JP2002037817A - 正孔輸送材料 - Google Patents

正孔輸送材料

Info

Publication number
JP2002037817A
JP2002037817A JP2000228928A JP2000228928A JP2002037817A JP 2002037817 A JP2002037817 A JP 2002037817A JP 2000228928 A JP2000228928 A JP 2000228928A JP 2000228928 A JP2000228928 A JP 2000228928A JP 2002037817 A JP2002037817 A JP 2002037817A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
structural unit
represented
formula
polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000228928A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsuhiko Sakakibara
満彦 榊原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSR Corp
Original Assignee
JSR Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JSR Corp filed Critical JSR Corp
Priority to JP2000228928A priority Critical patent/JP2002037817A/ja
Publication of JP2002037817A publication Critical patent/JP2002037817A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 優れた正孔輸送性能および耐久性を有する正
孔輸送材料を提供する。 【解決手段】 式(1)で表される構造単位(A)と、
式(2)で表される構造単位(B)とよりなり、(A)
と、(B)との割合が、モル比で5:95〜95:5で
ある共重合体を含有してなる正孔輸送材料。 〔式中、Rは水素原子、アルキル基またはアリール基
を示し、R、R、RおよびRは、水素原子、ア
ルキル基、アルコキシ基、アリール基またはアミノ基を
示す。Xmは0または1であり、nは0または1である。〕 〔式中、R、RおよびRは、水素原子、アルキル
基またはアリール基を示す。Xはフェニレン基または
メチレンフェニレン基を示す。pは0または1であ
る。〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばエレクトロ
ルミネッセンス素子などを得るために好適に用いられる
正孔輸送材料に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、エレクトロルミネッセンス素子を
構成する正孔輸送材料や電子輸送材料として、有機材料
が使用され始めており、このような有機材料を使用した
有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL
素子」という。)の研究が活発に行われている。かかる
有機EL素子を構成する有機材料においては、優れた耐
久性を有するものであること、高い発光効率が得られる
ものであることが要求される。
【0003】従来、正孔輸送性能を有する有機材料とし
ては、ジアミン誘導体、N,N’−ジフェニル−N,
N’−ジ(3−メチルフェニル)−4,4’,ジアミノ
ビフェニル(以下、「m−TPD」ともいう。)などの
アリールアミン系化合物などの低分子有機材料、ポリビ
ニルカルバゾールなどの高分子有機材料が知られてい
る。然るに、上記の低分子有機材料は、物理的または熱
的な耐久性に乏しいものであるため、当該低分子有機材
料により正孔輸送層を構成する場合には、有機EL素子
の駆動中または保存中に当該正孔輸送層が変質してしま
う、という欠点がある。また、ポリビニルカルバゾール
などの高分子有機材料は、ガラス転移点(Tg)が非常
に高いものであるので、優れた耐久性、すなわち長い使
用寿命を有する正孔輸送層が得られるが、発光開始電圧
が非常に高く、また、正孔輸送性能が十分なものではな
いために発光効率が低く、実用上問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な事情に基づいてなされたものであって、その目的は、
優れた正孔輸送性能および耐久性を有する正孔輸送材料
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の正孔輸送材料
は、下記一般式(1)で表される構造単位(A)と、下
記一般式(2)で表される構造単位(B)とよりなり、
当該構造単位(A)と、前記構造単位(B)との割合
が、モル比で5:95〜95:5である共重合体を含有
してなることを特徴とする。
【0006】
【化3】
【0007】
【化4】
【0008】本発明の正孔輸送材料は、構造単位(A)
と、構造単位(B)との割合が、モル比で20:80〜
80:20である共重合体を含有してなることが好まし
い。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。本発明の正孔輸送材料は、上記一般
式(1)で表される構造単位(A)と、上記一般式
(2)で表される構造単位(B)とよりなる共重合体
(以下、「特定の共重合体」という。)を含有してなる
ものである。
【0010】〈構造単位(A)〉構造単位(A)は、一
般式(1)で表されるものである。一般式(1)におい
て、R1 は水素原子、アルキル基、アリール基を示す。
ここで、アルキル基としては、メチル基、エチル基など
の炭素数1〜2のアルキル基が挙げられる。アリール基
としては、フェニル基が挙げられる。そして、一般式
(1)においてR1 を示すものとしては、高い重合反応
性が得られる点で水素原子、メチル基が好ましい。
【0011】また、一般式(1)におけるR2 、R3
4 およびR5 は、水素原子、アルキル基、アリール
基、アルコキシ基、アミノ基を示し、全部が同一のもの
であっても、その一部または全部が異なったものであっ
てもよい。
【0012】ここで、アルキル基としては、特に限定さ
れるものではないが、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基などの炭素数が
1〜8のアルキル基が好ましい。特に、一層高い正孔輸
送性能が得られる点では、メチル基が好ましく、有機溶
剤に対して高い溶解性が得られる点では、炭素数が大き
い(例えば炭素数が8)アルキル基が好ましい。アルコ
キシ基としては、特に限定されるものではないが、メト
キシ基、エトキシ基、プロボキシ基、ブトキシ基などの
炭素数が1〜8のアルコキシ基が好ましく、特に、一層
高い正孔輸送性能が得られる点では、メトキシ基が好ま
しい。アリール基としては、フェニル基、トリル基など
が挙げられる。アミノ基としては、特に限定されるもの
ではないが、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基な
どのジアリールアミノ基、およびジメチルアミノ基、ジ
エチルアミノ基、ジプロピルアミノ基などの炭素数が1
〜8のアルキル基を有するジアルキルアミノ基が好まし
く、特に、一層高い正孔輸送性能が得られる点では、ジ
−n−プロピルアミノ基、ジ−i−プロピルアミノ基が
好ましい。
【0013】そして、一般式(1)においては、R2
水素原子であって、R3 がアルキル基であるもの、R2
およびR3 が水素原子であるもの、また、R4 およびR
5 の組み合わせとしては、両者のいずれか一方が水素原
子であって、他方がアルキル基であるもの、R4 および
5 がアルキル基であるものが好ましい。また、R2
5 の各々が、水素原子以外のものである場合には、そ
の位置はメタ位またはパラ位であることが好ましい。
【0014】一般式(1)において、X1 は、下記式
(イ)で表される基または下記式(ロ)で表される基を
示し、これらの中では、式(イ)で表される基が好まし
い。また、繰り返し数mは、0または1である。
【0015】
【化5】
【0016】また、一般式(1)において、Zは、オキ
シカルボニル基(−COO−)、−CONH−で表され
る基または−CONHCO−で表される基を示し、これ
らの中では、オキシカルボニル基、−CONH−で表さ
れる基が好ましい。また、繰り返し数nは0または1で
ある。また、−CH2 −CR1 −(X1 m −(Z)n
−で表される基は、メタ位あるいはパラ位に位置するこ
とが好ましく、特にパラ位に位置することが好ましい。
【0017】一般式(1)で表される構造単位(A)の
好ましい具体例としては、下記式(a)で表される構造
単位、下記式(b)で表される構造単位、下記式(c)
で表される構造単位などが挙げられ、特に式(b)で表
される構造単位および式(c)で表される構造単位が好
ましい。
【0018】
【化6】
【0019】
【化7】
【0020】〈構造単位(B)〉構造単位(B)は、一
般式(2)で表されるものである。一般式(2)におい
て、R6 、R7 およびR8 は、水素原子、アルキル基、
アリール基を示し、全部が同一のものであっても、その
一部または全部が異なったものであってもよい。
【0021】アルキル基としては、メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘ
キシル基、オクチル基などの炭素数1〜8のアルキル基
が挙げられる。アリール基としては、フェニル基、トリ
ル基、ビニルフェニル基などが挙げられる。
【0022】そして、一般式(2)においては、R6
メチル基、フェニル基であることが好ましい。また、一
般式(2)においては、R7 およびR8 がそれぞれメチ
ル基、ブチル基、2−エチルヘキシル基であることが好
ましく、R7 およびR8 の組み合わせとしては、いずれ
か一方がアルキル基であり、他方がフェニル基であるこ
とが好ましい。
【0023】一般式(2)において、X2 は、フェニレ
ン基またはメチレンフェニレン基を示し、このフェニレ
ン基およびメチレンフェニレン基は、o−体、m−体、
p−体のいずれであってもよいが、p−体、m−体であ
ることが好ましい。また、繰り返し数pは0または1で
ある。
【0024】一般式(2)で表される構造単位(B)の
具体例としては、下記式(d)で表される構造単位(N
−ビニルカルバゾールに由来する構造単位)、下記式
(e)で表される構造単位(N−(4−ビニルフェニ
ル)カルバゾールに由来する構造単位)、下記式(f)
で表される構造単位(N−(p−ビニルベンジル)カル
バゾールに由来する構造単位)、下記式(g)で表され
る構造単位(N−ビニル−3,6ジフェニルカルバゾー
ルに由来する構造単位)、下記式(h)で表される構造
単位(N−(4−ビニルフェニル)−3,6ジフェニル
カルバゾールに由来する構造単位)および下記式(i)
で表される構造単位(N−(p−ビニルベンジル)−
3,6ジフェニルカルバゾールに由来する構造単位)な
どが挙げられ、これらの中では、式(d)で表される構
造単位および式(e)で表される構造単位が好ましい。
【0025】
【化8】
【0026】
【化9】
【0027】本発明の正孔輸送材料に用いられる特定の
共重合体において、構造単位(A)と、構造単位(B)
との割合は、モル比で5:95〜95:5であり、好ま
しくは20:80〜80:20、さらに好ましくは3
0:70〜80:20である。構造単位(B)の割合が
過小である場合には、特定の共重合体の耐熱性が不十分
なものとなり、また、得られる正孔輸送材料は、正孔輸
送性能が低いものとなる。一方、構造単位(A)の割合
が過小である場合には、得られる正孔輸送材料の正孔輸
送性能が低いものとなる。
【0028】特定の共重合体の重量平均分子量は、例え
ばゲルパーミエーションクロマトグラフ法によるポリス
チレン換算で3000〜1000000、特に5000
〜300000であることが好ましい。この重量平均分
子量が3000未満である場合には、得られる正孔輸送
材料が、耐熱性、薄膜状態における安定性および機械的
強度が不十分なものとなることがある。一方、この重量
平均分子量が1000000を超える場合には、得られ
る正孔輸送材料が、その溶液粘度が著しく高いものとな
りやすく、有機EL素子の製造において、ハンドリング
性が低下し、また、溶液の糸引き性が生じるため、好ま
しくない。また、重量平均分子量と数平均分子量との比
Mw/Mnは、特に限定されるものではないが、通常1
〜8であり、より1に近い値であることが好ましい。
【0029】このような特定の共重合体は、下記一般式
(3)で表されるアリールアミン系化合物(以下、「特
定のアリールアミン系化合物」という。)と、下記一般
式(4)で表されるカルバゾール誘導体(以下、「特定
のカルバゾール誘導体」という。)とを、適宜の重合
法、例えばラジカル重合法、アニオン重合法またはカチ
オン重合法、好ましくはそれらの対応するリビングラジ
カル重合法、リビングアニオン重合法またはリビングカ
チオン重合法によって共重合することにより得られる。
【0030】
【化10】
【0031】
【化11】
【0032】通常のラジカル重合法によって特定の共重
合体を得る場合には、アゾビスイソブチロニトリル(A
IBN)などのアゾ化合物、過酸化ベンゾイル(BP
O)などの過酸化物、テトラエチルチウラムジスルフィ
ドなどのジチオカルバメート誘導体などの公知のラジカ
ル開始剤を重合触媒として用いたラジカル重合法を利用
することができる。また、リビングラジカル重合法によ
って特定の共重合体を得る場合には、2,2,6,6−
テトラメチル−1−ピペリジン−N−オキサイド(TE
MPO)などのN−オキシラジカルと、上記のラジカル
重合開始剤とを組み合わせた触媒系によるリビングラジ
カル重合法、アトムトランスファー重合などによるリビ
ングラジカル重合法を利用することができる。このよう
なラジカル重合触媒の使用割合は、単量体1モルに対し
て1〜0.00001モルである。このようなラジカル
重合法において、重合溶媒としては、ジメチルホルムア
ミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンな
どのアミド系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘ
キサン、シクロヘキサンなどの炭化水素系溶媒、γ−ブ
チロラクトン、乳酸エチルなどのエステル系溶媒、シク
ロヘキシルベンゾフェノン、シクロヘキサノン、2−エ
チルペンタノン、エチルイソアミルケトンなどのケトン
系溶媒、テトラヒドロフランなどの環状エーテルやジエ
チレングリコールジメチルエーテルなどの脂肪族エーテ
ル類などのエーテル系溶媒を用いることができる。ま
た、反応温度は、例えば0〜200℃であり、その反応
時間は、例えば0.5〜72時間である。
【0033】通常のアニオン重合法によって特定の共重
合体を得る場合には、例えば、ナフチルナトリウムなど
のアルフィン触媒、メチルリチウム、エチルリチウム、
ブチルリチウムなどのアルキルリチウム、フェニルリチ
ウムなどのアリールリチウム、ジエチル亜鉛などのアル
キル亜鉛、リチウムアルキルマグネシウム、リチウムア
ルキルバリウムなどのアート錯体などのアルカリ金属、
アルカリ土類金属などの金属による有機金属化合物をア
ニオン重合触媒として用いたアニオン重合法を利用する
ことができる。特に、アニオン重合触媒としては、n−
ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、フェニルリ
チウムなどの有機リチウム化合物を用いることが好まし
い。また、リビングアニオン重合法によって特定の共重
合体を得る場合には、ブチルリチウムなどの触媒による
リビングアニオン重合法を利用することができる。この
ようなアニオン重合触媒の使用割合は、単量体1モルに
対して0.1〜0.00001モルである。このような
アニオン重合法において、重合溶媒としては、ベンゼ
ン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンな
どの炭化水素、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの
エーテル化合物などを用いることができる。また、反応
温度は、例えば−50〜100℃であり、その反応時間
は、例えば5分〜24時間である。
【0034】通常のカチオン重合法によって特定の共重
合体を得る場合においては、トリフルオロボレート、四
塩化錫などのルイス酸、硫酸、塩酸などの無機酸、カチ
オン交換樹脂などの公知のカチオン重合触媒を用いたカ
チオン重合法を利用することができる。また、リビング
カチオン重合法によって特定の共重合体を得る場合に
は、HI、HI−ZnI2 などの触媒によるリビングカ
チオン重合法を利用することができる。このようなカチ
オン重合触媒の使用割合は、単量体1モルに対して0.
01〜0.00001モルである。このようなカチオン
重合法において、重合溶媒としては、メチレンクロライ
ド、クロロベンゼンなどに代表されるハロゲン化炭化水
素類、ジブチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジオキ
サン、テトラヒドロフランなどの環状エーテル類、アセ
トニトリル、ニトロベンゼンなどの高極性溶媒などを用
いることができる。また、反応温度は、例えば−150
〜50℃であり、その反応時間は、例えば0.01〜1
2時間である。
【0035】また、本発明の正孔輸送材料には、種々の
染料、レーザー色素などが添加されていてもよい。そし
て、その添加量は、正孔輸送材料の全質量における0.
1〜10質量%となる割合とされる。正孔輸送材料に、
染料、レーザー色素などが添加された場合には、当該正
孔輸送材料を用いて構成される有機EL素子は、発光が
促進されると共に、長い使用寿命を有するものとなる。
【0036】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明するが、
本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下
において、「部」は、「質量部」を意味する。
【0037】〔共重合体の合成〕 〈合成例1〉容積50ミリリットルの耐圧ビンの内部を
窒素ガスで置換した後、この耐圧ビン内に、窒素気流下
で下記式(I)で表される化合物(以下、「化合物
(I)」という。)70ミリモルと、N−ビニルカルバ
ゾール30ミリモルと、トルエン50ミリリットルとを
仕込み、化合物(I)と、N−ビニルカルバゾールとを
トルエンに溶解させた。この溶液を攪拌しながら、当該
溶液にラジカル重合触媒としてアゾビスイソブチロニト
リル10ミリモルを添加し、この系を室温から70℃に
上昇させて反応温度70℃、反応時間20時間の条件で
ラジカル重合を行うことにより重合体溶液を得た。得ら
れた重合体溶液を、その50倍の量のメタノール中に投
入することによって重合体を凝固させることにより、重
合体を回収した。この重合体を常法により再沈精製し、
その後、50℃で1日間減圧乾燥した。以下、得られた
重合体を重合体(1)という。得られた重合体(1)に
ついて、赤外線吸収スペクトルのスペクトル解析を行っ
たところ、この重合体(1)が、化合物(I)に由来す
る構造単位(式(a)で表される構造単位)と、N−ビ
ニルカルバゾールに由来する構造単位(式(d)で表さ
れる構造単位)よりなる共重合体であることが確認され
た。図1に赤外線吸収スペクトル図を示す。この重合体
(1)において、検量線を用いて求めた構造単位(A)
と構造単位(B)との割合は、モル比で70:30であ
った。
【0038】
【化12】
【0039】また、重合体(1)の重量平均分子量Mw
は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ法(溶媒:テ
トラヒドロフラン)によるポリスチレン換算で3000
0であり、重量平均分子量と数平均分子量との比Mw/
Mnは2.6であった。
【0040】〈合成例2〉化合物(I)70ミリモルの
代わりに、下記式(II)で表される化合物(以下、「化
合物(II)」という。)50ミリモルを用い、また、N
−ビニルカルバゾールの使用量を50ミリモルに変更し
たこと以外は、合成例1と同様にして重合体を得た。以
下、得られた重合体を重合体(2)という。得られた重
合体(2)について、赤外線吸収スペクトルのスペクト
ル解析を行ったところ、この重合体(2)が、化合物
(II)に由来する構造単位(式(c)で表される構造単
位)と、N−ビニルカルバゾールに由来する構造単位
(式(d)で表される構造単位)とよりなる共重合体で
あることが確認された。図2に赤外線吸収スペクトル図
を示す。この重合体(2)において、構造単位(A)と
構造単位(B)との割合は、モル比で50:50であっ
た。
【0041】
【化13】
【0042】また、重合体(2)の重量平均分子量Mw
は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ法(溶媒:テ
トラヒドロフラン)によるポリスチレン換算で3800
0であり、重量平均分子量と数平均分子量との比Mw/
Mnは1.95であった。
【0043】〈合成例3〉化合物(I)70ミリモルの
代わりに、化合物(II)50ミリモルを用い、またN−
ビニルカルバゾール30ミリモルの代わりに、N−(4
−ビニルフェニル)カルバゾール50ミリモルを用いた
こと以外は、合成例1と同様にして重合体を得た。以
下、得られた重合体を重合体(3)という。得られた重
合体(3)について、赤外線吸収スペクトルのスペクト
ル解析を行ったところ、この重合体(3)が、化合物
(II)に由来する構造単位(式(c)で表される構造単
位)と、N−(4−ビニルフェニル)カルバゾールに由
来する構造単位(式(e)で表される構造単位)とより
なる共重合体であることが確認された。図3に赤外線吸
収スペクトル図を示す。この重合体(3)において、構
造単位(A)と構造単位(B)との割合は、モル比で5
0:50であった。
【0044】また、重合体(3)の重量平均分子量Mw
は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ法(溶媒:テ
トラヒドロフラン)によるポリスチレン換算で3300
0であり、重量平均分子量と数平均分子量との比Mw/
Mnは2.55であった。
【0045】〈実施例1〉正孔輸送材料として、重合体
(1)を用い、これを有機溶剤であるm−キシレンに溶
解させることにより、正孔輸送層形成用塗布液を調製し
た。この正孔輸送層形成用塗布液を、スピンコーターに
よって、表面にITO膜よりなるアノードが形成された
5cm角のガラス基板よりなる透明基板上に塗布した
後、有機溶剤の除去処理を行うことにより、本発明の正
孔輸送材料よりなる厚みが25nmの正孔輸送層を形成
した。次いで、この正孔輸送層上に、蒸着法によって厚
みが50nmのトリスキノリノラートアルミナムよりな
る発光層を形成し、さらにその上に200nmで5mm
角のアルミニウム膜よりなるカソードを形成することに
より、試験用素子を2個作製した。以下、作製された試
験用素子を試験用素子(1)という。
【0046】〈実施例2〉正孔輸送材料として、合成例
2で得られた重合体(2)を用いたこと以外は、実施例
1と同様にして試験用素子を2個作製した。以下、作製
された試験用素子を試験用素子(2)という。
【0047】〈実施例3〉正孔輸送材料として、合成例
3で得られた重合体(3)を用いたこと以外は、実施例
1と同様にして試験用素子を2個作製した。以下、作製
された試験用素子を試験用素子(3)という。
【0048】〈比較例1〉正孔輸送材料として、m−T
PDの重合体(以下、「ポリTPD」という。)を用い
たこと以外は、実施例1と同様にして試験用素子を2個
作製した。以下、作製された試験用素子を比較試験用素
子(1)という。
【0049】〈比較例2〉正孔輸送材料として、ポリビ
ニルカルバゾール(以下、「ポリNVK」という。)を
用いたこと以外は、実施例1と同様にして試験用素子を
2個作製した。以下、作製された試験用素子を比較試験
用素子(2)という。
【0050】〔試験用素子の評価法〕 発光開始電圧および最高発光輝度:実施例1〜実施例3
および比較例1〜比較例2に係る試験用素子(1)〜
(3)および比較試験用素子(1)〜(2)の各々に対
し、ITO膜をアノードとし、マグネシウムと銀(Mg
Ag)の合金膜をカソードとして直流電圧を印加するこ
とにより、発光層を発光させ、その最高発光輝度を輝度
計「LS−100」(ミノルタ社製)により測定した。
また、そのときの発光開始電圧を電圧計「R8240」
(ADVANTEST社製)により測定した。以上、結
果を下記表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】表1から明らかなように、実施例1〜3に
係る試験用素子(1)〜(3)は、比較例1に係る比較
試験用素子(1)に比べ、高い最高発光輝度が得られる
ことが確認され、一方、比較例2に係る比較試験用素子
(2)に比べ、発光開始電圧が低くなっていることが確
認された。以上の結果から、実施例1〜3に係る試験用
素子(1)〜(3)は、優れた正孔輸送性能を有するも
のであることが確認できる。
【0053】
【発明の効果】本発明の正孔輸送材料は、特定の共重合
体を含有してなるため、優れた正孔輸送性能および耐久
性を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例における合成例1に係る共重合体の赤外
線吸収スペクトル図である。
【図2】実施例における合成例2に係る共重合体の赤外
線吸収スペクトル図である。
【図3】実施例における合成例3に係る共重合体の赤外
線吸収スペクトル図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05B 33/22 H05B 33/22 D Fターム(参考) 3K007 AB03 CA01 CB01 CB03 DB03 EB05 FA01 4J100 AB07P AB07Q AG08P AM21P AQ26Q BA02P BA10P BA28P BA31P BA35P BC43P BC43Q BC44P BC65Q CA04 DA61 JA32

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表される構造単位
    (A)と、下記一般式(2)で表される構造単位(B)
    とよりなり、当該構造単位(A)と、前記構造単位
    (B)との割合が、モル比で5:95〜95:5である
    共重合体を含有してなることを特徴とする正孔輸送材
    料。 【化1】 【化2】
  2. 【請求項2】 構造単位(A)と、構造単位(B)との
    割合が、モル比で20:80〜80:20である共重合
    体を含有してなることを特徴とする請求項1に記載の正
    孔輸送材料。
JP2000228928A 2000-07-28 2000-07-28 正孔輸送材料 Withdrawn JP2002037817A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000228928A JP2002037817A (ja) 2000-07-28 2000-07-28 正孔輸送材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000228928A JP2002037817A (ja) 2000-07-28 2000-07-28 正孔輸送材料

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002037817A true JP2002037817A (ja) 2002-02-06

Family

ID=18722133

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000228928A Withdrawn JP2002037817A (ja) 2000-07-28 2000-07-28 正孔輸送材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002037817A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005097589A (ja) * 2003-08-29 2005-04-14 Showa Denko Kk 燐光発光性高分子化合物およびこれを用いた有機発光素子
WO2006059745A1 (en) * 2004-11-30 2006-06-08 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Light emitting element and light emitting device
JP2006213833A (ja) * 2005-02-04 2006-08-17 Seiko Epson Corp 導電性材料用組成物、導電性材料、導電層、電子デバイスおよび電子機器
JP2006303421A (ja) * 2004-11-30 2006-11-02 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 発光素子および発光装置
US10377455B2 (en) 2015-04-01 2019-08-13 Soomvi Co., Ltd. Drone-type lifesaving equipment dropping device

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005097589A (ja) * 2003-08-29 2005-04-14 Showa Denko Kk 燐光発光性高分子化合物およびこれを用いた有機発光素子
WO2006059745A1 (en) * 2004-11-30 2006-06-08 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Light emitting element and light emitting device
JP2006303421A (ja) * 2004-11-30 2006-11-02 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 発光素子および発光装置
KR101251623B1 (ko) * 2004-11-30 2013-04-08 가부시키가이샤 한도오따이 에네루기 켄큐쇼 발광 소자 및 발광 장치
US9142783B2 (en) 2004-11-30 2015-09-22 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Light emitting element and light emitting device
JP2006213833A (ja) * 2005-02-04 2006-08-17 Seiko Epson Corp 導電性材料用組成物、導電性材料、導電層、電子デバイスおよび電子機器
US10377455B2 (en) 2015-04-01 2019-08-13 Soomvi Co., Ltd. Drone-type lifesaving equipment dropping device

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TW411728B (en) Polymer fluorescent substance and organic electroluminescence device
JP4754501B2 (ja) 9,9−ジ(フルオレニル)−2,7−フルオレニル単位を有する有機エレクトロルミネッセント高分子およびこれを用いて製造される有機エレクトロルミネッセント素子
TW558561B (en) Hole transporting polymer and organic electroluminescence device using the same
US7038086B2 (en) Vinyl polymer and organic electroluminescent device
JP2003253145A (ja) 発光性組成物
JPH0945478A (ja) 高分子蛍光体とその製造方法および有機エレクトロルミネッセンス素子
JPH0477595A (ja) 有機薄膜エレクトロルミネッセンス素子
JP2002075654A (ja) 有機電界発光素子
JP2002047271A (ja) カルバゾール誘導体およびカルバゾール系重合体並びに正孔輸送材料
US6652995B2 (en) Organic electroluminescence device
JP2002124389A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JPH1160660A (ja) ブロック共重合体およびその製造方法
WO2006123696A1 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス用高分子組成物
JP4608044B2 (ja) 新規なアリールアミン含有ビニルポリマーおよびそれを用いた有機エレクトロルミネッセント素子
JP2003253129A (ja) 発光性組成物
JP2004292423A (ja) イリジウム(iii)錯体、及びそれを含有する有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2003253128A (ja) 発光性組成物
JP3550741B2 (ja) カルバゾール誘導体とアントラセン誘導体との共重合体を用いた電界発光素子
JP2002037817A (ja) 正孔輸送材料
JPH0820614A (ja) 共重合体、その製造法及びそれを用いた発光素子
JP5134210B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス用高分子組成物
JP5140945B2 (ja) 高分子組成物及びそれを用いた高分子発光素子
JP2000159846A (ja) エレクトロルミネッセンス用材料およびエレクトロルミネッセンス素子
JP4045691B2 (ja) 高分子発光素子
JP2002124390A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20071002