JP2002016211A - 電子回路モジュールおよび回路ユニット - Google Patents
電子回路モジュールおよび回路ユニットInfo
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Abstract
により接続される半導体チップにおいて、実装時の繰り
返し加熱による接続の信頼性低下を防止する電子回路モ
ジュールを提供することを目的とする。 【解決手段】 半導体チップ2は、NiまたはNi合金
からなる第一の電極4を有し、第一の電極4は表面にS
n基合金である合金Aからなるはんだバンプ3を有し、
モジュール基板5は、NiまたはNi合金からなる第二
の電極8を有し、第二の電極8は表面にZnを含むSn
基合金である合金Bからなるはんだバンプ6を有し、合
金Bの融点は合金Aの融点よりも低く、合金Aと合金B
の接合後のはんだは、Niと合金化するように構成す
る。
Description
な実装に必要な、はんだ電極を有する半導体チップのモ
ジュール基板への搭載方法に関し、特に近年の地球環境
問題に鑑み、有害な鉛を含まないいわゆる鉛フリーはん
だによる接合方法に係わる。
極端子数の増加に対応するため、従来のQFP(Quad F
lat Package)やSOP(Small Outline Package)などの
周辺部に電極リードピンを有する半導体パッケージに代
わり、パッケージの裏面に格子状にはんだバンプを配置
したいわゆるBGA(Ball Grid Array) パッケージが実
用化されている。なお、電極上にはんだを形成した突起
電極のうち、比較的大きいものをはんだボール、小さい
ものをはんだバンプと呼ぶ傾向がみられるが、定義が明
確ではないためここでは一括してはんだバンプと呼ぶこ
ととする。
んだやSn−Pb共晶はんだに少量のAgやGeを添加
した融点183℃近辺のはんだが用いられている。
チップ(ベアチップともいい、以降半導体チップと呼
ぶ)を、直接モジュール基板上にフェイスダウンで実装
する、いわゆるフリップチップ実装においても用いられ
ており、半導体チップの表面にはんだバンプを格子状に
形成したものが用いられている。なお、モジュール基板
とは、一つあるいは複数個の機能を有する電子回路を形
成する基板を意味している。
ュール基板上に複数搭載したモジュール(MCM:Mult
i Chip Module)とすることで信号遅延の短縮が図れるこ
とから、はんだバンプは高速コンピュータの分野で採用
されている。
ップとパッケージとの内部接続においてもワイヤボンデ
ィングに換えてはんだバンプが採用されつつあり、ピン
数の多いパッケージなどで既に実用化されている。
は、鉛系高温はんだ(例えばPb−5Snなど)が用い
られてきた。これは、鉛系高温はんだを用いることで、
表面実装部品をモジュール基板または半導体チップを取
り付ける基板であるマザーボードにSn−Pb共晶はん
だで搭載する際に、樹脂パッケージやMCM内部のはん
だバンプの溶融を防ぐという効果があるからである。
もの高温が必要である。MCMのマザーボードには、熱
膨張率が小さく、耐熱性に優れたセラミックスが使用さ
れてきたが、最近では、より安価なガラスエポキシ板等
をコア材とする樹脂製のマザーボードを適用したいとの
ニーズが高まってきている。
もの高温には耐えられない。そこで、マザーボード側に
Sn−Pb共晶はんだバンプを形成しておき、これに半
導体チップ側の鉛系のはんだバンプを押しつけて、共晶
はんだの融点以上に加熱して接続する方法も開発されて
いる。
棄物からの鉛イオンの溶け出し量が増加し、地下水の汚
染が問題になってきている。1980年代後半、国民の
多くが地下水を飲料水としている米国で大規模な調査が
行われ、水源の鉛汚染が深刻な状況にあることが明らか
になった。
からの溶出である。電子機器における鉛使用量の削減
は、今後、地球環境保護の観点から避けて通れない課題
であり、鉛を含まない代替はんだ材料の調査や接合技術
の開発が進められている。
ter for Manufacturing Science)を中心とするコンソー
シアムが、1992年から96年にかけて候補材料の評価を実
施した。NCMSのファイナルレポート(1997年8
月発行)によれば、挿入実装部品を搭載するためのフロ
ーソルダリングおよび表面実装部品を搭載するためのリ
フローソルダリング用の鉛フリーはんだ材料が詳細に検
討されている。日本においても同様に、例えば回路実装
学会や溶接学会において鉛フリーはんだの研究発表が活
発に行われている。
ードピンを有する部品の搭載技術が中心であったが、こ
こにきてBGAのようなはんだバンプを有する部品に関
する研究、報告がなされるようになってきた。
鉛フリー化は、鉛フリーはんだ材料が一本化されていな
いこともあり、非常に難しい問題である。先のNCMS
のレポートや、日本電子工業振興協会の「鉛フリーはん
だのロードマップ」(98年2月月報)でも明らかにさ
れているように、Sn−Pb共晶系をそのまま代替でき
る材料はない。
されているのは、融点の異なるものとしてSn−Ag共
晶(融点221℃)やSn−Ag共晶にBiを少量添加
したもの(融点210℃近辺)、Sn−Zn共晶(融点
199℃)やSn−Zn共晶にBiを少量添加したもの
(融点190℃近辺)、Sn−Bi共晶(融点138
℃)などである。
g共晶系を、リフローはんだ付け時の部品の熱損傷防止
を優先する場合にはSn−Zn共晶系やSn−Bi系を
というように、はんだ材料を使い分けていく必要があ
る。しかし、ここにきてSn−Ag共晶系が、部品の電
極の鉛フリー化を待たずに採用できることや、いわゆる
「高温はんだ」としての実績から、製品適用が一部で始
まっている。これを受けた形でBGAやCSPなどのは
んだバンプにもSn−Ag共晶系を用いた研究事例(例
えば、第6回エレクトロニクスにおける接合・実装技
術、P223〜228)が報告されるようになってき
た。
体チップをモジュール基板に接合する場合、実装工程に
おいて少なくとも2〜3回の熱履歴がはんだバンプの接
続部に加わることになる。
合するときの加熱、次いで半導体チップをモジュール基
板に搭載したモジュールをマザーボードに搭載する際の
加熱があり、さらに近年の高密度実装においては両面実
装が一般的になりつつあるので、この場合にはさらにマ
ザーボードの反対面に部品を搭載するための加熱が加わ
ることになる。
返し熱印加を受けるため、接合界面においていわゆる
「電極食われ」が生じ、接続部の信頼性が著しく低下し
てしまうことになる。
マザーボード側の電極は、一般にCuやNiを含むの
で、はんだバンプはCuやNiと接合することになる。
したがって、はんだバンプと電極が接合された場合、接
合界面にはSnと電極材料であるCuやNiとの金属間
化合物、例えばSn−Cu化合物、Sn−Ni化合物が
生成していることになる。
スが加わると、接合界面においてSnの拡散反応が進行
し、結果として電極食われを生じやすい。半導体チップ
の接合部におけるこのような現象は接続不良の原因とな
るため、是非とも回避したい問題である。
ジュール基板に接続するはんだと、モジュールをマザー
ボードに接続するはんだは、共にSn−Ag共晶系のも
のを用いる場合が頻繁に生じることになり、はんだが同
一になる、あるいは融点の極めて近いはんだとなる可能
性が高い。この場合、半導体チップの接続部が繰り返し
熱印加される毎にはんだバンプの溶融が発生することに
なり、上記の電極食われの問題はますます深刻になる。
いてフリップチップ接合により接続される半導体チップ
において、実装時の繰り返し加熱による接続の信頼性低
下を防止する電子回路モジュールを提供することにあ
る。
するために鋭意検討を行った結果、上に述べた課題は、
本発明の第一の発明の〔請求項1〕によれば、半導体チ
ップとモジュール基板とを有し、該半導体チップは、N
iまたはNi合金からなる第一の電極を有し、該第一の
電極は、表面にSn基合金である合金Aからなるはんだ
バンプを有し、該モジュール基板は、NiまたはNi合
金からなる第二の電極を有し、該第二の電極は、表面に
Znを含むSn基合金である合金Bからなるはんだバン
プを有し、該合金Bの融点は、該合金Aの融点よりも低
く、該合金Aと該合金Bとが溶融接合したはんだは、N
iと合金化してなる電子回路モジュールとすることで達
成される。
に供給する合金BをZnを含有するものとし、かつ融点
が半導体チップの第一の電極上に形成された合金Aの融
点よりも低いものとしておく。
に、合金Bと合金Aを圧着した状態から加熱を行うと、
まず合金Bが溶けて、合金Aが溶融した合金Bに侵入す
ることになる。このとき、合金Bの表面酸化膜は、合金
Aのバンプにより機械的にバンプ周辺部へと排掃され
る。その後さらに接続部の温度が上昇すると、合金Aの
バンプも溶融して、合金Bと一体化する。したがって、
あらかじめ合金Aおよび合金Bの組成、供給量を調整し
ておくことで一体化したはんだバンプは所望の組成とな
り、さらに第一の電極および第二の電極のNiまたはN
i合金と合金化することになる。
金と反応するために、接合界面には拡散反応により成長
しやすいSn−Ni化合物ではなく、Zn−Ni化合物
が形成される。このZn−Ni化合物は熱ストレスによ
る成長がSn−Ni化合物に比較して極めて遅く、多数
回の熱履歴によっても接合部の信頼性の低下を招かない
という効果がある。
の発明の〔請求項2〕によれば、合金Aは、90重量%
を超えるSnと、2〜5重量%のAgまたはCuの少な
くとも一方とを含むSn基合金である電子回路モジュー
ルとすることで達成される。
重量%であるのは、Sn−Ag共晶系の共晶点が3.5
重量%Agであるので、含有量を2〜5重量%とするこ
とで融点が220℃付近となり、合金Bよりも高めにす
ることができ、かつ合金Bと合金Aとが溶融接合したは
んだはZnを1〜5重量%含むSn基合金とすることが
できるからである。
の発明の〔請求項3〕によれば、合金Bは、2〜10重
量%のZnと70〜95重量%のSnとを含むSn合金
である電子回路モジュールとすることで達成される。
ことで、融点が190〜210℃付近のはんだとするこ
とができる。
あるのは、Znが2重量%以上であれば、Sn−Zn共
晶系の液相線を下げる効果があり、10重量%以上では
はんだの反応性が大きくなるからである。
の発明の〔請求項4〕によれば、合金Aと合金Bとが溶
融接合したはんだは、0.5〜5.0重量%のZnを含
むSn基合金はんだとする電子回路モジュールとするこ
とで達成される。
上とすることで、十分なZn−Ni層が形成される。Z
nが5重量%以上では、接合後のはんだの融点が下がっ
てしまい、階層接合に適した融点が保てなくなる。
はんだバンプのほうが大きく、例えばモジュール基板の
はんだの4〜5倍の体積であるのが一般的である。この
ため、合金Bの亜鉛の含有量を2〜10重量%とした。
の発明の〔請求項5〕によれば、第一の電極と合金Aと
が溶融接合した第一の界面は、Sn−Ni層およびZn
−Ni層を有し、第二の電極と合金Bとが溶融接合した
第二の界面は、Zn−Ni層を有する電子回路モジュー
ルとすることで達成される。
合した第一の界面および第二の電極と合金Bとが溶融接
合した第二の界面にZn−Ni層を形成することで、繰
り返し熱履歴が生じても電極食われが発生しなくなるか
らである。
の発明の〔請求項6〕によれば、第一の電極は、最下層
から順にAl層、Ti層、Ni層で構成され、Ni層
は、表面がAuまたはPdの少なくとも一方で被覆され
ている電子回路モジュールとすることで達成される。
んだとの接合界面が熱履歴によって信頼性が低下しない
ようにするためには、NiまたはNi合金で被覆してお
くことが好ましいが、Al上に直接Ni合金を形成する
と、その密着力が不十分であるために接続不良を発生す
ることがあるので、Al層とNi層との間にTi層を介
在させることでこの現象を回避することができるからで
ある。
の発明の〔請求項7〕によれば、第一の電極は、最下層
から順にCu層、Ni層で構成され、Ni層は、表面が
AuまたはPdの少なくとも一方で被覆されている電子
回路モジュールとすることで達成される。
uとNiまたはNi合金との密着力が十分であるために
接続不良を起こしにくいので、Cu層の上に直接Ni合
金を形成することができる。
の発明の〔請求項8〕によれば、第二の電極は、最下層
から順にCu層、Ni層で構成され、Ni層は、表面が
AuまたはPdの少なくとも一方で被覆されている電子
回路モジュールとすることで達成される。
uとNiまたはNi合金との密着力が十分であるために
接続不良を起こしにくいので、Cu層の上に直接Ni合
金を形成することができる。
の発明の〔請求項9〕によれば、マザーボードと請求項
1記載の電子回路モジュールとを有し、マザーボード
は、表面に合金Cからなるはんだバンプを有し、合金C
は、融点が190℃以下のSn合金である回路ユニット
とすることで達成される。
Sn合金としておくことで、半導体チップの第一の電極
の表面の合金Aからなるはんだバンプとモジュール基板
の第二の電極の表面の合金Bからなるはんだバンプとが
溶融接合したはんだを溶融させることなくマザーボード
と電子回路モジュールとを接合できる、すなわち階層接
合が可能となる。
の発明の〔請求項10〕によれば、合金Cは、80重量
%を超えるSnと、2〜5重量%のAgまたはCuの少
なくとも一方と、18重量%以下のBiまたはInの少
なくとも一方とを含むSn合金である回路ユニットとす
ることで達成される。
で、融点を190℃以下とすることができる。
ップとモジュール基板との構成を示す図である。
ルをマザーボードに搭載した構成を示す図である。
る。
ンプと合金Aからなるはんだバンプを圧着した状態を示
している。図3の(2)は、合金Bからなるはんだバン
プが溶融し、表面酸化膜が突き破られ、排出される状態
を示している。図3の(3)は、合金Bからなるはんだ
バンプと合金Aからなるはんだバンプが共に溶融し、一
体化する状態を示したものであり、図3の(4)は、N
iまたはNi合金からなる半導体チップの第一の電極お
よびNiまたはNi合金からなるモジュール基板の第二
の電極が、溶融したZnを含む一体化したはんだと反応
し、溶融接合した界面にNi−Zn層が形成された状態
を示したものである。
に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。
プチップ接合によりモジュール基板上に搭載し、さらに
半導体チップを搭載したモジュールをマザーボードに搭
載し、その効果を確認した。
図1に示す。ここで、符号1はモジュールを、2は半導
体チップを、3は合金Aからなるはんだバンプを、4は
第一の電極を、5はモジュール基板を、6は合金Bから
なるはんだバンプを、7は表面酸化膜を、8は第二の電
極をそれぞれ示している。
載したモジュールを、マザーボードに搭載した構成を図
2に示す。ここで、符号9は合金Cからなるはんだバン
プを、10はマザーボードを、11はBGAをそれぞれ
示している。
たデイジーチェインパターンが形成された13mm角の
ものを使用した。なお、第一の電極4は250μmピッ
チの格子状で合計2025個あり、第一の電極4の構成
はAl電極上に下から0.1μm厚さのTi、2μm厚
さのNi、0.3μm厚さのAuとした。
アルミナ基板上に厚さ5μmのCu配線を形成し、ポリ
イミド絶縁膜で被覆したものをモジュール基板5として
用い、モジュール基板5の半導体チップ2との接続側お
よびマザーボード10との接続側の第二の電極8の構成
は、共にCu電極上に下から2μm厚さのNi、0.3
μm厚さのAuとした。
体チップ2を2個配置したモジュール(マイクロチップ
モジュールともいう)を用いた。また、マザーボード1
0は、厚さ0.5mmのアルミナ基板上に、厚さ5μm
のCu配線および厚さ10μmのポリイミド絶縁膜を交
互に配置し、3層配線とした構造のものを用いた。
i、0.3μm厚さのAu膜を形成した。
プ2をモジュール基板5の上に接続してモジュール1と
し、さらにこのモジュール1をマザーボード10に搭載
した。
プ同士が接合するモジュール基板の該当位置に、予備は
んだ法で合金BとしてSn−8Zn−3Bi(融点約1
90℃)のはんだを供給した。
を用いてモジュール基板上に載せ、合金Aとしては、半
導体チップの電極上に形成したSn−3.5Ag(融点
221℃)のはんだバンプをモジュール基板の電極と位
置合わせしてモジュール基板の予備はんだと圧着させた
状態でピーク温度240℃で加熱し、半導体チップとモ
ジュール基板とを接合した。なお、はんだ濡れの確保と
半導体チップの仮固定のために、半導体チップ上に予め
ロジンフラックスを塗布しておいた。
半導体チップ上の2025個の全ての電極が接続されて
いることを確認した。
マザーボードの片面上に、図示していない他の電子部品
と共に合金CとしてSn−3.5Ag−16.5Biの
はんだで接続した。
では2個)の半導体チップをフリップチップ接続したモ
ジュールをマザーボード上に搭載した。
ールについて再度のデイジーチェインの導通試験を行
い、半導体チップ上の全ての電極が接続されていること
を確認した。
面観察およびEPMA(Electron Probe Micro Analyse
r )での分析を行ったところ、接合界面にZn−Ni層
が形成されていることが確認された。このZn−Ni層
は熱履歴によっては厚みを増したり、成長したりするこ
とはなかった。
−8Zn−3Biを予備はんだすることなしに半導体チ
ップをフリップチップ接合により内部接続した場合に
は、上記と同様の熱履歴を経た後にデイジーチェインの
導通試験を行ったところ、50%以上で接続不良が発生
した。
3.5Agのはんだを用いたが、基本的にはSn−Ag
共晶またはこれに少量のBi、Cuを添加して融点を1
90〜220℃としたものが適切である。しかし、Bi
の添加量は138℃近辺の低温融解が起こらないよう
に、5重量%以下とすることが好ましい。
Zn−3Biのはんだを用いたが、基本的にはSn−Z
n共晶またはこれに少量のBiまたはCuなどの添加元
素を加えた融点が200℃以下のものが好ましい。
3.5Ag−16.5Biのはんだを用いたが、基本的
には融点が190℃以下の鉛を含まないはんだであれば
好ましく、例えば80重量%を超えるSnと、7〜10
重量%のZnと、10重量%以下のBiまたはInの少
なくとも一方とを含むSn合金や、40〜60重量%の
Snと、60〜40重量%のBiとを含むSn合金など
が好ましい。
て、ソフトエラーを防止するには、α粒子カウント数が
0.1cph/cm2 以下のはんだが望ましい。
ンプ接合を行った後、アンダーフィル(エポキシ樹脂等
によって基板と部品との隙間を充填すること)を行って
もよい。こうすることによって応力や湿度からバンプ接
合部分を保護することができる。
金Bの供給は、電極ピッチが250μm以下の場合には
基板の第二の電極に形成したはんだによって行うことが
好ましいが、電極ピッチが250μm以上であればはん
だペーストによる供給も可能である。
モジュール基板の第二の電極の最表面は、AuまたはP
dで被覆することによってはんだバンプの濡れが良くな
るので有効である。この場合、接合時にははんだバンプ
内に拡散して電極上には残存せず、また、はんだバンプ
内で金属間化合物を作らない程度の量、例えば100μ
m径のはんだバンプの場合には0.5μm厚以下が好ま
しい。 (付記1) 半導体チップとモジュール基板とを有し、
該半導体チップは、NiまたはNi合金からなる第一の
電極を有し、該第一の電極は、表面にSn基合金である
合金Aからなるはんだバンプを有し、該モジュール基板
は、NiまたはNi合金からなる第二の電極を有し、該
第二の電極は、表面にZnを含むSn基合金である合金
Bからなるはんだバンプを有し、該合金Bの融点は、該
合金Aの融点よりも低く、該合金Aと該合金Bとが溶融
接合したはんだは、Niと合金化してなることを特徴と
する電子回路モジュール。 (付記2) 前記合金Aは、90重量%を超えるSn
と、2〜5重量%のAgまたはCuの少なくとも一方と
を含むSn基合金であることを特徴とする付記1記載の
電子回路モジュール。 (付記3) 前記合金Bは、2〜10重量%のZnと7
0〜95重量%のSnとを含むSn合金であることを特
徴とする付記1記載の電子回路モジュール。 (付記4) 前記合金Aと前記合金Bとが溶融接合した
はんだは、0.5〜5.0重量%のZnを含むSn基合
金はんだであることを特徴とする付記1記載の電子回路
モジュール。 (付記5) 前記第一の電極と前記合金Aとが溶融接合
した第一の界面は、Sn−Ni層およびZn−Ni層を
有し、前記第二の電極と前記合金Bとが溶融接合した第
二の界面は、Zn−Ni層を有することを特徴とする付
記1記載の電子回路モジュール。 (付記6) 前記第一の電極は、最下層から順にAl
層、Ti層、Ni層で構成され、該Ni層は、表面がA
uまたはPdの少なくとも一方で被覆されていることを
特徴とする付記1記載の電子回路モジュール。 (付記7) 前記第一の電極は、最下層から順にCu
層、Ni層で構成され、該Ni層は、表面がAuまたは
Pdの少なくとも一方で被覆されていることを特徴とす
る付記1記載の電子回路モジュール。 (付記8) 前記第二の電極は、最下層から順にCu
層、Ni層で構成され、該Ni層は、表面がAuまたは
Pdの少なくとも一方で被覆されていることを特徴とす
る付記1記載の電子回路モジュール。 (付記9)マザーボードと、付記1記載の電子回路モジ
ュールとを有し、該マザーボードは、表面に合金Cから
なるはんだバンプを有し、該合金Cは、融点が190℃
以下のSn合金であることを特徴とする回路ユニット。 (付記10) 前記合金Cは、80重量%を超えるSn
と、2〜5重量%のAgまたはCuの少なくとも一方
と、18重量%以下のBiまたはInの少なくとも一方
とを含むSn合金であることを特徴とする付記9記載の
回路ユニット。 (付記11) 前記合金Cは、80重量%を超えるSn
と、7〜10重量%のZnと、10重量%以下のBiま
たはInの少なくとも一方とを含むSn合金であること
を特徴とする付記9記載の回路ユニット。 (付記12) 前記合金Cは、40〜60重量%のSn
と、60〜40重量%のBiとを含むSn合金であるこ
とを特徴とする付記9記載の回路ユニット。
モジュールとすることによって、接合後のはんだバンプ
中のZnが選択的にNiまたはNi合金と反応するの
で、拡散反応によって成長しやすいSn−Ni金属間化
合物ではなく、Zn−Ni金属間化合物が形成されるた
め、多数回の熱履歴によっても接合部の信頼性の低下を
招かないという効果が得られ、また、Snと電極材料で
あるNiまたはNi合金との拡散を防止するバリア層と
しても働く。
ュール基板との構成を示す図。
ボードに搭載した構成を示す図。
Claims (10)
- 【請求項1】 半導体チップとモジュール基板とを有
し、 該半導体チップは、NiまたはNi合金からなる第一の
電極を有し、該第一の電極は、表面にSn基合金である
合金Aからなるはんだバンプを有し、 該モジュール基板は、NiまたはNi合金からなる第二
の電極を有し、該第二の電極は、表面にZnを含むSn
基合金である合金Bからなるはんだバンプを有し、 該合金Bの融点は、該合金Aの融点よりも低く、該合金
Aと該合金Bとが溶融接合したはんだは、Niと合金化
してなることを特徴とする電子回路モジュール。 - 【請求項2】 前記合金Aは、90重量%を超えるSn
と、2〜5重量%のAgまたはCuの少なくとも一方と
を含むSn基合金であることを特徴とする請求項1記載
の電子回路モジュール。 - 【請求項3】 前記合金Bは、2〜10重量%のZnと
70〜95重量%のSnとを含むSn合金であることを
特徴とする請求項1記載の電子回路モジュール。 - 【請求項4】 前記合金Aと前記合金Bとが溶融接合し
たはんだは、0.5〜5.0重量%のZnを含むSn基
合金はんだであることを特徴とする請求項1記載の電子
回路モジュール。 - 【請求項5】 前記第一の電極と前記合金Aとが溶融接
合した第一の界面は、Sn−Ni層およびZn−Ni層
を有し、前記第二の電極と前記合金Bとが溶融接合した
第二の界面は、Zn−Ni層を有することを特徴とする
請求項1記載の電子回路モジュール。 - 【請求項6】 前記第一の電極は、最下層から順にAl
層、Ti層、Ni層で構成され、該Ni層は、表面がA
uまたはPdの少なくとも一方で被覆されていることを
特徴とする請求項1記載の電子回路モジュール。 - 【請求項7】 前記第一の電極は、最下層から順にCu
層、Ni層で構成され、該Ni層は、表面がAuまたは
Pdの少なくとも一方で被覆されていることを特徴とす
る請求項1記載の電子回路モジュール。 - 【請求項8】 前記第二の電極は、最下層から順にCu
層、Ni層で構成され、該Ni層は、表面がAuまたは
Pdの少なくとも一方で被覆されていることを特徴とす
る請求項1記載の電子回路モジュール。 - 【請求項9】 マザーボードと、請求項1記載の電子回
路モジュールとを有し、 該マザーボードは、表面に合金Cからなるはんだバンプ
を有し、 該合金Cは、融点が190℃以下のSn合金であること
を特徴とする回路ユニット。 - 【請求項10】 前記合金Cは、80重量%を超えるS
nと、2〜5重量%のAgまたはCuの少なくとも一方
と、18重量%以下のBiまたはInの少なくとも一方
とを含むSn合金であることを特徴とする請求項9記載
の回路ユニット。
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