JP2002021814A - アクチュエータ - Google Patents
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- JP2002021814A JP2002021814A JP2000208955A JP2000208955A JP2002021814A JP 2002021814 A JP2002021814 A JP 2002021814A JP 2000208955 A JP2000208955 A JP 2000208955A JP 2000208955 A JP2000208955 A JP 2000208955A JP 2002021814 A JP2002021814 A JP 2002021814A
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- tapered
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 実装重量が小さいパワーアシストシステムの
開発に寄与する、軽量・コンパクトな弁・ポンプ一体型
のアクチュエータの提供が望まれている。 【解決手段】 EHD流体に一対以上の電極を用いて直
接高電圧を印加し、EHD流体を流動せしめ、これの流
動エネルギーを駆動源とするアクチュエータ1である。
一方の電極が、EHD流体の通過孔6を有する平板状の
平板電極2であり、他方の電極が中央にEHD流体の通
過孔8を有し、この通過孔の一方の開口部8aがラッパ
状に拡大されたテーパ状のテーパ電極3である。平板電
極2とテーパ電極3とは、テーパ電極3の通過孔8の拡
大された一方の開口部8aが平板電極2に向くようにし
て、微小の間隙を介して対峙せしめられている。
開発に寄与する、軽量・コンパクトな弁・ポンプ一体型
のアクチュエータの提供が望まれている。 【解決手段】 EHD流体に一対以上の電極を用いて直
接高電圧を印加し、EHD流体を流動せしめ、これの流
動エネルギーを駆動源とするアクチュエータ1である。
一方の電極が、EHD流体の通過孔6を有する平板状の
平板電極2であり、他方の電極が中央にEHD流体の通
過孔8を有し、この通過孔の一方の開口部8aがラッパ
状に拡大されたテーパ状のテーパ電極3である。平板電
極2とテーパ電極3とは、テーパ電極3の通過孔8の拡
大された一方の開口部8aが平板電極2に向くようにし
て、微小の間隙を介して対峙せしめられている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、EHD流体を用い
たアクチュエータに関する。
たアクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高齢化社会、少子化問題に伴い、
老人介護など福祉事業の労働力不足が問題となりつつあ
る。このような状況のもとで、介護ロボット等の導入も
試みられてはいるが、被介護者の心理的な面を考慮する
と、人的介護がやはり大きなウエイトを占めるものと考
えられている。そのため、重労働を行う介護者の負担を
軽減することを目的として、パワーアシストシステムの
研究が行われている。
老人介護など福祉事業の労働力不足が問題となりつつあ
る。このような状況のもとで、介護ロボット等の導入も
試みられてはいるが、被介護者の心理的な面を考慮する
と、人的介護がやはり大きなウエイトを占めるものと考
えられている。そのため、重労働を行う介護者の負担を
軽減することを目的として、パワーアシストシステムの
研究が行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、パワーアシ
ストを行う駆動システムに用いられるアクチュエータ
は、実装重量が大きくなり、かえって介護者に負担を増
やしてしまうといった課題がある。現在パワーシステム
に用いられるアクチュエータとしては、発生力と重量と
の比(発生力/重量)が高い流体アクチュエータが最も
有力であるが、流体アクチュエータは、ポンプや配管、
弁などアクチュエータ部分以外の周辺機器が必要であ
り、介護者がこれらを実装すると、かえって負担が大き
くなりかねないのである。
ストを行う駆動システムに用いられるアクチュエータ
は、実装重量が大きくなり、かえって介護者に負担を増
やしてしまうといった課題がある。現在パワーシステム
に用いられるアクチュエータとしては、発生力と重量と
の比(発生力/重量)が高い流体アクチュエータが最も
有力であるが、流体アクチュエータは、ポンプや配管、
弁などアクチュエータ部分以外の周辺機器が必要であ
り、介護者がこれらを実装すると、かえって負担が大き
くなりかねないのである。
【0004】本発明は前記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、実装重量が小さいシステ
ムの開発に寄与するべく、軽量・コンパクトな弁・ポン
プ一体型のアクチュエータを提供することにある。
で、その目的とするところは、実装重量が小さいシステ
ムの開発に寄与するべく、軽量・コンパクトな弁・ポン
プ一体型のアクチュエータを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は前記課題を解
決すべく鋭意研究を重ねた結果、機能性流体の一種であ
るEHD(Electro Hydro Dynamics;電気流体力学)流
体を用いてアクチュエータを作製することに思い至り、
実験等により良好な結果が得られたことから、本発明を
完成した。
決すべく鋭意研究を重ねた結果、機能性流体の一種であ
るEHD(Electro Hydro Dynamics;電気流体力学)流
体を用いてアクチュエータを作製することに思い至り、
実験等により良好な結果が得られたことから、本発明を
完成した。
【0006】すなわち、本発明のアクチュエータでは、
EHD流体に一対以上の電極を用いて直接高電圧を印加
し、EHD流体を流動せしめ、これの流動エネルギーを
駆動源とするものであって、一方の電極が、EHD流体
の通過孔を有する平板状の平板電極であり、他方の電極
が中央にEHD流体の通過孔を有し、この通過孔の一方
の開口部がラッパ状に拡大されたテーパ状のテーパ電極
であり、平板電極とテーパ電極とが、テーパ電極の通過
孔の拡大された一方の開口部が平板電極に向くようにし
て、微小の間隙を介して対峙せしめられていることを前
記課題の解決手段とした。
EHD流体に一対以上の電極を用いて直接高電圧を印加
し、EHD流体を流動せしめ、これの流動エネルギーを
駆動源とするものであって、一方の電極が、EHD流体
の通過孔を有する平板状の平板電極であり、他方の電極
が中央にEHD流体の通過孔を有し、この通過孔の一方
の開口部がラッパ状に拡大されたテーパ状のテーパ電極
であり、平板電極とテーパ電極とが、テーパ電極の通過
孔の拡大された一方の開口部が平板電極に向くようにし
て、微小の間隙を介して対峙せしめられていることを前
記課題の解決手段とした。
【0007】このアクチュエータによれば、平板電極と
テーパ電極とを組合せたことにより、これら電極間に高
電圧を印加すると、EHD流体がこれら電極の通過孔内
を流動し、これにより該通過孔の外側にて少ないエネル
ギー損失で高い出力差圧が得られる。
テーパ電極とを組合せたことにより、これら電極間に高
電圧を印加すると、EHD流体がこれら電極の通過孔内
を流動し、これにより該通過孔の外側にて少ないエネル
ギー損失で高い出力差圧が得られる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明のアクチュエータを
実施形態例に基づき詳しく説明する。図1(a)、
(b)は本発明のアクチュエータの一実施形態例を示す
図であり、図1(a)、(b)中符号1はアクチュエー
タである。このアクチュエータ1は、一対の電極2、3
と、これら一対の電極2、3間に設けられて該電極2、
3間に所定の微小間隙を持たせるスペーサ4と、電極
2、3およびスペーサ4を保持する絶縁体5とを図示し
ない函体内に備えてなるもので、前記一対の電極2、3
間に直接高電圧を印加し、その状態で前記函体内に充填
されたEHD(電気流体力学)流体を流動せしめて流動
エネルギー(出力差圧)を得、これを駆動源とするもの
である。
実施形態例に基づき詳しく説明する。図1(a)、
(b)は本発明のアクチュエータの一実施形態例を示す
図であり、図1(a)、(b)中符号1はアクチュエー
タである。このアクチュエータ1は、一対の電極2、3
と、これら一対の電極2、3間に設けられて該電極2、
3間に所定の微小間隙を持たせるスペーサ4と、電極
2、3およびスペーサ4を保持する絶縁体5とを図示し
ない函体内に備えてなるもので、前記一対の電極2、3
間に直接高電圧を印加し、その状態で前記函体内に充填
されたEHD(電気流体力学)流体を流動せしめて流動
エネルギー(出力差圧)を得、これを駆動源とするもの
である。
【0009】まず、EHD流体について説明する。EH
D流体としては、例えば以下に示すものが好ましく用い
られる。 (1)ドデカン2酸ジ−n−ブチル(DBDN) 構造式:(C4 H9 COO)2 (CH2 )10 比重:0.928(20℃) 沸点:225℃ (2)セバチン酸ジブチル(DBS) 構造式:(C4 H9 COO)2 (CH2 )8 比重:0.936(20℃) 沸点:190℃ (3)ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテ
ート(BCRA) 構造式:C4 H9 (OCH2 CH2 )2 OCOCH3 比重:0.980(20℃) 沸点:246.8℃
D流体としては、例えば以下に示すものが好ましく用い
られる。 (1)ドデカン2酸ジ−n−ブチル(DBDN) 構造式:(C4 H9 COO)2 (CH2 )10 比重:0.928(20℃) 沸点:225℃ (2)セバチン酸ジブチル(DBS) 構造式:(C4 H9 COO)2 (CH2 )8 比重:0.936(20℃) 沸点:190℃ (3)ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテ
ート(BCRA) 構造式:C4 H9 (OCH2 CH2 )2 OCOCH3 比重:0.980(20℃) 沸点:246.8℃
【0010】これらの特有の化学構造を持つ電気絶縁性
液体は、線状電極で直流高電圧を加えると、活発な流動
(ジェット)が生じる。現在のところこの原理は十分に
解明されていないが、一つの説明として、イオンドラッ
グが考えられる。例えば、(1)のDBDNは+電荷に
帯電され易いという性質があることから、これを流体分
子Mとすると、この流体分子Mは図2に示すように陽極
付近で+電荷に帯電する。このようにして+電荷に帯電
すると、この流体分子は陰極に引き寄せられ、陰極で−
電荷を受け取る。そして、再度陽極側に引き寄せられて
+電荷に帯電し、以下、これらを繰り返すことにより、
電極間を流動して対流を生じさせる。
液体は、線状電極で直流高電圧を加えると、活発な流動
(ジェット)が生じる。現在のところこの原理は十分に
解明されていないが、一つの説明として、イオンドラッ
グが考えられる。例えば、(1)のDBDNは+電荷に
帯電され易いという性質があることから、これを流体分
子Mとすると、この流体分子Mは図2に示すように陽極
付近で+電荷に帯電する。このようにして+電荷に帯電
すると、この流体分子は陰極に引き寄せられ、陰極で−
電荷を受け取る。そして、再度陽極側に引き寄せられて
+電荷に帯電し、以下、これらを繰り返すことにより、
電極間を流動して対流を生じさせる。
【0011】このようなEHD流体の性質を利用し、こ
れを流動せしめて流動エネルギー(出力差圧)を効果的
に取り出すべく、本例では、前記一対の電極2、3のう
ち一方の電極2を平板電極2とし、他方の電極3をテー
パ電極3としている。平板電極2は、図1(b)に示し
たようにアルミニウム合金等からなる略円盤状のもの
で、その円盤部分2aの中心から8mmの地点、すなわ
ちこの中心から半径8mmの円周上に、EHD流体を流
動させるための直径3mmの円形の通過孔6を等間隔で
8個形成している。なお、本例では、これら通過孔6…
の外側に、組立て用ボルト穴7…が形成されている。
れを流動せしめて流動エネルギー(出力差圧)を効果的
に取り出すべく、本例では、前記一対の電極2、3のう
ち一方の電極2を平板電極2とし、他方の電極3をテー
パ電極3としている。平板電極2は、図1(b)に示し
たようにアルミニウム合金等からなる略円盤状のもの
で、その円盤部分2aの中心から8mmの地点、すなわ
ちこの中心から半径8mmの円周上に、EHD流体を流
動させるための直径3mmの円形の通過孔6を等間隔で
8個形成している。なお、本例では、これら通過孔6…
の外側に、組立て用ボルト穴7…が形成されている。
【0012】テーパ電極3は、真鍮等からなる外径が1
0mmの円筒状のもので、その内部孔をEHD流体の通
過孔8とするものである。この通過孔8は、その一方の
開口部が図3に示すようにラッパ状に拡大されてなるテ
ーパ部8aとなっている。ここで、このテーパ部8aの
形状・寸法としては、後述する実験の結果より、テーパ
部8aの開き度、すなわち図3中に示すテーパ角θとし
ては、20°以上、45°以下であるのが好ましい。ま
た、このテーパ部8aにおける拡大された開口の口径d
1とテーパ電極3の外径d2との比(d1/d2)につ
いては、0.6以下とするのが好ましい。なお、本例の
テーパ電極3では、その外径d2は10mm、拡大され
ていない通過孔8の内径(口径)d3は2mm、厚さt
は4mmとなっている。
0mmの円筒状のもので、その内部孔をEHD流体の通
過孔8とするものである。この通過孔8は、その一方の
開口部が図3に示すようにラッパ状に拡大されてなるテ
ーパ部8aとなっている。ここで、このテーパ部8aの
形状・寸法としては、後述する実験の結果より、テーパ
部8aの開き度、すなわち図3中に示すテーパ角θとし
ては、20°以上、45°以下であるのが好ましい。ま
た、このテーパ部8aにおける拡大された開口の口径d
1とテーパ電極3の外径d2との比(d1/d2)につ
いては、0.6以下とするのが好ましい。なお、本例の
テーパ電極3では、その外径d2は10mm、拡大され
ていない通過孔8の内径(口径)d3は2mm、厚さt
は4mmとなっている。
【0013】これら平板電極2とテーパ電極3とは、シ
リコンゴム等からなるスペーサ4を挟んで対峙せしめら
れ、その状態でアクリル樹脂等からなる絶縁体5で固定
されている。スペーサ4は、図1(b)に示した平板電
極2の円盤部分2aと同一の円形形状を有するもので、
その中心部分に直径20mmの円形の開口4aを有する
ものである。また、このスペーサ4には、その周部の前
記平板電極2の孔7と対応する位置に孔4b…が形成さ
れている。
リコンゴム等からなるスペーサ4を挟んで対峙せしめら
れ、その状態でアクリル樹脂等からなる絶縁体5で固定
されている。スペーサ4は、図1(b)に示した平板電
極2の円盤部分2aと同一の円形形状を有するもので、
その中心部分に直径20mmの円形の開口4aを有する
ものである。また、このスペーサ4には、その周部の前
記平板電極2の孔7と対応する位置に孔4b…が形成さ
れている。
【0014】絶縁体5は、平板電極支持体9とテーパ電
極保持体10とからなるもので、これら平板電極支持体
9とテーパ電極保持体10との間に平板電極2とスペー
サ4とを挟み、テーパ電極保持体10にテーパ電極3を
保持したものである。平板電極支持体9は、前記平板電
極2の円盤部分2aと同一の円形形状を有する円盤体で
あり、その中心部分に円形の通過孔9aを有し、周部の
前記平板電極2の孔7と対応する位置に孔9b…を形成
したものである。また、この平板電極支持体9には、そ
の平板電極2側の面に、前記通過孔9aに連通した状態
で直径が20mmの円形の孔9cが形成されており、こ
れによって通過孔9aは、孔9cを介して平板電極2の
通過孔6に連通したものとなっている。
極保持体10とからなるもので、これら平板電極支持体
9とテーパ電極保持体10との間に平板電極2とスペー
サ4とを挟み、テーパ電極保持体10にテーパ電極3を
保持したものである。平板電極支持体9は、前記平板電
極2の円盤部分2aと同一の円形形状を有する円盤体で
あり、その中心部分に円形の通過孔9aを有し、周部の
前記平板電極2の孔7と対応する位置に孔9b…を形成
したものである。また、この平板電極支持体9には、そ
の平板電極2側の面に、前記通過孔9aに連通した状態
で直径が20mmの円形の孔9cが形成されており、こ
れによって通過孔9aは、孔9cを介して平板電極2の
通過孔6に連通したものとなっている。
【0015】テーパ電極保持体10は、平板電極支持体
9と同様に前記平板電極2の円盤部分2aと同一の円形
形状を有する円盤体であり、その中心部分に円形の通過
孔10aを有し、周部の前記平板電極2の孔7と対応す
る位置に孔10b…を形成したものである。また、この
テーパ電極保持体10には、その平板電極2側の面に、
前記通過孔10aに連通した状態で内径が10mmの円
形の開口を有する凹部10cが形成されており、この凹
部10cには、前記テーパ電極3がその通過孔8のテー
パ部8aを平板電極2側に向けた状態で嵌め込まれ、保
持されている。
9と同様に前記平板電極2の円盤部分2aと同一の円形
形状を有する円盤体であり、その中心部分に円形の通過
孔10aを有し、周部の前記平板電極2の孔7と対応す
る位置に孔10b…を形成したものである。また、この
テーパ電極保持体10には、その平板電極2側の面に、
前記通過孔10aに連通した状態で内径が10mmの円
形の開口を有する凹部10cが形成されており、この凹
部10cには、前記テーパ電極3がその通過孔8のテー
パ部8aを平板電極2側に向けた状態で嵌め込まれ、保
持されている。
【0016】したがって、このような構成によりテーパ
電極3の通過孔8は、テーパ電極保持体10の通過孔1
0aに連通すると同時に、スペーサ4の開口4a、平板
電極2の通過孔6…、平板電極支持体9の通過孔9aに
連通するようになっている。よって、このアクチュエー
ター1にあっては、平板電極支持体9の通過孔9aから
テーパ電極保持体10の通過孔10aまでが連通し、ま
た平板電極支持体9の孔9bからテーパ電極保持体10
の孔10bまでが連通することにより、後述するように
EHD流体を通過孔9aから通過孔9bまで(あるいは
その逆に)流動させることができるようになっている。
電極3の通過孔8は、テーパ電極保持体10の通過孔1
0aに連通すると同時に、スペーサ4の開口4a、平板
電極2の通過孔6…、平板電極支持体9の通過孔9aに
連通するようになっている。よって、このアクチュエー
ター1にあっては、平板電極支持体9の通過孔9aから
テーパ電極保持体10の通過孔10aまでが連通し、ま
た平板電極支持体9の孔9bからテーパ電極保持体10
の孔10bまでが連通することにより、後述するように
EHD流体を通過孔9aから通過孔9bまで(あるいは
その逆に)流動させることができるようになっている。
【0017】このようなアクチュエータ1から駆動力を
取出すには、例えば図4に示すようにこのアクチュエー
タ1の平板電極支持体9側の通過孔9aにチューブ(配
管)11を、またテーパ電極保持体10側の通過孔10
aに別のチューブ(配管)12をそれぞれ接続してお
く。
取出すには、例えば図4に示すようにこのアクチュエー
タ1の平板電極支持体9側の通過孔9aにチューブ(配
管)11を、またテーパ電極保持体10側の通過孔10
aに別のチューブ(配管)12をそれぞれ接続してお
く。
【0018】また、ピストン13をシリンダ14内に移
動可能に設け、かつシリンダ14内を仕切るようにして
ピストン13に受圧板15を取り付けたシリンダ装置1
6を用意しておき、前記チューブ11を受圧板15で仕
切られたシリンダ14内の一方の空間部14aに、また
チューブ12を他方の空間部14bにそれぞれ接続して
おく。そして、これらアクチュエータ1とチューブ1
1、12とシリンダ14とから形成される閉じられてた
経路内にEHD流体(図示せず)を充填する。
動可能に設け、かつシリンダ14内を仕切るようにして
ピストン13に受圧板15を取り付けたシリンダ装置1
6を用意しておき、前記チューブ11を受圧板15で仕
切られたシリンダ14内の一方の空間部14aに、また
チューブ12を他方の空間部14bにそれぞれ接続して
おく。そして、これらアクチュエータ1とチューブ1
1、12とシリンダ14とから形成される閉じられてた
経路内にEHD流体(図示せず)を充填する。
【0019】このような構成のもとに、例えば平板電極
2が陽極、テーパ電極3が陰極となるようにこれら平板
電極2とテーパ電極3との間に図示しない電気配線を通
じて高電圧を印加すると、先に図2で説明したようにE
HD流体が陽極(平板電極2)側から陰極(テーパ電極
3)側にその通過孔内を流れ、これによりチューブ12
を通ってシリンダ14の空間部14bに流れ込む。する
と、この流れ込んだEHD流体に受圧板15が押圧され
ることによってピストン13は図4中矢印方向に移動
し、このピストン13が予め設定された動作をなす。な
お、受圧板15が押圧されてピストン13が移動する
と、空間部14bが広がることによって該空間部14b
を介してチューブ12とチューブ11とが連通するよう
になり、これによりEHD流体はチューブ11を通って
アクチュエータ1内に戻り、以下、高電圧印加中は循環
をなして動作を続けるようになる。
2が陽極、テーパ電極3が陰極となるようにこれら平板
電極2とテーパ電極3との間に図示しない電気配線を通
じて高電圧を印加すると、先に図2で説明したようにE
HD流体が陽極(平板電極2)側から陰極(テーパ電極
3)側にその通過孔内を流れ、これによりチューブ12
を通ってシリンダ14の空間部14bに流れ込む。する
と、この流れ込んだEHD流体に受圧板15が押圧され
ることによってピストン13は図4中矢印方向に移動
し、このピストン13が予め設定された動作をなす。な
お、受圧板15が押圧されてピストン13が移動する
と、空間部14bが広がることによって該空間部14b
を介してチューブ12とチューブ11とが連通するよう
になり、これによりEHD流体はチューブ11を通って
アクチュエータ1内に戻り、以下、高電圧印加中は循環
をなして動作を続けるようになる。
【0020】また、前記動作を停止したいときには、高
電圧の印加を止めればよく、さらに、逆の動作をさせた
いときには、電圧の印加方向を逆に、すなわち平板電極
2を陰極とし、テーパ電極3を陽極とすればよい。した
がって、予め電圧印加の方向やそのオンオフをスイッチ
で切りかえられるようにしておけば、ピストン13によ
る動作を容易に切りかえることができる。よって、本例
のアクチュエータ1にあっては、弁やポンプなどの周辺
機器を別に必要とすることなく、簡単な構成でEHD流
体の流動エネルギーから駆動力を取出すことができる。
電圧の印加を止めればよく、さらに、逆の動作をさせた
いときには、電圧の印加方向を逆に、すなわち平板電極
2を陰極とし、テーパ電極3を陽極とすればよい。した
がって、予め電圧印加の方向やそのオンオフをスイッチ
で切りかえられるようにしておけば、ピストン13によ
る動作を容易に切りかえることができる。よって、本例
のアクチュエータ1にあっては、弁やポンプなどの周辺
機器を別に必要とすることなく、簡単な構成でEHD流
体の流動エネルギーから駆動力を取出すことができる。
【0021】なお、前記実施形態例では、電極として平
板電極2とテーパ電極3とからなる一対の電極を用いた
が、本発明はこれに限定されることなく、複数対の電極
を例えば並列させて用いるようにしてもよい。
板電極2とテーパ電極3とからなる一対の電極を用いた
が、本発明はこれに限定されることなく、複数対の電極
を例えば並列させて用いるようにしてもよい。
【0022】(実験例1)図1に示したアクチュエータ
1に高電圧安定化電源((株)マクセレック)を用いて
0から1kV毎に10kVまで上下させ、両電極側での
発生差圧(出力差圧)をマノメータを用いて計測し、入
力電圧と出力差圧(最大出力差圧)との関係を調べた。
なお、EHD流体としてはDBDNを用い、電極の極性
については平板電極2を陰極とし、テーパ電極3を陽極
とした。また、図3に示したアクチュエータ1のテーパ
電極3のテーパ角θは30°とし、テーパ部8aの拡大
された開口の口径d1は8mmとした。得られた結果を
図5に示す。図5に示した結果より、本例のアクチュエ
ータ1では入力電圧に対して放物線状に出力差圧が変化
し、最大で0.93kPaの出力差圧が得られた。
1に高電圧安定化電源((株)マクセレック)を用いて
0から1kV毎に10kVまで上下させ、両電極側での
発生差圧(出力差圧)をマノメータを用いて計測し、入
力電圧と出力差圧(最大出力差圧)との関係を調べた。
なお、EHD流体としてはDBDNを用い、電極の極性
については平板電極2を陰極とし、テーパ電極3を陽極
とした。また、図3に示したアクチュエータ1のテーパ
電極3のテーパ角θは30°とし、テーパ部8aの拡大
された開口の口径d1は8mmとした。得られた結果を
図5に示す。図5に示した結果より、本例のアクチュエ
ータ1では入力電圧に対して放物線状に出力差圧が変化
し、最大で0.93kPaの出力差圧が得られた。
【0023】実験例1を行った際、テーパ電極3のテー
パ形状の個体差によって出力差圧に差が生じることが分
かった。そこで、テーパ電極3のテーパ形状を変えて出
力差圧を調べる実験を以下のようにして行った。 (実験例2)図3に示したアクチュエータ1のテーパ電
極3のテーパ角θを15°、30°、45°、60°と
変化させ、そのときの最大出力差圧を測定した。得られ
た結果を図6に示す。なお、図6中において実線で示す
折れ線はテーパ電極3を陽極とした場合を示し、破線で
示す折れ線はテーパ電極3を陰極とした場合を示してい
る。また、テーパ部8aの拡大された開口の口径d1は
8mmとした。図6に示した結果より、テーパ角θとし
ては、20以上、45°以下とするのが好ましいことが
分かった。
パ形状の個体差によって出力差圧に差が生じることが分
かった。そこで、テーパ電極3のテーパ形状を変えて出
力差圧を調べる実験を以下のようにして行った。 (実験例2)図3に示したアクチュエータ1のテーパ電
極3のテーパ角θを15°、30°、45°、60°と
変化させ、そのときの最大出力差圧を測定した。得られ
た結果を図6に示す。なお、図6中において実線で示す
折れ線はテーパ電極3を陽極とした場合を示し、破線で
示す折れ線はテーパ電極3を陰極とした場合を示してい
る。また、テーパ部8aの拡大された開口の口径d1は
8mmとした。図6に示した結果より、テーパ角θとし
ては、20以上、45°以下とするのが好ましいことが
分かった。
【0024】(実験例3)図3に示したアクチュエータ
1のテーパ電極3の、テーパ部8aにおける拡大された
開口の口径d1を、4mm、6mm、8mmと変化させ
ることによってこの口径d1とテーパ電極3の外径d2
との比(d1/d2)を変化させ、そのときの最大出力
差圧を測定した。得られた結果を図7に示す。なお、図
7中において実線で示す折れ線はテーパ電極3を陽極と
した場合を示し、破線で示す折れ線はテーパ電極3を陰
極とした場合を示している。また、テーパ角θは45°
とした。図7に示した結果より、比(d1/d2)につ
いては、0.6以下とするのが好ましいことが分かっ
た。
1のテーパ電極3の、テーパ部8aにおける拡大された
開口の口径d1を、4mm、6mm、8mmと変化させ
ることによってこの口径d1とテーパ電極3の外径d2
との比(d1/d2)を変化させ、そのときの最大出力
差圧を測定した。得られた結果を図7に示す。なお、図
7中において実線で示す折れ線はテーパ電極3を陽極と
した場合を示し、破線で示す折れ線はテーパ電極3を陰
極とした場合を示している。また、テーパ角θは45°
とした。図7に示した結果より、比(d1/d2)につ
いては、0.6以下とするのが好ましいことが分かっ
た。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように本発明のアクチュエ
ータは、平板電極とテーパ電極とを組合せ、これら電極
間に高電圧を印加すると、EHD流体がこれら電極の通
過孔内を流動するようにしたものであるから、該通過孔
の外側にて少ないエネルギー損失で高い出力差圧を得る
ことができ、したがって弁やポンプなどの周辺機器を別
に必要とすることなく、簡単かつ軽量・コンパクトな構
成でEHD流体の流動エネルギーから駆動力を取出すこ
とができる。
ータは、平板電極とテーパ電極とを組合せ、これら電極
間に高電圧を印加すると、EHD流体がこれら電極の通
過孔内を流動するようにしたものであるから、該通過孔
の外側にて少ないエネルギー損失で高い出力差圧を得る
ことができ、したがって弁やポンプなどの周辺機器を別
に必要とすることなく、簡単かつ軽量・コンパクトな構
成でEHD流体の流動エネルギーから駆動力を取出すこ
とができる。
【図1】 本発明のアクチュエータの一実施形態例の概
略構成を示す図であり、(a)は要部側断面図、(b)
は平板電極の正面図である。図である。
略構成を示す図であり、(a)は要部側断面図、(b)
は平板電極の正面図である。図である。
【図2】 EHD対流現象を説明するための模式図であ
る。
る。
【図3】 テーパ電極の側断面図である。
【図4】 アクチュエータから駆動力を取出すための機
構の一例を示す図である。
構の一例を示す図である。
【図5】 入力電圧と出力差圧との関係を示すグラフで
ある。
ある。
【図6】 テーパ電極のテーパ角θと最大出力差圧との
関係を示すグラフである。
関係を示すグラフである。
【図7】 口径d1とテーパ電極の外径d2との比(d
1/d2)と、最大出力差圧との関係を示すグラフであ
る。
1/d2)と、最大出力差圧との関係を示すグラフであ
る。
1…アクチュエータ、2…平板電極、3…テーパ電極、
4…スペーサ、6…通過孔、7…組立て用ボルト穴、8
…通過孔、8a…テーパ部
4…スペーサ、6…通過孔、7…組立て用ボルト穴、8
…通過孔、8a…テーパ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 桜井 宏治 埼玉県北葛飾郡鷲宮町桜田5丁目13番1号 藤倉化成株式会社開発研究所内 Fターム(参考) 3H082 AA20 AA25 CC05 DB33 DC08 EE20
Claims (3)
- 【請求項1】 EHD流体に一対以上の電極を用いて直
接高電圧を印加し、EHD流体を流動せしめ、これの流
動エネルギーを駆動源とするアクチュエータであって、 一方の電極が、EHD流体の通過孔を有する平板状の平
板電極であり、 他方の電極が中央にEHD流体の通過孔を有し、この通
過孔の一方の開口部がラッパ状に拡大されたテーパ状の
テーパ電極であり、 平板電極とテーパ電極とが、テーパ電極の通過孔の拡大
された一方の開口部が平板電極に向くようにして、微小
の間隙を介して対峙せしめられていることを特徴とする
アクチュエータ。 - 【請求項2】 他方の電極の開口部の開き度が20〜4
5°であることを特徴とする請求項1記載のアクチュエ
ータ。 - 【請求項3】 テーパ電極のラッパ状に拡大された開口
の口径と外径との比(口径/外径)が、0.6以下であ
ることを特徴とする請求項1又は2記載のアクチュエー
タ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000208955A JP2002021814A (ja) | 2000-07-10 | 2000-07-10 | アクチュエータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000208955A JP2002021814A (ja) | 2000-07-10 | 2000-07-10 | アクチュエータ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002021814A true JP2002021814A (ja) | 2002-01-23 |
Family
ID=18705445
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000208955A Withdrawn JP2002021814A (ja) | 2000-07-10 | 2000-07-10 | アクチュエータ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002021814A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005143177A (ja) * | 2003-11-05 | 2005-06-02 | Tokyo Denki Univ | Ehd現象を利用したアクチュエータ |
JP2006274510A (ja) * | 2005-03-30 | 2006-10-12 | Wacoal Corp | 股付き衣類 |
JP2007049776A (ja) * | 2005-08-05 | 2007-02-22 | Yoshio Kano | 流体アクチュエータ |
JP2022021557A (ja) * | 2020-07-22 | 2022-02-03 | 三浦工業株式会社 | 電気流体力学ポンプ |
-
2000
- 2000-07-10 JP JP2000208955A patent/JP2002021814A/ja not_active Withdrawn
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005143177A (ja) * | 2003-11-05 | 2005-06-02 | Tokyo Denki Univ | Ehd現象を利用したアクチュエータ |
JP4531375B2 (ja) * | 2003-11-05 | 2010-08-25 | 学校法人東京電機大学 | Ehd現象を利用したアクチュエータ |
JP2006274510A (ja) * | 2005-03-30 | 2006-10-12 | Wacoal Corp | 股付き衣類 |
JP4642524B2 (ja) * | 2005-03-30 | 2011-03-02 | 株式会社ワコール | 股付き衣類 |
JP2007049776A (ja) * | 2005-08-05 | 2007-02-22 | Yoshio Kano | 流体アクチュエータ |
JP2022021557A (ja) * | 2020-07-22 | 2022-02-03 | 三浦工業株式会社 | 電気流体力学ポンプ |
JP7447722B2 (ja) | 2020-07-22 | 2024-03-12 | 三浦工業株式会社 | 電気流体力学ポンプ |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20071002 |