JP2002033260A - 荷電粒子線露光装置に用いられる透過率可変レチクル - Google Patents

荷電粒子線露光装置に用いられる透過率可変レチクル

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JP2002033260A
JP2002033260A JP2000216095A JP2000216095A JP2002033260A JP 2002033260 A JP2002033260 A JP 2002033260A JP 2000216095 A JP2000216095 A JP 2000216095A JP 2000216095 A JP2000216095 A JP 2000216095A JP 2002033260 A JP2002033260 A JP 2002033260A
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S Gordon Michael
エス ゴードン マイケル
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】荷電粒子線装置の性能評価を容易にし、好適な
操作パラメータを実証する方法を提供する。他の目的
は、透過率可変レチクルを提供する。 【解決手段】混成レチクルは一般に相補的な透明領域と
不透明領域を2つのレチクル層20,30の各々に配置
されたサブフィールドの一部に有する。2つのレチクル
層は互いに相対的に移動可能で、可変透過率シャッター
を形成し、光源のビーム電流とは独立に荷電粒子線の強
度を調整する。等方的若しくは非等方的(例えば局所的
にビーム電流密度が変化する)の一方を任意に形成で
き、続いて直ぐに、各々異なる透過率を有する特別にパ
ターンされたサブフィールドの最適焦点位置と同様に、
ビームパターン分解能と収差に対するビーム電流の効果
を検証できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、大きくは荷電粒子線露
光装置に関するものであり、より詳細には、電子線投影
装置のビーム電流の制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】リソグラフィープロセスは多くの異なっ
た種類のデバイス製造に用いられている。特に、半導体
集積回路の製造のようにとても小さい領域を選択的に露
光及び/又は制御しなければならないときに用いられ
る。集積回路を構成するトランジスタやキャパシター等
のデバイスの基本的な大きさや位置を形成するために少
なくとも1つのリソグラフィープロセスが必ず要求され
る。
【0003】現在、リソグラフィープロセスはウエハ表
面上に形成されたレジストを選択的に露光する集積回路
製造に用いられている。一般にレジストがポジ型か、ネ
ガ型かによって次に行われる現像工程では、露光された
領域若しくは露光されなかった領域のレジストが選択的
に除去され、実質的に影響を受けなかった領域のレジス
トが残る。従来、放射エネルギーはレジスト露光媒質の
選択であった。
【0004】しかしながら、近年の集積回路設計では、
極紫外線領域の短波長の光と位相シフトマスクや光近接
効果補正や変形照明等の分解能を向上させるデバイスを
用いて解像される線幅よりも狭い線幅を要求する。荷電
粒子線を用いたレジストの露光は、現在の集積回路設計
において、より一般的となってきている、より狭い線幅
を得る為に必要である。荷電粒子線の中でも電子線を用
いた露光が好ましい。これは、他の相対的な効果におい
て、電子の質量が小さいので電子線の制御が比較的小さ
な力で制御することが可能であるためである。
【0005】ポイントビーム露光装置はレジストの露光
のために、試料表面に単一のよく絞られたスポットを形
成する。このスポットは試料表面の選択された領域を走
査される若しくはステップアンドリピートのようにスポ
ット露光を不連続にさせる。しかしながら、一般に1回
の露光では多くても2,3百ピクセル程度しか露光する
ことができず、また、一つの集積回路チップは数億個以
上のピクセルを必要とする。従って、露光が相対的に高
速になったとしても、ポイントビーム装置のスループッ
トは高密度な大規模集積回路を経済的に実用化させるた
めにはとても低い。
【0006】許容可能なレベルのスループットを得るた
めに、近年では電子線投影露光装置が開発されている。
投影露光装置はレチクル上のサブフィールドに形成され
たパターン(数百万個のピクセルを含む)を投影する。
レチクルは相対的に広い幅を有する荷電粒子線の一部を
選択的に阻止又は散乱させる。装置の荷電粒子光学系に
よってパターンは縮小されるため、試料上に形成される
パターンはレチクル上に形成されるサブフィールドパタ
ーンよりも小さい。レチクルに形成されたサブフィール
ドパターンは連続する露光で繋ぎ合わされ、完全な集積
回路設計の全ての回路パターンが形成される。電子線投
影装置の荷電粒子線鏡筒は数多くの構成部品を有し、こ
れらは幾分か似ている(ここでは電子光学部品、あるい
は単純にレンズ、非点補正器等と呼ぶ)。一方で、荷電
粒子線露光装置における操作パラメータの相互関係はし
ばしば複雑である。例えば、与えられたビーム電流で
は、収差を最小化して、単一開口数(NA:ビーム半
角)に対する分解能は最適化されるが、逆に確率的クー
ロン相互作用、球面収差及び色収差に依存して各々はNA
の変化によって異なる変化を生じる。
【0007】従って、ある与えられたNAでは、ビーム
電流や荷電粒子線鏡筒の他の多くのパラメータに応じて
解像度は変化する。例えば、粒子間の相互作用可能な距
離を可能な限り制限し、電子間の確率的相互作用を減少
させるために、粒子線鏡筒の長さを短くすることは好ま
しい。しかしながら、ビーム電流の減少はこれに対応す
る露光時間の増加をもたらし、個々のサブフィールドの
露光時間が少し増加すると、一つのチップを製造するた
めに数多くのサブフィールドが必要であるという観点か
ら装置のスループットに非常に大きな打撃を与える。
【0008】ビーム電流に伴う分解能の変化は、電子線
等の荷電粒子線の光路中に配置されたレチクルサブフィ
ールドによって形成されたパターンを投影する荷電粒子
線投影装置にとって特に制御しにくい問題を発生させ
る。実際的には、電子相互作用の空間電荷成分によって
生じる焦点ズレは電流の変化に応じて焦点を補正するこ
とで補正可能である。しかしながら、確率的相互作用は
電流が1乗よりも小さく変化しても補正不可能となる。
【0009】スループットを最大にするためには、レチ
クル上のサブフィールドの位置を設計者による集積回路
上に形成されるパターンと同じにすることが考えられ
る。メモリー(DRAM)セルを含む集積回路では、多くの
サブフィールドで実質的に形状と大きさが等しい規則パ
ターンが存在する。故に、各々のサブフィールドからの
ビームの透過と、ウエハに入射するパターン化されたビ
ームの結果的なビーム電流はほぼ等しくできる。他方、
他の集積回路では各々の隣接するサブフィールドからの
透過は実質的に異なる。空間電荷による焦点ボケ補正の
ためにビームはサブフィールドごとに焦点補正が行われ
る。異なる透過のパターン間の分解能変化は前述したよ
うに確率的クーロン相互作用によって生じる。これは最
小線幅の(CD)の線幅均一性に影響を与える。線幅均一
性は、一般にはビーム分解能の約10%とされている。
【0010】レチクルサブフィールド間の異なる透過率
を補正するためにレチクル上のビーム電流を変化させる
事は(現在は適当なスピードで照明光学系を変化させる
ことができないにも拘わらず)可能であるが、これは他
の問題を発生させ、適当であるとは考えられない。重要
な素子(整形アパーチャ、コントラストアパーチャ、ブ
ランキングアパーチャ等)の熱負荷は照明電流と共に変
化し、これらの素子の変形を生じ、アライメントや照明
の変化及び/又はビームの非点収差を発生させる。ウエ
ハ上におけるパターン再現性を高い精度で維持するた
め、これらの予期される効果は補正を要求する。更に、
レチクル上の動的なビーム電流変化はビームの電流密度
を変化させ、これはウエハ上の電子ドーズ(μC/cm
2)に影響する。その為、電子ドーズを一定にするため
に、露光時間はレチクルに入射するビーム電流の関数と
して変化させなければならない。
【0011】一般に、荷電粒子線装置の操作パラメータ
は、複数の相互作用と複雑な荷電粒子線鏡筒の変化を考
慮するためにシミュレーションを通してほぼ決定され
る。しかしながら、最終的な操作パラメータの設定は、
荷電粒子線装置の実動作テストによって実現される。特
にNAの変更の様にハードウエアの調整が要求される時
に、このプロセスはとても高価で時間がかかる。
【0012】全ての集積回路パターンにわたるビーム分
解能の実証は特に難しく、その主な理由は多くの最小線
幅を計測しなければいけないからである。更に、(電子
間相互作用の空間電荷成分を補正するために)レチクル
サブフィールド透過率に応じてビームの焦点調整が再度
必要である。ウエハに入射する電流の関数として分解能
を評価するために、レジスト感度の測定を考慮するであ
ろう。もし、レチクル上のサブフィールド透過率の幅が
小さくビーム電流が限られた幅であるならば、この方法
は有用である。
【0013】よって、ビーム電流の変化に応じた荷電粒
子線鏡筒の分解能性能を実験的に得る事が必要である。
これは理論的なモデルの較正と、NAの最適化を必要と
する。あまりよくない解決手段としては、一つのレチク
ルサブフィールドを用いて、レチクル上に入射する電流
を変化させ、その後ビームの焦点を再調整し、分解能を
測定し(直接測定法又はウエハに露光することによって
測定する)、その後電流を変える等である。不幸にも、
レチクル上のビーム電流を変化させると、帯電効果が生
じ、前述したように非点収差及び/又は分解能の低下が
生じる。
【0014】より良い解決手段は、レチクル上に入射す
る電流は一定にし、サブフィールドの透過率を変化させ
ることである。しかしながら、従来は異なる不連続な透
過率とパターンを有する異なるサブフィールドでしか変
化させることはできなかった。故に、異なる電流密度と
電流分布における分解能の“サンプリング“に制限され
ていた。このような不連続なサンプルは、特に複雑な装
置性能においては重要な情報を不明瞭にする可能性が有
る。従って、レチクルサブフィールドの透過率制御によ
ってビーム電流の制御を連続的に可変にすることが可能
な方法が要求されている。
【0015】
【課題を解決するための手段】故に、本発明の目的は、
性能の評価を容易にし、荷電粒子線装置に好適な操作パ
ラメータを実証する方法を提供することである。本発明
の他の目的は荷電粒子線装置用の透過率可変レチクルを
提供することである。
【0016】本発明のこれらの及び他の目的を達成する
ため、荷電粒子線投影装置をテストするための混成レチ
クルが提供される。このレチクルはパターン領域、不透
明領域及び透明領域を有する第1のレチクル層と、この
第1レチクル層の透明領域と不透明領域の各々に相補的
な不透明領域と透明領域とを有する第2のレチクル層と
を有する。そして、リニアアクチチュエータがシャッタ
ーの要領で、2つの層を相対的に移動させる。
【0017】本発明の他の観点は、荷電粒子線投影装置
のビーム電流制御方法である。この方法は、荷電粒子線
により、2つのレチクル層を有する混成レチクルのサブ
フィールドを照明する工程を有しており、一方のレチク
ル層のサブフィールドは不透明領域、透明領域及びパタ
ーン領域を有し、他方のレチクル層のサブフィールドは
一方のレチクル層の不透明領域及びパターン領域と相補
的な透明領域と、一方のレチクル層の透明領域と相補的
な不透明領域を有し、一方のレチクル層と他方のレチク
ル層とを相対的に移動させる。
【0018】
【発明の実施の形態】図面を参照すると、特に図1で
は、本発明に関連した透過率が調整可能な混成レチクル
の配置10の分解組立図が示されている。混成レチクル
は少なくとも2つのレチクル層20,30を有し、これ
らは好ましくは一方の層は他方の層の上に近接して配置
される。一方のレチクル層は、好ましくはレチクル層3
0であり、小さなピエゾモーター等のリニアアクチュエ
ーター40によって他方のレチクル層に対して相対的に
移動される。位置エンコーダーが位置精度の改良及び/
又はレチクル層30の位置のモニターのために組み合わ
せて配置される。追加的なリニアアクチュエーターと位
置エンコーダー60が垂直方向の移動のために配置され
る。レチクル層30とレチクル層20の組み合わせは後
述するようにシャッターとして機能する。
【0019】積層数は実質的に発明の実施には重要では
ないが、20層くらいが好ましい。この層は後述するパ
ターン領域を有するサブフィールドを有し、パターン領
域は製造すべき設計に対応してレチクル内に配置され、
サブフィールドは通常の方法で位置決めされる。(例え
ば、移動テーブル50は本発明の方法を行う間は用いられ
ないが、ビームを用いたアライメントで混成レチクルの
サブフィールドを適当に位置決めするために用いられ
る)言い換えるならば、ウエハに結像されるパターンを
有するレチクル層はパターン像の分解能が通常のパター
ンを施されたレチクルで動作中の装置の性能を正確に反
映するような位置に配置される。
【0020】注意すべき事は、レチクル層20は一つの
サブフィールド(例えば図1の29)だけではなくレチ
クル上に複数のサブフィールドを有する事である。更
に、サブフィールド29を有するレチクル層20は、発
明の実施の為には図2Aに示される少なくとも一つのパ
ターン領域25を必要とする。しかしながら、図2Aに
示す様に、多くの場合は幾つかのパターン領域(サブフ
ィールドの4つの角と中央)を有する。パターン領域
は、ウエハに入射するビーム電流の関数として分解能を
評価する為に、分解能用パターン(例えば、孤立線及び
/又は大きさとピッチが変化するラインアンドスペース
アレイの集合)、キャリブレーション用パターン、及び
その他のパターンを有する。荷電粒子リソグラフィー装
置では一般に偏向と同様にレチクル及びウエハの両者に
対する移動テーブルを有する。そのため、装置性能の評
価の為に、試料面におけるウエハ上の要求される位置
に、異なるレチクルサブフィールドを露光、投影する事
ができる。
【0021】レチクル20はビーム電流の関数として分
解能を評価する目的のために、図2Aに示すサブフィー
ルド29を有する。図2Aのサブフィールド29は3つ
の領域を有する。それは、製造される集積回路のデザイ
ンルール若しくは得るべき要求された分解能に近いパタ
ーンを有するパターン領域25(暗い陰のついた部
分)、整形アパーチャの像が遮られないで通過する開口
領域26及び透過率が0%のメンブレン(不透明)領域
24(ハッチングされた部分)を有する。好ましくは、
相対的に少ない数のパターン領域25のみが配置され、
ある意味でサブフィールド全域におけるパターン再現性
の変化を観測するために、パターン領域25はサブフィ
ールド全体に分布している事が好ましい。従って、好ま
しい実施例では、図2Aに示すようにサブフィールドの
4つの角と中央にパターン領域を有する。パターン領域
25は試料に投影され、その後、電気的な手段若しくは
レジストに形成された像の評価のどちらかによって、ビ
ーム電流の変化に対する実際のビーム分解能を決定する
ための評価が行われる。
【0022】サブフィールド29の残りのアレイである
不透明領域24と開口領域26はほぼ同じ数であり、好
ましくは対称的に配置される。領域24,26のアレイ
の実際のパターンは本発明の実施には重要ではないが、
図示されるような市松模様(若しくは例えば直線若しく
は波形線のパターン)が、後述するように便利で簡単に
作ることができ、透過率関数の非線形性に依存しないと
考えられる。サブフィールドパターン29の透過率は約
50%であり、領域25の部分の透過率に依存する。サ
ブフィールド29の透過率が50%に非常に近い若しく
はわずかに50%を越すとビーム電流の最大幅を得るこ
とができるため好ましい。
【0023】レチクル層30は図2Bに示す35に似た
サブフィールドを有する(”シャッター”)。これは好
ましくは不透明領域36と開口領域34のみがパターン
に配置され、これらはレチクルパターン20の不透明領
域24,透明領域26に対して相補的である。しかしな
がら、これに関して開口領域32はレチクル層20のサ
ブフィールド29のパターン領域25の位置に対応して
配置される。また、開口領域34は少なくとも一つの座
標方向に対しては開口領域32に近接して配置され、そ
の結果、後述するように、パターン領域25が本発明の
操作期間中は不透明領域36に覆われない事が好まし
い。図示されたパターンでは、この開口領域32はL字
形状の開口をサブフィールド35の角に形成し、十字形
状をサブフィールド35の中央に形成する。レチクルサ
ブフィールド35の不透明領域36はレチクルサブフィ
ールド29の開口領域26に対応して配置される。サブ
フィールド35の透過率は50%より幾分か大きい。サ
ブフィールド29,35の設計では、パターン領域25
の要求される位置を決めた後、サブフィールド35の開
口領域を決め、それに対してサブフィールド29の不透
明領域24が相補的に形成される。
【0024】図3を参照すると、図3に詳細10’とし
て示されるように混成レチクル10のレチクル層20、
30は位置決めされ、サブフィールド29の透明領域2
6がサブフィールド35の不透明領域36によって覆わ
れるようにサブフィールド29、35は重なる。混成サ
ブフィールド10’の透過率とサブフィールドを通過す
るビーム電流は実質的に0となる(例えば、透過率は小
さなパターン領域25からの少ないものとなる)。しか
しながら、図4に示すように、レチクル層30がレチク
ル層20に対して相対的にわずかに右に(若しくは図5
に示すように左に)移動すると、サブフィールド29,
35もまた相対的に移動し、開口領域26,34は部分
的に一致する。ビーム電流は連続する透過率のレンジ内
で増加させることができる。このレンジの最大値はサブ
フィールド29,35の透過率の小さい方に一致する。
【0025】繰り返し周期若しくはパターンの領域(例
えば、24,26,34,36)の大きさに対応したこ
の移動は、可能なビーム電流の全てのレンジに対して要
求され、図2−5に示されるように、サブフィールドパ
ターンの横方向の大きさのほぼ1/11の大きさであ
る。電子線投影装置におけるサブフィールドの幅はレチ
クル上で1mmである。故に、図2−5に示すサブフィ
ールドの1/11のピッチはレチクル上で約90μmで
ある。サブフィールド35に対するサブフィールド29
の90μmの相対的な移動は、透過率を50%から実質
的に0%迄変化させる。1μm毎の相対的な移動に対し
て約0.59%の透過率変化が生じる。
【0026】相対的な移動は、リニアアクチュエーター
によって、連続的に若しくは任意の小さいインクリメン
トで増加させることが可能であり、図4,5に示すよう
に、実質的に0からサブフィールド29,35のどちら
か小さい方の透過率の間で実質的に要求される透過率を
作り出すことが可能である。より詳細には図4A,4B
では各々約40%、10%の透過率を示している。従っ
て、エンコーダーを伴った小さなピエゾモーターは、実
際のサブフィールドの大きさと不透明/透明領域の幅、
及び対称的若しくは等方的なビームを伴った本発明の実
施に適当である。混成サブフィールドを通過して試料に
入射するビーム電流は、ファラデーカップに入射したビ
ームを電位系を用いて測定することが可能である。
【0027】代わりに、図1のリニアアクチュエーター
60によって示されるように、相対的な移動及び/又は
2つの軸方向の相対移動はより大きな移動幅(例えば、
繰り返し周期の一つよりも大きい)を用いることができ
る。この方法では、レチクル層(シャッター)30とサ
ブフィールド35はサブフィールド29のパターン領域
25とは異なるパターンを有するレチクル層20上の2
9に近接したサブフィールド39の透過を調整するため
に用いることができる。リニアアクチュエーター40は
サブフィールドサイズの1mmよりも大きくレチクル層
30を移動しなければならなくなる。従って、サブフィ
ールド29よりもサブフィールド39の透過率を変化さ
せるためにレチクル層20上のサブフィールド39に関
連してサブフィールド35を用いる事が可能となる。従
って、ビーム断面の異なる領域における電流密度の非対
称性及び/又は非等方性の導入を含む多くの効果を装置
の混成レチクルを変えないで生じさせることができる。
【0028】上述したように、図3−5の様な電流密度
分布は実質的に等方的であるが、非等方性の程度は図5
の52に示されるように、パターン周期の大きさよりも
大きく、サブフィールドの幅よりも小さい移動によって
生じさせることができ、従って、一方のレチクル層のサ
ブフィールドの一部は他方のレチクル層のサブフィール
ドを囲む不透明領域(例えば、37であり、恐らくレチ
クルグリレージ(桟)に一致する)によって覆われる。
この様な場合、実際の移動とパターンの相補的関係とは
開口領域32の位置を僅かに変更し、上述したようにパ
ターン領域25を覆うことを避ける。レチクル層30の
サブフィールド内又は外に開口ストライプを設けること
によってパターン領域25の一部を覆うことの制御を避
ける又は与える。
【0029】本発明のこの変形例は、レチクル層20上
の一つまたはそれ以上の各々の”パターン化された”サ
ブフィールド上に重ね合わされるレチクル層30上の異
なる若しくは変更された”相補的”サブフィールドパタ
ーンを含み、また、例えば、小さな位置調整又は上述し
たリニアアクチュエータ40,60に付加されるより大
きな相対移動を提供するために、図1の破線70で概略
的に示す追加的な移動テーブル上にレチクル層30を配
置することを含ませる事ができる。更に、もし、移動テ
ーブル70の位置分解能が適当であるならば、リニアア
クチュエータ40及び/又は60は必要ではなく、移動
テーブル70を代わりに用いることができる。
【0030】局所的クーロン効果は、(同じサブフィー
ルド内における)局所的に高密度なパターンの領域と低
密度なパターンの領域とがビーム電流に応じて、異なる
平面に結像する状態を意味する。更に、サブフィールド
の形状(歪み)はレチクル特性の密度とビーム電流に依
存する。低電流では、焦点とサブフィールドの形状は、
同じ透過率を有する等方的なサブフィールドのものと似
ている。例えば、サブフィールドは、ある領域では局所
的な密度が約50%のラインアンドスペースパターンを
有し、同じサブフィールド内の他の領域ではキャリブレ
ーション若しくは他の離散的な局所的に低密度なパター
ンを有する。
【0031】上述したように、透過ビーム電流を測定す
ることによってサブフィールドの平均密度を求めること
ができる。等方的なサブフィールド29のパターン25
は図2−5に示されており、上述した。しかしながら、
完全な本発明のパターンと集積回路パターンのサブフィ
ールドでは存在するであろう局所的な非等方性の効果を
求めるために、上述した透過率可変レチクルは、マスク
層20の変更されたサブフィールドとレチクル層30の
相補的なサブフィールドを用いた非等方レチクルサブフ
ィールドに簡単に拡張可能である。サブフィールドは、
例えば、図6A,6Bに示すように、各々の層のサブフ
ィールドの領域61を削除又は追加された不透明領域2
4,36、開口領域26,34を有する。
【0032】これらの2つのレチクルサブフィールドが
本発明(非変更領域の透過率調整を含む)に関連して重
ね合わされる時、サブフィールドの左上のパターン領域
25aは相対的に高電流密度であり、それに対して、サ
ブフィールドの右下のパターン領域25bは相対的に低
電流密度(かつ密度が調整可能)である。このような非
対称パターンはサブフィールド29,35と共に混成レ
チクル10の各々の層20,30上に形成され、ビーム
を遮るためにレチクルステージ移動テーブル50によっ
て移動される。
【0033】前述したように、本発明は、種々のパター
ン化されたレチクルサブフィールドを透過する事によっ
て生じた異なるビーム電流における荷電粒子線投影鏡筒
及び装置の性能(特に分解能)の検証を容易にする方法
を提供する。本発明を用いてレチクルサブフィールドの
透過率の違いをシミュレーションすることによって、適
当かつ満足する分解能でレチクルの各々のサブフィール
ドを結像する際の操作パラメーターの適当な選択が、迅
速に経験的に求めることができ、同時に実証できる。実
際のビーム電流は測定できる及び/又は混成レチクルの
直下に配置されたファラデーカップに入射した電流の測
定によって混成レチクルはキャリブレーションされる。
【0034】単一の実施例により本発明を説明したが、
当業者は本発明が添付された請求項の精神と目的の範囲
内で変更を実施することに気付くであろう。
【図面の簡単な説明】
前述のそして他の目的、観点及び効果は後述する図面を
参照した本発明の好適な実施例の詳細な説明からより理
解されるであろう。
【図1】本発明に関連した調整可能な混成レチクルを分
解した透視図である。
【図2】図2A、2Bは本発明の好適な実施例の平面図
である。図2Aはパターン領域(暗い影のついた部
分)、透明領域(透明な部分)及び非パターンメンブレ
ン領域(ハッチングされた領域)を含み、図2Bは透明
領域(透明な部分)及び非パターンメンブレン領域(ハ
ッチングされた領域)を含み、これを“シャッター”レ
チクルと称す。
【図3】異なる透過率と異なる結果的なビーム電流を生
じさせる本発明の操作を示す。
【図4】異なる透過率と異なる結果的なビーム電流を生
じさせる本発明の操作を示す。図4A,4Bは本発明に
関連した異なる透過率生成を示す図4の詳細を示す。
【図5】異なる透過率と異なる結果的なビーム電流を生
じさせる本発明の操作を示す。
【図6】図6A,6Bは本発明の完全なパターン若しく
は変化に関連したビーム強度の非等方性を生じさせるレ
チクル層の典型的な平面図を示す。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】荷電粒子線投影装置のテストに用いられる
    混成レチクルであって、 パターン領域、不透明領域及び透明領域を有する第1の
    レチクル層と、 実質的に前記第1のレチクル層上の透明領域、不透明領
    域に対して実質的に各々が相補的である不透明領域と、
    透明領域を有する第2のレチクル層と、 前記第1レチクル層と前記第2レチクル層の一方と前記
    第1レチクル層と前記第2レチクル層の他方とを相対的
    に移動させる手段と、を有することを特徴とする混成レ
    チクル。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の混成レチクルであって、 前記一方のレチクル層と前記他方のレチクル層とを相対
    的に移動させる手段はピエゾモーターを有する事を特徴
    とする混成レチクル。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の混成レチクルであって、 前記一方のレチクル層と前記他方のレチクル層とを相対
    的に移動させる手段は、更にエンコーダーを有する事を
    特徴とする混成レチクル。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の混成レチクルであって、 前記第1レチクル層と前記第2レチクル層の一方は移動
    テーブルによって移動される事を特徴とする混成レチク
    ル。
  5. 【請求項5】請求項1に記載の混成レチクルであって、 前記他方のレチクル層は更なる変更されたサブフィール
    ドを有し、 前記移動させる手段は、一方のレチクル層の前記サブフ
    ィールドに前記更なる変更されたサブフィールドを重ね
    合わせる手段を有する事を特徴とする混成レチクル。
  6. 【請求項6】請求項1に記載の混成レチクルであって、 前記混成レチクルの前記一方及び前記他方のレチクル層
    に更にサブフィールドを有することを特徴とする混成レ
    チクル。
  7. 【請求項7】荷電粒子線投影装置におけるビーム電流制
    御方法であって、 荷電粒子線により2つのレチクル層を有する混成レチク
    ルのサブフィールドを照明する工程を有し、前記2つの
    レチクル層の一方のサブフィールドは不透明領域、透明
    領域及びパターン領域を有し、他方の前記レチクル層の
    サブフィールドは前記一方のレチクル層の不透明領域及
    びパターン領域に対して相補的な透明領域と、前記一方
    のレチクル層の透明領域に対して相補的な不透明領域
    と、を有し、 前記レチクル層の一方を前記レチクル層の他方に対して
    相対的に移動させる工程と、を有する事を特徴とする方
    法。
  8. 【請求項8】請求項7に記載の方法であって、 前記一方のレチクル層のパターン領域から投影されたパ
    ターンの分解能と収差のうち少なくとも一方を測定する
    工程を更に有する事を特徴とする方法。
  9. 【請求項9】請求項7に記載の方法であって、 前記一方のレチクル層を移動する工程は単一の方向に沿
    った移動を含む事を特徴とする方法。
  10. 【請求項10】請求項7に記載の方法であって、 前記一方のレチクル層を移動する工程は、2軸方向に沿
    った移動を含む事を特徴とする方法。
  11. 【請求項11】請求項7に記載の方法であって、 前記混成レチクルの前記サブフィールドによって投影さ
    れたパターンは実質的に等方である事を特徴とする方
    法。
  12. 【請求項12】請求項7に記載の方法であって、 更に、前記混成レチクルの更なるサブフィールドを照明
    するために前記混成レチクルを移動する工程を有する事
    を特徴とする方法。
  13. 【請求項13】請求項12に記載の方法であって、 前記混成レチクルの前記更なるサブフィールドによって
    投影された像は非等方である事を特徴とする方法。
  14. 【請求項14】請求項7に記載の方法であって、 前記レチクル層の一方を移動する工程は、前記一方のレ
    チクル層の前記サブフィールド上に他方のレチクル層の
    更なる変更をされたサブフィールドを重ね合わせる事を
    含む事を特徴とする方法。
  15. 【請求項15】請求項14に記載の方法であって、 前記混成レチクルの前記更なるサブフィールドによって
    投影された像は非等方である事を特徴とする方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN106873306A (zh) * 2015-12-11 2017-06-20 无锡华润上华科技有限公司 一种光刻版以及光刻方法

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