JP2002033043A - カラー陰極線管の製造方法 - Google Patents

カラー陰極線管の製造方法

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JP2002033043A JP2000215396A JP2000215396A JP2002033043A JP 2002033043 A JP2002033043 A JP 2002033043A JP 2000215396 A JP2000215396 A JP 2000215396A JP 2000215396 A JP2000215396 A JP 2000215396A JP 2002033043 A JP2002033043 A JP 2002033043A
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panel
heat absorbing
ray tube
color cathode
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紀美代 坂口
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  • Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 色ズレや色純度のバラツキ、さらには発光輝
度の低下を極力抑えることができるカラー陰極線管の製
造方法を提供する。 【解決手段】 パネル5の内面に形成された蛍光面11
上に導電反射膜12を形成した後、導電反射膜12を覆
う状態でパネル5の内面に熱吸収膜13を形成するカラ
ー陰極線管の製造方法において、パネル5の温度を常温
よりも高い所定の温度に保持し、該パネル5の内面に、
熱吸収材料を含む成膜材料を塗布して熱吸収膜13を形
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パネルの内面に形
成された蛍光面上に導電反射膜と熱吸収膜とを形成する
際に用いて好適なカラー陰極線管の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図4はカラー陰極線管におけるパネル構
造を説明する断面図である。図4において、パネル21
の内面には、赤・緑・青の各色の蛍光体を所定のパター
ン(ストライプ状、マトリックス状、ドット状、スロッ
ト状等のパターン)で配列させた蛍光体パターンと、各
色の蛍光体の隙間部分を埋めるように形成された黒色パ
ターン(一般的にはカーボンパターン)とからなる蛍光
面22が形成されている。この蛍光面22をパネル21
の内面に有するカラー陰極線管においては、電子銃から
発せられた電子ビームが、色選別マスク(アパチャーグ
リル、シャドウマスク等)を有する色選別電極(不図
示)を介して各色の蛍光体に選択的にランディングする
ことにより、カラー画像を表示するようになっている。
【0003】また、パネル21の内面に形成された蛍光
面22上には、これを覆う状態で導電反射膜23が形成
されている。導電反射膜23は、メタルバックとも称さ
れるもので、光反射率及び電子透過率の高いアルミニウ
ムによって形成されている。この導電反射膜23は、電
子ビームのランディングによって蛍光面22が発光した
際に、電子銃(図示せず)側へ向かって発せられる光を
パネル21側に反射して輝度を高め、かつ、蛍光面22
の電位を安定させるように機能する。
【0004】ところで、導電反射膜23を形成するアル
ミニウムは、上述した光の反射率に加えて、熱に対する
反射率も高いという特性をもつ。そのため、パネル21
の内面に導電反射膜23が露出していると、電子ビーム
が衝突したことで加熱された色選別電極からの放射熱
が、導電反射膜23で反射されて再度色選別電極に放射
されることにより、色選別電極が更に加熱されてしま
う。このように色選別電極が加熱されると、色選別電極
自体の熱膨張によって色選別マスクと蛍光体パターンと
の対応関係(位置関係)が変動する。その結果、パネル
21の蛍光面22上で電子ビームが規定の蛍光体から外
れた位置にランディングする、いわゆるミスランディン
グが発生し、色ズレ等を招いてしまう。
【0005】そこで従来においては、パネル21内面の
導電反射膜23上にこれを覆う状態で熱吸収膜24を形
成することにより、色選別電極から放射された熱を熱吸
収膜24で吸収し、導電反射膜23から色選別電極への
熱の反射及び放射を抑制して色選別電極の熱膨張を抑え
る、といった手法が採用されている。
【0006】このような熱吸収膜24を形成する手法と
して、特公昭62−47341号公報には、導電反射膜
23が形成されたパネル21の内面に、0.2〜0.3
Torr程度の真空度でアルミニウムを蒸着することに
より、黒色アルミニウム膜からなる熱吸収膜24を形成
する手法(以下、第1の従来例という)が開示されてい
る。
【0007】また、特開昭51−52782号公報に
は、アルコール類を主とする溶媒にカーボン(黒鉛)を
溶かしたカーボン溶液を、パネル21内面の導電反射膜
23上にスプレー塗布することにより、カーボン膜から
なる熱吸収膜24を形成する手法(以下、第2の従来例
という)が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、第1の
従来例においては、パネル21の内面に熱吸収膜24を
形成するにあたって、アルミニウムを0.2〜0.3T
orrという低い真空度の下で蒸着することから、蒸着
装置内が汚染され易く、また所望の真空度を得ることが
困難であった。そのため、熱吸収膜24の膜厚及び熱吸
収特性にバラツキが生じ、導電反射膜23から色選別電
極への熱の反射及び放射を有効に抑制することが困難で
あった。その結果、蛍光面22への電子ビームのミスラ
ンディングを確実に防止することが難しく、色ズレを十
分に抑えたカラー陰極線管を提供することが困難であっ
た。また、熱吸収膜24の膜厚のバラツキにより、散乱
電子に起因する色純度のバラツキも引き起こされてい
た。
【0009】また、第2の従来例においては、パネルの
内面にカーボン溶液を塗布した際に、そのカーボン溶液
に含まれる溶媒が蒸発するまでに時間的なバラツキが生
じ、これに伴う熱吸収膜24の膜厚及び熱吸収特性のバ
ラツキによって上記同様の不具合を招く恐れがあった。
また、第2の従来例では、溶媒の揮発性を利用して蛍光
面22へのカーボン溶液の浸透を抑えるようにしている
が、成膜条件(例えば、温度や湿度等の影響)によって
はカーボン液の浸透を確実に抑えることが困難であっ
た。そのため、カーボン溶液の浸透によって生じる蛍光
面での黒点を十分に改善することが難しく、黒点による
発光輝度の低下が懸念されていた。さらに、第2の従来
例では、熱吸収膜24としてのカーボン膜と導電反射膜
23としてのアルミニウム膜との間に十分な結着力が得
られないという不具合もあった。そのため、外部からの
振動によってカーボン膜の一部が脱落することも懸念さ
れ、色ズレに対して高い信頼性を備えるカラー陰極線管
を得ることが困難であった。
【0010】本発明は前記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、色ズレや色純度のバラツ
キ、さらには発光輝度の低下を極力抑えることができる
カラー陰極線管の製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明においては、パネ
ルの内面に形成された蛍光面上に導電反射膜を形成した
後、この導電反射膜を覆う状態でパネルの内面に熱吸収
膜を形成するカラー陰極線管の製造方法において、パネ
ルの温度を常温よりも高い所定の温度に保持し、該パネ
ルの内面に、熱吸収材料を含む成膜材料を塗布して熱吸
収膜を形成することとした。
【0012】上記カラー陰極線管の製造方法において
は、パネルの内面に成膜材料を塗布するときに、パネル
の温度を常温よりも高い所定の温度に保持しておくこと
で、成膜材料の乾燥が促進される。これにより、成膜材
料が乾燥するまでの時間的なバラツキや、蛍光面への成
膜材料の浸透を抑制することが可能となる。また、上記
所定の温度を40〜90℃の範囲に設定することによ
り、成膜時における室温の変化や湿度の影響、さらには
加熱によるパネル温度のバラツキを抑えることができ
る。また、成膜時のパネル温度にかかわらず、パネルの
内面に熱吸収材料と結着剤とを含む成膜材料を塗布して
熱吸収膜を形成することにより、導電反射膜に対する熱
吸収膜の結着性が良好なものとなる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0014】図1は本発明に係るカラー陰極線管の概略
構成を示す斜視図である。図示したカラー陰極線管1
は、全体として略フラスコ状を呈するとともに内部を真
空状態としたバルブ2内に、電子銃3と、複数列のスト
ライプ状のスリットを有した色選別電極4とを備えて構
成されたものである。なお、この例では、色選別電極4
としてアパチャーグリル方式のものを採用しているが、
それ以外の方式(例えば、シャドウマスク方式)を採用
したものであってもよい。
【0015】バルブ2は、光透過性を有する材料(一般
的には透明なガラス)によって形成されたもので、主と
して、パネル5、ファンネル6及びネック7によって構
成されている。パネル5は、主にスクリーン面を形成す
るフェース部8と、このフェース部8の周囲から略直角
に屈曲したスカート部9とによって構成されている。フ
ァンネル6は、シール部10をもってパネル5と一体に
接合されたもので、全体として略漏斗状に形成されてい
る。ネック7は、ファンネル6のくびれ部分から一体に
延出しており、このネック7内に電子銃3が組み込まれ
ている。
【0016】色選別電極4は、色選別マスクとなるアパ
ーチャグリルと、このアパーチャグリルを所定の張力を
もって支持するフレーム部材とによって構成されてい
る。この色選別電極4は、上述したアパーチャグリルを
パネル5の内面に近接させた状態で、バルブ2の内部に
組み込まれている。
【0017】フェース部8を形成するガラス面の内面
(パネル5の内面)には、蛍光面11が形成されてい
る。この蛍光面11は、赤、緑、青の蛍光体をそれぞれ
縦方向に沿ったストライプ状とし、かつそれらの蛍光体
ストライプを横方向に規則的に配列したものとなってい
る。なお、各色の蛍光体ストライプの間にはカーボン等
からなる黒色のストライプが配設されており、これによ
って蛍光面のコントラスト比の改善がなされている。
【0018】また、蛍光面11上には、蛍光体ストライ
プによって形成された表面の凹凸を平滑にするための有
機中間膜(図示せず)が形成され、その上に、図2に示
すようにアルミニウムの真空蒸着によって導電反射膜1
2が形成されている。そして、この導電反射膜12を覆
う状態でパネル5の内面に熱吸収膜13が形成されてい
る。
【0019】続いて、本発明に係るカラー陰極線管の製
造方法の実施形態として、特に、図3に示すように、パ
ネル5の内面に形成された蛍光面11上に、導電反射膜
12と熱吸収膜13を形成する場合の手法について説明
する。
【0020】先ず、パネル5の内面(蛍光面11上)に
導電反射膜12を形成するにあたっては、真空蒸着法を
用いる。即ち、パネル5を真空槽にセットして槽内を減
圧(排気)することにより、真空層内の真空度を例えば
10-2〜10-3Pa(10-4〜10-5Torr)程度と
して、アルミニウムを加熱源(ヒータ等)によって加熱
蒸発させることにより、蛍光面11上にアルミニウムの
導電反射膜12を形成する。
【0021】続いて、パネル5内面の導電反射膜12上
に、該導電反射膜12を覆う状態で熱吸収膜13を形成
する。熱吸収膜13を形成するにあたっては、その成膜
材料として、熱吸収率の高い熱吸収材料と、膜同士(導
電反射膜と熱吸収膜)を結着させる結着剤とを含むもの
を用いる。
【0022】熱吸収材料としては、グラファイトやカー
ボンブラック等のカーボン微粉末を用いることで、より
良好な熱吸収効果を得ることができる。またこれ以外に
も、アンチモン・スズの酸化物や、マンガン、アルミニ
ウムの酸化物を熱吸収材料として用いることができる。
一方、結着剤としては、これをゲル化したときに優れた
結着性(接着性)を発揮するSiO2(二酸化ケイ素)
を好適に用いることができる。
【0023】具体的な成膜材料の調合手法としては、シ
リコンアルコキシドの加水分解によって生成したシリカ
ゾルとカーボン微粉末等の熱吸収材料とを分散媒によっ
て分散させた非水性分散液を形成する。この非水性分散
液については、SiO2と熱吸収材料の固形分以外に、
例えば加水分解促進剤として硝酸を添加し、残りの大半
をエタノールとして調製する。
【0024】一方、上述のように導電反射膜12の形成
を終えたパネル5については、これを加熱炉に投入して
高温条件下に保持する。この保持時間については、取り
扱うパネル5のサイズや材質、質量等に応じて適宜設定
されるもので、パネル5が常温よりも高い所定の温度ま
で上昇し、かつパネル5全体にわたって均一かつ安定し
た温度状態が得られる条件で設定することが好ましい。
【0025】また、上記所定の温度については、40〜
90℃の範囲に設定することが好ましい。その理由は、
加熱炉によるパネル5の設定温度を40℃よりも低くす
ると、後述するように加熱炉からパネル5を取り出した
際に室温の変動による影響を受けやすくなり、またパネ
ル5の内面に成膜材料を塗布したときの乾燥時間も長く
なるうえ、湿度による膜品質への影響も受けやすくなる
ためである。また、パネル5の設定温度を90℃よりも
高くすると、加熱による温度のバラツキが生じやすくな
り、また加熱時間も長くなって生産性の低下につながる
ためである。
【0026】その後、加熱炉からパネル5を取り出し、
先述のように成膜材料として調合した非水性分散液をパ
ネル5内面の導電反射膜12上に均一に塗布する。この
ときの塗布方法としては、生産性の高いスプレー法を採
用し、パネル5の内面に非水性分散液を均一に噴霧塗布
することが望ましい。
【0027】このようにパネル5を常温よりも高い温度
に保持して該パネル5の内面に成膜材料(非水性分散
液)を塗布することにより、特に、成膜材料の中に含ま
れる分散媒の蒸発が促進される。これにより、非水性分
散液に含まれるアルコール類(本例ではエタノール)の
揮発作用とも相まって、パネル5の内面に塗布した成膜
材料(非水性分散液)を瞬時に乾燥させることができ
る。その結果、蛍光面11への成膜材料の浸透を阻止
し、輝度低下の要因となる黒点の発生を有効に防止する
ことが可能となる。また、成膜材料が乾燥するまでの時
間にバラツキが生じなくなるため、熱吸収膜13の膜質
及び熱吸収特性が非常に安定したものとなる。さらに、
室温の変動による影響を殆ど受けないため、膜質が良好
でかつ安定した熱吸収膜13が得られる。
【0028】続いて、パネル5とファンネル6とを接合
するフリットシール工程において、酸化雰囲気にて45
0℃で20分加熱することにより、パネル5内面での塗
布膜の脱水、脱アルコールを進め、これにより特にシリ
カゾルをゲル化して酸化膜(SiO2)とし、熱吸収膜
13を得る。このとき、ゲル化によって形成される酸化
膜は結着剤(バインダー)となり、この酸化膜中に熱吸
収材料が分散してなる熱吸収膜13が得られることによ
り、結果として熱吸収膜13が導電反射膜12上の全面
に強固に結着したものとなる。その後は、周知の製造プ
ロセスによってカラー陰極線管1を完成させる。
【0029】このようにして得られるカラー陰極線管1
においては、熱吸収膜13の成膜材料に含まれる熱吸収
材料としてカーボン微粉末を用いた場合、このカーボン
微粉末の含有量を、上記成膜材料の全固形分に対して9
0重量%以下とするのが、結着剤として機能するSiO
2の量を十分に確保して導電反射膜12との良好な結着
性を得ることができる。
【0030】また、熱吸収膜13を形成する際の膜厚と
しては、30nm以上でかつ550nm以下となるよう
に制御することが好ましい。その理由は、膜厚が30n
m未満では熱吸収膜13としての熱吸収効果等が十分に
発揮されず、また膜厚が550nmを越えると熱吸収効
果はより大きくなるものの、陰極線管の他特性に悪影響
を及ぼす恐れがあるためである。例えば、熱吸収膜13
の膜厚が550nmを越えると、カラー陰極線管の発光
輝度が許容範囲を外れて低下してしまう。そこで、これ
を補正するため電流量を上げると、消費電力の増大やフ
ォーカス特性の劣化など、陰極線管の他特性に悪影響を
与えてしまう。
【0031】ここで、本実施形態によって得られたカラ
ー陰極線管1において、熱吸収膜13の膜厚と色選別電
極4の熱変形による色ズレの改善率との関係を図3に示
す。なお、熱吸収膜13については、熱吸収材料として
カーボン微粉末を用いるとともに、そのカーボン微粉末
の含有量を、成膜材料の全固形分に対して50重量%と
した。
【0032】また、色ズレの改善率は、次のようにして
求めた。即ち、熱吸収膜13を設けないときの色ズレの
発生率をX、熱吸収膜13を設けたときの色ズレの発生
率をYとして、色ズレ改善率={(X−Y)/X}×1
00〔%〕と定義した。そして、成膜時における熱吸収
膜13の膜厚を種々変えて色ズレ改善率を求め、その結
果を図3に示した。この図3の結果から、熱吸収膜13
の膜厚を30nm以上とすることで、色ズレを良好に改
善できることが分かった。
【0033】一方、パネル5の内面(導電反射膜12
上)に熱吸収膜13を形成するにあたって、成膜時のパ
ネル5の温度を変えてカラー陰極線管1を作製し、発光
輝度の評価を行ったところ、以下の表1に示すような結
果が得られた。なお、表1においては、パネル5の内面
(蛍光面11上)に導電反射膜12のみを形成し、熱吸
収膜13が無しの状態のときの発光輝度を100%とし
て、パネル温度による発光輝度の違いを相対的に示して
いる。
【0034】
【表1】
【0035】この表1から分かるように、パネル5の温
度を室温(常温)にして熱吸収膜13を形成(パネル5
の内面に熱吸収材料を含む成膜材料を塗布)したときは
発光輝度が93%まで低下しているものの、パネル5の
温度を50℃としたときは発光輝度が98%まで上昇
し、さらにパネル5の温度を90℃としたときは発光輝
度が100%、即ち熱吸収膜13による発光輝度の低下
がゼロの状態まで改善されている。この結果からも、パ
ネル5の温度を常温よりも高い温度に保持して熱吸収膜
13の形成を行うことが、発光輝度を高めるうえで非常
に有効であることが容易に理解できる。
【0036】なお、パネル5の内面に熱吸収膜13を形
成するにあたって、パネル5を所定の温度(好ましくは
40〜90℃の範囲)に保持することによる効果や、熱
吸収膜13の成膜材料をスプレー法によって塗布するこ
とによる効果、さらには熱吸収材料にカーボン微粉末を
用いることによる効果や、膜厚が30nm以上でかつ5
50nm以下となるように熱吸収膜13を形成すること
による効果は、成膜材料に結着剤を含まない場合でも同
様に得られるものである。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、パ
ネルの温度を常温よりも高い温度に保持して該パネルの
内面に成膜材料を塗布することにより、蛍光面への成膜
材料の浸透を抑制できるとともに、膜厚及び熱吸収特性
の安定した熱吸収膜を得ることができる。これにより、
色ズレや色純度のバラツキ、さらには発光輝度の低下を
極力抑えたカラー陰極線管を製造することが可能とな
る。また、パネルの内面に、熱吸収材料と結着剤とを含
む成膜材料を塗布して熱吸収膜を形成することにより、
導電反射膜と熱吸収膜との結着力を十分に高めることが
できる。これにより、色ズレに対して信頼性の高いカラ
ー陰極線管を製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るカラー陰極線管の概略構成を示す
斜視図である。
【図2】図1に示すカラー陰極線管のパネル構造を示す
断面図である。
【図3】熱吸収膜の膜厚と色ズレ改善率の関係を示す図
である。
【図4】カラー陰極線管のパネル構造を説明する断面図
である。
【符号の説明】
1…カラー陰極線管、2…バルブ、3…電子銃、4…色
選別電極、5…パネル部、11…蛍光面、12…導電反
射膜、13…熱吸収膜

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パネルの内面に形成された蛍光面上に導
    電反射膜を形成した後、該導電反射膜を覆う状態で前記
    パネルの内面に熱吸収膜を形成するカラー陰極線管の製
    造方法において、 前記パネルの温度を常温よりも高い所定の温度に保持
    し、該パネルの内面に、熱吸収材料を含む成膜材料を塗
    布して前記熱吸収膜を形成することを特徴とするカラー
    陰極線管の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記所定の温度を40〜90℃の範囲に
    設定することを特徴とする請求項1記載のカラー陰極線
    管の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記成膜材料は、熱吸収材料と結着剤と
    を含むことを特徴とする請求項1記載のカラー陰極線管
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記成膜材料をスプレー法によって塗布
    することを特徴とする請求項1記載のカラー陰極線管の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 前記熱吸収膜を、その膜厚が30nm以
    上でかつ500nm以下となるように形成することを特
    徴とする請求項1記載のカラー陰極線管の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記熱吸収材料にカーボン微粉末を用い
    ることを特徴とする請求項1記載のカラー陰極線管の製
    造方法。
  7. 【請求項7】 前記カーボン微粉末の含有量を、前記成
    膜材料の全固形分に対して90重量%以下とすることを
    特徴とする請求項6記載のカラー陰極線管の製造方法。
  8. 【請求項8】 パネルの内面に形成された蛍光面上に導
    電反射膜を形成した後、該導電反射膜を覆う状態で前記
    パネルの内面に熱吸収膜を形成するカラー陰極線管の製
    造方法において、 前記パネルの内面に、熱吸収材料と結着剤とを含む成膜
    材料を塗布して前記熱吸収膜を形成することを特徴とす
    るカラー陰極線管の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記成膜材料をスプレー法によって塗布
    することを特徴とする請求項8記載のカラー陰極線管の
    製造方法。
  10. 【請求項10】 前記熱吸収膜を、その膜厚が30nm
    以上でかつ500nm以下となるように形成することを
    特徴とする請求項8記載のカラー陰極線管の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記熱吸収材料にカーボン微粉末を用
    いることを特徴とする請求項8記載のカラー陰極線管の
    製造方法。
  12. 【請求項12】 前記カーボン微粉末の含有量を、前記
    成膜材料の全固形分に対して90重量%以下とすること
    を特徴とする請求項11記載のカラー陰極線管の製造方
    法。
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