JP2002034938A - 血圧計 - Google Patents
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Abstract
程の時間を制御することのできる血圧計を提供する。 【解決手段】血圧測定が開始されると、制御演算部7は
急速排気弁4を閉じ、徐々排気弁5の弁開度を所定値に
制御した状態で加圧ポンプ3を制御し、被測定者の上腕
部に巻回されたカフ1内に空気を送り上腕部を加圧して
阻血する。この時、制御演算部7は最高血圧値を推定
し、推定した最高血圧値よりも高い圧力までカフ1内の
圧力を高めたところで、加圧ポンプ3を停止するととも
に徐々排気弁5を制御してカフ1内の空気を徐々に排気
してカフ圧を徐々に降下させ、この減圧期間において血
圧値を測定する。ここで、制御演算部7では、加圧時に
加圧ポンプ3による空気の送出量を略一定に制御すると
共に、徐々排気弁5の排気量を調整することによって、
加圧速度を変化させ、加圧時間を制御する。
Description
のである。
動脈脈波成分を抽出し、動脈脈波成分の変化に基づい
て、最高血圧値及び最低血圧値を示す時点を判定するオ
シロメトリック法を採用した血圧計が知られている。図
14は従来の血圧計を示すブロック図であり、被測定者
の要部に装着するカフ1に加圧ポンプ(加圧手段)3、
急速排気弁(第2の排気手段)4、徐々排気弁(第1の
排気手段)5をそれぞれ接続して、カフ圧を制御演算部
7で制御する。そのカフ圧を圧力センサ2で電圧信号に
変換し、A/D変換部(A/D変換手段)6によってデ
ジタル信号に変換して制御演算部7に入力する。そし
て、制御演算部7にてデジタル信号に変換された圧力値
(圧力データ)から被測定者の最高血圧値並びに最低血
圧値等を決定し、表示器8に表示したり、ブザー等の報
知手段9を鳴動させる。なお、10は制御演算部7に対
して血圧測定開始のトリガ信号等を入力するための操作
入力器、11は各部に電源を供給する電源部である。ま
た、制御演算部7およびA/D変換部6は、A/D変換
機能を備えた1チップのマイクロコンピュータにより構
成される。
ク図を示しており、A/D変換部6から入力されるデジ
タル信号は動脈脈波抽出手段12及びカフ圧抽出手段1
3に入力され、カフ圧に重畳されている動脈脈波成分
(動脈反圧)とカフ圧とが分離され、動脈脈波抽出手段
12から出力される動脈反圧と、カフ圧抽出手段13か
ら出力されるカフ圧とがデータとして記憶手段14に順
次格納される。記憶手段14に格納された動脈反圧とカ
フ圧とを用いて演算手段15では後述する比較演算を行
う。また、演算手段15による演算結果に基づいて血圧
判定手段16では最高血圧値及び最低血圧値を求め、決
定された最高血圧値及び最低血圧値を表示器8に表示す
る。さらに、演算手段15の演算結果に基づいて、排気
速度・脈波モニタ17により排気速度や脈拍数が求めら
れて表示器8に表示され、カフ圧モニタ18によりカフ
圧が求められて表示器8に表示される。また、カフ圧モ
ニタ18により検出されるカフ圧に基づいて、カフ圧制
御手段19により加圧ポンプ3と、急速排気弁(第2の
排気手段)4と、徐々排気弁5とが制御される。
血圧測定が開始されると、制御演算部7が急速排気弁4
を閉じ、徐々排気弁5を定常状態に制御した状態で加圧
ポンプ3を制御し、被測定者の上腕部に巻回されたカフ
1内に空気を送り上腕部を加圧して阻血する。カフ1内
の圧力を十分高めたところで、制御演算部7は加圧ポン
プ3を停止するとともに徐々排気弁5を制御してカフ1
の内部の空気を徐々に排気してカフ圧を徐々に降下させ
る。この減圧期間において、圧力センサ2により動脈反
圧とカフ圧とが重畳された圧力を検出する(図16
(a)参照)。圧力センサ2のアナログ出力はA/D変
換部6によってデジタル信号に変換され、制御演算部7
に入力される。ここで、A/D変換部6の出力は、略直
線的に低下するカフ圧に、同図(b)に示すような動脈
反圧が重畳された圧力に対応しているので、これらを分
離することで、同図(c)に示すような動脈反圧の脈波
値と、同図(d)に示すようなカフ圧の圧力値とが求め
られる。そして、脈波値の最大値Maxを求め、その最
大値Maxに所定の比率S(%),D(%)を乗じた値
と一致する動脈反圧に対応するカフ圧が、それぞれ最高
血圧値及び最低血圧値とされる。最高血圧値及び最低血
圧値の計測が終了すると、制御演算部7は急速排気弁4
を開いて、カフ1内の空気を急速に排気し、カフ圧を急
激に低下させて、カフ1内部を大気圧に開放する。
な従来の血圧計においては、カフ圧を最高血圧値以上に
まで加圧してから測定を行う必要がある。しかしなが
ら、最高血圧値には個人差があり、加圧時にどの程度ま
で加圧すれば良いか判らないため、一旦所定値まで加圧
してから減圧過程に移行し、減圧中に発生する動脈脈波
値などの生体情報信号から、加圧が十分であるか否かを
判定していた。そのため、最高血圧値の個人差を考慮し
て加圧を行うことがでず、必要以上に被測定部位を圧迫
する場合や、被測定部位の圧迫が不十分な場合が発生す
る虞があった。また、被測定部位の圧迫が不十分な場合
は、一旦減圧過程に入って血圧を測定する状態に移行し
てから、再び加圧を行い、被測定部位を加圧し直すこと
になるため、結果的に被測定者の肉体的な負担が増加す
るという問題があり、再加圧時に必要以上に加圧してし
まう虞もあった。
である加圧期間において、A/D変換部6の出力から制
御演算部7が最高血圧値を推定し、その推定結果に応じ
て制御演算部7が加圧時の圧力を決定するものが提案さ
れており、最高血圧値の個人差に応じて加圧時の圧力を
変化させることによって、被測定部位が必要以上に圧迫
されたり、加圧不足となるのを防止することができる。
ためには、加圧中に動脈脈波やコロトコフ音などの生体
情報を検出する必要があり、加圧時間を生体情報の検出
に必要な時間よりも長くする必要があるが、従来の血圧
計ではカフ圧の加圧速度は制御されておらず、加圧時間
にばらつきが発生して、加圧中に最高血圧値を推定でき
ない場合があった。
であり、その目的とするところは、血圧値を測定する減
圧過程の前段階である加圧過程の時間を制御することの
できる血圧計を提供することにある。
に、請求項1の発明では、被測定者の要部に装着して阻
血するカフと、カフ内に空気を送ってカフ内の圧力を上
昇させる加圧手段と、カフ内の空気を徐々に排気してカ
フ内の圧力を徐々に降下させる第1の排気手段と、カフ
内の空気を第1の排気手段よりも急速に排気してカフ内
の圧力を急速に降下させる第2の排気手段と、血圧値の
判定に用いる生体信号を電気信号に変換するセンサと、
センサの出力信号をサンプリングしてデジタル値に変換
するA/D変換手段と、A/D変換手段の出力データを
記憶する記憶手段と、記憶手段により記憶された出力デ
ータから血圧値を演算する演算手段とを備え、加圧手段
によりカフ内の圧力を上昇させた状態から、加圧手段を
停止させると共に、第1の排気手段によりカフ内の空気
を徐々に排気してカフ内の圧力を徐々に降下させる期間
に、演算手段が血圧値の判定に用いる生体信号を測定す
る血圧計において、加圧手段による空気の送出量を略一
定とし、加圧中に第1の排気手段による排気量を調整す
ることにより加圧時間を制御する排気量制御手段を設け
たことを特徴とし、排気量制御手段が、加圧手段による
空気の送出量に対して、第1の排気手段による排気量を
制御することによってカフ圧の加圧速度を制御し、加圧
に要する加圧時間を所望の時間に制御することができ
る。
いて、加圧中におけるA/D変換手段の複数個の出力デ
ータとこれらのデータを加算して得られる値を所定の計
算式により加算することで動脈脈波に対応する代替値を
演算し、この代替値の変化に基づいて最高血圧値を推定
するとともに推定した最高血圧値に応じてカフ内の圧力
上昇時の加圧値を設定する加圧値設定手段を設けたこと
を特徴とし、加圧値設定手段は、加圧時における動脈脈
波に対応する代替値から最高血圧値を推定することで、
適正な加圧値を設定でき、必要以上に加圧することによ
って被測定者に負担がかかったり、加圧不足が生じて再
度加圧しなければならなくなるのを防止できる。
明において、排気量制御手段は、加圧中に第1の排気手
段の排気量を加圧手段の送出量と略同じにすることによ
ってカフ圧を略一定にする期間を設けたことを特徴と
し、不整脈など脈拍の異常で生体信号が安定して検出で
きない場合でも、カフ圧を略一定にする期間を設けるこ
とによって加圧中の動脈脈波を安定して検出できる。
明において、排気量制御手段は、演算手段が血圧値の判
定に用いる生体信号を測定するのに必要な時間よりも加
圧時間を長くすることを特徴とし、演算手段が血圧値の
判定に用いる生体信号を加圧中に測定することができ、
加圧中に血圧測定を行える。
明において、第1の排気手段は排気量制御手段から入力
される制御信号に応じて排気量を制御し、排気量制御手
段は制御信号の周波数を生体信号に対する影響が小さく
なるような周波数に設定したことを特徴とし、生体信号
を正確に検出することができる。
明において、加圧中にカフ内の圧力に発生するリップル
成分を低減するように第1の排気手段による排気量を制
御するリップル抑制手段を設けたことを特徴とし、リッ
プル抑制手段が第1の排気手段による排気量を制御する
ことによって、カフ圧に含まれるリップル成分を低減で
き、生体信号を正確に検出することができる。
明において、排気量制御手段は、加圧初期時に第1の排
気手段による排気量を増加させることを特徴とし、加圧
初期時に第1の排気手段による排気量を増加させること
によって、カフ圧が急激に増加するのを防止できる。
明において、排気量制御手段は、加圧期間の後半に第1
の排気手段による排気量を低下させることを特徴とし、
第1の排気手段の排気量を低下させることによって加圧
速度を速めることができる。
明において、排気量制御手段は、加圧期間の末期に第1
の排気手段による排気量を増加させることを特徴とし、
第1の排気手段による排気量を増加させることによって
加圧速度が遅くなるので、加圧期間から減圧期間へ移行
する前後でカフ圧が急激に変化するのを防止できる。
発明において、加圧中に演算手段が血圧値を推定し、カ
フ内の圧力を減圧する期間において、排気量制御手段
は、演算手段の推定した血圧値の近傍では第1の排気手
段の排気量を低下させると共に、演算手段の推定した血
圧値の近傍以外では第1の排気手段による排気量を増加
させることを特徴とし、演算手段の推定した血圧値の近
傍では減圧速度を遅くすることによって血圧値の測定を
正確に行うことができ、且つ、演算手段の推定した血圧
値以外では減圧速度を速めることによって、血圧値の測
定に要する時間を短縮することができる。
発明において、加圧中におけるA/D変換手段の出力デ
ータから脈拍数を推定する脈拍推定手段を設け、排気量
制御手段は、脈拍推定手段の推定した被測定者の脈拍に
応じて第1の排気手段による排気量を制御することを特
徴とし、第1の排気手段は、脈拍推定手段の推定した脈
拍数に応じて加圧速度を変化させており、加圧時間を脈
拍数の個人差に応じて変化させることができる。
発明において、排気量制御手段は追値制御方式で第1の
排気手段による排気量を制御し、実際の排気量が目標値
を越えないようにフィードバックゲインを設定すること
を特徴とし、実際の排気量が目標値を越えないようにフ
ィードバックゲインを設定しているので、オーバーシュ
ートが発生し、実際の排気量が目標値に対して上下する
ことはなく、排気量の値が振動することによってノイズ
が発生するのを防止できる。
して説明する。
乃至図5を参照して説明する。尚、血圧計の基本的な構
成は従来例と共通するので、共通する構成要素には同一
の符号を付して、その説明を省略する。また、制御演算
部7の内部ブロックは従来例と同様であるので、図示及
び説明は省略する。
部7から入力されるPWM信号のデューティ比に応じて
弁開度が変化する制御弁を用いており、排気量制御手段
としての制御演算部7は、徐々排気弁5に出力するPW
M信号のデューティ比を変化させることによって、徐々
排気弁5の弁開度を変化させ、その排気量を変化させて
いる。
様に、一定電圧の電圧信号或いはデューティ比が一定の
PWM信号からなる制御信号を加圧ポンプ3に対して出
力しており、加圧ポンプ3による空気の送出量を略一定
に制御している。
フ1の中に空気を送って加圧する時(以下、単に「加圧
時」と略す)に、徐々排気弁5の排気量を制御すること
により、加圧ポンプ3の送出量に対して徐々排気弁5の
排気量を変化させ、カフ圧の加圧速度を変化させている
ので、カフ圧を加圧するのに要する時間を略一定に制御
することができ、加圧中に後述する最高血圧値の推定動
作を確実に行うことができる。
るA/D変換手段の複数個の出力データと、これらのデ
ータを加算して得られる値を所定の計算式により加算す
ることで動脈脈波に対応する代替値を演算し、この代替
値の変化に基づいて最高血圧値を推定するとともに推定
した最高血圧値に応じてカフ1内の加圧値(目標値)を
設定する加圧値設定手段を備えている。なお、本実施形
態では加圧値設定手段を演算手段15で兼用している。
圧力センサ2で検出したカフ1内の圧力をA/D変換部
6でデジタル信号に変換し、動脈脈波抽出手段12及び
カフ圧抽出手段13により動脈脈波値(動脈反圧)とカ
フ圧値のデータを抽出して記憶手段14に順次格納して
いる。但し、加圧時には減圧時のように動脈脈波値とカ
フ圧を精度よく抽出することが困難であり、加圧時の動
脈脈波値及びカフ圧のデータとしてA/D変換部6から
入力されるデジタル信号(データ)D(n)をそのまま
記憶手段14に記憶している。
2(a)に示すように加圧時に順次記憶手段14に格納
されるデータD(n)に所定の係数を加算して得られる
値を以下の計算式を用いて加算することにより、動脈脈
波に対応した代替値E(n+m)を演算する。
周波数成分が略零となるのに対し、動脈脈波は心拍数に
応じた周波数を有するものであるから、上式のようにカ
フ圧の複数のデータD(k)に対して動脈脈波の周波数に
対応した係数a(n+m-k),b(n+m-k)を乗じて加算するこ
とにより、データD(k)をフィルタリングして動脈脈波
に最も近い成分(代替値E(n+m))を抽出することがで
きる。なお、図2(b)は求めた代替値E(n+m)の包絡
線を示しており、横軸の時間の経過とともにカフ圧が上
昇している。
替値E(n+m)に対し、図3に示すように代替値E(n+m)が
負から正に変わるゼロクロス点E(n+i)及び正から負に
変わるゼロクロス点E(n+i+j)を動脈脈波の開始点及び
終了点と仮定し、この間に存在する複数個の代替値E(n
+i)〜E(n+i+j)の中の最大値Emaxを当該動脈脈波の代
表値とする。さらに演算手段15は、図4に示すように
各動脈脈波の代表値Emax1〜Emax5を比較し、前後の代
表値Emax1…に対して所定の閾値以上に値が変化した代
表値(図示例では代表値Emax3)が代表する動脈脈波を
最高血圧時の動脈脈波と判断し、この動脈脈波の開始点
となる代替値E(n+m)と対応したデータD(n+m)、すなわ
ち当該動脈脈波の開始点におけるカフ圧値のデータを記
憶手段14から読み出し、このデータD(n+m)に所定値
を加算した値を最高血圧値と推定する。そして、演算手
段15は上述のようにして推定した最高血圧値よりも低
くない値を、加圧値としてカフ圧制御手段19に対して
設定する。よって、カフ圧制御手段19は、カフ圧モニ
タ18により検出されるカフ圧が加圧値に達すれば加圧
ポンプ3を停止して加圧を終了する。なお、加圧終了後
は従来例で説明した手順でカフ圧を降下させながら最高
血圧値及び最低血圧値の測定が行われる。
式の計算式で処理することにより、動脈脈波に対応した
代替値E(n+m)を簡単に抽出することができ、この代替
値E(n+m)の変化を捉えることで加圧速度を含めた諸条
件に影響されることなく動脈脈波の開始点及び終了点を
決定し且つ動脈脈波のレベルを判断することができるか
ら、加圧時において最高血圧値を高い精度で推定するこ
とができる。その結果、加圧速度を含めた諸条件にかか
わらず、適正な加圧値が設定可能となるものである。し
たがって、加圧時に、カフ1を必要以上に加圧すること
によって被測定者に負担がかかったり、加圧不足が生じ
て再度加圧しなければならなくなるのを防止できる。
々排気弁5の排気量を加圧ポンプ3の送出量と略同じに
することによって、図5に示すようにカフ圧を略一定に
する期間T1を設けても良く、不整脈など脈拍の異常で
生体信号が安定して検出できない場合でも、カフ圧を略
一定に保った期間T1中に動脈脈波を確実に検出でき、
加圧中の動脈脈波を安定して検出できる。
十分遅い値(例えば2〜6mmHg/sec)に制御
し、演算手段15が血圧値の判定に用いる生体信号を測
定するのに必要な時間より加圧時間を長くしても良く
(図6参照)、演算手段15が血圧値の判定に用いる生
体信号を加圧中に測定することができるから、加圧中に
最高血圧値や最低血圧値の測定を行え、血圧の測定時間
を短縮できる。
する制御信号(PWM信号)の周波数は、制御演算部7
が測定する生体信号(動脈脈波)に対する影響が小さく
なるような周波数に設定するのが望ましく、例えば制御
信号の周波数を1kHz以上に設定することにより、生
体信号に対する影響を十分小さくでき、生体信号を正確
に検出することができる。
を参照して説明する。尚、血圧計の基本的な構成は実施
形態1と共通するので、共通する構成要素には同一の符
号を付して、その説明を省略する。
いて、カフ1内の圧力からリプル成分のみを抽出する帯
域通過フィルタよりなるリプル成分抽出部20を設けて
いる。そして、リプル抑制手段たる制御演算部7は、リ
プル成分抽出部20の抽出したリプル成分に同期して、
徐々排気弁5の弁開度を変化させているので、カフ圧に
発生するリプル成分を低減して、生体信号を正確に検出
することができる。
乃至図12を参照して説明する。尚、血圧計の基本的な
構成は実施形態1と同様であるので、その説明は省略す
る。
算部7が加圧速度を略一定に制御しているが、本実施形
態では図8に示すように加圧初期時(同図中の期間T
2)に徐々排気弁5の弁開度を大きくして、排気量を増
加させることにより、加圧速度を低下させており、加圧
初期時にカフ圧が急激に増加するのを防止している。
(同図中の期間T3)において、制御演算部7が徐々排
気弁5の弁開度を小さくして、排気量を低下させること
により、加圧速度を速めても良く、加圧速度を速めるこ
とによって、加圧時間を短縮することができる。
末期(同図中の期間T4)において、制御演算部7が徐
々排気弁5の弁開度を大きくして、排気量を増加させる
ことにより、加圧速度を遅くしても良い。カフ1は弾性
を有しており、カフ1が加圧期間の末期に急激に膨張す
ると、加圧期間から減圧期間に移行した際に急激な膨張
の反動で急激に収縮して、カフ圧が急激に低下するが、
加圧期間の末期に加圧速度を遅くすることによって、カ
フ1の膨張を緩やかにでき、加圧期間から減圧期間に移
行した際にカフ圧が急激に低下するのを防止できる(図
10のA3参照)。
を推定しており、図11に示すように血圧の測定を行う
減圧期間において、推定した血圧値の近傍では徐々排気
弁5の排気量を低下させて、減圧速度を遅くすると共
に、カフ圧が推定した血圧値の近傍以外(図11の期間
A1,A2)では徐々排気弁5の排気量を増加させて、
減圧速度を速めるようにしても良く、推定した血圧値の
近傍では減圧速度を遅くすることによって、血圧値の測
定を正確に行うことができ、且つ、推定した血圧値の近
傍以外では減圧速度を速めることによって、血圧値の測
定に要する時間を短縮することができる。
A/D変換部6の出力データから動脈脈波を検出してお
り、この動脈脈波から脈拍数を推定し、脈拍数の推定値
に応じて加圧中の加圧速度を変化させるようにしても良
い。例えば制御演算部7では、脈拍数が少ない場合は図
12(a)に示すように加圧速度を遅くして、加圧時間
を長くすると共に、脈拍数が多い場合は図12(b)に
示すように加圧速度を速めて、加圧時間を短くすること
により、脈拍数の個人差による加圧量のばらつきを低減
でき、血圧の測定を正確に行うことができる。
排気量(弁開度)を制御する際に、追値制御方式で排気
量を制御し、図13に示すように、実際の排気量(同図
中のイ)が目標値(同図中のロ)を越えないようにフィ
ードバックゲインを設定しても良い。ここで、同図中の
ハはフィードバックゲインを大きくした場合の排気量を
示しており、実際の排気量が目標値を上回り(すなわち
オーバーシュートが発生し)、目標値に対して上下する
ため、変動分の脈波と同じ周波数成分のノイズが発生す
るが、実際の排気量が目標値を越えないようにフィード
バックゲインを設定することによって、実際の排気量が
目標値を上回ることはなく、ノイズの発生を防止でき
る。
定者の要部に装着して阻血するカフと、カフ内に空気を
送ってカフ内の圧力を上昇させる加圧手段と、カフ内の
空気を徐々に排気してカフ内の圧力を徐々に降下させる
第1の排気手段と、カフ内の空気を第1の排気手段より
も急速に排気してカフ内の圧力を急速に降下させる第2
の排気手段と、血圧値の判定に用いる生体信号を電気信
号に変換するセンサと、センサの出力信号をサンプリン
グしてデジタル値に変換するA/D変換手段と、A/D
変換手段の出力データを記憶する記憶手段と、記憶手段
により記憶された出力データから血圧値を演算する演算
手段とを備え、加圧手段によりカフ内の圧力を上昇させ
た状態から、加圧手段を停止させると共に、第1の排気
手段によりカフ内の空気を徐々に排気してカフ内の圧力
を徐々に降下させる期間に、演算手段が血圧値の判定に
用いる生体信号を測定する血圧計において、加圧手段に
よる空気の送出量を略一定とし、加圧中に第1の排気手
段による排気量を調整することにより加圧時間を制御す
る排気量制御手段を設けたことを特徴とし、排気量制御
手段が、加圧手段による空気の送出量に対して、第1の
排気手段による排気量を制御することによってカフ圧の
加圧速度を制御し、加圧に要する加圧時間を所望の時間
に制御することができるという効果がある。
て、加圧中におけるA/D変換手段の複数個の出力デー
タとこれらのデータを加算して得られる値を所定の計算
式により加算することで動脈脈波に対応する代替値を演
算し、この代替値の変化に基づいて最高血圧値を推定す
るとともに推定した最高血圧値に応じてカフ内の圧力上
昇時の加圧値を設定する加圧値設定手段を設けたことを
特徴とし、加圧値設定手段は、加圧時における動脈脈波
に対応する代替値から最高血圧値を推定することで、適
正な加圧値を設定でき、必要以上に加圧することによっ
て被測定者に負担がかかったり、加圧不足が生じて再度
加圧しなければならなくなるのを防止できるという効果
がある。
において、排気量制御手段は、加圧中に第1の排気手段
の排気量を加圧手段の送出量と略同じにすることによっ
てカフ圧を略一定にする期間を設けたことを特徴とし、
不整脈など脈拍の異常で生体信号が安定して検出できな
い場合でも、カフ圧を略一定にする期間を設けることに
よって加圧中の動脈脈波を安定して検出できるという効
果がある。
において、排気量制御手段は、演算手段が血圧値の判定
に用いる生体信号を測定するのに必要な時間よりも加圧
時間を長くすることを特徴とし、演算手段が血圧値の判
定に用いる生体信号を加圧中に測定することができ、加
圧中に血圧測定を行えるという効果がある。
において、第1の排気手段は排気量制御手段から入力さ
れる制御信号に応じて排気量を制御し、排気量制御手段
は制御信号の周波数を生体信号に対する影響が小さくな
るような周波数に設定したことを特徴とし、生体信号を
正確に検出できるという効果がある。
において、加圧中にカフ内の圧力に発生するリップル成
分を低減するように第1の排気手段による排気量を制御
するリップル抑制手段を設けたことを特徴とし、リップ
ル抑制手段が第1の排気手段による排気量を制御するこ
とによって、カフ圧に含まれるリップル成分を低減で
き、生体信号を正確に検出できるという効果がある。
において、排気量制御手段は、加圧初期時に第1の排気
手段による排気量を増加させることを特徴とし、加圧初
期時に第1の排気手段による排気量を増加させることに
よって、カフ圧が急激に増加するのを防止できるという
効果がある。
において、排気量制御手段は、加圧期間の後半に第1の
排気手段による排気量を低下させることを特徴とし、第
1の排気手段の排気量を低下させることによって加圧速
度を速めることができるという効果がある。
において、排気量制御手段は、加圧期間の末期に第1の
排気手段による排気量を増加させることを特徴とし、第
1の排気手段による排気量を増加させることによって加
圧速度が遅くなるので、加圧期間から減圧期間へ移行す
る前後でカフ圧が急激に変化するのを防止できるという
効果がある。
明において、加圧中に演算手段が血圧値を推定し、カフ
内の圧力を減圧する期間において、排気量制御手段は、
演算手段の推定した血圧値の近傍では第1の排気手段の
排気量を低下させると共に、演算手段の推定した血圧値
の近傍以外では第1の排気手段による排気量を増加させ
ることを特徴とし、演算手段の推定した血圧値の近傍で
は減圧速度を遅くすることによって血圧値の測定を正確
に行うことができ、且つ、演算手段の推定した血圧値以
外では減圧速度を速めることによって、血圧値の測定に
要する時間を短縮できるという効果がある。
明において、加圧中におけるA/D変換手段の出力デー
タから脈拍数を推定する脈拍推定手段を設け、排気量制
御手段は、脈拍推定手段の推定した被測定者の脈拍に応
じて第1の排気手段による排気量を制御することを特徴
とし、第1の排気手段は、脈拍推定手段の推定した脈拍
数に応じて加圧速度を変化させており、加圧時間を脈拍
数の個人差に応じて変化させることができるという効果
がある。
明において、排気量制御手段は追値制御方式で第1の排
気手段による排気量を制御し、実際の排気量が目標値を
越えないようにフィードバックゲインを設定することを
特徴とし、実際の排気量が目標値を越えないようにフィ
ードバックゲインを設定しているので、オーバーシュー
トが発生し、実際の排気量が目標値に対して上下するこ
とはなく、排気量の値が振動することによってノイズが
発生するのを防止できるという効果がある。
図、(b)は動脈脈波の代替値E(n+m)の包絡線を
示す波形図である。
Claims (12)
- 【請求項1】被測定者の要部に装着して阻血するカフ
と、カフ内に空気を送ってカフ内の圧力を上昇させる加
圧手段と、カフ内の空気を徐々に排気してカフ内の圧力
を徐々に降下させる第1の排気手段と、カフ内の空気を
第1の排気手段よりも急速に排気してカフ内の圧力を急
速に降下させる第2の排気手段と、血圧値の判定に用い
る生体信号を電気信号に変換するセンサと、センサの出
力信号をサンプリングしてデジタル値に変換するA/D
変換手段と、A/D変換手段の出力データを記憶する記
憶手段と、記憶手段により記憶された出力データから血
圧値を演算する演算手段とを備え、加圧手段によりカフ
内の圧力を上昇させた状態から、加圧手段を停止させる
と共に、第1の排気手段によりカフ内の空気を徐々に排
気してカフ内の圧力を徐々に降下させる期間に、演算手
段が血圧値の判定に用いる生体信号を測定する血圧計に
おいて、加圧手段による空気の送出量を略一定とし、加
圧中に第1の排気手段による排気量を調整することによ
り加圧時間を制御する排気量制御手段を設けたことを特
徴とする血圧計。 - 【請求項2】加圧中におけるA/D変換手段の複数個の
出力データとこれらのデータを加算して得られる値を所
定の計算式により加算することで動脈脈波に対応する代
替値を演算し、この代替値の変化に基づいて最高血圧値
を推定するとともに推定した最高血圧値に応じてカフ内
の圧力上昇時の加圧値を設定する加圧値設定手段を設け
たことを特徴とする請求項1記載の血圧計。 - 【請求項3】排気量制御手段は、加圧中に第1の排気手
段の排気量を加圧手段の送出量と略同じにすることによ
ってカフ圧を略一定にする期間を設けたことを特徴とす
る請求項1又は2記載の血圧計。 - 【請求項4】排気量制御手段は、演算手段が血圧値の判
定に用いる生体信号を測定するのに必要な時間よりも加
圧時間を長くすることを特徴とする請求項1又は2記載
の血圧計。 - 【請求項5】第1の排気手段は排気量制御手段から入力
される制御信号に応じて排気量を制御し、排気量制御手
段は制御信号の周波数を生体信号に対する影響が小さく
なるような周波数に設定したことを特徴とする請求項1
又は2記載の血圧計。 - 【請求項6】加圧中にカフ内の圧力に発生するリップル
成分を低減するように第1の排気手段による排気量を制
御するリップル抑制手段を設けたことを特徴とする請求
項1又は2記載の血圧計。 - 【請求項7】排気量制御手段は、加圧初期時に第1の排
気手段による排気量を増加させることを特徴とする請求
項1又は2記載の血圧計。 - 【請求項8】排気量制御手段は、加圧期間の後半に第1
の排気手段による排気量を低下させることを特徴とする
請求項1又は2記載の血圧計。 - 【請求項9】排気量制御手段は、加圧期間の末期に第1
の排気手段による排気量を増加させることを特徴とする
請求項1又は2記載の血圧計。 - 【請求項10】演算手段は加圧中に血圧値を推定し、カ
フ内の圧力を降下させる期間において、排気量制御手段
は、演算手段の推定した血圧値の近傍では第1の排気手
段の排気量を低下させると共に、演算手段の推定した血
圧値の近傍以外では第1の排気手段による排気量を増加
させることを特徴とする請求項1又は2記載の血圧計。 - 【請求項11】加圧中におけるA/D変換手段の出力デ
ータから脈拍数を推定する脈拍推定手段を設け、排気量
制御手段は、脈拍推定手段の推定した被測定者の脈拍に
応じて第1の排気手段による排気量を制御することを特
徴とする請求項1又は2記載の血圧計。 - 【請求項12】排気量制御手段は追値制御方式で第1の
排気手段による排気量を制御し、実際の排気量が目標値
を越えないようにフィードバックゲインを設定すること
を特徴とする請求項1又は2記載の血圧計。
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