JP2002025404A - 温度ヒューズおよび温度ヒューズ素子用線材 - Google Patents

温度ヒューズおよび温度ヒューズ素子用線材

Info

Publication number
JP2002025404A
JP2002025404A JP2000200932A JP2000200932A JP2002025404A JP 2002025404 A JP2002025404 A JP 2002025404A JP 2000200932 A JP2000200932 A JP 2000200932A JP 2000200932 A JP2000200932 A JP 2000200932A JP 2002025404 A JP2002025404 A JP 2002025404A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alloy
temperature
wire
weight
fuse
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000200932A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3483030B2 (ja
Inventor
Katsuhiko Narita
雄彦 成田
Shiro Hara
四郎 原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Solder Coat Co Ltd
Original Assignee
Solder Coat Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Solder Coat Co Ltd filed Critical Solder Coat Co Ltd
Priority to JP2000200932A priority Critical patent/JP3483030B2/ja
Publication of JP2002025404A publication Critical patent/JP2002025404A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3483030B2 publication Critical patent/JP3483030B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01HELECTRIC SWITCHES; RELAYS; SELECTORS; EMERGENCY PROTECTIVE DEVICES
    • H01H37/00Thermally-actuated switches
    • H01H37/74Switches in which only the opening movement or only the closing movement of a contact is effected by heating or cooling
    • H01H37/76Contact member actuated by melting of fusible material, actuated due to burning of combustible material or due to explosion of explosive material
    • H01H2037/768Contact member actuated by melting of fusible material, actuated due to burning of combustible material or due to explosion of explosive material characterised by the composition of the fusible material
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01HELECTRIC SWITCHES; RELAYS; SELECTORS; EMERGENCY PROTECTIVE DEVICES
    • H01H37/00Thermally-actuated switches
    • H01H37/74Switches in which only the opening movement or only the closing movement of a contact is effected by heating or cooling
    • H01H37/76Contact member actuated by melting of fusible material, actuated due to burning of combustible material or due to explosion of explosive material
    • H01H37/761Contact member actuated by melting of fusible material, actuated due to burning of combustible material or due to explosion of explosive material with a fusible element forming part of the switched circuit

Landscapes

  • Fuses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、140℃以上150℃以下の溶断
温度を確保しうる温度ヒューズを提供することを課題と
する。また、この温度ヒューズの製造に好適な温度ヒュ
ーズ素子用線材を提供することを課題とする。 【解決手段】 本発明の温度ヒューズは、所定の温度で
溶融するヒューズ素子を有する温度ヒューズであって、
前記ヒューズ素子は、1重量%以上3重量%以下のスズ
と、0.1重量%以上5重量%以下の銀と、残部がイン
ジウムとからなる可溶合金により形成されていることを
特徴とする。また、本発明の温度ヒューズ素子用線材も
同様の組成を有する可溶合金により形成されていること
を特徴とする。つまり本発明は、可溶合金中の銀含有率
を調整することで、優れた溶断温度特性、および適度な
強度を有する温度ヒューズおよび線材を提供するもので
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は温度ヒューズおよび
温度ヒューズ素子用線材、より詳しくは所定の温度にて
溶融する無鉛可溶合金により形成した温度ヒューズ素子
を有する温度ヒューズおよび温度ヒューズ素子用線材に
関する。
【0002】
【従来の技術】ヒューズには、電気回路に過電流が流れ
ると溶断して回路を保護する電気ヒューズと、電気回路
周辺の温度が上昇すると溶断して回路を保護する温度ヒ
ューズとがある。電気ヒューズはテレビ、洗濯機等に、
また温度ヒューズは携帯電話、ノート型パソコン等に、
それぞれ組み込まれており、これらの電気製品を保護す
る役割を有している。なかでも温度ヒューズは、設定し
た溶断温度で、確実に、また迅速に溶断して電気回路を
守る必要がある。このため、温度ヒューズには様々な温
度条件に対し、精度よく溶断することが要求される。最
近の半導体等の電子部品は耐熱性の低いものが多く、1
40℃〜150℃付近の温度で破損してしまうものが多
い。またリチウムイオン二次電池のように、温度が14
0℃〜150℃付近まで上がると危険なものもある。こ
のため140℃〜150℃付近の温度域で精度良く、迅
速に溶断する温度ヒューズが要求される。
【0003】ここで、ヒューズの溶断温度は、温度ヒュ
ーズ中のヒューズ素子を構成する可溶合金の融点(液相
面温度)に左右され、融点は合金の成分金属およびその
配合比、つまり組成により決まる。従って、合金の組成
を選択するのは極めて重要である。
【0004】従来、融点が140℃〜150℃付近にあ
る温度ヒューズ用可溶合金としてはもっぱら原料金属の
一種に鉛を含むもの(以下鉛合金と称す)が使用されて
いた。しかし、近年電気製品が廃棄されるとその中に組
み込まれている温度ヒューズから鉛が自然環境中に溶出
することが問題となっている。環境中に溶出した鉛を人
間が摂取すると鉛中毒になり、摂取量により、疲労感、
睡眠不足、便秘、震え、腹痛、貧血、神経炎、脳変質症
等の中毒症状が現れる。したがって、鉛による環境汚染
を防止するため、可能な限り工業材料として鉛を使用し
ないことが世界的に要求されており、鉛に代わる工業材
料の検討が、業界において重要な課題の一つとなってい
る。このため、特開平11−25829号公報には、鉛
合金を使用しない温度ヒューズとして、52〜100重
量%のインジウムと、残部がスズとからなる合金により
形成される温度ヒューズが記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】インジウムは融点が1
56℃と低いため、インジウムを主成分とする合金、す
なわちインジウム含有率の高い合金は融点が低くなる。
しかし、インジウムは柔らかいため、インジウム含有率
の高い合金からなる温度ヒューズおよび線材は傷が付き
やすく取り扱いに不便であるという問題がある。また、
ヒューズの温度に対する溶断性を良くするため、筒型ヒ
ューズや管型ヒューズではヒューズ素子は一定の張力を
かけた状態で設置される場合が多いが、インジウム含有
率の高い線材からなるヒューズ素子は柔らかく延性が高
いため、張力をかけた状態で設置することが困難で、温
度ヒューズの溶断性が悪くなるという問題がある。
【0006】そこで、温度ヒューズおよび線材を形成す
るSn−In合金について鋭意研究を重ねた結果、本発
明の発明者はこの合金に新たに銀を加えることで、14
0℃以上150℃以下の温度において溶融し、かつ温度
ヒューズ素子を形成するのに適切な強度および延性を有
する無鉛可溶合金を得ることができるとの知見を得た。
【0007】本発明の温度ヒューズおよび温度ヒューズ
素子用線材は、上記知見に基づいてなされたものであ
り、140℃以上150℃以下の溶断温度を確保しうる
温度ヒューズを提供することを課題とする。また、この
温度ヒューズの製造に好適な温度ヒューズ素子用線材を
提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の温度ヒューズ
は、所定の温度で溶断するヒューズ素子を有する温度ヒ
ューズであって、ヒューズ素子は、1重量%以上3重量
%以下のスズと、0.1重量%以上5重量%以下の銀
と、残部のインジウムとからなる可溶合金により形成さ
れていることを特徴とする。
【0009】また、本発明の温度ヒューズ素子用線材
は、1重量%以上3重量%以下のスズと、0.1重量%
以上5重量%以下の銀と、残部のインジウムとからなる
可溶合金により形成されていることを特徴とする。
【0010】本発明の発明者は、鉛を含まず、かつ14
0℃以上150℃以下の温度で溶融するようなヒューズ
用可溶合金について検討し、スズ、インジウムにさらに
銀を加えた合金、すなわちSn−In−Ag合金につい
て研究した。
【0011】前述したようにインジウムは融点が低いた
め、合金中において合金の共融点を下げる性質を有す
る。しかしまた一方でインジウムは延性に富み、柔らか
いという性質をも有するため、合金中のインジウム含有
率が高いと、合金自体が柔らかくなってしまう。
【0012】そこで、本発明の発明者は成分元素として
銀に着目した。銀はインジウムと同様に合金の融点を下
げる性質を有し、また合金中にて他の金属と微細な金属
間化合物を作り、合金組織を微細化し、合金の強度を上
げる性質をも有する。したがって、インジウム含有率が
高い無鉛可溶合金であっても、合金中の銀の含有率を調
整することにより、鉛合金と同等の溶融温度、強度を有
する無鉛可溶合金を得ることができる。
【0013】ただし、このような無鉛可溶合金を得るた
めには、新たに生ずる以下の派生的問題点を克服する必
要がある。まず、合金中の銀の含有率を上げすぎると、
銀が合金中にて作る金属間化合物が粗大となる。合金中
に粗大な金属間化合物が晶出すると合金が脆くなるとい
う問題がある。また、銀はスズ、インジウムと比較して
高価なため、本発明の目的を達成できる範囲内で銀含有
率は低く設定する必要がある。さらに、前述したように
ヒューズの溶断温度は、可溶合金の融点により決まる。
しかし、電気回路周辺の温度が、可溶合金の固相面温度
に達するとヒューズは溶け始めるため、合金の液相面温
度と固相面温度との差(以下△Tと称す)が大きいと、
固相面温度に達してから液相面温度に達するまで時間が
かかることになる。△Tが大きいということは、ヒュー
ズの溶断に時間がかかることを意味しており、溶断に時
間がかかると半導体等の電子部品が破損するおそれがあ
る。このため、ヒューズには所望の温度で迅速に溶断す
る速断性が要求され、可溶合金の△Tは可能な限り小さ
い方が望ましい。
【0014】前述した可溶合金からなる本発明の温度ヒ
ューズは、従来の鉛合金製温度ヒューズと同様に140
℃以上150℃以下の溶断温度を確保し、また上記派生
的問題点をも克服することができる実用的な温度ヒュー
ズとなる。また、通常のインジウム含有率の高い合金か
らなる温度ヒューズ素子用線材と比較して、上記可溶合
金からなる本発明の温度ヒューズ素子用線材は、適度な
強度を有し、傷が付きにくくつぶれにくいため、比較的
耐熱性の低い電子部品や小型電子機器等に使用すること
ができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の温度ヒューズおよ
び温度ヒューズ素子用線材の実施の形態について、可溶
合金、温度ヒューズ、温度ヒューズ素子用線材の項目ご
とにそれぞれ説明する。
【0016】〈可溶合金〉まず、本発明の温度ヒューズ
および温度ヒューズ素子用線材の形成材料である可溶合
金の態様について説明する。本発明の温度ヒューズおよ
び線材に使用される可溶合金は、1重量%以上3重量%
以下のスズと、0.1重量%以上5重量%以下の銀と、
残部のインジウムとからなる。可溶合金をこの様な組成
とした理由を説明する。
【0017】まず、合金中の銀含有率について説明す
る。前述したように銀は合金中にて他の合金と微細な金
属間化合物を作り、合金組織を微細化し、合金の強度を
上げる性質を有する。この性質により、合金がインジウ
ムにより柔らかくなるのを中和することができる。ただ
し、銀含有率が過剰に高くなると、微細だった金属間化
合物が粗大となるため、合金の強度は徐々に劣化する。
また、前述したように銀は合金の融点を下げる性質を有
するが、銀の含有率が微小であっても、この性質は合金
に現れる。例えば、銀を含まないインジウムの融点は1
56℃だが、銀を含有させると銀含有率がわずか3重量
%でも融点は141℃まで下がる。さらに、銀は高価な
ため、合金中の銀含有率が高いとヒューズおよび線材の
製造コストが上がる。これらのことから、合金中の銀含
有率は低い方が望ましいため、本発明のヒューズおよび
線材を形成する可溶合金の銀含有率は0.1重量%以上
5重量%以下とした。
【0018】次に、合金中のスズ含有率について説明す
る。スズは融点が231.9℃と低く合金の融点を下げ
る性質を有し、スズ含有率が微小であっても、この性質
は合金に現れる。一方、スズ含有率が高い合金は△Tが
大きいためヒューズ線材用としては好ましくない。した
がってスズ含有率は1重量%以上3重量%以下とした。
【0019】上記の理由から、本発明の温度ヒューズお
よびヒューズ素子用線材を形成する可溶合金は、スズが
1重量%以上3重量%以下、銀が0.1重量%以上5重
量%以下、残部がインジウムという組成を有するものと
した。
【0020】この組成範囲内において、スズ、銀、イン
ジウムの配合比を変えることにより、合金の融点を自在
にコントロールすることができ、140℃から150℃
の間の任意の目標温度に対応する温度ヒューズおよび線
材を提供することができる。
【0021】なお、可溶合金中には、原料金属等から不
可避の不純物が混入することも考えられる。本発明のヒ
ューズおよび線材を構成する可溶合金は不純物の混入を
特に除外するものではなく、上記組成を有する合金に
は、合金中に不可避の不純物が混入しているものも該当
する。
【0022】〈温度ヒューズ〉本発明の温度ヒューズの
実施の形態について、図を参照しながら説明する。図1
に本発明の温度ヒューズの一例として筒型温度ヒューズ
の断面図を示す。図1に示す温度ヒューズ1は、一定の
温度で溶断するヒューズ素子10と、ヒューズ素子10
の両端に接合され電流を通すリード線2と、ヒューズ素
子10の周囲に円柱状に充てんされヒューズ素子溶断後
に溶断面を被い再度導通が生じるのを防ぐフラックス1
1と、ヒューズ素子10、フラックス11およびリード
線2の一部を収納する円筒状のセラミックケース12と
からなる。
【0023】電子機器においては、温度ヒューズ1は例
えば電池等の電源と電気回路等との間に設置される。何
らかの原因で、温度ヒューズ1の周辺温度が上昇し、温
度ヒューズ1の設定温度に達すると、ヒューズ素子10
は溶断し、その溶断面をフラックス11が覆い、電源と
回路等との導通を遮断する。このようにして温度ヒュー
ズ1は電源、電気回路等を保護することができる。
【0024】本実施形態の温度ヒューズ1の製造方法に
ついては、従来からヒューズの製造に用いられている種
々の方法により製造することができる。例えば、後述す
る線材を切断しヒューズ素子10を形成し、このヒュー
ズ素子10とリード線2とを接合し、ヒューズ素子10
の周囲にフラックス11を充てんし、さらにその外側
に、ヒューズ素子10等を外部から保護するためセラミ
ックケース12を設置する方法により製造することがで
きる。
【0025】なお、本発明の温度ヒューズは、図1に示
す筒型ヒューズの他、つめ付きヒューズ、管型ヒュー
ズ、栓型ヒューズ等従来用いられている様々な形状の温
度ヒューズとすることができる。
【0026】また、本発明の温度ヒューズは、140℃
から150℃という温度領域の任意の温度に対し、迅速
に溶断させることができる。このため、比較的耐熱性の
低い電子機器の保護用等、多岐にわたる用途に使用する
ことができる。
【0027】〈温度ヒューズ素子用線材〉次に、前述し
た温度ヒューズに用いられる本発明の温度ヒューズ素子
用線材の実施の形態について説明する。本発明の線材
は、従来線材の製造に用いられてきた種々の方法により
製造することができる。その一例として引抜き法につい
て説明する。
【0028】引抜き法は、線材を構成する可溶合金の原
料を溶融炉に配合する原料配合工程、配合した原料を溶
融させ合金を調製し型に流し込みビレットを作るビレッ
ト作製工程、ビレットから粗線を作製する押出し工程、
粗線から細線を成形する伸線工程からなる。
【0029】まず、原料配合工程では、線材の原料であ
るスズ、インジウム、銀の地金を所望の組成となるよう
に秤量、配合し溶融炉に投入する。次に、ビレット作製
工程では、配合原料を300〜350℃の温度下で溶融
させSn−In−Ag合金を調製し、溶融状態の調製合
金を型に流し込み、柱状のビレットを作製する。次に、
押出し工程では、型からビレットを取り出し、押出し成
形機にかけ、押し出し成形することで粗線を作製する。
最後に、伸線工程では粗線を引抜き成形機にかけ、成形
機に設けられた円形のダイス孔から線状の合金を引き抜
くことにより細線、すなわち線材を成形する。ダイス孔
は順次径が小さくなっており、多数のダイス孔を通る間
に所定の径が得られるようになっている。合金をダイス
孔から引き抜き線材を得るためには、ダイス孔の出側に
て線材に張力を与えることが必要である。このためダイ
ス孔出側にて、線材を一対のロールの隙間に通してい
る。このロールにより張力をかけられ、合金はダイス孔
から引き抜かれることになる。その後ロールを出た線材
はボビン等に巻き取られ保管される。
【0030】上記引抜き法の様に、張力により線材を成
形する方法においては、線材中のインジウム含有率が高
いと、線材が柔らかくなり過ぎるため、引抜き成形にお
いて線材をロール隙間に通す際や線材をボビンに巻き取
る際に、線材が傷付いたり、つぶれてしまうおそれがあ
る。したがって、このような方法では成形することがで
きない。一方、本実施形態の温度ヒューズ素子用線材
は、インジウム含有率は高いが合金中に銀が含まれてお
り適度な強度を有するため、線材をロール隙間に通した
りボビンに巻き取っても傷が付いたりつぶれたりするこ
とが無く、このような方法で成形することが可能であ
る。なお、線材は、軸方向に対する垂直方向の断面が真
円状のものの他、楕円状、多角形状等従来用いられてい
る様々な断面形状の線材とすることができる。
【0031】他の方法で製造した線材と比較して、より
細くすることができる本発明の線材は、使用に際し以下
の要求に応えることができる。比較的低い温度にて溶断
する温度ヒューズにおいては、耐熱性の低い半導体等の
電子部品を保護するため設定温度に対する速断性が要求
される。前述したように線材からなるヒューズ素子は、
速断性を確保するため、ヒューズ内において一定の張力
がかけられた状態で設置される場合が多い。この状態で
設置されたヒューズ素子は、断面積が小さいほどより迅
速に溶断するので、このようなヒューズ素子に用いる線
材にも断面積が小さいことが要求される。
【0032】また、本発明の線材は溶断温度が140℃
以上150℃以下だが、この温度域で溶断する線材を有
するヒューズは、ノート型パソコン等の小型電子機器の
保護用として需要が高まっている。近年これらの電子機
器は、利用の便から小型化の一途をたどっており、機器
の小型化のためには、その部品である温度ヒューズも小
型であることが要求され、温度ヒューズ素子用線材の断
面積も小さいことが要求される。
【0033】上記要求より、線材の断面積は0.3mm
2以下であることが必要となる。この様な断面積の小さ
い線材にとっては、線材が傷付いたりつぶれたりするこ
とは致命傷となる。すなわち、線材が傷付いたりつぶれ
たりすると、その部分だけ断面積が変わり、傷の有無や
つぶれ具合により同じ設定温度のヒューズであっても溶
断時間にばらつきが発生するからである。インジウム含
有率が高いだけのヒューズ用線材は、柔らかいので傷が
付きやすくまたつぶれやすかった。このため、溶断時間
にばらつきが発生しやすく信頼性の低いものが多かっ
た。一方、本発明の線材は、インジウム含有率は高いが
銀を含有させ強度が高いため、傷が付きにくくまたつぶ
れにくい。このため、ばらつきの小さい信頼性の高い線
材とすることができ、上記要求に充分応えることができ
る。
【0034】
【実施例】上記実施形態に基づいて、所定の組成を有す
るSn−In−Ag合金製の試料を作製し実験を行っ
た。これを実施例として説明する。
【0035】〈実施例〉実施例の試料は、2重量%のス
ズ、3重量%の銀、95重量%のインジウムという組成
を有する可溶合金により構成されている。この試料は以
下の方法により製造した。まず、純度99.99%のス
ズ、純度99.99%の銀、純度99.99%のインジ
ウムを秤量し、溶融炉に投入した。次に、原料を溶融炉
にて300℃の温度下で溶融攪拌して合金の調製を行
い、調製合金を型に流し込み放冷し、脱型した。このよ
うにして作製したインゴットから試料を採取し、これを
実施例とした。また、調製合金を型に流し込む際、化学
分析にて合金組成の確認を行った。
【0036】〈実験方法〉実験は、実施例の試料を加熱
炉にて徐々に加熱し、熱分析計(以下TAと称す)、示
差走査熱量計(以下DSCと称す)を用いて試料につい
ての溶融温度特性を調べることにより行った。加熱炉の
昇温パターンは、実験前の温度を50℃、昇温速度を毎
分10℃、最終保持温度を200℃とした。
【0037】〈実験結果〉この昇温パターンにて実施例
の試料を昇温したときの、TAによる測定結果を図2に
示す。図2より、約143℃から約144℃にかけて温
度曲線が平らになっているのが分かる。また、DSCに
よる測定結果を図3に示す。図3より、温度が約143
℃のときに示差熱曲線にピーク開始点があることが分か
る。これらのことから、実施例の試料を構成する可溶合
金は、約143℃で固相単独の一相状態から固相と液相
との二相共存状態となり、約144℃で二相共存状態か
ら液相単独の一相状態に相変化することが分かる。すな
わち、約143℃が固相面温度、約144℃が液相面温
度であり、△Tは約1℃であることが分かる。
【0038】以上の実験から実施例の液相面温度は14
4℃、固相面温度は143℃以内という温度範囲内に液
相面温度があることが分かった。また、実施例の△Tは
1℃と極めて小さいことが分かった。
【0039】
【発明の効果】本発明の温度ヒューズは、所定の温度で
溶断するヒューズ素子を有する温度ヒューズであって、
前記ヒューズ素子は、1重量%以上3重量%以下のスズ
と、0.1重量%以上5重量%以下の銀と、残部のイン
ジウムとからなる可溶合金により形成されていることを
特徴とする。
【0040】また本発明の温度ヒューズ素子用線材は、
1重量%以上3重量%以下のスズと、0.1重量%以上
5重量%以下の銀と、残部のインジウムとからなる可溶
合金により形成されていることを特徴とする。
【0041】このように、可溶合金としてSn−In−
Ag合金を選択し、また合金中の銀含有率を調整するこ
とで、優れた溶断温度特性と適度な強度および延性を有
する温度ヒューズおよび線材となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】温度ヒューズの断面図である。
【図2】実施例のTAによる測定結果を示すグラフであ
る。
【図3】実施例のDSCによる測定結果を示すグラフで
ある。
【符号の説明】
1:温度ヒューズ 10:ヒューズ素子 11:フラックス 12:セラミックケース 2:リード線

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の温度で溶断するヒューズ素子を有
    する温度ヒューズであって、前記ヒューズ素子は、1重
    量%以上3重量%以下のスズと、0.1重量%以上5重
    量%以下の銀と、残部のインジウムとからなる可溶合金
    により形成されていることを特徴とする温度ヒューズ。
  2. 【請求項2】 1重量%以上3重量%以下のスズと、
    0.1重量%以上5重量%以下の銀と、残部のインジウ
    ムとからなる可溶合金により形成されている温度ヒュー
    ズ素子用線材。
JP2000200932A 2000-07-03 2000-07-03 温度ヒューズおよび温度ヒューズ素子用線材 Expired - Fee Related JP3483030B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000200932A JP3483030B2 (ja) 2000-07-03 2000-07-03 温度ヒューズおよび温度ヒューズ素子用線材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000200932A JP3483030B2 (ja) 2000-07-03 2000-07-03 温度ヒューズおよび温度ヒューズ素子用線材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002025404A true JP2002025404A (ja) 2002-01-25
JP3483030B2 JP3483030B2 (ja) 2004-01-06

Family

ID=18698719

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000200932A Expired - Fee Related JP3483030B2 (ja) 2000-07-03 2000-07-03 温度ヒューズおよび温度ヒューズ素子用線材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3483030B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1343186A2 (en) * 2002-03-06 2003-09-10 Uchihashi Estec Co., Ltd. Alloy type thermal fuse and fuse element thereof
US6841845B2 (en) * 2002-07-16 2005-01-11 Uchihashi Estec Co., Ltd. Alloy type thermal fuse and wire member for a thermal fuse element
US6963264B2 (en) 2002-07-11 2005-11-08 Uchihashi Estec Co., Ltd. Alloy type thermal fuse and wire member for a thermal fuse element

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1343186A2 (en) * 2002-03-06 2003-09-10 Uchihashi Estec Co., Ltd. Alloy type thermal fuse and fuse element thereof
EP1343186A3 (en) * 2002-03-06 2004-01-28 Uchihashi Estec Co., Ltd. Alloy type thermal fuse and fuse element thereof
US7160504B2 (en) 2002-03-06 2007-01-09 Uchihashi Estec Co., Ltd. Alloy type thermal fuse and fuse element thereof
US6963264B2 (en) 2002-07-11 2005-11-08 Uchihashi Estec Co., Ltd. Alloy type thermal fuse and wire member for a thermal fuse element
US6841845B2 (en) * 2002-07-16 2005-01-11 Uchihashi Estec Co., Ltd. Alloy type thermal fuse and wire member for a thermal fuse element

Also Published As

Publication number Publication date
JP3483030B2 (ja) 2004-01-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4230194B2 (ja) 合金型温度ヒューズ及び温度ヒューズエレメント用線材
EP1343188B1 (en) Alloy type thermal fuse and fuse element thereof
JP4223316B2 (ja) 二次電池用ヒューズ
EP1343187B1 (en) Alloy type thermal fuse and fuse element thereof
JP2001325867A (ja) 温度ヒューズおよび温度ヒューズ素子用線材
JP2003328066A (ja) 合金型温度ヒュ−ズ
EP1383149B1 (en) Alloy type thermal fuse and wire member for a thermal fuse element
JP4911836B2 (ja) 温度ヒューズ用可溶性合金および温度ヒューズ用線材および温度ヒューズ
JP3761846B2 (ja) 合金型温度ヒューズ及び温度ヒューズエレメント用線材
JP3995058B2 (ja) 合金型温度ヒュ−ズ
JP2002025402A (ja) 温度ヒューズおよび温度ヒューズ素子用線材
JP3483030B2 (ja) 温度ヒューズおよび温度ヒューズ素子用線材
JP2002025406A (ja) 温度ヒューズおよび温度ヒューズ素子用線材
US20050220661A1 (en) Method of using an alloy type thermal fuse, and alloy type thermal fuse
JP2002025405A (ja) 温度ヒューズおよび温度ヒューズ素子用線材
JP2002025403A (ja) 温度ヒューズおよび温度ヒューズ素子用線材
JP4212400B2 (ja) 温度ヒューズ
JP2003082430A (ja) 温度ヒューズ用可溶性合金および温度ヒューズ用線材および温度ヒューズ
JP3771512B2 (ja) 温度ヒューズ用可溶性合金および温度ヒューズ用線材および温度ヒューズ
US7160504B2 (en) Alloy type thermal fuse and fuse element thereof
JP2003013166A (ja) 温度ヒューズ用可溶性合金および温度ヒューズ用線材および温度ヒューズ
JP2002150906A (ja) 合金型温度ヒューズ
JP2008156675A (ja) 電気・電子部品のヒューズ用の材料
JP2003013167A (ja) 温度ヒューズ用可溶性合金および温度ヒューズ用線材および温度ヒューズ
JP2001143592A (ja) 合金型温度ヒュ−ズ

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091017

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091017

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101017

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101017

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111017

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees