JP2002022615A - 曲げ加工部のバネ特性評価方法および評価データ測定用治具 - Google Patents

曲げ加工部のバネ特性評価方法および評価データ測定用治具

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JP2002022615A
JP2002022615A JP2000212832A JP2000212832A JP2002022615A JP 2002022615 A JP2002022615 A JP 2002022615A JP 2000212832 A JP2000212832 A JP 2000212832A JP 2000212832 A JP2000212832 A JP 2000212832A JP 2002022615 A JP2002022615 A JP 2002022615A
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load acting
reaction force
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JP2000212832A
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Kingo Furukawa
欣吾 古川
Atsushi Nakamura
篤 中村
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Sumitomo Wiring Systems Ltd
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Sumitomo Wiring Systems Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 曲げ加工部に対して曲げ戻す方向に負荷が作
用する場合において、より正確なバネ設計が可能で、よ
り加工性に優れた材料の選択が可能な曲げ加工部のバネ
特性評価方法を提供する。 【解決手段】 接続端子の曲げ加工された曲げ加工部の
バネ特性を評価する曲げ加工部のバネ特性評価方法であ
って、前記曲げ加工部と同じに中間部で曲げ加工された
対応曲げ加工部18aを有する細長板状の試料片18
を、その対応曲げ加工部18aに曲げ戻し方向の負荷を
かけて、対応曲げ加工部18aの内側角度がより大きく
なる方向に漸次変形させていく。そして、その際におけ
る負荷方向の変形変位量と反力とを測定し、その変形変
位量と反力との関係から対応する接続端子における曲げ
加工部のバネ特性を評価する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車や産業機器
およびそれらに装着される電気・電子機器の電気信号や
電源からの電力を供給する電線を接続するための金属製
接続部品(いわゆる接続端子)等において、材料の加工
性や耐久性を相対的に評価するために、曲げ加工部の機
械的衝撃や変位に対する損傷程度をより正確に把握する
曲げ加工部のバネ特性評価方法およびそれに使用される
評価データ測定用治具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】金属板を曲げ加工したバネ部材の一例と
して薄肉金属板を曲げ加工した接続端子があり、電線同
士の接続等に利用されている。例えば、電線同士の接続
においては、図10に示される如く、一方の電線1端部
に接続端子としての雄端子2が圧着されると共に、対応
する他方の電線3端部にも接続端子としての雌端子4が
圧着されており、雄端子2の先端部に備えられた細長板
状のタブ部2aを、対向する雌端子4の先端部に備えら
れた矩形筒状の接続筒部4a内に挿入することによっ
て、接続筒部4a内に弾性変形自在に備えられた弾性片
部4bが弾性変形され、この弾性変形された弾性片部4
bの弾性復帰力により接続筒部4a内面側と弾性片部4
bとで前記タブ部2aが挟持されて、両端子2、4間が
互いに導通状態となり、ここに両電線1、3相互間で電
気的な接続状態が確保されるように構成されている。
【0003】そして、通常のコネクタを用いた接続にお
いては、例えば、一方のコネクタハウジングの各所定位
置に、各電線端部にそれぞれ圧着された上記のような構
造の雄端子をそれぞれ収容保持させ、対応する他方のコ
ネクタハウジングの各所定位置に、各電線端部にそれぞ
れ圧着された上記のような構造の雌端子をそれぞれ収容
保持させ、両コネクタハウジングを互いに嵌合させて連
結することにより、各雄端子と各雌端子とがそれぞれ一
括して上記のような接続状態が得られるように構成され
ている。
【0004】また、電線と機器との接続においても、上
記のようなコネクタによる接続構造と同様に構成されて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そして、上記のような
接続端子相互間の接続において、電気的な接続状態を確
保・維持する際に、図11に示される如く、曲げ加工さ
れた弾性片部4bの弾性変形に寄与する曲げ加工部とし
てのバネ部4cの耐久性が特に重要な要因となってい
る。
【0006】また、近年の自動車にあっては、カーナビ
ゲーションシステムやオーディオ機器等の電子機器、A
BS、エアバッグ、4WS、四輪操舵装置等のシステム
等のように搭載される機器が増加する傾向にあり、それ
に伴って電気配線数も増加し、コネクタの小型・多極化
が強く求められるようになってきた。
【0007】しかしながら、この種の電気配線に利用さ
れる接続端子を小型化する場合、通常、曲げ加工するバ
ネ部4cの曲げ半径も小さくなり、そのため曲げ加工に
よる加工硬化に起因するバネ部4cにおける機械的特性
の変化も大きくなる傾向にある。
【0008】図12はバネ部材としての端子用銅合金に
おける変位と反力との関係を示す変位−反力曲線を示し
ており、図12における点線aは、図11に示されるよ
うに曲げ加工された弾性片部4bに垂直方向からの負荷
F1を作用させて漸次変形させた場合の変位と反力との
実測値データに基づく変位−反力曲線で、また、実線b
は、未加工(曲げ加工が施されていない状態)の端子用
銅合金における応力−歪み線図を用いて計算された変位
−反力曲線であり、変位の大きい高負荷側で、実測値の
バネ特性に比較してシュミレーション結果における反力
が低くなっていることが理解できる。
【0009】そこで、上記未加工の端子用銅合金の弾性
領域を、加工硬化によって破断強さ(引張り強さ630
N)まで拡大されたものと想定した応力−歪み線図を用
いて計算した場合、変位−反力曲線は図12における仮
想線cで示されるようになり、実測値により近づき、多
少の改善は見られるものの、依然として実際の接続端子
のバネ特性との乖離を埋めることは困難であった。
【0010】このため、従来の端子設計においては、バ
ネ部の耐久性を確保するため、材料の選択が弾性領域が
広いより高強度側にシフトされる傾向にあった。しかし
ながら、このように材料の選択に際して、より高強度の
材料が選択されると、材料の曲げ加工性が低下するた
め、バネ部にクラック(亀裂)が入る、もしくは折損に
至る等の不具合が発生し易くなっていた。
【0011】そこで、本願出願人は先の出願においてこ
れらの問題点を解消すべく、曲げ加工された曲げ加工部
の追加曲げする方向の変位に対するバネ特性の評価に適
したバネ特性評価方法およびそれに使用される評価デー
タ測定用治具を提案した。
【0012】しかしながら、曲げ加工されたバネ部材に
あっては、図13に示される如く、圧接刃5aを有する
接続端子5に電線6を押し込んで接続状態を確保する方
式の構造のものがあり、この場合、各圧接刃5aが備え
られた両側片5bには外側方向の負荷F2がそれぞれ作
用し、曲げ加工された曲げ加工部5cを曲げ戻す方向に
変位が生じる。また、図14に示される如く、山型状に
屈曲形成された山型バネ片7に垂直方向からの負荷F3
を作用させる場合の構造においても、曲げ加工された曲
げ加工部7aを曲げ戻す方向に変位が生じる。
【0013】従って、これらの曲げ戻す方向に負荷が作
用する部位についても、前述の曲げ加工部に追加曲げす
る方向の変位に対するバネ特性の評価と同様に、バネ特
性を正確に把握する必要が生じている。
【0014】そこで、本発明の課題は、曲げ加工部に対
して曲げ戻す方向に負荷が作用する場合において、より
正確なバネ設計が可能で、より加工性に優れた材料の選
択が可能な曲げ加工部のバネ特性評価方法およびそれに
使用される評価データ測定用治具を提供することを目的
とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの方法の技術的手段は、バネ部材の曲げ加工された曲
げ加工部のバネ特性を評価する曲げ加工部のバネ特性評
価方法であって、前記曲げ加工部と同じに中間部で曲げ
加工された対応曲げ加工部を有する細長板状の試料片
を、その対応曲げ加工部に曲げ戻し方向の負荷をかけ
て、対応曲げ加工部の内側角度がより大きくなる方向に
漸次変形させていき、その際における負荷方向の変形変
位量と反力とを測定し、その変形変位量と反力との関係
から前記バネ部材の曲げ加工部のバネ特性を評価する点
にある。
【0016】また、上記バネ特性評価方法に使用される
治具の技術的手段は、前記試料片における前記対応曲げ
加工部より一側方に延設された延設片部を固定する試料
片固定部と、該試料片固定部で固定された試料片におけ
る対応曲げ加工部より他側方に延設された延設片部に前
記曲げ戻し方向の負荷をかけるべく配置された負荷作用
体と、該負荷作用体を前記負荷方向に移動させる負荷作
用体移動部と、前記変形変位量を検出すべく、負荷作用
体の移動量を検出する変位量検出部と、前記反力を検出
する反力測定器とを備えてなる点にある。
【0017】さらに、前記負荷作用体が、前記他側方に
延設された延設片部の延設方向に沿って位置調整自在に
備えられた構造としてもよい。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施形態を
図面に基づいて説明すると、図1は、バネ部材としての
接続端子5における曲げ加工部5c等のように曲げ加工
された曲げ加工部を曲げ戻す(拡げる)方向に変位が生
じる場合のバネ特性評価方法に使用される評価データ測
定用治具10を示しており、負荷作用体移動部としての
電動式の自動送り装置11と、自動送り装置11の上面
側に例えば左右の水平方向に往復移動自在に備えられた
載置台12に取付固定された反力測定器としてのフォー
スゲージ13と、自動送り装置11の上面側に着脱自在
に取付固定された試料片負荷機構14とから主構成され
ている。
【0019】前記試料片負荷機構14は、図2および図
3にも示される如く、一方向に長い矩形板状の基板15
と、基板15の一側部上面側に着脱自在に取付固定され
る矩形平板状の試料片固定板16と、基板15の他側部
上に前記試料片固定板16方向に往復移動自在に支持さ
れた負荷作用体17とを備えている。
【0020】また、図1ないし図4において、18は適
宜長さと幅を有する細長板状の金属バネ部材(例えば端
子用銅合金)をその中間部で前記曲げ加工部5cと同じ
に曲げ加工した対応曲げ加工部18aを有する試料片
で、例えば、図4にも示される如く、板厚tが0.25
mm、対応曲げ加工部18aの曲げ角度θが90度に構
成され、曲げ半径Rは0.05mm、0.1mm、0.
2mm、0.3mm、0.5mm、1.0mm等、各種
用意されている。
【0021】そして、前記試料片18の対応曲げ加工部
18a両側に延設状に備えられた延設片部18bの一方
が、試料片固定板16により基板15上面側に挟持状と
して固定保持されるべく、試料片固定板16に適宜形成
されたボルト挿通孔を挿通する六角穴付ボルト20の螺
合締結により、試料片固定板16が基板15上面側に着
脱自在に取付固定されるように構成されている。
【0022】前記負荷作用体17は、図2および図3に
示される如く、試料片18より幅広で、基板15の長手
方向に沿って細長形状に構成されており、負荷作用体1
7の試料片固定板16側の長手方向一端部は漸次薄肉状
に形成され、その一端縁部は先鋭な略直線状の負荷作用
部17aとされている。また、負荷作用体17の長手方
向他端部の下部には矩形平板状のスライド板17bが装
着されている。
【0023】そして、基板15の上面側には、前記スラ
イド板17bが嵌合されると共に、スライド板17bを
基板15の長手方向に摺動案内する矩形凹状のガイド溝
15aが形成されており、また、ガイド溝15aからの
スライド板17bの離脱を防止すると共に、負荷作用体
17を試料片固定板16方向に案内する細長板状のガイ
ド板21が、負荷作用体17の両側でガイド溝15aを
またいで、それぞれ基板15上に着脱自在にボルト締結
されている。
【0024】そして、図1に示される如く、自動送り装
置11の上面側におけるフォースゲージ13取付位置の
一側方に、試料片負荷機構14が載置されると共に、そ
の基板15が自動送り装置11に備えられた万力機構等
の固定治具23により挟持状として所定位置に着脱自在
に取付固定されている。
【0025】この際、載置台12の往復移動方向と負荷
作用体17のガイド溝15aに沿った往復移動方向とが
合致されると共に、フォースゲージ13から試料片負荷
機構14方向に突出状に備えられた軸状の反力検出部1
3a先端部が、負荷作用体17の負荷作用部17aと反
対側の押動面17cに接離自在に当接されるように構成
されている。
【0026】そして、自動送り装置11によるフォース
ゲージ13の試料片負荷機構14方向への移動操作によ
り、反力検出部13a先端部が押動面17cを押動し、
負荷作用体17が試料片固定板16に接近する方向に移
動操作され、また、自動送り装置11によるフォースゲ
ージ13の試料片負荷機構14と反対方向への移動操作
により、反力検出部13a先端部と押動面17cとが互
いに離隔され、ここに、負荷作用体17を試料片固定板
16から離隔する方向に移動操作可能となるように構成
されている。
【0027】また、自動送り装置11は載置台12の移
動距離を電気的、もしくは機械的に検出する変位量検出
部(図示省略)を備えると共に、変位量検出部で検出さ
れた移動量をデジタル表示する移動距離表示部11aを
備え、フォースゲージ13は反力検出部13aによって
検出された反力をデジタル表示する反力表示部13bを
備えている。そしてこれらフォースゲージ13を装着す
る自動送り装置11として、例えば、日本電産シンポ株
式会社の商品名FGX−50X−L等がある。また、こ
の装置以外にも同様の送り機構を有し、反力測定にロー
ドセルを用いた引張り圧縮試験機を用いてもよい。さら
に、本実施形態では、負荷作用体17を横方向に往復移
動させる構造とされているが、このような負荷作用体1
7を上下方向に往復移動させる構造としてもよい。そし
て、この場合には負荷作用体17を反力測定のためのロ
ードセルを備えた側と一体に移動するように固定する構
造とすればよい。
【0028】次に、この評価データ測定用治具10の使
用方法について説明すると、試料片18の一方の延設片
部18bを基板15上面と試料片固定板16下面とで所
定位置に挟持状として取付固定し、図2や図3に示され
るように他方の延設片部18bを上向きに立設させる所
定姿勢で保持する。ここに、基板15と試料片固定板1
6とで試料片18を固定保持する試料片固定部が構成さ
れる。
【0029】その後、自動送り装置11を駆動して、載
置台12を試料片固定板16方向に移動操作し、載置台
12に取付固定されたフォースゲージ13の反力検出部
13a先端部で負荷作用体17を固定側負荷作用体16
方向、即ち、立設状とされた他方の延設片部18b方向
に移動操作する。そして、図3に示されるように負荷作
用体17の負荷作用部17aを試料片18の他方の延設
片部18bの当接させる。
【0030】この測定初期の状態において、自動送り装
置11の移動距離を原点復帰させて移動距離表示部11
aの表示を0に復帰させる。この場合、フォースゲージ
13にはまだ試料片18からの反力が作用しておらず、
反力表示部13bの表示は0である。
【0031】次に、自動送り装置11を再度駆動して負
荷作用体17を試料片固定板16方向に徐々に、例えば
微少の一定距離毎に間欠的に移動操作する。この際、負
荷作用部17aによって延設片部18bが押動され、図
4に示される如く、対応曲げ加工部18aの内側角度
(いわゆるθ)が拡がる曲げ戻し方向に負荷が作用し、
仮想線で示されるように曲げ角度θが拡がる方向に漸次
変形されていく。
【0032】また、この変形に伴って、対応曲げ加工部
17aの弾性作用により負荷作用体17を介して反力検
出部13aに反力が伝達され、フォースゲージ13によ
り反力が検出される。
【0033】そして、移動距離表示部11aおよび反力
表示部13bにより、間欠的な移動操作によるその都度
の移動距離と反力とを記録する。この場合、載置台12
の移動距離は負荷作用体17の移動距離に対応し、負荷
作用体17の移動距離は図4に示される如く、対応曲げ
加工部18aにおける負荷方向の変形変位量dに対応し
ており、ここに、対応曲げ加工部18aにおける変形変
位量dと反力との各データが順次測定できる。
【0034】そして、対応曲げ加工部18aに損傷が発
生した時点、例えばクラックによる亀裂が発生した時
点、もしくは亀裂が成長して折損した時点で、自動送り
装置11による送り移動を停止すると共に、この位置で
の移動距離(変形変位量d)を移動距離表示部11aか
ら読み取り、記録する。
【0035】ここに曲げ加工された試料片18の対応曲
げ加工部18aにおける曲げ戻し方向の変形変位量dと
反力との関係や、亀裂や折損等の損傷発生に至るまでの
変形変位量dが分かり、曲げ加工に伴う加工硬化等の物
性変化が盛り込まれた状態での各試料片18のバネ特性
を知ることができる。
【0036】そして、各種曲げ半径Rで曲げ加工された
各種の試料片18における変形変位量dと反力の測定デ
ータから、それぞれの曲げ半径Rに応じた試料片18の
バネ特性を知ることができ、曲げ加工に応じたバネ特性
の変化量が予め予測できるため、これを接続端子5の設
計にフィードバックすることにより、所望のバネ特性を
有する曲げ加工部5cを備えた接続端子5をより正確に
設計・製造できる。
【0037】また、曲げ加工に伴う加工硬化によるバネ
特性の強度向上が設計に反映できるため、適切な材料選
択の指標となって、従来に比較してより加工性の優れる
低強度の材料を使用することが可能となり、ここに、よ
り低価格の材料が使用でき、製造コスト低減も図れる。
【0038】さらに、この亀裂や折損等の損傷発生に至
るまでの変形変位量dを前述の各種試料片18や、同様
の試料片18を各種の材料で測定しておけば、対応曲げ
加工部18aのこの変形変位量dが大きければ損傷に至
るまでの強度が強く、また変形変位量dが小さければ損
傷に至るまでの強度が弱いというように、変形変位量d
の大小により対応曲げ加工部18aの強度、いわゆる変
位に対する耐久性を定量的に評価でき、亀裂や折損発生
までの変形変位量dと反力との関係、即ち変位−反力特
性を把握することにより、各種材料による曲げ加工部5
cが耐え得る最大負荷や曲げ加工部5cに亀裂や折損が
発生までの余裕度を定量的に把握することができる利点
もある。
【0039】さらに、各種の材料、各種の板厚t、各種
の曲げ角度θ、各種の曲げ半径Rの試料片18で、予め
それぞれの加工条件における変形変位量dと反力との関
係、即ち変位−反力曲線を求めておけば、これを接続端
子5の設計にフィードバックすることにより、様々な形
状の曲げ加工部5cの設計・製造において、所望の強
度、即ち所望の耐久性が得られる材料の選定や加工条件
の確定が容易に行え、従来のような材料の選定や加工条
件の確定に必要であった多大な費用と時間を削減するこ
とができる。
【0040】なお、延設片部18bに負荷を作用させる
負荷作用部17aが直線状とされた構造を示している
が、負荷作用部17aを先細形状に形成し、一点で負荷
を作用させる構造としてもよい。
【0041】図5は評価データ測定用治具10の第2の
実施形態における要部概略図を示しており、上記第1の
実施形態と同様構成部分は同一符号を付し、その説明を
省略する。
【0042】即ち、本実施形態においては、負荷作用体
17の前記負荷作用部17aが平板状の面構造とされ、
負荷作用部17aによる面で延設片部18bを曲げ戻す
方向に負荷を作用させる構造とされている。
【0043】なお、仮想線で示される如く、対応曲げ加
工部18aの前記曲げ戻し方向下流側に試料片固定板2
5を基板15に着脱自在にさらに備える構造とすれば、
延設片部18bに対する負荷作用体17による負荷作用
時に、試料片固定板16と基板15とで挟持状とされて
いる延設片部18bが、固定力不足により不用意に押し
出されるという事態も有効に防止でき、他の実施形態に
も同様に適用してもよい。
【0044】また、図6は評価データ測定用治具10の
第3の実施形態における要部概略図を示しており、上記
第1の実施形態と同様構成部分は同一符号を付し、その
説明を省略する。
【0045】即ち、上記第1の実施形態や第2の実施形
態では、試料片18の立設された延設片部18bに対
し、負荷作用体17を押し出すことによって対応曲げ加
工部18aの曲げ戻す方向に負荷をかける構造としてい
るが、本実施形態においては、負荷作用体17を引き戻
すことによって対応曲げ加工部18aの曲げ戻す方向に
負荷をかける構造とされている。そして、この実施形態
における負荷作用部17aは面構造とされている。
【0046】また、図7は評価データ測定用治具10の
第4の実施形態における要部概略図を示しており、上記
第1の実施形態と同様構成部分は同一符号を付し、その
説明を省略する。
【0047】即ち、上記第3の実施形態では、負荷作用
部17aが面構造とされているが、本実施形態において
は、負荷作用部17aが直線もしくは点構造とされ、そ
の他は第3の実施形態と同様に構成されている。
【0048】また、図8は評価データ測定用治具10の
第5の実施形態における要部概略図を示しており、上記
第1の実施形態と同様構成部分は同一符号を付し、その
説明を省略する。
【0049】即ち、本実施形態においては、第1の実施
形態における負荷作用体17が基板15側等にネジ機構
やシリンダ機構等による昇降機構26等により上下方向
(立設された延設片部18bの延設方向)に位置調整自
在に備えられた構造とされている。
【0050】従って、負荷作用部17aによって曲げ戻
し方向の負荷を作用させる位置を高さ方向の任意の位置
に設定でき、より実際の使用状況に応じたバネ特性の評
価が可能となる。
【0051】また、図9は評価データ測定用治具10の
第6の実施形態における要部概略図を示しており、上記
第1の実施形態と同様構成部分は同一符号を付し、その
説明を省略する。
【0052】即ち、本実施形態においては、第1の実施
形態における自動送り装置11やフォースゲージ13で
計測された移動量および反力を、パーソナルコンピュー
タ等の制御部28で自動的に連続して取り込む方式とさ
れ、連続的な変位−反力曲線を収集可能な構成とされて
いる。なお、この際、フォースゲージ13で検出される
反力に応じて負荷作用体17の移動量を調整制御する方
式としてもよく、また所定の移動量毎に停止制御するこ
とによって、各移動量毎における試料片18の変形状態
を容易に確認できる構造としてもよく、さらには、最大
の反力位置で停止可能に構成すれば、そのときの状態を
容易に観察できる利点もある。
【0053】また、上記各実施形態において、曲げ加工
品として接続端子5を例示しているが、接続端子5に限
られず、金属板を曲げ加工してなるバネ部材の各種製品
における耐久性等のバネ特性評価に利用すればよく、こ
の場合においても同様の効果が得られる。
【0054】また、評価可能な試料片18の曲げ角度θ
は0度<θ<180度の範囲であればよく、実用上は4
5度≦θ≦135度の程度の範囲が好ましい。そして上
記曲げ加工部5cのような曲げ加工部分の強度評価であ
れば、特定の一種類の曲げ角度θでよく、例えば、最も
標準的な曲げ加工であるθ=90度の曲げ加工を採用す
ればよい。さらに、実際の使用状況に対応する曲げ加工
の角度を採用すれば、より実際に近いバネ特性の評価を
得ることができる。
【0055】また、試料片18の板厚t、曲げ半径R、
曲げ角度θ等は上記実施形態に限られず、必要に応じて
適宜設定すればよく、試料片18の材料においても使用
される可能性のある各種材料につき、前記データを種々
測定しておけば、使用目的に適する材料、板厚t、曲げ
半径R等の材料の選定や加工条件の選択が容易に得られ
る利点がある。
【0056】さらに、負荷作用体移動部として自動送り
装置11を用い、反力測定器としてフォースゲージ13
を用いた構造を示しているが、移動量(変形変位量)や
反力を測定できる機器であればよく、上記実施形態に採
用されたものに限られない。
【0057】
【発明の効果】以上のように、本発明の曲げ加工部のバ
ネ特性評価方法によれば、曲げ加工部と同じに中間部で
曲げ加工された対応曲げ加工部を有する細長板状の試料
片を、その対応曲げ加工部に曲げ戻し方向の負荷をかけ
て、対応曲げ加工部の内側角度がより大きくなる方向に
漸次変形させていき、その際における負荷方向の変形変
位量と反力とを測定し、その変形変位量と反力との関係
からバネ部材の曲げ加工部のバネ特性を評価する方法で
あり、曲げ加工部に対して曲げ戻す方向に負荷が作用す
る場合において、曲げ加工に伴う加工硬化等の物性変化
が盛り込まれた状態でのバネ特性を知ることによって、
より正確なバネ設計が可能となり、また、曲げ加工に伴
う加工硬化によるバネ特性の強度向上が設計に反映でき
るため、より加工性に優れた材料の選択が可能となると
いう利点がある。
【0058】また、本発明の上記曲げ加工部のバネ特性
評価方法に使用される評価データ測定用治具によれば、
試料片における対応曲げ加工部より一側方に延設された
延設片部を固定する試料片固定部と、該試料片固定部で
固定された試料片における対応曲げ加工部より他側方に
延設された延設片部に曲げ戻し方向の負荷をかけるべく
配置された負荷作用体と、該負荷作用体を負荷方向に移
動させる負荷作用体移動部と、変形変位量を検出すべ
く、負荷作用体の移動量を検出する変位量検出部と、反
力を検出する反力測定器とを備えてなるものであり、試
料片を固定保持した状態で負荷を作用でき、安定して変
形変位量および反力の測定が行えるという利点がある。
【0059】さらに、負荷作用体が、他側方に延設され
た延設片部の延設方向に沿って位置調整自在に備えられ
た構造とすれば、曲げ戻し方向の負荷を作用させる位置
を延設片部の延設方向の任意の位置に設定でき、より実
際の使用状況に応じたバネ特性の評価が可能となるとい
う利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る評価データ測定
用治具の斜視図である。
【図2】同試料片負荷機構の斜視図である。
【図3】同一部断面正面説明図である。
【図4】試料片の一部正面説明図である。
【図5】評価データ測定用治具の第2の実施形態を示す
説明図である。
【図6】評価データ測定用治具の第3の実施形態を示す
説明図である。
【図7】評価データ測定用治具の第4の実施形態を示す
説明図である。
【図8】評価データ測定用治具の第5の実施形態を示す
説明図である。
【図9】評価データ測定用治具の第6の実施形態を示す
説明図である。
【図10】雄端子と雌端子の接続状態を示す説明図であ
る。
【図11】雌端子のバネ部の説明図である。
【図12】変位−反力曲線を示す図である。
【図13】接続端子の要部断面説明図である。
【図14】山型バネ片を使用した構造例の説明図であ
る。
【符号の説明】
10 評価データ測定用治具 11 自動送り装置 12 載置台 13 フォースゲージ 13a 反力検出部 14 試料片負荷機構 15 基板 16 試料片固定板 17 負荷作用体 17a 負荷作用部 18 試料片 18a 対応曲げ加工部 18b 延設片部 23 固定治具

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バネ部材の曲げ加工された曲げ加工部の
    バネ特性を評価する曲げ加工部のバネ特性評価方法であ
    って、 前記曲げ加工部と同じに中間部で曲げ加工された対応曲
    げ加工部を有する細長板状の試料片を、その対応曲げ加
    工部に曲げ戻し方向の負荷をかけて、対応曲げ加工部の
    内側角度がより大きくなる方向に漸次変形させていき、
    その際における負荷方向の変形変位量と反力とを測定
    し、その変形変位量と反力との関係から前記バネ部材の
    曲げ加工部のバネ特性を評価することを特徴とする曲げ
    加工部のバネ特性評価方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の曲げ加工部のバネ特性評
    価方法において前記試料片に前記負荷をかけて変形させ
    る評価データ測定用治具であって、 前記試料片における前記対応曲げ加工部より一側方に延
    設された延設片部を固定する試料片固定部と、該試料片
    固定部で固定された試料片における対応曲げ加工部より
    他側方に延設された延設片部に前記曲げ戻し方向の負荷
    をかけるべく配置された負荷作用体と、該負荷作用体を
    前記負荷方向に移動させる負荷作用体移動部と、前記変
    形変位量を検出すべく、負荷作用体の移動量を検出する
    変位量検出部と、前記反力を検出する反力測定器とを備
    えてなることを特徴とする評価データ測定用治具。
  3. 【請求項3】 前記負荷作用体が、前記他側方に延設さ
    れた延設片部の延設方向に沿って位置調整自在に備えら
    れたことを特徴とする請求項2記載の評価データ測定用
    治具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103207064A (zh) * 2012-12-06 2013-07-17 中国人民解放军海军航空工程学院青岛校区 飞机操纵系统载荷机构原位测试系统

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