである、上記1
個のウェッジローラ10及び2個のガイドローラ11
a、11bのうち、両ガイドローラ11a、11bを支
持した支持軸8、8は、前述の様に、上記ハウジング3
a内に固定している。これに対して、ウェッジローラ1
0を支持した支持軸8aは、やはり前述した様に上記ハ
ウジング3a内に、円周方向及び直径方向に関する若干
の変位を自在に支持している。従って、上記ウェッジロ
ーラ10も、上記ハウジング3a内で円周方向及び直径
方向に亙り若干の変位自在である。そして、前記蓋体5
a及び連結板42のシリンダ孔55内に装着した圧縮コ
イルばね56等の弾性材により、上記ウェッジローラ1
0を支持した支持軸8aを、この支持軸8aに回転自在
に支持したウェッジローラ10を前記環状空間20の幅
の狭い部分に向け移動させるべく、弾性的に押圧してい
る。図示の例では、上記圧縮コイルばね56により、そ
れぞれの先端部(図2の左下端部)に外向フランジ状の
鍔部57を形成した押圧ピン58を押圧し、これら両押
圧ピン58により、上記支持軸8aの両端部を同方向に
押圧している。
【0038】以上に述べた様に構成する本発明の摩擦ロ
ーラ式変速機の場合、前記中心ローラ27の回転は、こ
の中心ローラ27の外周面である第一の円筒面24と、
ウェッジローラ10及びガイドローラ11a、11bの
外周面である第三の円筒面26、26との当接部であ
る、各内径側当接部21、21を介して、上記各ウェッ
ジローラ10及びガイドローラ11a、11bに伝わ
る。更に、これらウェッジローラ10及びガイドローラ
11a、11bの回転は、上記各第三の円筒面26、2
6と前記外輪13aの内周面に設けた第二の円筒面25
との当接部である、各外径側当接部22、22を介し
て、上記外輪13aに伝わる。そして、この外輪13a
に結合した前記出力軸16aが、前記連結板47を介し
て、上記中心ローラ27とは逆方向に回転駆動される。
【0039】前記電動モータ等の駆動源により上記出力
軸16aを回転駆動すべく、上記中心ローラ27が図2
の時計方向に回転すると、ウェッジローラ10が、この
中心ローラ27から加わる力と前記各圧縮コイルばね5
6の弾力とにより、上記第一、第二の円筒面24、25
同士の間に存在する環状空間20内で、この環状空間2
0の幅の狭い部分(図2の下側中央部分)に向け移動す
る。この結果、上記ウェッジローラ10の外周面である
第三の円筒面26が、上記第一の円筒面24と第二の円
筒面25とを強く押圧する。そして、このウェッジロー
ラ10に関する第三の円筒面26と上記第一の円筒面2
4との当接部である内径側当接部21、及び、上記ウェ
ッジローラ10に関する第三の円筒面26と上記第二の
円筒面25との当接部である外径側当接部22の当接圧
が高くなる。
【0040】上記ウェッジローラ10に関する内径側、
外径側両当接部21、22の当接圧が高くなると、上記
中心ローラ27と外輪13aとのうちの少なくとも一方
の部材が、組み付け隙間、或は弾性変形等に基づき、そ
れぞれの直径方向に関して僅かに変位する。この結果、
残り2個の中間ローラであるガイドローラ11a、11
bの外周面である第三の円筒面26、26と上記中心ロ
ーラ27の外周面である第一の円筒面24との当接部で
ある2個所の内径側当接部21、21、及びこれらガイ
ドローラ11a、11bの外周面である第三の円筒面2
6、26と上記外輪13aの内周面である第二の円筒面
25との当接部である2個所の外径側当接部22、22
の当接圧が高くなる。そして、上記外輪13a及び上記
出力軸16aが、図2の反時計方向に回転する。
【0041】上記ウェッジローラ10を、上記環状空間
20内でこの環状空間20の幅の狭い部分に向け移動さ
せようとする力は、上記中心ローラ27から上記外輪1
3aに伝達するトルクの大きさに応じて変化する。即
ち、上記中心ローラ27の駆動トルクが大きくなる程、
上記ウェッジローラ10を上記環状空間20の幅の狭い
部分に向け移動させようとする力が大きくなる。そし
て、この力が大きくなる程、上記各内径側、外径側両当
接部21、22の当接圧が大きくなる。逆に言えば、上
記駆動トルクが小さい場合には、これら各内径側、外径
側両当接部21、22の当接圧が小さい。この為、上記
各内径側、外径側両当接部21、22の当接圧を、前記
電動モータ等の駆動源と前記出力軸16aとの間で伝達
すべきトルクの大きさに応じた適正値にできて、摩擦ロ
ーラ式変速機の伝達効率を高くできる。この状態では、
クラッチ機構がONとなる。
【0042】この様に中心ローラ27から出力軸16a
に動力を伝達する際、上記中心ローラ27の回転に基づ
いて、前記トロコイドポンプ29を構成するインナロー
タ32及びアウタロータ33が回転する。そして、これ
らインナロータ32及びアウタロータ33の回転に伴っ
て、これらインナロータ32の外周面とアウタロータ3
3の内周面との間に存在する複数個のポンプ室34、3
4が、それぞれその容積を増減しつつ回転する。この様
な各ポンプ室34、34の容積の増減に基づいて、前記
ハウジング3a内に存在する潤滑油の一部が前記吸入路
35を通じて上記トロコイドポンプ29内に吸入され
る。そして、このトロコイドポンプ29内に吸入された
潤滑油は、上記中心ローラ27の外周面に吐出されると
共に、前記第二の吐出路41を通じて、使用状態で上方
に位置する外径側当接部22に吹き出す。従って、前記
各内径側当接部21、21やこの外径側当接部22の潤
滑を確実に図れ、これら各当接部21、22で金属接触
が発生しにくくなり、前記各第一、二、三の周面24、
25、26に異常摩耗や剥離等の損傷が発生する事を防
止できる。尚、使用状態で下方に位置する外径側当接部
22、22は、運転時にも上記ハウジング3a内に貯溜
された潤滑油に漬かった状態となる場合は、特に上記ト
ロコイドポンプ29から潤滑油を吐出させる必要はな
い。但し、撹拌抵抗を低くすべく、上記ハウジング3a
内に貯溜する潤滑油の量を少なくした場合は、上記下方
に位置する外径側当接部22、22に上記トロコイドポ
ンプ29から潤滑油を吐出させる事が好ましい。
【0043】一方、上記電動モータ等の駆動源が停止し
た状態のまま、上記外輪13aが、図2の反時計方向に
回転する等、前記出力軸16aの回転速度が前記入力軸
28の回転速度に見合う速度よりも速くなる様な場合に
は、上記ウェッジローラ10が、上記外輪13aから加
わる力により、前記各圧縮コイルばね56の弾力に抗
し、上記環状空間20内で、この環状空間20の幅の広
い部分(図2の右側中央部分)に向け移動する。この結
果、上記ウェッジローラ10の外周面である第三の円筒
面26が、上記第一の円筒面24と第二の円筒面25と
を押圧しなくなる。そして、このウェッジローラ10並
びに前記各ガイドローラ11a、11bに関する第三の
円筒面26、26と上記第一の円筒面24との当接部で
ある内径側当接部21、21、及び、上記ウェッジロー
ラ10並びに前記各ガイドローラ11a、11bに関す
る第三の円筒面26、26と上記第二の円筒面25との
当接部である外径側当接部22、22の当接圧が、低下
若しくは喪失する。この結果、上記外輪13aの回転が
上記駆動源にまで伝達されなくなる。この場合でも、上
記中心ローラ27が回転している限り、上記トロコイド
ポンプ29による潤滑油吐出は行なわれる。
【0044】次に、図4は、本発明の実施の形態の第2
例を示している。本例の場合には、請求項に記載したポ
ンプ構造部として、内接歯車ポンプ59を使用してい
る。即ち、中心ローラ27の中間部外周面で第一の円筒
面24(図1〜2参照)から外れた部分に、この中心ロ
ーラ27に対して相対回転不能に内歯車60を設けてい
る。又、ハウジング3aを構成する蓋体5aの通孔6a
に設けた支持孔37aに、上記内歯車60の一部と噛合
した状態で外歯車61を、回転自在に支持している。
又、これら外歯車61の内周面と内歯車60の外周面と
の間には仕切り板62を設け、これら外歯車61の内周
面と内歯車60の外周面との間の空間を2つに分割し、
1対のポンプ室63、63を設けている。この仕切り板
62は、上記外歯車61の軸方向(図4の表裏方向)変
位を阻止する為の支持環38aに形成しており、この外
歯車61の内周面及び内歯車60の外周面は、それぞれ
この仕切り板62に摺接若しくは近接している。
【0045】上述の様に構成する内接歯車ポンプ59
は、中心ローラ27から出力軸16a(図1参照)に動
力を伝達する際、この中心ローラ27の回転に基づいて
内歯車60及びこの内歯車60と噛合した外歯車61が
回転する。そして、これら内歯車60と外歯車61との
噛み合いによって、これら内歯車60の外周面と外歯車
61の内周面との間に存在する1対のポンプ室63、6
3のうちの一方のポンプ室63に存在する空気や潤滑油
等が、他方のポンプ室63へ送り込まれる。これと共
に、上記ハウジング3a内に存在する潤滑油の一部が、
上記一方のポンプ室63に吸入路35(図1参照)を通
じて吸い込まれる。そして、この一方のポンプ室63に
吸い込まれた潤滑油は、上記各歯車60、61の噛み合
い基づいて他方のポンプ室63に送り込まれ、この他方
のポンプ室63から上記中心ローラ27の外周面に吐出
すると共に、第二の吐出路41を通じて、外径側当接部
22(図1参照)に吹き出す。その他の構成及び作用
は、前述した第1例の場合と同様である。
【0046】
【発明の効果】本発明は、以上に述べた通り構成し作用
する為、内径側、外径側各当接部に確実に潤滑油を送り
込む事ができ、優れた耐久性を有する摩擦ローラ式変速
機を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す断面図。
【図2】図1のA−A断面図。
【図3】図1のB−B断面に相当する図。
【図4】本発明の実施の形態の第2例を示す、図3と同
様の図。
【図5】従来構造の1例を示す断面図。
【図6】一部を省略して示す、図5のC−C断面図。
【符号の説明】
1 電動モータ 2 回転軸 3、3a ハウジング 4、4a 本体 5、5a 蓋体 6、6a 通孔 7 軸受 8、8a 支持軸 9 連結環 10 ウェッジローラ 11a、11b ガイドローラ 12 突部 13、13a 外輪 14 円筒部 15 円板部 16、16a 出力軸 17 第二の通孔 18 軸受 19 ピニオン 20 環状空間 21 内径側当接部 22 外径側当接部 23 軸受 24 第一の円筒面 25 第二の円筒面 26 第三の円筒面 27 中心ローラ 28 入力軸 29 トロコイドポンプ 30 雄スプライン部 31 雌スプライン部 32 インナローラ 33 アウタローラ 34 ポンプ室 35 吸入路 36 油溜 37、37a 支持孔 38、38a 支持環 39 ボルト 40 シール部材 41 第二の吐出路 42 連結板 43 嵌合孔 44 支持孔 45 連結ボルト 46 スラストニードル軸受 47 連結板 48 支持筒部 49a、49b 玉軸受 50 シールリング 51 突片 52 切り欠き 53 係止溝 54 止め輪 55 シリンダ孔 56 圧縮コイルばね 57 鍔部 58 押圧ピン 59 内接歯車ポンプ 60 内歯車 61 外歯車 62 仕切り板 63 ポンプ室

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 その外周面を第一の円筒面とし、ハウジ
    ング内で回転する中心ローラと、その内周面を第二の円
    筒面としてこの中心ローラの周囲で上記ハウジングの内
    部に、これら中心ローラ及びハウジングに対する相対回
    転を自在に設けられた外輪と、この外輪と同心で一端部
    をこの外輪に結合した回転軸と、上記第一の円筒面と上
    記第二の円筒面との間の環状空間内に、上記中心ローラ
    と平行に配置された複数本の支持軸と、これら各支持軸
    により回転自在に支持され、それぞれの外周面を第三の
    円筒面とした複数個の中間ローラとを備え、上記中心ロ
    ーラの中心と上記回転軸及び外輪の中心とを偏心させる
    事により、上記環状空間の幅寸法を円周方向に亙って不
    同にし、上記複数個の中間ローラのうちの少なくとも1
    個の中間ローラを、少なくとも上記環状空間の円周方向
    に関する変位自在に支持してウェッジローラとすると共
    に、残りの中間ローラをガイドローラとし、上記中心ロ
    ーラ及び外輪が所定方向に上記中心ローラと上記回転軸
    との間の変速比に見合う速度比で回転する場合に、上記
    ウェッジローラとなる中間ローラを、上記環状空間の幅
    の狭い部分に向け移動させる摩擦ローラ式変速機に於い
    て、上記中心ローラと共に回転する部分の外周面で上記
    第一の円筒面から外れた部分と、上記ハウジングの一部
    でこの第一の円筒面から外れた部分に対向する部分との
    間に設けられ、上記中心ローラの回転に基づいて上記ハ
    ウジング内に存在する潤滑油の一部を吸引して吐出する
    ポンプ構造部と、このポンプ構造部に上記ハウジング内
    に存在する潤滑油を導く吸入路と、このポンプ構造部か
    ら吐出される潤滑油を、潤滑を必要とする部分に送り出
    す吐出路とを有する事を特徴とする摩擦ローラ式変速
    機。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007125930A (ja) * 2005-11-01 2007-05-24 Advics:Kk 回転式ポンプを用いた車両用ブレーキ装置
US8124120B2 (en) 2003-12-22 2012-02-28 Anika Therapeutics, Inc. Crosslinked hyaluronic acid compositions for tissue augmentation

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JP4682807B2 (ja) * 2005-11-01 2011-05-11 株式会社アドヴィックス 回転式ポンプを用いた車両用ブレーキ装置

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