JP2002018494A - 有機性汚泥のオゾン処理装置及び処理方法 - Google Patents

有機性汚泥のオゾン処理装置及び処理方法

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JP2002018494A
JP2002018494A JP2000209553A JP2000209553A JP2002018494A JP 2002018494 A JP2002018494 A JP 2002018494A JP 2000209553 A JP2000209553 A JP 2000209553A JP 2000209553 A JP2000209553 A JP 2000209553A JP 2002018494 A JP2002018494 A JP 2002018494A
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sludge
treatment
ozone
tank
ozone gas
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Akihiko Tsunoda
明彦 角田
Takeshi Matsuki
岳 松木
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Tsukishima Kikai Co Ltd
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Tsukishima Kikai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】汚泥とオゾンガスを高効率で接触反応させる 【解決手段】オゾン処理中に処理槽7B内で発生する発
生ガスや汚泥発泡分を処理槽7Bから排出路R2を介し
て貯留消泡タンク7Fに導き、貯留消泡タンクで消泡し
たのち、未反応オゾンガスおよび消泡後の汚泥分を返送
路R3を介して処理槽7Bに返送する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機性排液を好気
性生物処理する過程で余剰汚泥として発生する有機性汚
泥などの有機性汚泥をオゾン処理する装置及び方法に関
し、特に好適には、前記余剰汚泥を濃縮処理した有機性
汚泥をオゾン処理する装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】下水処理場等における有機性汚泥処理シ
ステムは、有機性汚泥を、曝気槽を用いる活性汚泥法な
どの好気性生物処理した後、沈殿槽などにより余剰汚泥
を固液分離し、余剰汚泥の一部は曝気槽に返送するとと
もに、残部は遠心濃縮機などの手段により濃縮処理した
後、嫌気性消化処理する処理システムが知られている。
【0003】また、前記の余剰汚泥は生物的に難分解性
であり、しかも近年における汚泥性状の変化などの要因
が重なって、嫌気性消化処理における消化日数の長期間
化を解決することが重要な課題となっている。
【0004】そこで、嫌気性消化処理に先立って、難分
解性の余剰汚泥中にオゾンガスを吹き込んで気液接触さ
せて有機性汚泥を可溶化することの試みが用いられてい
る。この試みの多くは、可溶化した余剰汚泥を前記曝気
槽に返送する形態を採っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、オゾン
処理により可溶化した余剰汚泥を前記曝気槽に返送する
形態では、いったん好気性生物処理により微生物生体内
に蓄積されたリンや窒素の一部がオゾン酸化処理により
再び溶出し、返送処理によりリンの返送・循環系内の蓄
積及び窒素濃度の上昇を生じる可能性が懸念される。
【0006】この点に関し、本発明者らは、実験によ
り、オゾンによって有機性汚泥を可溶化した場合、溶解
性リンおよび生物難分解性物質濃度の指標となるCOD
値が上昇することを知見している。表1に、有機性汚泥
をオゾン処理によって可溶化したときの汚泥の成分変化
を示す。
【0007】
【表1】
【0008】この表1に注目すると、オゾン処理により
SS濃度が低下し、溶解性のリン濃度が上昇し、溶解性
リン/全リンの比率は20.6%にも達することがあ
り、COD値も上昇することが判る。このことは、オゾ
ン処理によって汚泥中の有機性物質やリン等が汚泥より
放出されて可溶化することを示している。したがって、
好気性生物処理への返送に伴ってリンや窒素などの返送
・循環系内の蓄積を生じるのである。
【0009】そこで、本発明者らは、オゾン処理により
可溶化した汚泥を曝気槽に返送することなく、余剰汚泥
を遠心濃縮機などの手段により濃縮処理した有機性汚泥
(以下、「濃縮有機性汚泥」ととも言う)に対してオゾ
ン処理を行うことが、リンや窒素などの返送・循環系内
の蓄積を回避できることを知見している。
【0010】ところで、この種のオゾン処理において
は、汚泥との接触効率を如何に高めるかが最大の課題で
ある。このために、オゾンガスを単に吹き込むのではな
く、多孔質の散気板を通してオゾンガスを微細泡にして
吹き込み、有機性汚泥との接触面積を広くすることによ
り、汚泥との接触効率を高めることが知られている。ま
た、処理槽内の有機性汚泥にオゾンガスを吹き込むと、
有機性汚泥が発泡する傾向があるので、特開平11−9
0496号公報に記載のように、汚泥液面に消泡翼を設
けて消泡することが知られている。
【0011】しかるに、濃縮有機性汚泥に対してオゾン
処理するに際して、前者の多孔質の散気板を通してオゾ
ンガスを微細泡にして吹き込む方法を採用しようとする
場合、濃縮有機性汚泥は高濃度及び高粘度であるため
に、微細な気泡を均一に分散させることが難しく、多孔
質の散気板に目詰まりが生じ易く、汚泥との接触効率を
高めることができ難い。他方で、オゾン処理時には汚泥
の発泡が生じる事例が見られるが、後者の単に消泡翼を
設けて消泡するのものは有効な消泡手段とは言い難い。
さらに、汚泥との接触効率を高めるために、オゾン処理
槽を複数シリーズに設けることが考えられるが、高設備
費及び設置スペースの割に効果が小さい。
【0012】そこで、本発明の主たる課題は、高粘度か
つ高濃度の濃縮有機性汚泥に対しても確実にオゾン処理
でき、汚泥とオゾンガスを高効率で接触反応させること
ができ、しかも単一の処理槽で十分な接触反応を生じさ
せることができるようにすることにある。
【0013】他の課題は、濃縮有機性汚泥をオゾン処理
する場合には、濃縮有機性汚泥をオゾン処理により可溶
化させ、嫌気性消化の分解率を高め、消化ガスの発生量
の増加を図り、もって汚泥の減容化率を高め、他方で汚
泥を好気性生物処理へ返送させないことによりリンや窒
素などの返送・循環系内の蓄積を回避することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決した本発
明は次記のとおりである。 <請求項1記載の発明>有機性汚泥とオゾンガスとを気
液接触させてオゾン処理する処理槽と、前記処理槽内の
汚泥中にオゾンガスを注入するオゾンガス注入手段と、
前記処理槽における汚泥液面上から発泡汚泥分およびオ
ゾンガスを受け入れて一時貯留し、前記発泡汚泥分を汚
泥分とオゾンガスとに分離する貯留消泡タンクと、汚泥
分およびオゾンガスのうち少なくともオゾンガスを前記
貯留消泡タンクから前記処理槽へ返送する返送手段と、
前記貯留消泡タンク及び処理槽のうち少なくとも一方か
ら排オゾンガスとして排出する排オゾンガス排出手段
と、を備えることを特徴とする有機性汚泥のオゾン処理
装置。
【0015】(作用効果)処理槽における汚泥液面上か
ら発泡汚泥分およびオゾンガスを受け入れて一時貯留
し、前記発泡汚泥分を汚泥分とオゾンガスとに分離する
貯留消泡タンクと、汚泥分およびオゾンガスのうち少な
くともオゾンガスを前記貯留消泡タンクから前記処理槽
へ返送する返送手段とを有するので、有機性汚泥とオゾ
ンガスとの接触頻度が増大し接触反応効率を高めること
ができる。さらに、オゾン処理時に発生した発泡汚泥分
を貯留消泡タンクにおいて消泡でき、処理槽内での発泡
量の増大を抑制しつつ、オゾンガスを処理槽へ返送する
ことで、接触反応効率を高めることができる。
【0016】<請求項2記載の発明>有機性汚泥とオゾ
ンガスとを気液接触させてオゾン処理する処理槽と、前
記処理槽内の汚泥中にオゾンガスを注入するオゾンガス
注入手段と、前記処理槽における汚泥液面上から発泡汚
泥分およびオゾンガスを受け入れて一時貯留し、前記発
泡汚泥分を汚泥分とオゾンガスとに分離する貯留消泡タ
ンクと、汚泥分およびオゾンガスのうち少なくともオゾ
ンガスを前記貯留消泡タンクから前記処理槽へ返送する
返送手段と、前記貯留消泡タンク及び処理槽のうち少な
くとも一方からオゾンガスの一部を受け入れて大気に解
放する前に無害化処理する排オゾンガス処理手段と、を
備えることを特徴とする有機性汚泥のオゾン処理装置。
【0017】(作用効果)貯留消泡タンクにおいて、汚
泥分とオゾンガスとを分離できるので、分離したオゾン
ガスの一部を排オゾンガス処理手段により無害化処理し
た後、大気に解放できる。
【0018】<請求項3記載の発明>前記処理槽の内面
部に設けられた汚泥液流れの抵抗手段と、汚泥液を撹拌
する撹拌手段とを備える請求項1または2記載の有機性
汚泥のオゾン処理装置。
【0019】(作用効果)汚泥液を撹拌する撹拌手段の
ほか、処理槽の内面部に設けられた汚泥液流れの抵抗手
段を設けることで、汚泥粒子の低分子化・微細化・可溶
化を促進でき、後続の嫌気性消化工程での分解率を高め
ることができ、かつガス発生量の増大を図ることができ
る。
【0020】<請求項4記載の発明>前記処理槽に供給
する有機性汚泥は、好気性生物処理後の余剰汚泥を濃縮
処理した後のものである請求項1または2記載の有機性
汚泥のオゾン処理装置。
【0021】(作用効果)好気性生物処理後の余剰汚泥
を濃縮処理した後のもの(濃縮有機性汚泥)であっても
高い接触反応効率をもってオゾン処理を行うことができ
るので、嫌気性消化工程での分解率を高めることがで
き、消化ガスの発生量の増加を図り、もって汚泥の減容
化率を高め、最終処分汚泥量を低減させることができ
る。他方で汚泥を好気性生物処理へ返送させないことに
よりリンや窒素などの返送・循環系内の蓄積を回避する
ことができる。
【0022】<請求項5記載の発明>有機性汚泥とオゾ
ンガスとを気液接触させてオゾン処理するオゾン処理工
程と、前記処理槽内の汚泥中にオゾンガスを注入するオ
ゾンガス注入工程と、前記処理槽における汚泥液面上か
ら発泡汚泥分およびオゾンガスを受け入れて一時貯留
し、前記発泡汚泥分を汚泥分とオゾンガスとに分離する
貯留消泡工程と、汚泥分およびオゾンガスのうち少なく
ともオゾンガスを前記貯留消泡タンクから前記処理槽へ
返送する返送工程と、前記貯留消泡タンク及び処理槽の
うち少なくとも一方から排オゾンガスとして排出する排
オゾンガス排出工程とを有することを特徴とする有機性
汚泥のオゾン処理方法。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面を参照
しながら説明する。 (第1の実施の形態)第1の実施の形態の本発明のオゾ
ン処理装置の概略図を図1および図2に示す。オゾンガ
ス発生器7Aで発生させたオゾンガスO3は送気ポンプ
1にて供給路R1を介して処理槽7Bに送気する。さら
にオゾンガス発生器7Aから処理槽7Bにいたる経路R
1には発生オゾン濃度計MOが取り付けられていて、処理
槽7Bに供給されるオゾン濃度を測定するようになって
いる。
【0024】前記供給路R1の先端のオゾンガス注入口
7Cは、処理槽7Bの底部近傍に位置しており、供給す
る有機性汚泥Sa中にオゾンガスが注入されるようにな
っている。さらに、オゾンガス注入口7Cの形状はたと
えばノズル状となっていて、有機性汚泥中にオゾンガス
3を噴射できるようになっており、高粘度及び高濃度
の濃縮有機性汚泥をオゾン処理する際に有効である。注
入ノズルの開口径は、汚泥の粘度などにもよるが、約5
mm径程度とするのがノズルの目詰まりが生じにくく好
適である。
【0025】一方、前記処理槽7Bには撹拌機7Dが取
り付けられていて、処理槽7B内において有機性汚泥S
aとオゾンガスO3とを撹拌混合できるようなってい
る。前記撹拌機7Dは、駆動源7Da、回転軸7Dbお
よび回転翼7Dcからなり、駆動源7Daの動力を受け
て回転軸7Dbが回転し、この回転軸7Dbの端部に取
り付けられた回転翼7Dcが回転するようになってい
る。回転翼7Dcの形状は、気液混合用に用いられてい
る既知の回転翼を用いることが可能である。例としてデ
ィスクタービン型の回転翼が挙げられる。
【0026】ここで、撹拌機7Dによる撹拌性を高める
ために、処理槽7Dの内部に撹拌翼7Dcの回転に支障
のない条件の下で汚泥液流れの抵抗手段、例えば、図2
に示されような、処理槽7Bの内部に突き出す混合促進
板7Eを設けることが望ましい。
【0027】他方、前記処理槽7Bより上位に、汚泥液
面上から発泡汚泥分およびオゾンガスを受け入れて一時
貯留する貯留消泡タンク7Fが設置されている。これら
は汚泥液面より上方に導入口を臨ませた導入路R2によ
り連結されており、オゾン処理中に発生する汚泥の発泡
分および未反応のオゾンガスを処理槽7Bより貯留消泡
タンク7Fに上方に導入するようにしてある。導入路R
2には、必要によりポンプP2を設置して貯留消泡タンク
7Fに送給することもできる。
【0028】貯留消泡タンク7Fでは、発泡汚泥分を消
泡してその汚泥及び水分などを貯留消泡タンク7F内の
下方に分離させるとともに、オゾンガスとの分離を図っ
ている。
【0029】また、貯留消泡タンク7Fの底部には、処
理槽7Bへと続く返送路R3が設けられていて、この返
送路R3を通して、送気、送水、送泥が可能なポンプP3
によって、未反応オゾンガスおよび消泡された汚泥分や
水分を処理槽7Bに返送する構成としてある。
【0030】貯留消泡タンク7Fの天部には、貯留消泡
タンク7Bより排出される排ガスEを排出するための排
気路R4が連結されている。この排気路R4は、排オゾン
ガスEのみを効率よく排出させるためにも、導入路R2
の連結口よりも上方に連結するのが好ましい。また、排
気路R4には排オゾン濃度計MEが取り付けられていてオ
ゾン濃度の確認ができるようになっている。貯留消泡タ
ンク7Fから排出される排ガスEは、排気路R4を通っ
て排オゾン処理塔7Gに導かれ無害化及び安定化された
のち大気に解放される。
【0031】他方、オゾン処理に際して、前処理として
濃縮有機性汚泥を50以上100℃未満に加熱すること
も考えられるため、設備の必要な部分に耐熱構造を採用
することが好ましい。
【0032】ここで、本発明のオゾン処理装置は、濃縮
有機性汚泥に対して特に効果的であるが、濃縮有機性汚
泥に対する適用のみならず、未濃縮余剰汚泥に対するも
のであってもよい。本発明のオゾン処理装置では、貯留
消泡タンクを備えることによって、発生ガスおよび汚泥
発泡分を回収するとともに、消泡後の汚泥分や未反応オ
ゾンを処理槽に返送するようにしたので、オゾンガスと
の接触効率を高めることができる。
【0033】(第2の実施の形態)図3に示す第2の実
施の形態においては、処理槽7Bから排気路R5を通し
て排オゾンガスとして排気するようにしたものである。
排オゾンガスの排気は、第1の実施の形態のように、貯
留消泡タンク7Fからも行うことができる。
【0034】(第3の実施の形態)貯留消泡タンク7F
は、一時的に貯留するとともに消泡を行うためのもので
ある。したがって内部にスノコ状などの消泡板7Gなど
の消泡手段を設けて、消泡効果を高めることができる。
未反応のオゾンガスは、処理槽7Bに返送路R6を通し
てポンプP4により搬送できるが、消泡した汚泥は、処
理槽7Bに返送することなく、返送路R7を通してポン
プP5により後続の嫌気性消化工程に移送できる。
【0035】<第1の実施例>次いで、図5に本発明の
オゾン処理装置の使用した有機性汚泥処理システムの第
1の実施例を示す。下水などの有機性排液Wが、貯留槽
1にいったん貯留された後、曝気槽2に導入され、曝気
槽2において好気性条件にて活性汚泥と接触させられて
好気性生物処理される。本発明にいう好気性生物処理と
は、活性汚泥法、嫌気・好気活性汚泥法、生物学的硝化
脱窒法、担体添加活性汚泥法、生物膜法等、少なくとも
処理工程内に好気性曝気槽を持つ生物処理法の総称を意
味する。処理液W0は沈殿槽3にて清澄処理水W1と有機
性汚泥Sとに固液分離され、清澄処理水W1は水質調整
槽4にて水質調整し、処理系外へ放流される。
【0036】一方、有機性汚泥Sは、好気性微生物源と
して必要分の有機性汚泥を返送経路10を介して曝気槽
2に返送し、他部を遠心分離機などの濃縮装置5により
濃縮処理する。次いで、濃縮処理した有機性汚泥Saは
処理槽7Bに移送してオゾン処理する。オゾン処理は、
オゾン発生装置7Aで発生させたオゾンO3を前記処理
槽7Bにポンプで送気し、濃縮有機性汚泥Saと気液接
触させる。オゾン処理中に発生する、発生ガスGや汚泥
発泡分S0は貯留消泡タンク7Fに導かれて消泡された
のち、未反応オゾンO3および消泡後の汚泥S1が再度前
記処理槽7Bに返送される。貯留消泡タンク7Fで発生
した排ガスEは、排気経路を介して排オゾン処理塔7G
に導き、分解無害化処理したのちに大気解放する。ここ
で、オゾン処理はバッチ式または連続式のどちらの方式
で行ってもよい。
【0037】次いで、処理槽7Bにてオゾン処理した濃
縮有機性汚泥Sbは、嫌気性消化処理装置8に移送し、
嫌気性消化処理を行って濃縮有機性汚泥Sbの安定化お
よび減容化を図る。この嫌気消化処理は、従来技術に基
づいて行うことができ、嫌気性消化処理の滞留時間は、
処理する汚泥の性状などによって、適宜変更することが
できる。
【0038】嫌気性消化処理によって減容化および安定
化した後の消化汚泥Scは、脱水機9にて脱水したの
ち、脱水ケーキや焼却処理を施した焼却灰等の形態で最
終処分に供したり、コンポスト・建設材料などのリサイ
クル原料としたりする。
【0039】<第2の実施例>本発明の第2の実施例を
図6に示す。本実施例は、濃縮装置5により濃縮処理し
た有機性汚泥Saは、処理槽7Bにてオゾン処理するに
先立ち、加熱装置6にて50℃以上100℃未満の温
度、より好適には60〜80℃に加熱するものである。
この加熱処理を行うことにより、オゾン処理による可溶
化が促進される。
【0040】(実験例)本発明者らは、本発明のオゾン
処理装置を用い、濃縮有機性汚泥をオゾン処理し、その
オゾン処理した濃縮有機性汚泥を嫌気性消化する実験を
行ったので、以下にその実験例を示す。本実験には、某
下水処理場における下水処理過程で排出される有機性汚
泥を遠心濃縮機にて濃縮した濃縮有機性汚泥を用い本発
明のオゾン処理装置でオゾン処理し、その後に嫌気性消
化処理した。実験条件を表2に示す。
【0041】
【表2】
【0042】本実験に使用した嫌気性消化処理装置の概
略図を図4に示す。嫌気性消化処理装置8は、ヒータ8
Bにより加温される温水ジャケット槽内に単位消化槽8
Aが複数並んで配置され、温度センサー8Cが設置さ
れ、消化槽8A内の汚泥の温度管理ができるようになっ
ている。また、発生するガスは、架台8F上に設けられ
た水槽8Eに設置されているガス捕集管8Dにて捕集
し、その量を測定するようになっている。
【0043】実験は、まず、本発明のオゾン処理装置に
て濃縮有機性汚泥をオゾン処理し、次いで、嫌気性消化
処理装置の消化槽にオゾン処理した濃縮有機性汚泥を移
して嫌気性消化を行った。オゾン処理は、濃縮有機性汚
泥を投入した処理槽に、10、20、40(mg−O3
/g−TS)でオゾンを添加した。また、嫌気性消化処
理は、上記下水場の既設二次消化汚泥を種汚泥として半
連続式にて実施した。濃縮有機性汚泥のオゾン処理済汚
泥の性状変化を表3に示す。
【0044】
【表3】
【0045】表3に示されるとおり、オゾン処理によっ
て、汚泥性状の改質効果について以下のことが明らかに
なった。濃縮有機性汚泥をオゾン処理することによっ
て、SS成分が約3.8%から約3.5%に減少し溶解
性成分が増加する。濃縮有機性汚泥をオゾン処理する
ことによって生じる、溶解性物質DS、溶解性COD、
溶解性TOCの溶解性成分は、オゾン添加率にほぼ比例
して増加する。濃縮有機性汚泥にオゾン処理を行った
系において、有機分(VTS)の割合は83%程度であ
りほとんど変化せず、0〜40(mg−O3/g−T
S)の範囲では、汚泥中の有機分は可溶化の状態でとど
まり、ガス化まではいたらない。40mg−O3/g
−TSの添加率では濃縮有機性汚泥の粘度は約50〜8
0%低下する。
【0046】オゾン処理によって濃縮有機性汚泥中の固
形分が酸化分解されることにより低分子化してその一部
が可溶化されたと推察できる。また、汚泥中固形物の低
分子化等の作用によって、汚泥の粘性が低下すると考え
られる。
【0047】次いで、オゾン処理した濃縮有機性汚泥と
未処理の濃縮有機性汚泥とを嫌気性消化したときに、汚
泥の成分変化を表4に示す。
【0048】
【表4】
【0049】濃縮有機性汚泥をオゾン処理することによ
って、以下の結果から、嫌気性消化の促進効果が得られ
ることが明らかとなった。未処理の濃縮有機性汚泥と
オゾン処理をした濃縮有機性汚泥とを比較すると、40
mg−O3/g−TSの添加率で、TSは、24,49
0mg/l→22,865mg/lに低下し、またVT
Sは、76.11%→73.56%に低下した。40
mg−O3/g−TSの添加率で、消化率は約9ポイン
トの上昇、VTS分解率で約7ポイントの上昇が確認さ
れた。投入VTSあたりのガス発生量は、オゾン添加
率に比例して増加し、20mg−O3/g−TSで約
1.3倍、40mg−O3/g−TSで約1.5倍の上
昇が確認された。オゾン処理により嫌気性消化効果が促
進され、少なくとも20〜40mgO3/g−TS程度
のオゾン添加率で、有機性汚泥の減容化および消化ガス
発生量増加の効果が得られる。
【0050】以上より、濃縮有機性汚泥をオゾン処理
し、次いで嫌気性消化することによって、汚泥の減容化
効果が高められることが示された。表5に、結果をまと
めたので示す。
【0051】
【表5】
【0052】
【発明の効果】以上詳説のとおり、本発明によれば、濃
縮処理後の高粘度かつ高濃度の有機背性汚泥に対して
も、オゾンガスを均質かつ高効率で反応させることがで
き、また未濃縮の有機性汚泥に対しても従来装置よりも
高効率でオゾン処理でき、もって効果的な有機性汚泥の
処理が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機性汚泥のオゾン処理装置の第1の
実施の形態の概略図である。
【図2】その処理槽の断面図である。
【図3】第2の実施の形態の概略図である。
【図4】第3の実施の形態の概略図である。
【図5】処理システムの第1の実施例を示すフローシー
トである。
【図6】処理システムの第2の実施例を示すフローシー
トである。
【図7】実験に用いた嫌気性消化処理装置の概要図であ
る。
【符号の説明】
1…貯留槽、2…曝気槽、3…沈殿槽、4…水質調整
槽、5…濃縮装置、6…加熱装置、7…オゾン処理装
置、7B…処理槽、7F…貯留消泡タンク、8…嫌気性
消化処理装置、9…脱水機。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D011 AA01 BA13 BA20 4D059 AA05 BC02 BE38 BF02 BJ01 BJ11 CA14 DA43 EB06 4G035 AA01 AB07 AB10 AB54 AE13

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機性汚泥とオゾンガスとを気液接触させ
    てオゾン処理する処理槽と、前記処理槽内の汚泥中にオ
    ゾンガスを注入するオゾンガス注入手段と、前記処理槽
    における汚泥液面上から発泡汚泥分およびオゾンガスを
    受け入れて一時貯留し、前記発泡汚泥分を汚泥分とオゾ
    ンガスとに分離する貯留消泡タンクと、汚泥分およびオ
    ゾンガスのうち少なくともオゾンガスを前記貯留消泡タ
    ンクから前記処理槽へ返送する返送手段と、前記貯留消
    泡タンク及び処理槽のうち少なくとも一方から排オゾン
    ガスとして排出する排オゾンガス排出手段と、を備える
    ことを特徴とする有機性汚泥のオゾン処理装置。
  2. 【請求項2】有機性汚泥とオゾンガスとを気液接触させ
    てオゾン処理する処理槽と、前記処理槽内の汚泥中にオ
    ゾンガスを注入するオゾンガス注入手段と、前記処理槽
    における汚泥液面上から発泡汚泥分およびオゾンガスを
    受け入れて一時貯留し、前記発泡汚泥分を汚泥分とオゾ
    ンガスとに分離する貯留消泡タンクと、汚泥分およびオ
    ゾンガスのうち少なくともオゾンガスを前記貯留消泡タ
    ンクから前記処理槽へ返送する返送手段と、前記貯留消
    泡タンク及び処理槽のうち少なくとも一方からオゾンガ
    スの一部を受け入れて大気に解放する前に無害化処理す
    る排オゾンガス処理手段と、を備えることを特徴とする
    有機性汚泥のオゾン処理装置。
  3. 【請求項3】前記処理槽の内面部に設けられた汚泥液流
    れの抵抗手段と、汚泥液を撹拌する撹拌手段とを備える
    請求項1または2記載の有機性汚泥のオゾン処理装置。
  4. 【請求項4】前記処理槽に供給する有機性汚泥は、好気
    性生物処理後の余剰汚泥を濃縮処理した後のものである
    請求項1または2記載の有機性汚泥のオゾン処理装置。
  5. 【請求項5】有機性汚泥とオゾンガスとを気液接触させ
    てオゾン処理するオゾン処理工程と、前記処理槽内の汚
    泥中にオゾンガスを注入するオゾンガス注入工程と、前
    記処理槽における汚泥液面上から発泡汚泥分およびオゾ
    ンガスを受け入れて一時貯留し、前記発泡汚泥分を汚泥
    分とオゾンガスとに分離する貯留消泡工程と、汚泥分お
    よびオゾンガスのうち少なくともオゾンガスを前記貯留
    消泡タンクから前記処理槽へ返送する返送工程と、前記
    貯留消泡タンク及び処理槽のうち少なくとも一方から排
    オゾンガスとして排出する排オゾンガス排出工程とを有
    することを特徴とする有機性汚泥のオゾン処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005219043A (ja) * 2004-01-07 2005-08-18 Mitsubishi Electric Corp 汚泥処理方法および汚泥処理装置
JP2008212868A (ja) * 2007-03-06 2008-09-18 Mitsubishi Electric Corp 汚泥処理装置

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