JP2002016996A - ノイズ・コントロール方法と回路 - Google Patents

ノイズ・コントロール方法と回路

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JP2002016996A
JP2002016996A JP2000197735A JP2000197735A JP2002016996A JP 2002016996 A JP2002016996 A JP 2002016996A JP 2000197735 A JP2000197735 A JP 2000197735A JP 2000197735 A JP2000197735 A JP 2000197735A JP 2002016996 A JP2002016996 A JP 2002016996A
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sound
signal
audio
noise control
input means
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JP2000197735A
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Hiroyuki Kawashima
博之 川島
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Iwatsu Electric Co Ltd
Original Assignee
Iwatsu Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハンズ・フリー通話において、音響結合を減
らして、信号対雑音比の向上を得ること。 【解決手段】 スピーカ51からマイク56への音響結
合特性を求める。そのためにANC61において通話に
先立ってインパルス応答を求め、通話中は、そのインパ
ルス応答により求めた伝達関数を用いて擬似エコー信号
を生成し、アナログの加算器36でマイク56からの信
号に対して逆相で加算して、音響結合を減少せしめた。
ANC61の動作は、LMSアルゴリズムを用いること
により、容易に実現できる。求めるべき音響結合特性の
測定では、装置筺体に沿った直接音による結合、筺体内
部を経由する音による結合、筺体振動による結合が用い
られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スピーカおよびマ
イクロホンを用いてハンズ・フリー通話を行う、電話お
よび音声会議の信号対雑音比を改善するためのノイズ・
コントロール方法と回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電話機や音声会議装置では、回線エコー
・キャンセラ、音響エコー・キャンセラ、ボイス・スイ
ッチ等をデジタル信号装置(DSPチップを用いる)に
より実現している。そこではループ利得0dB以下にす
ることにより双方向ハンズ・フリー通話を可能にしてい
る。
【0003】図3には、従来のハンズ・フリー通話を可
能にした電話機の回路構成が示されている。回線3から
の通話信号は、ハイブリッド回路(H)5、アンプ11
を介してA/D変換器21でA/D変換される。デジタ
ル化された信号は、減算器31においてエコー・キャン
セラ(EC)41からの送信信号を減算され、減衰器や
ボイス・スイッチを含んだ減衰網50を経て、受信用の
信号線6によりD/A変換器27に印加される。そこで
アナログ信号に変換され、アンプ13で増幅されて、ス
ピーカ51から音声出力される。
【0004】一方、通話者の音声は、マイクロホン5
6,アンプ14を介してA/D変換器22に印加され、
A/D変換される。このデジタル化された信号は、減算
器32においてエコー・キャンセラ(EC)42からの
受信信号を減算され送信用の信号線7により減算器やボ
イス・スイッチを含んだ減衰網50に加えられる。
【0005】減衰網50からの送信用の信号は、D/A
変換器26においてD/A変換されて、アナログ信号と
なり、アンプ12で増幅されてハイブリッド回路(H)
5を経て回線3に出力される。
【0006】ここで、送信用のアナログ信号が、ハイブ
リッド回路5から受信用の信号に加算される回線3側の
回線エコー経路が生ずる。また、スピーカ51から出力
された音響が、マイクロホン56に入ってしまう音響エ
コー経路が生じてしまう。
【0007】2つのエコー・キャンセラ41,42は、
回線3側の回線エコー経路および音響エコー経路の2つ
の経路の線形特性に適応し擬似エコー信号を生成し、減
算することによってエコー信号のみを消去している。し
たがって、2つのエコー経路が、大きな信号をクリップ
(抑圧)するなどの非線形処理をすると、エコー消去で
きなくなり適応フィルタの係数が乱れてハウリング等を
起こす。
【0008】信号線6,7より右側の音響エコー経路側
において、非線形処理(クリップ)が発生するのは、A
/D変換器22においてである。このような問題点を解
決する方法について説明する。
【0009】図4にはこのクリップ現象を防ぐための回
路構成が示されている。ここで、図3の構成要素に対応
するものについては同じ記号を付してある。ここで図3
と異なるのは、D/A変換器27とアンプ13の間に減
衰器(ATT)46を挿入し、アンプ14とA/D変換
器22の間に減衰器(ATT)47を挿入している点で
ある。
【0010】この2つの減衰器46,47を挿入したこ
とにより、 1.受話利得を小さくする(例として、減衰器46によ
り12dB小さくする)。 2.送話利得を下げる(例として、減衰器47により1
2dB小さくする)。 いずれの方法もアンプ13への入力およびA/D変換器
22の入力端子の最大信号レベルを小さくすることで、
クリップ現象を防いではいるが、受話音量が小さくな
る、または送話音量が小さくなるという問題がある。
【0011】音響エコー経路(音響伝達経路)において
発生する音響結合を減少せしめるために、しばしばアク
ティブ・ノイズ・コントロール(ANC)が使用されて
いる。このアクティブ・ノイズ・コントロール(AN
C)には適応フィルタ(ウイナー・フィルタ)の原理が
使用されるので、それについて説明する。
【0012】図5には適応フィルタの等価回路構成が示
されている。71は適応フィルタW(z)、76は音響
エコー経路の伝達関数D(z)、33は減算器を表して
いる。エコー信号d(n)の推定値である擬似エコー信
号y(n)を生成し、減算し、エコー消去を行う。d
(n)は音響エコー信号に相当する。適応フィルタ71
のW(z)の係数は、誤差信号e(n)の2乗誤差平均
εを最小とするように求めている。
【0013】誤差信号e(n)は、次の式(1)で表さ
れる。
【数1】
【0014】ここで2乗誤差平均εは、式(2)で表さ
れる。
【数2】
【0015】この2乗誤差平均εをベクトル表現する
と、式(3)で表される。
【数3】
【0016】2乗誤差平均εを最小とするw(n)のベ
クトル値は、εを偏微分する次の式(4)で求められ、
それによりウィナー解を求めることができる。
【数4】
【0017】このウィナー解を直接的に求めることは膨
大な演算量、長時間の測定時間を必要とするので通常は
逐次再帰的なアルゴリズムが用いられる。このようなア
ルゴリズムとしては、例えばLMSアルゴリズムがあ
る。ここに、LMSはLeast-Mean-Squares(最小2乗平
均)の略である。
【0018】このLMSアルゴリズムでは、次の式
(5)を用いて逐次更新する。ここでμはステップサイ
ズ・パラメータ(適応フィルタの修正係数)である。
【数5】
【0019】図6にはLMSアルゴリズムを用いた適応
フィルタの等価回路構成を示している。LMSアルゴリ
ズム64では、e(n)とx(n)を取り込んで、ステ
ップサイズ・パラメータ(適応フィルタの修正係数)μ
を乗ずる演算をし、それを前回に得たウィナー解wn
ベクトル解に加算して、式(5)に示した結果を得てい
る。
【0020】図7には、適応フィルタを用いたアクティ
ブ・ノイズ・コントロール(ANC)の回路を示してい
る。
【0021】動作原理を説明する。一般的にはダクトノ
イズ、自動車騒音等の定常的なノイズを抑制する場合に
用いられる。スピーカから逆相の擬似騒音を出力し、音
響空間的にノイズを打消すことで実現している。
【0022】騒音源NSはダクト59の左側にあり、音
波はダクト59中を右側に進行する。アクティブ・ノイ
ズ・コントロール(ANC)では、参照マイクロホン5
7で騒音源NSのノイズを入力とし、A/D変換器23
でA/D変換して適応フィルタW(z)75を通して騒
音と逆相の擬似騒音をD/A変換器29を介してスピー
カ52から出力し、誤差マイクロホン58で誤差を検出
し、誤差が最小となるようにA/D変換器24を介して
適応フィルタW(z)75をコントロールしてノイズを
打ち消す。
【0023】図8には、適応フィルタW(z)75の更
新式を導くための等価回路を示している。スピーカ5
2、マイクロホン57,58、A/D変換器23,2
4、D/A変換器29の伝達特性も含めている。
【0024】ここで各要素は、 76のD(z)は伝達関数(参照用のマイクロホン57
の近傍から消去用のスピーカ52の近傍) 71のW(z) は適応フィルタ 81のH1(z)は伝達関数(参照用のマイクロホン5
7の入力からA/D変換器23の出力) 82のH2(z)は伝達関数(D/A変換器29の入力
から消去用のスピーカ52の出力) 83のH3(z)は伝達関数(消去用のスピーカ52の
近傍から誤差マイクロホン58の近傍) 84のH4(z)は伝達関数(誤差マイクロホン58の
入力からA/D変換器24の出力) x(n) は騒音(参照用のマイクロホン57の近傍) em(n)は誤差信号(誤差マイクロホン58の近傍) e(n) は誤差信号(誤差マイクロホン58の出力) d(n) は騒音(消去用のスピーカ52の近傍) y(n) は擬似騒音信号(適応フィルタ75の出力) である。
【0025】図8に示した誤差信号e(n)は、次の式
(6)で表される。
【数6】
【0026】ただし、p(n)およびx'(n)は次の
式(7)で表される。
【数7】
【0027】式(6)および(7)で、p(n)をd
(n)に、 x'(n)をx(n)に置換えると、ウィナ
ー・フィルタLMSアルゴリズムを表す式(5)にな
る。
【0028】図9には、このp(n), x'(n)を用
いたアクティブ・ノイズ・コントロール(ANC)回路
用LMSアルゴリズムの等価回路を示している。2乗誤
差平均εを最小とする逐次再帰的なLMSアルゴリズム
は、式(5)において 、xnのベクトルをxn'のベクト
ルに置換えて、式(8)を得る。
【数8】
【0029】式(8)は、図9のLMSアルゴリズム実
行回路65が、e(n)とx'(n)を取り込んで、増
幅係数μを乗ずる演算をし、それを前回に得たウィナー
解w n のベクトル解に加算して、式(8)に示した結果
を得ている。
【0030】ここで、図8に示した構成要素に対応する
ものについては同じ記号を付してある。H1(z)81
a〜H4(z) 84aは入力信号x(n)をフィルタS
(x)に通して適応フィルタW(z)71に入力するこ
とから、Filtered−XLMS(FXLMS)アルゴリズ
ムと呼ばれている。
【0031】H1(z)81a,H2(z)82a,H3
(z)83a,H4(z)84aは全て既知ではなく、
求め方としてオフライン(Off- Line)ANCとオンラ
イン(ON- Line)ANCの2つの方法がある。 (1)オフライン(Off- Line)ANC w(n)の適応動作の前に、s(n)(擬似騒音NSの
出力から誤差マイクロホン58の出力までの伝達関数)
を事前に測定し、w(n)の適応動作時には固定フィル
タs(n)として動作させる。 (2)オンライン(ON- Line)ANC w(n)の適応動作とともに、s(n)の適応も同時に
行う。
【0032】この伝達関数s(n)を通話に先立って測
定するには適応動作の前にインパルス応答を行う。その
具体的測定法には、パルス同期加算法、TSP法、M系
列法などがある。測定時間が短くデジタル演算処理が比
較的簡単なM系列法について説明する。
【0033】M系列法によるインパルス応答測定の基本
原理は、白色雑音wh(n)を測定系に入力し、出力信
号y(n)と白色雑音 wh(n)との相互相関値を計算
することで測定系のインパルス応答s(n)を求めるこ
とができる。白色雑音 wh(n)の自己相関 rw(k)
は、式(9)で定義され、
【数9】 式(10)の計算でインパルス 応答s(n)が求めら
れる。
【数10】
【0034】ただし、式(10)では、E[wh(n−
k)・wh(i)]に白色雑音の自己相関値を代入して
いるので、無限時間(もしくは十分な時間)の集合平均
から、次の式(11)により相互相関値E[wh(n−
k)・y(n)]を求める必要がある。
【数11】
【0035】この場合、インパルス応答の測定時間が長
くなるので有限時間の自己相関が確定しているM系列信
号を入力として測定するのがM系列法である。振幅(A
・A)で周期LのM系列信号m(n)の自己相関値 rm
(k)は、次に示す式(12)により求められる。
【数12】
【0036】さらに、入力信号m(n)と出力信号y
(n)との相互相関値rmy(k)は、式(13)により
求められる。
【数13】
【0037】ただし、式(13)の周期Lはインパルス
応答長より十分に大きな値とする。インパルス応答s
(n)を求める上で、右辺第2項が不要であるが、これ
は出力信号y(n)の直流成分信号yDC(n)と入力信
号m(n)との相互相関ryDCm(k)から式(14)に
よって求めることができる。
【数14】
【0038】したがって、インパルス応答s(k)は式
(15)によって求められる。
【数15】
【0039】
【発明が解決しようとする課題】ハンズ・フリー通話に
おいて、受話音量を下げると利用者が不快感を持つの
で、通常は受話音量よりも送話音量を下げることで対応
している。コスト重視の電話機などでは、送話用A/D
変換器としてμ−Law コーデックを用いており、送話用
A/D変換器の出力端のレベルを小さくする方法で対処
している。
【0040】しかし、A/D変換器が十分に大きなレベ
ルの動作ポイントで送話信号を符号化できず、量子化雑
音が大きくなり、信号対雑音比が著しく悪くなる(送話
信号にジリツキ感が重畳してしまう)。また、音響側の
μ−Law コーデックをリニア16ビットA/D変換器に
部品変更すれば、ダイナミックレンジが大きくなり、量
子化雑音が少ないために解決されるが、価格がμ−Law
コーデックに比べ数倍〜十倍前後するため、通常は採用
できない等の課題があった。
【0041】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明は、通話に先立ってスピーカ受話信号からマイ
ク送話信号への音響結合特性のインパルス応答を求め、
それを用いて音響エコーの逆相信号(擬似エコー信号)
を生成し、A/D変換器とオペアンプを用いてアナログ
部で加算することにより音響結合を減らすようにした。
この擬似エコー信号の生成には、アクティブ・ノイズ・
コントロール(ANC)を取り入れ、LMSアルゴリズ
ムで適応フィルタ(ウィナー・フィルタ)を動作せしめ
るようにしている。
【0042】このように、通話に先立ってインパルス応
答を測定し、それを用いて音響エコーの逆相信号(擬似
エコー信号)を生成し加算するから、通話中は回線ハイ
ブリッド回路のような固定的減算機構が働き、音響結合
を等価的に減らすことができる。その結果、送話用のA
/D変換器の動作ポイントを上げることが可能となり、
送話の信号対雑音比を改善する作用が得られた。
【0043】
【発明の実施の形態】図1には本発明の実施の形態を示
す回路構成図が示されている。ここで、図3および図4
に示した構成要素に対応するものについては同じ記号を
付してある。ここで図3に示した従来例と異なるのは、
受信用の信号線6と送信用の信号線7から右側の部分で
ある。
【0044】図1において、受信用の信号線6の信号は
D/A変換器27に印加される。そこでアナログ信号に
変換され、アンプ13で増幅されて、スピーカ51から
音声出力される。一方通話者の音声は、マイクロホン5
6に加えられる。これと同時に、スピーカ51から出力
される音声が、音響エコー経路を介してマイクロホン5
6に加えられ、アンプ14で増幅されて出力される。
【0045】この音響エコー経路の伝達特性を決定する
音響結合は、 筺体に沿った直接音による結合 筺体内部に沿った直接音による結合 筺体振動による結合 室内反響による結合 の要因に分けることができる。
【0046】このうち、〜の結合が結合利得に対し
て支配的であり、かつ音響環境の変化に対する影響を受
け難いため、回線ハイブリッド回路のような固定的減算
機構を採用して音響結合を等価的に減らそうとしてい
る。
【0047】そこで、すでに従来の技術として図面およ
び数式を用いて説明したアクティブ・ノイズ・コントロ
ール(ANC)動作をするアクティブ・ノイズ・コント
ロール(ANC)回路61に受信用の信号線6からの信
号を取り込む。この構成によって、スピーカ51からマ
イク56への音響結合特性のインパルス応答を通話の開
始直前に求めて、その伝達関数を用いて音響エコーの逆
相信号(擬似エコー信号)をアクティブ・ノイズ・コン
トロール回路(ANC)61において生成し、アンプ1
5で増幅し、アンプ14の出力とは、逆相で加算器36
で加算される。
【0048】このアナログの加算により、音響結合を減
らしている。アナログの加算理由は、マイクロホン56
から入力された信号がアンプ14を介してA/D変換器
22に印加される際に、大きな入力に対してクリップ減
少が発生するのを防止するためであり、A/D変換器2
2の入力端の最大信号レベルを小さくするためである。
【0049】図2には本発明の実施例を示している。図
1,3,4の構成要素に対応するものには同じ記号を付
している。図1のアクティブ・ノイズ・コントロール回
路(ANC)61の機能を、インパルス応答測定回路
(s(n))62,LMSアルゴリズム実行回路63お
よび応答フィルタ(w(n))66で具体化し、ハイパ
ス・フィルタ(HPF)43を追加している。
【0050】インパルス応答測定回路(s(n))62
は、通話に先立ち、D/A変換器28,アンプ15,加
算器36,A/D変換器22,ハイパス・フィルタ(H
PF)43の経路S(z)のインパルス応答を求めて保
持する回路である。この経路S(z)はアナログ回路,
A/D,D/A変換器,デジタル処理の電気部品で構成
されており、個体差、部品バラツキ、温度・経年変化等
は小さい。すなわち、経路S(z)のインパルス応答の
個体差、部品バラツキ、温度・経年変化等による変化は
小さい。
【0051】したがって、本実施例では処理が簡単なオ
フライン(Off-Line)ANCを採用した。通話の直前に
行われるインパルス応答s(n)の具体的測定法には、
測定精度、測定時間の短い、しかもデジタル処理におけ
る演算が比較的簡単な式(9)〜式(15)を用いて従
来の技術として説明したM系列法を用いた。インパルス
応答s(n)が電気回路のインパルス応答であり十分に
短いので、16ms(128タップ)とし、M系列信号
の周期Lは1024ms(213−1サンプル)とした。
【0052】また、適応フィルタ(w(n))66にお
けるn値の更新には、一様分布白色雑音を信号線6から
D/A変換器27およびアンプ13を経てスピーカ51
に与え、音響エコー経路を経て、マイク56,アンプ1
4,加算器36,A/D変換器22,ハイパス・フィル
タ(HPF)43の経路におけるインパルス応答を求め
る場合に、LMSアルゴリズム(μ=0.5)を用いて
いる。
【0053】w(n)の時間長は、筺体に沿った直接
音による結合、筺体内部を経由する音による結合、
筺体振動による結合によって決まるので、遅延時間は比
較的短く実測から16ms(128タップ)とした。こ
こで、LMSアルゴリズム実行回路(LMS)63に代
えてNLMSアルゴリズムを実行するNLMSアルゴリ
ズム実行回路を用いることができる。NLMSとは、No
rmalized-LMS(正規化LMS)の略である。
【0054】ハイパス・フィルタ(HPF)43は、A
/D変換器22においてA/D変換された信号のうち、
A/D変換器22で発生する不必要な低周波成分を除く
ためのものである。
【0055】
【発明の効果】通話に先立ってインパルス応答を求め、
それによって得た伝達関数を用いて音響エコーの逆相信
号(擬似エコー信号)を生成し加算するから、回線ハイ
ブリッド回路のような固定的減算機構が働き、音響結合
を等価的に減らすことができる。その結果、送話用のA
/D変換器の動作ポイントを上げることが可能となり、
送話の信号対雑音比を改善する作用が得られた。したが
って、本発明の効果は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す回路構成図である。
【図2】本発明の実施例を示す回路構成図である。
【図3】従来例を示す回路構成図である。
【図4】従来例を示す他の回路構成図である。
【図5】従来公知の適応フィルタの等価回路構成図であ
る。
【図6】従来公知のLMSアルゴリズムを用いた適応フ
ィルタの等価回路構成図である。
【図7】従来公知のANC(アクティブ・ノイズ・コン
トロール)回路の回路構成図である。
【図8】図7の回路構成の動作を説明するための等価回
路図である。
【図9】図8に示した動作において用いられるLMSア
ルゴリズムを説明するためのLMSアルゴリズム図であ
る。
【符号の説明】
3 回線 5 ハイブリッド回路(H) 6,7 信号線 11〜16 アンプ 21〜24 A/D変換器 26〜29 D/A変換器 31〜33 減算器 36 加算器 41,42 エコー・キャンセラ(EC) 43 ハイパス・フィルタ(HPF) 46,47 減衰器(ATT) 50 減衰網 51,52 スピーカ 56〜58 マイクロホン 59 ダクト 61 ノイズ・コントロール回路(ANC) 62 インパルス応答測定回路(s(n)) 63〜65 LMSアルゴリズム実行回路(LMS) 66 適応フィルタ(w(n)) 71,75 適応フィルタ(W(z)) 76 未知系の伝達関数(D(z)) 81 伝達関数(H1(z)) 82 伝達関数(H2(z)) 83 伝達関数(H3(z)) 84 伝達関数(H4(z)) d(n) エコー信号 NS 騒音源 e(n),em(n) 誤差信号 x(n) 入力信号 y(n) 擬似エコー信号

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 受信信号(6)を音声出力する音声出力
    手段(51)から送話すべき音声を入力する音声入力手
    段(56)への音響結合特性をインパルス応答により求
    めて、前記音響結合特性を用いて、前記音声出力手段
    (51)の音声出力が前記音声入力手段(56)に音響
    エコーとして入力される音響エコーを擬似エコー信号と
    して生成し(61)、 前記音響エコーを打消すように前記音声入力手段(5
    6)の出力に前記擬似エコー信号を加える(36)ノイ
    ズ・コントロール方法。
  2. 【請求項2】 受信信号(6)を音声出力する音声出力
    手段(51)から送話すべき音声を入力する音声入力手
    段(56)への音響結合特性をインパルス応答により求
    めるためのインパルス応答処理(62)をし、 送話すべき信号と前記音響結合特性とから逐次再帰的に
    適応解(式(5))を求めるためのアルゴリズム実行処
    理(63)をし、 前記適応解(式(5))により前記受信信号(6)から
    適応する信号成分を擬似エコー信号として得るための適
    応フィルタ処理(66)をし、 前記音声出力手段(51)の音声出力が前記音声入力手
    段(56)に音響エコーとして入力される音響エコーを
    打消すように、前記音声入力手段(56)の出力に前記
    擬似エコー信号を加える(36)ノイズ・コントロール
    方法。
  3. 【請求項3】 受信信号(6)を音声出力する音声出力
    手段(51)から送話すべき音声を入力する音声入力手
    段(56)への音響結合特性をインパルス応答により求
    めるためのインパルス応答処理(62)をし、 送話すべき信号と前記音響結合特性とから逐次再帰的に
    適応解(式(5))を求めるためのアルゴリズム実行処
    理(63)をし、 前記適応解(式(5))により前記受信信号(6)から
    適応する信号成分を擬似エコー信号として得るための適
    応フィルタ処理(66)をし、 前記音声出力手段(51)の音声出力が前記音声入力手
    段(56)に音響エコーとして入力される音響エコーを
    打消すように、前記音声入力手段(56)の出力に前記
    擬似エコー信号を加え、そこに含まれた不必要な低周波
    成分を除去するようにした(36,43)ノイズ・コン
    トロール方法。
  4. 【請求項4】 前記逐次再帰的に適応解(式(5))を
    求めるためのアルゴリズム実行処理において、LMSア
    ルゴリズムを実行する(63)請求項2または3のノイ
    ズ・コントロール方法。
  5. 【請求項5】 前記音響結合特性が、 前記音声出力手段(51)から前記音声入力手段(5
    6)への直接音により求められる請求項1,2または3
    のノイズ・コントロール方法。
  6. 【請求項6】 前記音響結合特性が、 前記音声出力手段(51)と前記音声入力手段(56)
    を収納している筺体内部を経由する音により求められる
    請求項1,2または3のノイズ・コントロール方法。
  7. 【請求項7】 前記音響結合特性が、 前記音声出力手段(51)と前記音声入力手段(56)
    を収納している筺体の振動による振動音により求められ
    る請求項1,2または3のノイズ・コントロール方法。
  8. 【請求項8】 受信信号(6)を音声出力する音声出力
    手段(51)から送話すべき音声を入力する音声入力手
    段(56)への音響結合特性をインパルス応答により求
    めて、前記音響結合特性を用いて、前記音声出力手段
    (51)の音声出力が前記音声入力手段(56)に音響
    エコーとして入力される音響エコーを擬似エコー信号と
    して生成するための擬似エコー信号生成手段(61)
    と、 前記音響エコーを打消すように前記音声入力手段(5
    6)の出力に前記擬似エコー信号を加えるための音響エ
    コー打消手段(36)を含んだノイズ・コントロール回
    路。
  9. 【請求項9】 受信信号(6)を音声出力する音声出力
    手段(51)から送話すべき音声を入力する音声入力手
    段(56)への音響結合特性をインパルス応答により求
    めるためのインパルス応答手段(62)と、 送話すべき信号と前記音響結合特性とから逐次再帰的に
    適応解(式(5))を求めるためのアルゴリズム実行手
    段(63)と、 前記適応解(式(5))により前記受信信号(6)から
    適応する信号成分を擬似エコー信号として得るための適
    応フィルタ手段(66)と、 前記音声出力手段(51)の音声出力が前記音声入力手
    段(56)に音響エコーとして入力される音響エコーを
    打消すように、前記音声入力手段(56)の出力に前記
    擬似エコー信号を加えるための音響エコー打消手段(3
    6)を含んだノイズ・コントロール回路。
  10. 【請求項10】 受信信号(6)を音声出力する音声出
    力手段(51)から送話すべき音声を入力する音声入力
    手段(56)への音響結合特性をインパルス応答により
    求めるためのインパルス応答手段(62)と、 送話すべき信号と前記音響結合特性とから逐次再帰的に
    適応解(式(5))を求めるためのアルゴリズム実行手
    段(63)と、 前記適応解(式(5))により前記受信信号(6)から
    適応する信号成分を擬似エコー信号として得るための適
    応フィルタ手段(66)と、 前記音声出力手段(51)の音声出力が前記音声入力手
    段(56)に音響エコーとして入力される音響エコーを
    打消すように、前記音声入力手段(56)の出力に前記
    擬似エコー信号を加え、そこに含まれた不必要な高周波
    成分を除去するようにした音響エコー打消手段(36,
    43)を含んだノイズ・コントロール回路。
  11. 【請求項11】 前記逐次再帰的に適応解(式(5))
    を求めるためのアルゴリズム実行手段において、LMS
    アルゴリズムを実行する(63)請求項9または10の
    ノイズ・コントロール回路。
  12. 【請求項12】 前記音響結合特性が、 前記音声出力手段(51)から前記音声入力手段(5
    6)への直接音により求められる請求項8,9または1
    0のノイズ・コントロール回路。
  13. 【請求項13】 前記音響結合特性が、 前記音声出力手段(51)と前記音声入力手段(56)
    を収納している筺体内部を経由する音により求められる
    請求項8,9または10のノイズ・コントロール回路。
  14. 【請求項14】 前記音響結合特性が、 前記音声出力手段(51)と前記音声入力手段(56)
    を収納している筺体の振動による振動音により求められ
    る請求項8,9または10のノイズ・コントロール回
    路。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100768523B1 (ko) 2005-03-09 2007-10-18 주식회사 휴먼터치소프트 필름스피커를 이용한 능동소음제거 방법 및 장치

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