JP2002027442A - 物体追尾システム - Google Patents

物体追尾システム

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JP2002027442A JP2000204087A JP2000204087A JP2002027442A JP 2002027442 A JP2002027442 A JP 2002027442A JP 2000204087 A JP2000204087 A JP 2000204087A JP 2000204087 A JP2000204087 A JP 2000204087A JP 2002027442 A JP2002027442 A JP 2002027442A
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浩司 桝田
Toshimichi Okada
俊道 岡田
Miyuki Fujii
幸 藤井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数のエリアに撮像する検知用カメラと、こ
の検知用カメラからの情報に基づき各エリア後とにプリ
セット制御される追尾用カメラとを組合わせたプリセッ
ト自動追尾システムにおいて、監視対象物がエリアをま
たいで往復移動した場合、その移動に対応し、追尾カメ
ラの画面が短時間でめまぐるしく変化し見にくなる。こ
のため、監視域の状況が確認しづらい。更に、往復動作
を繰り返すことにより追尾カメラを搭載する雲台部およ
び電動ズームレンズ等の寿命が大幅に短くなる。 【解決手段】 上記の課題を解決するため、縦横分割し
た複数のエリアに対して更に上下左右に一定幅エリア毎
位置をずらしたエリアをオーバーラップエリアとし、対
象物体がオーバーラップエリアを通過しないと次のエリ
アに移ったものと判断しないという、オーバーラップ特
性を追尾システムに付加したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、侵入者等の監視対
象物体を追尾するシステムにおける追尾方式に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】物体追尾システムに関し、一般的な侵入
者追尾システムの例によって従来技術の説明を行う。ま
ず、従来技術の説明に必要な、システム全般の説明を行
う。図10はこのようなシステムの一例を示すものであ
る。
【0003】このシステムは、ビル601の周辺に侵入
してくる侵入物(例えば人)を検知し、追尾するシステ
ムで、使用するTVカメラには、侵入者を検知するため
の検知用カメラ602,603,604と、侵入者を追
尾するための追尾用カメラ605がある。検知用カメラ
602,603,604はそれぞれ予め定められた受け
持ち範囲を撮像し、ビル601の周辺を全て撮影する。
このために、この従来例の場合、検知用カメラは屋上に
設置されている。また、各検知用カメラは、撮像範囲を
複数のエリアに分割し、後述の通り、この各エリアにお
ける侵入者の検出を行っている。侵入者606がビル6
01の周辺に来た場合、検知用カメラ602,603,
604の少なくとも一台が侵入者606を撮影すること
ができる。
【0004】一方、追尾用カメラは、各エリアに対応し
て、フォーカス値、ズーム比等が複数設定されている。
【0005】各検知用カメラにより撮影された映像は、
A/D変換部607へ入力されデジタル変換される。さ
らに、デジタル変換された映像はグラフィックI/F6
08を通ってモニタ609とCPU611へ出力され
る。CPU611は、入力映像から各カメラの各エリア
における侵入者の有無を判断する。この侵入者検出は、
周知の画像処理技術により可能である。
【0006】ここで、侵入者606が存在する場合、座
標変換部612で侵入者606の場所を特定し、エリア
選択手段613で侵入者606が存在するエリアの番号
を求める。エリア番号によりそのエリアに対応するフォ
ーカス値、ズーム比、撮像方向等のプリセット位置を決
定し、雲台制御I/F614を使って半固定レンズ61
5と雲台616を付けている追尾用カメラ605を、侵
入者606の方へ向け撮影する。そして、追尾用カメラ
605は、CPU611が検知用カメラ602,60
3,604により侵入者を検知している間は、同じ手順
で侵入者606を追尾し続ける。
【0007】次にエリアの選択の方法について、図11
(a)(b)(c)で説明する。図11は,ビルの屋上
から下方を撮像したものである。まず、CPU611が
処理する映像を3系統の検知用カメラ映像からひとつ選
択し、ビル601の周辺画像の撮り込みを行い、0から
255までの256階調の輝度信号であらわされたデジ
タル画像702(図11〈a〉参照)を作成する。撮り
込んだデジタル画像702に2値化、ラベリング、軌跡
作成などの処理を用いて、侵入者の有無を調べる。侵入
者606を検知した場合は、デジタル画像702の何処
にいるかをXY座標704(x1、y1)で出力する。
さらに、デジタル画像702の2値化画像705を作成
し、侵入者の外接矩形706内における侵入者の重心7
07(gx、gy)を求め(図11〈b〉参照)、デジ
タル画像の座標に変換し、座標708(x2、y2)を
計算する。このようにして座標708を含むエリア70
9が侵入者606のいるエリアとして選択される(図1
1〈c〉参照)。なお、図中の点線1は各エリアの境界
線を示す。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このような、従来の方
式で、エリアの境界付近に侵入者が存在し、少しでもエ
リアをまたいで往復移動したり、あるいは、静止してい
ても光の変化等で複数のエリアで侵入者として交互に検
知された場合に、2つまたは2つ以上のエリア(位置)
情報が次々と出力される。このため、追尾カメラ605
に対して、カメラおよびカメラを搭載する雲台、レンズ
等に対するプリセットされた制御指令が短時間で切り換
る。このため、追尾カメラの画像はめまぐるしく変化
し、監視域の状況が確認しづらくなってしまう。更に、
往復動作を繰り返すことによりカメラを搭載する雲台部
および電動ズームレンズ等の寿命が大幅に短くなるとい
う問題がある。本発明はこれらの問題点を解決すること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するため、境界線により縦横分割したエリアの夫々
に、更に、上下左右に一定幅の隣接するエリアとオーバ
ーラップするオーバーラップエリアを設けたものであ
る。
【0010】そして、対象物体がこのオーバーラップエ
リアを通過しない限り、次のエリアに移ったものと判断
しないという、ヒステリシス的な制御特性を持たせたも
のである。
【0011】つまり、対象物体の検出エリアが変わって
も、オーバーラップエリアを通過しない限り、追尾カメ
ラのプリッセト値を変更しないようにし、安定した追尾
画面をモニタ表示できるようにしたものである。
【0012】この一つ一つのエリア、すなわち、単位エ
リアを複数個組み合わせた複合エリアを形成してもよ
い。この複合エリアに対応して追尾用カメラのプリセッ
ト値を設定するようにしても良い。また、この複合エリ
アを用いて、検知用カメラで複数の検知物体を検知した
場合には、追尾用カメラは前記複数の検知物体を同時に
監視するようにしても良い。この場合、追尾用カメラ
は、広角にするのが理想的である。
【0013】検知用カメラは、一つでも、複数個でもよ
く、追尾用カメラも一つでも複数個でも良い。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の一実施例である侵入者追
尾システムについて説明する。
【0015】図1は侵入者追尾システムのブロック図
で、この実施例では検知用カメラが1台、追尾用カメラ
が1台の例を示している。なお、侵入者606の重心を
計算するまでの技術は従来と同じ処理であるのでここで
の説明は省略する。
【0016】侵入者の重心が計算された後、オーバーラ
ップ補正を加えたエリア選択を行う。オーバーラップ補
正は、従来技術で問題となっている隣り合う複数のエリ
アの境界付近でエリアをまたいで往復移動する物体に対
して、2つの位置情報を次々出力するために生ずるカメ
ラの不要な往復動作を解決するための補正である。
【0017】次にこの実施例につて詳細に説明する。こ
のシステムは、ビル601の周辺を広角撮影している検
知用カメラ602の映像を元に、レンズ615、雲台6
16をエリア毎に定められた値に制御し、追尾用カメラ
605の方向、画角を決定している。検知用カメラ60
2の映像は、A/D変換607によってデジタル化さ
れ、グラフィックI/F608と画像メモリ7へ転送さ
れる。グラフィックI/F608に転送された画像デー
タは、モニタ609で表示される。CPU6は、画像メ
モリ7のデータを元に、各種メモリ8を使用し、座標変
換112、エリア選択113を行い追尾カメラ605の
方向、画角を決定する。ここで、本発明では、オーバー
ラップ補正101を加えることで、補正した雲台61
6、レンズ615等の制御データを算出し、従来の不具
合事象を発生させない雲台レンズ制御が可能となる。オ
ーバーラップ補正された制御データにより、雲台制御I
/F614がレンズ615、雲台616を制御し、追尾
用カメラを侵入者606へ向ける。追尾用カメラ605
の映像は、モニタ610に映し出される。
【0018】次にオーバーラップ補正部101の動作に
ついて図2を用いて説明する。境界線1で分けられた3
×3のエリアからなる図示した合成エリア201は、検
知用カメラ602により捕らえられた画像をA/D変換
607でデジタル化したものである。全体エリアはグラ
フィックI/F608によりモニタ609で表示され
る。
【0019】図2は、侵入者606が中央のエリア21
03から右のエリア2104に移動した後、中央エリア
2103に再び戻る様子を表している。この一連の動作
を検知エリア、オーバーラップエリア、プリセットエリ
アの要素に分け、(a)(b)(c)に示す。図の縦方
向は時間帯(t1からt5)を表している。
【0020】検知エリア(a)の中央のエリア2103
(斜線部)は侵入者606の検知エリアを示している。
オーバーラップエリア(b)の点線2がオーバーラップ
エリアを示し、このオーバーラップエリア2から外に出
なければプリセットエリアの移動は行わない。プリッセ
トエリア(c)の斜線部2301はプリセットエリアを
示し、このエリア番号から予め設定しておいた追尾カメ
ラの雲台、レンズの位置を決定する。常に、侵入者を映
すためには、プリセットの設定はプリセットエリアより
広範囲に設定する必要がり、オーバーラップエリアより
少し大き目、一例として、120%にするのが理想的で
ある。
【0021】次にこの動作を具体的に説明する。侵入者
606が中央エリア2103から右のエリア2104へ
移動した場合(t1→t2)、検知エリアは2104に
移動するが、時間t1のオーバーラップエリア2201
から外に出ていないためプリセットエリア2301は変
更しない。さらに、侵入者606が右へ移動した場合
(t2→t3)、オーバーラップエリア2201の外に
出るとオーバーラップエリアも移動し2202となる。
そして、プリセットエリアが変更されプリセットエリア
2302になる。逆に、侵入者606が左に移動した場
合(t3→t4)、侵入者606はオーバーラップエリ
ア2202の外に出ないためプリセットエリアは移動し
ない。さらに、侵入者606が左へ移動した場合(t4
→t5)、オーバーラップエリア2202の外に出ると
オーバーラップエリアが移動し2201となる。そし
て、プリセットエリアが移動しプリセットエリア230
1になる。
【0022】このような動作において、例えば、侵入者
606がt1の状態からt2の状態の位置に移動し、再
びt4の位置に戻るような動作を繰り返した場合、この
実施例では、侵入者606はオーバーラップエリア22
01内での動きとなるため、プリセットエリア2301
の変更は行われず、安定した画面を得ることができる。
【0023】つまり、本実施例では、エリアの境界線上
で侵入者が短時間で往復移動してもプリセット移動は行
われず、急激な動きの無い映像をモニタ610で確認す
ることができる。
【0024】次に本発明の実施例を図6のフローチャー
トに基づき説明する。本実施例では図1のブロック図に
示すように、装置内に画像メモリ7のほかに少なくとも
メモリ8、9、10の三つのメモリを有する。メモリ8
は、侵入者606のいるエリア番号を代入しておくメモ
リである。メモリ9は、前回の侵入者がいたエリア番号
を示しており、侵入者がいない時には、−1が代入され
ている。メモリ10は、選択エリア番号を示しており、
侵入者がいない時は−1が代入されている。まず、侵入
者がいるかどうか判断41を行ない、いない場合は、メ
モリ9に−1を代入する(ステップ53)、メモリ10
に−1を代入(ステップ54)し終了(ステップ52)
する。侵入者606がいる場合は、周知の技術により侵
入者606の重心(gx、gy)を計算(ステップ4
2)する。計算した重心(gx、gy)は、デジタル画
像座標に変換(ステップ43)され(gdx、gd
y)。この重心を含むエリアを探しエリア番号を決定
(ステップ44)した後、メモリ8にエリア番号を代入
(ステップ45)する。次にメモリ9の符号を調べ(ス
テップ46)、負の場合はメモリ9をメモリ8の値に代
入(ステップ51)し、終了52する。メモリ9が正の
場合は、処理を続行する。次にメモリ8とメモリ9を比
較(ステップ47)し、等しい場合には、メモリ10に
メモリ8の値を代入(ステップ55)し、処理51を経
て終了52する。等しくない場合は、メモリ8が示すオ
ーバーラップエリアに、重心が含まれているかどうかを
調べる(ステップ48)。含まれていない場合にはメモ
リ10にメモリ9の値を代入(ステップ49)し、処理
(ステップ51)を経て、終了52する。重心が含まれ
ている場合にはメモリ8をメモリ9、10に代入(ステ
ップ50)して終了52する。このようにして、先に説
明したオーバーラップエリア補正を行っている。
【0025】上記では、重心でエリア判定を行った例を
説明したが、顔検出、足検出処理を加えて、顔面部、足
元部でエリア判定処理を行っても良いし、その他の処理
を加えて監視すべき対象物、対象部分によりエリア判定
を行っても良い。
【0026】エリアの形状は正方形でも長方形でも良
し、また、それ以外の形状でも可能である。本発明を実
際に導入する場合には、監視用映像には必ず奥行きや高
さがあり、エリアの形状を変更できなければならない。
形状を変更するためには、それぞれのエリア情報を図7
に示すようなデータ構造にする必要がある。全エリアデ
ータは、個別エリア総数501、複数の個別エリアデー
タ502から構成されている。さらに、個別データ50
2はエリア種別503、エリア番号504、頂点数50
5、複数の頂点座標506から構成されている。エリア
種別504には、侵入者の位置を特定するエリアとオー
バーラップエリアがある。以上のようなレコードにする
ことで、エリアの形状、個数を任意に設定することがで
きる。
【0027】次に第2の実施例について説明する。図3
は本発明の第2の実施例を示すブロック図で、基本的に
は図1の構成と同じであるが、エリア検出カメラを複数
台(9台)とし、一つのカメラが一つのエリアを受け持
つようにしたものである。また、ハードウエア構成上は
侵入者検出のための座標変換部、エリア選択部、オーバ
ーラップ補正部をCPUで制御するように構成している
が、基本動作上の違いはない。
【0028】図4は、図3における各検知カメラ60
2、603、604、622、623、633、64
3、654、655により捕らえた画像を合成して示し
たもので、この映像はモニタ609に表示される。同図
において、夫々エリア6222の部分が検知カメラ62
2の映像であり、以下同様にエリア6042が検知カメ
ラ604の画像である。斜線は現在選択されているエリ
アを示す。
【0029】図4は侵入者606が中央エリア6432
(a)から右のエリア6552へ移動(b)した後、中
央エリア6432へ戻る様子を表している。線1がエリ
ア境界線でエリアの領域を区切っている。破線2はオー
バーラップエリアを示し、例えば(図4〈a〉参照)6
433はエリア6432のオーバーラップエリアを示
す。同じく(図4(b)参照)、6553はエリア65
52のオーバーラップエリアを表している。このオーバ
ーラップエリアから外に出なければエリアの移動の制御
は行わない。したがって、このときには追尾カメラ60
5は前のエリアのプリセット値が有効になっている。具
体的には、(b)のように侵入者606がエリア線20
3を超えてエリア6552の位置へ移動してもオーバー
ラップエリア6433を超えていないので、選択エリア
は変化しない。さらに、(c)のように侵入者606が
右方向の位置へ移動し、オーバーラップエリア6433
を超えると、侵入者606のいる所が選択エリア655
2になる。このとき、エリア移動の制御が行われ、追尾
カメラ605のプリセット値がエリア6552の値に変
更される。このとき、オーバーラップエリアは(d)の
ようにエリア6552の6553に変わる。更に、選択
エリアに伴いオーバーラップエリアが移動するので、再
度侵入者606が移動し、選択エリアが変化し、侵入者
が元の位置へ戻っても(e)に示すように選択エリアは
変わらない。ところが、さらに(f)のように侵入者6
06が左に移動し、オーバーラップエリア6553を超
えると、選択エリアを6432に変更する。以上のよう
な手順でエリア選択を行う。このようにして、プリセッ
ト値の変更に伴う追尾カメラのめまぐるしい往復動作は
発生しない。
【0030】さらに、境界線203上に立っている侵入
者606の場合において、この発明を用いると前述の処
理で優れた効果が得られることを、図5を使い説明す
る。
【0031】図5において、同じ参照符号は他の図面と
同一物を示す。同図(a)(b)(c)従来技術の場合
の選択エリア(斜線で示す)の変動を示す。(d)
(e)(f)は同じく本発明を実施た場合の結果であ
る。斜線で示した選択エリアの変化を見れば、本発明の
エリア選択が安定しているのが容易に理解される。同図
に示した侵入者606はエリアの境界線203上に立っ
ている。このようなとき、グラフィックI/F608
(図1、図3参照)の誤差によって侵入者606重心の
位置はエリア6432だったり、エリア6552だった
りする。誤差の量によって選択エリアは決定されるた
め、頻繁に選択エリアの変化が起こる。しかし、オーバ
ーラップエリアを用いていれば、オーバーラップエリア
6433の境界線をまたがないため、グラフィックI/
F608の影響を受けることなく、選択エリアは常に6
432で、安定している。
【0032】なお、これら動作は、先に図1を用いて説
明したエリア検出カメラが1台の場合においても同等で
ある。
【0033】今まで述べてきた実施例1では複数の検知
エリアに対して、1台の検知カメラ、実施例2では複数
の検知エリアに対して、夫々同数の検知カメラを割り当
て、何れも対象物体の追尾カメラを1台としたが、本発
明はこれに限られるものではない。例えば、追尾カメラ
を複数台設け、夫々の受持ちエリアを割り当てるように
してもよい。また、複数の検知カメラに更に複数のエリ
アを割り当てるようにし、これを1台の追尾カメラを組
み合わせるようにしても良い。これらの組み合わせは、
監視目的、監視対象によって最適に組み合わせることが
できる。
【0034】次に、検知カメラの異なるエリアに同時に
対象物体を検出したとき、つまり、複数の対象物体を検
出した場合の動作について図8を用いて説明する。
【0035】検知10001に二人の侵入者606A、
606Bがいた場合、次の方法で侵入者を、追尾するこ
とができる。図8(a)の状態から、二人の侵入者60
6A、606Bを同時に追尾するためには、複数エリア
にまたがった追尾方法が必要となる。まず、先に説明し
た方法により、侵入者のいるエリアを検出する。この結
果、二つのエリア10002、10003が検出され
る。本実施例では、二人の侵入者606Aと606Bを
同時に追尾するために、広範囲なエリアを使用する。つ
まり、複数個のエリアを一つとみなし、広範囲なエリア
10001をあらかじめ作成する。以降このエリアのこ
とを複合エリアと呼ぶ。そして、この複合エリアに対応
して、追尾カメラのプリセット値を用意しておく、この
結果、図8(b)のように、このプリセットにしたがっ
て、追尾カメラ605のズームは広角に調整され、複数
の侵入物606Aと606Bは同時に撮像されることと
なる。つまり、図9(a)、(b)、(c)、(d)
(e)のように複数の侵入者を追尾するための複合エリア
901,902、903,904、905を決めてお
き、複合エリアを撮影できるように、雲台616、レン
ズ615、カメラ605の状態をそれぞれ、複合エリア
のプリセット値として登録しておく。実際に二人以上の
侵入者が侵入し、検出エリアが出力されると、どの複合
エリアに該当するかマッチングを行い、複合エリア候補
を選択する。さらに、この候補エリアからエリア面積の
最も小さい複合エリアを選択する。等しいエリア面積の
複合エリアが複数個ある場合は、すべての侵入者に対し
て重心を計算し、その重心と複合エリアの中心点との距
離を求める。最も近い中心点をもつ複合エリアを追尾エ
リアとし、追尾用カメラ605をこのエリアにプリセッ
ト移動させる。以上の手順を繰り返し、複数の侵入者を
追尾していくことができる。もちろんこのとき、各複合
エリアには夫々オーバーラップエリア911、912、
913、914が設定されており、前述のように、オー
バーラップエリアに対象物体があるときは、追尾カメラ
のプリセット値は変更しない。
【0036】なお、以上の説明では侵入物を人として説
明してが、これに限らず、動物、自動車、自転車等の乗
り物であってもよいことは言うまでもない。また、追尾
の対象は、侵入者とは限らない。更に、エリアの形状
は、四角ばかりでなく、円形やそのほか任意の形状であ
っても良い。各エリアは必ずしも全てが接する必要はな
い。つまり、エリア分けされ、監視を必要とするところ
と、エリア分けされずに監視を必要としないところがっ
あっても良い。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
隣り合うエリアを往復する監視対象物体を追尾するカメ
ラの画面が各エリアに対応したプリセット値に基づき短
時間で変化するために発生する監視画面のめまぐるしい
変動を防止することができる。更に、極端に早い変動に
雲台の動作が追いつけず、異常を来すようなこともなく
なる。
【0038】本発明により画面の変化回数が最小に抑え
られプリッセトの切替がスムーズに行われるため、監視
画面が見やすくなる。また、カメラを移動させる雲台、
焦点を変更するレンズに急激な負荷がかからないので、
従来システムに比べ故障が減り、メンテナンス作業の軽
減を実現できる。また、高速動作も少なくなるので、よ
り安価なモーター等を使用することが可能となる。更
に、このようなことは雲台全体の重量を軽減することが
できるため、設置箇所の自由度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例におけるブロック図。
【図2】本発明の第1の実施例の説明図。
【図3】本発明の第2の実施例のブロック図。
【図4】本発明の第2の実施例の説明図。
【図5】本発明の第2の実施例の説明図。
【図6】本発明の実施例のフローチャート。
【図7】本発明の実施例の説明図。
【図8】本発明の第3の実施例の説明図。
【図9】本発明の第3の実施例の説明図。
【図10】従来技術を示すブロック図。
【図11】従来技術の説明図。
【符号の説明】
101:オーバーラップ補正、6222、6332、6
542、6232、6432、6552、6002、6
032、6042:エリア、6433、6553:オー
バーラップエリア、203:エリア境界線、606:侵
入者、601:ビル、602、603,604,62
3,633,654,655,643,622:検知カ
メラ、607:A/D変換、608:グラフィックI/
F、609:モニタ、610:モニタ、611:CP
U、612:座標変換部、613:エリア選択、61
4:雲台制御I/F、615:半固定レンズ、616:
雲台、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5B047 AA27 BB06 BC16 CA12 CA14 CA17 CB09 CB23 DB04 5C022 AA05 AB62 AB63 AC01 AC27 AC42 AC69 5C054 CC03 CG01 CG06 EA01 FC12 FF02 GA04 HA18 5L096 BA02 CA05 EA35 FA60 FA69 FA77 GA19 HA05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 監視対象区域を複数のエリア分け、該監
    視区域での監視対象物体の有無を検知用カメラにより検
    出し、該検知用カメラにより検出された対象物体を追尾
    用カメラにより追尾撮像する物体追尾システムであっ
    て、前記複数のエリアには各単位エリア毎に前記追尾カ
    メラに関するプリッセト値が設定されていると共に該単
    位エリアより広いオーバーラップエリアを設け、該オー
    バーラップエリアを越えない限り、前記プリセット情報
    を変更せずそれまでのエリアに対応したプリセット値に
    より前記追尾用カメラを制御することを特徴とする物体
    追尾システム。
  2. 【請求項2】 複数のエリアに対応して設けた対象物体
    を検出するための検知用カメラと、該対象物体を追尾撮
    像する追尾用カメラとを有する対象物体追尾システムで
    あって、前記追尾カメラには予め監視エリアに対応した
    プリセット制御情報を設定し、前記検知用カメラが対象
    物体を検出したときに当該検知用カメラに対応するエリ
    アに応じて前記追尾用カメラをそのエリアのプリセット
    制御情報により制御し、前記対象物体を追尾し撮像する
    対象物体追尾システムにおいて、 前記検知用カメラに対応したエリアには該エリアより広
    いオーバーラップエリアを設け、前記対象物体が前記オ
    ーバーラップエリアを越えない限り、前記プリセット情
    報を変更せずそれまでのエリアに対応したプリセット情
    報により前記追尾用カメラを制御することを特徴とする
    物体追尾システム。
  3. 【請求項3】 請求項1に於いて、各単位エリアを複数
    個組み合わせ複合エリアを形成し、該複合エリアに対応
    した追尾用カメラのプリセット値を有することを特徴と
    する物体追尾システム。
  4. 【請求項4】 請求項3に於いて、検知用カメラに複数
    の検知物体を検知した場合には、追尾用カメラは前記複
    数の検知物体を同時に監視することを特徴とする物体追
    尾システム。
  5. 【請求項5】 請求項4に於いて、追尾用カメラが、複
    数の検知物体を追尾する場合には、該追尾用カメラの画
    角を広角にすることを特徴とする物体追尾システム。
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