JP2002039001A - 電子スロットル制御装置及びその入力処理装置 - Google Patents

電子スロットル制御装置及びその入力処理装置

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JP2002039001A
JP2002039001A JP2000223664A JP2000223664A JP2002039001A JP 2002039001 A JP2002039001 A JP 2002039001A JP 2000223664 A JP2000223664 A JP 2000223664A JP 2000223664 A JP2000223664 A JP 2000223664A JP 2002039001 A JP2002039001 A JP 2002039001A
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Katsumi Ishida
克己 石田
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Aisan Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】増幅器等を付加することなく普通程度のA/D
変換器を用いるだけで、電子スロットル制御に使用され
る実開度を高分解能な値に処理すること。 【解決手段】電子スロットル制御装置の電子制御装置
(ECU)に入力される実開度VTAは、A/D変換器
により変換されて変換値VTAADとして設定される
(100)。次に、今回の変換値VTAADと前回の変
換値VTAADOを足し合わせて平均化処理することに
より平均実開度TAの値を得る(110)。その後、今
回の変換値VTAADを前回の変換値VTAADOに置
き換えて次回処理に備える。ECUは、このように得ら
れた平均実開度TAの値と、アクセルセンサで設定され
る目標開度TARの値とに基づき電子スロットルをフィ
ードバック制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、スロットルバル
ブをモータにより開閉制御する電子スロットル制御装置
に係り、詳しくは、電子スロットル制御装置に入力され
る実開度を前処理する入力処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車用エンジン等に使用さ
れる電子スロットル制御装置が知られている。電子スロ
ットルは、エンジンの吸気通路に設けられるリンクレス
タイプのスロットルバルブをモータにより開閉させるも
のである。電子スロットル制御装置は、電子スロットル
を制御するコントローラを備える。コントローラは、例
えば、運転者によるアクセルペダルの操作量に基づいて
電子スロットルの目標開度を設定する。コントローラ
は、その設定された目標開度と、実際に検出されるスロ
ットルバルブの実開度との偏差に基づきモータをフィー
ドバック制御することにより、実開度が目標開度となる
ように電子スロットルを制御する。
【0003】特開平6−280655号公報には、この
種の電子スロットル制御装置の一例が「エンジンの吸気
量制御装置」として開示されている。この従来装置は、
分解能としては普通程度のA/D変換器を用いて高分解
能による制御精度を実現しようとするものである。この
従来装置は、図7に示すように、スロットルセンサ31
及びアクセルセンサ32からの出力値に基づいて電子ス
ロットルを制御するための制御部33を備える。この制
御部33は、スロットルセンサ31からの出力値を増幅
する増幅器34と、スロットルセンサ31、アクセルセ
ンサ32及び増幅器34からの出力値をA/D変換する
A/D変換器35と、A/D変換器35からの出力値に
基づいて電子スロットル(図示略)を制御するマイクロ
コンピュータ36とを備える。そして、制御部33は、
スロットルセンサ31からの出力値を増幅器34により
増幅してA/D変換器35へ入力させることにより、低
開度域におけるスロットル開度の検出精度を向上させ、
電子スロットルの低開度域における制御精度を高分解能
をもって実現するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前従来装置
では、A/D変換器35の他に増幅器34を設けている
ので、その分だけ回路配線が複雑になり、装置の製造コ
ストが高騰するという問題があった。又、従来装置で
は、電子スロットルの低開度域だけしか制御精度の高分
解能を実現することができなかった。
【0005】この発明は上記事情に鑑みてなされたもの
であって、その目的は、増幅器等の構成を何ら付け加え
ることなく、分解能としては普通程度のA/D変換器を
用いるだけで、電子スロットル制御に使用される実開度
を高分解能な値に処理することを可能にした電子スロッ
トル制御装置及びその入力処理装置を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明は、目標開度設定手段により
設定される目標開度と、実開度検出手段により検出され
る実開度とを入力して、それら目標開度と実開度との偏
差に基づいて電子スロットルをフィードバック制御する
ようにした電子スロットル制御装置のための入力処理装
置であって、検出される実開度を所定の変換周期により
決定される変換タイミング毎にA/D変換するための変
換手段と、A/D変換されて所定のしきい値付近で変化
する複数の変換値を平均化処理するための平均化処理手
段とを備え、電子スロットル制御装置に入力される実開
度を前処理することを趣旨とする。
【0007】上記発明の構成によれば、電子スロットル
制御装置は、目標開度設定手段により設定される目標開
度と実開度検出手段により検出される実開度との偏差に
基づいて電子スロットルをフィードバック制御する。こ
こで、入力処理装置では、電子スロットル制御装置に入
力される実開度が前処理される。即ち、実開度検出手段
により検出される実開度が所定の変換周期により決定さ
れる変換タイミング毎に変換手段によりA/D変換され
る。そして、A/D変換されて所定のしきい値付近で変
化する複数の変換値が平均化処理手段により平均化処理
される。従って、実開度に係る複数の変換値が平均化処
理されることにより、実開度に係る変換値に中間値が得
られるようになる。
【0008】上記目的を達成するために、請求項2に記
載の発明は、請求項1に記載の発明において、変換手段
は、前記変換タイミングに加え、所定の変換周期とは異
なる別の変換周期により決定される別の変換タイミング
毎に前記検出される実開度をA/D変換するものである
ことを趣旨とする。
【0009】上記発明の構成によれば、請求項1に記載
の発明の作用に加え、所定の変換タイミングに加え、別
の変換タイミング毎に実開度がA/D変換され、それら
の変換値が平均化処理手段により平均化処理される。従
って、平均化処理される変換値のタイミング差を極力小
さくでき、平均化処理にる応答遅れの問題のない中間値
を得ることができる。
【0010】上記目的を達成するために、請求項3に記
載の発明は、スロットルバルブをモータにより開閉させ
る電子スロットルと、その電子スロットルの目標開度を
設定するための目標開度設定手段と、電子スロットルの
実開度を検出するための実開度検出手段と、検出される
実開度を所定の変換周期により決定される変換タイミン
グ毎にA/D変換するための変換手段と、A/D変換さ
れて所定のしきい値付近で変化する複数の変換値を平均
化処理するための平均化処理手段と、設定される目標開
度と平均化処理される変換値との偏差に基づいて電子ス
ロットルをフィードバック制御することにより実開度を
目標開度に近付けるための制御手段とを備えたことを趣
旨とする。
【0011】上記発明の構成によれば、電子スロットル
制御装置では、実開度検出手段により検出される実開度
が所定の変換周期により決定される変換タイミング毎に
変換手段によりA/D変換される。更に、それらA/D
変換されて所定のしきい値付近で変化する複数の変換値
が平均化処理手段により平均化処理される。そして、電
子スロットル制御装置では、目標開度設定手段により設
定される目標開度と平均化処理される変換値との偏差に
基づいて電子スロットルが制御手段によりフィードバッ
ク制御されることにより、実開度が目標開度に近付けら
れる。従って、実開度に係る複数の変換値が平均化処理
されることにより、電子スロットルのフィードバック制
御に使用される実開度に係る変換値に中間値が得られ
る。
【0012】上記目的を達成するために、請求項4に記
載の発明は、請求項3に記載の発明において、変換手段
は、変換タイミングに加え、所定の変換周期とは異なる
別の変換周期により決定される別の変換タイミング毎に
前記検出される実開度をA/D変換するものであること
を趣旨とする。
【0013】上記発明の構成によれば、請求項3に記載
の発明の作用に加え、上記所定の変換タイミングに加
え、別の変換タイミング毎に実開度がA/D変換され、
それらの変換値が平均化処理手段により平均化処理され
る。従って、平均化処理される変換値のタイミング差を
極力小さくでき、平均化処理による応答遅れの問題の少
ない中間値を得ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】[第1の実施の形態]以下、本発
明の電子スロットル制御装置及びその入力処理装置を具
体化した第1の実施の形態を図面を参照して詳細に説明
する。
【0015】図1に電子スロット制御装置の概略構成を
示す。電子スロットル制御装置は、電子スロットル1
と、電子スロットル1を制御するための電子制御装置
(ECU)2とを備える。電子スロットル1は、自動車
用エンジン(図示略)の出力を調節するためのものであ
り、エンジンの吸気通路3に設けられたスロットルバル
ブ4をモータ5により開閉させると共に、そのスロット
ルバルブ4の実際の開度(実開度)VTAをスロットル
センサ6により検出するようにしたものである。スロッ
トルバルブ4は、アクセルペダル7の操作には機械的に
連動することのないリンクレスタイプのものである。即
ち、スロットルバルブ4は、アクセルセンサ8で検出さ
れるアクセルペダル7の操作量に基づいてECU2が制
御するモータ5の駆動力を受けて開閉されるようになっ
ている。
【0016】スロットルバルブ4は、吸気通路3を貫通
するスロットル軸9により回動可能に支持される。スロ
ットル軸9の一端にはモータ5が連結され、その他端に
はスロットルセンサ6が連結される。モータ5として、
トルクモータやDCモータを使用することができる。
【0017】スロットルセンサ6は、本発明の実開度検
出手段に相当するものであり、例えば、ポテンショメー
タより構成される。アクセルセンサ8は、運転者による
アクセルペダル7の操作量を電子スロットル1(スロッ
トルバルブ4)の目標開度TARとして検出するための
ものであり、本発明の目標開度設定手段に相当する。こ
のセンサ8は、例えば、ポテンショメータより構成され
る。
【0018】図1に示すように、ECU2はコンピュー
タ11、A/D変換器12及び駆動回路13を含む。コ
ンピュータ11は、電子スロットル1の制御を統括する
ものであり、本発明の平均化処理手段及び制御手段を構
成する。コンピュータ11は、周知のように中央処理装
置(CPU)、読み出し書き換えメモリ(RAM)及び
読み出し専用メモリ(ROM)等を備える。ROMに
は、電子スロットル2に関する制御プログラムが記憶さ
れる。A/D変換器12は、スロットルセンサ6から出
力される実開度VTAに係るアナログ信号をデジタル信
号に変換してコンピュータ11へ出力するものであり、
本発明の変換手段に相当する。駆動回路13は、コンピ
ュータ11から出力される駆動デューティ比DUTYの
信号を受けてモータ5へ制御信号を出力するものであ
る。
【0019】図1に示すように、スロットルセンサ6か
ら出力される実開度VTAに係るアナログ信号は、A/
D変換器12によりデジタル信号に変換され、その変換
値がコンピュータ11に入力される。ここで、A/D変
換器12は、検出される実開度VTAに係るアナログ信
号を所定の変換周期により決定される変換タイミング毎
にA/D変換するようになっている。アクセルセンサ8
から出力される目標開度TARに係るアナログ信号は、
コンピュータ11に直接入力される。
【0020】コンピュータ11は、入力される目標開度
TAR及び実開度VTAに係る信号をPID制御の手法
により処理することにより、モータ5を制御する。即
ち、コンピュータ11は、アクセルセンサ8から出力さ
れる目標開度TARに係る値を入力すると共に、スロッ
トルセンサ6から出力される実開度VTAに係る値をA
/D変換器12を介して入力する。ここで、A/D変換
器12では、所定の変換周期により決定される変換タイ
ミング毎に実開度VTAに係るアナログ信号がデジタル
信号に変換される。そして、コンピュータ11は、上記
目標開度TARの値と、実開度VTAに係る複数の変換
値に基づいて駆動デューティ比DUTYの値を算出す
る。コンピュータ11は、その駆動デューティ比DUT
Yの値に応じた制御信号を駆動回路13を介してモータ
5へ出力することにより、モータ5をフィードバック制
御する。これにより、ECU2は、スロットルバルブ4
の実開度VTAを目標開度TARに近付けるのである。
A/D変換器12とコンピュータ11は、スロットルセ
ンサ6より入力される実開度VTAに係る信号を処理す
ることから、ECU2の入力処理装置に相当する。
【0021】駆動回路13は、具体的には、コンピュー
タ11で算出される駆動デューティ比DUTYの値に基
づいてモータ5に対する印加電圧をスイッチングし、モ
ータ5のコイル電流を変化させるようにしたPWM方式
の駆動回路である。
【0022】次に、コンピュータ11が実行する各種プ
ログラムの内容について説明する。図2には、A/D変
換された実開度VTAに係る変換値を処理するため入力
処理プログラムをフローチャートに示す。コンピュータ
11は、このルーチンを所定時間毎に周期的に実行す
る。
【0023】処理がこのルーチンへ移行すると、ステッ
プ100で、コンピュータ11は、実開度VTAのA/
D変換値を変換値VTAADとして設定する。この変換
値VTAADは、所定のしきい値付近で変化するもので
ある。A/D変換器12によるA/D変換は、普通(通
常)の所定の変換周期により決定される変換タイミング
毎に行われるものである。
【0024】次に、ステップ110で、コンピュータ1
1は、二つの変換値VTAADを平均化処理するため
に、今回の変換値VTAADに前回の変換値VTAAD
Oを足し合わせて平均実開度値TAを得る。ここでは、
連続する二つの変換値VTAAD,VTAADOを足し
合わせて平均化することにより、中間値的な平均実開度
値TAが得られる。この際、デジタル演算上は、二つの
変換値VTAAD,VTAADOを足し合わせるだけで
あり、2で割り算することはしない。割り算しないこと
で、データの最小単位が2分の1に高精度化される。
【0025】次に、ステップ120で、コンピュータ1
1は、今回の変換値VTAADを前回の変換値VTAA
DOに置き換えて次回の処理に備える。
【0026】上記入力処理で得られる平均実開度TAの
値は、電子スロットル1の制御に反映される。図3に、
電子スロットル1の制御プログラムの内容をフローチャ
ートを示す。コンピュータ11は、このルーチンを所定
時間毎に周期的に実行する。
【0027】処理がこのルーチンへ移行すると、ステッ
プ200で、コンピュータ11はアクセルセンサ8から
の目標開度TARに係る値から上記入力処理により得ら
れた平均実開度TAの値を減算することにより、開度偏
差ERRの値を算出する。
【0028】ステップ210で、コンピュータ11は、
開度偏差ERRの値に基づいてフィードバック補正項の
一つである比例項VPの値を算出する。コンピュータ1
1は、次式(1)により比例項VPの値を算出する。 VP=KP*ERR …(1) ここで、「KP]はフィードバック制御ゲインの一つで
ある比例定数である。
【0029】ステップ220で、コンピュータ11は、
開度偏差ERRの値に基づいてフィードバック補正項の
一つである積分項VIの値を算出する。コンピュータ1
1は、次式(2)により積分項VIの値を算出する。 VI=Σ(KI*ERR) …(2) ここで、「KI]はフィードバック制御ゲインの一つで
ある積分定数である。
【0030】ステップ230で、コンピュータ11は、
開度偏差ERRの値に基づいてフィードバック補正項の
一つである微分項VDの値を算出する。コンピュータ1
1は、次式(3)により微分項VDの値を算出する。 VD=KD*d(ERR)/dt …(3) ここで、「KD]はフィードバック制御ゲインの一つで
ある微分定数である。
【0031】ステップ240で、コンピュータ11は、
上記算出された各項VP,VI,VDに基づいてPID
制御量VPIDの値を算出する。コンピュータ11は、
次式(4)によりPID制御量VPIDの値を算出す
る。 VPID=VP+VI+VD …(4)
【0032】そして、ステップ250で、コンピュータ
11は、モータ5をフィードバック制御するための駆動
デューティ比DUTYの値を、上記算出されたPID制
御量VPIDの値に基づいて駆動回路13へ出力し、そ
の後の処理を一旦終了する。
【0033】以上説明したように本実施の形態の電子ス
ロットル制御装置及びその入力処理装置によれば、運転
者によりアクセルセンサ8で設定される目標開度TAR
に係る値と、スロットルセンサ6により検出される実開
度VTAに係る値とに基づいてECU2が電子スロット
ル1をフィードバック制御することにより、スロットル
バルブ4が開閉制御される。
【0034】ここで、入力処理装置を構成するA/D変
換器12及びコンピュータ11では、ECU2に入力さ
れる実開度VTAの値が前処理される。即ち、スロット
ルセンサ6で検出される実開度VTAに係るアナログ信
号が所定の変換周期により決定される変換タイミング毎
にA/D変換器12によりA/D変換される。そして、
A/D変換されて所定のしきい値付近で変化する前回と
今回の変換値VTAAD,VTAADOがコンピュータ
11により平均化処理されることにより、平均実開度T
Aの値が得られる。つまり、A/D変換器12により変
換される変換値VTAADが、変化するしきい値付近で
その変換値VTAADに現れるチャタリング現象を利用
して平均化処理されることにより、変換値VTAADの
中間値である平均実開度TAの値が得られるのである。
【0035】従って、各変換タイミングで得られる実開
度VTAに係る前回と今回の変換値VTAAD,VTA
ADOが平均化処理されることにより、実開度VTAに
係る変換値VTAADに中間値としての平均実開度TA
が得られる。このため、従来技術の装置とは異なり、増
幅器34等の構成を何ら付け加えることなく、分解能と
しては普通程度のA/D変換器12を用いるだけで、電
子スロットル制御に使用される実開度VTAを高分解能
の値に処理することができる。この結果、電子スロット
ル1について高精度な制御を実現することができる。
【0036】この実施の形態では、従来技術の装置とは
異なり、実開度VTAの入力処理を電子スロットル1の
低開度域だけには限定しておらず、電子スロットル1の
全開度範域について実開度VTAの入力処理を行うこと
ができる。このため、全開度域について電子スロットル
1の制御精度を高めることができる。
【0037】ここで、図4(a)に、対比例として、平
均化処理しない実開度VTAに係るA/D変換値をタイ
ムチャートに示す。図4(b)に、本実施の形態の平均
化処理した実開度VTAに係るA/D変換値をタイムチ
ャートに示す。図4(a)に示すように、A/D変換値
において、例えば、「m」と「m+1」の値が得られる
センサ出力の中間値では、センサ信号に含まれる電気的
ノイズやA/D変換器の変動要因(グランド電圧、比較
電圧の微小な変動等)により、実開度VTAの値がA/
D変換される毎に「m」となったり、「m+1」となっ
たりする。即ち、チャタリングが生じる。
【0038】これに対して、図4(b)に示すように、
この実施の形態では、A/D変換値において、チャタリ
ングが現れる「m」と「m+1」の値の中間値では、A
/D変換値が平均化処理されることにより、チャタリン
グのない高精度化されたA/D変換値を得ることができ
る。
【0039】一般に、安価な制御用マイコンには、10
bitA/D変換器が内蔵されるものが多い。ここで、例
えば、スロットルバルブの機械角(開閉角)「125
°」を「0〜5V」の信号で検出するスロットルセンサ
の場合、「125°/210」となり、最小単位は、
「0.122°」となる。「0.122°」のスロット
ルバルブの開度変化がエンジンに与える影響として、例
えば、アイドル回転速度制御(ISC)では「約40r
pm」に相当することが分かっている。これは、近年の
燃費向上、排気規制強化に対応した制御の高度化、精密
化の要求に応えるには、不足する場合が考えられる。I
SC以外の制御においても、エンジンを効率良く運転す
るために、要求トルクに見合った燃料、空気量を精密に
制御する必要があり、制御精度向上の要求は高くなって
きている。
【0040】この実施の形態の電子スロットル制御装置
及びその入力処理装置によれば、前述したようにコンピ
ュータ11に入力される実開度VTAに係る値の分解能
は高くなるので、その分だけ電子スロットル制御装置の
制御精度を向上させることができ、上記した近年の諸要
求に応えることができるのである。しかも、その制御精
度向上を、増幅器等の付属回路を別途付加することなく
簡易で安価な構成により実現することができるのであ
る。
【0041】[第2の実施の形態]次に、本発明の電子
スロットル制御装置及びその入力処理装置を具体化した
第2の実施の形態を図面に従って説明する。
【0042】この実施の形態では、A/D変換された実
開度VTAに係る変換値を処理するための入力処理プロ
グラムの内容について、前記第1の実施の形態のそれと
構成が異なる。図5に、この実施の形態の入力処理プロ
グラムをフローチャートに示す。コンピュータ11は、
本ルーチンを所定時間毎に周期的に実行する。
【0043】処理がこのルーチンへ移行すると、ステッ
プ300で、コンピュータ11は、実開度VTAの1回
目のA/D変換値を変換値VTAAD1として設定す
る。この変換値VTAAD1は、所定のしきい値付近で
変化するものである。このA/D変換は、通常(従来)
の変換周期により決定される第1の変換タイミング毎に
行われるものである。
【0044】次に、ステップ310で、コンピュータ1
1は、実開度VTAの2回目のA/D変換値を変換値V
TAAD2として設定する。この変換値VTAAD2
は、所定のしきい値付近で変化するものである。このA
/D変換は、上記変換周期と位相が異なる別の変換周期
により決定される第2の変換タイミング毎に行われるも
のである。
【0045】次に、ステップ320で、コンピュータ1
1は、上記1回目と2回目の変換値VTAAD1,VT
AAD2を平均化処理するために、両値VTAAD1,
VTAAD2を足し合わせることにより平均実開度値T
Aを算出する。ここでは、連続する異なる二つの変換タ
イミングにおける変換値VTAAD1,VTAAD2を
足し合わせて平均化することにより、中間的な平均実開
度値TAを得るようにしている。この際、デジタル演算
上は、二つの変換値VTAAD1,VTAAD2を足し
合わせるだけで2で割り算することはしない。割り算し
ないことでデータの最小単位が2分の1に高精度化され
ることになる。
【0046】図6に、上記第1及び第2の変換タイミン
グをタイムチャートに示す。図中、「a」は1回目のA
/D変換に対応する第1の変換タイミングを示し、
「b」は2回目のA/D変換に対応する第2の変換タイ
ミングを示す。両変換タイミングa,bは、互いに位相
が異なる同じ変換周期T1により決定されるものであ
る。この変換周期の位相差が、図5のステップ320で
足し合わされる二つの変換値VTAAD1,VTAAD
2についての変換タイミングa,bの間隔T2となる。
ここでは、上記間隔T2を可能な限り短くすること、即
ち、第1の変換タイミングaと第2の変換タイミングb
を可能な限り互いに近付けることが望ましい。
【0047】従って、この実施の形態でも、上記入力処
理プログラムの実行により得られる平均実開度TAを参
照して、図3に示す制御プログラムを実行することによ
り、電子スロットル1の制御が行われる。これにより、
この実施の形態では、前記第1の実施の形態と同様の作
用及び効果が得られる。併せて、平均化処理される変換
値VTAADの数が増え、平均化処理により得られる中
間値としての平均実開度TAの値がより精密なものとな
る。このため、前記第1の実施の形態の場合に比べて、
A/D変換される実開度VTAの値を応答遅れなく処理
することができ、応答遅れのない平均実開度TAを得る
ことができる。
【0048】尚、この発明は前記各実施の形態に限定さ
れるものではなく、発明の趣旨を逸脱することのない範
囲で以下のように実施することもできる。
【0049】(1)前記第1の実施の形態では、実開度
VTAのA/D変換とその平均化処理を通常(従来)の
頻度で実施していたが、これらの処理を通常の倍の頻度
で実施してもよい。これにより、1回前の変換値VTA
ADOを用いる分の検出遅れを改善することができる。
【0050】(2)前記第2の実施の形態では、互いに
位相が異なる変換周期により決定される第二つの変換タ
イミングa,bにおける変換値VTAAD1,VTAA
D2を平均化処理するようにした。これに対し、通常
(従来)の変換タイミングで複数回A/D変換を実施し
て、図5に示す入力処理プログラムに従って高精度化処
理を実施してもよい。例えば、図6において、第1の変
換タイミングaではA/D変換を行わず、第2の変換タ
イミングbでA/D変換を連続して2回行い、それによ
り得られる二つの変換値を得て平均実開度を得るように
してもよい。これにより、応答遅れをほとんどないもの
にできる。
【0051】(3)前記各実施の形態では、二つの変換
値を平均化処理することにより平均実開度を得るように
したが、三つ以上の変換値を平均処理することにより平
均実開度を得るようにしてもよい。
【0052】(4)前記各実施の形態では、PID制御
系において、開度偏差ERRの値から算出される比例項
VP、積分項VI及び微分項VDの値に基づいてPID
制御量VPIDの値を得るようにした。これに対して、
開度偏差ERRの値から算出される比例項VP、積分項
VI及び微分項VDの値のうち、少なくとも積分項VI
の値を含む一つ又は二つのフィードバック補正項に基づ
いてPID制御量VPIDの値を算出するようにしても
よい。
【0053】
【発明の効果】請求項1に記載の発明の構成によれば、
増幅器等の構成を何ら付け加えることなく、分解能とし
ては普通程度のA/D変換器を用いるだけで、電子スロ
ットル制御に使用される実開度を高分解能な値に処理す
ることができる。
【0054】請求項2に記載の発明の構成によれば、請
求項1に記載の発明の効果に対して、電子スロットルの
制御に使用される実開度を応答性良く高い分解能の値に
処理することができる。
【0055】請求項3に記載の発明の構成によれば、増
幅器等の構成を何ら付け加えることなく、分解能として
は普通程度のA/D変換器を用いるだけで、電子スロッ
トル制御に使用される実開度を高分解能の値に処理する
ことができ、電子スロットルにつき高精度な制御を実現
することができる。
【0056】請求項4に記載の発明の構成によれば、請
求項3に記載の発明の効果に対して、電子スロットル制
御に使用される実開度を応答性良く高い分解能の値に処
理することができ、電子スロットルにつき応答性良く高
い精度の制御を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係り、電子スロットル制御
装置を示す概略構成図である。
【図2】同じく、入力処理プログラムを示すフローチャ
ートである。
【図3】同じく、制御プログラムを示すフローチャート
である。
【図4】同じく、(a)(b)はA/D変換値のタイム
チャートを示す。
【図5】第2の実施の形態に係り、入力処理プログラム
を示すフローチャートである。
【図6】同じく、変換タイミングを示すタイムチャート
である。
【図7】従来技術の制御部を示すブロック回路図であ
る。
【符号の説明】
1 電子スロットル 4 スロットルバルブ 5 モータ 6 スロットルセンサ(実開度検出手段) 8 アクセルセンサ(目標開度設定手段) 11 コンピュータ(平均化処理手段、制御手段) 12 A/D変換器(変換手段)
【手続補正書】
【提出日】平成12年8月4日(2000.8.4)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正内容】
【0047】従って、この実施の形態でも、上記入力処
理プログラムの実行により得られる平均実開度TAを参
照して、図3に示す制御プログラムを実行することによ
り、電子スロットル1の制御が行われる。これにより、
この実施の形態では、前記第1の実施の形態と同様の作
用及び効果が得られる。併せて、前記第1の実施の形態
の場合に比べて、A/D変換される実開度VTAの値を
応答遅れなく処理することができ、応答遅れのない平均
実開度TAを得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3G065 CA00 DA05 DA06 DA15 FA12 GA41 GA46 HA21 HA22 JA04 JA09 JA11 KA02 KA12 3G084 BA05 DA04 EA02 EB12 EB25 FA10 3G301 JA20 LA03 NA01 ND02 PA11A PA11Z

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 目標開度設定手段により設定される目標
    開度と、実開度検出手段により検出される実開度とを入
    力して、それら目標開度と実開度との偏差に基づいて電
    子スロットルをフィードバック制御するようにした電子
    スロットル制御装置のための入力処理装置であって、 前記検出される実開度を所定の変換周期により決定され
    る変換タイミング毎にA/D変換するための変換手段
    と、 前記A/D変換されて所定のしきい値付近で変化する複
    数の変換値を平均化処理するための平均化処理手段とを
    備え、前記電子スロットル制御装置に入力される実開度
    を前処理することを特徴とする電子スロットル制御装置
    の入力処理装置。
  2. 【請求項2】 前記変換手段は、前記変換タイミングに
    加え、前記所定の変換周期とは異なる別の変換周期によ
    り決定される別の変換タイミング毎に前記検出される実
    開度をA/D変換するものであることを特徴とする請求
    項1に記載の電子スロットル制御装置の入力処理装置。
  3. 【請求項3】 スロットルバルブをモータにより開閉さ
    せる電子スロットルと、 前記電子スロットルの目標開度を設定するための目標開
    度設定手段と、 前記電子スロットルの実開度を検出するための実開度検
    出手段と、 前記検出される実開度を所定の変換周期により決定され
    る変換タイミング毎にA/D変換するための変換手段
    と、 前記A/D変換されて所定のしきい値付近で変化する複
    数の変換値を平均化処理するための平均化処理手段と、 前記設定される目標開度と前記平均化処理される変換値
    との偏差に基づいて前記電子スロットルをフィードバッ
    ク制御することにより前記実開度を前記目標開度に近付
    けるための制御手段とを備えたことを特徴とする電子ス
    ロットル制御装置。
  4. 【請求項4】 前記変換手段は、前記変換タイミングに
    加え、前記所定の変換周期とは異なる別の変換周期によ
    り決定される別の変換タイミング毎に前記検出される実
    開度をA/D変換するものであることを特徴とする請求
    項3に記載の電子スロットル制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20050089173A (ko) * 2004-03-04 2005-09-08 부산대학교 산학협력단 평균화 기법을 이용한 자동차 스로틀 밸브의 정밀 제어
WO2016208334A1 (ja) * 2015-06-24 2016-12-29 日立オートモティブシステムズ株式会社 燃料噴射制御装置

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