JP2002021502A - 翼列圧力損失低減装置 - Google Patents

翼列圧力損失低減装置

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JP2002021502A
JP2002021502A JP2000201706A JP2000201706A JP2002021502A JP 2002021502 A JP2002021502 A JP 2002021502A JP 2000201706 A JP2000201706 A JP 2000201706A JP 2000201706 A JP2000201706 A JP 2000201706A JP 2002021502 A JP2002021502 A JP 2002021502A
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pressure loss
blade
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shock wave
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JP2000201706A
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Ryuma Nogami
龍馬 野上
Yukio Kawachi
幸雄 河内
Kunihiro Shimizu
邦弘 清水
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Senshin Zairyo Riyo Gas Generator Kenkyusho KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明はガスタービン翼列等の翼列圧力損失
低減装置に関する。航空機等に適用されるガスタービン
翼列では、隣接翼で発生する衝撃波と負圧面の境界層と
の干渉が生じ、境界層の肥厚化で圧力損失が増大する不
具合がある。本発明はこのような不具合を解消できる装
置の提供を課題とする。 【解決手段】 本発明の翼列圧力損失低減装置は、翼列
の負圧面に隣接翼から発生した衝撃波の衝突による衝撃
波と境界層との干渉により翼列に生じる圧力損失を低減
させるため、負圧面翼高さ方向にスリット壁又は多孔壁
を設けた。これにより、負圧面に配置したスリット壁等
により、負圧面内部に再循環流が生じ、衝撃波と相互干
渉し衝撃波を弱め、また、衝撃波と干渉した後流側の境
界層の肥厚化は、再循環流れの吸い込み効果により抑制
され、翼負圧面の圧力損失を低減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガスタービンの圧縮機
翼あるいはタービン翼等の翼列を構成する翼に適用さ
れ、隣接する圧縮機翼あるいはタービン翼の前縁あるい
は後縁等より発生する衝撃波とこれらの翼の負圧面側に
発達した境界層との干渉により、衝撃波の衝突により生
じる圧力損失を低減させる翼列圧力損失低減装置に係
り、特に、航空機等に適用されるガスタービンの熱効率
改善に寄与でき、航空機等の性能を向上させ、燃費を低
減させることのできる翼列圧力損失低減装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図7は、従来から航空機等に適用されて
いるガスタービン翼列を構成する動翼の斜視図を示す。
動翼全体を示す図に示すように、動翼10は翼弦方向が
凹面に形成された圧力面14(腹面)と凸に形成された
負圧面16(背面)と、ガスタービン翼列に流入する主
流流体F1 の流入する側に配置された前縁18及び主
流流体F51 の流出する側に配置された後縁20とを
有する翼型部12と、翼型部12を図示省略したタービ
ンロータに取り付けるためにプラットフォーム21の下
方に設けられたダブテール形の翼根部22を有する。
【0003】このようなガスタービン、特に、航空機等
に適用されるガスタービンの圧力損失を低減させるに
は、これ迄次の方法が考えられている。 (1)動翼10の後縁20から流出する主流流体F1
の翼列出口マッハ数を、出来るだけ亜音速レベルに抑制
し、後縁20より発生する衝撃波を弱くする。 (2)動翼10の負圧面の凸面輪郭形状を工夫し、後縁
20より発生する衝撃波と隣接する動翼の負圧面に発達
する境界層とが干渉する干渉位置後方の負圧面16境界
層の肥厚化を抑制し、又は境界層の肥厚化に伴う剥離を
抑制し、負圧面16に沿って流れる流れの干渉位置後方
での抵抗増大を防止し、境界層の肥厚化に伴う圧力損失
増大を防止する。
【0004】上記(1)の方法による圧力損失低減で
は、ガスタービンに重量の制約がないときにはタービン
段数を増やし、一段当たりの膨張比及び負荷を低くする
ことで、翼列出口マッハ数を亜音速レベルにでき有効で
ある。しかし、同一性能なら低コスト、小型化が要求さ
れる航空機に適用されるガスタービンでは、通常の場合
軽量であることが第1命題となるため、逆にタービン段
数は削減することが定常的に追求されており、必然的に
一段当たりの膨張比及び負荷が高くなり、翼列出口マッ
ハ数が遷音速、あるいは超音速になり易く、有効な方法
とはならない。
【0005】他方、上記(2)の方法による圧力損失低
減については、これまで、この方法に適用できる有効な
装置については報告されておらず、また、航空機に適用
されるガスタービンでは、通常、飛行状態に応じてガス
タービンの作動状況を変化させて飛行速度を変えること
が行われており、ガスタービンの作動状況が変化すると
衝撃波の発生位置、形状が変化し、これにより衝撃波と
動翼10の負圧面との干渉位置も移動するため、定常飛
行を想定して干渉位置を定め、負圧面16に沿う流れの
境界層の肥厚化を抑制するように、負圧面16凸面輪郭
形状を設計しても、部分負荷でガスタービンが作動する
ときには、衝撃波と境界層との干渉による境界層の肥厚
化が効率良く抑制できない等、有効な方法とはならない
不具合がある。
【0006】以上、本発明に係る従来の技術を、航空機
に適用されるガスタービンのタービン動翼を例にして説
明したが、本発明は上述の航空機に適用されるガスター
ビンのタービン動翼又は静翼等の翼列に限定されるもの
ではなく、また、航空機に適用されるガスタービンの圧
縮機翼列に対して限定されるものでもなく、例えば、地
上に設置されるガスタービン等の翼列を形成する一般的
な翼に生じる衝撃波と境界層との干渉による圧力損失低
減をも対象にするものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】(1)本発明はタービ
ン翼列又は圧縮機翼列等の翼列出口マッハ数が遷音速、
あるいは超音速になるとき、隣接して配設された隣接翼
より発生する衝撃波と当該衝撃波が衝突するように配設
されている翼の負圧面に発達した境界層との干渉によっ
て、翼の負圧面に発生する圧力損失を効率良く低減させ
ることのできる翼列圧力損失低減装置を提供することを
課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】このため、本発明の翼列
圧力損失低減装置は、次の手段とした。
【0009】(1)主流流体中に配置される翼列を構成
する翼の負圧面に入射する隣接する翼から発生した衝撃
波と負圧面上を発達した境界層との干渉により生じる圧
力損失を低減させるために、翼弦方向が凸に形成された
負圧面(背面)の翼高さ方向、即ち翼根部から翼先端部
に向かう方向にスリット壁若しくは多孔壁を設けるもの
とした。なお、負圧面の翼高さ方向に設けるスリット壁
若しくは多孔壁は、翼弦方向、即ち負圧面に沿って流れ
る主流流体方向に複数列設け、下流側に設けたスリット
壁若しくは多孔壁から流入した主流流体が、上流側に設
けたスリット壁若しくは多孔壁から主流流体中に流出す
る、循環流を形成するように、上流側に設けたスリット
壁若しくは多孔壁と下流側に設けたスリット壁若しくは
多孔壁とを負圧面に近い翼内部で連通させるようにした
ものにすることが好ましい。
【0010】(a)本発明の翼列圧力損失低減装置は、
上述(1)の手段にしたことにより、圧縮機あるいはタ
ービン翼列等を構成する翼のうち、隣接する翼から発生
する衝撃波と翼の負圧面に発達した境界層とが衝突して
干渉する前後の負圧面に、スリット壁あるいは多孔壁が
的確に配置されることになり、隣接して配設された翼よ
り発生する衝撃波と翼の負圧面に発達した境界層との干
渉が、衝撃波が負圧面に衝突する干渉位置より下流側に
設けた、スリット壁若しくは多孔壁から負圧面の内部に
流入した主流流体が、上流側に設けたスリット壁若しく
は多孔壁から主流流体中に流出して再循環流を形成する
ことにより、干渉位置より下流側の境界層の肥厚化が低
減し、衝撃波と負圧面境界層との干渉による圧力損失が
低減し、翼の性能を向上させることができる。
【0011】すなわち、翼の負圧面に間隔を設けて配列
された複数列のスリット壁あるいは多孔壁を配置するこ
とにより、前後に設けたスリット壁あるいは多孔壁の内
部で再循環流が生じ、その流れが衝撃波と相互干渉する
ことで衝撃波を弱め、また、衝撃波と干渉する負圧面下
流側の境界層は肥厚化するが、当該再循環流れにはこの
境界層の吸い込み効果があるため、境界層の肥厚化が抑
制され、これらの効果により翼の負圧面で生じる圧力損
失を低減させることができる。
【0012】また、本発明の翼列圧力損失低減装置は、
上述(1)の手段に加え、次の手段とした。
【0013】(2)翼列を構成する翼が動翼、静翼から
なる航空機に適用されるガスタービンのタービン翼であ
り、タービン翼負圧面後方にスリット壁あるいは多孔壁
を配置することにより、隣接するタービン翼の後縁より
発生する衝撃波とタービン翼の負圧面後方に発達した境
界層との干渉を低減させることにより、圧力損失を低減
させるものとした。
【0014】(b)本発明の翼列圧力損失低減装置は、
上述(a)に加え、上述(2)により、ガスタービンの
作動状況に対応した翼の後方負圧面の必要な範囲がスリ
ット壁あるいは多孔壁化されるため、ガスタービンの定
常負荷時は勿論のこと、部分負荷時においても圧力損失
低減の有効な手段となる。
【0015】即ち、隣接して配設された翼から発生する
衝撃波の影響を、複数列設けたスリット壁あるいは多孔
壁の間で循環する再循環流により弱めることができ、ま
た、衝撃波と隣接する動翼の負圧面に発達する境界層と
の干渉による干渉位置が変化しても、干渉位置後方の負
圧面境界層の肥厚化も再循環流により抑制され、干渉位
置後方での負圧面に沿って流れる流れの剥離等を抑制で
き、翼列の抵抗増大による圧力損失および翼列で生じる
推力の低下を低減することができる。
【0016】また、本発明の翼列圧力損失低減装置は、
上述(1)の手段に加え、次の手段とした。
【0017】(3)翼列を構成する翼がタービン翼等に
供給する空気を圧縮する圧縮機翼であり、圧縮機翼負圧
面の中央部にスリット壁あるいは多孔壁を配置すること
により、隣接する圧縮機翼の前縁より発生する衝撃波と
圧縮機翼の負圧側中央部に発達した境界層との干渉を低
減させることにより、圧力損失を低減させるものとし
た。
【0018】(c)本発明の翼列圧力損失低減装置は、
上述(a)に加え、上述(3)により、ガスタービンの
作動状況に対応した圧縮機翼の中央部負圧面の必要な範
囲をスリット壁あるいは多孔壁化するため、圧縮機の定
常負荷時、又は部分負荷時においても圧縮機翼の圧力損
失低減の有効な手段となる。
【0019】即ち、翼列を構成する圧縮機翼の負圧面に
間隔を設けた配列した複数列のスリット壁あるいは多孔
壁を、衝撃波と境界層の干渉する干渉位置近傍に的確に
配置することにより発生する再循環流により、隣接する
圧縮機翼の前縁より発生する衝撃波と相互干渉させるこ
とで衝撃波を弱め、さらには衝撃波と圧縮機翼の負圧面
に発達した境界層との干渉による境界層の肥大化を抑制
し圧力損失を低減させ、いかなるガスタービンの作動状
況、例えば、部分負荷により干渉位置が変化する場合に
おいても、負圧面に発達する境界層との干渉による干渉
位置後方の負圧面境界層の肥厚化を抑制でき、干渉位置
後方での負圧面に沿って流れる流れの剥離等を抑制で
き、翼列の抵抗による圧力損失を低減することができ、
さらにはガスタービンの燃費を高める有効な手段とな
る。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の翼列圧力損失低減
装置の実施の一形態を、図面に基づき説明する。なお、
図において、図7に示す部材と同一若しくは類似の部材
には同一符号を付して説明は極力省略する。
【0021】図1は、本発明の翼圧力損失低減装置の実
施の第1形態を示す斜視図である。
【0022】図において、10はガスタービンの動翼で
あり、スリット壁24が負圧面16の後方の翼弦方向に
一定の間隔を設けて複数列配置されている。また、本実
施例では翼型部12を図示省略したタービンロータに装
着するために、図7と同様にダブテール形にされた翼根
部22をプラットフォーム21の下部に設けるようにし
ているが、翼型部12とタービンロータとが一体に形成
された、図示省略したブリスク型の翼根部22を使用す
るようにしても良いものである。
【0023】また、負圧面16の後方に配置されるスリ
ット壁24は、翼高さ方向、即ち翼根部22上方に設け
られたプラットフォーム21上方から翼先端下方まで連
通した長方形スリットを複数の使用したものを示してい
るが、スリット壁24としては長手方向に2つに分割さ
れた長方形スリット、又は3個以上に分割された長方形
スリットを使用するようにしてもよい。さらに、スリッ
ト壁24が3列以上配置される場合のスリット壁24の
間隔は、極端な不等ピッチしない限り、本実施の形態に
おける効果は損なわれないものである。
【0024】次に、図2は本発明の翼列圧力損失低減装
置の実施の第2形態を示す斜視図である。図に示す如
く、本実施の形態においても、図1に示すスリット壁2
4と同様な配置にされて設けられているが、図2におい
ては、図1におけるスリット壁24に変えて横断面が円
形にされた孔を穿設した多孔壁26を設けるようにして
いる。多孔壁26としては、図に示すような複数の円孔
を翼高さ方向にプラットフォーム上方から翼先端下方ま
で等ピッチに配置して設けるようにしている。また、こ
の多孔壁26は図に示す円孔に変えて長楕円孔等の種々
の断面形状の孔を用いるようにしても良いものである。
さらに、孔の間隔は極端な不等ピッチでない限り本実施
の形態における効果は損なわれないものである。
【0025】なお、図1に示すスリット壁24を長手方
向に複数個に分割したり、図2に示すように多孔壁26
を採用した場合には、翼型部12の構造強度が増す利点
はあるが、多孔壁26等が設けられていない領域におい
ては、隣接する翼後端部から発生する衝撃波と負圧面を
下流側に向けて発達する境界層との干渉を低減させるこ
とはできず、実施の第1形態及び第2形態において目的
としている翼列圧力損失低減効果は少なくなる。
【0026】図3は本発明の翼列圧力損失低減装置の実
施の第1形態を示す、図1の矢視A−Aにおける横断面
図である。また、図4は本発明の翼列圧力損失低減装置
の実施の第1形態における、図3に示すB部のスリット
壁部の拡大断面図である。
【0027】図3に示すように、隣接する翼型部12の
後縁20から発生し、翼型部12の負圧面16の後部に
設けたスリット壁24に衝突する干渉位置の衝撃波36
の前後では、衝撃波36との干渉位置より上流側の方が
下流側よりも、負圧面16に沿って流れる境界層38内
の翼面静圧が低いため、図4に示すように、この前部ス
リット34と後部スリット32との圧力差より、主流流
体F1 51の肥大した下流側の境界層38が後部スリッ
ト32からスリット壁内部通路30に吸い込まれ、再循
環流れF1 52を生じさせる。
【0028】この前部スリット34と後部スリット32
との翼型部12内部に形成されたスリット壁内部通路3
0を通って、スリット壁24の前部スリット34から主
流流体F1 51 へ噴き出し、形成される再循環流は、
干渉位置へ衝突する衝撃波36と相互干渉することで衝
撃波を弱めると共に、干渉位置より下流側で極端に肥厚
化する境界層38は、後部スリット32からの吸い込み
により、図示するように干渉位置下流側でも極端に肥厚
化することがなくなる。
【0029】これにより、境界層38の負圧面からの剥
離が防止され、又は少なくとも肥厚化が軽減されること
により翼列の圧力損失を低減でき、またタービン翼の効
率低下が防止され、ガスタービンの燃費を向上させるこ
とができる。なお、負圧面16に設ける前部スリット3
4及び後部スリット32を配置する範囲は、ガスタービ
ンの作動状況、即ち、主流流体F1 の流速が変化する
と負圧面16と衝撃波36との干渉位置が移動するた
め、ガスタービンの作動環境、即ち、主流流体F1 の
流速、衝撃波36の発生位置、形状を考慮して決める必
要がある。
【0030】また、前部スリット34と後部スリット3
2との幅及び間隔は、各々のタービンの仕様に対して数
値流体力学(Computational Fluid Dynamics)(CFD)
解析等により最適な数値を決める必要があり、さらに前
部スリット34と後部スリット32との内部に形成され
たスリット壁内部通路30の内部構造は、内部流路を翼
内部に設け翼を内部から冷却するようにした通常の冷却
翼に見られる、リターンフロー、ピンフィン等の複雑な
形状のものと同様な形状のものにすることもできる。
【0031】また、図4に示す後部スリット32及び前
部スリット34は、負圧面16の曲面に対して垂直な形
状にされているが、スリット壁内部通路30及び多孔を
形成する後部スリット32及び前部スリット34の方向
はどの方向でもよいが、負圧面16の曲面との角度が垂
直から大きく外れると、翼型部12の強度面で問題が出
てくる。
【0032】次に、図5は本発明の翼圧力損失低減装置
の実施の第3形態としての圧縮機の動翼を示す斜視図で
ある。圧縮機の動翼10の場合、隣接する動翼10から
発生する衝撃波36は、図6に示すように、動翼10の
前縁18より発生するため、負圧面16の後方に設ける
タービン動翼に対して、スリット壁24は負圧面16の
中央部に設けるようにしている。
【0033】図5のC−C断面図である図6に示すよう
に、このようにスリット壁24を負圧面16の中央部に
設けることにより、隣接する動翼10の前縁18から発
生した衝撃波36は、負圧面16の中央部に設けたスリ
ット壁24に衝突することとなり、干渉位置は負圧面1
6の中央部になる。このように、圧縮機の動翼10の場
合、衝撃波36と干渉を起す負圧面16の翼弦方向の干
渉位置は変動するものの、前述したタービン翼に設ける
ようにしたスリット壁24における翼列圧力損失低減と
同様な作用、効果を奏することができる。
【0034】以上、本発明の実施の形態を説明したが、
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、遷
音速のタービン動翼及び圧縮機動翼に適用される上記実
施例に代えて、遷音速のタービン静翼及び圧縮機静翼に
適用しても上記実施の形態と同様な効果が得られもので
あり、さらに、本発明の範囲内で本発明のすべての実質
的な利点を損なうことなく本発明構成部の形態、構造、
構成等に様々な改変を施し得るものである。
【0035】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の翼列圧力損
失低減装置は主流流体中に配置された翼列の負圧面に隣
接する翼から発生した衝撃波が衝突することにより、衝
撃波と負圧面に発達した境界層との干渉により生じる圧
力損失を低減させるために負圧面の翼高さ方向にスリッ
ト壁若しくは多孔壁を設けた。
【0036】これにより、負圧面に配置したスリット壁
等により、スリット壁等が設けられた負圧面内部には再
循環流が生じ、再循環流が衝撃波と相互干渉することで
衝撃波を弱め、また、衝撃波との干渉位置より下流側の
境界層の肥厚化は、再循環流れの境界層の吸い込み効果
により抑制され、翼列に生じる圧力損失を低減させるこ
とができ、翼列の性能を向上させ、翼列の作業効率を向
上できる。
【0037】また、本発明の翼列圧力損失低減装置は、
翼が航空機に適用されるガスタービンのタービン翼の翼
列を構成し、負圧面の後部にスリット壁あるいは多孔壁
を配置することにより、隣接するタービン翼の後縁より
発生する衝撃波とタービン翼の負圧面に発達した境界層
とを干渉させることにより、圧力損失を低減させるよう
にした。
【0038】これにより、ガスタービンの部分負荷時に
おいても圧力損失低減の有効な手段となる。即ち、翼列
の後縁から発生する衝撃波を抑制でき、また、衝撃波と
負圧面に発達する境界層との干渉による後方負圧面境界
層の肥厚化を抑制し、干渉位置後方での負圧面に沿って
流れる流れの剥離を抑制でき、翼列の抵抗による圧力損
失を低減することができる。従って、翼列出口マッハ数
が遷音速、あるいは超音速となる時に発生する高負荷・
高膨張比タービン圧力損失を低減でき、ガスタービン等
の燃費が向上する効果を得ることができる。
【0039】また、本発明の翼列圧力損失低減装置は、
翼が航空機に適用されるガスタービンの圧縮機翼の翼列
を構成し、負圧面の中央部にスリット壁あるいは多孔壁
を配置することにより、隣接する圧縮機翼の前縁より発
生する衝撃波と圧縮機翼の負圧側に発達した境界層とを
干渉させて圧力損失を低減するようにした。
【0040】これにより、圧縮機翼の負圧面にスリット
壁等を的確に配置できるので、部分負荷の場合において
も衝撃波と圧縮機翼の負圧面の境界層との干渉による圧
力損失を低減させ、負圧面に発達する境界層との干渉に
よる干渉位置後方の負圧面境界層の肥化を抑制し、干
渉位置後方での負圧面の流れの剥離を抑制でき、翼列の
抵抗による圧力損失を低減することができる。従って、
ガスタビーン等の広範囲な作動状態において、ガスター
ビン等の燃費が向上する効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の翼列圧力損失低減装置の実施の第1形
態としてのタービン動翼の負圧面側に複数のスリット壁
を設けた斜視図、
【図2】本発明の翼列圧力損失低減装置の実施の第2形
態としてのタービン動翼の負圧面側に複数の多孔壁を設
けた斜視図、
【図3】図1に示す矢視A−Aにおけるタービン動翼の
断面図、
【図4】図3に示すB部におけるタービン動翼の詳細断
面図、
【図5】本発明の翼列圧力損失低減装置の実施の第3形
態としての圧縮機動翼の負圧面側に複数のスリット壁を
設けた斜視図、
【図6】図5に示す矢視C−Cにおける圧縮機動翼の断
面図、
【図7】従来のタービン動翼を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 動翼 12 翼型部 14 圧力面 16 負圧面 18 前縁 20 後縁 21 プラットフォーム 22 翼根部 24 スリット壁(長方形スリット) 26 多孔壁(円孔) 30 スリット壁内部通路 32 後部スリット 34 前部スリット 36 衝撃波 38 境界層 F1 主流流体 F2 再循環流れ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河内 幸雄 愛知県小牧市大字東田中1200番地 三菱重 工業株式会社名古屋誘導推進システム製作 所内株式会社先進材料利用ガスジェネレー タ研究所小牧分室内 (72)発明者 清水 邦弘 愛知県小牧市大字東田中1200番地 三菱重 工業株式会社名古屋誘導推進システム製作 所内株式会社先進材料利用ガスジェネレー タ研究所小牧分室内 Fターム(参考) 3G002 BA02 BB01 3H033 AA02 AA16 BB03 BB08 BB18 CC01 DD06 EE08 EE19

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主流流体中に配置された翼列の負圧面に隣
    接する翼から発生した衝撃波と前記負圧面に発達した境
    界層との干渉により生じる圧力損失を低減させる翼列圧
    力損失低減装置において、前記負圧面の翼高さ方向にス
    リット壁若しくは多孔壁を設けたことを特徴とする翼列
    圧力損失低減装置。
  2. 【請求項2】前記翼が航空機に適用されるタービン翼の
    翼列を構成するものであり、前記負圧面の後部にスリッ
    ト壁あるいは多孔壁を配置することにより、隣接する前
    記タービン翼の後縁より発生する衝撃波と前記タービン
    翼の負圧面に発達した境界層とを干渉させることによ
    り、圧力損失を低減させることを特徴とする請求項1の
    翼列圧力損失低減装置。
  3. 【請求項3】前記翼が航空機に適用される圧縮機翼の翼
    列を構成するものであり、前記負圧面の中央部にスリッ
    ト壁あるいは多孔壁を配置することにより、隣接する前
    記圧縮機翼の前縁より発生する衝撃波と前記圧縮機翼の
    負圧面に発達した境界層とを干渉させることによる圧力
    損失を低減させることを特徴とする請求項1の翼列圧力
    損失低減装置。
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