JP2002022724A - 糖化アルブミンの迅速分析方法 - Google Patents

糖化アルブミンの迅速分析方法

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JP2002022724A
JP2002022724A JP2000201835A JP2000201835A JP2002022724A JP 2002022724 A JP2002022724 A JP 2002022724A JP 2000201835 A JP2000201835 A JP 2000201835A JP 2000201835 A JP2000201835 A JP 2000201835A JP 2002022724 A JP2002022724 A JP 2002022724A
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Toshihiko Hanai
俊彦 花井
Toshio Kinoshita
俊夫 木下
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 迅速性、操作性、再現性に優れ、
かつ自動化が可能な糖化アルブミンの分析方法の提供。 【解決手段】 体液中のアルブミンを固相に選択
的に吸着させ、吸着されたアルブミンを固相から選択的
に抽出し、抽出液中の糖化アルブミンを検出する糖化ア
ルブミンの迅速分析方法、または体液中のアルブミンを
第1の固相に選択的に吸着させ、吸着されたアルブミン
を固相から選択的に抽出し、抽出されたアルブミンを第
2の固相により糖化アルブミンと非糖化アルブミンに分
離し、少なくとも糖化アルブミンを検出する糖化アルブ
ミンの迅速分析方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は体液、例えば血清中
の糖化アルブミンを迅速かつ簡便に定量する臨床診断に
有用な分析方法に関する。さらに詳細には、例えば血清
を、アルブミン選択的固相を通過させてアルブミンを選
択的に保持させ、固相内に存在する夾雑物を洗浄除去
後、アルブミン画分を溶出し、糖化アルブミンを検出す
る分析方法、及び必要であればアルブミン画分をさらに
糖化アルブミンと非糖化アルブミンに選択的に分離する
固相を通過させて糖化アルブミンと非糖化アルブミンに
分画し、少なくとも糖化アルブミンを検出する分析方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】蛋白質の非酵素的糖化は糖尿病時の合併
症の発症に関与し、さらに、老化にも関与していると言
われている。中でも、血清中アルブミンは血中総蛋白質
の60%を占めており、こう質浸透圧の維持、物資輸送
など、生体にとって重要な機能を有する蛋白質である。
これが糖化されて糖化アルブミンになると、それらの機
能が変化し、生体に及ぼす影響が懸念される。1例とし
て、アルブミンの重要な機能である薬物保持能が低下す
る。このようにアルブミンの糖化は体内の機能低下の指
標としてとらえる事が出来る。取分け、糖尿病患者の血
液中には総アルブミンに占める糖化アルブミン量が多
い。糖尿病の診断や血糖コントロールの指標として血糖
値も指標として用いられる。しかしながら、血糖値は経
時変化が大きく、病態そのものを直接に反映していると
は言い難い。ヘモグロビンA1cも血糖値と共に用いられ
てきたが、病態を反映する指標として、診断及び治療に
は間隔が空き過ぎると考えられている。即ち、アルブミ
ンの生物学的半減期は2−3週間であり、ヘモグロビン
の生物学的半減期5週間よりも短い。このため、糖血症
の短時間の指標には糖化アルブミンの方が適しており、
血糖コントロールのためには糖化アルブミン量を測定す
る事が重要であり、数週間前の状態を反映する指標とし
て糖化アルブミンの測定法が開発された。
【0003】糖化アルブミンの測定方法としては、液体
クロマトグラフィーを使う方法とイムノアッセイ法があ
る。しかし、健常人と患者間で有意な差があるといわれ
ている糖化アルブミンの量も、測定方法やサンプルの地
域差によるためかその値は一定ではない。たとえば、D
ay等の報告によると、チオバルビツール酸法で測定した
健常人6人の糖化アルブミン量は全アルブミン量の6〜
15%であり(J.F.Day,S.R.Thorpe and J.W.Baynes,
J.Biol.Chem.,254(1979)595-597)、Baynes等が測定し
た健常人の糖化アルブミン量は、チオバルビツール酸法
で8.3±2.2%、CMセルロースを用いたクロマト
グラフィー法で7.0±1.9%である(C.E.Guthrow,M.
A.Morris,J.F.Day,S.R.Thorp and J.W.Baynes,Pro.N
atl.Acad.Sci.USA,76(1979)4258-4261)。Leiper 等は
糖化血清タンパク質中に含まれるアルブミンをブロモク
レゾールグリーンで発色させて糖化アルブミン量を求
め、健常人の糖化アルブミン量は1.65±0.27%
と報告している(J.M.Leiper,D.Talwar, D.A.Robb,C.B.
Lunan and A.C.MacCuish, Quartery J.Med.Sci.,New
Series, 55(1985)225-231.)。糖化アルブミン量をイ
オン交換とフェニルほう酸アガロースカラムを用いたア
フィニティークロマトグラフィー法で測定したKim等に
よると、糖尿病患者の糖化アルブミン量は16±1.1
%、健常人の糖化アルブミン量は8.1±0.9%であ
る(H.J.Kim and l.V.Kurup, Clin.Res.,30(1982)396
A.)。また、ヤスカワ等がイオン交換とフェニルほう酸
アガロースカラムを用いたアフィニティークロマトグラ
フィー法で測定した糖化アルブミン量は、健常人で1
6.1±1.1%、糖尿病患者で39.9±9.1%と報
告している(K.Yasukawa, F.Abe, N.Shida.Y. Koizumi,
T.Uchida, K.Noguchi and K.Shima,J.Chromatog
r.,597(1992)271-275.)。Elion等は、硫酸アンモニウム
でアルブミンを精製した後、Affi-Gel-Blueとフェニル
ほう酸のクロマトグラフィーで糖化アルブミンを測定し
た結果では、健常人32人の糖化アルブミン量の平均値は
3.9±0.3%、糖尿病患者54人の糖化アルブミン量
は3.9から21%である(R.Ducrocq, B.Le.Bonniee,
O.Carlier, R.Assan and E.Elion, J.Chromatogr.,4
19(1987)75-83)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】液体クロマトグラフィ
ー法は測定精度が高く信頼できる方法であり、かつ自動
化された装置であり、糖化アルブミンの濃度を求めるに
は特殊な技術を要しない。しかし、2種類の分離管を流
路切り替え手段を介して切り替え、さらにグラディエン
ト溶出法を使う必要があり、分析時間が長く、多数の試
料を分析するのには適していない。さらに、装置の保守
に注意が必要である。他方、イムノアッセイ法は操作が
複雑な装置を必要とはしないが、測定値が液体クロマト
グラフィー法に比べて非常に小さく、精度良く値を求め
るのには熟練した技術を必要とする。本発明は、上記の
問題点を克服し、迅速性、操作性、再現性に優れ、かつ
自動化が可能な糖化アルブミンの分析方法の提供を目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、体液中のアル
ブミンを固相に選択的に吸着させ、吸着されたアルブミ
ンを固相から選択的に抽出し、抽出液中の糖化アルブミ
ンを検出することを特徴とする糖化アルブミンの迅速分
析方法を提供する。さらに本発明は、体液中のアルブミ
ンを第1の固相に選択的に吸着させ、吸着されたアルブ
ミンを固相から選択的に抽出し、抽出されたアルブミン
を第2の固相により糖化アルブミンと非糖化アルブミン
に分離し、少なくとも糖化アルブミンを検出する糖化ア
ルブミンの迅速分析方法を提供する。すなわち、本発明
は、液体クロマトグラフィーの基礎的原理に基づき、分
離管の理論段数を向上させるという物理的改良ではな
く、固相の化学的選択性を改良して固相抽出を考案し、
一度に多数の試料を分析できるようにした。さらに、測
定機器の選択的検出法を開発することにより、高感度、
短時間分析を可能にした。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明においてアルブミンとは糖
化アルブミンと非糖化アルブミンの両方を指し、糖化ア
ルブミンとはグルコースと結合したアルブミンを指し、
その結合したグルコースがメイラード反応でアマドリ転
位したものを含む。非糖化アルブミンとは糖と結合して
いないアルブミンを言う。
【0007】従来、例えば血清中のアルブミンを選択的
に分離するためには、アルブミンと体液中のその他の成
分を分離できる分離管であればよく、アルブミンと親和
性の高いシバクロムブルー等を結合させたゲル、分子ふ
るいクロマトグラフィー用ゲルやイオン交換液体クロマ
トグラフィー用ゲルを詰めた分離管が使われてきた。本
発明はこの分離に時間を要する液体クロマトグラフィー
法を新たに開発した固相抽出法にかえて、分離時間を短
縮するだけでなく、多数の試料を多数の固相管を使って
同時に処理できるようにしたところに特徴を有する。こ
のアルブミンを選択的に抽出する固相は管状であっても
層状であってもよい。次に、アルブミン抽出液を糖化ア
ルブミンに選択的、かつ高感度な化学発光検出器を用い
て糖化アルブミンを検出、定量する。化学発光法を用い
る高感度検出を必要としない場合には、この抽出液を固
相に通して、糖化アルブミンと非糖化アルブミンに分離
し、糖化アルブミンと非糖化アルブミンを蛍光検出器ま
たは光吸収検出器で検出、定量する。この際、糖化アル
ブミンの選択的分離のためには、糖化物と非糖化物を分
離する固相が使用される。例えばカルボキシメチルセル
ロースイオン交換体(James F.Day,et.al.,J.Bio.Che
m., 254(1979)594)やセルロース等にジヒドロキシボロ
ニル基を導入したもの(A.K.Malla,et.al.,Anal.Letter
s,14(1981)649)等が用いられる。
【0008】固相が管状の場合には、管の中に詰める固
相を粒子状に合成して詰めるか、層状に合成して、切り
抜いてから管の中に詰め込み、固相抽出管として供す
る。固相が層状の場合には穴を開けた板でサンドイッチ
状にはさんで固相抽出に供してもよい。
【0009】本発明の糖化アルブミンの迅速分析方法へ
の使用に適した分析装置を図1〜図3の構成説明図に基
づいて説明する。図1は固相抽出管を示し、図中記号1
はアルブミン親和性ゲルを詰めているアルブミン親和性
固相管であり、記号2は糖化アルブミン親和性ゲルを詰
めてある糖化アルブミン親和性固相管である。図2は化
学発光検出法を用いるフローインジェクション分析計の
構成説明図である。図3は蛍光検出法を用いるフローイ
ンジェクション分析計の構成説明図である。
【0010】図1のアルブミン親和性固相管(1)には
粒子状のものを詰めているが、例えばセルロース等のよ
うな層状の多糖類を原料にしてアルブミン親和性固相を
合成して、その層状のものを切り取って詰めてもよい。
この層状の形態はセルロース状でも多孔性膜のゲル状の
ものでもよいし、粒子状のものを固めたものでもよい。
図1の糖化アルブミン親和性固相管(2)でも粒子状ゲ
ルを詰めた状態を示しているが、形状は粒子状に限定さ
れるものではない。
【0011】図2は化学発光検出器(7)を備えたフロ
ーインジェクション分析計の1例を示す。容器(3)に
入れた発光試薬、容器(4)に入れたアルカリ溶液は、
それぞれ脱ガス装置(5)を経て送液ポンプ(6)、
(7)により送られ、発光試薬液の流路に試料注入用の
注入口(8)が取り付けてある。注入口(8)から流路
に導入された試料溶液は発光試薬液と混合した後、送液
ポンプ(7)から送られたアルカリ溶液と混合される。
これにより、糖化アルブミンが活性酸素を発生し、この
活性酸素が発光試薬と反応して、発光して発光検出器
(9)により検出される。図中記号(10)はデータ処
理機を示し、記号(11)は廃液貯槽を示す。本図にお
いて、試料溶液注入口(8)を発光試薬側に取付ている
が、注入口をアルカリ溶液側に取り付けてもよい。発光
試薬としてはルシゲニン、ルミノール等他の発光試薬も
使用できる。アルカリ溶液はカセイカリやカセイソーダ
が用いられる。
【0012】発光試薬やアルカリ溶液の濃度及び流速は
測定に供する血清の量、分析時間及び要求される感度に
よって適宜調整される。化学発光検出感度は反応溶液の
流速に大きく影響を受ける。本発明の分析法では糖化ア
ルブミンの絶対量を求める事ができるので、検量線を作
成する標準物質の選択が重要である。血清アルブミンを
精製した後、検定してから標準物質として用いてもよい
が、合成して容易に純度の高いものが得られる糖のアマ
ドリ体、例えば1−デオキシ−1−p−トルイジン−D
−フラクト−スを標準物質として用いてもよい。
【0013】図3は蛍光検出器(16)を備えたフロー
インジェクション分析計を示す。キャリヤー溶液送液ポ
ンプ(14)により、容器(12)に入れたキャリヤー
溶液を脱ガス装置(13)を経て蛍光検出器(16)に
送る。ポンプ出口側の流路に試料注入用の注入口(1
5)が取り付けてある。図中記号(17)はデータ処理
機、記号(18)は廃液貯槽を示す。キャリヤー溶液と
しては非糖化アルブミン及び糖化アルブミンを溶解し、
抽出溶液と容易に混合する溶液であればよい。このキャ
リヤー溶液の流速は感度にそれほど影響を及びばさな
い。この方法では非糖化アルブミンと糖化アルブミン両
方の面積又は高さを求めることができるので、標準物質
を用いなくても糖化アルブミンを全アルブミン中の濃度
として求める事ができる。次に血清中のアルブミンの選
択的抽出を例を挙げて説明する。
【0014】血清中のアルブミンの選択的抽出例(1) 血清をアルブミン親和性固相管(1)に添加し、洗浄液
(A液)で洗浄する。次に抽出液(B液)でアルブミン
を溶出する。抽出した溶液を図2に示した化学発光検出
器を備えたフローインジェクション分析計で糖化アルブ
ミンを選択的に検出する。この装置の安定性、感度の変
動は標準物質の1−デオキシ−1−p−トルイジン−D
−フラクト−ス等を分析して容易に補正できる。なお、
総アルブミン中の糖化アルブミン濃度を求めるには通常
の臨床検査で測定される総アルブミン量で除すればよ
い。洗浄液(A)液としては、中性附近で、体液中の成
分を変性せず、沈殿を生ぜず、かつアルブミン以外を固
相に吸着しない条件を備えたものであればよい。この条
件を満足させるために、塩を加えたり、pHを調整する
緩衝液を加える。塩及びび緩衝液の種類や濃度は特に限
定しないが、化学発光検出器や蛍光検出器での分析を阻
害するようなものであってはいけない。溶出液(B液)
はアルブミンをその固相から溶出させる溶液であればよ
いが、化学発光反応や蛍光検出分析を阻害するようなも
のであってはいけない。緩衝液のpHは2−4.5が望
ましく、高いpH9−13でもよい。しかし合成した固
相を分解するものであると、固相を再生して再利用でき
なくなるのでよろしくない。水溶液有機溶媒を加えるこ
とにより、脱着を促進するようになる。
【0015】血清中のアルブミンの選択的抽出例(2) 通常の分析では、数+μLの血清を分析に共することが
でき、高感度分析を必要とせず、さらに、標準物質を使
って補正する事なく糖化アルブミンの濃度を求めるだけ
である。この場合にはアルブミン親和性固相からの抽出
液を糖化アルブミン親和性固相に添加する。まず、溶出
液(C液)で非糖化アルブミンを溶出する。次に、溶出
液(D液)で糖化アルブミンを溶出し、それぞれの分画
液を、蛍光検出器を備えたフローインジェクション分析
計に入れ、蛍光強度を求め、それぞれの強度比から糖化
アルブミンの濃度を求める。この方法は血清中アルブミ
ンの選択的抽出例(1)に比べて、さらに固相抽出法が
加わり、フローインジェクション分析法で2つの分画液
を分析する必要がある。しかし、液体クロマトグラフィ
ー法に比べて格段に迅速な分析方法である。
【0016】溶出液(C液)は糖化アルブミンを溶出す
ることなく、アルブミンを溶出させるために、糖化アル
ブミンとジヒドロキシボロニル基が結合する条件、すな
わち1、2−シスジオール基を有するる物質を含まず、
pH7.5−9.5が望ましい。糖化アルブミンを溶出
させるための溶出液(D液)はpH2−6が望ましく、
高いpHでも1、2−シスジオール基を有する物質を含
んでいればよい。この1、2−シスジオール基を有する
物質の濃度は20−500mMが望ましい。C液及びD
液の塩濃度は10mM−1Mが望ましく、緩衝液の種類
は特に限定されていない。また、少量の水溶性有機溶媒
を含有していた方が好ましい場合もある。
【0017】上記システムを用いて、血清中糖化アルブ
ミンの分析を行った1例を示す。分析条件は以下のとう
りである。
【0018】実施例1 血清中アルブミンの選択的抽出
(1)の分析例 図1のアルブミン親和性固相管に200μLのゲルを詰
める。このアルブミン親和性固相管に20μLの血清を
添加する。洗浄液(A液)(0.15モル塩化ナトリウ
ム、0.02モル燐酸ナトリウム緩衝液を含み、pH
7.50に調整した溶液)1.4mLで夾雑物を洗い流
す。次にB液(pH2.40の0.075モル燐酸ナト
リウム緩衝液に同量のエタノールを加えた溶液)800
μLでアルブミンを溶出して試料液とする。
【0019】ここで用いたアルブミン親和性固相はセフ
ァローズ4Bをピーター等(T.Peter, Jr., H.Taniuch
i, C.B.Anfinsen, Jr., J.Biological Chemistry,248
(1973)2447)及びクワトレカサス等(P.Cuatrecasas a
nd C.B.Anfinsen, Methods Enzymol.22(1971)345)の
合成方法を改良して合成した。このアルブミン親和性固
相200μLは100μLの血清を処理できるので、チ
ップのように死容積の少ない容器を使えば、20μLの
血清を処理するのには50μLのゲルが必要であり、こ
の場合、A液の必要量は350μL、B液の必要量は1
80μLである。
【0020】この試料液を図2の化学発光検出器を備え
たフローインジェクション分析計で糖化アルブミンを選
択的に定量する。この新しい方法で求めた糖化アルブミ
ン量は従来の2種の分離管と流路切り替え法で分析した
結果を比較した例を図4にまとめた。図中、FIA−C
Lは化学発光検出器を備えたフローインジェクション分
析計で測定した糖尿病患者の血清中の糖化アルブミン含
有量(重量%)、HPLCは従来の2種類のカラムと蛍
光検出器で分析した糖尿病患者の血清中の糖化アルブミ
ン含有量(重量%)を示す。このフローインジェクショ
ン分析法でのルシゲニン溶液の濃度は0.012Mで流速は
0.5mL/分、カセイソーダ溶液の濃度は0.5M、流速は0.
5mL/分であった。この実験条件で、この標準物質の1
−デオキシ−1−p−トルイジン−D−フラクト−スの
感度は10pmolであった。流速を0.1mL/分にすると、感
度は14倍向上した。流速と感度との関係から流速を0.
01mL/分にすると、予想速度は10fmolと計算でき、超
高感度検出が必要な時にはマイクロプレート分析法を使
えば良い事を示唆していた。
【0021】実施例2 血清中アルブミンの選択的抽出
(2)の分析例 血清中アルブミンの選択的抽出例(1)で得られた試料
溶液50μLを、糖化アルブミン親和性固相100μL
(旭化成製、ジヒドロキシボロニル基結合ゲル)を詰め
た糖化アルブミン親和性固相管に添加し、700μLの
C液でまず非糖化アルブミンを溶出する。次に400μ
LのD液で糖化アルブミンを溶出して試料溶液とする。
このC液は250mMの酢酸アンモニウム、50mM塩化マグネ
シウムと5%エタノールを含み、pHをアンモニウム水
でph8.50に調整した溶液であり、D液は200mMソルビト
ール、100mMの2-アミノ-2-ヒドロキシンメチル-1、
3-プロパンジオールと50mMジソディウムエチレンヂ
アミンテトラ酢酸を含み、アンモニア水でpH8.50に調
整した溶液である。
【0022】C液で抽出した非糖化アルブミン及びD液
で抽出した糖化アルブミンを、図3に示した蛍光検出器
を備えたフローインジェクション分析計で励起波長28
5nm、蛍光波長340nmでそれぞれの蛍光強度を測定
し、それぞれの強度比から糖化アルブミンの含有量
(%)を求めた。この新しい方法で求めた糖尿病患者の
血清中に含まれる糖化アルブミン値を従来の2種の分離
管と流路切り替え法で分析した結果とをまとめたのが図
5である。図中、FIA−FPはアルブミン親和性固相
と糖化アルブミン親和性固相で抽出した後に蛍光検出器
を備えたフローインジェクション分析計での糖化アルブ
ミンの含有量(重量%)、HPLCは従来の2種類のカ
ラムと蛍光検出器で分析した糖化アルブミンの含有量
(重量%)を示す。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、保守が複雑な装置を用
いる事なく、迅速簡便に体液中の糖化アルブミンを分析
でき、分析時間を大幅に短縮できた。本発明では分離に
高理論段数の分離管を使う事なく精度よく簡便に糖化ア
ルブミンを定量できた。従って、本発明の操作は自動化
が可能であり、その結果、迅速、簡便に、かつ再現性よ
く試料中の糖化アルブミンを分析できる効果を有する。
それゆえ、臨時検査や糖尿病患者のモニター用として極
めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】アルブミン親和性固相管及び糖化アルブミン親
和性固相管の説明図である。
【図2】化学発光検出器を備えたフローインジェクショ
ン分析計システムの説明図である。。
【図3】蛍光検出器を備えたフローインジェクション分
析計システムの説明図である。
【図4】糖尿病患者の血清中の糖化アルブミンの量を実
施例1の方法で測定した値と従来の2種類のカラムと蛍
光検出器で測定した値との相関図を示す。
【図5】糖尿病患者の血清中の糖化アルブミンの量を実
施例2の方法で測定した値と従来の2種類のカラムと蛍
光検出器で測定した値との相関図を示す。
【符号の説明】
1:アルブミン親和性固相管 2:糖化アルブミン親和性固相管 3:発光試薬用容器 4:アルカリ溶液用容器 8:試料注入口 9:発光検出器 12:キャリヤー溶液用容器 15:試料注入口 16:蛍光検出器
フロントページの続き Fターム(参考) 2G043 AA01 BA16 CA03 DA02 DA05 EA01 EA13 EA18 GA07 GB21 JA01 KA03 KA05 LA01 2G045 AA13 CA25 CA26 DA44 FA11 FA29 FB12 FB13 GC10 GC15 2G054 AA07 AB05 BA01 BB01 CA30 EA01 EA03 EA04 GA04 GB01 GB02 2G059 AA01 BB04 BB12 CC16 DD03 DD12 EE01 EE06 EE07 HH03 JJ01 KK01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 体液中のアルブミンを固相に選択的に吸
    着させ、吸着されたアルブミンを固相から選択的に抽出
    し、抽出液中の糖化アルブミンを検出することを特徴と
    する糖化アルブミンの迅速分析方法。
  2. 【請求項2】 検出が、化学発光法であることを特徴と
    する請求項1記載の糖化アルブミンの迅速分析方法。
  3. 【請求項3】 化学発光法が、糖化アルブミン中のアマ
    ドリ体が発生する活性酸素に基づいてアマドリ体を検出
    する方法であることを特徴とする請求項2記載の糖化ア
    ルブミンの迅速分析方法。
  4. 【請求項4】 体液中のアルブミンを第1の固相に選択
    的に吸着させ、吸着されたアルブミンを固相から選択的
    に抽出し、抽出されたアルブミンを第2の固相により糖
    化アルブミンと非糖化アルブミンに分離し、少なくとも
    糖化アルブミンを検出する糖化アルブミンの迅速分析方
    法。
  5. 【請求項5】 検出が、吸光検出法または蛍光検出法で
    ある請求項4記載の糖化アルブミンの迅速分析方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022114031A1 (ja) * 2020-11-25 2022-06-02 株式会社Provigate 血漿又は血清を分離し保管するための媒体、それを製造する方法、デバイス、キット、及び糖化タンパク質の測定方法

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WO2022114031A1 (ja) * 2020-11-25 2022-06-02 株式会社Provigate 血漿又は血清を分離し保管するための媒体、それを製造する方法、デバイス、キット、及び糖化タンパク質の測定方法

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