JP2002035179A - ゴルフクラブヘッド - Google Patents

ゴルフクラブヘッド

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JP2002035179A
JP2002035179A JP2000221109A JP2000221109A JP2002035179A JP 2002035179 A JP2002035179 A JP 2002035179A JP 2000221109 A JP2000221109 A JP 2000221109A JP 2000221109 A JP2000221109 A JP 2000221109A JP 2002035179 A JP2002035179 A JP 2002035179A
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face
head
plate
golf club
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JP2000221109A
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Shinji Yamamoto
眞司 山本
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Yokohama Rubber Co Ltd
Original Assignee
Yokohama Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヘッドの反発特性を高くして同時に強度特性
を満足することを可能にしたゴルフクラブヘッドを提供
する。 【解決手段】 フェース面1の少なくともインパクトエ
リアを1枚の板状シェル2から構成し、板状シェル2を
外殻シェル3の開口部に溶接して中空構造のヘッド本体
4を形成し、その溶接部5がフェース面1の輪郭の一部
に沿って存在する金属製中空ウッドタイプのゴルフクラ
ブヘッドにおいて、フェース面1の中央を中心として、
該フェース面1の輪郭に内接する円S1の半径をR1、
該フェース面1の輪郭に外接する円S3の半径をR3と
したとき、半径R2がR1+(R3−R1)/n(但
し、n=2〜3)となる同心円S2を求め、少なくとも
円S2と円S1とに挟まれた領域では、溶接部5のうち
フェース面1の輪郭に沿って存在する部分の溶接ビード
がヘッド内部にまで溶け込まないようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属製中空ウッド
タイプのゴルフクラブヘッドに関し、更に詳しくは、ヘ
ッドの反発特性を高くして同時に強度特性を満足するよ
うにしたゴルフクラブヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】ゴルフクラブでボールを打った場合、飛
距離を決定付ける要因は、打ち出し角度、バックスピン
量、ボールの飛び出し速度(以下、ボール初速と言う)
である。この中で、ボール初速に影響を及ぼす因子とし
て、ヘッドの反発特性が挙げられる。勿論、反発特性が
高いほどボール初速は速くなるのである。
【0003】ヘッドとボールとが衝突する所謂インパク
ト時にボール初速を速くするメカニズムは幾つかの説が
あるが、衝突現象を接触、一体移動、分離が非常に短時
間(約4/10000秒)に起こるものと考えると、衝
突の際にヘッドのフェース面が変形し、その衝撃をヘッ
ドが吸収することで、フック弾性を有するヘッドに対
し、ヒステリシス弾性を有するボールの変形が抑制され
る。そのため、同じ衝撃力が加わっても結果的にボール
のヒステリシスロスが少ない方が反発特性(反発係数)
が高まり、ボール初速が速くなると考えるのが一般的で
ある。
【0004】このようなヘッドの反発特性を高めるため
にヘッドのフェース面の変形量を大きくする試みが近年
盛んに行われている。また、ヘッドの反発特性に規制
(上限)を設けるルール改正(USGA)も発表され、
そのルールに適合し、かつ上限に近い反発特性を得るた
めにはゴルフクラブヘッドの設計精度や性能安定性の向
上が強く求められている。
【0005】ところで、金属製中空ゴルフクラブヘッド
としては、その製造方法に基づいて分類すると、ロスト
ワックス製法によって一面のみ開口部を持つ外殻シェル
を成形し、この開口部と略同形状の板状シェルを溶接に
よって接合した所謂鋳造ヘッドと、圧延板を適当な大き
さに切り出してプレスによって適当な形状に変形させた
2〜4個のパーツ及びホーゼルパイプを溶接によって接
合した所謂鍛造ヘッドとがある。なお、鋳造ヘッドの板
状シェルはロストワックス製法で成形されたものであっ
ても良く、圧延板をプレスによって適当な形状に変形さ
せたものであっても良い。
【0006】ヘッドの反発特性を高める方法としては、
ヘッドフェースの薄肉化、ヘッドフェース面の拡大、フ
ェース周辺部の薄肉化が従来から行われている。
【0007】いずれの製造方法においても、ヘッドフェ
ースの薄肉化やヘッドフェース面の拡大によってインパ
クト時におけるフェース面の変形を大きくした場合、フ
ェース面の変形が最も大きくなるのは、ボールがフェー
ス面の中央部に衝突したときであり、フェース面の歪み
が最も大きくなるのもフェース面の中央部(ボールが衝
突した位置)となる。
【0008】ところが、鋳造ヘッドの場合、フェース面
とこれに隣接する部分(クラウン、ソール、サイド)と
が連続した肉厚変化を有し、輪郭部分は大きな曲率を持
ち、剛性が高くなるためフェース面の変形を拘束するこ
とになる。即ち、図5に示すように、フェース部11と
クラウン部12とを一体的に成形した鋳造ヘッドでは、
フェース面13の変形が輪郭部の高剛性に起因して拘束
される。一方、鍛造ヘッドの場合、フェース部を1枚の
パーツとして輪郭部を溶接するのが一般的であるが、溶
接箇所は強固なものとなり、その剛性が高くなるためフ
ェース面の変形を拘束することになる。即ち、図6に示
すように、フェース部21とクラウン部22とを互いに
溶接した鍛造ヘッドでは、フェース面23の変形が溶接
部24の高剛性に起因して拘束される。
【0009】このようにフェース面の周辺部がフェース
面の変形を拘束してしまうと、フェース面の大きな変形
を得るためには、フェース面をより薄く、より大きくす
る必要がある。しかしながら、フェース面をより薄く、
より大きくすると、フェース面中央部での歪みが過大に
なってしまうので、インパクトの繰り返しによりフェー
ス部が割れてしまう危険性があり、反発特性が高いヘッ
ドはフェース面の強度が低く、フェース面の強度が十分
である場合は反発特性が低くなるという矛盾を生じるこ
とになる。
【0010】上記矛盾を解消する手段として、フェース
面周辺部の肉厚をフェース面中央部に比べて薄くするこ
とにより、フェース面周辺部がフェース面の変形を拘束
する作用を抑制し、フェース面の局部的な歪みを小さく
しながら必要な変形量を得ることが行われている。この
場合、反発規制のルールを視野に入れて特定の反発係数
を得るためにはFEM等による高度な計算が必要となる
が、3次元の衝突解析を行うため計算条件データの作成
や計算自体にも時間を要し、その割りには結果の精度が
不十分であり、最終仕様決定までには試行錯誤を余儀な
くされる。
【0011】鋳造ヘッドにおいては、フェース面の肉厚
分布を変更するには金型の修正が必要であり、この修正
作業に時間と費用を要する他、肉厚分布の違いにより熱
収縮が異なり、フェース面が一様な面ではなく、うねり
を生じてしまう可能性もある。一方、鍛造ヘッドにおい
ては、元々均一な肉厚を有する圧延板の肉厚分布を変化
させるために大きな圧力で熱間鍛造を行うことが必要で
あり、しかも肉厚分布を変更する度に新たな金型が必要
となるので、設備コストを含めた製造コストが大幅に増
大してしまうのである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ヘッ
ドの反発特性を高くして同時に強度特性を満足すること
を可能にしたゴルフクラブヘッドを提供することにあ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明のゴルフクラブヘッドは、フェース面の少なく
ともインパクトエリアを1枚の板状シェルから構成し、
該板状シェルを外殻シェルの開口部に溶接して中空構造
のヘッド本体を形成し、かつ板状シェルと外殻シェルと
の溶接部がフェース面の輪郭の一部に沿って存在する金
属製中空ウッドタイプのゴルフクラブヘッドにおいて、
前記フェース面の中央を中心として、該フェース面の輪
郭に内接する円S1の半径をR1、該フェース面の輪郭
に外接する円S3の半径をR3としたとき、半径R2が
R1+(R3−R1)/n(但し、n=2〜3)となる
同心円S2を求め、少なくとも円S2と円S1とに挟ま
れた領域では、前記溶接部のうちフェース面の輪郭に沿
って存在する部分の溶接ビードがヘッド内部にまで溶け
込むことを回避するようにしたことを特徴とするもので
ある。
【0014】また、上記目的を達成するための本発明の
ゴルフクラブヘッドは、フェース面の少なくともインパ
クトエリアを1枚の板状シェルから構成し、該板状シェ
ルを外殻シェルの開口部に溶接して中空構造のヘッド本
体を形成し、かつ板状シェルと外殻シェルとの溶接部が
フェース面の輪郭の一部に沿って存在する金属製中空ウ
ッドタイプのゴルフクラブヘッドにおいて、前記フェー
ス面の中央を中心として、該フェース面の輪郭に内接す
る円S1の半径をR1、該フェース面の輪郭に外接する
円S3の半径をR3としたとき、半径R2がR1+(R
3−R1)/n(但し、n=2〜3)となる同心円S2
を求め、少なくとも円S2と円S1とに挟まれた領域で
は、前記板状シェルの面取り部のうちフェース面の輪郭
に沿って存在する部分の面取り幅を隣接する外殻シェル
の肉厚よりも大きくし、溶接後の状態で該面取り部がヘ
ッド内部に露出するようにしたことを特徴とするもので
ある。
【0015】本願発明者は、二律背反の関係にある反発
特性と強度特性に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、フェー
ス面を構成する板状シェルを外殻シェルに対して溶接す
る構造とし、フェース面の中央寄りの領域の溶接条件を
適切に設定することにより、ヘッドの反発特性とフェー
ス面の強度特性を同時に改善可能であることを見い出
し、本発明に至ったのである。
【0016】即ち、フェース面の中央寄りの領域では、
溶接部のうちフェース面の輪郭に沿って存在する部分の
溶接ビードがヘッド内部にまで溶け込むことを回避する
ようにし、或いは板状シェルの面取り部のうちフェース
面の輪郭に沿って存在する部分の面取り幅を隣接する外
殻シェルの肉厚よりも大きくし、溶接後の状態で該面取
り部がヘッド内部に露出するようにしたことにより、フ
ェース面の厚さを均一にしながらフェース面の変形を拘
束する要因を排除することが可能になるので、複雑な計
算作業や製造コストの増大などの不都合を伴うことな
く、ヘッドの反発特性と強度特性を同時に向上すること
が可能になる。
【0017】本発明において、板状シェルは均一な厚さ
を有することが好ましい。この板状シェルの厚さは製造
誤差を含めて2.6mm以上であると良い。このような
板状シェルは、一定厚さの圧延板から切り出されて曲面
に曲げられたものやロストワックス製法による鋳造によ
って一定厚さに成形されたものを使用することができ
る。
【0018】また、ヘッドの反発特性と強度特性とを高
度にバランスさせるために、板状シェルと外殻シェルと
の溶接部がヘッド表面側ほど間隔が広くなるように板状
シェル及び外殻シェルの縁部に開先加工を施し、該開先
加工の最大幅aを3.0mm未満とし、最小幅bを1.
0mm未満にすることが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成について添付
の図面を参照して詳細に説明する。
【0020】図1〜図3は本発明の実施形態からなる金
属製中空ウッドタイプのゴルフクラブヘッドを示すもの
である。本実施形態のゴルフクラブヘッドは、フェース
面1の少なくともインパクトエリアを1枚の板状シェル
2から構成し、該板状シェル2を外殻シェル3の開口部
に溶接して中空構造のヘッド本体4を形成し、かつ板状
シェル2と外殻シェル3との溶接部5がフェース面1の
輪郭の上部及び下部に沿って存在する構成になってい
る。これら板状シェル2及び外殻シェル3を含むヘッド
本体4はチタン合金から構成されている。
【0021】板状シェル2は均一な厚さを有し、その厚
さが製造誤差を含めて2.6mm以上に設定されてい
る。この厚さが2.6mm未満であるとフェース面1の
強度特性が不十分になる。フェース面の適切な肉厚は、
フェース面の大きさや形状、フェース面の材質、スコア
ラインの分布や断面形状によって異なる。例えば、チタ
ン合金のうち、Ti-6Al-4V の場合は2.7mm以上、Ti
-15V-3Cr-3Al-3Snの場合は2.6mm以上にすれば良
い。
【0022】上述した板状シェル2は、一定厚さの圧延
板から切り出されて曲面に曲げられたものであっても良
く、或いはロストワックス製法による鋳造によって一定
厚さに成形されたものであっても良い。いずれの場合
も、複雑な計算作業や製造コストの増大などの不都合を
伴うことなく、一定厚さの板状シェル2を得ることがで
きる。一方、外殻シェル3は鋳造によって一体的に成形
されている。
【0023】図3に示すように、板状シェル2と外殻シ
ェル3との溶接部5がヘッド表面側ほど間隔が広くなる
ように板状シェル2及び外殻シェル3の縁部には開先加
工が施されている。即ち、板状シェル2の外殻シェル側
の角部には面取り加工が施され、外殻シェル3のヘッド
外側の角部には面取り加工が施され、これら面取り部2
a,3aの相互間隔がヘッド表面側ほど広くなってい
る。このようにして開先加工された部分には溶接ビード
が形成される。また、溶接ビード及び板状シェル2の余
剰部分は図中の破線部まで研磨により削除される。
【0024】上記ゴルフクラブヘッドにおいて、フェー
ス面1の中央(図心)を中心として、該フェース面1の
輪郭に内接する円S1の半径をR1、該フェース面1の
輪郭に外接する円S3の半径をR3としたとき、半径R
2がR1+(R3−R1)/n(但し、n=2〜3)と
なる同心円S2を求め、少なくとも円S2と円S1とに
挟まれた領域では、溶接部5のうちフェース面1の輪郭
に沿って存在する部分の溶接ビードがヘッド内部にまで
溶け込まないようにしてある。
【0025】また、少なくとも円S2と円S1とに挟ま
れた領域では、板状シェル2の面取り部2aのうちフェ
ース面1の輪郭に沿って存在する部分の面取り幅を外殻
シェルの隣接部の肉厚よりも大きくし、溶接後の状態で
該面取り部2aがヘッド内部に露出し、ヘッド内部から
確認できる状態になっている。
【0026】上述のように円S2と円S1とに挟まれた
フェース面中央寄りの領域では、溶接部5のうちフェー
ス面1の輪郭に沿って存在する部分の溶接ビードがヘッ
ド内部にまで溶け込むことを回避するようにしたことに
より、フェース面1の厚さを均一にしながら、フェース
面1の周辺部の剛性を低下させ、フェース面1の変形を
拘束する要因を排除することができる。そのため、従来
の鋳造ヘッドや鍛造ヘッドの場合とは異なって、複雑な
計算作業や製造コストの増大などの不都合を伴うことな
く、ヘッドの反発特性と強度特性を同時に向上すること
ができる。
【0027】また、円S2と円S1とに挟まれたフェー
ス面中央寄りの領域では、板状シェル2の面取り部2a
のうちフェース面1の輪郭に沿って存在する部分の面取
り幅を隣接する外殻シェル3の肉厚よりも大きくし、溶
接後の状態で該面取り部2aがヘッド内部に露出するよ
うにしたことにより、フェース面1の厚さを均一にしな
がら、フェース面1の周辺部の剛性を低下させ、フェー
ス面1の変形を拘束する要因を排除することができる。
そのため、上記と同様にヘッドの反発特性と強度特性を
同時に向上することができる。
【0028】フェース面中央寄りの領域を規定する同心
円S2の半径R2はR1+(R3−R1)/n(但し、
n=2〜3)の範囲で任意に選択することができる。特
に、n=2として半径R2が(R1+R3)/2となる
同心円S2を選択した場合、フェース面1の周辺部の剛
性をより効果的かつ確実に低下させることが可能になる
ため好ましい。
【0029】板状シェル2と外殻シェル3の開先加工の
最大幅aはa<3.0mm、より好ましくは2.0mm
<a<3.0mmの範囲に設定し、最小幅bはb<1.
0mm、より好ましくは0.5mm<b<1.0mmの
範囲に設定することが好ましい。これら最大幅a及び最
小幅bを上記範囲に設定することにより、溶接ビードの
流れを適度に規定することができる。
【0030】また、板状シェル2の面取り部2aのヘッ
ド内部への露出幅cはc≧1.0mm、より好ましくは
1.0mm≦c≦2.0mmの範囲に設定することが好
ましい。この露出幅cを上記範囲に設定することによ
り、フェース面1の周辺部の剛性を適度に低下させるこ
とができる。
【0031】
【実施例】同一形状を有する金属製中空ウッドタイプの
ゴルフクラブヘッドを下記の如く種々異なる方法で製作
し、従来ヘッド1(鋳造ヘッド)、従来ヘッド2(鍛造
ヘッド)、比較ヘッド、本発明ヘッド1〜3を得た。各
試験ヘッドについてフェース肉厚が異なるA〜Dの4タ
イプを用意した。但し、フェース肉厚は図4に示す測定
点t1〜t5での平均値である。
【0032】従来ヘッド1:ヘッドの材質としてチタン
合金(Ti-6Al-4V )を使用し、ソールに開口部を設けた
ドーム状の外殻シェルとソールプレートをそれぞれ鋳造
し、これらパーツを互いに溶接した。
【0033】従来ヘッド2,比較ヘッド,本発明ヘッド
1〜3:ヘッドの材質としてチタン合金(Ti-6Al-4V )
を使用し、フェース面となる板状シェルと、クラウンパ
ーツ及びソールパーツに分割した外殻シェルとをそれぞ
れ鋳造し、これらパーツを互いに溶接した。各パーツ
は、全て1つのヘッドデータから分割位置とフェース肉
厚だけを異ならせたデータを作成し、PRT法(RAPID
PHOTO TYPING) によって作成したワックスを用いて鋳造
した。板状シェルと外殻シェルには開先加工を施し、そ
の開先加工について個々のパーツを用いてピンポイント
溶接、研磨等により微修正を加えて精度を高めた。そし
て、半径R2が(R1+R3)/2となる円S2と半径
R1の円S1とに挟まれた領域において、開先加工の最
大幅a及び最小幅b、面取り部の露出幅cを所定の値に
設定した。
【0034】上記のように構成される試験ヘッドについ
て、下記の測定条件により反発特性と耐久特性を評価
し、その結果を表1に示した。
【0035】反発特性:反発特性の指標としてはUSG
Aの試験方法により反発係数を測定した。測定は試験ヘ
ッドをタイプ毎に5個づつ用意し、個々のヘッドに対し
て反発係数の測定を5回づつ行った。測定に使用したボ
ールを自社製ボールとしたため、反発係数の値は鋳造ヘ
ッドである従来ヘッド1で最も肉厚を薄くしたもの
(2.6mm)の測定値(平均値)を100とする指数
にて示した。この指数値が大きいほど反発係数が大きい
ことを意味する。この反発係数については、標準偏差σ
と、最大値と最小値との差(実測値)から求まるバラツ
キ範囲を併せて示した。
【0036】耐久特性:上記反発係数測定後のヘッドを
用い、ゴルフクラブを構成した状態でグリップ部を固定
し、フェース中央に64m/sの速度でボールを衝突さ
せ、フェース面に損傷(ひび、窪み、割れ)が発生する
までの打数を示した。耐久強度の判断規準は独自に設定
したもので、経験値である。上記条件で1000発以上
のボールを当ててもヘッドフェース部に損傷が認められ
ない場合には、ゴルフクラブヘッドとして十分な強度特
性を有すると判断し、1000発にて試験を中止した。
【0037】
【表1】
【0038】表1から判るように、同形状のヘッドでフ
ェース輪郭部の構造が同じであればフェース面の肉厚が
薄いほうが反発係数が高くなり、強度特性が低くなる傾
向がある。また、従来の鋳造ヘッドや鍛造ヘッドに比べ
て、本発明ヘッド1〜3は同じフェース肉厚の場合に高
い反発係数が得られている。言い換えると、フェース肉
厚を厚くしても高い反発係数が得られることになる。開
先構造の寸法a,b,cを変化させることで反発係数を
微調整することも可能であることが判る。この微調整に
よる反発係数の変化量は、従来構造でフェース肉厚を
0.2mm程度変化させた場合に相当する。
【0039】本発明ヘッド1と本発明ヘッド2の結果か
ら、フェース面を構成する板状シェルを外殻シェルに固
着するための溶接部のうち、円S2より外側のフェース
中央から離れた領域の溶接ビードの量(ヘッド内部への
溶け込み量)は、ヘッドの反発特性や強度特性に殆ど影
響を及ぼさないことが判る。
【0040】また、開先構造の寸法a,b,cを本発明
で規定する範囲より大きくしてしまうと、溶接作業によ
って溶接ビードの量を安定させることが困難になり、そ
の結果としてヘッドの反発係数がバラツキ、強度特性も
不安定になる。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、フ
ェース面の中央寄りの領域で、溶接部のうちフェース面
の輪郭に沿って存在する部分の溶接ビードがヘッド内部
にまで溶け込むことを回避するようにし、或いは板状シ
ェルの面取り部のうちフェース面の輪郭に沿って存在す
る部分の面取り幅を隣接する外殻シェルの肉厚よりも大
きくし、溶接後の状態で該面取り部がヘッド内部に露出
するようにしたから、ゴルフクラブヘッドの反発特性を
高くして同時に強度特性も満足することが可能になる。
【0042】また、開先構造を変化させることで反発特
性(反発係数)を調整することができるので、フェース
面を構成する板状シェルを圧延板から切り出す方法を用
いれば金型を製作しなくとも目的とする反発係数を容易
にかつ安定して得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態からなるゴルフクラブヘッド
を示す正面図である。
【図2】図1のゴルフクラブヘッドの縦断面図である。
【図3】図2のA部の拡大断面図である。
【図4】試験ヘッドのフェース肉厚の測定点を示す正面
図である。
【図5】従来の鋳造ヘッドのフェース輪郭部を拡大して
示す断面図である。
【図6】従来の鍛造ヘッドのフェース輪郭部を拡大して
示す断面図である。
【符号の説明】
1 フェース面 2 板状シェル 2a 面取り部 3 外殻シェル 3a 面取り部 4 ヘッド本体 5 溶接部

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェース面の少なくともインパクトエリ
    アを1枚の板状シェルから構成し、該板状シェルを外殻
    シェルの開口部に溶接して中空構造のヘッド本体を形成
    し、かつ板状シェルと外殻シェルとの溶接部がフェース
    面の輪郭の一部に沿って存在する金属製中空ウッドタイ
    プのゴルフクラブヘッドにおいて、前記フェース面の中
    央を中心として、該フェース面の輪郭に内接する円S1
    の半径をR1、該フェース面の輪郭に外接する円S3の
    半径をR3としたとき、半径R2がR1+(R3−R
    1)/n(但し、n=2〜3)となる同心円S2を求
    め、少なくとも円S2と円S1とに挟まれた領域では、
    前記溶接部のうちフェース面の輪郭に沿って存在する部
    分の溶接ビードがヘッド内部にまで溶け込むことを回避
    するようにしたゴルフクラブヘッド。
  2. 【請求項2】 フェース面の少なくともインパクトエリ
    アを1枚の板状シェルから構成し、該板状シェルを外殻
    シェルの開口部に溶接して中空構造のヘッド本体を形成
    し、かつ板状シェルと外殻シェルとの溶接部がフェース
    面の輪郭の一部に沿って存在する金属製中空ウッドタイ
    プのゴルフクラブヘッドにおいて、前記フェース面の中
    央を中心として、該フェース面の輪郭に内接する円S1
    の半径をR1、該フェース面の輪郭に外接する円S3の
    半径をR3としたとき、半径R2がR1+(R3−R
    1)/n(但し、n=2〜3)となる同心円S2を求
    め、少なくとも円S2と円S1とに挟まれた領域では、
    前記板状シェルの面取り部のうちフェース面の輪郭に沿
    って存在する部分の面取り幅を隣接する外殻シェルの肉
    厚よりも大きくし、溶接後の状態で該面取り部がヘッド
    内部に露出するようにしたゴルフクラブヘッド。
  3. 【請求項3】 前記板状シェルが均一な厚さを有する請
    求項1又は請求項2に記載のゴルフクラブヘッド。
  4. 【請求項4】 前記板状シェルの厚さが製造誤差を含め
    て2.6mm以上である請求項3に記載のゴルフクラブ
    ヘッド。
  5. 【請求項5】 前記板状シェルが一定厚さの圧延板から
    切り出されて曲面に曲げられたものである請求項3又は
    請求項4に記載のゴルフクラブヘッド。
  6. 【請求項6】 前記板状シェルがロストワックス製法に
    よる鋳造によって一定厚さに成形されたものである請求
    項3又は請求項4に記載のゴルフクラブヘッド。
  7. 【請求項7】 前記板状シェルと前記外殻シェルとの溶
    接部がヘッド表面側ほど間隔が広くなるように板状シェ
    ル及び外殻シェルの縁部に開先加工を施し、該開先加工
    の最大幅aを3.0mm未満とし、最小幅bを1.0m
    m未満にした請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の
    ゴルフクラブヘッド。
  8. 【請求項8】 前記ヘッド本体をチタン合金から構成し
    た請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のゴルフクラ
    ブヘッド。
  9. 【請求項9】 前記外殻シェルが鋳造によって一体的に
    成形されたものである請求項1乃至請求項8のいずれか
    に記載のゴルフクラブヘッド。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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