JP2002030566A - 保温性布帛 - Google Patents

保温性布帛

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JP2002030566A
JP2002030566A JP2000213637A JP2000213637A JP2002030566A JP 2002030566 A JP2002030566 A JP 2002030566A JP 2000213637 A JP2000213637 A JP 2000213637A JP 2000213637 A JP2000213637 A JP 2000213637A JP 2002030566 A JP2002030566 A JP 2002030566A
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Masayuki Suzuki
政幸 鈴木
Toshikazu Suzuki
敏和 鈴木
Katsuhide Manabe
勝英 真部
Eigo Nakajima
英吾 中嶋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 遠赤外線領域、特に人間の体温付近に
対応する波長1〜20μmの遠赤外線に対する吸収放射
性に優れ、衣料用として好適で、かつ布帛の有する風合
い、色調、柄模様を損なわず、耐洗濯性にも優れた保温
性布帛を得る。 【解決手段】 合成繊維布帛の少なくとも片面に遠赤
外線放射性セラミックスからなる厚み1〜500nmの
透明被膜を物理蒸着により形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、遠赤外線放射性
セラミックスを利用した保温性布帛に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】遠赤外線放射性セラミックスを利用した
保温性布帛として、合成繊維の原料樹脂中に酸化チタン
等のセラミックス粉末を混合して紡糸し、得られた繊維
を加工して得られた織物、編物、不織布等が知られてい
る。また、上記のセラミックス粉末を含有するバインダ
ー液を合成繊維や天然繊維からなる織物、編物、不織布
等にコーティングし、乾燥したもの、および上記のセラ
ミックス粉末を含有する樹脂加工液に上記の織物等を浸
漬し、乾燥したものが知られている。
【0003】しかしながら、合成繊維の原料樹脂にセラ
ミックスを混合したものは、繊維中に埋没するセラミッ
クスが多くなり、布帛表面に露出するセラミックスが少
なくなってセラミックスが機能を発揮できず、セラミッ
クスの含有量を増大すると繊維強度が低下するという問
題があった。また、布帛表面にコーティングや浸漬によ
ってセラミックスを付着したものは、布帛表面を被覆す
るバインダー樹脂によって風合いが損なわれたり、布帛
の有する色彩や柄模様が見えなくなったり、またセラミ
ックスが使用中や洗濯によって脱落する等の問題があっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、遠赤外線
領域、特に人間の体温付近に対応する波長1〜20μm
の遠赤外線に対する吸収放射性に優れ、衣料や寝具、イ
ンテリア用として好適で、かつ布帛の有する風合い、色
調、柄模様を損なわず、耐洗濯性にも優れた保温性布帛
を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明に係る保温性布
帛は、合成繊維布帛の少なくとも片面に遠赤外線放射性
セラミックスからなる厚み1〜500nmの透明被膜が
物理蒸着により形成されていることを特徴とする。
【0006】この発明で用いる合成繊維布帛は、ナイロ
ン繊維、ポリエステル繊維、ポリアクリロニトリル繊
維、ポリエチレン繊維およびアラミド繊維等の合成繊維
からなる織物、編物、不織布等の可撓性を有する任意の
布帛である。用途としては、特に織物や編物では肌着、
外衣等の衣料の表地、裏地、寝具や炬燵布団の表地、裏
地およびカーテン等があげられ、不織布では衣服やホッ
トカーペットの芯地、壁紙等が例示される。そして、こ
れらの布帛は、無地でもよく、また先染めもしくは捺染
による柄模様を有するものでもよく、また任意のエンボ
ス模様を有するものでもよい。ただし、上記の合成繊維
は、フィラメントが好ましく、織物や編物ではマルチフ
ィラメント糸の形で使用される。
【0007】この発明では、上記布帛の少なくとも片面
に遠赤外線放射性セラミックスからなる厚み1〜500
nm、好ましくは5〜300nmの透明被膜が形成され
る。上記透明被膜の厚みが1nm未満では所望の遠赤外
線放射性が得られない。反対に500nmを超えると、
布帛の風合いおよび被膜の透明性が失われ、この発明の
目的が達成されず、かつ不経済である。なお、表裏両面
に上記の透明被膜を形成することにより、保温性が一層
向上する。
【0008】上記の透明被膜を構成するセラミックス
は、波長1〜20μmの遠赤外線に対する放射率が60
%以上のものであり、チタン、亜鉛、錫、アルミニウ
ム、ジルコニウムおよびマグネシウムの酸化物、窒化物
および炭化物が例示される。上記の酸化物、窒化物およ
び炭化物は、いずれか一種を単独で用いて透明被膜とし
てもよく、また2種以上を組み合わせて透明被膜として
もよい。なお、上記の酸化物、窒化物および炭化物にお
いて、特にチタンの窒化物は、波長1〜20μmの範囲
で放射性がほぼ80%と高く、かつほぼ均一であり、し
かも生産性が良好な点で好ましい。
【0009】上記の透明被膜は、真空蒸着、スパッタリ
ング、イオンプレーティング等の物理蒸着によって前記
布帛の片面または両面に形成されるが、前記チタン等の
金属をターゲットに用い、雰囲気ガスのアルゴンガス中
に微量の酸素、窒素または炭化水素ガスをそれぞれ混入
することにより、上記チタン等の金属を蒸発中に酸化、
窒化または炭化させ、これを布帛に付着させて上記の酸
化物、窒化物または炭化物からなる透明被膜を形成する
ことができる。特にスパッタリングは、耐久性良好で、
家庭洗濯に耐える透明被膜を比較的容易に作ることがで
きる。
【0010】得られた透明被膜は、遠赤外線放射性のセ
ラミックスで形成されるため、この透明被膜を備えた布
帛は、人体から発する遠赤外線を吸収し、放射して保温
性を高める働きをする。しかも、上記の透明被膜は、1
〜500nmの厚さで繊維上に付着しているため、編
物、織物、不織布等の布帛における織目、編目または繊
維間空隙を塞ぐことがなく、そのため通気性を損なわな
い。そして、上記のセラミックスが分子単位で繊維表面
に密に付着しているため、繊維の屈曲や伸縮を阻害する
ことがなく、布帛の風合い、手触りが損なわれない。
【0011】上記の物理蒸着によって得られた保温性布
帛は、肌着、外衣等の衣料および寝具等に加工して使用
することが可能であり、得られた保温性衣料は、波長1
〜20μmの遠赤外線、すなわち人間の体温が発する遠
赤外線に対する放射性に優れると共に、通気性を備え、
風合い、手触りも良好であり、蒸着で形成された透明被
膜の耐久性も優れ、家庭洗濯に耐える。しかも、その保
温性は、遠赤外線放射性セラミックスからなる蒸着被膜
によるものであるから、布帛を薄地とすることができ、
スポーツ衣料としても利用できる。
【0012】
【発明の実施の形態】実施形態1 布帛としてポリエステル繊維のマルチフィラメント糸を
経糸、緯糸に用いた織物を用い、その表面に炭化チタン
からなる厚み1〜500nm、好ましくは5〜300n
mの透明被膜をスパッタリングで形成する。次いで、こ
の透明被膜を有する織物を所望の形に裁断、縫製して掛
け布団の側地とし、内側に合繊布団綿を詰めて掛け布団
を製造する。得られた掛け布団は、側地の表面に遠赤外
線放射性セラミックスからなる透明被膜を有するので、
保温性に優れ、しかも通気性、肌触り、風合いおよび外
観が良好である。
【0013】図1は、スパッタリング装置の一例であ
り、密閉可能なチャンバ10の下部にチタンからなる平
板状のターゲット11が表面を上にして中空のターゲッ
トソース12上に固定され、このターゲットソース12
に通される冷水で上記ターゲット11が下面から冷却さ
れる。このターゲット11の上方左右にアノード13が
水平に設置され、このアノード13およびターゲット1
1間に直流電源Eによって500〜1000Vの直流電
圧が印加される。
【0014】上記アノード13の上方に水冷シリンダ1
4が水平に、かつ回転自在に設置され、その左上方に加
工前の布帛Fの送り出し軸15が、また右上方に加工後
の布帛Fの巻取り軸16がそれぞれ水平に、かつ回転自
在に設置される。そして、送り出し軸15に巻かれた加
工前の布帛Fが引出され、左上部のガイドローラ17a
を経て上記水冷シリンダ14に巻回され、右上部のガイ
ドローラ17bを経て巻取り軸16に巻き取られる。ま
た、チャンバ10に真空ポンプ18、アルゴンガス供給
用ガスボンベ19aおよびメタンガス供給用ガスボンベ
19bがそれぞれ接続される。
【0015】上記の装置において、送り出し軸15、巻
取り軸16および水冷シリンダ14を回転し、布帛Fを
反時計方向に所定の速度で送りながら水冷シリンダ14
を冷却し、布帛Fの表面温度を60℃以下に維持する。
一方、真空ポンプ18を駆動してチャンバ10内圧力を
1.3×10-3Pa程度に減圧し、次いで酸素ガス供給用
ガスボンベ19aからアルゴンガスを導入してチャンバ
10内圧力を6.6×10-2Pa程度に調整し、続いてメ
タンガス供給用ガスボンベ19bからメタンガスを導入
してチャンバ10内圧力を1.3×10-1Pa程度に調整
し、しかるのち上記のアノード13およびターゲット1
1間に500〜1000Vの直流電圧を印加してターゲ
ット11からチタンを飛び出させ、このチタンをメタン
ガスから分解された炭素と反応させて炭化チタンとし、
この炭化チタン(遠赤外線放射性セラミックス)を上記
布帛F上に付着させ、アモルファス構造の透明被膜を形
成する。このとき、布帛Fの送り速度を調整して炭化チ
タンからなる透明被膜の厚さを5〜300nmに形成す
る。
【0016】なお、ターゲット11のチタンを亜鉛、
錫、アルミニウム、ジルコニウムまたはマグネシウムに
置換することにより、亜鉛、錫、アルミニウム、ジルコ
ニウムまたはマグネシウムの炭化物からなる透明被膜が
得られる。また、チャンバ10に導入するメタンガスを
酸素に置換することにより、チタン、亜鉛、錫、アルミ
ニウム、ジルコニウムまたはマグネシウムの酸化物から
なる透明被膜が得られる。また、上記のメタンガスを窒
素ガスに置換することにより、チタン、亜鉛、錫、アル
ミニウム、ジルコニウムまたはマグネシウムの窒化物か
らなる透明被膜が得られる。そして、前記のターゲット
を2種以上の金属で作ることにより、2種以上の酸化
物、窒化物または炭化物からなる透明被膜が得られる。
【0017】実施形態2 布帛として、ポリエステルフィラメントからなるスパン
ボンド不織布を用い、その表面に、実施形態1と同様に
炭化チタンからなる厚み1〜500nm、好ましくは5
〜300nmの透明被膜をスパッタリングで形成する。
次いで、この透明被膜を有する織物を所望の形に裁断し
て衣服の表地と裏地間に芯地として挿入する。得られた
衣服は、芯地の片面に遠赤外線放射性セラミックスから
なる透明被膜を有するので、保温性に優れ、しかも通気
性、肌触りおよび風合いが良好である。また、上記の不
織布をホットカーペットの芯地や壁紙として用いること
もでき、壁紙に加工した場合は、結露防止にも有効であ
る。
【0018】実施形態3 布帛としてポリエステル繊維のママチフィラメント糸を
編糸とする横編地を用い、その表裏両面に炭化チタンか
らなる厚み1〜500nm、好ましくは5〜300nm
の透明被膜をスパッタリングで形成する。次いで、この
透明被膜を有する横編地を所望の形に裁断、縫製してス
ポーツシャツを製造する。得られたスポーツシャツは、
身頃を構成する横編地の表裏両面に遠赤外線放射性セラ
ミックスからなる透明被膜を有するので、保温性に優
れ、しかも通気性を有し、かつ肌触り、風合いおよび外
観が良好である。そして、表裏両面に上記の透明被膜を
有するので、保温性が更に向上する。
【0019】上記の横編地は、図1のスパッタリング装
置を用いて未加工の横編地に対し片面ずつスパッタリン
グを行って作ることができるが、1個の密閉チャンバー
内に水冷シリンダー、アノード、ターゲットからなる蒸
着装置を2組設置し、上記の横編地を広げて移送しなが
ら、第1の蒸着装置で表面の透明被膜を形成し、続いて
第2の蒸着装置で裏面の透明被膜を形成することがで
き、この場合は、密閉チャンバーに対する横編地の着脱
操作および上記チャンバーの減圧操作の手間が半減す
る。
【0020】図2は、上記の密閉チャンバー内に2組の
蒸着装置を並設した2段式スパッタ装置を示す。図2に
おいて、20は密閉チャンバーであり、その中央部左右
に第1水冷シリンダー21および第2水冷シリンダー2
2が並設され、左側の第1水冷シリンダー21が反時計
方向に、また右側の第2水冷シリンダー22が時計方向
にそれぞれ駆動により回転する。
【0021】上記第1水冷シリンダー21の上方に加工
前の布帛Fの送出し軸23が、また上記第2水冷シリン
ダー22の上方に加工後の布帛Fの巻取り軸24がそれ
ぞれ回転自在に設置される。そして、送出し軸23から
引出された布帛Fは、第1ガイドローラ25aを経て第
1水冷シリンダー21に上記布帛Fの裏面が接するよう
に巻回され、この第1水冷シリンダー21から第2ガイ
ドローラ25bを経て離脱し、上方の第3ガイドローラ
25c、第4ガイドローラ25dに導かれて上記巻取り
軸24の上を通り、下方の第5ガイドローラ25eを経
て第2水冷シリンダー22に上記布帛Fの表面が接する
ように巻回され、この第2水冷シリンダー22から第6
ガイドローラ25fを経て離脱し、上記の巻取り軸24
に引取られる。
【0022】上記の第1水冷シリンダー21および第2
水冷シリンダー22の下方には、それぞれ左右一対の第
1アノード27および第2アノード28が設置される。
そして、第1アノード27および第2アノード28の下
方にそれぞれ水冷式の第1ターゲットソース29および
第2ターゲットソース30が設置され、これら第1ター
ゲットソース29および第2ターゲットソース30の上
にそれぞれチタンからなる平板状ターゲット31がそれ
ぞれ固定され、第1アノード27と第1ターゲットソー
ス29の間および第2アノード28と第2ターゲットソ
ース30の間にそれぞれ電圧500〜1000Vの直流
電源Eが介設される。
【0023】上記の構造において、送出し軸23、巻取
り軸24および水冷シリンダー21、22を回転し、送
出し軸23から布帛Fを所定の速度で送出し、第1水冷
シリンダー21および第2水冷シリンダー22に順に接
触させて巻取り軸24で引取りながら、第1水冷シリン
ダー21では上記の布帛Fを裏側から冷却し、また第2
水冷シリンダー22では上記の布帛Fを表側から冷却す
る。一方、密閉チャンバー20に接続されている真空ポ
ンプ(図示されていない)を駆動して密閉チャンバ20
の内部圧力を1.3×10-3Pa程度に減圧し、次いでア
ルゴンガス供給用ガスボンベ(図示されていない)から
アルゴンガスを導入して上記密閉チャンバ20の内部圧
力を6.6×10-2Pa程度に調整し、更にメタンガス供
給用ガスボンベ(図示されていない)からメタンガスを
導入してチャンバ20内圧力を1.3×10-1Pa程度に
調整する。
【0024】しかるのち上記の第1アノード27・第1
ターゲットソース29間および第2アノード28・第2
ターゲットソース30間にそれぞれ直流電圧を印加して
平板状ターゲット31からチタンを飛び出させ、メタン
ガスから分解した炭素と反応させて炭化チタンとし、こ
れを第1水冷シリンダー21上の布帛Fの表面および第
2水冷シリンダー22上の布帛Fの裏面にそれぞれ付着
させ、急冷してアモルファス構造の透明被膜を形成す
る。このとき、布帛Fの送り速度を調整することによ
り、透明被膜の厚さを5〜300nmに形成する。
【0025】このようにして送り出し軸23に巻かれた
布帛Fの全体が巻取り軸24に移行し終わると、密閉チ
ャンバー20内に大気が導入され、密閉チャンバー20
から前記布帛Fの表裏両面に炭化チタン(遠赤外線放射
性セラミックス)からなる厚み5〜300nmの透明被
膜を備えた保温性布帛が取出される。
【0026】なお、ターゲット27、28のチタンを亜
鉛、錫、アルミニウム、ジルコニウムまたはマグネシウ
ムに置換することにより、亜鉛、錫、アルミニウム、ジ
ルコニウムまたはマグネシウムの炭化物からなる透明被
膜が得られる。また、チャンバ20に導入するメタンガ
スを酸素に置換することにより、チタン、亜鉛、錫、ア
ルミニウム、ジルコニウムまたはマグネシウムの酸化物
からなる透明被膜が得られる。また、上記のメタンガス
を窒素ガスに置換することにより、チタン、亜鉛、錫、
アルミニウム、ジルコニウムまたはマグネシウムの窒化
物からなる透明被膜が得られる。
【0027】
【実施例】実施形態1の布帛Fとして、ポリエステルフ
ィラメント(3デニール)からなるスパンボンド不織布
(目付け量60g/m2)を用い、その表面に炭化チタン
をスパッタリングによって付着させ、アモルファス質の
炭化チタンからなる透明被膜(厚さ:50nm)を形成
し、衣料やホットカーペットの芯地用として好適な保温
性布帛を得た。
【0028】この保温性布帛(実施例)、上記の炭化チ
タンに代えてステンレス鋼の被膜を形成した比較例1お
よび銅の被膜を形成した比較例2について、温度36℃
における遠赤外線(波長4〜20μm)の分光放射率ス
ペクトル(%)を測定したところ、図3の結果が得られ
た。この図3で明らかなように、実施例は、波長4〜2
0μmの範囲で放射性がほぼ80%を示した。これに対
し、ステンレス鋼の比較例1は、70%程度の良好な放
射性を示したが、金属色を示す点で不都合であった。ま
た、銅の比較例2は、放射性が50%以下と低く、かつ
金属色を示し、不適であった。
【0029】上記実施例の保温性布帛の透明被膜上に市
販の包装用ガムテープを貼り付けて剥離試験をしたとこ
ろ、上記透明被膜の剥離は認められなかった。また、家
庭洗濯機で洗濯を5回行ったが、この場合も透明被膜の
剥離は認められなかった。
【0030】
【発明の効果】上記のとおり、この発明の保温性布帛
は、人間の体温に対応する波長1〜20μmの範囲の遠
赤外線領域における保温性に優れており、しかも通気性
を有し、風合い、手触りが良好で、かつ透明であるた
め、布帛の備える色彩や柄模様が損なわれず、衣料用、
寝具用として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1に係るスパッタ装置の断面図であ
る。
【図2】実施形態2に係るスパッタ装置の断面図であ
る。
【図3】実施例の放射性を示すグラフである。
【符号の説明】
10、20:チャンバ 11、31:ターゲット 12、29、30:ターゲットソース 13、27、28:アノード 14、21、22:水冷シリンダ 15、23:送り出し軸 16、24:巻取り軸 17a、17b、25a〜25f:ガイドローラ 18:真空ポンプ 19a、19b:ガスボンベ E:直流電源 F:布帛
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D06M 11/74 // D06M 101:32 Fターム(参考) 4L031 AA18 AB32 AB33 AB34 BA06 BA09 CB14

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成繊維布帛の少なくとも片面に遠赤外
    線放射性セラミックスからなる厚み1〜500nmの透
    明被膜が物理蒸着により形成されていることを特徴とす
    る保温性布帛。
  2. 【請求項2】 透明被膜がチタン、亜鉛、錫、アルミニ
    ウム、ジルコニウムおよびマグネシウムの酸化物、窒化
    物および炭化物から選ばれたいずれか1以上のセラミッ
    クスからなる請求項1記載の保温性布帛。
  3. 【請求項3】 透明被膜が窒化チタンからなる請求項1
    記載の保温性布帛。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100822719B1 (ko) 2007-05-09 2008-04-17 권태문 원적외선 방사 섬유 및 이를 이용하여 제작된 의복
US8070918B2 (en) 2004-09-15 2011-12-06 Sekisui Nano Coat Technology Co., Ltd. Metal-coated textile

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