JP2002030992A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

内燃機関の排気浄化装置

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JP2002030992A JP2000213810A JP2000213810A JP2002030992A JP 2002030992 A JP2002030992 A JP 2002030992A JP 2000213810 A JP2000213810 A JP 2000213810A JP 2000213810 A JP2000213810 A JP 2000213810A JP 2002030992 A JP2002030992 A JP 2002030992A
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彰 田山
Takashi Fukuda
隆 福田
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博文 土田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】成層燃焼運転時において、EGR量当たりの排
気浄化(NOx低減)効果を高め、EGRを大量に行わ
なくとも、排気浄化効果が得られるようにする。 【解決手段】4バルブエンジンの場合、EGR通路31
は、2つの排気ポートのうち、第1のもの20aに接続
する。この排気ポート20aに対して設けられる排気弁
16aは、第2の排気弁16bの開時期より遅くに開
き、また該第2の排気弁16bの閉時期より早くに閉じ
るようにする。第1の排気弁16aの弁開期間は、負荷
や回転数の増大にあわせて延長する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の排気浄
化装置に関する。より詳細には、成層燃焼をすることの
できる内燃機関において、排気還流を行って排気を浄化
する場合に、成層燃焼運転時における排気還流量当たり
の排気浄化効果を高めるための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、地球温暖化防止の観点から内燃機
関の燃費向上の必要性が高まり、特定運転領域にて稀薄
空燃比燃焼、すなわち、理論空燃比よりリーンで運転さ
れる内燃機関が普及しつつある。その中には、特に低負
荷低回転域にて成層燃焼、すなわち、点火栓近傍に適度
の空燃比の混合気を形成し、さらにその周りに多量の余
剰空気が存在する状態での燃焼を行うものがある。成層
燃焼では、点火栓近傍の混合気のみが燃焼に寄与するこ
とになるため、均質燃焼の場合と比較して、空燃比を大
幅にリーン化することができ、燃費向上効果が高い。
【0003】ところで、リーンでの運転、すなわち、燃
焼が酸素過剰雰囲気で行われる場合には、燃焼の結果排
出される排気ガスは酸素を多く含むうえ、還元成分が不
足しているため、排気ガス中のNOxを還元浄化するこ
とは難しい。よって、リーンで運転する場合に大気への
NOx放出量を低減するには、燃焼時に生成されるNO
x自体を減少させる必要がある。このためには、排気還
流(EGR)が有効である。
【0004】このEGRとは、既燃ガスの一部を吸気に
導入して、混合気中におけるCO2(比熱が大きい)濃
度を増加させ、燃焼温度を低下させることにより、NO
x生成量を低減する技術である。
【0005】ところが、実際には、排気ガス中のCO2
濃度は、運転空燃比の変化に伴って変化するため、上記
のようなリーン燃焼機関にあっては、EGR流量に対す
るNOx低減効果が変化する。従って、このような内燃
機関では、排気ガス中のCO 2 濃度の変化に対応した対
策を施すのが好ましい。これを目的とした従来技術とし
て、特開平11−236857号公報に開示されるもの
がある。
【0006】このものは、リーン運転時にEGRを行う
際に、EGRガスに含まれる既燃ガスの、全吸入ガスに
対する割合を算出し、これが目標値と一致するように、
EGR量を制御するものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このも
のでは、次のような問題がある。成層燃焼は、前述の通
り燃費向上効果が高く、なるべく広い運転領域に渡って
適用されるのが望ましい。成層燃焼では、燃焼に寄与す
る混合気が点火栓近傍に限られる分、均質燃焼の場合と
比べて、多量にEGRをしても燃焼安定性が損なわれ難
いという一面がある。しかし、大幅なリーン化により排
気ガス中のCO2濃度が著しく低下しているため、EG
RによるNOx低減効果は得られにくい。
【0008】このため、上記の従来技術によりNOx低
減効果を回復しようとすれば、CO 2 濃度の低下に相当
する分だけEGR量を増す必要があり、この要求を満た
すようにEGR装置の最大流量も大きく設定する必要が
ある。こればかりでなく、成層燃焼運転時には、一般に
吸排差圧が小さくなるため、EGRの効率が悪い。よっ
て、この観点からも、EGR装置の最大流量を大きく設
定する必要が生じる。
【0009】ところが、このような大流量のEGR装置
では、EGR量の要求変化に対する制御応答性及び制御
精度の両立が難しく、部品コストの上昇を招く可能性が
ある。特に、成層燃焼と均質燃焼とを切り換えて実施す
る内燃機関においては、制御性を確保するためにEGR
装置の最大流量が制約されて、NOx生成量を低減する
ために大量のEGRを必要とする高負荷側の成層燃焼運
転領域が制限される場合がある。
【0010】さらに、EGRを大量に行う場合には、高
温の排気が大量に吸気側に供給されることとなるので、
吸気全体の温度が過度に上昇し、吸気の密度が低下し
て、充填効率の低下、延いては出力低下に繋がる可能性
もある。
【0011】このような実情に鑑み、本発明は、排気還
流を行って排気浄化を図る場合に、成層燃焼運転時にお
ける排気還流量当たりの排気浄化効果を高め、EGRを
大量に行わなくとも排気浄化の効果が得られるように
し、装置の小型化や、装置の大型化回避に資する内燃機
関の排気浄化装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、燃焼室内に、
点火栓近傍領域が可燃空燃比となり、その周辺領域が稀
薄な不可燃空燃比となる混合気層を形成して、成層燃焼
を行わせることのできる内燃機関ENGの排気浄化装置
であって、図1に示すように、前記成層燃焼により発生
した排気ガスから、燃焼に寄与した排気ガスを分離する
排気ガス分離手段Aと、該手段Aにより分離された燃焼
に寄与した排気ガスの少なくとも一部を吸気系に還流す
る排気還流手段Bと、を含んで構成される(請求項
1)。
【0013】前記排気ガス分離手段Aは、燃焼に寄与し
た排気ガスと燃焼に寄与しなかった排気ガスとを分離し
て、前記燃焼に寄与した排気ガスを第1の排気通路内
に、前記燃焼に寄与しなかった排気ガスを第2の排気通
路内に至らしめ、前記排気還流手段Bは、前記第1の排
気通路より排気ガスの一部を吸気系に還流するのが好ま
しい(請求項2)。
【0014】前記排気ガス分離手段Aは、前記第1の排
気通路側の第1の排気弁と前記第2の排気通路側の第2
の排気弁とのバルブタイミングを異ならせ、前記第1の
排気弁の開時期を前記第2の排気弁の開時期より遅く設
定し、前記第1の排気弁の閉時期を前記第2の排気弁の
閉時期より早く設定して、排気ガスを分離するのが好ま
しい(請求項3)。
【0015】本発明は、燃焼室内に、点火栓近傍領域が
可燃空燃比となり、その周辺領域が稀薄な不可燃空燃比
となる混合気層を形成して、成層燃焼を行わせることの
できる内燃機関の排気浄化装置であって、成層燃焼運転
時にて、第1の排気通路側の第1の排気弁は、第2の排
気通路側の第2の排気弁の開時期より遅く開弁して、該
第2の排気弁の閉時期より早く閉弁し、前記第1の排気
通路内の排気ガスの少なくとも一部を吸気系に還流する
ことを特徴とする(請求項4)。
【0016】成層燃焼運転時にて、前記第1の排気弁と
前記第2の排気弁とがともに開弁しているときには、前
記第1の排気通路の開口部の最小面積は、前記第2の排
気通路の開口部の最小面積より大きいのが好ましい(請
求項5)。
【0017】本発明は、前記第1の排気弁のバルブタイ
ミングを機関運転条件に応じて可変に設定可能な第1の
バルブタイミング可変手段を備えるのが好ましい(請求
項6)。
【0018】前記第1のバルブタイミング可変手段は、
前記機関運転条件としての機関回転数及び負荷のうち少
なくとも一方の増加にあわせて、前記第1の排気弁の弁
開期間を延長するのが好ましい(請求項7)。
【0019】前記第1のバルブタイミング可変手段は、
均質燃焼運転時にて、前記第1の排気弁のバルブタイミ
ングを前記第2の排気弁のバルブタイミングに設定する
のが好ましい(請求項8)。
【0020】本発明は、前記第2の排気弁のバルブタイ
ミングを可変に設定可能な第2のバルブタイミング可変
手段を備え、均質燃焼運転時にて、前記第1及び第2の
排気弁のバルブタイミングを同時期に設定するのが好ま
しい(請求項9)。
【0021】前記第1及び第2のバルブタイミング可変
手段のうち少なくとも一方は、バルブタイミングを連続
的に設定可能であるのが好ましい(請求項10)。前記
排気ガス分離手段は、燃焼室内に燃料を直接噴射する燃
料噴射弁により、前記第1の排気通路側の第1の排気弁
及び前記第2の排気通路側の第2の排気弁のうち、前記
第1の排気弁の方向に燃料を噴射して、排気ガスを分離
してもよい(請求項11)。
【0022】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、次の効果
を得ることができる。成層燃焼では、点火栓近傍領域の
可燃空燃比の混合気のみが燃焼に寄与することができ、
その周辺領域の余剰空気は、燃焼に寄与することはでき
ない。従って、燃焼直後の燃焼室内には、燃焼に寄与し
て生成された排気ガスと、燃焼に寄与せずに生成された
排気ガスとが混在している。これらのうち、前者の燃焼
に寄与した排気ガスは、CO2 濃度が高く、後者の燃焼
に寄与しなかった排気ガスは、CO2 濃度が低い。
【0023】そこで、排気ガス分離手段Aにより燃焼に
寄与したCO2 濃度の高い排気ガスを分離し、そのうち
の少なくとも一部を排気還流手段Bにより吸気系に還流
することで、CO2 濃度の高い排気ガスを選択的に還流
することができ、EGRガス中のCO2 濃度を高め、比
較的小流量でもNOx低減効果を得ることができるよう
になる。従って、排気還流手段Bを従来よりも小型化す
ることができ、また場合によっては、その大型化を回避
することもできる。
【0024】請求項2に係る発明によれば、燃焼に寄与
した排気ガスは、排気ガス分離手段Aにより燃焼に寄与
しなかった排気ガスから分離された後、燃焼に寄与しな
かった排気ガスとは別に、第1の排気通路内を流れる。
そして、排気還流手段Bは、この第1の排気通路内の排
気ガスをEGRする。従って、燃焼に寄与した排気ガス
は、燃焼に寄与しなかった排気ガスと混ざることなく吸
気系へ還流されるので、EGR量当たりの排気浄化効果
をより高めることができる。
【0025】請求項3,4に係る発明によれば、次の効
果を得ることができる。前述のように、燃焼直後の燃焼
室内には、燃焼に寄与した排気ガスと、燃焼に寄与しな
かった排気ガスとが混在しているが、前者は主に点火栓
周りの燃焼室略中央に分布しており、一方後者は、前記
燃焼に寄与した排気ガス周辺の、より壁面に近いところ
に分布している。従って、排気時では、まず排気弁近傍
の燃焼に寄与しなかった排気ガスが排気され、さらに燃
焼に寄与した排気ガスが続き、最後に再び燃焼に寄与し
なかった排気ガスが排気される。
【0026】そこで、排気時において、第1の排気弁
が、第2の排気弁の開時期より遅く開き、また第2の排
気弁の閉時期より早く閉じることで、主に燃焼室略中央
に分布する燃焼に寄与した排気ガスを積極的に抽出し、
排気ガスの分離を良好に達成して、CO2 濃度の高い排
気ガスを吸気系に還流することができる。
【0027】また、本発明は、特別な装置を追加するこ
となく、既存のEGR装置付きの内燃機関ENGで実現
することができる。請求項5に係る発明によれば、第1
の排気通路の排気ガス流量を、第2の排気通路の排気ガ
ス流量よりも大きくすることができるため、燃焼に寄与
した排気ガスは、第1の排気通路側により積極的に流入
するようになる。このため、より多量の高CO2 濃度の
EGRガスを確保することができ、成層燃焼運転領域の
拡大を図ることができる。
【0028】請求項6に係る発明によれば、第1の排気
弁のバルブタイミングを機関運転条件に応じて変更し
て、燃焼に寄与した排気ガスを効率的に取り出すことが
できるようになる。
【0029】請求項7に係る発明によれば、次の効果を
得ることができる。機関回転数が増加すると、1サイク
ル当たりの排気の実時間は減少する。このときに、第1
のバルブタイミング可変手段により、第1の排気弁の弁
開期間を延長することで、第1の排気弁による排気の実
時間を延長して、燃焼に寄与した排気ガスの第1の排気
通路への流入量を可及的に維持することができる。
【0030】また、負荷が増加すると、これに付随して
燃料噴射量も増加して、燃焼に寄与することのできる混
合気の絶対量が増える。従って、この場合にも第1の排
気弁の弁開期間を延長することで、より多量の高CO2
濃度のEGRガスを確保することができる。
【0031】請求項8,9に係る発明によれば、燃焼室
内の排気ガス中のCO2 濃度がほぼ均一となる均質燃焼
運転時に、第1のバルブタイミング可変手段により、第
1の排気弁のバルブタイミングを第2の排気弁のバルブ
タイミングに設定することで、他性能への悪影響、例え
ば高負荷高回転域における排気弁作動角不足による排気
効率の低下を、防止することができる。
【0032】請求項10に係る発明によれば、バルブタ
イミングを連続的に可変としたことで、バルブタイミン
グ切換え時の段差による運転性への影響を抑えることが
できる。また、成層燃焼運転時において、燃焼に寄与し
た排気ガスの発生状況に応じてバルブタイミングを変化
させることもでき、CO2 濃度の高い排気ガスを、より
積極的にEGRに利用することができる。
【0033】請求項11に係る発明によれば、燃料の噴
射方向を第1の排気弁の方向に傾けることで、第1の排
気弁近傍に燃焼に寄与することのできる混合気が集中的
に分布されることとなる。このため、第1の排気弁と第
2の排気弁とのバルブタイミングが同じ場合であって
も、CO2 濃度の高い排気ガスを、第2の排気通路より
も、第1の排気通路内に多量に取り込むことができる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を、
図面を参照して説明する。図2は、本発明の第1の実施
形態に係る内燃機関(以下、「エンジン」という。)1
の構造を示す概略図であり、本発明に係る排気浄化装置
を備えている。以下、同図を参照して、エンジン1の構
造を概略説明する。
【0035】エンジン1の吸気通路2の入口には、エア
クリーナ3が取り付けられている。このすぐ下流には、
エアフロメータ4が設置されており、その検出信号が後
述する電子制御ユニット41に送られて、エンジン1へ
の吸入空気量を測定可能となっている。
【0036】エアフロメータ4の下流の吸気通路2に
は、電子制御式のスロットル弁5が設置されており、こ
れにより吸入空気量が制御される。さらに、スロットル
弁5の下流には、コレクタ6及びポート部7が接続し、
スロットル弁5により流量制御された空気は、これらを
介して1気筒につき2つの吸気弁8(8a,8b)の弁
開期間にてシリンダ9内の燃焼室に供給される。これら
の吸気弁8は、リフタ10を介して、吸気側カム11に
より同じバルブタイミングをもって駆動される。
【0037】シリンダ9の内部には、ピストン12が往
復動自在に挿入されている。このピストン12の冠面に
は、タンブル制御のための凹凸13が設けられており、
燃焼室内に進入した吸入空気は、この凹凸13により案
内されてタンブル流を形成する。なお、ポート部7は、
燃焼室に対して、タンブル流が形成され易い角度をもっ
て接続している。
【0038】また、シリンダ9には、燃料噴射弁14
が、ポート部7の開口部近傍にて燃焼室内に直接臨むよ
うに設置されており、さらに点火栓15が、燃焼室略中
央に位置するように設置されている。上記のようにして
タンブル流を形成する吸入空気に対して、燃料噴射弁1
4により所定のタイミングに、所定量の燃料が噴射供給
され、このようにして形成された混合気は、点火栓15
の作動により、所定のタイミングにて着火燃焼する。
【0039】なお、燃料噴射弁14は、エンジン1の燃
焼方式に応じて噴射時期が切り換えられ、燃料を燃焼室
内に均一に分布させて出力を得る均質燃焼の場合には、
吸気行程にて噴射する。一方、燃焼に寄与することので
きる可燃空燃比の混合気を点火栓15の近傍に分布させ
て混合気を層状化して、燃費向上を狙う成層燃焼の場合
には、圧縮行程にて噴射する。
【0040】燃焼後、生成された排気ガスは、排気通路
17に排出される。排気通路17を開閉する排気弁16
は、1気筒につき2つ設けられ、リフタ18を介して、
排気側カム19によりそれぞれ開閉駆動される。これら
の排気弁16(16a,16b)のバルブタイミング
は、前述の吸気弁8の場合とは違い、異なっている。バ
ルブタイミングについては、さらに後述する。
【0041】ここに、排気弁16と排気側カム19と
は、本発明の排気ガス分離手段を構成する。排気通路1
7のポート部20には、EGR通路31が接続してい
る。EGR通路31は、このポート部20と、吸気通路
2のコレクタ6上流とを連通しており、排気ガスの一部
を吸気系に還流することができるようになっている。E
GR流量の制御は、EGR通路31の途中に介装された
EGRバルブ32の開度調節による。
【0042】ここに、EGR通路31とEGRバルブ3
2とは、本発明の排気還流手段を構成する。図3は、シ
リンダ9を上方から見たところを表しており、便宜上、
吸気通路2a,2b及び排気通路17a,17bは、点
線で示している。EGR通路31は、第1の排気弁16
aにより開閉される排気ポート20aに接続している。
2つの排気通路17aと17bとは、EGR通路31の
排気ポート20aへの接続点Pより下流にて合流する。
【0043】図4は、第1の排気弁16a及び第2の排
気弁16bのリフト量のクランク角に対する変化を示し
ている。第1の排気弁16aは、プロフィールPra1に
沿って、また第2の排気弁16bは、プロフィールPrb
1に沿って、それぞれ駆動される。
【0044】このように、第1の排気弁16aは、第2
の排気弁16bの開時期より遅く開弁し、第2の排気弁
16bの閉時期より早く閉弁する。つまり、図示の排気
弁開期間(1)〜(3)のうち、膨張行程終了付近の排
気初期(1)と排気後期(3)とでは、第2の排気弁1
6bのみが開弁する。一方、排気中期(2)では、第1
及び第2の排気弁16a,16bがともに開弁し、第1
の排気弁16aのリフト量は、第2の排気弁16bのリ
フト量よりも大きくなる。
【0045】図2において、ポート部20の下流に接続
されたマニホールド部21には、O 2 センサ51が設置
されており、これにより排気ガス中のO2 濃度を測定す
る。そして、エンジン1を理論空燃比で運転する際に
は、このO2 センサ51からの情報を基に、フィードバ
ック制御を行う。
【0046】電子制御ユニット41は、CPU、RO
M、RAM、A/D変換器及び入出力インタフェースを
含んで構成され、吸入空気量QaやO2 濃度の他、クラ
ンク角センサ52からのクランク軸回転位置信号(これ
に基づいてエンジン回転数Neを算出することができ
る。)、アクセルセンサ53からのアクセルペダル開度
信号Aps、及び水温センサ54からのエンジン冷却水
温Twなどの情報を入力し、これらを基に、スロットル
弁5及びEGRバルブ32を制御する。
【0047】次に、電子制御ユニット41の制御内容
を、図5〜8に示すフローチャートを参照して説明す
る。まず始めに、図5を参照して、燃焼方式選択ルーチ
ンについて説明した後、続いて、図6〜8を参照して、
燃焼方式に応じたEGR制御ルーチンについて説明す
る。
【0048】図5は、燃焼方式選択ルーチンのフローチ
ャートである。まず、ステップ(以下、単に「S」とい
う。)1で各種運転条件を読み込んだ後、続くS2で、
アクセル開度Apsを基に、マップから目標トルクTT
Cを求める。
【0049】S3では、エンジン回転数Neと目標トル
クTTCとを基に、燃焼フラグFCmb (0〜2)を設定
する。成層燃焼により燃費向上を図るべき運転条件にお
いては、燃焼フラグFCmb は0に設定される。これ以外
の運転条件では、均質燃焼が行われることとなるが、特
に燃費を向上すべき領域においては、均質リーン燃焼の
ため、燃焼フラグFCmb は1に設定される。上記2つの
領域以外の領域では、均質ストイキ燃焼のため、燃焼フ
ラグFCmb は2に設定される。
【0050】S4では、水温Twを所定値TwL以上か
否かを判定する。所定値TwL以上であると判定された
場合には、本ルーチンをそのままリターンして、S3で
設定された燃焼フラグFCmb を維持する。しかし、上記
判定が否定的(即ち、水温Twが所定値TwL未満)と
判定された場合には、S5に進んで、燃焼フラグFCmb
を2に設定する。冷機時では、リーン燃焼を行う場合に
安定性が得られない可能性があるため、リーン燃焼を禁
止し、理論空燃比での燃焼を行うためである。
【0051】次に、燃焼方式に応じたEGR制御ルーチ
ンについて説明する。図6は、本ルーチンの基本的な流
れを示すフローチャートである。まず、S21で、各種
制御情報を読み込む。
【0052】S22では、燃焼フラグFCmb が2でない
か、すなわち、選択された燃焼方式が均質ストイキ燃焼
でないか否かを判定する。その結果、FCmb が0又は1
であり、リーン燃焼(均質リーン燃焼又は成層燃焼)を
行うべき運転領域にあると判定された場合には、S23
に進んで、エンジン回転数Neと目標トルクTTCとを
基に、マップから目標燃空比TFBYAを求める。な
お、TFBYAは、空気過剰率λの逆数であり、理論空
燃比では1をとり、またリーン時には、1より小さな値
をとり、図の矢印方向に向かって大きく設定される。一
方、FCmb が2であり、理論空燃比(λ=1)での運転
が選択された場合には、S24に進んで、TFBYAを
1に設定する。
【0053】S25では、エンジン回転数Neと目標燃
空比TFBYAとを基に、マップから機関効率ITAを
求める。S26では、目標トルクTTC、目標燃空比T
FBYA及び機関効率ITAに基づいて、目標新気量Q
(=TTC/TFBYA/ITA)を算出する。
【0054】S27では、目標EGR率TMEGRを算
出し、これを基に、目標スロットル開度TVOと目標E
GRバルブ開度TAEGRとを算出する。本ステップの
詳細は、後述する。
【0055】S28では、目標スロットル開度TVO及
び目標EGRバルブ開度TAEGRを基に、スロットル
弁5及びEGRバルブ32の駆動指令を発する。次に、
図7及び8を参照して、上記S27(EGRバルブ目標
開度演算)の内容を説明する。
【0056】まず、S41では、換算EGR流量QEG
Rを算出する。QEGRは、EGR流量の吸入空気量換
算値であり、目標新気量Qに、目標EGR率TMEG
R、CO2 濃度補正係数KCO2 及び排圧・排温補正係
数KPeを乗じて算出される(即ち、QEGR=Q×T
MEGR×KCO2 ×KPe)。以下、TMEGR、K
CO2 及びKPeの算出方法について、図8を参照して
説明する。
【0057】S61では、燃焼フラグFCmb が1でない
か、すなわち、選択された燃焼方式が均質リーン燃焼で
ないか否かを判定する。その結果、FCmb が1であると
判定された場合には、S62へ進んで、目標EGR率T
MEGRを0に設定する。均質リーン燃焼を行う場合に
は、EGRの実施により燃焼が不安定となり易いので、
EGRを禁止するためである。
【0058】一方、S61で燃焼フラグFCmb が1以外
であると判定された場合には、S63に進んで、さらに
FCmb が0であるか、すなわち、選択された燃焼方式が
成層燃焼であるか否かを判定する。その結果、FCmb が
0であると判定された場合には、S64に進み、それ以
外の場合(即ち、FCmb =2)には、S67に進む。
【0059】S64〜66とS67〜69とは、それぞ
れ目標EGR率TMEGR、CO2濃度補正係数KCO
2 及び排圧・排温補正係数KPeを算出するステップで
あるが、これらは、燃焼状態により算出方法が異なる。
以下、まず、成層燃焼の場合(S64〜66)について
説明した後、続いて均質ストイキ燃焼の場合(S67〜
69)について説明する。
【0060】S64では、エンジン回転数Neと目標ト
ルクTTCとを基に、マップから目標EGR率TMEG
Rを求める。TMEGRは、図の矢印方向に向かって大
きく設定される。
【0061】S65では、エンジン回転数Neと目標ト
ルクTTCとを基に、マップからCO2 濃度補正係数K
CO2 を求める。成層燃焼運転時では、Ne、TTC、
及び目標燃空比TFBYAに応じて、燃焼により燃焼室
内に発生するCO2 の濃度分布が変化することから、E
GRガス中のCO2 濃度が変化する。このため、本ステ
ップにおいて、Ne及びTTCに応じて、KCO2 を求
めるのである。Ne及びTTCに対するKCO2 の傾向
は、燃焼室内及び排気系におけるガス流動の形態に応じ
て異なるが、例えば、図に示すような傾向であり、矢印
方向に向かって大きく設定される。
【0062】S66では、エンジン回転数Neと目標ト
ルクTTCとを基に、マップから排圧・排温補正係数K
Peを求める。KPeは、吸排差圧及び排気温度に起因
するERGガス密度変化を補正するための係数であり、
目標新気量Qと換算EGR流量QEGRとの比がスロッ
トル弁5とEGRバルブ32との開口面積比と等しくな
るように、設定される。例えば、図に示すような傾向を
有し、矢印方向に向かって大きく設定される。
【0063】次に、均質ストイキ燃焼の場合について説
明する。S67では、エンジン回転数Neと目標トルク
TTCとを基に、上記S64のものとは異なるマップか
ら、目標EGR率TMEGRを求める。
【0064】S68では、CO2 濃度補正係数KCO2
を求める。均質燃焼時では、EGRガス中のCO2 濃度
は、エンジン回転数Ne及び目標トルクTTCによらず
ほぼ一定であるので、ここでは、KCO2 を1に設定す
る。
【0065】S69では、エンジン回転数Neと目標ト
ルクTTCとを基に、上記S66のものとは異なるマッ
プから、排圧・排温補正係数KPeを求める。成層燃焼
運転時と均質ストイキ燃焼運転時とでは、同じNe及び
TTCであっても、排圧や排気温度が異なるためであ
る。
【0066】図7のS42では、目標新気量Qに換算E
GR流量QEGRを加えて、換算総吸気量Qall (=Q
+QEGR)を算出する。S43では、Qall をエンジ
ン回転数Neで除したものに、単位換算のための係数C
を乗じて、目標総開口面積TAA(=Qall /Ne×
C)を算出する。
【0067】S44では、目標新気量Q、換算EGR流
量QEGR、換算総吸気量Qall 及び目標総開口面積T
AAを基に、目標スロットル開度TVO(=TAA×Q
/Qall )と、目標EGRバルブ開度TAEGR(=T
AA×QEGR/Qall )とを算出する。
【0068】以上のようにしてスロットル弁5及びEG
Rバルブ32が制御されることにより、排気ガスの一部
が運転条件に応じて排気ポート20aから吸気系に還流
され、NOx生成量が低減される。
【0069】図9は、成層燃焼運転時における燃焼直後
の燃焼室内のCO2 濃度の分布傾向を表している。前述
のようにして燃焼方式として成層燃焼が選択された場合
(即ち、燃焼フラグFCmb =0)には、点火栓15近傍
の混合気のみが燃焼に寄与することができ、その周辺の
混合気は稀薄な状態であって、燃焼に寄与することがで
きない。このため、燃焼直後の燃焼室内のCO2 濃度分
布は、図示のように、点火栓15周りが高く、さらにそ
の周りは低くなる。
【0070】このようなCO2 濃度の分布傾向は、排気
弁16が開いて排気が開始された後も、およそ維持され
る。すなわち、排気弁16が開くと、まず、排気弁16
近傍のCO2 濃度の低い排気ガスが燃焼室から排出さ
れ、さらに燃焼に寄与して生成されたCO2 濃度の高い
排気ガスが続き、最後に排気弁16から遠い位置にある
CO2 濃度の低い排気ガスが排出されることとなる。従
って、燃焼室から排気通路17に排出される排気ガス中
のCO2 濃度は、図10に示すような傾向で変化する。
【0071】図11は、図4に示す各排気弁開期間
(1)〜(3)における排気状況(排気ガス流量及び排
気ガス中のCO2 濃度)を表している。排気初期(1)
では、第2の排気弁16bのみが駆動され、第1の排気
弁16aは閉位置に保持されている。このため、燃焼室
内の排気ガスは、第2の排気弁16bを介して、排気通
路17bに流入する。この時の排気ポート20b内の排
気ガス中のCO2 濃度は、低い。
【0072】排気中期(2)になると、第1の排気弁1
6aも駆動され、排気ガスは、両方の排気通路17a及
び17bに流入する。前述のように、この時の第1の排
気弁16aのリフト量は、第2の排気弁16bのリフト
量よりも大きくなるため、排気ポート20aの開口部の
最少面積は、排気ポート20bの開口部の最少面積より
も大きくなる。これにより、第2の排気通路17bへの
排気ガス流量よりも、第1の排気通路17aへの排気ガ
ス流量のほうが大きくなり、排気初期(1)に排出され
たCO2 濃度の低い排気ガスが下流の排気通路集合部を
経由して、排気ポート20a内を逆流し、EGRガスの
CO2 濃度を減少させるのを防止することができる。ま
た、作動角縮小に伴う排気効率の低下を防ぐこともでき
る。
【0073】また、排気中期(2)では、排気ポート2
0a,20b内の排気ガス中のCO 2 濃度は高くなって
おり、排気ポート20a内を流れる排気ガスの一部は、
EGR通路31に導かれて、EGRに利用される。第1
の排気弁16aは、第2の排気弁16bの閉時期より早
くに閉弁する。
【0074】排気後期(3)では、第1の排気弁16a
は、閉位置に保持される。このため、燃焼室内の排気ガ
スは、排気初期(1)の場合と同様に、第2の排気弁1
6bを介して排気通路17bに流入する。この時の排気
ポート20b内の排気ガス中のCO2 濃度は、再び低く
なる。
【0075】本発明によれば、以上のようにして、成層
燃焼運転時においてCO2 濃度の高い排気ガスのみを積
極的に排気ポート20a内に取り込むことができる。そ
して、この排気ポート20aからEGRガスを得ること
としたので、成層燃焼運転時でもEGRガス中のCO2
濃度を高く保ち、比較的小さなEGR流量であっても大
きなEGR効果を得ることができる。
【0076】次に、本発明の第2の実施形態について説
明する。図12は、本実施形態に係るエンジン100の
構造を示す概略図である。前述のエンジン1と同一の構
成部分については、図2における符号と同一の符号を付
している。
【0077】エンジン100は、エンジン1に対して、
さらに排気側カム19の作動角可変機構61を追加した
ものである。作動角可変機構61は、本発明の第1のバ
ルブタイミング可変手段を構成し、第1の排気弁16a
に対するカムプロフィールのみが可変であり、第2の排
気弁16bに対するカムプロフィールは固定されてい
る。作動角可変機構61は、第1の排気弁16aのリフ
トカーブを連続的に変化させることができる。
【0078】しかし、これとは逆に、第2の排気弁16
bに対するカムプロフィールのみを可変としたり、また
は第1及び第2の排気弁16a,16bに対する両方の
カムプロフィールを可変としてもよい。この場合の作動
角可変機構61は、本発明の第2のバルブタイミング可
変手段を構成する。
【0079】また、作動角に加えて、リフト量を可変と
することも可能である。図13は、排気弁16(ここで
は、第1の排気弁16a)の作動角制御ルーチンのフロ
ーチャートである。本実施形態における燃焼方式選択ル
ーチンや、EGR制御ルーチンは、第1の実施形態のも
のと同様であってよいので、ここでの説明は省略する。
以下、図13を参照して説明する。
【0080】まず、S81では、各種制御情報を読み込
む。S82では、燃焼フラグFCmb が0であるか、すな
わち、選択された燃焼方式が成層燃焼であるか否かを判
定する。その結果、燃焼フラグFCmb が0であると判定
された場合には、S83に進んで、エンジン回転数Ne
と、目標トルクTTCとに対応させて割り付けられたマ
ップから、排気弁16aの目標バルブ作動角を設定す
る。これは、図の矢印方向に向かって大きく設定され、
Neの増大に伴い、そして特にTTCの増大に伴って大
きく設定される。
【0081】例えば、運転条件が領域Aにある場合に
は、第1及び第2の排気弁16a,16bのリフトカー
ブは、それぞれ図14(a)に示すプロフィールPra
2,Prb2のようになり、第1の排気弁16aの開時期
は、第2の排気弁16bの開時期より遅く設定され、ま
た第1の排気弁16aの閉時期は、第2の排気弁16b
の閉時期より早く設定される。これにより、点火栓15
近傍において集中的に生成されるCO2 濃度の高い排気
ガスを、第1の排気ポート20a内に積極的に取り込む
ことができる。
【0082】これに対して、運転条件が領域Bにある場
合には、図14(b)示すように、第1の排気弁16a
のリフトカーブを、第2の排気弁16bのリフトカーブ
に一致させる。これにより、燃焼室内のCO2 濃度がほ
ぼ均一となる運転条件において、他性能への影響、例え
ば高負荷高回転域での排気弁作動角不足による排気効率
の低下を防止することができる。
【0083】一方、S82の判定結果が否定的、すなわ
ち、選択された燃焼方式が均質燃焼(均質リーン燃焼又
は均質ストイキ燃焼)であると判定された場合には、上
記と同様の理由から、第1の排気弁16aのリフトカー
ブを、第2の排気弁16bのリフトカーブに一致させ
る。
【0084】図15は、成層燃焼運転時における燃焼直
後の燃焼室内のCO2 濃度の分布傾向を、負荷の違い
(高低)に分けて表したものである。また、図16は、
負荷が低い場合と高い場合とにおける排気弁16a,1
6bの作動角を、燃焼室から排出される排気ガス中のC
2 濃度の時間変化に対応させて示したものである。
【0085】低負荷側、すなわち、燃料噴射量が少ない
場合には、図15(a)に示すように、CO2 濃度の高
い部分は点火栓15近傍のごく狭い範囲内に限られ、そ
の周辺に形成されるCO2 濃度の低い部分の占める割合
が大きくなる。このため、排気ガス中のCO2 濃度の時
間変化は、図16(a)のように一時的なピークを形成
するので、EGRガスのCO2 濃度を高く維持するに
は、第1の排気弁16aの作動角を狭めた方がよい。
【0086】一方、高負荷側、すなわち、燃料噴射量が
多い場合には、図15(b)に示すように、CO2 濃度
の高い部分は点火栓15周りの比較的広い範囲に拡大す
るため、排気ガス中のCO2 濃度は、図16(b)のよ
うに高濃度値をある程度の時間維持する。従って、第1
の排気弁16aの作動角を比較的広くとったとしても、
EGRガス中のCO2 濃度を高く維持することができ
る。
【0087】以上のように、排気弁16aのバルブタイ
ミングを運転条件に応じて連続的に可変とすることで、
EGRガス中のCO2 濃度を常に高い状態に保つことが
でき、また均質燃焼との間の排気弁作動角切換え段差に
よる運転性への悪影響も防ぐことができる。
【0088】次に、本発明の第3の実施形態について説
明する。図17は、本実施形態に係るエンジン200の
構造を示す概略図である。前述のエンジン1と同一の構
成部分については、図2における符号と同一の符号を付
している。
【0089】エンジン200は、エンジン1と同様のエ
ンジンにおいて、吸排気弁8,16の動弁装置として、
カム式の機構に代えて、電磁駆動式の機構(電磁アクチ
ュエータ71,72)を設けたものである。これによ
り、排気弁16a,16bのバルブタイミング及びリフ
ト量を、任意に可変設定することができる。
【0090】図18は、エンジン200の排気弁16
a,16bの成層燃焼運転時におけるリフトカーブの一
例を示しており、プロフィールPra3は第1の排気弁1
6aに、またプロフィールPrb3は第2の排気弁16b
に対応する。このように、成層燃焼運転時に、燃焼室か
らCO2 濃度の高い排気ガスが排出されるタイミングに
あわせて第1の排気弁16aを開き、これとともに第2
の排気弁16bのリフト量を小さくすることも可能であ
る。
【0091】なお、ここでは、吸気弁8及び排気弁16
の両方を電磁駆動する例を示しているが、これらのうち
一方のみを電磁駆動し、他方はカムにより駆動すること
としてもよい。
【0092】次に、本発明の第4の実施形態について説
明する。図19は、本実施形態に係るエンジン300の
構造を示す平面図である。前述のエンジン1と同一の構
成部分については、図2における符号と同一の符号を付
している。
【0093】このように、燃焼室内に燃料を直接噴射す
る燃料噴射弁81の噴射方向を、第1の排気ポート20
aの開口部(排気弁)に向けて設定し、この開口部近傍
に燃焼に寄与することのできる混合気を集中させる。こ
れにより、燃焼に寄与して生成されたCO2 濃度の高い
排気ガスを、第2の排気ポート20bよりも、第1の排
気ポート20a内に多量に取り込むことができる。
【0094】ここに、燃料噴射弁81は、本発明の排気
ガス分離手段を構成する。以上に説明したように、本発
明によれば、成層燃焼運転時において、EGRガス中の
CO2 濃度を従来よりも高めることができる。
【0095】これにより、EGR流量に対するEGR効
果がこれまで以上に高められ、成層燃焼運転時における
EGRバルブ開度をこれまでよりも小さく設定すること
できるようになるので、成層燃焼運転領域の拡大や、E
GR装置の低流量化を図ることができる。
【0096】さらに、成層/均質燃焼切換え時における
EGRバルブ目標開度差が縮小されるので、上記切換え
時におけるEGR制御の応答性を向上することができ、
EGR目標追従性の悪化に起因するNOx生成量の増大
や、燃焼悪化を抑制することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を示すブロック図
【図2】本発明の第1の実施形態に係る内燃機関の構成
を概略示す断面図
【図3】同上内燃機関の平面図
【図4】同上内燃機関の排気弁のリフトカーブを示す図
【図5】燃焼方式選択ルーチンのフローチャート
【図6】EGR制御ルーチンのフローチャート
【図7】EGRバルブ目標開度演算ルーチンのフローチ
ャート
【図8】換算EGR流量演算ルーチンのフローチャート
【図9】成層燃焼運転時における燃焼直後の燃焼室内の
CO2 濃度の分布傾向を示す図
【図10】成層燃焼運転時に燃焼室から排出される排気
ガス中のCO2 濃度の時間変化を示す図
【図11】成層燃焼運転時における排気状況の推移を示
す図
【図12】本発明の第2の実施形態に係る内燃機関の構
成を概略示す断面図
【図13】目標バルブ作動角設定ルーチンのフローチャ
ート
【図14】同上ルーチンにより設定される排気弁の2種
類のリフトカーブを示す図
【図15】CO2 濃度分布の目標トルクに応じた変化傾
向を示す図
【図16】排気ガス中のCO2 濃度の時間変化及び排気
弁作動角の目標トルクに応じた変化傾向を示す図
【図17】本発明の第3の実施形態に係る内燃機関の構
成を概略示す断面図
【図18】同上内燃機関の排気弁のリフトカーブの一例
を示す図
【図19】本発明の第4の実施形態に係る内燃機関の作
用を示す図
【符号の説明】
1…エンジン 2…吸気通路 4…エアフローメータ 5…スロットル弁 6…コレクタ 7…吸気ポート 8…吸気弁 9…シリンダ 11…吸気側カム 14…燃料噴射弁 15…点火栓 16…排気弁 17…排気通路 19…排気側カム 20…排気ポート 31…EGR通路 32…EGRバルブ 41…電子制御ユニット 61…排気側作動角可変機構 71…吸気側電磁アクチュエータ 72…排気側電磁アクチュエータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 13/02 F02D 13/02 J 21/08 301 21/08 301Z 43/00 301 43/00 301N 301Z (72)発明者 福田 隆 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 土田 博文 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 3G018 AA05 AA12 AB02 AB08 AB16 AB17 BA02 CA01 CA11 DA34 DA70 3G062 AA03 AA07 BA02 BA04 BA05 BA06 BA09 EA10 EB15 ED02 FA05 FA06 FA13 GA01 GA04 GA05 GA06 GA08 GA17 3G084 AA04 BA20 BA23 DA10 DA13 FA10 FA20 FA33 FA38 3G092 AA01 AA06 AA09 AA11 AA17 DA02 DA04 DC03 DC10 EA12 EA16 FA17 FA50 HA01Z HE01Z HE03Z HE08Z HF08Z

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃焼室内に、点火栓近傍領域が可燃空燃比
    となり、その周辺領域が稀薄な不可燃空燃比となる混合
    気層を形成して、成層燃焼を行わせることのできる内燃
    機関の排気浄化装置であって、 前記成層燃焼により発生した排気ガスから、燃焼に寄与
    した排気ガスを分離する排気ガス分離手段と、 該手段により分離された燃焼に寄与した排気ガスの少な
    くとも一部を吸気系に還流する排気還流手段と、 を含んで構成される内燃機関の排気浄化装置。
  2. 【請求項2】前記排気ガス分離手段は、燃焼に寄与した
    排気ガスと燃焼に寄与しなかった排気ガスとを分離し
    て、前記燃焼に寄与した排気ガスを第1の排気通路内
    に、前記燃焼に寄与しなかった排気ガスを第2の排気通
    路内に至らしめ、 前記排気還流手段は、前記第1の排気通路より排気ガス
    の一部を吸気系に還流することを特徴とする請求項1記
    載の内燃機関の排気浄化装置。
  3. 【請求項3】前記排気ガス分離手段は、前記第1の排気
    通路側の第1の排気弁と前記第2の排気通路側の第2の
    排気弁とのバルブタイミングを異ならせ、前記第1の排
    気弁の開時期を前記第2の排気弁の開時期より遅く設定
    し、前記第1の排気弁の閉時期を前記第2の排気弁の閉
    時期より早く設定して、排気ガスを分離することを特徴
    とする請求項2記載の内燃機関の排気浄化装置。
  4. 【請求項4】燃焼室内に、点火栓近傍領域が可燃空燃比
    となり、その周辺領域が稀薄な不可燃空燃比となる混合
    気層を形成して、成層燃焼を行わせることのできる内燃
    機関の排気浄化装置であって、 成層燃焼運転時にて、第1の排気通路側の第1の排気弁
    は、第2の排気通路側の第2の排気弁の開時期より遅く
    開弁して、該第2の排気弁の閉時期より早く閉弁し、 前記第1の排気通路内の排気ガスの少なくとも一部を吸
    気系に還流することを特徴とする内燃機関の排気浄化装
    置。
  5. 【請求項5】成層燃焼運転時にて、前記第1の排気弁と
    前記第2の排気弁とがともに開弁しているときに、前記
    第1の排気通路の開口部の最小面積は、前記第2の排気
    通路の開口部の最小面積より大きいことを特徴とする請
    求項3又は4記載の内燃機関の排気浄化装置。
  6. 【請求項6】前記第1の排気弁のバルブタイミングを機
    関運転条件に応じて可変に設定可能な第1のバルブタイ
    ミング可変手段を備えることを特徴とする請求項3〜5
    のいずれか1つに記載の内燃機関の排気浄化装置。
  7. 【請求項7】前記第1のバルブタイミング可変手段は、
    前記機関運転条件としての機関回転数及び負荷のうち少
    なくとも一方の増加にあわせて、前記第1の排気弁の弁
    開期間を延長することを特徴とする請求項6記載の内燃
    機関の排気浄化装置。
  8. 【請求項8】前記第1のバルブタイミング可変手段は、
    均質燃焼運転時にて、前記第1の排気弁のバルブタイミ
    ングを前記第2の排気弁のバルブタイミングに設定する
    ことを特徴とする請求項3〜7のいずれか1つに記載の
    内燃機関の排気浄化装置。
  9. 【請求項9】前記第2の排気弁のバルブタイミングを可
    変に設定可能な第2のバルブタイミング可変手段を備
    え、 均質燃焼運転時にて、前記第1及び第2の排気弁のバル
    ブタイミングを同時期に設定することを特徴とする請求
    項3〜8のいずれか1つに記載の内燃機関の排気浄化装
    置。
  10. 【請求項10】前記第1及び第2のバルブタイミング可
    変手段のうち少なくとも一方は、バルブタイミングを連
    続的に設定可能であることを特徴とする請求項3〜9の
    いずれか1つに記載の内燃機関の排気浄化装置。
  11. 【請求項11】前記排気ガス分離手段は、燃焼室内に燃
    料を直接噴射する燃料噴射弁により、前記第1の排気通
    路側の第1の排気弁及び前記第2の排気通路側の第2の
    排気弁のうち、前記第1の排気弁の方向に燃料を噴射し
    て、排気ガスを分離することを特徴とする請求項2記載
    の内燃機関の排気浄化装置。
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