JP2002035600A - 光触媒部材及びその製造方法 - Google Patents

光触媒部材及びその製造方法

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JP2002035600A
JP2002035600A JP2000229366A JP2000229366A JP2002035600A JP 2002035600 A JP2002035600 A JP 2002035600A JP 2000229366 A JP2000229366 A JP 2000229366A JP 2000229366 A JP2000229366 A JP 2000229366A JP 2002035600 A JP2002035600 A JP 2002035600A
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titanium
thin film
titanium oxide
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photocatalyst
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JP2000229366A
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Osamu Tsutsui
修 筒井
Ryuzo Fukuda
隆三 福田
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Toto Ltd
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Toto Ltd
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  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)
  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 基材表面にTixOy(x、yは1以外の整
数)を主成分とする光触媒層を通常の金属などが溶融し
ない温度領域で大量生産が可能で安価に製造でき光励起
に伴う諸性能が安定した光触媒部材及びその製造方法を
実現する。 【解決手段】 基材表面に、所定のTi成分比率でチタ
ン酸化物とチタンとをコーティングして各々の薄膜を形
成すると共に800℃〜1200℃の非酸素雰囲気にて
加熱処理し、TixOy(x、yは1以外の整数)を主
成分とした光触媒層を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光触媒層、特にT
ixOy(x、yは1以外の整数)を主成分とした光触
媒層を有した光触媒部材及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光触媒としてアナターゼ型2酸化
チタン(TiO2)は光活性が高く、この2酸化チタン
を基材の表面に施し、光照射によって生じるスーパーオ
キサイドや水酸基ラジカルを用いて抗菌機能や浄化機能
などを有した数多くの光触媒部材が知られているが、ア
ナターゼ型2酸化チタンは380nm以下の波長の紫外
光で光励起するものであって、太陽光あるいは紫外線ラ
ンプでは抗菌機能や浄化機能等を発揮できるが、屋内照
明の蛍光灯や白熱ランプではこれらの機能を発揮できな
いものである。
【0003】そこで、380nm以上の波長の可視光で
光励起するチタンを主成分とする光触媒が種々研究され
ており、Ti2O3、Ti3O5、Ti4O7などのT
ixOy(x、yは1以外の整数)が有望視されてい
る。
【0004】そして、基材表面にTixOy(x、yは
1以外の整数)の光触媒層を施す方法として、酸素雰囲
気内でTiを酸化させながらコーティングするか、基材
表面にTiO2をコーティングし、これを水素雰囲気で
加熱しTiO2を還元する方法が考えられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
方法においては、TixOyを生成するためにTiのコ
ーティング量に合わせて酸素の供給量をシビアに調整し
なければならず、しかも高温雰囲気下でその温度調整も
シビアに行わなければならずコストが高くつき、しかも
TixOyを生成すること自体が極めて不安定で光触媒
層の性能が安定せず、後者の方法においては水素雰囲気
で1,700℃〜1,800℃に加熱しなければなら
ず、加熱作業が大変で装置が大掛かりになるばかりでな
く基材が金属であっても溶融してしまい、非現実的であ
る。
【0006】本発明はこれらの課題を解決し、基材表面
にTixOy(x、yは1以外の整数)を主成分とする
光触媒層を通常の金属などが溶融しない温度領域で大量
生産が可能で安価に製造でき光励起に伴う諸性能が安定
した光触媒部材及びその製造方法を実現することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の光触媒部材及びその製造方法は、基材表面
に、所定のTi成分含有比率で酸化チタン酸化物とチタ
ンとをコーティングして各々の薄膜を形成すると共に8
00℃〜1200℃の非酸素雰囲気にて加熱処理し、T
ixOy(x、yは1以外の整数)を主成分とした光触
媒層を形成することを特徴としている。
【0008】このようにすることで、チタン(Ti)そ
のものが有する強い還元力が作用してチタン酸化物から
酸素原子を奪い化合してTixOy(x、yは1以外の
整数)が形成され結晶化するをもって、表面に可視光領
域の光で活性化する光触媒層を施した光触媒部材を製造
でき、しかも制御し易いTi成分含有比率でチタン酸化
物とチタンとをコーティングして薄膜を形成し加熱する
だけでTixOyが安定して形成でき、更には通常の金
属などが溶融しない800℃〜1200℃で製造できる
をもって、装置自体が大型化せず、可視光領域の光で安
定して活性化する光触媒部材を大量生産、且つ安価に製
造できる。
【0009】チタン酸化物を2酸化チタン(TiO2)
とし、この2酸化チタンとチタンとをそのTi成分含有
量を3対1の比率で基材表面にコーティングして各々の
薄膜を形成すると共に800℃〜1200℃の非酸素雰
囲気にて加熱処理することで、可視光領域での光活性が
顕著と言われているTi2O3を主成分とした光触媒層
を形成することが可能になり、しかも、安定して形成し
易い2酸化チタン(TiO2)を用いるので大量生産、
且つ安価に製造できる。
【0010】基材表面に、酸素雰囲気でチタンをドライ
コーティングして薄膜を形成すると共に非酸素雰囲気で
チタンをコーティングして薄膜を形成することが好まし
く、この様にすれば安定した厚さの光触媒層を形成で
き、しかもチタン1種類を蒸発させれば良く、製造設備
が大型化せず、且つ製造が容易である。
【0011】基材を帯状部材とし、これをロール状に巻
回して略真空状態のドライコーティングチャンバーに供
給し、このドライチャンバーでは、電界印加条件、不活
性ガス条件、基材の加温条件などを変え、電界印加等に
よってチタンを蒸発させ、これにより放出したチタン原
子に基材近傍において酸素ガスを供給することにより酸
素原子を反応させながら基材表面に酸化チタンをコーテ
ィングして薄膜を形成させる工程と、酸素ガスの供給を
断ってチタンをコーティングして薄膜を形成させる工程
とを備えれば、連続的に大量生産できて好ましい。
【0012】チタン酸化物とチタンとのTi成分含有比
率を、基材をドライコーティングチャンバーに供給する
速度を一定にして、チタンを蒸発させる電解印加条件を
変えて設定しても良ければ、チタンを蒸発させる電解印
加条件を一定にして、上記基材をドライコーティングチ
ャンバーに供給する速度を変えて設定しても良く、この
様にすることで簡単な方法で任意の数値のx、yをもっ
たTixOyを主成分とする光触媒層を簡単に形成でき
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下図面に基き本発明を説明する
と、図1は光触媒部材の製造方法の工程を示す模式図、
図2は製造工程に基く断面図であって、(a)はチタン
酸化物薄膜を基材にコーティングした断面図、(b)は
チタン酸化物薄膜に更にチタン薄膜をコーティングした
断面図、(c)はチタン酸化物薄膜とチタン薄膜をコー
ティングした基材を加熱した後の断面図、図3はチタン
酸化物とチタンをコーティングし各々の薄膜を形成する
装置の模式図、図4はチタン酸化物とチタンをコーティ
ングし各々の薄膜を形成する別の装置の模式図、図5は
図4の装置の製造工程を示す模式図、図6は光触媒部材
をフィルター部材に応用し車両に用いた例を示す模式図
である。
【0014】図1及び図2に基いて本発明の製造方法の
基本工程を説明すると、Aは基材1にチタン酸化物薄膜
2をコーティングする工程、Bはチタン酸化物薄膜2に
チタン薄膜3をコーティングする工程、Cはチタン酸化
物薄膜2とチタン薄膜3をコーティング後加熱処理しT
ixOy(x、yは1以外の整数)を主成分とした光触
媒層4を形成する加熱処理工程である。
【0015】基材1は線径0.1mm〜0.5mmのス
テンレス製線材を編みんで形成した10メッシュ〜10
0メッシュの網材あるいは厚さ0.1〜0.5mmの帯
材を用いており、ドライコーティング方法でチタン酸化
物薄膜2とチタン薄膜3を形成し、その後これを800
℃〜1200℃の非酸素雰囲気で加熱、アニーリング
(加熱処理)し、TixOy(x、yは1以外の整数)
を主成分とした光触媒層4を形成している。
【0016】例えば、チタン酸化物薄膜2を2酸化チタ
ン(TiO2)で構成し、これにチタン薄膜3を、その
Ti成分含有比率を2酸化チタンが3、チタンが1にな
るような厚さでコーティングし、その後これを800℃
〜1200℃の非酸素雰囲気で加熱、アニーリングする
ことで、チタンでもって2酸化チタン(TiO2)を還
元すると共にチタン自体も酸化し結晶化され、Ti2O
3を主成分とした光触媒層4が形成することができる。
【0017】尚、800℃以下であればTi2O3成分
が結晶化せずアモルファス状に固化して光活性反応が生
じず、1200℃以上であれば高温すぎて金属が溶融し
基材材質の選択肢が狭くなってしまう。
【0018】即ち、これを式で表すと、次のようにな
る。
【0019】3TiO2+Ti→2Ti2O3 基材1へのチタン酸化物薄膜2とチタン薄膜3をドライ
コーティングする方法は、図3に示すようにスパッタリ
ング法にて実現することができ、この例では更に加熱処
理まで行って光触媒層4の形成まで行っている。
【0020】即ち、ロール状に巻回した基材1を、基材
1の加温条件、アルゴンガスなどの不活性ガス、窒素ガ
ス、酸素分子を有する酸化性ガスの供給量条件などを調
整した略真空状態の2個のスパッタリングチャンバー
5、6に連続的に供給し、更に加熱処理チャンバー7に
供給ながらチタン酸化物薄膜2のチタン酸化物とチタン
薄膜3のチタンとを反応させてTixOy(x、yは1
以外の整数)を主成分とした光触媒層4を基材1に形成
している。
【0021】第1のチャンバー5では、電界の印加によ
り加速した不活性ガスイオンと窒素ガスイオンをTiに
衝突させ、同時に基材1表面近傍に酸素供給源8より酸
素ガスを供給、チタン原子と反応させ、これによりTi
O2を主成分とする厚さ150nm程度のチタン酸化物
薄膜2を基材1表面に形成させており、第1のチャンバ
ー5での加工は基材1にチタン酸化物薄膜2をコーティ
ングする工程Aに該当する。
【0022】次いでTiO2を主成分とするチタン酸化
物薄膜2をコーティングした基材1を第2のチャンバー
6に連続的に供給し、この第2のチャンバー6では、非
酸素雰囲気下で電界の印加により加速した不活性ガスイ
オンをTiに衝突させ、これにより放出したTi原子よ
りなる厚さ数10nmのチタン薄膜3をチタン酸化物薄
膜2表面に積層させており、第2のチャンバー6での加
工はチタン酸化物薄膜2にチタン薄膜3をコーティング
する工程Bに該当する。
【0023】チタン酸化物薄膜2及びチタン薄膜3の厚
さは、電界の印加条件を変え、第1のチャンバー5での
Tiの蒸発量を第2のチャンバー6でのTiの蒸発量よ
り3倍多くし、Ti成分比率が3対1になるようにして
いる。
【0024】引続き、チタン酸化物薄膜2及びチタン薄
膜3が積層された基材1を加熱処理チャンバー7に連続
的に供給し、この加熱処理チャンバー7では、アルゴン
ガスなどの不活性ガス雰囲気下で酸化を防ぎながらヒー
ターにて800℃〜1200℃に加熱処理し、アニーリ
ングすることで、チタン薄膜3のTiでもってチタン酸
化物薄膜2のTiO2を還元すると共にチタン自体も酸
化し結晶化、Ti2O3を主成分とした光触媒層4が形
成されるをもって、加熱処理チャンバー7での加工は工
程Cに該当する。
【0025】このような方法で、一定の速度で基材1を
各チャンバーに供給することで光触媒層4を連続的に形
成できて連続大量生産が行え、コストを安く出来る。
【0026】尚、これら3つのチャンバー5、6、7及
び基材1ロールなどはチャンバー内の真空程度の真空室
9内に収納し、基材1の各チャンバーへの出入り口から
チャンバー内に外気が浸入することやチャンバー内のガ
スイオンなどが流出することを防いでいる。
【0027】基材1へのチタン酸化物薄膜2とチタン薄
膜3をドライコーティングする方法は、図4に示すよう
にイオンプレーティング法にて同一のドライコーティン
グチャンバー10にて形成することもできる。
【0028】そして、この例では、チタンを蒸発させる
電界印加条件を一定にして、基材1をドライコーティン
グチャンバー10に供給する際の往復速度を変えること
により、チタン酸化物薄膜2とチタン薄膜3に含まれる
Ti含有量比率の設定を可能にしている。
【0029】即ち、ロール状に巻回した基材1をセッテ
ィングチャンバー11内のローラー12、13にセッテ
ィングし、これを正転、逆転してドライコーティングチ
ャンバー10内のドラム14表面に基材1を位置させな
がら電子銃15を作動させ、チタンターゲット16より
チタンを蒸発させている。
【0030】工程を説明すると、まず図5(a)に示す
ように、セッティングチャンバー11の蓋17を開け、
ロール状に巻回した基材1をローラー12にセッティン
グして、その先端をローラー13に取付ける。
【0031】次いで蓋17を閉じ、両チャンバー10、
11内をアルゴンガスなどの不活性ガス、窒素ガス条件
などを調整した略真空状態にしてから、図5(b)に示
すように、基材1をローラー13に巻き取るが、この巻
き取りの際に電子銃15を作動させてチタンターゲット
16よりチタンを蒸発させながら、同時に基材1表面近
傍に酸素供給源8より酸素ガスを供給、チタン原子と反
応させ、これによりTiO2を主成分とするチタン酸化
物薄膜2を基材1表面に形成させる。
【0032】そして、表面にチタン酸化物薄膜2がコー
ティングされた基材1が図5(c)に示すようにローラ
ー13に巻き取られてしまうと、今度は基材1をローラ
ー12に巻き取る。
【0033】基材1をローラー12に巻き取る際には、
図5(d)に示すように、酸素供給源8よりの酸素ガス
の供給を絶って電子銃15を作動させてチタンターゲッ
ト16よりチタンを蒸発させ、そのままチタン酸化物薄
膜2表面にチタン薄膜3を積層させる。
【0034】電子銃15の作動によるターゲットチタン
16の蒸発量は一定であり、基材1をローラー13に巻
き取る速度とローラー12に巻き取る速度を変えること
によりチタン酸化物薄膜2とチタン薄膜3に含まれるT
i含有量を変えることができ、例えばチタン酸化物がT
iO2で、光触媒層4の主成分をTi2O3にする場合
は、ローラー13に巻き取る速度よりローラー12に巻
き取る速度を3倍にすれば良い。
【0035】又、チタン酸化物がTiO2で光触媒層4
の主成分をTi3O5にする場合は、下式に基き、ロー
ラー13に巻き取る速度よりローラー12に巻き取る速
度を5倍にすれば良い。 5TiO2+Ti→2Ti3O5 更に、チタン酸化物がTiO2で光触媒層4の主成分を
Ti4O7にする場合は、下式に基き、ローラー13に
巻き取る速度よりローラー12に巻き取る速度を7倍に
すれば良い。 7TiO2+Ti→2Ti4O7 そして、表面にチタン酸化物薄膜2とチタン薄膜3がコ
ーティングされた基材1が図5(e)に示すようにロー
ラー12に巻き取られてしまうと、蓋17を開けてロー
ル状基材1を取出し、別の加熱処理装置(図示せず)
で、非酸素雰囲気の800℃〜1200℃で加熱処理
し、チタン酸化物薄膜2とチタン薄膜3とを反応させて
光触媒層4を形成する。
【0036】勿論、セッティングチャンバー11内に加
熱処理用のヒーターを設けて、加熱処理装置と兼ねても
良い。
【0037】尚、18は基材1が通過するスリットを、
基材1を挟み込んだ状態でシャットし、ドライコーティ
ングチャンバー10とセッティングチャンバー11とを
遮断するシャッター部材であり、基材1をセットする際
にドライコーティングチャンバー10内の真空度を維持
するものである。
【0038】本実施例でも、連続大量生産が可能である
ばかりでなく、ドライコーティングチャンバーが一つで
済み、設備がコンパクトで且つ投資も少なくて済む。
【0039】次に図6(a)に示すように、この光触媒
部材を車両に応用した例を示すと、基材1として線径
0.1mmのステンレス製線材を編みんで形成した10
0メッシュの網材を用い、これに光触媒層4を形成した
光触媒部材をフィルター19として車両20に用いてお
り、このフィルター19をインストルメントパネル21
のフロントウィンドウ用のデフロスター部22を覆うよ
うに取付けている。
【0040】即ち、図6(b)に拡大して示すように、
フィルター19は複数枚重ねて、その一端はインストル
メントパネル21にヒンジ23で回転自在に取付けられ
たホルダー24に、他端はロック機構25に保持される
ホルダー26に取り外し自在に装着されている。
【0041】而して、日中、フロントガラス27を通し
て紫外線がカットされた太陽光の可視光でもってフィル
ター19の光触媒層4が励起されて活性酸素や水酸基ラ
ジカルを発生する。そして、ファンユニット(図示せ
ず)を駆動することにより車両内の空気が循環しその空
気がデフロスター部22より吹き出る際に、フィルター
19を通過するが、この空気がフィルター19を通過す
る際に空気中の匂い物質や細菌類が、可視光により光触
媒層4で励起されて生じた水酸基ラジカルや活性酸素に
触れることによって分解浄化、脱臭、殺菌される。特
に、インストルメントパネル21のデフロスター部22
はフロントガラス27直下に有って常にフロントガラス
27を通して陽が差し込んでおり、日中、フィルター1
9は分解浄化、脱臭、殺菌機能を効果的に発揮できる。
【0042】尚、フィルター19をインストルメントパ
ネル21に対し着脱自在にしているので、フィルター1
9が目詰まりを起こした際、フィルター19を取り外し
て水洗できて好ましい。
【0043】本発明は上述の実施例に限定されること無
く種々の変形が可能であり、基材素材として黄銅、銅、
鉄などの金属やガラス繊維など800℃の温度に耐える
部材を用いても良い。
【0044】また、ドライコーティングの方法としてス
パッタリング法、イオンプレーティング法、電子ビーム
法、ホロカソード法などを用いても良い。
【0045】更に、チタン酸化物薄膜のチタン酸化物と
してTiOなどを用いても良く、更にはTi2O3薄膜
などTixOy薄膜を形成し、その後Ti薄膜を形成し
て加熱処理し、TixOyとTiとを反応させても良
い。
【0046】又、更に基材に先にチタン薄膜を形成し、
その後チタン酸化物薄膜を積層形成してから加熱処理
し、TixOyを主成分とする光触媒層を形成しても良
い。
【0047】更には、光触媒層にCr、Vなどの遷移金
属イオンを微量注入し、光触媒反応の効率を高めても良
い。
【0048】加熱処理する方法も、図4におけるドラム
を加熱して、チタン酸化物薄膜とチタン薄膜とを積層す
ると同時に加熱処理しても良い。
【0049】又、基材として網材を用いフィルターにし
た場合は、紫外線が透過し難い鑑賞用水槽や湖沼の浄化
用として用いることもでき、更にはレンジフードのフィ
ルターに用いても良く、この場合、蛍光灯、白熱球など
普通の室内用照明器具と組み合わせて、この照明器具か
ら照射される可視光でもって光触媒層4を励起し臭い物
質などの分解を図っても良い。
【0050】TixOyを主成分とする光触媒層は、太
陽電池などに用いても良い。
【0051】
【発明の効果】本発明の光触媒部材及びその製造方法は
以上のように、基材表面に、所定のTi成分含有比率で
酸化チタン酸化物とチタンとをコーティングして各々の
薄膜を形成すると共に800℃〜1200℃の非酸素雰
囲気にて加熱処理し、TixOy(x、yは1以外の整
数)を主成分とした光触媒層を形成するので、チタンそ
のものが有する強い還元力が作用してチタン酸化物から
酸素原子を奪い化合してTixOy(x、yは1以外の
整数)が形成され結晶化するをもって、表面に可視光領
域の光で活性化する光触媒層を施した光触媒部材を製造
でき、しかも制御し易いTi成分含有比率でチタン酸化
物とチタンとをコーティングして薄膜を形成し加熱する
だけでTixOyが安定して形成でき、更には通常の金
属などが溶融しない800℃〜1200℃で製造できる
をもって、装置自体が大型化せず、可視光領域の光で安
定して活性化する光触媒部材を大量生産、且つ安価に製
造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明光触媒部材の製造方法の工程を示す模
式図である。
【図2】 同製造工程に基く断面図であって、(a)は
チタン酸化物薄膜を基材にコーティングした断面図、
(b)はこれに更にチタン薄膜をコーティングした断面
図、(c)はチタン酸化物薄膜とチタン薄膜をコーティ
ングした基材を加熱した後の断面図である。
【図3】 同チタン酸化物とチタンをコーティングし各
々の薄膜を形成する装置の模式図である。
【図4】 同チタン酸化物とチタンをコーティングし各
々の薄膜を形成する別の装置の模式図である。
【図5】 図4の装置の作動状況を説明する模式図であ
る。
【図6】 同光触媒部材をフィルター部材に応用し車両
に用いた例を示し、(a)は模式図、(b)は要部の断
面図である。
【符号の説明】
A:チタン酸化物薄膜を基材にコーティングする工程 B:チタン酸化物薄膜にチタン薄膜をコーティングする
工程 C:チタン酸化物薄膜とチタン薄膜をコーティング後加
熱処理する工程 1:基材 2:チタン酸化物薄膜 3:チタン薄膜 4:光触媒層 5:第1のチャンバー 6:第2のチャンバー 7:熱処理チャンバー 8:酸素供給源 9:真空室 10:ドライコーティングチャンバー 11:セッティングチャンバー 12:ローラー 13:ローラー 14:ドラム 15:電子銃 16:チタンターゲット 17:蓋 18:シャッター部材 19:フィルター 20:車両 21:インストルメントパネル 22:デフロスター部 23: ヒンジ 24:ホルダー 25:ロック機構 26:ホルダー 27:フロントガラス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // A61L 9/00 B01D 53/36 J Fターム(参考) 4C080 AA07 CC01 MM02 4D048 AA21 BA07X BA07Y BA41X BA41Y BB03 BC07 BD01 EA01 4F100 AA21B AB12 AB12C AT00A BA02 BA03 BA07 EH112 EH462 EH662 EJ422 EJ58B EJ58C EJ582 EK172 JL02 JL08B JM02 YY00B 4G069 AA08 AA11 BA04A BA04B BB04A BB04C BC50A BC50B CA17 EA07 EB15X EB15Y EE01 EE06 EE08 FB02 FB23 FB29 FB58

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材表面に、所定のTi成分含有比率で
    チタン酸化物とチタンとをコーティングして各々の薄膜
    を形成すると共に800℃〜1200℃の非酸素雰囲気
    にて加熱処理し、TixOy(x、yは1以外の整数)
    を主成分とした光触媒層を形成したことを特徴とする光
    触媒部材。
  2. 【請求項2】 上記チタン酸化物が2酸化チタン(Ti
    O2)であり、2酸化チタンとチタンとをそのTi成分
    含有量を3対1の比率になる膜厚さで基材表面にコーテ
    ィングして各々の薄膜を形成すると共に800℃〜12
    00℃の非酸素雰囲気にて加熱処理し、Ti2O3を主
    成分とした光触媒層を形成したことを特徴とする請求項
    1記載の光触媒部材。
  3. 【請求項3】 上記基材表面に、酸素雰囲気でチタンを
    ドライコーティングして2酸化チタン薄膜を形成すると
    共に非酸素雰囲気でチタンをコーティングしてチタン薄
    膜を形成したことを特徴とする請求項1乃至2いずれか
    記載の光触媒部材。
  4. 【請求項4】 基材表面に、所定のTi成分含有比率で
    チタン酸化物とチタンとをコーティングして各々の薄膜
    を形成すると共に800℃〜1200℃の非酸素雰囲気
    にて加熱処理し、TixOy(x、yは1以外の整数)
    を主成分とした光触媒層を形成することを特徴とする光
    触媒部材の製造方法。
  5. 【請求項5】 上記チタン酸化物が2酸化チタン(Ti
    O2)であり、2酸化チタンとチタンとをそのTi成分
    含有量を3対1の比率になる膜厚さで基材表面にコーテ
    ィングして各々の薄膜を形成すると共に800℃〜12
    00℃の非酸素雰囲気にて加熱処理し、Ti2O3を主
    成分とした光触媒層を形成したことを特徴とする請求項
    4記載の光触媒部材の製造方法。
  6. 【請求項6】 上記基材表面に、酸素雰囲気でチタンを
    ドライコーティングして2酸化チタン薄膜を形成すると
    共に非酸素雰囲気でチタンをコーティングしてチタン薄
    膜を形成したことを特徴とする請求項4乃至5いずれか
    記載の光触媒部材の製造方法。
  7. 【請求項7】 上記基材が帯状部材であって、これをロ
    ール状に巻回して略真空状態のドライコーティングチャ
    ンバーに供給し、該ドライチャンバーでは、電界印加条
    件、不活性ガス条件、基材の加温条件などを変え、電界
    印加等によってチタンを蒸発させ、これにより放出した
    チタン原子に上記基材近傍において酸素ガスを供給する
    ことにより酸素原子を反応させながら上記基材表面にチ
    タン酸化物の薄膜を形成させる工程と、酸素ガスの供給
    を断ってチタン薄膜を形成させる工程とを備えることを
    特徴とする請求項4乃至6何れか記載の光触媒部材の製
    造方法。
  8. 【請求項8】 上記チタン酸化物薄膜とチタン薄膜のT
    i成分含有比率を、上記基材をドライコーティングチャ
    ンバーに供給する速度を一定にして、チタンを蒸発させ
    る電界印加条件を変えて設定したことを特徴とする請求
    項7記載の光触媒部材の製造方法。
  9. 【請求項9】 上記チタン酸化物薄膜とチタン薄膜のT
    i成分含有比率を、チタンを蒸発させる電界印加条件を
    一定にして、上記基材をドライコーティングチャンバー
    に供給する速度を変えて設定したことを特徴とする請求
    項7記載の光触媒部材の製造方法。
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