JP2002038379A - 無機質繊維構造体の製造方法 - Google Patents
無機質繊維構造体の製造方法Info
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Abstract
体の工業的に有利な製造方法を提供する。 【構成】 無機質繊維マットに有機バインダー液を含浸
させ、次いで、該無機質繊維マットを2枚のメッシュ又
は多孔板の間に挟んで、厚み方向に圧縮し、圧縮された
無機質繊維マットの厚みを維持したまま、有機バインダ
ー液の媒体液を除去することを特徴とする無機質繊維成
形体の製造方法。
Description
造方法に関する。さらに詳しくは高温用シール材、目地
材、および各種の高温用保持材等として有用な無機質繊
維成形体の工業的有利な製造方法に関するものである。
物や金属等からなるものが知られている。これらの無機
質繊維、特に無機酸化物は耐熱性、耐火性等の高温特性
に優れ、マット状またはブランケット状、さらにはこれ
らを積層してブロック状に成形されたもの等の各種成形
体は、柔軟性に富み保温性、断熱性に優れていることか
ら、高温領域での保温材、断熱材等として使用されてい
る。また、この種の無機質繊維は、上記成形体のほかバ
ルク状のものが、加熱炉の炉壁等に施工された保温・断
熱壁におけるシール材や目地材等としても使用されてい
る。
は、ロックウール、グラスウール、溶融紡糸法により製
造されるセラミックファイバー、および溶液紡糸法によ
り得られる未焼成繊維を焼成して製造されるアルミナ繊
維が知られている。これら無機質繊維よりなる各種成形
体を保温材、断熱材等として使用した場合、程度の差は
あっても、経時的に進行する軟化収縮などの熱劣化によ
り、施工された成形体間に隙間が発生する。例えば、ロ
ックウール、グラスウール、溶融紡糸法により製造され
るセラミックファイバー等の成形体においては、軟化や
結晶化に起因する熱劣化が起こり易いため、隙間の発生
が大きく、また溶液紡糸法によって製造されるアルミナ
繊維の成形体においても、長期に亘る使用の間には多少
の隙間の発生は避けられないという問題がある。
熱材は、使用条件に合せて材質、種類等を選択し、か
つ、弾性復元力を保つ範囲で成形体を強く圧縮しつつ施
工し、その厚み復元力で熱劣化に伴う隙間の発生を抑制
する方法、無機質繊維を無機バインダーで固めボード状
に成形したものを使用する等の工夫がなされているが、
いずれも上記の問題を本質的に解決するには至っていな
い。
高温に曝され加熱炉等のケーシング等を傷めるため、隙
間にマット状、ブランケット状、またはバルク状の無機
質繊維を装填して補修する等の対策が採られている。し
かしながら、このような形状の無機質繊維を隙間に装填
するのは、その作業が煩雑なうえ良好な状態に仕上げる
ことが難しく、また、無理に押込むと既存の断熱材層を
傷めるばかりでなく、装填する繊維が本来有する断熱特
性等の諸性質を損なうという問題があつた。
上記課題を解決しようとするものであり、狭隘な隙間に
も簡単に装填でき、高温用シール材、目地材、および各
種の高温用保持材等として有用な無機質繊維成形体の工
業的に有利な製造方法を提供することを目的とするもの
である。本発明者らは、上記目的に合う無機質繊維成形
体につき鋭意検討を重ねた結果、常態では予め厚み方向
の復元力を抑えて薄く保たれており、使用条件では厚み
方向の復元力を発揮できる成形体により容易に目的が達
成できることを知り、本発明を完成したものである。
決するため、請求項1記載の無機質繊維成形体の製造方
法では、無機質繊維マットに有機バインダー液を含浸さ
せ、次いで、該無機質繊維マットを2枚のメッシュ又は
多孔板の間に挟んで、厚み方向に圧縮し、圧縮された無
機質繊維マットの厚みを維持したまま、有機バインダー
液の媒体液を除去することを特徴とする無機質繊維成形
体の製造にするという手段を講じている。
ず、本発明に係る無機質繊維成形体について説明する。
本発明の無機質繊維成形体は、基材として無機質繊維マ
ットを使用している。ここで「マット」とは、厚みがほ
ぼ均一な無機質繊維の不織布状の集積体を云い、ブラン
ケットまたはブロックと呼ばれているものも包含する。
したときに厚み方向に弾性を有するものであれば特に限
定はなく、従来より一般的に使用されているものを使用
できる。その具体例としては、ロックウール、グラスウ
ール、セラミックファイバー、アルミナ繊維、炭素繊
維、炭化ケイ素繊維のほか、各種のホイスカー等が挙げ
られ、繊維の集合形態にもよるが一般的には繊維径1〜
50μmで繊維長0.5〜500mmのものを使用でき
るが、繊維径1〜10μmで繊維長0.5〜300mm
のものが好適である。セラミックファイバーの代表例
は、アルミナの含有量が40〜60重量%で残余がシリ
カであるアルミナ−シリカ系の非晶質短繊維が挙げら
れ、この種のセラミックファイバーには、第3成分とし
て少量のジルコニア、クロミアを含有するものもある。
リカ含有量が5重量%以下、すなわちアルミナ含有量が
95重量%以上であるアルミナ繊維のほか、シリカ含有
量が5〜30重量%で残余がアルミナであるアルミナ−
シリカ系の多結晶質短繊維が挙げられる。特にシリカ含
有量が約28重量%でアルミナ含有量が約72重量%の
ムライト繊維は、高温熱安定性に優れていることから最
も多用されているアルミナ繊維の1種である。マットを
構成する無機質繊維は、これら1種の単独使用でもよい
し、2種以上の混合使用であってもよい。さらにマット
は、1種の無機質繊維の単独使用による同種または異種
のマットを複数枚積層した積層マットであってもよい。
好ましい。多結晶質のアルミナ繊維は、非晶質のセラミ
ックファイバー(最高使用温度は約1200℃)よりも
耐熱性に優れており、1500〜1600℃での使用に
耐えるうえ、マット状にした成形体が弾力性は富み、か
つ、セラミックファイバーで見られる軟化収縮などの熱
劣化も極めて少ないため、経時劣化の少ない無機質繊維
成形体が得られ好適である。
繊維からなるマットをその厚み方向に圧縮したものを基
材とし、この基材中に有機バインダーが均一に含有され
てなり、かつ有機バインダーを分解した際の厚み復元率
が1.05倍以上、通常は厚み復元率が1.05〜10
倍、好ましくは1.5〜5倍の成形体である。
縮力が全くかかっていない状態における厚み(以下、
「常態厚み」と云う。)対し、1/1.05以下となる
ように圧縮されていることが必要である。常態厚みに対
しどの程度の厚みに圧縮されたものとするかは、基材マ
ットの絶対厚み、圧縮に対する反発力、目的とする無機
質繊維成形体の厚み復元性、用途等によって決定される
が、本発明の無機質繊維成形体の後記「厚み復元率」と
の関係から、通常は1/10〜1/1.05の範囲に圧
縮されているものであるのが好ましい。
記基材中に有機バインダーが均一に含有されてなり、こ
の有機バインダーによってその厚みの復元が抑えられて
いる。上記有機バインダーは、圧縮されている基材マッ
トの厚みを常温下において維持でき、加熱により分解さ
れて厚みを復元させるものであれば特に制限なく使用で
きるが、目的とする無機質繊維成形体の使用温度におい
て容易に分解され、焼失されてしまうものが好ましい。
しかしながら、この有機バインダーは、無機質繊維成形
体の使用温度条件においてバインダーとしての性質を失
い、その厚みを復元させるものであれば、焼失されてし
まうものでなくても同等に使用できる。本発明の無機質
繊維成形体は通常600℃以上、高温域では800〜1
500℃の温度条件で使用されることから、有機バイン
ダーとしては、600℃以下程度の使用温度条件におい
て短時間で分解されてバインダーとしての性質を失うも
のが好ましく、焼失してしまうものが特に好ましい。
溶性高分子化合物、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などを
使用できる。そして、ゴム類としては、天然ゴム;エチ
ルアクリレートとクロロエチルビニルエーテルの共重合
体、n−ブチルアクリレートとアクリロニトリルの共重
合体、エチルアクリレートとアクリロニトリルの共重合
体等のアクリルゴム;ブタジエンとアクリロニトリルの
共重合体等のニトリルゴム;ブタジエンゴム等が挙げら
れ、水溶性高分子化合物としてはカルボキシメチルセル
ロース、ポリビニルアルコール等が挙げられ、熱可塑性
樹脂としては、アクリル酸、アクリル酸エステル、アク
リルアミド、アクリロニトリル、メタクリル酸、メタク
リル酸エステル等の単独重合体および共重合体であるア
クリル樹脂;アクリロニトリル・スチレン共重合体;ア
クリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体等が挙
げられ、また、熱硬化性樹脂としては、ビスフェノール
タイプエポキシ樹脂、ノボラックタイプエポキシ樹脂等
が挙げられる。
溶液、水分散型のエマルション、ラテックス、または有
機溶媒溶液(これらを総称して、「有機バインダー液」
という。)が市販されており、これらの有機バインダー
液は、そのまままたは水等で希釈して用いることがで
き、基材マット中に有機バインダーを含有させるのに好
適に使用することができる。なお、前記基材マット中に
含有されている有機バインダーは、必ずしも1種である
必要はなく、2種以上の混合物であっても何等差し支え
ない。
ニトリルゴム等の合成ゴム;カルボキシメチルセルロー
ス、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子化合物;ま
たはアクリル樹脂が好ましく、中でもアクリルゴム、ニ
トリルゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリビニル
アルコール、アクリルゴムに含まれないアクリル樹脂が
特に好ましい。これらのバインダーは、有機バインダー
液の調製または入手が容易であり、また基材マット中へ
の含浸操作も簡単であり、比較的低含有量としても十分
な厚み拘束力を発揮し、得られる成形体が柔軟で強度に
優れ、使用温度条件下で容易に分解または焼失されるこ
とから好適に使用することができる。
は、特に限定されるものではなく基材マットを構成する
繊維の種類、基材マットの絶対厚み、圧縮に対する反発
力、目的とする無機質繊維成形体の用途等によって適宜
決定できるが、通常は無機質繊維100重量部に対し有
機バインダー3〜30重量部(固形分重量)、好ましく
は5〜20重量部とするのがよい。有機バインダーの上
記割合が3重量部未満であると、圧縮されている基材マ
ットの厚みを維持できない恐れがあり、また厚みを維持
するには30重量部を超えて含有させる必要はなく含有
量が多すぎるとコスト高となる上その分解の容易さを損
なうお恐れがあるからである。このような観点から、有
機バインダーの上記割合は5〜20重量部の範囲とする
のが好ましい。
ダーを分解した後の厚み復元率が1.05倍以上、通常
は厚み復元率が1.05〜10倍のものである。ここ
で、無機質繊維成形体の「厚み復元率」は、有機バイン
ダーを分解する前後の成形体厚みを各々d0 mmおよび
d mmとしたとき、下記の(I)式、
インダーが熱分解を受けて実質的に焼失されることを意
味する。従って、有機バインダーが「分解」されると、
無機質繊維成形体は有機バインダーによる厚み拘束力が
なくなるので、基材マットの弾性力に基づき所定量だけ
厚み復元が可能となる。
として常態厚み対し1/1.05以下の厚みに圧縮され
たものを用い、その厚みが有機バインダーにより厚み方
向の復元力を抑えて薄く保たれているので、狭隘な隙間
にも容易に装填可能であり、かつ使用条件下では有機バ
インダーが分解されて厚み方向の復元力を発揮するの
で、その厚み復元力により隙間に押し付けられた状態で
安定的に保持され、仕上がりよく固定され、その後の隙
間の拡大に対しても、さらなる厚み復元によって追随で
きるという極めて優れた特徴を有する。
造方法について説明する。第1工程は、有機バインダー
液を含浸させた無機質繊維マットを得る工程である。こ
の工程で用いる有機バインダー液は、前に例示したよう
な有機バインダーを有効成分とする各種のものを使用す
るが、目的とする無機質繊維成形体の使用温度において
容易に分解するものであることが重要である。有機バイ
ンダー液の有効成分濃度は、無機質繊維マットへの含浸
方法、含有量等により適宜に決定することができるが、
通常2〜50重量%とされる。
ム、ニトリルゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリ
ビニルアルコール、アクリル樹脂を有効成分とする水溶
液、水分散型のエマルション、ラテックス、または有機
溶媒溶液が好ましい。有機バインダー液を含浸させた無
機質繊維マットを得るには、常態厚みの無機質繊維マッ
トを原料として用い、これを有機バインダー液に浸漬す
る方法、または、これに有機バインダー液を噴霧する方
法を採用することができる。なお、無機質繊維マットの
厚みが大なるものの場合は前者の方法を採用し、厚みが
小なるものの場合は後者の方法を採用するのがよく、こ
の場合有機バインダー液は噴霧時に糸引き現象の少ない
エマルションタイプのものが適する。
マットを得る他の方法としては、バルク状の無機質繊維
を原料として用い、これを有機バインダー液の中に分
散、懸濁させ、この懸濁液より無機質繊維の偏平な集積
物を網目状平板または多孔性平板上にろ過または抄造技
術により捕集する方法が挙げられる。この方法では、無
機質繊維を分散して懸濁させる際に繊維の切断が起こり
易いので、分散、懸濁操作には注意が必要であり有機バ
インダー液は粘度の低いものを使用するのが好ましい。
た無機質繊維マットを、厚み方向に圧縮する工程であ
る。この工程は、目的とする成形体の厚みを規定するほ
か、有機バインダーの含有量を制御するうえにも必要で
ある。圧縮は、プレス板またはプレスローラーを用いて
押圧するのがよい。プレス板を用いるには、2枚の板状
体、好ましくは金網(メッシュ)または多孔板の間にマ
ットを挟んで圧縮するのが好ましく、所望によりメッシ
ュまたは多孔板の一方、例えば下方より吸引すると一層
効率的である。さらにはこれらの方法に遠心脱液を併用
する方法も効果的である。このようにして圧縮されたマ
ット表面の脱液を促進しておくと、マット表面に残って
いる有機バインダーに起因する各種の不都合、例えば乾
燥の際の乾燥器材等への固着等を、効果的に防止でき好
ましい。
を、圧縮された無機質繊維マットの厚みを維持したま
ま、有機バインダー液の、水や有機溶媒等の媒体を除去
する工程である。この工程では、目的とする成形体の厚
みを最終的に規定するほか、有機バインダーを成形体の
中に均一に含有させるよう、水や有機溶媒等の媒体を迅
速に蒸発させることが重要である。
グメタル、樹脂ネット、金属ネット等の通気性の良い板
状体で両面から挟み、通常は所定厚みに圧縮した状態
で、有機バインダーが変質や分解を引き起こさない温度
以下の温度条件下、高温熱風により迅速に行うのが好ま
しい。第2工程での圧縮をメッシュまたは多孔板の間に
挟んで行った場合には、これをそのままこの第3工程に
移すのがよい。このようにすると、未乾燥状態での厚み
復元に伴うバインダーの遍在が回避できると云う利点が
ある。
説明するが、本発明は、その要旨を超えない限りこれら
の実施例の記載に限定されるものではない。なお、以下
の記載において、特に記載のない限り「%」は重量%を
意味する。
mm、長さ3600mmのムライト繊維マット(三菱化
学(株)製 商品名マフテックブランケット;嵩密度
0.10g/cm3、平均繊維径4μm、繊維長20〜
200mm;アルミナ72%、シリカ28%)を準備し
た。このマットは、5.0mmまで圧縮しこの厚みを維
持するのに4.0kg/cm2の圧力を要し、5分間こ
の厚みに維持した後に圧力を開放すると厚さが18mm
まで復元する特性を有するものであつた。
クリルゴムの水分散型エマルジョン、日本ゼオン(株)
製 商品名LX874、固形分45%)の原液に1分間
浸漬した。引き続き有機バインダー液を含浸させたマッ
トの両面を目開き0.33mmのポリエステルネットで
挟み、さらに2枚のパンチングメタル(穴径3.5m
m、、開口率22.7%、厚さ2.3mm)で押さえて
一方より吸引しつつプレスすることにより厚さ4.5m
mまで圧縮し、この厚みのままで100℃の熱風で乾燥
することにより、目的とする無機質繊維成形体を得た。
得られた成形体は厚さ5.0mmで有機バインダー(固
形分)を15%含むものであった。
たオーブン中で1時間加熱してバインダーを分解するこ
とにより、この成形体の厚みは17mmに復元した。従
ってこの成形体の厚み復元率は3.4倍であった。ま
た、厚みの復元した成形体を再び厚み5mmに圧縮しこ
の厚みを維持するに要する圧力は3.8kg/cm2で
あり、ほぼ原料マットの特性を有するものであることが
確認された。
させたマットの圧縮厚みを3.0mmに変更したほかは
同例におけると同様にして、厚さ3.5mmで、有機バ
インダー(固形分)を13%含む無機質繊維成形体を得
た。次いで、得られた成形体について同例におけると同
様にしてこの成形体の厚み復元性を調べたところ、厚み
は15mmに復元し、復元率は4.3倍であった。
ダー液の原液に代え、これを水で5倍に希釈した液を用
い、有機バインダー液を含浸させたマットの圧縮厚みを
8.0mmに変更したほかは同例におけると同様にし
て、厚さ10.0mmで、有機バインダー(固形分)を
7%含む無機質繊維成形体を得た。次いで、得られた成
形体について同例におけると同様にしてこの成形体の厚
み復元性を調べたところ、厚みは20mmに復元し、復
元率は2.0倍であった。
m、長さ7200mmのアルミナ繊維マット(ICI社
製 商品名サフィル;嵩密度約0.05g/cm3、平
均繊維径3μm、繊維長20〜200mm;アルミナ9
7%、シリカ3%))を用い、これを目付調整して厚み
20mm、嵩密度約0.10g/cm3としたものを準
備した。このマットは、5.0mmまで圧縮しこの厚み
を維持するのに3.0kg/cm2の圧力を要し、5分
間この厚みに維持した後に圧力を開放すると厚さが16
mmまで復元する特性を有するものであつた。
ル(日本合成(株)製、商品名ゴーセノールGM−1
4)の10%水溶液からなる有機バインダー液に浸漬し
た。引き続き、有機バインダー液を含浸させたマットを
実施例1におけると同様にして厚さ5.0mmまで圧縮
し、吸引せずこの厚みのままで100℃の熱風で乾燥す
ることにより、目的とする無機質繊維成形体を得た。得
られた成形体は厚さ5.0mmで有機バインダー(固形
分)を7%含むものであった。
たオーブン中で1時間加熱してバインダーを分解するこ
とにより、この成形体の厚みは15mmに復元した。従
ってこの成形体の厚み復元率は3.0倍であった。ま
た、厚みの復元した成形体を再び厚み5.0mmに圧縮
しこの厚みを維持するに要する圧力は2.8kg/cm
2であり、ほぼ原料マットの特性を有するものであるこ
とが確認された。
させたマットの圧縮厚みを3.0mmに変更したほかは
同例におけると同様にして、厚さ3.0mmで、有機バ
インダー(固形分)を5%含む無機質繊維成形体を得
た。次いで、得られた成形体について同例におけると同
様にしてこの成形体の厚み復元性を調べたところ、厚み
は13mmに復元し、復元率は4.3倍であった。
(株)製 商品名マフテックバルクM;嵩密度0.05
g/cm3、平均繊維径4μm、繊維長5〜10mm;
アルミナ72%、シリカ28%)を準備した。また、有
機バインダー液として、実施例1で用いたものを水で希
釈して固形分含有量を10%に調整したものを準備し
た。バルク状のムライト繊維を、有機バインダー液の中
に繊維濃度2%で分散、懸濁させた。次いでこの懸濁液
を、目開き0.33mmのポリエステルネットを濾材と
して吸引ろ過することにより、有機バインダー液を含浸
させたムライト繊維マットを得た。引き続き、有機バイ
ンダー液を含浸させたムライト繊維マットを実施例1に
おけると同様にして厚さ5.0mmまで圧縮し、吸引せ
ずこの厚みのままで100℃の熱風で乾燥することによ
り、目的とする無機質繊維成形体を得た。得られた成形
体は厚さ7.0mmで有機バインダー(固形分)を5%
含むものであった。
たオーブン中で1時間加熱してバインダーを分解するこ
とにより、この成形体の厚みは15mmに復元した。従
ってこの成形体の厚み復元率は約2.1倍であった。以
上の実施例により得られた結果をまとめて表1に示す。
うに、本発明に係る無機質繊維成形体は、有機バインダ
ーの作用により圧縮された無機質繊維マットの厚みを薄
く保持し、使用時の高温下でバインダーを分解すること
によりほぼ厚みが圧縮前の状態まで復元し、また、厚み
の復元した成形体は厚み方向に良好な弾性を示す。
予め厚み方向の復元力を抑えて薄く保たれており、使用
条件では厚み方向の復元力を発揮し、高温用シール材、
目地材、および各種の高温用保持材等として有効に使用
できる。また、本発明によれば、常態厚みの無機質繊維
マットまたはバルク状の無機質繊維を原料として用い、
上記無機質繊維成形体を工業的有利に製造することがで
きる。
Claims (4)
- 【請求項1】 無機質繊維マットに有機バインダー液を
含浸させ、次いで、該無機質繊維マットを2枚のメッシ
ュ又は多孔板の間に挟んで、厚み方向に圧縮し、圧縮さ
れた無機質繊維マットの厚みを維持したまま、有機バイ
ンダー液の媒体液を除去することを特徴とする無機質繊
維成形体の製造方法。 - 【請求項2】 メッシュ又は多孔板が、パンチングメタ
ル、樹脂ネット、金属ネットのいずれかであることを特
徴とする請求項1の無機質繊維構造体の製造方法。 - 【請求項3】 有機バインダー液を含浸させた無機質繊
維マットを、2枚のパンチングメタルの間に配置し、且
つ、該パンチングメタルと無機質繊維マットとの間に、
ポリエステルネットを挟んで圧縮乾燥することを特徴と
する請求項2の無機質繊維構造体の製造方法。 - 【請求項4】 有機バインダーが変質や分解を引き起こ
さない温度の条件下、高温熱風により圧縮して乾燥して
なる請求項1〜3のいずれかの無機質繊維構造体の製造
方法。
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JP2001173634A JP2002038379A (ja) | 2001-06-08 | 2001-06-08 | 無機質繊維構造体の製造方法 |
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