JP2009065699A - 音響エコーの相殺および抑制を実行する利得制御方法 - Google Patents

音響エコーの相殺および抑制を実行する利得制御方法 Download PDF

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    • Y02D30/70Reducing energy consumption in communication networks in wireless communication networks

Abstract


【課題】音響的に結合されたエコーの所望されない効果が、受信側に戻るように伝送されることを低減または相殺し、完全二重結合を提供する。
【解決手段】本発明は、遠端音声ターミナルから遠端信号を受信し遠端音声ターミナルに送信信号を送信する全二重音声ターミナルと共に用いる音響エコー相殺および抑制のための利得制御方法であって、全二重音声ターミナルは適応型フィルタとスピーカとマイクロホンとを有し、方法は、スピーカにおいて遠端信号を再生する工程と、スピーカからマイクロホンに音響的に結合されたエコー信号を受信する工程と、適応型フィルタによって遠端信号をフィルタリングすることにより、フィルタリングされた信号を生成する工程と、エラー信号を計算する工程と、遠端信号と、フィルタリングされた信号と、エラー信号とから減衰率を計算する工程と、送信信号を計算する工程と、を包含する。
【選択図】図2

Description

本発明は、電気通信機器、具体的には、音響エコー相殺および抑制を行う利得制御方法に関する。
公知の電話会議技術には、全ての会議出席者の活動をモニタする工程と、最も大きい声で話している人のデジタル信号を他の全ての人に切り換える工程とが含まれる。この技術は、消極的な話者のアイドルチャネルノイズが、会議ブリッジの出力に加えられないので、大きい会議については有用である。また、高品質の会議回路は、エコーキャンセラーを含むので、高い信号パワーが提供され得る。
電話通信において、エコーは、機器が一方の側の人の声を増幅しようとして、他方の側の人から信号を拾い、その人に戻るように増幅する場合に発生する。ある程度のエコーは、肉声のトークにおいては許容されるが、ユーザは、システムを往復する時間の分だけ遅れた自分の発話を聴くことによっていらだたせられる。一般的に、2つのタイプの装置が音響的に結合された信号の低減または相殺に関して用いられる(エコー抑制回路およびエコーキャンセラーである)。公知の装置と異なる点は、エコー信号が低減または相殺される方法である。
エコー抑制という用語は、概して、より簡略的な減衰制御技術が用いられて、フィードバックするエコー信号のレベルが低減されることを指す。公知のエコー抑制デバイスは、誰かが話しているとき、反対方向への送信をオフにし、回路を効率的に一方向、または半二重結合にすることによって、エコーによっていらだたせられる効果を低減する。
従来のエコー抑制器は、実際の平均された信号レベルを用いて、話者とマイクとの間で音響的に結合された信号を抑制する減衰率を計算する(例えば、特許文献1参照。)。エコー抑制装置は、受話検出器を含み、平均受信信号パワーレベルまたはエコー信号レベルを生成する。平均受信信号レベルは、時定数回路によって遅延された後、可変減衰器によって、平均送信信号レベルと比較される。平均送信信号レベルが、平均受信信号レベルより大きい場合、減衰率は、0に設定される。減衰率が0に設定される場合、すなわち、無限減衰の場合、結果は、実質的には、半二重呼である。他方、平均送信信号レベルが、平均受信信号レベルよりも大きくない場合、減衰率は、1/Nに設定され、ここで、N=任意の正の実数である。
簡略的な減衰制御技術を用いて、エコーフィードバックのレベルを低減または相殺させる簡略的な抑制回路であるエコー抑制装置が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。従って、説明されたばかりのエコー抑制装置は、実質的に半二重呼になることなくエコー抑制を行う装置または方法を提供できない。
従来の可変利得エコー抑制器は、正規化された近端および遠端のパワーレベルを用いて、関連するパワー比を規定する(例えば、特許文献2参照。)。従来の近端および遠端パワー検出器は、正規化された、近端および遠端信号を検出する(例えば、特許文献2参照。)。減衰器の動作を設定するコントローラは、関連するバックグラウンドノイズに正規化された近端および遠端信号パワーを用いる。減衰値または減衰率は、正規化された近端および遠端信号パワーの比を用いて、判定されて、所定の遠端および近端テーブルからの縮尺係数が見つけられる。
可変利得エコー抑制器(例えば、特許文献2参照。)は、半二重、または一方向通信を低減することを解消するが、完全二重トーク検出器が用いられて、二重の発話、または、同時近端および遠端通信の間、エコー相殺適応型フィルタの更新をブロックする。
二重トーク検出器は、近端信号レベルをモニタして、近端発話がいつ存在するかを判定する。近端発話のみが存在する場合、抑制信号が適応型フィルタに送信され、適応型フィルタへの更新がブロックされる。近端発話の間、適応型フィルタが更新される場合、近端発話が存在しないときに適応型フィルタの有効性が低下する。従来の可変利得エコー抑制器の利点は、高速の収束スピードであるが、初期化の後、適応型フィルタは、「訓練」される必要がある。訓練動作の間、スピーカホンは、半二重モードで動作する(例えば、特許文献2参照。)。
従来の装置は、二重トーク検出を用いて、クリッピングおよび/またはひずみの問題を引き起こし得る減衰回路の動作を制御する(例えば、特許文献2参照。)。肉声のひずみは、二重トークの間には起こらないが、ひずみは、減衰の計算における実際の肉声の活動の使用に起因して、二重トークの後の期間に起こり得る。適応型フィルタは、二重トークの後、部分的に再訓練される必要がある。
従来の装置は、ノイズがある環境において信頼できない実際の肉声検出または二重トーク検出に依存し、誤った分類に起因するクリッピングおよび/またはひずみを引き起こし得る(例えば、特許文献1および特許文献2参照。)。従来のエコー抑制装置は、クリッピングおよび/またはひずみに起因して肉声の伝送の品質を低下させることなく、または、半二重接続になることなく、音響的に結合されたエコーを減衰させる方法を提供できない(例えば、特許文献1および特許文献2参照。)。
エコー相殺は、エコーによって引き起こされる、所望されない信号を、主な伝送信号から分離、およびフィルタリングすることを可能にする。概して、エコー相殺という用語は、適応型フィルタが用いられてエコー信号を低減させることを意味する。エコー相殺装置は、エコー信号と等しく、反対である信号を、戻る伝送路に付与する。エコー相殺は、完全二重モデムが、データを、同じ周波数で送受信することを可能にする。エコー相殺用の適応型フィルタの従来技術は、総合的に要約されている(例えば、非特許文献1参照。)。
適応は、1セットの重み、または重み係数を有するフィルタを記載する。入力信号は、出力信号を得るように重み付けされる。経時的な重みの更新は、経時的なフィルタの適応を可能にして、音響的に結合されたエコー信号を有効に相殺する出力信号を生成することを可能にする。時間が経つにつれて、適応型フィルタの重み、または係数は、頻繁に更新される必要がなくなる。これは収束と呼ばれる。適応型フィルタが収束する場合、適応型フィルタ出力信号と出力信号が減衰する、音響的に結合された信号との差は、0に近い。他方、エコーキャンセラーが初期化される場合、適応型フィルタは収束されない。すなわち、出力信号と音響的に結合された信号との差は、非常に大きい。信号の差は、適応型フィルタが収束するまで、経時的に低減する。適応型フィルタが収束するために必要な時間の間、従来のエコー相殺装置は、半二重動作になる。
適応型フィルタの収束スピードは、適応型フィルタ出力信号と音響的に結合された信号との差が、殆ど0になるまでに必要な時間を基準とする。バックグラウンドノイズが変化する場合、または、近端の受信者が話す場合、マイクによって受信される信号が変化し、適応型フィルタが、再度、経時的に変化に適応する。
公知のエコー相殺技術は、通常、音響的に結合された信号の減衰に充分ではない。なぜなら、テールの長さが短すぎるか、または、音響の変化への適応において、フィルタが遅すぎるかのいずれかであるからである。エコー相殺技術において、有効に動作するためには、環境への適応に適応型フィルタを必要とするので、適応型フィルタが収束に達するまで、接続は、半二重である。エコーキャンセラーに特有の問題点に起因して、多くの解決策が、さらなるエコー抑制段に強く影響される。
エコー相殺および抑制装置および方法(例えば、非特許文献2参照。)は、パワーの差を用いて、エコー抑制段用の減衰率を計算する。従来の装置は、制御ユニットによって全て管理されている適応型エコー相殺機能、ノイズ低減機能、および損失制御機能を含む、ハンズフリー車載電話用である(例えば、非特許文献2参照。)。エコーキャンセラーは、ラウドスピーカボックスマイク(LEM)システムに最も適するモデルとして公知である、適応用の正規化された最小平均二乗(NLMS)法を用いる適応型有限インパルス応答(FIR)フィルタである。FIRエコー相殺フィルタは、ほぼ10の係数のみを必要とするが(例えば、非特許文献3参照。)、従来のFIRエコー相殺フィルタ(例えば、非特許文献2参照。)は、256の係数を用いる。
概して、従来のエコー相殺装置は、エコー抑制段において、損失制御およびノイズ低減を用いて、45dBおよび30dBのエコー減衰を達成する(例えば、非特許文献2参照。)。受信および送信チャネルに分布するエコー減衰全体は、方法の組合せによって、個々の方法の欠点が解消されることが推測される。結合された推測値は、ステップサイズ制御と、損失制御が必要とするさらなる減衰を計算することとの両方に用いられる。装置が、256の係数を有するFIRフィルタを用いて、損失制御回路によって用いられる推測値を計算することによって、エコー相殺を向上させる間、エコーキャンセラーのみでは、エコー信号の低減には不十分であり、好ましくないものではない。代わりに、従来の装置は、さらなる減衰を加えて、エコー信号をさらに低減させる損失制御回路を含む(例えば、非特許文献2参照。)。
パワーの差、または正規化されたパワーの差を用いることによって、ノイズがある環境におけるエコー抑制装置の信頼性のなさが低減され、ノイズに対するロバストが向上する。しかし、従来のエコー相殺および抑制装置は、減衰率の計算において実際の発話検出に依存しない装置または方法を提供できていない(例えば、非特許文献2参照。)。上述したように、実際の発話検出への依存は、クリッピングおよび/またはひずみを引き起こし得る。
スピーカホンとともに使用される別の公知のエコー相殺および抑制装置が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。スピーカホンは、自己発振しやすく、および遠くにいる聴取者に対して反響戻りエコーが発生しやすいという2つの基本的な限界を有する。従来の装置では、スピーカホン話者エコーを相殺するための受信チャネルにおける適応型エコーキャンセラおよび送信チャネルにおける適応型エコー抑制部が使用される(例えば、特許文献3参照。)。受信パスは常にオープンのままであり、かつ送信パスはその利得をスピーカからマイクロホンへ音響的に結合される過剰な戻りエコーを抑制するために必要なレベルへ低減するので、近完全および完全二重動作が規則的に達成される。
従来のエコーキャンセラ−抑制部は近完全および完全二重動作を提供するが、近端パワーおよび遠端パワーの絶対値を使用して減衰を計算する(例えば、特許文献3)。減衰についてパワーの絶対値に依存する方法は、ノイズ環境で信頼性がない。
このエコー抑制装置は、損失制御およびノイズ低減と称される抑制段にひどく依存する(例えば、非特許文献2参照。)。他の従来の音響エコー相殺および抑制回路と同様に、エコーキャンセラのテール長が十分でないか、または適応型フィルタが音響変化に対して変化が遅すぎるので、抑制段は非常に重要である。その結果、抑制段または損失制御は、大量のエコーを除去する。したがって、良好な抑制方法は、約40〜50dBの総エコー戻り損失増大(ERLE)を達成するには極めて重要である。減衰が増大しすぎると、通信は実質的に半二重となる。これは、完全二重の自然さがエコーの相殺と交換に犠牲となることを意味する。さらに、音節のクリッピングまたは音声の歪みなどのアーチファクトは、どちら側が話しているかを誤判別することによってしばしば起こり得る。
これらの理由により、適応型フィルタが収束するあいだ半二重への接続を低減するエコー相殺段および残りのエコー信号を減衰させるための有効なエコー抑制段を組み合わせて音声活動の誤判別による信号のクリッピングなしに音響エコー相殺および抑制のための方法が必要である。
米国特許第5,790,657号
米国特許第5,66,794号
米国特許第5,016,271号
C.Breiningら著,「IEEE Signal Processing Magazine」,1999年7月,P42−69ページ
Puderら著,「IEEE International Conference on Acoustics, Speech, and Signal Processing」の紀要,2000年,Vol.6,3622〜3625頁
「IEEE Signal Processing Magazine」,1999年7月,43頁
電気通信機器の分野において、本発明により、音響的に結合されたエコーの所望されない効果が、受信側に戻るように伝送されることを低減または相殺し、完全二重結合を提供することを目的とする。また、音声会議の分野において、本発明により、消極的な話者のノイズが出力に加わることを防ぎ、2人以上の会議出席者が同時に話すことができる電話会議のブリッジを提供することも目的とする。
本発明は、遠端音声ターミナルから遠端信号を受信し上記遠端音声ターミナルに送信信号を送信する全二重音声ターミナルと共に用いる音響エコー相殺および抑制のための利得制御方法であって、上記全二重音声ターミナルは適応型フィルタとスピーカとマイクロホンとを有し、上記方法は、上記スピーカにおいて上記遠端信号を再生する工程と、上記スピーカから上記マイクロホンに音響的に結合されたエコー信号を受信する工程であって、上記エコー信号は上記スピーカにおいて再生された上記遠端信号の一部分である、工程と、上記適応型フィルタによって上記遠端信号をフィルタリングすることにより、フィルタリングされた信号を生成する工程と、エラー信号を計算する工程であって、上記エラー信号は上記エコー信号から上記フィルタリングされた信号を減算することにより得られる差である、工程と、上記遠端信号と、上記フィルタリングされた信号と、上記エラー信号とから減衰率を計算する工程であって、上記減衰率は所定の上限値と所定の下限値との間である、工程と、上記送信信号を計算する工程であって、上記送信信号は上記減衰率に上記エラー信号を乗算することにより得られる積である、工程と、を包含し、これにより上記目的が達成される。
上記エコー信号を受信する工程が、上記マイクロホンからアナログエコー信号を受信する工程と、所定の1秒当たりのサンプルレートで上記アナログエコー信号をディジタル化する工程であって、上記所定の1秒当たりのサンプルレートが上記受信した遠端信号と同一の1秒当たりのサンプルレートである、工程と、を包含する。
上記減衰率を計算する工程が、上記遠端信号と、上記フィルタリングされた信号と、上記エラー信号と、所定の消音値とから抑制値を計算する工程と、上記抑制値を平滑化することにより、平滑化抑制値を生成する工程と、上記平滑化抑制値から上記減衰率を導き出す工程であって、上記減衰率は上記所定の上限値と上記所定の下限値との間である、工程と、を包含する。
上記減衰率を計算する工程が、上記抑制値を線形値に変換する工程と、
上記線形値に所定の平滑化ファクタを付与することにより、平滑化線形値を生成する工程と、上記減衰率を上記所定の上限値と上記所定の下限値との間で決定する工程であって、上記平滑化線形値が上記所定の下限値未満の場合は、上記減衰率は上記所定の下限値に等しく、上記平滑化線形値が上記所定の上限値を超える場合は、上記減衰率は上記所定の上限値に等しく、上記平滑化線形値が上記所定の上限値と上記所定の下限値との間である場合は、上記減衰率は上記平滑化線形値に等しい、工程と、を包含する。
上記抑制値を計算する工程が、上記遠端信号から遠端パワーを計算する工程と、正規化された遠端パワーを、所定の消音パワーから上記遠端パワーを減算することにより得られる差として計算する工程と、上記エラー信号からエラーパワーを計算する工程と、上記フィルタリングされた信号からフィルタリングされたパワーを計算する工程と、正規化された近端パワーを、上記エラーパワーから上記フィルタリングされたパワーを減算することにより得られる差として計算する工程と、2以上の所定の第1の重み付けられた値と2以上の所定の第2の重み付けられた値のテーブルから、第1の重み付けられた値と第2の重み付けられた値を探し当てる工程であって、上記正規化された近端パワーは、対応する第1の重み付けられた値と対応する第2の重み付けられた値とを指し示す、工程と、上記第1の重み付けられた値に上記正規化された遠端パワーを乗算することにより得られる積と、上記第2の重み付けられた値に上記正規化された近端パワーを乗算することにより得られる積との和として、上記抑制値を計算する工程と、を包含する。
本発明は、全二重音声ターミナルと共に用いる、減衰率を計算する方法であって、上記全二重音声ターミナルは、遠端信号をフィルタリングしてフィルタリングされた信号を生成する適応型フィルタを有するエコーキャンセラを備え、上記上記全二重音声ターミナルはさらに、プロセッサとスピーカと音響的に結合されたエコー信号を受信するマイクロホンとを含むエコー抑制器を備え、上記方法は、上記音響的に結合されたエコー信号から上記フィルタリングされた信号を減算することにより、エラー信号を生成する工程と、上記遠端信号と、上記フィルタリングされた信号と、上記エラー信号とを処理することにより、それぞれ遠端パワーと、フィルタリングされたパワーと、エラーパワーとを演算する工程と、所定の消音パワーから上記遠端パワーを減算することにより得られる重み付けられた差と、上記エラーパワーから上記フィルタリングされたパワーを減算することにより得られる重み付けられた差との和として、抑制値を計算する工程と、上記抑制値を線形値に変換する工程と、上記減衰率を上限値と下限値との間で決定する工程であって、上記線形値が上記上限値より大きい場合は、上記減衰率は上記上限値であり、上記線形値が上記下限値より小さい場合は、上記減衰率は上記下限値であり、上記線形値が上記上限値と上記下限値との間である場合は、上記減衰率は上記線形値である、工程と、を包含し、これにより上記目的が達成される。
所定の平滑化ファクタを上記線形値に付与することにより、平滑化線形値を生成する工程であって、上記平滑化線形値を用いて上記減衰率を決定する工程をさらに包含する。
上記抑制値を計算する工程が、正規化された近端パワーを、上記エラーパワーから上記フィルタリングされたパワーを減算することにより得られる差として計算する工程と、正規化された遠端パワーを、上記所定の消音パワーから上記遠端パワーを減算することにより得られる差として計算する工程と、上記正規化された近端パワーを用いて、2以上の第1の重み付けられた値から第1の重み付けられた値を探し当て、2以上の第2の重み付けられた値から第2の重み付けられた値を探し当てる工程と、上記第1の重み付けられた値に上記正規化された遠端パワーを乗算することにより得られる積と、上記第2の重み付けられた値に上記正規化された近端パワーを乗算することにより得られる積との和として、上記抑制値を計算する工程と、を包含する。
本発明は、スピーカとマイクロホンとを有する全二重音声ターミナルと共に用いる音響エコー相殺および抑制のための利得制御方法であって、上記全二重音声ターミナルは、遠端音声ターミナルから遠端信号x[n]を受信し、上記遠端音声ターミナルに送信信号t[n]を送信し、上記方法は、上記遠端信号x[n]をフィルタリングすることにより、フィルタリングされた信号y[n]を生成する工程と、上記マイクロホンからアナログエコー信号を受信する工程と、所定の1秒当たりのサンプルレートで上記アナログエコー信号をディジタル化することにより、エコー信号d[n]を生成する工程と、e[n]=d[n]−y[n]に従ってエラー信号e[n]を計算する工程と、上記遠端信号x[n]と、上記フィルタリングされた信号y[n]と、上記エコー信号d[n]と、上記エラー信号e[n]とを処理することにより、それぞれ遠端パワーPと、フィルタリングされたパワーPと、エコーパワーPと、エラーパワーPとを計算する工程と、Pfar−end=P−Pに従って正規化された遠端パワーPfar−endを計算する工程であって、Pが所定の消音パワーである、工程と、Pnear−end=P−Pに従って正規化された近端パワーPnear−endを計算する工程と、2以上の第1の重みWおよび2以上の対応する第2の重みWを有するテーブルから、第1の重みWおよび第2の重みWを探し当てる工程であって、上記2以上の第1の重みWのうちの1つと上記2以上の第2の重みWのうちの1つはPnear−endによって指し示される、工程と、A=Wfar−end+Wnear−endに従って抑制値を計算する工程と、上記抑制値Aを線形抑制値kinstに変換する工程と、上記線形抑制値kinstに所定の平滑化ファクタを付与することにより、平滑化線形抑制値ksmoothを生成する工程と、減衰率kを、上限値と下限値との間で決定する工程であって、上記平滑化線形抑制値が上記下限値未満の場合は、上記減衰率は上記下限値に等しく、上記平滑化線形抑制値が上記上限値を超える場合は、上記減衰率は上記上限値に等しく、上記平滑化線形抑制値が上記上限値と上記下限値との間である場合は、上記減衰率は上記平滑化線形抑制値に等しい、工程と、t[n]=e[n]kに従って上記送信信号t[n]を計算する工程と、を包含し、これにより上記目的が達成される。
エコー相殺および抑制のための本利得制御方法は、上記概略された問題を克服し、そしてまず重み付け近端および遠端パワー差を計算し、そしてその結果を使用して上下限間に減衰率を決定することによって減衰率を計算するための方法を提供することによって当該技術を進展させる。完全二重接続の品質をさらに向上するために、平滑化係数を減衰計算において使用して低パワーかつ定常な鳴動エコーを耳障りな過渡的な音なしに提供する。
適応型フィルタを含むエコー相殺段は、第1レベルの減衰を提供し、かつエコー抑制段内で使用されるフィルタリングされた信号およびエラー信号を生成する。受信されたディジタル遠端信号は、アナログに変換され、そしてスピーカで再生される。アナログエコー信号はマイクロホンで受信され、そして1秒当たり所定のサンプル数のレートでディジタル化される。アナログエコー信号をディジタル化するための使用される1秒当たり所定のサンプル数のレートは、受信された遠端信号がディジタル化されるレートと同じである。サンプルは12ブロックにグループ化され、各グループは160サンプルを有する。ここで、各ブロックは、50パーセント前回のブロックと重複する。したがって、12ブロックは1040サンプルの列を含み、130ミリ秒のテール長を提供する。120ミリ秒より大きなテール長は、通常のオフィス環境において受信される大量の音響エコーを除去するのに十分である。
エコーキャンセラ内で、フィルタリングされた遠端信号をエコー信号から引いて、適応型フィルタの重みを更新するために使用されるエラー信号を生成する。遠端信号、フィルタリングされた信号およびエコー信号の信号の強さまたはパワーをエコー抑制段で計算し減衰率を決定する。各連続なパワー計算に対して、所定数の新しいサンプルを計算のために使用する。計算された信号パワーを使用して、正規化された遠端パワーは所定の消音パワーと遠端パワーの差として計算され、かつ正規化された近端パワーはエラーパワーとフィルタリングされたパワーとの差として計算される。重み付けされた近端パワーと重み付けされた遠端パワーとの差は、減衰率を計算する際に使用する線形値に変換される抑制値を提供する。
変換された抑制値は平滑化係数を使用して平滑化され、低パワーかつ定常な鳴動エコーを耳障りな過渡的な音なしに確保する。最後の減衰率は、平滑化減衰値の値に依存して所定の上下限間で決定される。送信信号は、エラー信号に減衰率を掛けることによって計算される。減衰率に対して所定の上下限値を使用することによって、適応型フィルタが収束状態に達していなくても減衰が提供される。
動作的には、適応型フィルタが収束状態に達するにつれ、正規化された近端パワーは負方向に増加する。なぜなら、正規化された近端パワーを計算するために使用されるエラー信号が低減するからである。したがって、減衰率は小さいままである。他方、ダブルトーク状態の間、または遠端のみが話している場合、エラー信号が増加する。その結果、正規化された近端パワーは低減し、そして正となり得、減衰は少ないか、または全くなくなる。したがって、近端スピーカは遠端側に対して可聴である。
本発明は、音響的に結合されたエコーの所望されない効果が、受信側に戻るように伝送されることを低減または相殺し、完全二重結合を提供することを可能とする。本発明は、消極的な話者のノイズが出力に加わることを防ぎ、2人以上の会議出席者が同時に話すことができる電話会議のブリッジを提供することも可能とする。
上記に要約され、かつ特許請求の範囲に定義される音響エコー相殺および抑制のための利得制御方法は、添付の図面とともに以下の詳細な説明を参考とすることによってよりよく理解され得る。好適な実施形態の本詳細な説明によって特許請求の範囲を限定する意図はなく、その特定の実施例を示す。加えて、本明細書中で使用される表現および用語は説明を目的とし限定を目的としない。
電話で発生し得るエコーには、電気エコーおよび音響エコーの2つの種類がある。音響エコーが発生するのは、ラウドスピーカとマイクロホンとの間の音響パスがあるのでラウドスピーカによって再生された信号の一部が空間によって反射、減弱、遅延、および歪曲され、そしてマイクロホンによって記録される場合である。これは、スピーカホンを使用する通常の状況である。
エコー抑制は半二重接続を生成する。エコー抑制は、音声の流れを一度に一方向だけに制限することによってノイズの戻りを止める。エコー相殺は、適応型フィルタを使用することによってエコーを相殺または、少なくとも、著しく減弱するためのよりよい解決手段を提供し、したがって電話接続の品質および性能を向上する。図1を参照すると、エコーキャンセラは、スピーカ150とマイクロホン160との間の音響結合の結果であるエコーを相殺する機能を有する。音響結合は、スピーカ150から再生された受信された遠端信号110の一部が音響信号パス130を介してマイクロホン160に供給される現象である。エコーキャンセラ170は推定エコー信号を生成する。推定エコー信号は実際のエコー信号140と組み合わされ、遠端へ戻る反射エコーを許容レベルへ低減する。
エコー相殺を用いると、ディジタル送信は同じバンド幅内で同時に両方向へ進行することが可能となる。エコー信号の推定または予測は、エコーキャンセラ170内の適応型フィルタによって近端で生成され、そして受信された遠端信号110から引かれる。これにより、エコーは有効に相殺される。受信された遠端信号110が既知なので、エコーキャンセラ170は、経時、エコー特性を予測し、そしてエコー信号140の近似を生成し得る。エコー相殺において、複雑な方法手順を使用して、音響エコーの特性を予測する近似を計算する。このエコー予測の方式は、適応として公知のプロセスでエコーキャンセラによって学習されなければならない。初期化時にエコー予測は利用可能でない。したがって、この学習プロセス中にエコーキャンセラは、1方向だけの通信または半二重を有効に可能とする。適応プロセスから学習されるパラメータはエコー信号の予測を生成し、次いでマイクロホンの配置された空間のオーディオピクチャーを形成すると言え得る。トーク中は、オーディオピクチャーが常に変化し、そして次にキャンセラは連続して適応しなければならない。電話接続の品質および性能を向上するために適応型フィルタを使用してエコーを相殺または、少なくとも、著しく減弱する。
(エコー相殺段−図2)
図2を参照する。遠端信号x[n]は、近端デバイス200によって受信され、アナログ信号(図示せず)へ変換され、そしてスピーカ250を介して受信者に再生する。遠端信号x[n]の一部は、近端マイクロホン260へ音響結合される。音響結合されたエコー信号d[n]は、エコーキャンセラ240へフィードバックされる。エコーキャンセラ240内で、遠端信号x[n]はまた、適応型フィルタ244へ与えられ、適応型フィルタ244はフィルタリングされた信号y[n]を生成する。例示および検討のために、ここで任意形態の適応型ディジタルフィルタが使用され得る。本発明の音響エコー相殺および抑制のための利得制御方法の複雑性に対応するようマルチブロック周波数ドメイン(MDF)最小2乗方法を選択する。
MDF適応型フィルタは、ディジタル信号処理ハードウェアにおいて実施される実時間アプリケーションに最も適する。性能において、MDF適応型フィルタはより小さいブロック遅延を導入し、より高速であり、かつしたがって、遠距離通信に適する。MDF適応型フィルタを使用する性能の向上は、より小さなブロックサイズを使用し、重み係数をより頻繁に更新し、そして適応プロセスの総実行時間を低減することによって達成される。Sooらの「Multidelay
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マイクロホンで受信されたアナログエコー信号は、受信されたディジタル遠端信号と同じ1秒当たりのサンプル数レートでディジタル化およびサンプリングされる(図示せず)。例示のために、本発明のエコー相殺および抑制のための利得制御方法は、1秒当たり8000サンプルのレートでディジタル化されたサンプルを使用して説明されるが、他のサンプリングレートで置き換えられ得る。適応型フィルタ244からのフィルタリングされた信号y[n]は、エコー信号d[n]から引かれてエコー信号e[n]を生成する。エコー相殺段240においてフィルタリングされた信号y[n]をエコー信号d[n]から引くことによって減衰の第1レベルを提供し、エラー信号e[n]を生成する。エラー信号e[n]はさらにエコー抑制段220において減衰され、その後送信信号t[n]が遠端デバイスへ送信される。
エコー相殺器240内のフィルタアップデートコントロール242は、エラー信号e[n]を用いて、適応型フィルタ244の重みをアップデートする。これには、12個のブロックが用いられる。図3に示すように、12個のブロックにおいて、後に続くブロックは、それぞれ、前のブロックと50%重なる。例えば、図4を参照すると、最初の160個のサンプルは、ブロック1内にある。ブロック1の最後の80個のサンプルは、ブロック2の最初の80個のサンプルにも用いられるので、ブロック1および2を合わせると、全体で240個のサンプルがあり、80個のサンプルが重複している。再度図3を参照すると、これによって、ブロック1の第1のサンプルからブロック12の最後のサンプルまで、1040個の16ビットのサンプルのテール長が提供され、このテール長は、130ミリ秒のテール長に変換される。
テール長が、1040個の16ビットのサンプルについて、記載および例示されるが、他のテール長が代用されてもよい。130ミリ秒のテール長は、典型的なオフィス環境において120ミリ秒以上のテール長が大量の音響エコーを除去することが発見されたので、選択された。本発明の音響エコー相殺および抑制についての利得制御方法を組み込んだ音声端末が操作される環境を変化させることは、それに従って、テール長が調節されることを必要とし得る。
エコー抑制(図2、5および6)
本発明の音響エコー相殺および抑制についての利得制御方法のエコー抑制段は、エコー信号を問題とならないレベルまでさらに低減させることを必要とする。エコー抑制器は、エコー相殺段が充分にエコー信号を減衰しないので、さらなる減衰を加える。エコー抑制段によって加えられる減衰量は、エコー相殺変数x[n]、y[n]、およびe[n]が、全て、エラー信号e[n]の減衰に用いられた減衰率kを計算し、送信信号t[n]を生成することに用いられるので、エコー相殺段に依存する。
図5とともに、図2を参照すると、遠端信号x[n]は、ブロック510において受信され、ブロック570の適応型フィルタ244によってフィルタリングされて、フィルタリングされた信号y[n]が生成される。遠端信号をアナログに変換した後、遠端信号x[n]が、ブロック520内のスピーカ250から再生される。エコー信号d[n]が、ブロック540内のマイク260で受信され、上述したように、デジタル化される。フィルタリングされた信号y[n]は、ブロック550内のエコー信号d[n]から減算されて、エラー信号e[n]が生成される。信号のパワーは、ブロック560内のサンプル80個ごとに計算される。遠端信号x[n]のパワーPは、以下の式の通りに計算される。
Figure 2009065699
n=0からn=N−1まで計算される。ここで、n=0,1,2...,N−1であり、N=80である。x[n]にy[n]、d[n]、e[n]を代入すると、それぞれ、P、P、およびPが得られる。パワーの計算が用いられて、適応型フィルタ244の適応スピードが制御され、エコー抑制段220の減衰率が計算される。この例において、10ミリ秒ごとに、80個のサンプルの新たなストリングを用いて、信号パワーが再計算される。
図6を参照すると、抑制器220内で、P、P、およびPが用いられて、正規化された遠端および近端パワー、それぞれ、ブロック620内のPnear−endおよびPfar−endが計算される。正規化された遠端のパワー、Pfar−endは、所定の沈黙パワーPから、計算された遠端パワーレベルを減算した差として、Pfar−end=P−Pに従って、計算される。例示のため、Pfar−endを計算するため、遠端の沈黙パワーは、40dBとして選択されるが、0dBより大きく、60dBより小さい他の正の値が代用され得る。正規化された近端パワーは、エラーパワーとフィルタリングされたパワーの差として、式Pnear−end=P−Pに従って計算される。近端および遠端パワー計算に、正規化された、または、相対的な値を用いることによって、本発明の音響エコー相殺および抑制についての利得制御方法を用いて、ノイズに対するロバスト性が向上する。
次に、抑制値Aは、正規化された遠端パワーに第1の重み係数Wを乗算した積に、正規化された近端パワーに第2の重み係数Wを乗算した積を加算して、抑制値をデシベルで求めることによって、ブロック650において計算される。計算用の式は、A=Wnearend+Wfarendである。ただし、WおよびWの所定の値は、以下の式によるPnear−endの値に基づいて、ブロック630において得られる。
near end<C=1.00 W=0.50
≦Pnear end<C=0.50 W=0.25
near end≧C=0.00 W=0.50
ただし、−6≦C<0であり、0≦C<6である。
重み付けされた値、WおよびWが用いられて、正規化された遠端パワーおよび正規化された近端パワーとの間の重み付けされた差が計算されて、ブロック650内の抑制値Aが計算される。
従来技術によるエコー抑制器とは異なり、本発明の音響エコー相殺および抑制についての利得制御方法は、実際のパワー差の代わりに、正規化されたパワー差を用いる。減衰の計算における実際のパワーの使用は、ノイズがある環境において信頼できないという問題を起こす。遠端および近端パワー値の計算に用いられた差のような、正規化された、または相対的なパワーの使用は、ノイズに対するロバスト性を高める。
本発明の音響エコー相殺および抑制についての利得制御方法を用いることによって、遠端発話があり、近端発話がない場合に、Pは、P、P、およびPよりも大きい。従って、正規化されたPfar−endは大きい。収束に達する場合、Pnear−endは、フィルタリングされ、受信された信号Pのパワーレベルが増大し、エコー信号Pのパワーレベルが比較的一定に維持され、そのことにより、エラー信号Pのパワーレベルが負になるので、負の方向に増大する。従って、A=(1.0)(Pfar−end)+(0.5)(−Pnear−end)であり、小さい抑制値Aが得られる。減衰率Aが小さくなればなるほど、エコー抑制段内の減衰がより大きくなる。
反対に、近端発話があり、遠端発話がない場合、フィルタリングされ、受信された信号Pの信号パワーレベルは、低く、エラー信号のパワーレベルは高く、大きい、正規化された近端電力レベルPnear−endが得られる。従って、A=(0.0)(Pfar−end)+(0.5)(−Pnear−end)であり、大きい抑制値Aが得られる。抑制値Aの値が増大すればするほど、エコー抑制器内の減衰が低減する。
再度図6を参照すると、ブロック650において計算される抑制値Aは、ブロック670において、式k=10A/20によって、デシベルから線形値に変換される。いらだたせる過渡的な音なしに、低パワーおよび一定の響くエコーを保証するため、所定の平滑化係数を用いて、線形値が平滑化される。例示および記載のため、λ=0.85の平滑化係数が選択されるが、他の平滑化係数(0.9より小さく、0.5以上)が代用され得る。エコー相殺段の線形減衰値は、式ksmooth=λklinear+(1−λ)klinearを用いて、ブロック680において平滑化される。
エコー抑制段内で、減衰率kは、0から1の間の値になるように計算される。従来技術において、エコー相殺および抑制回路は、減衰率K=1で信号の減衰がなくなり、減衰率K=0で無限減衰が得られる。無限減衰は、半二重接続に類似する。本発明の音響エコー相殺および抑制についての利得制御方法は、上限値kmax=1、および下限値kmin=0.1で、減衰率を計算し、それに従って半二重呼の結果が相殺される。減衰率kに下限値kmin=0.1を設定することは、完全二重接続を維持する間、20デシベルの減衰に等しい。kmin=0.1が下限値として記載され、例示されるので、0より大きく、1より小さい、代替的な正の値が代用される。
ブロック680から平滑化された線形減衰値ksmoothを用いて、ブロック690において、上述の下限値kmin=0.1および上限値kmax=1.0を用いて、減衰率が決定される。平滑化された抑制係数ksmoothが上限値より大きい場合、上限値1.0が選択され、ksmoothが下限値より小さい場合、下限値が選択される。
本発明の音響エコー相殺および抑制についての利得制御方法は、遠端または近端いずれかの明瞭な音声活動検出を用いない。ダブルトーク検出も用いられない。従って、音声活動またはダブルトーク検出の誤った分類に起因するクリッピングの機会が最小限になる。クリッピングが発生する唯一の原因は、Kminを低すぎる値に設定することである。kmin=0.1の設定は、典型的なオフィス環境において、エコー信号を抑制し、依然として自然な完全二重接続を提供する最適値である。
図2および6を参照すると、ブロック620、630、650、670、680、および690における計算は、エラー信号e[n]が乗算されて、遠端音声端末に送信される送信信号t[n]が得られる減衰率kを得るために計算される。本発明の音響エコー相殺および抑制についての利得制御方法を用いると、遠端発話があり、近端発話がない場合、PはP、P、およびPより大きい。従って、正規化されたPfar−endは大きい。従来技術によるエコー抑制器とは異なり、適応型フィルタが収束に達しないことがある場合でも、減衰を保証する。従来技術によるエコー抑制器は、典型的には、適応型フィルタが収束に達するまで、半二重接続として動作する。収束に達した場合、Pnear−endは、フィルタリングされた信号Pのパワーレベルが増大し、エコー信号Pのパワーレベルが比較的一定に維持され、そのことにより、エラー信号Pのパワーレベルが低減するので、負の方向に増大する。従って、減衰率kは、小さいまま維持される。
代替的な実施形態について、当業者であれば、本発明の音響エコー相殺および抑制についての利得制御方法において減衰率Aを計算するために用いられる値は、異なる環境における動作について調節され得ることを理解する。本発明の音響エコー相殺および抑制についての利得制御方法は、特定の適応型フィルタを利用するとして例示および記載されてきたが、この適応型フィルタは例示用に過ぎない。他の形態の適応型フィルタリング、例えば、時間ドメイン正規化最小平均二乗(NLMS)または反復最小二乗(RLS)などが用いられる。
上記の目的、目標および利点を完全に満たす、音響エコー相殺および抑制についての利得制御方法が説明されてきたことが明らかである。音響エコー相殺および抑制についての利得制御方法が、特定の実施形態とともに説明されてきたが、上記の説明から、当業者であれば、多くの代替例、改変例、および/または変形例を考え得ることが明らかである。従って、この記載は、添付の特許請求の精神および範囲内に含まれるこのような代替例、改変例、および/または変形例を全て含むように意図される。
本発明は、全二重接続を提供しながら、スピーカとマイクロホンとの間の音響エコー連結という望ましくない影響を低減または排除する利得制御方法である。重みづけられた正規化された遠端および近端パワーを用いて、上限値と下限値との間で減衰率を決定するために用いられる抑制値をまず計算し、それにより、ノイズの多い環境における信頼性を向上させる。全二重接続の質をさらに向上させるために、平滑化ファクタを減衰率に付与することにより、煩わしい過渡的な音なしにローパワーで常に聞こえるエコーを提供する。
図1は、従来のエコーキャンセラのブロック模式図である。 図2は、本発明の音響エコー相殺および抑制装置のブロック模式図である 図3は、音響エコー相殺および抑制のための利得制御方法において使用される1040ディジタル信号サンプルの130ミリ秒テール長を示す図である。 図4は、図3からのサンプルの2つのブロックの拡大図である。 図5は、本発明の音響エコー相殺および抑制装置のための利得制御方法における遠端信号変化量を計算する方法のブロック図である。 図6は、本発明の音響エコー相殺および抑制装置のための利得制御方法における減衰係数を計算する方法のブロック図である。
符号の説明
220 エコー抑制器
240 エコーキャンセラ
242 フィルタ更新制御
244 適応型フィルタ
250 スピーカ

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  1. 全二重音声ターミナルに用いられる音響エコーキャンセルおよび抑制のための利得制御方法であって、本願明細書に記載されている方法。
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